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「介護認定基準、再修正へ」 (NHK解説委員の見解)

 NHK解説委員室ブログ (2009/8/6) の 『スタジオパークからこんにちは 「暮らしの中のニュース解説」』 カテゴリーに、新要介護認定制度の再修正に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

介護認定基準、再修正へ

(稲塚キャスター)
 介護保険のサービスをどれだけ受けられるかを判定する 「要介護認定」 の基準が、今年10月から再び見直されることになりました。
 厚生労働省は、今年4月に基準を見直したばかりでしたが、わずか半年でまた見直されることになりました。
 藤野解説委員とお伝えします。

(Q1)
 4月に始まったばかりの基準がもう見直される。
 なぜこんなことになったのか。


(A1)
 原因は、4月以降、これまでより要介護度が軽く判定される人が相次いでいるからです。
 このグラフ (註:省略) を見てください。
 これは、全国の自治体の今年4月と5月の認定結果をまとめたものです。
 要介護度は、要支援1から要介護5まで7段階に分かれているのですが、結果をみると、「非該当」、つまり、介護の必要なしと判定された人が、1年前と比べて2倍以上に増えた。
 またグラフ全体を見てみても、軽い人の割合が増えています。
 要介護度が軽く判定されると、介護保険で受けられるサービスの内容がかわってきて、これまでのサービスが受けられない人が出てきます。
 そうした人が増えないように、厚生労働省は、もう一度基準を修正して、10月から再スタートしようという判断をすることになったわけです。

(Q2)
 具体的に、どのような見直しが行われるのか?


(A2)
 これ (註:図省略) は、介護認定の流れです。
 市町村に申請を出すと、調査員による聞き取り調査をもとに、一次判定が行われ、そのあと医師や介護の専門家による二次判定が行われます。
 今回は、4月に変更された、調査員による聞取り調査の方法を見直すことになります。
 聞き取り調査の項目74項目のうち43項目が再修正されます。
 そして、具体的にどうかわるか、一言でいいますと、4月以前の基準に近いものに戻すということなんです。

①例えば 「ひどい物忘れ」 の項目。
 今は、火の始末を忘れても、本人が何もしなければ、物忘れとはみなさないとなっていて、意味がよくわかりませんよね。
 現場の人たちから、これでは本人が火を消すのを忘れて火事になりそうになっても、物忘れがないことになるのかという疑問が出ていました。
 このため、修正後は、本人が何もしなくても、周囲の人が火の始末をせざるを得ない場合は 「物忘れ」 とみなすことになっています。

②また、「座位保持」 の項目。
 座ったままの姿勢をどのくらい保てるか、という項目ですが、今の基準は、座った姿勢を1分程度保てれば 「できる」 とみなすことになっていました。
 修正案では、10分程度保てた場合に初めて 「できる」 とみなすことにするとしています。

(Q3)
 これで、以前より要介護度が軽く判定されることはなくなるのか


(A3)
 この案で、厚生労働省が、全国およそ1万人を対象にシュミレーションした結果、4月の見直し前の判定結果とほぼ同じになったので、極端に軽くなることはないとしていますが、実際にスタートしてみないとわかりません。

(Q4)
 この話。
 見直し前から、介護現場や利用者からの不安が広がって、対応が二転三転してきたが原因は何か?


(A4)
 一番は、厚生労働省に、現場や利用者の声を汲み取って、制度を改善しようという姿勢が欠けていたこと。
 今の基準を現場に周知するための期間はわずか3か月でしたし、見直し案を作る段階でも、現場の声をもっと反映させる方法を考える必要があったと思います。
 こうした厚生労働省の姿勢に、現場からは、介護費用を低く抑えるために、軽い判定結果がでるように誘導しているのではないかという批判も出ていました。
 一連の混乱は、制度への信頼を失わせる結果となってしまったと言わざるを得ないと思います。

(Q5)
 今後の課題は?


(A5)
 やはり、再修正された基準が果たして妥当なものかどうか、10月以降も検証を続ける必要があります。
 特に今の基準は、在宅で介護を受けている人の実態にあっていないという指摘もあります。
 今の基準は、施設で介護を受けている人を対象に行った調査をもとにつくられているからです。
 介護サービスを受けている人の7割は在宅ですから、利用者の実態に合わせた基準づくりを進める必要があると思う。

(Q6)
 介護サービスを利用している人が、実態にあった判定をしてもらうためにはどういうことに気をつければいいのか。


(A6)
 まず、本人や家族は認定の仕組みをよく知ること。
 また、調査員に伝えたいポイントを事前にメモにしてまとめておくことが必要です。
 聞きとり調査を受ける時には、日ごろ介護している家族などが立ち会って、今のサービスで不足していること、困っていること、頻度など、具体的に伝えることが重要だと思います。

(1)以前の当ブログ記事 (新要介護認定制度2009:要介護度の軽度化にて、半年で再修正へ) でも述べましたが、(建前上、) 「介護認定訪問調査員の主観を排除し、要介護度の地域間の認定のばらつきを解消するため」 に2009年4月に導入された新要介護認定制度が早くも大幅な再修正を受けることになりました。

 新要介護認定制度導入の本音は、

  ①制度改正により、介護認定審査会での2次判定による不適切な変更を是正
   する。(註:あくまで、厚生労働省の視点での 「不適切」 な変更)。

  ②要介護度を軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の抑制・市町村負担の
   抑制。

とされています。

(2)以前の当ブログ記事 [介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史参院議員) と政府答弁書] でも強調しましたが、次期政権には、

①先ず、国民の安全・安心・納得・満足の実現を最優先に考える。
   ↓
②量・質ともに充分なレベルの介護保険制度に必要な予算および必要な介護給付
 費を確保する (介護給付費抑制のための 「要介護認定制度改正による要介護度
 の軽度化および介護報酬改定 (含、区分支給限度額の据え置き)」 は可及的速や
 かに改正する)。
   ↓
③そのための財源を確保する (その際、安易な 「介護保険料の引き上げ・介護サ
 ービス利用者の自己負担の引き上げ・市町村負担の増大」 は控える)。
   ↓
④そのために、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 以外の分野
 における 「税金の無駄遣い」 を止め、且つ 「(一般国民の目線から見た) 優先順
 位の低い事業」 は、予算執行を先送りするあるいは中止する (消費税増税は最
 後の最後の手段!)。

という新しい発想 (一般国民の目線での発想) で、現在の 「介護崩壊・介護難民・介護棄民・社会保障崩壊」 の負のスパイラルから、「介護再生・社会保障再生」・「国民の安心・安全・納得・満足が得られる社会」 の実現を達成して頂きたいと思います。




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介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史参院議員) と政府答弁書

 水戸将史・民主党参議院議員の介護保険制度に関する質問主意書 (質問第174号:平成21年5月22日) に対する政府答弁書 (内閣参質171第174号:平成21年6月2日、内閣総理大臣・麻生太郎) が公表されていますので、下記に示します。

●介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史・民主党参議院
 議員) ならびに政府答弁書


 去る2006年度より介護保険制度の改定が実施され、介護認定基準の見直しが却って介護現場での混乱を招いていると聞いている。
 また、今年度より介護報酬の改定がなされているものの、当初予測されていた報酬アップにつながらず、やむを得ず補正予算で今後3年間にわたって、その不足分につき補填することになるという。
 こうした状況に鑑み、以下質問する。

<質問1>
 介護認定基準の見直しにより、多くの利用者が改正前と身体の状態が変わっていないのにもかかわらず、自費で負担しなければ以前と同じサービスを受けることが出来なくなったと指摘している。
 また介護度によるサービス利用制限の幅も広がったため、サービスの使い勝手が悪くなり、介護現場では制度改正への疑問や、不安、不満が高まっていると聞く。
 こうした状況をどう把握し、分析しているのか明らかにされたい。

<回答>
 今回の要介護認定等の方法の見直しの影響については、今後、「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」 において、できるだけ早急に検証を行うこととしている。

 また、今回の要介護認定等の方法の見直しにより、要介護状態区分等が変化し、これまで受けていた介護サービスの利用量が変化するのではないかという不安が利用者にあることから、要介護認定等の方法の見直しの影響について検証を実施している期間中、要介護認定等の更新申請者が希望する場合には、従前の要介護状態区分等によるサービス利用も可能となるよう経過措置を設けているところである。

 なお、今回の要介護認定等の方法の見直しは、平成19年度に実施された研究事業及び平成20年度に実施されたモデル事業の結果も踏まえたものであり、これらの事業の結果においては、従来の要介護状態区分等と比較して、軽度に判定された者ばかりではなく、重度に判定された者も同程度に存在する。

<質問2>
 3年ごとに見直されてきた介護報酬は、過去2回の改定によってトータル4.7%の減額となっていた。
 今回初めて3%分の引き上げとなったが、過去の介護報酬の減額と介護人材の確保難を招いたことについての相関関係を、どう分析しているのか。
 また、3%引き上げることにより、当初、平均して2万円程度報酬額がアップすると予想されていた。
 ところが、それに反してマスコミ調査や一部の報道にもあったように、実際には5千円程度しかアップしていない現状について、どう認識しているのか。

<回答>
 平成19年12月に社会保障審議会介護給付費分科会介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチームが取りまとめた報告においても、介護事業の経営や介護労働者の処遇に影響を与えると考えられる要因については、介護報酬の水準以外にも、介護事業市場の状況、介護サービス事業のマネジメント、人事労務管理の在り方、労働者市場の状況等様々なものがあると指摘されており、お尋ねの 「過去の介護報酬の減額と介護人材の確保難を招いたことについての相関関係」 について、その有無を明確にお答えすることは困難である。

 また、厚生労働省としては、仮に今回の介護報酬の引上げ分すべてを常勤換算で約80万人と見込まれる全国の介護職員の給与に充てれば一人当たり月額2万円を超える水準となると考えているが、実際の賃金の引上げ額は、当該介護従事者の雇用形態や事業所の経営状況等により異なってくるものと考える。

 なお、過去の介護報酬の改定率の合計は、マイナス4.7パーセントであるが、平成18年の改定率には、施設における食費及び居住費の自己負担の導入による介護報酬の減額分1.9パーセントが含まれており、これを除くと、マイナス2.8パーセントとなる。

<質問3>
 今般の補正予算案においては、介護報酬充当のため約4千億円の予算計上がなされている。
 現時点の報酬額と、今後の3年間の追加支援を勘案した場合、約4千億円の積算根拠を明らかにされたい。


<回答>
 平成21年度第1次補正予算においては、介護職員の賃金の引上げを実施する事業者に対する助成を行うための基金として、御指摘の4千億円を計上しているが、この額は、平成21年度の所要額について、賃金引上げの対象となる介護職員の数を常勤換算で約80万人とし、当該介護職員一人当たりの助成額を月1万5千円として算定するとともに、平成22年度及び平成23年度の所要額について、介護サービスの提供量の増大に応じた助成額の増加を見込んで算定し、さらに、これらに事務費を加えて算定したものである。
 なお、平成21年度の事業実施期間は6か月としている。

<質問4>
 介護サービスを提供する立場から、例えば介護現場において必要とされる医療行為を、迅速かつ適切に行っていくことは望ましいことである。
 昨今の看護師の人材確保難といった事態にも対処していくため、介護人材の養成過程においては、特定の医療処置が出来るよう専門的な知識や経験を習得させるべきであると思うが、その必要性についてどう認識しているのか。

<回答>
 介護現場において医療の必要性が高まっていることは認識しているが、そもそも、介護職員が 「医療処置」 を行うことについては、医師法 (昭和23年法律第201号)、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)等に基づく規制があり、お尋ねの介護職員の人材養成の在り方については、これらの規制の在り方も含め、検討を行う必要があると考える。

 なお、当面の対応として、平成21年2月に、特別養護老人ホームにおいて医療的なケアを提供するニーズが高まっている状況に対応するため、看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会を立ち上げたところである。

<質問5>
 一般的に施設介護における介護報酬費は、利用者の要介護度を基にして全体の枠が算定されている。
 他方、利用者と介護職員との配置基準は3対1の比率とされているものの、実際の介護現場では、理論上の配置基準よりも多くの職員配置がされていると聞く。
 したがって、職員の数を増やせば自ずと職員一人当たりの労務報酬は下げざるを得ず、これがひいては介護職員離れを助長するといった指摘もある。
 ここで、前述した介護報酬費と要介護度の関係について、どういった手法や基準をもって、その金額が設定されてきたのか明らかにされたい。

<質問6>
 現況に照らした場合、前記5の配置基準を2対1くらいまでシフトしつつ、介護報酬費の設定単価をそれに見合った部分にまで拡大すべきとの意見もあるようだが、こうした意見を採用する考えはないのか。


<質問5及び6に対する回答>

 介護保険施設に係る介護報酬については、介護保険法 (平成9年法律第123号) 第48条第2項の規定に基づき、施設の種類ごとにサービスに要する平均的な費用の額を勘案して、厚生労働大臣がその算定基準を定めているが、これを定めるに当たっては、入所者の要介護度に応じた介護の手間や実際の職員の配置状況等を勘案しているところであり、御指摘のように、法令上の最低限の人員配置基準である3対1の職員配置を基礎としているわけではない。

<質問7>
 今回の介護報酬の改定により、地域加算の考え方に着手したことは評価できる。
 しかし、同一地域においても介護サービスの種類によって、地域加算が上がるものもあれば下がるものもある。
 こうした上下することについての客観的な根拠は何か、明らかにされたい。
 また例えば、特別区である東京都と、特甲地である横浜市及び川崎市との比較において、それらの上乗せ割合が開いた原因はどこにあるのか、具体的に明らかにされたい。

<回答>
 お尋ねの地域区分ごとの介護報酬単価の上乗せ割合については、平成20年4月に実施した介護事業経営実態調査によって得られたデータを基に、地域区分における人件費水準の違いを踏まえて設定したものであり、御指摘の東京23区が該当する特別区と横浜市や川崎市が該当する特甲地の上乗せ割合の違いについても、それぞれの地域区分の人件費水準の違いを反映したものである。

<質問8>
 介護保険制度の見直し等により新型特養が主流となる中、入居する利用者の収入区分が4段階に分けられたことによって、施設自体が収入の少ない利用者の経費 (居住費および給食費) 負担を強いられることとなった。
 こうした利用者負担分の一部を肩代わりする施設にとっては、経営圧迫の一因のみならず、経営そのものが成り立たなくなるといった危険性も指摘されている。
 こうした現状についてどう認識しているのか。
 また、施設側の負担軽減を図る必要性についてどう認識しているのか。

<回答>
 現行の介護保険制度においては、介護保険施設における居住及び食事の提供に係る利用料は、利用者と介護保険施設との間の契約に基づき、決定されるものであるが、低所得者については、その所得に応じて負担限度額を定め、利用料がこれを上回る場合には、基準費用額と負担限度額の差額を限度として補足給付を支給することとしている。
 したがって、介護保険施設は、少なくとも基準費用額についてまでは、その収入が確保される仕組みとなっており、御指摘の 「利用者負担分の一部を肩代わりする施設」 については、居住及び食事の提供に基準費用額を上回る経費をかけているものと考えられるが、これは各施設の経営の結果によるものであり、このような施設に対する支援を行う必要性は乏しいものと考える。

<質問9>
 また施設運営上、前記8の負担のみならず、独立行政法人福祉医療機構に対する償還金の存在は看過できないものである。
 昨今の社会情勢や経済状況を加味した上で、その償還期間について延長を含めさらに融通性を持たせるべきであるとの指摘もあるが、こうした考え方を導入することについてどう考えるか。


<回答>
 独立行政法人福祉医療機構においては、長期低利の融資を行っており、その条件は、民間の金融機関による融資と比較しても、有利なものとなっているところ、現時点において、お尋ねのように償還期間を更に延長する等の措置を講じることは考えていない。

<質問10>
 特別養護老人ホームへの入所に対する利用者の希望は、従来型とユニット型を比較した場合には、経済的に従来型を望む声が多いと聞く。
 ところが現時点では、地方自治体サイドは国の意向を受け従来型の新設に対して許可を与えず、国もまたユニット型を推進していくとの方針に対して、利用者ニーズに対応した政策転換を図るべき時期に来ていると思えるが、どう認識しているか。
 また、他方でユニット型の利用者負担の軽減を図る必要があるとの指摘についてどう考えるか、明らかにされたい。


<回答>
 厚生労働省としては、特別養護老人ホームにおけるユニット型施設については、入所前までの自宅での生活様式の継続や、より良い生活環境の実現を図る等の観点から、整備を進めていくことが必要であると考えており、第4期介護保険事業計画の策定に当たり改定した 「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」 (平成18年厚生労働省告示第314号)においても、平成26年度における特別養護老人ホームの定員数に占めるユニット型施設の定員数の割合を7割以上とするという目標を掲げているところであるが、「従来型の新設」 について認可するか否かは、各都道府県が地域の実情を踏まえて判断するものである。

 低所得であるユニット型個室の利用者の負担については、利用者に過大なものとならないよう、負担限度額が定められているところである。

(1)上記の介護保険制度に関する政府・厚生労働省の回答および介護保険制度の制度設計・介護報酬改定においては、根底に、「介護給付費の抑制→介護保険料の引き上げの抑制・市町村負担の抑制」 というネガティブな思考の論理があると考えられます。

 次期政権には、発想の転換をして頂き (既に発想の転換をして頂いている政党もあるかとは思いますが・・・)、

①先ず、国民の安全・安心・納得・満足の実現を最優先に考える。
   ↓
②量・質ともに充分なレベルの介護保険制度に必要な予算および必要な介護給付
 費を確保する (介護給付費抑制のための 「要介護認定制度改正による要介護度
 の軽度化および介護報酬改定 (含、区分支給限度額の据え置き)」 は可及的速や
 かに改正する)。
   ↓
③そのための財源を確保する (その際、安易な 「介護保険料の引き上げ・介護サ
 ービス利用者の自己負担の引き上げ・市町村負担の増大」 は控える)。
   ↓
④そのために、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 以外の分野
 における 「税金の無駄遣い」 を止め、且つ 「(一般国民の目線から見た) 優先順
 位の低い事業」 は、予算執行を先送りするあるいは中止する (消費税増税は最
 後の最後の手段!)。

という新しい発想 (一般国民の目線での発想) で、現在の 「介護崩壊・介護難民・介護棄民・社会保障崩壊」 の負のスパイラルから、「介護再生・社会保障再生」・「国民の安心・安全・納得・満足が得られる社会」 の実現を達成して頂きたいと思います。

(2)来る8月30日の衆議院総選挙に向け、各政党が様々な政策を訴えています。

 消費税増税問題も、総選挙の大きな争点になると思われます。

 しかしながら、「消費税増税」 を行う前に、

①充分な景気回復

②税制の抜本的改革 (特に、財界・大企業・株主・金持ち優遇税制の是正)

③膨大な税金 (国民の血税) の無駄使いの抜本的是正
 (1) 伏魔殿化した特別会計の透明化・是正
 (2) 官僚の天下り・渡りの根絶および天下り用の無駄な公益法人や補助金の
  根絶 (約12兆円)
 (3) 国会議員の定数削減・歳費の削減
 (4) 国家公務員人件費の削減
 (5) 道路・空港・整備新幹線・ハコモノ等の無駄な公共事業の根絶、等

④道路特定財源の完全なる一般財源化

⑤年金問題の早期完全解決

等々の諸課題を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思います。

 次期政権には、国民の安心・安全・納得・満足のために 「医療再生・介護再生をはじめとした社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 再生」 を図るという大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。




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平成21年度介護報酬改定・緊急調査結果 (NHK解説委員の見解)

 NHK解説委員室ブログ (2009/7/9) の 『スタジオパークからこんにちは 「暮らしの中のニュース解説」』 カテゴリーに、平成21年度介護報酬改定3%引き上げに関する緊急調査結果についての記事が掲載されていますので、下記に示します。

スタジオパーク 「介護報酬は上がったけれど・・・」
 
(稲塚キャスター)
 介護サービスを提供した事業者に支払われる介護報酬が今年4月、3%引き上げられました。
 その後、介護の仕事をする人たちにどんな変化が起きたのか、緊急調査の結果がまとまりました。
 後藤千恵解説委員です。

(Q1)
 そもそも、今回の介護報酬の引き上げ、狙いはなんだったのでしょうか?


(A1)
 一言で言いますと、介護職員の待遇を改善して、人材の確保につなげるということです。
 介護の仕事は、お年寄りの命を預かる大変な仕事です。
 でも、その割に賃金が低く、人が集まらない。
 人手が確保できなければ、介護保険という制度はあっても、必要なサービスが受けられないという事態にもなりかねない。
 そこで、介護事業者に支払う報酬を引き上げて職員の待遇の改善につなげようというのが狙いなんです。

(Q2)
 その結果、どうなったんでしょうか?


(A2)
 東京都社会福祉協議会がこの5月から6月にかけて、緊急に行った調査の結果がまとまりました。
 こちらです (註:図省略)。
 まず、今回の改定で介護事業者の収入がどうなったのか。
 今年4月の収入の見込みを、去年の4月と比較しました。
 その結果、「増えた」 というところが55%。
 「変わらない」 というところが14%。
 「減った」 ところが30%でした。

(Q3)
 増えたというところが半分ちょっと?


(A3)
 そうなんです。
 しかも、収入が増えたと答えた事業所に、その理由を聞いたところ、「報酬単価が上がったから」 というところは25%、4分の1にとどまっていました。
 そして、「報酬の改定以外の要因」、たとえば、利用者の数が増えたなどという理由をあげた事業者が40%以上に上っていました。

(Q4)
 報酬が上がったのに、どうして収入が増えないのですか?


(A4)
 実は今回、報酬の引き上げにあたって、すべての報酬単価を一律、3%引き上げるのではなく、一定の条件を満たした場合に加算をする、というやり方をしたからなんです。
 事業者の質を高めることが目的だとされているんですが、たとえば、お年寄りの家にヘルパーを派遣する訪問介護事業者の場合ですと、
  ①介護福祉士の資格を持つ職員が30%以上いる場合
  ②すべてのヘルパーに個別の研修を行った場合
などに加算されます。
 ですから、そうした条件を満たせる事業者の報酬は上がったんですが、一方で、条件を満たせないところは恩恵にあずかれない。
 特に規模の小さな事業者の間で、加算ができなかったところが多いと見られているんです。

(Q5)
 そもそも収入が増えなければ、介護職員の待遇の改善といっても難しい?


(A5)
 はい。
 職員の処遇改善の取組みについて聞いた結果がこちらです (註:図省略)。
 まず、基本給について、今年4月以降、「上げた」、または 「上げる予定」、というところがおよそ40%、「予定していない」 ところが半数以上に上っていました。
 また、基本給以外の手当てについて、「上げた」、「上げる予定」 というところがおよそ3分の1、「上げることを予定していない」 というところが3分の2という結果でした。

(Q6)
 待遇の改善ができない理由としては、どんなことがあげられているのでしょうか?

(A6)
 主な理由は、やはり、「赤字の補填にしかならず、処遇の改善にまで回らない」 というもので37%、3分の1以上を占めていました。
 そもそも、介護事業者はこれまで、介護報酬が低く抑えられてきたために、経営状況が厳しいところが多いんです。
 厚生労働省の去年の調査によりますと、たとえば、訪問介護事業者の場合、51%、半数以上が赤字でした。
 このうち、20%以上の大幅な赤字だった事業所が全体の4分の1以上に上っているんです。
 事業者の間からは、「たくさん、もうけさせてくれとは言わない。せめて、介護という仕事の内容を正しく評価してほしい」 という声が上がっています。

(Q7)
 結局、報酬を3%程度、引き上げても、人材を確保することにはつながっていかないということでしょうか?


(A7)
 少なくとも今の段階では、そう言えると思います。
 ただ、介護報酬をさらに大きく引き上げるとなると、やはり、財源が問題になります。
 報酬の1割は、介護サービスを使うお年寄りの利用料ですし、残りは私たちの税金と保険料です。
 報酬の引き上げは、そうした私たちの負担と裏表の関係なんです。
 実は今回の調査で意外な結果がありました。
 そもそも、加算できる要件を満たしているのに加算の申請をしていないという事業者が少なくなくて、訪問介護事業者では、10%以上に上っていたんです。
 あえて、加算をしなかったという事業者に話を聞きますと、「加算をすれば、その分、お年寄りの利用料が上がってしまう。ぎりぎりの生活をしている利用者に、これ以上の負担は求められない」 とか、「介護福祉士が多くいるので、加算はできるのだけれど、利用者にしてみると、毎回、必ず介護福祉士が来るわけではない。それなのに利用料を上げる理由を説明できない」 といった声が聞かれました。
 経営の改善と利用者の負担増、両方の狭間で頭を悩ませているようでした。

(Q8)
 難しいですね。


(A8)
 そうですね。
 ただ、介護の人材確保は、何とかしなければならない大きな課題です。
 これから介護サービスを必要とするお年寄りはどんどん増えて、このままでいくと、2025年に必要となる介護職員の数は、少なく見積もっても、今の1.8倍、212万人に達すると推計されています。
 このまま、人材が確保できなければ、多くのお年寄りが必要なサービスを受けられないという事態に陥ってしまいます。
 政府は、緊急の経済対策で、介護職員の賃金を月に1万5千円程度引き上げるための交付金を事業者に助成することにしているんですが、3年の期限つきです。
 一時的な緊急の対策ではなく、介護という仕事をやりがいのある、魅力的な仕事にしていくにはどうすればいいのか、財源の問題を含め、早急に考えていかなければならないと思います。

(1)結局、今回の介護報酬3%引き上げ改定は、下記の要因等にて、必ずしも成功とはいえないと考えられます。

  ①過去2回の介護報酬引き下げによるこれまでの介護事業者への大きなダメ
   ージ→「今回の介護報酬引き上げ分は、赤字の補填にしかならず、介護職
   員の待遇の改善にまで回らない」。

  ②今回の介護報酬引き上げ方法の結果的な失敗 [すべての報酬単価を一律3
   %引き上げるのではなく、一定の条件を満たした場合に加算をするやり方
   をしたため、加算の条件を満たせない介護事業者 (特に、小規模の事業者)
   は恩恵にあずかれない]。

  ③介護保険制度の構造的な問題 [区分支給限度額 (今回据え置き) 問題、応益
   負担 (原則1割自己負担) 問題、要介護認定制度改正 (改悪) 問題、等] に伴
   う介護サービス利用者負担増による 『介護サービス 「利用」 手控え問題お
   よび介護事業者 「加算取得」 手控え問題』。

  ④財源問題 [介護保険料 (含、市町村負担) 引き上げ問題、自己負担引き上げ
   問題、公費負担引き上げ問題 (消費税増税問題)]。

(2)以前の当ブログ記事 [社会保障財源問題 (消費税増税:財務省主計局主計官の見解)] でも述べていますが、最終的には、財源が命運を決めますので、「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、社会保障に対して可能な限りの財源を優先して注ぎ込み、もって 「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環を実現させることを優先すべきと考えられます。

 また、介護保険制度の構造的な問題 [区分支給限度額、応益負担 (原則1割自己負担)、 要介護認定制度、等] の抜本的な改革も必要と考えられます。




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2009介護報酬改定と2012改定に向けた課題 (老健局老人保健課長)

 日経ヘルスケア2009年4月号 「特集.徹底分析09年介護報酬改定」 に、厚生労働省老健局老人保健課長・鈴木康裕氏に対する、「2009年介護報酬改定について及び次回2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けた課題」 に関するインタビュー記事が掲載されていますので、下記に示します。

● 「処遇改善狙い加算中心の改定に」・「次回改定ではアウトカム評価の導入も」

<質問>
 今改定は基本報酬の一律引き上げではなく、加算の新設や見直しで評価したが、その理由は。


<鈴木課長>
①限られた財源を分配するに当たっては、一律に報酬を引き上げる 「平積み」 方式と、加算によってメリハリをつける 「傾斜配分」 の二つのやり方がある。
 今回の処遇改善を軸とした改定では、後者が適切だと考えた。

 例えば、人員基準よりもスタッフを手厚く配置したり、有資格者を多く雇用している事業所は、そうでないところよりも人件費が高くなっている。
 これを一律配分の平積み方式で評価すると、不公平な面が出てくる。
 業界団体からの要望もあり、今回は加算による傾斜配分を中心に評価することにした。
 また、加算の新設で、有資格者の雇用促進や、介護従事者の定着を図り、ケアの質を上げていきたいという狙いもあった。

<質問>
 人件費が高い都市部での処遇改善を図るため、地域区分の報酬単価の見直しが行われた。
 だが、グループホームや通所介護、特定施設では、逆に都市部の報酬単価がダウンした。


<鈴木課長>
②介護事業経営実態調査の結果を見ると、大半のサービスでは、前回調査と比べて収支差率が悪化していた。
 その中で、グループホームなどのサービスは収支差率が高く出ていた。
 異論もあるとは思うが、人件費の割合を正確に計算して反映した結果だ。

 今改定では、様々な加算を新設したり、見直しも行っている。
 報酬単価が若干引き下げになったとはいえ、加算を算定すれば、単純にマイナスになるとは考えにくい。

<質問>
 施設系サービスや通所系サービスの一部に、認知症ケアを推進する加算が数多く設けられた。
 グループホームとの役割分担は。


<鈴木課長>
③認知症高齢者は今後間違いなく増加し、その症状も多様化してくると考えている。
 リハビリが必要な人もいれば、身寄りがなく、特養に入るしかない人もいるだろう。
 こうした様々なケースに対応するには、グループホームが果たす役割に加えて、各施設や通所サービスの特徴を生かして、役割分担しながら進める必要があると考えた。

<質問>
 次回改定に向けた課題は。


<鈴木課長>
④今改定は、診療報酬との同時改定ではなく、制度改正も伴っていない。
 このため、診療報酬との整合性を取ったり、新たなサービスを創設したりすることは難しかった。
 次回2012年度改定では、これらの積み残した課題を検討していく必要があるだろう。

⑤今改定では、ケアの質の評価に当たり、有資格者や常勤職員、勤続年数の長い職員の割合を基準としたが、介護給付費分科会の議論の中では、これらが指標として完全ではないとの指摘を受けている。
 次回改定以降、プロセスやアウトカムなどの評価をどう組み込んでいくかも大きな課題だ。

⑥また、今改定の3.0%引き上げ分が、きちんと介護従事者の処遇改善に反映されているかどうかを検証する必要がある。
 これは単に給与のアップにとどまらず、例えば夜勤回数の減少など労働条件の改善や、職員の定着率の向上なども含めた話だ。

⑦今後は、将来にわたり、介護保険制度を安定的に持続させていくための議論も必要になるだろう。
 介護保険サービスの総量は、毎年4~5%の伸びを示している。
 これに伴い、被保険者が支払う保険料も右肩上がりで伸びており、このままだと保険料を払えない人が出てくる可能性もある。
 そうなると、介護保険制度自体が崩壊しかねない。

⑧長期的には、介護保険は重度者を主な対象にして、軽度者は財源を手当てした上で、地域の高齢者福祉で対応するなどの議論もあり得る。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)今回 (平成21年度) の介護報酬改定においては、「介護給付費の抑制→介護保険料の視点・保険者 (市町村) の視点を重視」 に基づいて厚生労働省が導入したと考えられる下記の事項が批判を浴びています。

 ⓐ新要介護認定制度の導入 (→要介護度の軽度化)

 ⓑリハビリテーションマネジメント加算・「月8回」 問題によるリハビリテー
  ション制限


(2)一方、見落としがちな大問題は、「区分限度支給額の据え置き」 および 「利用者の原則1割自己負担」 と考えられます。

 上記2つの大問題によって、今回の介護報酬の引き上げに伴い、「支給限度額超え」・「1割自己負担額増大」 にて、介護サービス利用者がサービスを利用できなくなるという事態が生じています。

 また、サービス提供者側も、「元々有資格者のマンパワーが豊富な事業所あるいは有資格者を積極的に雇用しようとしている事業所が、様々な加算を取得し、介護報酬を引き上げて、当該事業所の介護従事者の定着を図り、ケアの質を上げて行こう」 とすると、逆に、サービス利用者側において、「支給限度額を超える」・「1割自己負担額増大」 という支障を来たすため、事業者側が加算の取得を断念するという矛盾も実際に生じています。

(3)したがって、介護報酬引き上げの際には、「支給限度額も引き上げる」・「利用者の自己負担額を据え置く、あるいは1割自己負担を廃止する」 という施策を同時に行うべきと考えられます。

 診療報酬の場合も、患者さんにおいて、上記問題と同様な 「1~3割窓口自己負担」 問題を抱えており、やはり、窓口自己負担は廃止すべきと思われます。(但し、モラルハザード防止策は必要ですが・・・)。

(4)上記⑤において、鈴木課長は、2012年度診療報酬・介護報酬同時改定にて、介護保険にプロセスやアウトカムなどの評価を組み込む考えを示しています。

 しかしながら、2008年度に導入された回復期リハビリテーション病棟における成果主義、即ち、 「アウトカム評価」 で、実際に、患者選別・患者切捨てが生じています。

 したがって、介護保険においても、同様に、アウトカム評価に伴う 「サービス利用者の選別・切捨て」 が予想されるため、あくまで、「プロセス評価」・「ストラクチャー評価」 に限定すべきと考えられます。

(5)さらに、問題は、上記⑧で鈴木課長が述べているように、「介護保険のサービス対象者を重度者に限定」、即ち、介護保険からの軽度~中等度の要介護者の切り捨てです。

 同課長は、「軽度者は財源を手当てした上で、地域の高齢者福祉で対応する」 と述べていますが、これまでの厚生労働省の政策立案実行の歴史を考えると、あまり信用できないと思われます。

(6)以上、厚生労働省老健局老人保健課長・鈴木康裕氏に対する、「2009年介護報酬改定について及び次回2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けた課題」 に関するインタビュー記事について論じました。

 2012年度診療報酬・介護報酬同時改定は、日本の医療・介護を抜本的に変える大改定が予想されます。

 厚生労働省への要望として、これまでの診療報酬改定および介護報酬改定の結果的な失敗・失政を踏まえ、且つ、(「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「健康保険料の視点・診療報酬支払側 (保険者:国、全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合、国民健康保険、後期高齢者医療広域連合) の視点」・「介護保険料の視点・介護報酬支払側 (保険者:市町村) の視点」 ではなく)「国民の安全・安心・納得・満足」 のための 「国民の視点・国民本位」 の2012年度 (平成24年度) 診療報酬・介護報酬の同時改定が望まれます。




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新要介護認定 「要介護度の軽度化」 (一次判定で50%以上が引き下げ)

 以前の当ブログ記事 [「新要介護認定 公開の場で検証へ 早ければ7月にも (厚生労働省)」] で述べたように、「新要介護認定に伴う要介護度の軽度化」 に対する不安・不満・批判・凍結要求が、巷間で渦巻いています。
 
 厚生労働省は、旧要介護認定の見直しの検証過程における 「モデル事業」・「研究事業」 で、新要介護認定の導入により、

  ①一次判定において、「20%」・「26%」 の要介護度の軽度化

  ②二次判定において、「20%」・「11%」 の要介護度の軽度化

が見られたことを報告しています。

 一方、週刊ダイヤモンド (2009/5/2・9合併特大号) の特集 「脱出!介護地獄」 において、下記のような衝撃的な記事が掲載されています。

●ある自治体の一次判定では半分が引き下げ

 一部の自治体では新方式による聞き取り調査が進められ、すでに一次判定の結果が出ている。

 ある自治体の介護保険の担当課長はその結果に驚いた。
 一次判定で50%以上の人が、以前の要介護度より軽くなったからだ。
 しかも、要介護2から要支援2へと2ランクも落ちた例が目立った。

 今後は、認定調査会が結論 (二次判定) を下すが、特記事項の材料が少ない場合は、一次判定の結果を変更してランクを上げるのは難しく、担当課長は頭を抱えている。

 特別養護老人ホーム (特養) や介護老人保健施設 (老健) などの施設には、要介護1以上の人しか入れない。
 仮に要支援に格下げとなれば、退去せざるをえなくなる。

 施設といえば、重度者のイメージが強いが、都内の認定審査会のメンバーは 「現実には、家族のいない軽度者も入所している」 と説明する。
 そこを追い出されれば、生活そのものが立ち行かない。
 要介護認定は、施設、在宅ともに暮らし方そのものを変えるインパクトを持っている。

 さすがにこのままではまずいと思ったのか、厚生労働省は4月13日、本人が希望すれば新しい要介護認定の結果が下っても、一定の期間は以前の要介護度のままサービスを受けられるという 『経過措置』 を発表した。

 だが、全ての人に適用されるかどうかは 「まだわからない」 (老人保健課) というのが現状だ。

(1)新要介護認定により、要介護度が下がると区分支給限度額が下がるため、利用できる介護サービスが制限されます。また、非該当になると、介護サービス自体が利用できなくなります。

 上述の通り、「要介護」 から 「要支援」 に軽度変更された場合、施設に入所できなくなり、訪問介護の利用も制限されます。

 さらに、「要介護2」 以上から 「要介護1」 以下に変わると、電動ベッドなど福祉用具が原則として利用できなくなります。

 そうなると、利用者の介護や生活に多大な影響を及ぼし、また、介護難民が益々増大すると考えられます。

 したがって、新要介護認定および新一次判定ソフトの信頼性などについて、国民に説明し納得が得られるまで、一旦、凍結することが望まれます。

(2)上述のように、認定調査による一次判定が当てにならない可能性が高い以上、現実的な対応としては、要介護認定の適切な二次判定において重視される 「調査員の特記事項または主治医意見書に、介護の手間を一次判定の基準時間に上乗せできる根拠が記載されていること」 の遂行が肝要と考えられます。

 但し、主治医意見書の現状を考えると、特に、調査員の特記事項の記載が重要と考えられます。

(3)厚生労働省に対する要望としては、「要介護度の軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の引き上げの抑制・市町村負担の抑制」 という考えではなく、「高齢者・介護サービス利用者」 の視点を重視した介護報酬改定・要介護認定制度改正を行うという英断を下して頂きたいと思います。(本当は、英断ではなく、本来の責務なのですが・・・)。




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