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大腿骨近位部骨折 (合併症・併存疾患が術前待機期間の主要因)

 Medical Tribune (2009/4/16) に、平成20年度厚生労働科学研究長寿科学総合研究成果発表会の記事が掲載されています。

 鳥取大学医学部保健学科の萩野浩教授 (日本整形外科学会・骨粗鬆症委員会アドバイザー) の大腿骨近位部骨折 (大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折) の治療に関するアンケート調査についての発表の要旨を下記に示します。

●大腿骨近位部骨折 (手術時期に関するガイドライン整備が必要)

1.術前待機期間に最も大きな影響を与える要因
 ① 「合併症のため」:37%
 ② 「手術室が確保できない」:23%
 ③ 「麻酔医の都合」:16%
 ④ 「整形外科医が多忙なため」:16%
 ⑤ 「その他」:8%

2.抗凝固薬 (例:ワーファリン) の効果が手術の施行時期に与える影響
 ① 「抗凝固薬の効果が低下するまで待機する」:71%
 ② 「非使用例と同様に早期手術を行う」:24%

3.萩野教授は、「今後、合併症を有する場合や抗凝固薬療法使用時の手術時期に関するガイドラインを示す必要があり、それによって術前待機期間と入院期間、ひいては治療期間の短縮が図れるものと期待される」 と結論付けた。

 上記に関するブログ管理人の考察・結論は下記の通りです。

(1)大腿骨近位部骨折 (大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折) の患者さんは、高齢で且つ多彩な合併症・併存疾患 (例:脳卒中・パーキンソン病等の神経疾患、高血圧、心疾患・冠動脈疾患、糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、骨関節疾患、視力障害、聴覚障害、等) のある方および手術リスクとなる薬剤 (例:抗凝固薬) を服用されている方が少なくありません。

 手術ハイリスクの場合、術前待機期間が長くなり、必然的に、入院日数が長期化します。
 また、術前のリスクチェック&管理が不充分だと、術中&術後リスクの上昇・術後の治癒遷延・リハビリテーションリスク管理困難&リハビリテーション治療効果の促進阻害等の問題が生じます。

 したがって、上記3の通り、合併症・併存疾患を有する場合や抗凝固薬療法使用時の手術時期に関するガイドラインを示す必要があり、それによって術前待機期間と入院期間、ひいては治療期間の短縮が図れると思われます。

(2)一方、以前の当ブログ記事 [「脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)」] で述べたように、脳卒中超急性期~急性期治療において、「脳卒中センター」 あるいは日本で言う 「ストローク・ケア・ユニット (SCU)」 で、各専門の医療スタッフが集まり組織づくりをし、チームで脳卒中の発症予防、早期発見および急性期 (発症時) 治療から超急性期~急性期リハビリテーションまでの一貫した総合的な治療を提供するのが理想的です。

 その際の構成メンバーとして、「24 時間体制の、脳卒中専門医 (あるいは脳卒中の経験が深い神経内科医・脳神経外科医、脳血管内治療医)、脳卒中専門ナース等の看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師」・「放射線科専門医、循環器専門医、呼吸器専門医等の協力」、「リハビリテーション科専門医の関与」、「特に急性期脳卒中リハビリテーションの経験が深い理学療法士 (PT)・作業療法士 (OT)・言語聴覚士 (ST)、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー (MSW)」 が挙げられます。
 また、高度医療機器 (CT、MRI、脳血管造影、SPECT、超音波検査等) は24時間フル稼働体制です。

 即ち、通常、チーム医療というと、主治医・看護師・コメディカル等、多職種の各専門性を生かしたチームアプローチを指しますが、脳卒中のように全身の動脈硬化 (特に、脳血管、冠動脈、両下肢の閉塞性動脈硬化症)・併存疾患 (特に高血圧・糖尿病・高脂血症) とそれに伴う各種臓器機能低下が見られる疾患の場合、一人の主治医だけでは全身管理・合併症&併存疾患のリスク管理は困難です。

 したがって、症例によっては、上記の通り、原疾患・基礎疾患を主に担当する主治医および当該診療科専門医 (脳卒中の場合、脳神経外科医・神経内科医・脳血管内治療医) だけでなく、放射線科専門医、循環器専門医、呼吸器専門医、リハビリテーション科専門医等の複数の専門医が充分に関与・介入するDrチームアプローチが必要と考えられます。

(3)大腿骨近位部骨折に対する治療の場合 (特に、高齢、多彩な合併症・併存疾患がある患者さんの場合) も、上記(2)と同様に、原疾患・基礎疾患を主に担当する整形外科主治医および当該診療科専門医のみならず、脳神経外科医、神経内科医、循環器専門医、呼吸器専門医、リハビリテーション科専門医等の複数の専門医が充分に関与・介入するDrチームアプローチが必要と考えられます。

(4)しかしながら、医療機関によっては、医師・看護師の 「マンパワー不足」 あるいは 「リハビリテーションおよびリハビリテーションリスクに対する理解不足」 等により、発症後・受傷後・手術後等のリハビリテーションにおけるリスク管理の責務をセラピストが負わなければならない状況が少なくありません。

 以前の当ブログ記事 (「リハビリテーション医療におけるリスク管理」) にて述べたように、臨床の場では、セラピストに、医療安全管理 (医療事故防止)・リスク管理に関する豊富な知識および実践能力が要求されます。
 また、患者さんの急変時における緊急トリアージから初期対応 [BLS (一次救命処置)、ACLS (二次救命処置)] までをセラピストが行わなければならない場面も日常的に生じているものと推測されます。

 したがって、セラピストも、リハビリテーション治療技術の研鑽・向上のみならず、リハビリテーションリスク管理・リスク感性・急変時対応の研鑽・向上も重要と考えられ、それが、患者さんのリハビリテーション時の安全確保のみならず、セラピスト自身の自己防衛にも繋がると考えられます。

(5)以上、大腿骨近位部骨折に関する術前待機期間の主要因としての合併症・併存疾患の管理および手術時期に関するガイドライン整備の必要性について論じました。

 上述した通り、大腿骨頸部骨折および脳卒中の急性期治療においては、(特に高齢、多彩な合併症・併存疾患がある場合)、主治医および看護師・コメディカル等の多専門職種によるチーム医療だけでなく、主治医・当該診療科専門医・関連する各診療科専門医のDrチームアプローチも肝要と考えられます。




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脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄氏)

 朝日新聞 (2009/3/2) の 「私の視点」 に、免疫学の世界的権威であり、また、脳梗塞による重度後遺症の御身で、卓越した情報発信力・揺るぎない信念にて厚生労働省の 「リハビリテーション算定日数制限問題」 等の理不尽な政策を糾弾してこられた多田富雄・東京大名誉教授の鬼気迫る文章が掲載されています。

●脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄・東京大名誉教授)

 後遺症で身動きもままならないのに、入院中の病院から出ていってくれといわれた患者。転院を迫られても引き受けるところが見つからない重症者。帰るに帰れない事情を背負ったまひ患者。リハビリを打ち切られて極度に機能が落ちた重度の障害をもつ者。

 声を上げることができない脳卒中の患者が、行政から見放されている。「医療の効率化」 の名の下に重症者が選別され、国から見捨てられた棄民と化している。

 ウソだと思う人もいるだろうが、日本リハビリテーション医学会の最近のアンケートで、回復期リハビリ病棟の専門医の約2割が 「患者を実際に選別している」 と認め、約半数の医師が 「その可能性がある」 と答えているのだ。選別しなければ病院の経営が成り立たないような制度が相次いで施行されたためである。私の周囲でも、悲惨な患者の例を頻々と耳にするようになったのである。

 私は2001年に重症の脳梗塞になり、いまだに言葉を発することも、歩くこともできない。しかしリハビリ訓練を続けたおかげで。かろうじて社会復帰をしている。

 しかし、リハビリをめぐる状況は、この3年で急速に悪化している。

 発端は2006年の診療報酬改定である。政府は、超高齢化社会に対応して社会保障費を増やすどころか削減し、脳卒中のため障害を負った患者のリハビリ医療を、発症から起算して最高180日に制限した。これを機に、脳卒中患者の苦しみは、日を追って絶望的なものになった。

 日数制限の撤廃を求める署名は48万人に達したが、厚生労働省はそれを握りつぶし、翌07年の異例の再改定では、心筋梗塞などごく一部を日数制限から外して、緩和したように見せかけただけだった。

 逆に、日数を超えてリハビリを続ければ、病院には低い診療報酬しか支払われないようになり、慢性期の脳卒中患者のリハビリ継続はますます難しくなった。ことに救急車では込み込まれた重症の患者は、発症日から60日以後は回復リハビリ病棟に移ることもできなくなり、リハビリを始めることさえできない。初めから回復のチャンスが奪われてしまったのである。

 さらに、2008年10月からは治療結果による病院の”懲罰制”まで導入された。回復期リハビリ病棟に入院後180日以内に自宅やそれに準ずる施設に退院した患者が6割を超えないと、病院に支払われる報酬が大幅に減額される。病院はノルマを達成するために、治療途中の患者を自宅に帰さなければならない。そのためリハビリの期間は短くなり、治療半ばで中止させられる例も多い。中には点滴の管をつけたまま、自宅に退院させられる患者まで現れた。退院しても 「老老介護」 では、通院治療もままならない。

 そのうえ、慢性期のリハビリは介護保険のデイケアでやれといって、退院後の機能回復の機会を奪った。リハビリは患者の個別性に応じて行う専門的な医療であり、介護施設のデイケアなどでは対処できるものではないのだ。

 改善が目に見えないからといってリハビリを続けなければ致命的な機能低下が起こることを無視した日数制限の結果、寝たきりになった人が幾人いることか。残った機能の維持こそ命を救い社会復帰させる医療なのに。

 リハビリは単なる機能回復の訓練ではなく、社会復帰を含めた人間の尊厳を回復する医療なのである。患者や医師、リハビリ施設の職員たちから苦悩の声があがっても、厚労省は言を左右に、医師や病院の責任にして自分たちの非を認めない。脳卒中患者を抜き打ち的に狙った迫害、としか言いようがない。

 相次いだ制度の改悪によって、脳卒中の治療に熱心だった病院の収入は減り、重症の患者は初めから受け入れない傾向が生じた。そしてついには、最初に述べた患者の選別までが起こったのだ。

 これが 「文明国」 と称する日本の現状である。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 と定めた憲法25条は、脳卒中患者には当てはまらないとでもいうのだろうか。

 リハビリをすれば社会復帰できたのに、寝たきりになった患者の人権はどうなるのか。最後の命綱を断ち切られて、命を落とした人に涙を注がないのか。この日本で、難民ではなく医療を奪われた棄民が発生したのだ。

 リハビリ医療の度重なる制度改悪は、最弱者である患者の最後の希望を打ち砕き、医師や療法士のやる気をなえさせ、病院を疲弊させた。

 医療は崩壊ではなく、破壊されたのだ。

 最弱者を狙い撃ちにするような非人間的な制度は、即刻撤廃するべきである。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)多田名誉教授は、下記のような現在の医療行政の失政および医療制度改悪について鋭く指摘されています。

 (a) 医療費亡国論、小泉竹中構造改革、膨大な財政赤字 (官僚・与党議員等が何
  ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政
  再建至上主義 (財政再建原理主義) 等による 「医療費抑制・医師不足による医
  療崩壊・医療破壊 (特に、勤務医・病院)」


 (b) 「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点」 より、「財政再建の視
  点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生
  労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視
  点・市町村の視点」 等の方を重視してきた厚生労働省

 (c) 平均在院日数の呪縛

 (d) 2006年の診療報酬改定で導入された 「リハビリテーション算定日数制限」
  よび厚生労働省の見せかけの緩和策

 (e) 医療保険において、リハビリテーションを継続することにより 「状態の改善」
  が得られる場合しか算定を認めない厚生労働省
   (*) 「状態の維持」 および 「状態の低下傾向の可能な限りの抑制」 も重要であ
   り、このことは、症例によっては、「状態の改善」 と同等あるいはそれ以
   上に難しいタスクです。したがって、介護保険リハビリテーションでは
   困難 (平成21年度介護報酬改定で導入される短時間通所リハビリテーショ
   ンでも困難) であり、医療保険での集中的かつ濃厚なリハビリテーション
   が必要な場合が少なくありません。

 (f) 2008年10月に導入された 「障害者病棟からの脳卒中患者・認知症患者の排除」

 (g) 量的・質的に不充分な回復期リハビリテーション病棟、発症・手術・損傷か
  ら同病棟入院までの期間の制限 [2ヵ月以内 (一部、1ヵ月以内)] 、2008年10
  月から導入された 「患者選別」 を強要する同病棟への成果主義 [在宅復帰率等
  のアウトカム評価 (通常の成果主義は、プロセス評価が主)]

 (h) 医療療養病床の理不尽な医療区分の問題・不充分な診療報酬の問題

 (i) 量的・質的に不充分かつ経営的に不安定な介護保険施設

 (j) 不充分な在宅ケア体制

 (k) 要介護度の軽度化、介護給付費の抑制、老老介護・介護殺人・介護自殺・孤
  独死等の介護保険の構造的問題 (含、本来の理念 「介護の社会化」 の空疎化)

(2)我々リハビリテーション関係者も、多田名誉教授の忸怩たる思いと腹の底からの叫び・主張・提言を、真摯に受け止め、自らの力不足・努力不足・認識不足・行政へのアピール不足・厚生労働省の分断作戦によるリハビリテーション関連団体の分断・分裂等を深く反省しなければならないと思います。

(3)リハビリテーション (特に、診療報酬・介護報酬) において、下記のように、立場が違うと、それぞれの思惑が大分異なります。

 (a) リハビリテーション関連団体
  (1) 整形外科関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本
    運動器リハビリテーション学会)、
  (2) 日本呼吸器学会・日本呼吸ケアリハビリテーション学会
  (3) 日本心臓リハビリテーション学会
  (4) リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会・日本
    リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業
    療法士協会、日本言語聴覚士協会)

 (b) 各リハビリテーション・ステージ (急性期、回復期、維持期)

 (c) 各診療科 (整形外科、内科、小児科、脳神経外科・神経内科、呼吸器内科・呼
  吸器外科、循環器内科・心臓血管外科、リハビリテーション科、等)

 (d) 各職種 (医師、PT、OT、ST、あん摩マッサージ指圧師、看護師、准看護
  師、柔道整復師)

 (e) 医療機関 (大学病院等特定機能病院、大病院、中小病院、診療所。総合病院、
  専門病院、等)

 (f) 医療保険 [医療機関、(施術所、治療院、鍼灸院、鍼灸マッサージ院、整骨院、
  接骨院)]、介護保険 (介護保険施設・居宅サービス事業所)、障害者自立支援法

 (g) 民間医療機関、公的医療機関

(4)上記(3)の立場の違い・思惑の違いにつけ込んで、厚生労働省は分断作戦を敢行し、勝利を収めてきました。そしてそれが、多田名誉教授が嘆かれている診療報酬改悪・介護報酬改悪・医療制度改悪に繋がってきました。

 したがって、我々リハビリテーション関係者は、リハビリテーションの理念の原点に戻り、上記(3)の様々な立場を超えて、足並みを揃え、「患者さん・障害のある方」 の視点に立った行動をとり、以て、我々の使命・責務を果たす必要があると思います。
 また、リハビリテーション効果の更なるエビデンスを示していく責任もあると考えられます。

(5)以上、多田名誉教授がお書きになった文章 (脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」) について論じました。

 多田名誉教授が指摘された様々な問題点を包含するリハビリテーションの現状を打破するためには、我々リハビリテーション関係者のみならず、厚生労働省とも足並みを揃える必要があり、行政・政治・マスメディア等を巻き込んだ包括的なアプローチが肝要と考えられます。

 そしてそれが、「医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 ならぬ 「医療棄民 (特に、脳卒中、認知症)・救急棄民・リハビリ棄民・介護棄民・障害者棄民」 の出現防止に繋がると考えられます。




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「脳卒中対策基本法」 (仮称) 制定を目指す (日本脳卒中協会)

 CBニュース (2009/3/10) に脳卒中対策基本法 (仮称) に関する記事 (「脳卒中対策基本法」 制定を-日本脳卒中協会) が掲載されていますので紹介します。
 
● 「脳卒中対策基本法」 制定を-日本脳卒中協会

①日本脳卒中協会の山口武典理事長は3月8日、横浜市内で開かれた参加型イベント 「NO梗塞アカデミー」 (主催:同協会、サノフィ・アベンティス日本法人) で、脳卒中を予防したり、後遺症を減らしたりするための 「脳卒中対策基本法」 (仮称) の制定を呼び掛けた。

 山口理事長はあいさつで、「がん対策基本法はあるのに、脳卒中に関する法律はない。厚生労働省管轄の病院と総務省管轄の救急隊が連携を取り合って、スムースな救助活動をするために、一刻も早い法整備が必要」 と指摘。その上で、「要綱案はできているので、国会が正常に動くようになったら、議員立法での制定を目指したい」 と意欲を示した。

②同協会は現状の問題点として、

 (a) 脳卒中に関する知識は、医療者と市民の活動に頼るしかない。

 (b) (発症した場合に) どこの病院に行けばよいか、判断がつきにくい。

 (c) 119番で救急隊員を呼んでも、脳卒中かどうか判断できない。

 (d) 救急隊を呼んでも、(病院との連携がうまくいっていないため) 専門病院に
  運んでもらえる保証がない。

 (e) 受診が遅れると、治る可能性が低くなってしまう。

などを指摘。

 また、山口理事長によると、「3年前に国内でも使えるようになった血栓溶解薬 (t-PA) は効果が大きいが、発症から3時間以内に投与しないと、副作用の恐れがある」という。

③同協会は基本法の制定によって、政府、地方自治体、医療保険者、医療従事者らが協力して予防事業などを進められるようになるとしている。

 具体的には、

 (a) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 を国民に徹底周知。

 (b) 119番すれば、24時間全国どこでも、専門病院に搬送してもらえる仕組み
  を整備。

 (c) 急性期から維持期 (慢性期) まで途切れることなく最新の医療、リハビリ、
  療養支援を受ける仕組みを、全国的に整備。

 (d) 脳卒中の後遺症と共に生きる患者と家族の、生活の質の向上と社会参加
  を支援。

などを目指していく。

④山口理事長は、会場に集まった脳梗塞患者とその家族らに、「国を挙げて脳卒中の予防と後遺症のリハビリに取り組むためにも、一刻も早い法整備が必要」 と呼び掛けた。

⑤ t-PA治療

 2005 年10月から医療保険が適用された。t-PA治療によって、障害が残らない患者は、1.5倍になるといわれている。しかし、同治療は発症3時間以内に行うことが望ましいとされている。

 病院到着後、準備に1時間近くかかるため、発症2時間以内には同治療を実施できる医療機関に到着している必要があり、現状で同治療を受けているのは脳梗塞患者の約2%にとどまっている。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記②・⑤の通り、日本の脳卒中急性期診療の問題点の一つとして、「患者・家族・地域住民等の脳卒中発症サインの理解不足」・「救急隊と、血栓溶解療法 (発症から3時間以内の t-PA治療)・血管内治療を含めた超急性期の脳卒中治療が行える医療機関との、連携体制の不備」 等による当該病院受診遅延とそれに伴う 「血栓溶解療法・血管内治療等の超急性期脳卒中治療の断念」 が生じ、後遺症の発現に繋がります。
 また、地域によっては、血栓溶解療法・血管内治療を含めた超急性期の脳卒中治療が行える医療機関の不足・欠如が大きな問題となっています。

(2)上記①~④の通り、「脳卒中対策基本法」 (仮称) が制定されると、「厚生労働省管轄の病院と総務省管轄の救急隊が連携を取り合って、スムースな救助活動ができるようになる」・「政府、地方自治体、医療保険者、医療従事者らが協力して予防事業などを進められる」 等の利点があり、一刻も早い法整備が必要と指摘されています。

(3)また、上記の通り、同基本法の制定によって、下記のような具体的な成果が期待されています。

 (a) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 を国民に徹底周知。

 (b) 119番すれば、24時間全国どこでも、専門病院に搬送してもらえる仕組みを
  整備。

 (c) 超急性期・急性期~回復期 (亜急性期)~維持期 (慢性期) まで途切れること
  なく、最新の医療、リハビリテーション、療養支援を受ける仕組みを、全国
  的に整備。

 (d) 脳卒中の後遺症と共に生きる患者と家族の、「生活の質 (QOL) の向上」 と
  「社会参加」 を支援。

(4)2007年4月1日施行に施行された 「がん対策基本法」 は次の通りです。

【がん対策基本法】

●概要

 日本人の死因で最も多いがんの対策のための国、地方公共団体等の責務を明確にし、基本的施策、対策の推進に関する計画と厚生労働省にがん対策推進協議会を置くことを定めた法律である。

●基本的施策

 1.がんの予防及び早期発見の推進
   ◎がんの予防の推進
   ◎がん検診の質の向上等

 2.がん医療の均てん化の促進等
   ◎専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成
   ◎医療機関の整備等
   ◎がん患者の療養生活の質の維持向上

 3.研究の推進等

 「基本法」 とは、国の制度・政策に関する理念、基本方針が示されているとともに、その方針に沿った措置を講ずべきことを定めている法律です。その基本方針を受けて、その目的・内容等に適合するように行政諸施策が定められ、個別法にて遂行されます。また、基本法は 「親法」 として優越的な地位をもち、他の法律や行政を指導・誘導する役割があります。

 上記のように、がん対策基本法により、がんの対策に対する国、地方公共団体等の責務が明確化されるため、基本的施策 (「がんの予防及び早期発見の推進」・「がん医療の均てん化の促進等」・「研究の推進等」) の実施が推進されます。

 したがって、脳卒中対策基本法が制定されれば、例えば、「予防や脳卒中の見分け方、起こった時の対処などを行政が公に知らせることができる」・「救急隊が、現場で、脳卒中かどうかを判断し、専門病院に直接運ぶ仕組みができる」・「各自治体が、全国に、必要な仕組みを整備する」 等のメリットが生じます。
 特に、医療現場においては、「脳卒中医療の均てん化の推進」 が期待されます。

(5)日本脳卒中協会のホームページに、「脳卒中対策の法制化に向けた取り組み」 について、次のように詳しく説明されています。

●脳卒中対策 (脳卒中を予防し後遺症を減らす) についての法律が必要です。

 現在、法律による解決が必要と思われる課題が二つあります。

 一つは、一般市民の脳卒中の予防や発症時の対応についての啓発活動を全国的に継続的に行うには、行政の力なしには限界があるということです。

 もう一つは、脳梗塞の画期的な治療法である t-PA療法を普及するには救急搬送から t-PA治療を実施できる医療機関の整備まで、省庁を超えた制度的な対応が必要だということです。

 脳卒中予防のための知識、症状、発症時の対応方法を、公的な活動によって広く一般市民に普及させるには、法律が必要です。

 t-PA治療を普及させるには、脳卒中が疑われた場合には、t-PA治療をいつでも直ちに実施できる医療機関に直接搬送できるようにしなければなりません。

 そのためには、脳卒中救急搬送計画の策定、救急隊員の教育、受け入れ側の整備などが必要です。

 したがって、救急搬送を管轄する総務省消防庁と、医療機関を管轄する厚生労働省との、省庁を超えた調整が不可欠です。これは、法的な根拠なしにはなかなか実現できません。

 これらの問題を解決し、脳卒中対策を一層充実させるために、日本脳卒中協会は、脳卒中対策の法制化、すなわち脳卒中対策基本法 (仮称) の制定が必要であると考えています。

●脳卒中対策基本法 (仮称) ができると

(a)脳卒中の発症を防ぐために

 (*) 脳卒中を予防するための事業を、政府、地方自治体、医療保険者、医療
  従事者等が協力して進めることができるようになります。

(b)全国どこでも、いつでも、脳卒中の専門的治療を受けられるように

 (1) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 が国民に広まります。

 (2) 脳卒中が疑われたら、119番を呼べば、 24時間全国どこでも、専門病院
  に搬送してもらえる仕組みが整備できます。

 (3) 超急性期・急性期~回復期 (亜急性期)~維持期 (慢性期) まで継ぎ目なく、
  最新の医療、リハビリ、療養支援を受ける仕組みが、全国的に整備され
  ます。

 (4) 脳卒中後遺症とともに生きる患者と家族の、「生活の質 (QOL) の向上」
  と 「社会参加」 が支援されるようになります。

(c)研究成果が速やかに脳卒中に応用されて

 (1) 脳卒中の発症、救急搬送、受診、治療成果等の情報が集まり、予防対策
  や脳卒中医療の改善に活用できるようになります。

 (2) 救急隊員が脳卒中を現場で判断し直ちに搬送するための仕組みや教育・
  研修が整えられます。

 (3) 必要な地域には、遠隔医療が整備されます。

 (4) 急性期を含む脳卒中リハビリが全国的に普及します。

(6)脳梗塞の啓発啓蒙ホームページとして、 「NO!梗塞.net」 があります。下記の内容が含まれており、一般の方々に推奨されます。

(a) 脳卒中とは?、脳梗塞の種類・診断方法・治療方法・リハビリ・再発予防

(b) 市民公開講座の紹介

(c) 脳梗塞Q&A

(d) 脳梗塞を早く見つけるためのポイント

(e) いざという時、あなたはどうする!? (発作時の対処法)

(f) あなたの脳卒中危険度チェック! (セルフチェック)

(g) アニメでみる発症から退院まで (脳卒中急性期の治療と診断)

(h) 脳梗塞コラム

(7)以上、「脳卒中対策基本法」 (仮称) について論じました。

 以前の当ブログ記事にて何回も強調していますが、実際の脳卒中医療において、(a) 不充分な急性期治療・(b) 不充分な早期リハビリテーション・(c) 「医原性」 の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群)・(d) 不充分な回復期リハビリテーションあるいは回復期リハビリテーションの欠如のため、結果的に障害の回復が不充分なまま、あるいは余計な障害まで作られた上で、介護保険・福祉に受け継がれることが未だ少なくなく、全県的な脳卒中医療、リハビリテーション・ネットワークの構築の必要性が喚起されてます。

 「脳卒中対策基本法」 (仮称) の制定により、脳卒中の対策に対する国、地方公共団体等の責務が明確化され、各府省庁および各局の施策が 「縦割り」 から 「横の密な連携・コラボレーション」 に変わり、そして、「脳卒中の予防及び早期発見の推進」・「脳卒中医療の均てん化の促進等」・「研究の推進等」 が期待されます。

 そうなれば、超急性期・急性期~回復期~維持期の各ステージの脳卒中医療体制・リハビリテーション体制が確立し、且つ、充実した脳卒中医療連携体制および地域リハビリテーション連携ネットワークの構築が実現し、実際の脳卒中医療において、『濃厚な急性期治療ならびに充分な早期リハビリテーションが実施されることにより、脳の損傷が最小限に抑えられ、且つ 「医原性」 の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群) の出現も防止でき、そして、その後、充分な回復期リハビリテーションが行われることにより、「可能な限りの障害の回復が得られ、余計な障害も作られることなく」、介護保険・福祉に円滑に受け継がれる』という理想的な流れが得られると思います。

 また、医療難民 (特に、脳卒中難民、認知症難民)・リハビリ難民・救急難民・介護難民・障害者難民等の防止も期待できます。

【関連記事】
 ◎脳卒中急性期医療体制の構築 (東京都脳卒中急性期医療機関 2009)
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (TIA:一過性脳虚血発作)
 ◎地域リハビリテーション (CBR:community based rehabilitation)




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無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)

 以前の当ブログ記事 (リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) に対する下記の質問がありましたので、回答かたがた、本ブログで説明したいと思います。

(質問) 2009/1/22 記載の疾患別リハビリテーション専任医の責務について、ご質問させてください。現在、私はリハ専任医の診察はどの程度の頻度で実施することになっているのかを調べています。上記、1/22 には 「医師は全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に必ず診察を行い~ 注釈2」 とありますが、これの出所はどこでしょうか? 疑義解釈を調べてみましたが、リハ専任医の診察頻度に関する記述が見当たりません。もし、よろしければ具体的にご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

(当ブログ管理人の回答)

(1)「医師は、全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に、必ず診察を行い、診療録に病理学的所見などの評価項目を記載すること」「無診察によるリハビリテーション実施は認められない」 という項目の出典は、「整形外科外来におけるリハビリテーションの理念と取り組みについて」 (梶浦一郎) [越智隆弘・梶浦一郎・編:(整形外科 外来シリーズ 7) 「リハビリテーション外来」、メジカルビュー社1998] です。
 この項目は、実際に 「社会保険事務局 (現在の地方厚生局各県事務所)」 による 「個別指導」 等で指摘された事項を示したものです。

(2)上記(1)は、保険診療の禁止事項の一つである 「無診察治療等の禁止」 (下記参照) が基本にあり、それが、「無診察によるリハビリテーションの禁止」・「毎回のリハビリテーション前診察の義務」 に繋がります。

(3)無診察治療等の禁止 (療担規則第12条) (註1参照)

 医師が自ら診察を行わずに治療、投薬 (処方箋の交付)、診断書の作成等を行うことについては、保険診療の必要性について医師の判断が的確に行われているとはいえず、保険診療としては認められるものではない。

 なお、無診察治療については、保険診療上不適切であるのみならず、医師法違反 [「医師は、自ら診察しないで治療をしてはならない」 (第20条)] (註2参照) に当たるものであり、また、倫理的にも医療安全の観点からも極めて不適切な行為であることは言うまでもない。

●無診察治療の例
 ①定期的に通院する慢性疾患の患者に対し、診察を行わず処方箋のみ交付。
 ②通院リハビリテーション目的で訪れた患者が、理学療法士等によるリハビリテ
  ーションを行ったのみで、医師の診察の事実がないのに再診料等を請求。

 ③診療録に、診察に関する記載が全くなかったり、「薬のみ (medication)」 等の記
  載しかない (無診察治療の疑い)。

(註1) 保険医療機関及び保険医療養担当規則 (療担規則)
   ◎昭和32年4月30日 厚生省令第15号
   ●最終改正:平成20年9月30日 厚生労働省令第150号

第2章 保険医の診療方針等

(診療の一般的方針)
第12条 保険医の診療は、一般に医師又は歯科医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行われなければならない

(註2) 医師法 (昭和23年7月30日 法律201号)
   ●改正:平成19年6月27日 法律96号 (施行:平成19年12月26日)

第4章 業務

第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

(4)上記(1)のタスクは、医師であればOK、即ち、疾患別リハビリテーション専任医師だけでなく、非専任医師でも可能ですが、基本的には通常、専任医師のタスクと見なされます。

(5)リハビリテーション前診察の内容は、医師自ら (または、医療クラークが代行入力し、医師が確認署名) が、診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載しなければなりません。
 但し、記載する診察内容は、単にバイタルサインのみの記入では不充分です。

 リハビリテーション専任医師の責務として、①リハビリテーション診察時の全身状態・健康状態・体調・バイタルサイン等 (「当該日にリハビリテーションを受けることができる状態である」 という根拠・データ)、②リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による客観的効果判定]、③上記②の効果判定の結果、「現状として、リハビリテーション継続が必要である」 ということ を、毎回、簡潔に記載する必要があります。

 そして、長期漫然とした効果のないリハビリテーションを防止するために、「疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は、定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成 (リハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書:多専門職種によるチームアプローチによる詳細なリハビリテーション実施計画の作成) する必要があり、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること」 が、保険診療上、定められています。

 また、リハビリテーション専任医師は、専任、即ち、「リハビリテーション医療業務に50%以上の関わり」 が必要であり、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましいとされています。リハビリテーション専任医師としての担当時間帯において、他の業務との兼任も可能ですが、リハビリテーション室にて患者さんの急変・事故等が生じた場合、すぐに駆けつけることが出来るように、「手術に入ったり、途中で中止できない検査や処置をする」 ことは控える必要があります。

(6)上述の議論は、外来患者および外来リハビリテーション患者は全て該当します。

 一方、入院患者については、1年365日、毎朝、医師が診察しており、無診察の投薬・検査・処置・リハビリテーション等は無いという大前提があるため、入院患者のリハビリテーション前診察については、ほとんど指導対象となりませんでした。

 しかしながら、個別指導で、医師による入院カルテの記載漏れ・記載不備が、以前から、大きな問題になっており、今後、入院患者の無診察治療等についても、個別指導等の指導が厳しくなるかもしれません。(場合によっては、入院基本料の自主返還も有り?)。

 仮に、その場合は、入院リハビリテーション患者は、(本来は施行すべきものなのですが)、全員、リハビリテーション前診察かつ診療録への記載 [上記(5)参照] を施行することになり、特に、リハビリテーション専任医師体制に不備のある病院等での医療現場は混乱すると思われます。(1年365日リハビリテーション体制の場合、日直医または当番医が大変になると思います。但し、逆に、1年365日リハビリテーション体制を敷いている病院等のリハビリテーション専任医師体制は完璧かも知れませんが・・・)。

(7)以上、以前の当ブログ記事 [『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』] で論じたように、リハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があります。




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平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設のリハビリ:追加情報)

 以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定について論じました。

 「旅とグルメの日々 イニシア 田原はじめのblog」 ブログの記事 「介護報酬改定のナイショ話 (その4)」 において、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定に関する興味深い話が掲載されていますので紹介します。


(資料1) 介護療養型医療施設におけるリハビリテーション (特定診療費)

 介護療養型医療施設におけるリハビリテーションについては、医療保険との役割分担の明確化や整合性を図る観点から評価を見直すとともに、ADLの自立等を目的とした理学療法等を行った場合の評価を廃止する。併せて、リハビリテーションマネジメント及び短期集中リハビリテーションについて、介護老人保健施設と同様の見直しを行う。

  理学療法 (Ⅰ) 180 単位/回
  理学療法 (Ⅱ) 100 単位/回→→→理学療法 (Ⅰ) 123 単位/回
  理学療法 (Ⅲ) 50 単位/回→→→理学療法 (Ⅱ) 73 単位/回
  作業療法   180 単位/回→→→作業療法   123 単位/回
  言語聴覚療法 180 単位/回→→→言語聴覚療法 203 単位/回
  摂食機能療法 185 単位/日→→→摂食機能療法 208 単位/日
   (注) リハビリテーションマネジメントについては、理学療法(Ⅰ)等に包括
    化する。

  短期集中リハビリテーション 60単位/日→→→240単位/日
   注1.入院日から起算して3月以内に限る。
   注2.理学療法 (Ⅰ)・(Ⅱ)、作業療法、言語聴覚療法又は摂食機能療法を算
      定する場合には、短期集中リハビリテーションを算定できない。

  集団コミュニケーション療法の評価
  ◎言語聴覚士が集団に対して実施するコミュニケーション療法について、新
   たに評価を行う。
  ◎集団コミュニケーション療法 (新規):50単位/回 (1日に3回を限度)
    ※算定要件 (次のいずれにも該当する場合)
      ①専任の常勤医師を配置していること。
      ②常勤かつ専従の言語聴覚士を配置していること。
      ③専用かつ8平方メートル以上の集団コミュニケーション療法室を確
      保していること。(言語聴覚療法を行う個別療法室との共用は可能)。
      ④必要な器械及び器具が具備されていること。


(資料2) 介護報酬改定のナイショ話 (その4)
 
「施設系は、どうかな?」。

H氏 「介護療養には厳しいね」。

「リハビリをかなりカットしているね。介護療養にはリハは要らないということ?」。

H氏 「ひどいね、確かに。リハをやって在宅に帰すなら老健にしろと言っているように見える。確かに要介護1~3が多ければ、介護療養より老健の方が有利だ。もっともそんなに軽い人を診ている介護療養はないだろうけど」。

「介護療養は、ほとんど要介護4、5で平均介護度は4.5以上というところも、ざらにあるからね。むしろ、そんなに重い人ばかりだから、リハビリは要らないだろうと言っているかのようだね。そのくせ重度療養管理もカットしている」。

H氏 「まったくだ。上がったのはSTと口腔ケアだけ。実態を反映しているとも言えなくはないが」。

「介護療養を2012年で廃止という決定は覆らないの?」。

H氏 「政権がこれからどうなるかだが・・・。ウルトラCの大逆転で介護療養存続になった方がいいように思うな」。

このあたりで芋焼酎のロックを呷る速度が上がったのを感じた。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において述べたように、「理学療法 (Ⅰ) (180単位/回)」・「作業療法 (180単位/回)」は、人員配置基準上、医療保険における脳血管疾患等リハビリテーション (Ⅲ) (100点) や運動器リハビリテーション料 (Ⅱ) (80点) と同等とみなされ、両方ともベースを 「理学療法 (Ⅱ) (100単位/回)」 へランク下げした上で、一律 「+23単位」 し、123単位/回になったと考えられます。
 一方、言語聴覚療法 (ST) と摂食機能療法は、(ランク下げせずに) 現行の点数にそのまま一律 「+23単位」 しています (上記資料1参照)。

(2)理学療法 (PT)・作業療法 (OT) のマイナス改定の理由として、次のことが挙げられます。

①上記(1)の通り、医療保険の人員配置基準との整合性を図った結果と考えられます。

②上記資料2の通り、介護療養型医療施設の入所者は、ほとんどの方が要介護4・5の重度の方であり、積極的なPT・OTアプローチはあまり必要ないのではないかと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。

③以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において示した数字ですが、月平均の理学療法等 (特定診療費:リハビリテーション全体の数字) が約113万件、一方、STの算定実績 (STが1対1で行うもの) が約9万7千回と大きな開きがあります。
 即ち、介護療養型医療施設におけるリハビリテーションにおいて、STに比して、PT・OTは相対的に算定実績があり、充分浸透・定着したと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。(リハビリテーションマネジメントの包括化も、同様の理由と考えられます) 【従来からの厚生労働省の狡猾な常套手段ですが・・・】。

(3)一方、STと摂食機能療法のプラス改定の理由として、次のことが挙げられます。

①上記資料2において、「上がったのはSTと口腔ケアだけ。実態を反映しているとも言えなくはないが」 と述べられており、また、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) においても論じていますが、介護療養型医療施設においては、失語症・構音障害・摂食嚥下障害を持つ脳卒中患者が多く、STのニーズ (特に摂食嚥下障害) が高いとされています。
 即ち、介護療養型医療施設の入所者は、ほとんどの方が要介護4・5の重度の方であり、積極的なPT・OTアプローチはあまり必要ないが、失語症・構音障害・摂食嚥下障害に対する積極的なSTアプローチは効果が見込めるのではないかと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。
 但し、介護療養型医療施設におけるSTのニーズは、通常、失語症・構音障害よりも、摂食嚥下障害の方がかなり高く、その意味では、摂食機能療法だけプラス改定でもよかったのではないかと主張されている方々もいるようですが・・・。

②別の理由としては、上述の通り、月平均の理学療法等 (特定診療費:リハビリテーション全体の数字) (約113万件) に比して、STの算定実績 (STが1対1で行うもの) が約9万7千回と少なく、患者ニーズと乖離しており、介護療養型医療施設のSTを増やす必要があると厚生労働省が判断した可能性が考えられます。

(4)リハビリテーションマネジメントの包括化ならびに集団コミュニケーション療法の新規導入についての詳細は、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) を、ご参照下さい。

(5)以上、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定に関する追加情報について論じました。

 但し、現時点で、解釈通知等が発出されてないため、不明確・不透明な点が多々あります。
 したがって、介護現場および介護サービス利用者・家族等が混乱しないためにも、平成21年3月末までに公布・発出される予定の 「改正省令・告示」・「関係通知・Q&A」 が、出来るだけ早期に公表されることを切望します。




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