小泉・竹中政権が提唱した
「聖域なき構造改革」 には、結果的に、下記のような 「聖域」 が存在し、結局、
格差社会・セイフティネットの破壊が生じました。
(1)聖域
①米国・年次改革要望書 (日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく
日本国政府への米国政府要望書)、在日米軍、(自衛隊)
②外国資本 (外資)
③金持ち (富裕層)・優遇税制
④大企業・役員・法人税減税、株主・優遇税制
⑤中央省庁・官僚・国家公務員、天下り・天下り先 (特殊法人、特殊会社、独立
行政法人、公益法人)・ひも付き補助金・官製談合・随意契約
⑥政治家・族議員、(政治家の世襲制)
⑦国民の血税に巣くう政官業癒着の既得権益構造・利権構造、膨大な税金 (国民
の血税) の無駄遣い
⑧伏魔殿化した 「特別会計」
⑨公共事業・ハコモノ、高速道路・空港・新幹線・ダム等
⑩銀行・証券会社
⑪都会・大都市(2)聖域以外
①一般国民 (中流階級~貧困層)・所得税定率減税、消費者
②雇用者・一般社員、パートタイマー、派遣労働者
③中小零細企業
④教育
⑤農林水産業、環境問題
⑥年金・雇用・医療・介護・福祉等の社会保障・セイフティネット
⑦高齢者、障害者、患者、子供
⑧郵政事業
⑨地方・中小都市・僻地 当ブログ管理人は、基本的に、小泉・竹中政権が提唱した 「聖域なき構造改革」 には賛成です。但し、
「聖域が本当にない」 という大前提です。
結果的に、小泉・竹中政権が推進した 「聖域なき構造改革」 には、上記のような聖域が存在したため、その聖域を優遇すればするほど、聖域以外は冷遇されるため、以前の日本の1億総中流階級という社会構造を、
格差社会に変貌させてしまいました。
格差は、「大企業」 と 「中小零細企業」、「大企業・官僚・政治家等による政官業癒着の既得権益構造」 と 「一般国民」、「都市」 と 「地方」、教育格差等々、様々な格差が生まれました。
また、金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になるような構造が出来、競争社会・新自由主義・市場原理主義・小さな政府のもと、弱者が淘汰されても仕方がないという思想が定着しました。
そして、その弱者の方々を救うためのセイフティネットも同時に破壊されてしまいました。それが、弱者切り捨て・地方切り捨て等に繋がり、また、医療・介護においては、医療難民・リハビリ難民・介護難民・救急難民等を生み出しました。
さらに、その状況に、米国発の金融危機・景気悪化が拍車をかけ、現在、日本の経済・国民の生活を混乱に陥らせています。
したがって、これからは、政治家・官僚等の方々には、上述の
様々な大きな弊害をもたらした 「極端な新自由主義・市場原理主義・暴走資本主義、小さな政府、過度な民営化・競争社会・自由競争」 を、
「公正性・公平性・透明性の原則、強固なセーフティネットを担保した適正規模の政府、適正な民営化、節度のある自由競争、修正資本主義あるいは社会民主主義」 に変えて、
安心・安全な、且つ納得・満足できる日本にして頂きたいと思います。
但し、その前に、
このような不幸な日本にしてしまった政治家のみならず、(無謬性・匿名性にて無責任体制である) 官僚も、結果責任・説明責任を充分に感じて、国民に対して反省・謝罪の言葉を明確に述べるべきです。
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