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リハビリテーション診療報酬は 「包括払い制度」 へ???

 「民主党政策集 INDEX 2009 医療政策<詳細版>」 (2009/7/31) における 「国民皆保険制度の維持発展」 の章の 「包括払い制度の推進」 の項を下記に示します。

●包括払い制度の推進

 国内どこに住んでいても、医学的根拠に基づく医療 (EBM) が受けられるよう、急性期病院において、より一層の包括払い制度 (特定の疾患に定額の報酬が支払われる制度) の導入を推進します。
 同時にクリティカルパス (註) を可能な限り導入し、療養病床においては食費・居住費を含めた包括払い制度を導入します。
 超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます。
 なお、後期高齢者医療制度でも外来医療費を定額にできる 「包括払い」 のような制度が導入されていますが、仕組みはまったく異なります。
 75歳以上の高齢者のかかりつけ担当医が、慢性疾患を抱えがちな高齢者について、定期的に診療計画書を作成し、生活全般にかかわる指導・診察を行えば後期高齢者診療料が算定できるというものです。
 これは医療現場の理解を得られておらず、後期高齢者に限って医師へのフリーアクセスが制限され、必要な検査ができなくなる恐れがあることなどから民主党は反対しています。

 (註) クリティカルパス
   ◎医療の内容を標準化し、質の高い医療を提供することを目的として、
    疾患ごとに入院から退院までの経過や検査の予定などをスケジュール
    表のようにまとめたもの。

(1)上記の文中に、「超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます」 という文言がありますが、少なくとも、「急性期」 は包括払い制度からは除外されていると考えられます。

(2)全く同じ文言が、昨年の 「民主党 INDEX 2008」 の 「厚生」 の章にも記載されています。

(3)リハビリテーション診療報酬における 「包括化 (包括払い制度の導入)」 に関しては、当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性』および 『急性期・亜急性期のリハビリ料の出来高払いの既定事実化 (二木教授)』) において、既に詳細に考察していますので、ご参照下さい。

(4)現時点での当ブログ管理人の予想は、下記の通りです。

 ①次期2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定における 「超急性期 (~急性期) の
  リハビリテーション料」 の 「包括化ならびにセラピスト以外の代替有資格者
  (看護職員) の算定可能化」
の導入の可能性は 「完全には否定できない」 と考
  えられます (下記の参考資料を参照)。(特に、DPCにて在院日数の短縮が
  より強く求められており、且つ配置セラピストが不足している 「DPC対象
  病院である高度急性期総合病院および急性期総合病院」 に対する対策)。

(参考資料)

 「医療経営Phase3 (フェイズ・スリー)」 (平成19年12月号) の中の記事 (霞が関ズームアップ「平成20年度診療報酬改定の評価項目が浮上」) において、下記の 「急性期リハビリテーション料の新設」 に関する予測記事が掲載されましたが、結局、平成20年度診療報酬改定での導入は見送らました。

【急性期リハビリテーション料の新設】
 リハビリテーションは発症初期から開始することが重要であり、平成18年度診療報酬改定でも急性期・回復期のリハビリを評価している。
 急性期・回復期のリハビリは、発症直後から関節可動域訓練などを開始することが重要視されているが、急性期は臥床したままで、リハビリの専門病院に転院した後、または回復期リハビリ病棟に転棟した後に、リハビリを開始する事例も多い。
 この場合、リハビリを開始する時点で既に回復が困難なレベルにまで拘縮が進んでいるため、回復期リハビリが充分な効果を発揮できない事例があることも、厚労省は把握している。
 これらをもとに同省では、発症直後から何らかのリハビリを開始することを評価した点数を設定することを検討している。
 具体的には、「1日につき150点の急性期リハビリテーション加算を新設する」 意向だ。
 算定条件としては、
  (1) リハビリを必要と認める患者に対して発症直後から2週間までの間に
   医師の指示の下、看護師 (准看護師を含む)、または理学療法士が関節
   可動域訓練などを実施した場合に、入院基本料に加算できる。
  (2) 対象者を疾患別リハビリの対象患者に限定する。
  (3) 疾患別リハビリ料とは併算不可とする。
などが考えられている。
 財政負担は、年間16億円程度と試算されている。

 ②但し、基本的には、日本福祉大学の二木教授が仰るとおり、「急性期・亜急
  性期医療 (回復期リハビリテーション病棟も含む) のリハビリテーション料
  は、今後も出来高払いであり続ける」・「急性期・亜急性期のリハビリテー
  ション料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既
  得権化した」
と思われます。

 ③また、厚生労働省DPC研究班・主任研究者の松田教授 (産業医科大学) も、
  「DPCについては傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハ
  ビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥
  当」
との見方を示しています。

(5)しかしながら、DPC対象病院に限らず、急性期・亜急性期のリハビリテーション料において、「ドクターフィー (医師技術料) あるいはドクターフィー的要素 (コメディカル技術料)」 と 「ホスピタルフィー」 の考え方が、導入される可能性も否めません。

 急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、以前の当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、『疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準』、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』) で論じたように、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定および適切な指示、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があると考えられます。

 そして、リハビリテーション医療の効率化と質の管理リハビリテーション治療効果および成果 [アウトカム評価は、患者・家族要因、環境要因、社会的要因等に左右されるため、「プロセス評価」 および人員基準等の一部のストラクチャー評価がベター] のエビデンスを示していく必要があると考えられます。




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経済危機克服のための 「有識者会合」 発言のポイント (社会保障)

 経済財政諮問会議 (2009/4/7) (議事:①経済危機克服の道筋、②経済危機克服のための 「有識者会合」 への対応) において、『経済危機克服のための 「有識者会合」 84名の発言のポイント (内閣府)』 という資料が配付されています。

 その中の、「社会保障」 分野における有識者12名の発言のポイントを下記に示します。

 麻生太郎首相が4月7日、社会保障や財政などの政策目標や優先順位を議論する有識者会議 「安心社会実現会議」 の設置を表明したことを受け、政府の経済財政諮問会議は4月下旬から、医療や介護などに関する実態分析や社会保障改革の工程表の具体化について集中的に審議していく予定です。

 社会保障の有識者12名の発言が、経済危機克服のみならず、「社会保障危機、医療・介護・福祉の危機 (社会保障崩壊、医療・介護・福祉の崩壊)」 の克服に、どう生かされていくのかが注目されます。

経済危機克服のための 「有識者会合」 84名の発言のポイント

【社会保障】

●大久保 満男氏 (社団法人・日本歯科医師会会長)

①日本歯科医師会は健康日本21の中で、8020 (80歳で歯が20本) 運動を推進し、高齢者の歯の健康維持に取り組んできたが、5年間の中間評価では予想以上の高い割合で高齢者の歯の健康が保たれている。

②歯の健康が身体的健康や生活の活発化にもつながるという調査結果や実例、また、かかりつけ歯科医師の有無が累積生存率に影響が大きいという調査結果もあり、歯の健康は、生活の活発化、ひいては健全な消費活動につながり社会全体も活性化すると考えられることから、社会保障費の削減はまずい政策だと思っている。


●唐澤人氏 (社団法人・日本医師会会長)

①経済危機が叫ばれる中、地域医療体制も崩壊の危機。社会保障国民会議において社会保障の機能強化が示されたところだが、真に国民が安心できる社会保障制度の構築が必要不可欠。

②国民の不安が高まる中で良質で安全な医療を安定的に提供するのは、投資が必要だが、医療機関の経営状況は厳しく、原材料価格高騰対策等緊急保証制度において、医療機関を対象としていただきたい。

③病院勤務医の労働環境は厳しく、看護・介護従事者の給与水準は全産業平均で見ても低水準。職業倫理による努力も限界に近づきつつあることから、勤務状況を改善し、魅力的な職種にしていくことが必要。

④医療・介護分野に対し、積極的な財源投入を行い、着実な雇用拡大を行うとともに、あまねく国民へ還元すべきことを提案する。


●京極宣氏 (国立社会保障・人口問題研究所所長)

①社会保障は、経済効果 (内部経済効果、バリアフリー等への投資効果、セーフティネットの整備に伴う安心による所得効果) が大きい。

②21世紀の社会保障の量から質が重要となり、サービスの水準等を向上させることにより、社会保障の拡充とスリム化は両立できると考える。

③現行の生産年齢人口の15~64歳を 25~74歳に捉え直せば、2055年の65歳以上の社会は高齢者1人を1人が支える社会から75歳以上の高齢者1人を2人強で支える非常に安定した社会となる。

④従来は公共事業が景気対策の主な柱であったが、日本版ニューディールとして、従来型の景気対策でなく、社会保障サービスの充実を切り口に大不況を克服するという視点を持つべき。


●児玉 孝氏 (社団法人・日本薬剤師会会長)

①政府は社会保障費の2,200億円抑制方針を未だに撤回していない。長期安定的な社会保障制度の確立に向けた目的税の確保が必要。

②今後高齢化が進む中で、高齢者が使用する医薬品数も増え、複数の医療機関を受診する確率も高くなる。現在60%である医薬分業を欧米並みに拡大するとともに、在宅医療のニーズが高まっており、入院から在宅まで他職種と連携したチーム医療を普及することが重要。

③健康を自分で守るセルフメディケーションを推進すべき。


●竹中ナミ氏 (社会福祉法人プロップ・ステーション理事長)

①すべての人に、人や社会を支える力がある。それを引き出し、誇らしく生きられるようにすることが、元気な社会づくりの基盤である。

②性別や年齢や障害の有無に関わりなく、誰もが社会を支える一員となれる共生・共助の社会を作るため、「ユニバーサル社会 (共生と共助の社会) 基本法」 の制定に向け取り組んでいる。

③アメリカでは、ペンタゴンにあるCAPという組織で、各省庁の重い障害を持つ職員のICT支援を行っており、そこでの最先端の科学技術を応用した取組が大統領クオリティ賞を受賞した。スウェーデンでもやはりICT技術と人のサポートを組み合わせ、認知症の高齢者が街中で一人で、あるいは家族と生き生き生活している。障害のある人が活き活きと働き社会の支え手ともなれる仕組みは、女性や高齢者の力を生かす仕組みともなる。諸外国のすばらしい取組は、きっと日本でも実現が可能である

④ICT等を活用し 「障害者 (チャレンジド) をタックスペイヤーに出来る日本」 を実現することが、今求められている。


●中田 清氏 (社団法人・全国老人福祉施設協議会副会長)

①重度要介護者20万人の待機者解消のための緊急的な介護施設整備を行うべき。民間主体で2兆円規模となり、15万人の雇用創出効果が期待される。これは、小規模多機能等に比べて、運営効率化の観点から職員処遇の改善や介護給付費の抑制にもつながる。そのために、施設の総量規制の緩和と公費負担割合の見直しを行うべき。

②在宅介護では家族の負担は大きい。渋川のNPO法人による無認可老人施設が火災し、多くの人が亡くなる痛ましい事件があった。宿直職員が1人しかおらず、介護保険法上の必要な届出をしていない施設だったとのことで、このような施設が数多くあるのは、要介護高齢者の行き場がないからだ。


●久常節子氏 (社団法人・日本看護協会会長)

①超過勤務をやめ、7時間労働にする等、看護師を含む女性の働き方を見直し、少子化対策として推進すべき。

②生活習慣病対策として、5年ごとに個人の生活習慣病予防の努力を評価する仕組みを構築すべき。医療費増の要因は、生活習慣病予防であり、糖尿病が進行し、透析を受けた場合、年間の医療費は約600万円かかる。


●日野原 重明氏 (聖路加国際病院理事長)

①医学部定員の増は、将来的に産科、小児科、麻酔科等の医師不足の診療科目を選択する保証はない。医師不足解消のためには、昭和23年から抜本的に改正されていない医師・看護師の役割分担を見直し、(アメリカのように) 診断や治療等の一部を看護師に担わせるべき。

②医学教育強化のため、4年制大学院医学校を設置すべき (特区を活用)。日本人のノーベル医学・生理学賞の受賞者はわずか1人に過ぎない (しかも理学部卒業者である)。

③老人の定義について65歳から75歳に引き上げるべきことを2010年の国連総会において提言予定。


●堀田 力氏 (財団法人・さわやか福祉財団理事長)

①不足する福祉施設 (保育園、子育ち支援施設、特別支援学校、グループホーム等) の整備のために、高齢者の投資への優遇措置 (優先入居や孫の優先入園、相続税優遇、政府保証等) を行い、眠っている資金を活用すべき。

②福祉施設就労に向けた無償教育等を行い、志を持つ者の教育の充実を図る等、人材への投資を推進すべき。


●矢崎義雄氏 (独立行政法人・国立病院機構理事長)

①診療報酬とは別枠で病院にもドクターフィーを導入することにより、勤務医確保のための処遇改善を行う必要がある。

②病院の耐震化や太陽光パネルの設置等のエコ改修も行うべき。

③外来患者のトリアージを行う戸山病院、国府台病院の外来棟改修やワクチンの大規模生産のための整備等新型インフルエンザ対策を行うべき。

④医療職の業務の見直し、特に医師と看護師の協働の促進。

⑤レセプト・電子カルテへの財政支援、地域で病院群がコンソーシアムを形成して、機能分担や共同研修を行う等、地域医療の課題克服のための対策や治験促進への財政支援を進めるべき。


●山本修三氏 (社団法人・日本病院会会長)

①医療の質・安全確保のための病院耐震化や医療機器の整備支援、および 病院IT化推進のため電子カルテの基本となるオーダリングシステムの標準化を政府が行うべき。

②ドクターズ・セクレタリーの導入による、医師の勤務環境の改善につながる新規雇用の創出を行うべき。

③高度先進医療、特に再生医療の臨床応用に向けた研究開発を推進すべき。


●湯浅 誠氏 (反貧困ネットワーク事務局長)

①政府の雇用対策や住宅対策の利用に当たって、自治体主導では住民票要件がある、利用希望者が集まってしまうことを懸念して取組に消極的になる等の理由から、折角の対策にたどり着かない人が多く存在。つなぎ対策を受けるための 「つなぎのつなぎ」 支援が必要。国が会社の寮の空き室、民間アパート、公営住宅を借りるに当たって、直接借り上げを行うべき。

②4月、遅くとも5月には、「民間アパート等を国としてこれだけ確保している」 というメッセージを明確にするなど、住宅確保や生活費確保等の貧困対策を雇用対策のパッケージの中に含めるべき。




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急性期・亜急性期のリハビリ料の出来高払いの既定事実化 (二木教授)

 以前の当ブログ記事 (リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性) においてリハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性について論じました。

 『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター (通巻54号)』に転載された、日本福祉大学の二木教授の対談記事 「対談:リハビリテーションの制度改革と診療報酬」 において、リハビリテーション診療報酬における 「制限診療の導入」 および 「急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高払いの既定事実化」 について述べられていますので紹介します。

1.リハビリテーション診療報酬における 「制限診療の導入」
 ①2002年に患者一人当たりの合計回数の上限が導入。
  ◎当時は回復期リハビリテーション病棟でも、6単位まで
 ②2006年にリハビリテーション算定日数の上限が導入。
  ◎急性期~亜急性期 (回復期) リハビリテーションは医療保険で給付、維持期
   リハビリテーションは介護保険で給付という、厚生労働省の 「医療保険の純
   化」
路線。

2.リハビリテーション診療報酬における 「急性期・亜急性期のリハビリテーション
 料の出来高払いの既定事実化」

 私は、介護保険がスタートした2000年の段階では、中長期的には、リハ医療は回復期リハ病棟を含めて、包括払いに組み込まれるようになると予測していました。
 しかし、2003年3月に閣議決定された 「医療制度改革基本方針」 で、「診療報酬体系については、①医療技術の適正な評価 [ドクターフィー的要素 (注1)]、②医療機関のコストや機能等を適切に反映した総合的な評価 [ホスピタルフィー的要素 (注1)]、③患者の視点の重視等の基本的考え方に立って見直しを進める」 とされたこと、および同年から大学病院等の特定機能病院を対象にして導入されたDPC包括評価の対象からリハ料が除外されたことを総合判断して、急性期・亜急性期医療 (回復期リハ病棟も含む) のリハ料は、今後も出来高払いであり続けると考えるようになりました。
 「医療制度改革基本方針」では、「ドクターフィー的要素」 の範囲は明示されていませんでしたが、DPC包括評価の実績から、それには医師技術料だけでなく、リハ料も含まれる=出来高払いとされると判断したわけです。
 その後の3回の診療報酬改定 (2004、2006、2008年) により、急性期・亜急性期のリハ料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既得権化したと思います。

(注1) ドクターフィー的要素、ホスピタルフィー的要素
 これらの表現は、坂口力氏 (元厚生労働大臣) が2002年9月に 「診療報酬体系の見直しについての改革私案」 を発表したときに用いられ、「診療報酬体系を医療技術の評価 (ドクターズフィー的要素) と医療機関の運営コストを反映した評価 (ホスピタルフィー的要素) に再編」 することを提起した。[『医療改革と病院』 (勁草書房、2004)]。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記1の通り、リハビリテーション診療報酬においては、「患者一人当たり合計回数の上限の導入」・「リハビリテーション算定日数上限の導入」 という 「制限医療」 が既に導入されていることを厳粛に受け止める必要があります。

 リハビリテーション医療の分野は、他の医療分野に比して、医療費等への影響が比較的小さい領域ということで、これまでの診療報酬改定において、厚生労働省による実験場的役割 (制限医療の導入、疾患別リハビリテーション体系化、回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入) を果たしていました。

 しかしながら、リハビリテーション従事者・現場の立場としては、短期間に制度がガラッと変わるので、辟易の極致です!!
 次期改定はリハビリテーションの何がターゲットになるのかと考えると憂鬱になります。(厚生労働省の机上の理論に振り回されるのは、もう懲り懲りです・・・)。[今日はちょっと情緒不安定です (苦笑)]。

(2)上記2の 「診療報酬における急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高払い」 に関しては、二木先生が仰るとおり、これまでの診療報酬改定の歴史・経緯を見ても、「急性期・亜急性期医療 (回復期リハビリテーション病棟も含む) のリハビリテーション料は、今後も出来高払いであり続ける」・「急性期・亜急性期のリハビリテーション料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既得権化した」 と思われます。

 厚生労働省DPC研究班・主任研究者の松田教授 (産業医科大学) も、「制度設計は厚労省、中医協が行うことだ」 と前置きした上で、DPCについては、傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥当との見方を示しています。[Japan Medicine (2007/6/11)]。

(3)一方、全国医学部長病院長会議は、前回の平成20年度診療報酬改定の際に、次のような 「超急性期リハビリテーションにて急性期加算の設定」 を要望していました。
 「大学病院における超急性期リハビリテーションは、ベッドサイドでの訓練の必要性や、患者にとっては突然の機能喪失に対するモチベーションの低下など多くの困難を伴うが、発病後2週間で主病名の治療以外に適切なリハビリテーションを行うことが重要であるということで、同会議・DPC検討委員会では、大学病院の超急性期リハビリテーションの提供を促進するため、個別のリハビリテーション点数だけでなく、発病後2週間以内のリハビリテーションに急性期加算を設定すべきという要望を出すことになった」。

 その要望を受けて、前回の平成20年度診療報酬において、次のような 幻の急性期リハビリテーション料包括化計画」 が考えられていたそうです。 [「医療経営Phase3 (フェイズ・スリー)」 (平成19年12月号)]。
●急性期リハビリテーション料の新設
 リハビリテーションは発症初期から開始することが重要であり、平成18年度診療報酬改定でも急性期・回復期のリハビリを評価している。
 急性期・回復期のリハビリは、発症直後から関節可動域訓練などを開始することが重要視されているが、急性期は臥床したままで、リハビリの専門病院に転院した後、または回復期リハビリ病棟に転棟した後に、リハビリを開始する事例も多い。
 この場合、リハビリを開始する時点で既に回復が困難なレベルにまで拘縮が進んでいるため、回復期リハビリが充分な効果を発揮できない事例があることも、厚労省は把握している。
 これらをもとに同省では、発症直後から何らかのリハビリを開始することを評価した点数を設定することを検討している。
 具体的には、「1日につき150点の急性期リハビリテーション加算を新設する」 意向だ。
 算定条件としては、
  ①リハビリを必要と認める患者に対して発症直後から2週間までの間に、
   医師の指示の下、看護師 (准看護師を含む)、または理学療法士が関節
   可動域訓練などを実施した場合に、入院基本料に加算できる。
  ②対象者を疾患別リハビリの対象患者に限定する。
  ③疾患別リハビリ料とは併算不可とする。
などが考えられている。
 財政負担は、年間16億円程度と試算されている。

 また、次期衆議院総選挙のマニフェストの基になる 「民主党 INDEX 2008」 の 「厚生」 の章26ページに下記の記載があります。
●包括払い制度の推進
 超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます。

(4)以上、次期平成22年度診療報酬改定における急性期リハビリテーション料の 「包括化およびセラピスト以外の代替有資格者 (看護職員) の算定可能化」 の導入の可能性は完全には否定できませんが、基本的には、二木教授が仰るとおり、「急性期・亜急性期医療 (回復期リハビリテーション病棟も含む) のリハビリテーション料は、今後も出来高払いであり続ける」・「急性期・亜急性期のリハビリテーション料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既得権化した」 と思われます。

 しかしながら、DPC対象病院に限らず、急性期・亜急性期のリハビリテーション料において、「ドクターフィー (医師技術料) あるいはドクターフィー的要素 (コメディカル技術料)」 と 「ホスピタルフィー」 の考え方が、導入される可能性も否めません。

 急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、以前の当ブログ記事 (リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) で論じたように、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があります。

 そして、リハビリテーション医療の効率化と質の管理、リハビリテーション成果 [アウトカム評価は、患者・家族要因、環境要因、社会的要因等に左右されるため、「プロセス評価」 および人員基準等の一部のストラクチャー評価がベター] のエビデンスを示していく必要があると思います。

【関連記事】
 ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
 ◎疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準
 ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性)




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疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

 以前、当ブログに掲載した記事
  ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
  ◎「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」
  ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
に関連した話題として、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」 について整理・考察したいと思います。

●参考1.リハビリテーション施設基準における専任医師の役割
 ①リハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーション
  実施前診察をすること。
 ②専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。
 ③診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり (「専従」 は100%の関わり)。

●参考2.リハビリテーション専任医師または非専任医師による定期的なリハビリ
    テーション実施計画の作成等

 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●参考3.リハビリテーション専任医師 (または非専任医師) によるリハビリテー
    ション診察・カルテ記載内容の例示
 ①リハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ②リハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・
  生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による
  客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が必要
  である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●参考4.リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。


●疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

【脳血管疾患等リハビリテーション料】
①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
 専任の常勤医師が2名以上勤務していること。ただし、そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有すること。
②脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
③脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅲ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【運動器リハビリテーション料】
①運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、運動器リハビリテーションの経験を有する医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師であることが望ましい。
②運動器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【呼吸器リハビリテーション料】
①呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②呼吸器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【心大血管疾患リハビリテーション料】
①心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科の医師が常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅱ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科を担当する常勤医師又は心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する常勤医師が1名以上勤務していること。


 過去ブログ [リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] において、一部の医療機関の管理者・医師の 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足による 「おまかせリハビリテーションの蔓延」 や 「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じており、そのことの常態化、即ち、「リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関の存在」 が、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっていると警鐘を鳴らしました。

 一方、医療機関の管理者・医師の言い分として、特に急性期病院の場合、「医師不足 (勤務医不足)・診療科による医師偏在」・「救急医療、急性期治療、手術、IVR (Interventional Radiology)、内視鏡検査・治療等にて繁忙でリハビリテーションにまで充分に手が回らない」・「リハビリテーションについての知識と経験があまりない」・「これまでの個別指導では、そこまで厳しく指摘・指導されていない」 等の話をよく聞きます。

 しかし、最近の個別指導において、リハビリテーションに対する指摘・指導が厳格化しており、診療報酬の自主返還も少なくありません。例えば、「無診察リハビリテーション」・「医師による開始時及び3ヶ月ごとのリハビリテーション実施計画の患者への説明とその要点の診療録 (Drカルテの2号用紙) への記載の不備」 にて、診療報酬の自主返還になった例が少なくありません。但し、個別指導は、都道府県によって、厳しさの温度差が相当あるようです。

 また、絶対的・相対的医師不足によるマンパワーの問題といっても、仮に、その病院が、下記の3つのリハビリテーション施設基準を届けている場合、
  ①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎専任の常勤医師が2名以上 [そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリ
    テーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビ
    リテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有
    すること]。
  ②運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。(なお、運動器リハビリテーションの経験を有する
    医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又
    は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師である
    ことが望ましい)。
  ③呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。
 即ち、制度上、リハビリテーション専任医師 (専任:当該業務に 「50%以上」 関わっていること) は、経験豊富な医師3名を含めて合計4名以上必要です。逆に厚生労働省の言い分としては、「合計4名以上のリハビリテーション専任医師が常勤勤務しているはずだから、充分、上述のリハビリテーションの責務を果たせるはずである」 との論法で、個別指導を行っています。また、セラピストの数が充足していても、リハビリテーション専任医師が不足と見なされれば、診療報酬の自主返還や、場合によっては、リハビリテーション施設基準の格下げ・返上があり得ます。(ちなみに、某県の個別指導では、「施設基準について申請書類上は常勤の医師が全員、リハ専任医師となっていますが、実際には全員が、リハ専任医師として勤務できていますか?」 と指摘されたそうです)。

 しかしながら、そうは言っても、病院 (特に急性期病院) の現状は、勤務医不足等による医師の過重労働・疲弊が存在し、上述のリハビリテーション対策は困難な状況であることは否めません。
 但し、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 という問題が現に存在し、その上、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向がさらに強まると、最悪の場合、急性期病院の支払制度として定着したDPCにおいて、現在出来高部分のリハビリテーション料が、包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、[前回ブログ (リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) と同じ結論となり、恐縮ですが]、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。





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リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務

 リハビリテーション医療における 「医師および疾患別リハビリテーション専任医師」 の役割・責務ならびに 「個別指導」 対策 [以前のブログ記事 (「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」) 参照] について、 「整形外科外来におけるリハビリテーションの理念と取り組みについて」 (梶浦一郎) [越智隆弘・梶浦一郎・編:(整形外科 外来シリーズ 7) 「リハビリテーション外来」、メジカルビュー社1998] に記されていますので紹介します。

健保診療におけるリハビリテーション医療のあり方
 最近、リハビリテーション医療の件数が増大するに伴い、漫然とした長期の医療行為を防ぐ意味で適正化の指導がなされている。それらの項目の一部を抜粋した。
 ①リハビリテーションを実施するにあたって、医師は、患者ごとの実施計画
  を作成し、訓練効果の評価を行う (下記 「注釈1」 参照)。
 ②医師は、全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に、必ず診察を行
  い、診療録に病理学的所見などの評価項目を記載すること (下記 「注釈2」
  参照)。
 ③無診察によるリハビリテーション実施は認められない。
 ④処方箋は、患者の病状、治療種目、治療メニュー、治療期間を、記録する
  こと (特に治療期間は明確にすること)。
 ⑤処方内容においても、例えば筋力増強訓練と記載するだけでなく、訓練箇
  所、訓練方法、訓練期間などを記載しなければならない。
 ⑥リハビリテーション施設基準における専任医師の役割 (下記 「注釈3」 参照)
  ⓐリハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーショ
   ン実施前診察をすること (下記 「注釈2」 参照)。
  ⓑ専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。

●注釈1(医師による定期的なリハビリテーション実施計画の作成等)
 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●注釈2(リハビリテーション診察・カルテ記載内容の例示)
 ⓐリハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ⓑリハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害
  像・生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) に
  よる客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が
  必要である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●注釈3.診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり、「専従」 は100%の関わり。

(参考) リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。

 以前のブログ [リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] でも述べたように、一部の医療機関の管理者・医師において、上記のような 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足があり、「おまかせリハビリテーションの蔓延」・「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じています。
 そして、そのことが実際に常態化し、リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関も少なくなく、それが、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっているとされています。

 さらに、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向が強まると、最悪の場合、現在DPCで出来高部分であるリハビリテーション料が包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。




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