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麻生政権で骨抜きの公務員改革 (政治評論家・屋山太郎氏)

 産経ニュース・ホームページ (2009/6/5) に、公務員改革に関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

【正論】 政治評論家・屋山太郎 現政権で骨抜きの公務員改革

【就任8カ月見るものなし】

 この8カ月の麻生太郎首相の政治を見ていると、首相の資質、見識を疑うようなことばかりだ。
 小沢一郎氏の 『西松事件』 をきっかけに、政党支持率は逆転して自民党が民主党を上回ることになった。
 麻生首相はひと息ついた趣だったが、この間 「次の衆院比例代表はどちらに投票するか」 の設問では、常に民主が自民を10ポイントも上回っていた。
 このことは国民の政治改革願望がずっと続いていたことを物語る。
 しかし小沢氏の金権体質は許せないとの感情が勝って自民党支持を押し上げた。
 小沢氏が辞任し、鳩山由紀夫氏が新代表に選出されたとたん、政党支持率は逆転した。

 小沢氏は代表代行として依然として選挙を仕切る役割を担っているのに、国民の支持は民主党に戻ってきた。
 国民は小沢氏の不始末は司直の問題であって政治の本質ではないと見抜いているのだ。
 麻生氏も含めて自民党は 「カネと政治」 の問題を衝 (つ) くだけで態勢挽回 (ばんかい) が図れるとでも思っているのか。
 実に情けない政党だ。

 麻生内閣が8カ月やるならその間に歴史に残る大改革をやる時間はあった。
 安倍内閣に始まる公務員制度改革だ。
 この改革を出発点に渡辺喜美前行革担当相がまとめた公務員制度改革基本法は昨年の国会で自民、民主両党の合意の下で成立した。
 麻生内閣はそれを仕上げる使命があったのだ。

【二転三転した人事局長職】

 国民の公務員に対する不満は極めて強い。
 最大の行政犯罪といわれる年金記録問題。
 3,000人に及ぶC型肝炎患者の発生。
 農水省の事故米処理のインチキ。
 どれをとっても日本の官僚内閣制の耐用年数が尽きたと思わせるものばかりだ。
 現行制度の結果、天下り法人は4,600、天下り官僚は2万8,000人も存在する。

 最近も公用車運転業務を談合で天下り法人に入札させていたとして、公正取引委員会が国土交通省に改善要求を出し、法人10社に30億円の課徴金を科した。
 この種の事件はここ二、三十年枚挙にいとまがない。
 官僚の肩叩 (たた) きシステムを廃止しない限り、未来永劫 (えいごう) 続くのだ。

 このため 「基本法」 は、
  ①キャリア制度をやめ、肩叩きもやめて定年まで勤められるようにする。
   そのためには年功序列の賃金制度を改める。
  ②各省の幹部人事を内閣人事局に一元化して、省益至上主義を排除する。
と決めた。

 明治26年に高等文官試験が導入されて以来、116年ぶりの大改革だ。
 官僚は大反発したが、法案は衆院480人中450人の賛成で成立したのである。
 国会は国権の最高機関 (憲法41条) であり、これに行政府の官僚が反対することは許されない。

 ところが、賃金体系の権限を内閣人事局に移すことについて谷公士人事院総裁は反対し、首相が招集した会議をボイコットした。
 さらに基本法では 「内閣人事局長は官房副長官級のポストを新設する」 とあるのに漆間巌官房副長官は麻生首相に 「ポストの新設は行革に反する」 と進言し、自らが兼務する方針を打ち出させた。
 官房副長官は各省の政策を調整する大きな権限を持つ。
 この上に各省の幹部人事を左右する権限を持たせれば、確実に総理大臣を上回る権限を持つことになる。

 甘利明行革担当相はさすがにまずいと思ったのだろう。
 「新設の国家戦略スタッフ (約30人) の一人に内閣人事局長を兼務させる」 との妥協案を示した。
 ところが今度は宮崎礼壹法制局長官が 「スタッフがラインの局長職を兼務することはできない」 と妥協案をつぶし、漆間官房副長官の兼務に持って行ったのである。
 スタッフとラインの兼務などは防衛省では堂々と行われている。
 こうして安倍、福田2代にわたって仕上げてきた基本法は完全に骨抜きにされた。

【「無責任体制」 も糺されず】

 麻生首相はこの官僚制度の改革を 「官僚バッシング」 と断定しているが、勤務評定や昇給、降格なしに、どうすれば組織が活性化し、無責任体制が糺 (ただ) されるのか。

 一方で首相は厚生労働省を二分割する案に一旦は乗った。
 官僚は次官ポストが一つふえて喜ぶ。
 とすればなぜ内閣人事局長ポストの新設にあれほど反対したのか。
 2代にわたって進めてきたのは官僚制度 (システム) の改革であって、首相が議論しようとしたのは器の話に過ぎない。
 首相は議論のすり替えをやろうとしたのだ。

 政府は2009年度予算に15.4兆円の補正をつけてきた。
 このうち各省や独立行政法人の 「施設整備費」 を見ると、当初予算6,500億円に対して、何と2兆9,000億円も積み増している。
 この施設整備費というのは官僚の大好きなハコモノだ。
 職業能力開発協会に7,000億円の基金を設けたが、この協会は傘下団体とともに会計検査院から 「コンパニオン代など3,500万円の不正支出があった」 と指摘された団体だ。

 鳩山民主党代表は、①脱官僚、②地域主権、を打ち出している。
 統治機構を変えるべき時期に、麻生首相の感度は恐ろしく鈍い。

(1)少子超高齢時代を迎え、また、崩壊した (破壊された) 「医療・介護・福祉・年金・雇用」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生のために、「一般国民の多くが、近い将来の消費税増税を覚悟している」 と推察されます。

(2)しかしながら、政治家 (特に国会議員) および官僚・公務員に対する政治改革 (国会議員定数削減等)・行政改革 (真の公務員制度改革) が不充分であれば、国民は納得しないと考えられます。

(3)来る総選挙においては、「国民による政権選択」 の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明示して、正々堂々と闘って頂きたいと思います。

 選挙の結果、「自公連立政権の続投」 あるいは 「民主党の政権交代」、はたまた、「大連立?・中連立??」、いずれに決まろうとも、「今後の様々な難局に対して、政府与党と国民とが一体となって頑張って対処しよう!」 という雰囲気が醸成されることが強く望まれます。




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「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種

 「天下の愚策」 として国民に大不評の 「定額給付金」 を含む平成20年度第2次補正予算案を衆院通過させた麻生政権に、早くも次の火種・ハードルが出現しました。平成23年度からの消費税増税問題です。自民党政調全体会議でも、批判が大噴出したそうです。
 政府は、平成21年度税制改正関連法案の付則に、平成23年度からの消費税増税を盛り込み、平成21年度予算案とともに国会へ提出する予定です。
 このままの状況では、自民党の党内審議も紛糾は必至であり、今度こそ、自民党内から多数の造反議員が出るかもしれません。渡辺喜美議員の離党に伴い、造反者が16人出れば、3分の2による衆議院での再議決は不可能となります。今後の動向が注目されます。

 一方、消費税増税に関しては、国・地方合わせた財政赤字が約千兆円、少子高齢社会を迎えて増大する社会保障費のことを考えると、いずれは増税もやむなしと、多くの国民の方も心の中では思っていると思います。
 しかしながら、内閣不支持率が70~80%に達し、もはや信頼・信用されていない麻生首相が 「景気対策を行ったうえで増税をお願いする」 と言っても、多くの国民は信用しないでしょう。

 財務省と与謝野経済財政担当大臣に操られた麻生首相は、「結局、景気が回復しなくても、行政改革・公務員改革が不充分であっても、平成23年度に消費税増税を強行する」 と予想されます。(但し、その時、麻生首相・自公政権かどうかは怪しいですが・・・)。

 やはり、国民に増税をお願いする時には、下記のように、前提条件 (特に税金の無駄使いの撲滅) を明確化・数値化するべきです。

 (1) 一般会計と特別会計を可能な限り一体化し、予算の組み換えや無駄の排除あるいは予算の組み方の一新により、少なくとも1割はカットする (約20兆円?)。(自治体によっては総予算の削減でもっとスリム化しています!。自治体が出来て、国が出来ないわけがないです)。
 (2) 税制の抜本的改革 (特に所得税・相続税・法人税・株式関連税等のメリハリをきかした増税・減税)
 (3) 官僚の天下り・渡りの完全禁止
 (4) 天下り用の無駄な公益法人や補助金の完全廃止
 (5) 国会議員の定数削減 (衆議院480→小選挙区300のみ) ・歳費2割カット
 (6) 国家公務員人件費2割カット
 (7) 定額給付金の撤回
 (8) 無駄な公共事業 (道路、ダム、空港、新幹線等) の廃止・中止
 (9) 道路特定財源の完全なる一般財源化
 (10) その他の税金の無駄使い

 「(1)~(10) の案件を身を削り血のにじむ努力で十二分に行いましたが、それでも社会保障費・教育等の公共財・セイフティネットの維持に○兆円不足しますので、どうか消費税を○%上げさせて下さい。但し、生活必需品の税率は据え置きます」 と時の総理に言われたら、国民の多くは反対しないと思います。

 少なくとも、麻生首相は、「(1)~(10) の案件をクリアすることを条件に、平成23年度の消費税増税をお願いします。但し、生活必需品の税率は据え置きます」 と明確に言うべきです! そうすれば、内閣支持率も上がるし、次期総選挙の自民党勝利もあり得るかも (???)。




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