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運動器リハと脳血管リハとの格差是正を要望 (日本臨床整形外科学会)

 Japan Medicine (2009/6/24) に、運動器リハビリテーションに関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

●日本臨床整形外科学会/次期改定で運動器リハの点数体系
 を要望 脳血管疾患等リハとの格差是正が課題


 日本臨床整形外科学会は、次期診療報酬改定に向け現行の疾患別リハビリテーション体系を維持した上で、運動器リハビリテーションについては施設基準を見直し、脳血管系疾患等リハビリテーションとの点数格差の是正を図り、医療現場の歪みを解消することを求めていく方針を固めた。

 現行の脳血管疾患等リハは、PT、OTの人員配置によって235点、190点、100点の3段階設定で、算定日数上限は180日になっている。
 これに対して、運動器リハ料は、170点と80点の2段階で、算定上限は150日。
 同学会では、運動器リハ点数と脳血管系リハの点数格差があることで、運動器リハ施設におけるPT、OTの雇用が難しい状況になっていることが課題として挙げられた。

 実際に、2007年度社会保険診療行為別調査からリハビリテーションのレセプト件数は、運動器リハが脳血管疾患リハの2.5倍となっているのに対して、リハビリテーション総収入では脳血管疾患リハの方が1.9倍高くなっている。
 運動器リハは、リハ回数が多いが、それが実収入に反映されていない薄利多売の実態がある。
 このため現行の点数体系では、運動器リハ施設の雇用環境の改善が図れないとしている。

 改善提案について同学会では、運動器リハについても脳血管系疾患リハと同様にPT、OT合計4人以上、運動器リハの経験を有する医師の配置などを施設基準とした240点を新設し、点数を3段階に組み直すことを要望する。
 このほか、65歳以上の運動器不安定症を有する患者に対する運動機能指導管理料の新設なども盛り込む予定だ。

 藤野圭司理事長は、「PT、OTは毎年1万3,000人ずつ増える計画だが、現行の点数体系では、運動器リハ施設では、経営的にも受け皿になれない厳しい状況にあることを理解してもらいたい」 と指摘した。

 特に、同理事長は、「2,200億円の社会保障費の抑制が骨太の方針09に盛り込むようなことがあってはならない。日本医師会は全力をあげて阻止するよう働き掛けるべきだ」 と述べ、実質的に形骸化された形になったとしても、骨太09に記載することは阻止すべきだと語った。

(1)2006年度改定において、運動器リハビリテーション関連3団体および呼吸器リハビリテーション関連団体が各々の思惑・戦略により (あるいは、良かれと思って?) 行ったロビー活動が功を奏して (且つ厚生労働省の思惑にも合致して) 導入された 「疾患別リハビリテーション体系」 は、結果的に下記のような多くの問題を引き起こしました。

 ①リハビリテーションの理念である 「障害のある方に対する全人的アプローチ」
  の象徴であった 「総合リハビリテーション施設」 の形骸化、ならびに、セラ
  ピストの専門性をないがしろにした 「理学療法料」・「作業療法料」・「言語聴
  覚療法料」 の削除。

 ②疾患別リハビリテーション体系の導入に伴う大きな代償
  (a) 厚生労働省にねじ込まれたリハビリテーション算定日数制限とそれに
   伴って生じた多くの 「リハビリ難民・介護難民」
  (b) 算定日数制限除外患者における算定日数上限超え時の疾患別リハビリ
   テーション継続に必要な毎月の膨大な書類作成 (事務的作業の負担増
   大→その割にはレセプト審査で理不尽な減額査定)。
  (c) 結果的に生じた疾患別リハビリテーション診療報酬点数の減額。

 ③各疾患別リハビリテーションの 「厚生労働省が明示している対象疾患」 以
  外の疾患において、疾患別リハビリテーションの選択が困難な症例 (ある
  いはレセプト審査で却下または減額査定される症例:都道府県あるいは
  国保・社保で格差あり) が少なからず存在する。

 ④複数の疾患および重複障害を有する患者 (特に高齢者) は、疾患別リハビリ
  テーションに馴染まず、充分なリハビリテーションが享受できない。

(2)運動器リハビリテーション料と脳血管疾患等リハビリテーション料との点数格差の原因として、次のようなことが挙げられます。

 ①医療機関によっては、運動器リハビリテーションにおいて少なからず指摘
  されている (脳血管疾患等リハビリテーションにおいても、医療機関によっ
  ては、指摘を受けていますが) 「セラピストおまかせリハビリテーション」
  即ち、医師およびリハビリテーション専任医師の関与が少ないリハビリテ
  ーション
という現実。(時に、「無診察リハビリテーション」 の実態)。

 ②施設基準におけるリハビリテーション専任医師の数の差異 【運動器リハビ
  リテーション料 (Ⅰ)
は、運動器リハビリテーションの経験を有する専任の
  常勤医師が1名以上勤務、一方、脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
  は、専任の常勤医師が2名以上勤務していること [ただし、そのうち1名
  は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験
  又は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会、講習会の受
  講歴 (又は講師歴) を有すること]】。

 ③施設基準におけるセラピストの数の差異 【運動器リハビリテーション料
  (Ⅰ)
は、専従の常勤理学療法士 (PT) が2名以上勤務、又は、専従の常勤
  作業療法士 (OT) が2名以上勤務、又は、専従の常勤PT及び専従のOT
  が合せて2名以上勤務していること、一方、脳血管疾患等リハビリテーシ
  ョン料 (Ⅰ)
は、専従の常勤PT5名以上勤務&専従の常勤OTが3名以上
  勤務 [言語聴覚療法を行う場合は、専従の常勤言語聴覚士 (ST) が1名以
  上勤務]】。

 ④運動器リハビリテーション料 (Ⅰ) の施設基準における有資格者による代替
  者の問題
(当分の間、適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了し
  た看護師、准看護師、あん摩マッサージ指圧師又は柔道整復師が、専従の
  常勤職員として勤務している場合であって、運動器リハビリテーションの
  経験を有する医師の監督下に当該療法を実施する体制が確保されている場
  合に限り、理学療法士が勤務しているものとして届け出ることができる)。

 ⑤一部の医療機関にて、「処置 (介達牽引および消炎鎮痛等処置) と区別がつ
  かないような運動器リハビリテーション」
が行われている。また、定期的
  なリハビリテーション治療効果判定がなされていない (長期漫然としたリ
  ハビリテーション)


 ⑥一部の医療機関において、運動器リハビリテーションの算定日数上限が来
  るたびに、リセットを繰り返している。(例:変形性頸椎症→右肩関節周囲
  炎→左肩関節周囲炎→変形性腰椎症→右変形性膝関節症→左変形性膝関節
  症→腰部脊柱管狭窄症→左変形性股関節症→・・・・・・)。

  ●上記リセット問題に対して発出された厚労省疑義解釈。

(問)「膝の変形性関節症」 での運動器リハビリテーションが終了した日以降、「脊椎疾患」 や 「隣接関節疾患」 などで、新たな運動器リハビリテーション料を算定できるのか。

(答)脊椎疾患等の傷病が新たに発症したものであれば算定できる。なお、脊椎疾患等の慢性的な疾患については、膝変形性関節症に対するリハビリテーションを実施中に既に発症していた可能性が高いことから、発症日を十分に確認する必要がある。

 ⑦疾患別リハビリテーション料の施設基準の要件 [(a) リハビリテーションに
  関する記録 (医師の指示、実施時間、訓練内容、担当者等) は患者ごとに一
  元的に保管され、常に医療従事者により閲覧が可能であること。(b) 定期的
  に担当の多職種が参加するカンファレンスが開催されていること] が遵守さ
  れていない一部の医療機関。

 ⑧ 「運動器不安定症」 は、慢性期的、廃用症候群的、介護保険的、あるいは介
  護予防的な 「疾患名 (?)」 であり、医療保険・診療報酬には馴染まず、使用
  すべきではないと考えられている。(レセプト減額査定も少なくない)。

(3)上記(2)の種々の課題が解決されない限り、運動器リハビリテーション料と脳血管疾患等リハビリテーション料との点数格差は解消されないと思われます。

(4)以前の当ブログ記事 [運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望)] で述べたように、これまでのリハビリテーション診療報酬改定において、したたかな厚生労働省は、

 ①運動器リハビリテーション関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外
  科学会・日本運動器リハビリテーション学会)

 ②呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハ
  ビリテーション学会)

 ③リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハ
  ビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協
  会、日本言語聴覚士協会)

 ④日本心臓リハビリテーション学会

の思惑・戦略の違いにつけ込み (分断作戦)、結果的に、「リハビリテーション算定日数制限」 を付与しやすい疾患別リハビリテーション料を導入し、リハビリテーション医療を混乱に陥れました。

 したがって、次期平成22年度診療報酬改定に向けて、リハビリテーション医療の正常化ならびに患者さん・障害のある方の安心・安全・納得・満足のために、また、「リハビリ難民・介護難民」 の解消および防止のためにも、(各疾患別リハビリテーション関連学会が単独で厚生労働省と交渉するのではなく)、上記の4つの疾患別リハビリテーション関連団体が 「合同で (スクラムを組んで)」 厚生労働省と交渉すべきと考えられます。




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「無診察リハビリ」 に対する 「個別指導」 (「自主返還」 Q&A)

 以前の当ブログ記事 (「無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)」) に関する下記の質問がありましたので、回答かたがた、本ブログで説明したいと思います。

<質問>

 「個別指導」 (当ブログ管理人・註) において、外来リハビリテーション患者の 「無診察リハビリテーション (医師の再診なしで、リハビリテーションを施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、「再診料」 のみの返還ですか? それとも、「再診料」・「リハビリテーション料」 両方とも返還ですか?


 (当ブログ管理人・註)
  ① 「監査」 という言葉は安易に使用しないこと!。
  ②上記①の理由は、以前の当ブログ記事 (『「保険医療機関等の指導・監査」
   と 「保健所による立入検査」
』) を参照。


<当ブログ管理人の回答>

(1)「医科点数表の解釈 平成20年4月版」 (社会保険研究所) (所謂、「青本」) における 「基本診療料と特掲診療料との関係」 に関する記載は下記の通りです。

●基本診療料と特掲診療料との関係 (「青本」 p.18)

 基本診療料として一括して支払うことが適当でない特殊な診療行為の費用は、第2章特掲診療料に定められているが、特掲診療料が設定されている診療行為及びそれらに準ずる特殊な診療行為を行った場合は、それぞれ特掲診療料を基本診療料のほかに算定できるものである。
 従って、1人の患者に対する診療報酬は、基本診療料と特掲診療料を合算した額となる。

●特掲診療料の性格と内容 (「青本」 p.152)

 (1) 特掲診療料は、特殊な診療行為についての費用であるが、基本診療料が基
  本的な医療行為及び通常初診時、再診時又は入院時に行われる基本的な診
  療行為に対する費用であるのに対し、基本診療料として、一括支払うこと
  が妥当でない特別の医療行為に対して個別的な評価をなし、個々に点数を
  設定し、それらの診療行為を行った場合は、個々にそれらの費用を算定す
  ることとしているのである。

 (2) 特掲診療料に掲げられている診療行為を行った場合は、特に規定されてい
  る場合を除き、基本診療料と特掲診療料とをあわせて算定する。

(2)したがって、特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料とともに算定するものである。つまり基本診療料の算定のない特掲診療料の算定は無い」 ということです。

(3)上記(2)を再診料とリハビリテーション料との関係で説明したのが、下記の文言 (上記質問に対する当ブログ管理人の回答) です。

●特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料 (リハビリテーション料) に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料 (再診料) とともに算定するものである。つまり基本診療料 (再診料) の算定のない特掲診療料 (リハビリテーション料) の算定は無い」 ということです。

 即ち、厚生労働省地方厚生局各県事務所および都道府県が施行する保険医療機関に対する 「個別指導」 において、外来リハビリテーション患者の 「無診察リハビリテーション (医師の再診なしで、リハビリテーションを施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、基本的に、「再診料」 と 「リハビリテーション料」 との両方の返還となります。

(4)同様に、上記(3)を再診料と消炎鎮痛等処置との関係で説明したのが、下記の文言です。

●特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料 (消炎鎮痛等処置) に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料 (再診料) とともに算定するものである。つまり基本診療料 (再診料) の算定のない特掲診療料 (消炎鎮痛等処置) の算定は無い」 ということです。

 即ち、「個別指導」 において、外来患者の 「無診察による消炎鎮痛等処置 (医師の再診なしで、消炎鎮痛等処置を施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、基本的に、「再診料」 と 「消炎鎮痛等処置」 との両方の返還となります。

(5)以前の当ブログ記事 (「無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)」) でも述べましたが、リハビリテーション前診察の内容は、医師自ら (または、医療クラークが代行入力し、医師が確認署名) が、診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載しなければなりません。
 但し、記載する診察内容は、単にバイタルサインのみの記入では不充分です。

リハビリテーション専任医師の責務として、

  ①リハビリテーション診察時の全身状態・健康状態・体調・バイタルサイン
   等 (「当該日にリハビリテーションを受けることができる状態である」とい
   う根拠・データ)

  ②リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・生活機能 (移動歩行能
   力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による客観的効果判定]

  ③上記②の効果判定の結果、「現状として、リハビリテーション継続が必要
   である」 という文言

を、毎回、簡潔に記載する必要があります。

●また、長期漫然とした効果のないリハビリテーションを防止するために、

 「疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は、定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成 (リハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書:多専門職種によるチームアプローチによる詳細なリハビリテーション実施計画の作成) する必要があり、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること」

が、保険診療上、定められています。

 また、リハビリテーション専任医師は、専任、即ち、「リハビリテーション医療業務に50%以上の関わり」 が必要であり、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましいとされています。
 リハビリテーション専任医師としての担当時間帯において、他の業務との兼任も可能ですが、リハビリテーション室にて患者さんの急変・事故等が生じた場合、すぐに駆けつけることが出来るように、「手術に入ったり、途中で中止できない検査や処置をする」 ことは控える必要があります。

(6)上述の議論は、外来患者および外来リハビリテーション患者は全て該当します。

 一方、入院患者については、1年365日、毎朝、医師が診察しており、無診察の投薬・検査・処置・リハビリテーション等は無いという大前提があるため、入院患者のリハビリテーション前診察については、ほとんど指導対象となりませんでした。

 しかしながら、「個別指導」 で、医師による入院カルテの記載漏れ・記載不備が、以前から、大きな問題になっており、今後、入院患者の無診察治療等についても、個別指導等の指導が厳しくなるかもしれません。
 場合によっては、入院基本料 (基本診療料) の自主返還も有り? [→連動して、自動的に。リハビリテーション料 (特掲診療料) も返還?]。

 仮に、その場合は、入院リハビリテーション患者は、(本来は施行すべきものなのですが)、全員、リハビリテーション前診察かつ診療録への記載 [上記(5)参照] を施行することになり、特に、リハビリテーション専任医師体制に不備のある病院等での医療現場は混乱すると思われます。
 1年365日リハビリテーション体制の場合、日直医または当番医が大変になると思います。
 但し、逆に、1年365日リハビリテーション体制を敷いている病院等のリハビリテーション専任医師体制は完璧かも知れませんが・・・。

(7)以上、以前の当ブログ記事 [『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』] で論じたように、リハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があります。




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疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

 以前、当ブログに掲載した記事
  ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
  ◎「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」
  ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
に関連した話題として、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」 について整理・考察したいと思います。

●参考1.リハビリテーション施設基準における専任医師の役割
 ①リハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーション
  実施前診察をすること。
 ②専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。
 ③診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり (「専従」 は100%の関わり)。

●参考2.リハビリテーション専任医師または非専任医師による定期的なリハビリ
    テーション実施計画の作成等

 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●参考3.リハビリテーション専任医師 (または非専任医師) によるリハビリテー
    ション診察・カルテ記載内容の例示
 ①リハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ②リハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・
  生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による
  客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が必要
  である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●参考4.リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。


●疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

【脳血管疾患等リハビリテーション料】
①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
 専任の常勤医師が2名以上勤務していること。ただし、そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有すること。
②脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
③脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅲ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【運動器リハビリテーション料】
①運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、運動器リハビリテーションの経験を有する医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師であることが望ましい。
②運動器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【呼吸器リハビリテーション料】
①呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②呼吸器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【心大血管疾患リハビリテーション料】
①心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科の医師が常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅱ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科を担当する常勤医師又は心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する常勤医師が1名以上勤務していること。


 過去ブログ [リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] において、一部の医療機関の管理者・医師の 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足による 「おまかせリハビリテーションの蔓延」 や 「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じており、そのことの常態化、即ち、「リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関の存在」 が、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっていると警鐘を鳴らしました。

 一方、医療機関の管理者・医師の言い分として、特に急性期病院の場合、「医師不足 (勤務医不足)・診療科による医師偏在」・「救急医療、急性期治療、手術、IVR (Interventional Radiology)、内視鏡検査・治療等にて繁忙でリハビリテーションにまで充分に手が回らない」・「リハビリテーションについての知識と経験があまりない」・「これまでの個別指導では、そこまで厳しく指摘・指導されていない」 等の話をよく聞きます。

 しかし、最近の個別指導において、リハビリテーションに対する指摘・指導が厳格化しており、診療報酬の自主返還も少なくありません。例えば、「無診察リハビリテーション」・「医師による開始時及び3ヶ月ごとのリハビリテーション実施計画の患者への説明とその要点の診療録 (Drカルテの2号用紙) への記載の不備」 にて、診療報酬の自主返還になった例が少なくありません。但し、個別指導は、都道府県によって、厳しさの温度差が相当あるようです。

 また、絶対的・相対的医師不足によるマンパワーの問題といっても、仮に、その病院が、下記の3つのリハビリテーション施設基準を届けている場合、
  ①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎専任の常勤医師が2名以上 [そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリ
    テーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビ
    リテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有
    すること]。
  ②運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。(なお、運動器リハビリテーションの経験を有する
    医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又
    は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師である
    ことが望ましい)。
  ③呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。
 即ち、制度上、リハビリテーション専任医師 (専任:当該業務に 「50%以上」 関わっていること) は、経験豊富な医師3名を含めて合計4名以上必要です。逆に厚生労働省の言い分としては、「合計4名以上のリハビリテーション専任医師が常勤勤務しているはずだから、充分、上述のリハビリテーションの責務を果たせるはずである」 との論法で、個別指導を行っています。また、セラピストの数が充足していても、リハビリテーション専任医師が不足と見なされれば、診療報酬の自主返還や、場合によっては、リハビリテーション施設基準の格下げ・返上があり得ます。(ちなみに、某県の個別指導では、「施設基準について申請書類上は常勤の医師が全員、リハ専任医師となっていますが、実際には全員が、リハ専任医師として勤務できていますか?」 と指摘されたそうです)。

 しかしながら、そうは言っても、病院 (特に急性期病院) の現状は、勤務医不足等による医師の過重労働・疲弊が存在し、上述のリハビリテーション対策は困難な状況であることは否めません。
 但し、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 という問題が現に存在し、その上、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向がさらに強まると、最悪の場合、急性期病院の支払制度として定着したDPCにおいて、現在出来高部分のリハビリテーション料が、包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、[前回ブログ (リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) と同じ結論となり、恐縮ですが]、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。





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リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務

 リハビリテーション医療における 「医師および疾患別リハビリテーション専任医師」 の役割・責務ならびに 「個別指導」 対策 [以前のブログ記事 (「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」) 参照] について、 「整形外科外来におけるリハビリテーションの理念と取り組みについて」 (梶浦一郎) [越智隆弘・梶浦一郎・編:(整形外科 外来シリーズ 7) 「リハビリテーション外来」、メジカルビュー社1998] に記されていますので紹介します。

健保診療におけるリハビリテーション医療のあり方
 最近、リハビリテーション医療の件数が増大するに伴い、漫然とした長期の医療行為を防ぐ意味で適正化の指導がなされている。それらの項目の一部を抜粋した。
 ①リハビリテーションを実施するにあたって、医師は、患者ごとの実施計画
  を作成し、訓練効果の評価を行う (下記 「注釈1」 参照)。
 ②医師は、全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に、必ず診察を行
  い、診療録に病理学的所見などの評価項目を記載すること (下記 「注釈2」
  参照)。
 ③無診察によるリハビリテーション実施は認められない。
 ④処方箋は、患者の病状、治療種目、治療メニュー、治療期間を、記録する
  こと (特に治療期間は明確にすること)。
 ⑤処方内容においても、例えば筋力増強訓練と記載するだけでなく、訓練箇
  所、訓練方法、訓練期間などを記載しなければならない。
 ⑥リハビリテーション施設基準における専任医師の役割 (下記 「注釈3」 参照)
  ⓐリハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーショ
   ン実施前診察をすること (下記 「注釈2」 参照)。
  ⓑ専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。

●注釈1(医師による定期的なリハビリテーション実施計画の作成等)
 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●注釈2(リハビリテーション診察・カルテ記載内容の例示)
 ⓐリハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ⓑリハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害
  像・生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) に
  よる客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が
  必要である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●注釈3.診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり、「専従」 は100%の関わり。

(参考) リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。

 以前のブログ [リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] でも述べたように、一部の医療機関の管理者・医師において、上記のような 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足があり、「おまかせリハビリテーションの蔓延」・「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じています。
 そして、そのことが実際に常態化し、リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関も少なくなく、それが、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっているとされています。

 さらに、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向が強まると、最悪の場合、現在DPCで出来高部分であるリハビリテーション料が包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。




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