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  2. 医療崩壊・医療破壊

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「病院の再編は避けられない」 (日本慢性期医療協会・武久会長)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/29) に、日本慢性期医療協会・武久洋三会長の慢性期病床の将来像についての興味深い講演に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

「病院の再編は避けられない」―日本慢性期医療協会・武久会長
 
 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は6月26日、日本慢性期医療学会浜松学会で 「慢性期病床の理念と機能を考える」 と題して講演した。
 この中で武久会長は、社会保障国民会議の最終報告で示されているように、高度急性期病院への医療資源の集約化が進められた場合、病院の再編は避けられず、地域の中小病院は急性期治療後の慢性期医療の役割を果たすことになるとの見方を示した。

 武久会長は、現在の一般病床約90万床のうち、実質的な入院患者数は約70%といわれていると指摘。
 さらに、この中から難病の患者や超長期患者など実質的には急性期でない患者を差し引くと、50万床が 「一応、急性期病床と考えてよい」 との見方を示した。

 また、救急機能と総合医療を提供できる500床規模の高度急性期病院を、人口20万人につき1つ置く場合、高度急性期病院は国内で600病院となり、病床数は約30万床になると指摘。
 「個人的な希望」 と前置きをした上で、「高度急性期病院は30万床かなと思っている」 と述べた。
 残りの20万床については、現在の地域のケアミックス病院の一般病床が想定されるとした。

 さらに、医療資源を高度急性期病院に集中する政策が進められる場合、「少なくとも、100床から200床前後の地域の病院は、高度急性期機能を持つことは不可能になる」 と指摘。
 こうした中小病院は、ケアミックス病院や慢性期病院など、高度急性期治療の後を引き継ぐ病院として機能分化するとの見方を示し、「病院の再編は避けられないだろう」 と述べた。

 武久会長は、病院の機能分化を想定した場合に必要になる慢性期病床数も示した。
 急性期病床を50万床とした場合、平均在院日数を約10日とすると、1日の退院患者は約5万人で、1か月の退院患者は150万人。
 さらに、この3分の2が高齢患者と仮定すると、1か月100万人になるとした。
 また、社会保障国民会議の最終報告で示されているように、急性期病院の平均在院日数が20日から10日に短縮すると、患者は完全に治癒する前に退院することになると指摘。
 こうした 「半分治った状態」 で在宅に戻るのは難しいとして、高齢患者は急性期病院退院後、30万人が慢性期病床に入院し、50万人が自宅へ戻り、介護保険施設と居宅系施設にそれぞれ10万人が流れるとの想定を示した。
 さらにこの場合、慢性期病床への1日当たりの入院患者数は1万人となるため、平均在院日数が90日とすると、「慢性期病床は90万床必要になる」 と指摘した。

 また、慢性期病床から退院する患者を受け入れる介護保険施設の不足も指摘。
 慢性期病床から毎月30万人の患者が退院する場合、「20万人が在宅としても、10万人は介護保険施設に行かざるを得ない」 が、この人数を介護保険施設で吸収するのは数的に難しいと述べた。

 一方で、10数年後には、東京や大阪などを除く地方では、高齢者の総数が減少するため、今、大幅に施設を増やすのは難しいとの見方を示し、「在宅で引き受けざるを得ないというのが、わたしの意見だ」 と述べた。
 その上で、「居住系施設や在宅である程度、本人や家族が満足する医療を受けながら看取りができる体制を取っていくことがわれわれの責務」 と強調。
 慢性期病院が 「医療の最後のとりで」 となり、急性期病床からの退院後も後遺症を抱える患者を受け入れ、治った人を居住系施設や在宅につなげ、さらに在宅療養支援診療所の支援をするなど、在宅や居住系施設の患者をカバーしていくことが求められると述べた。

(1)厚生労働省の現在の病院再編政策 (①医療機関の機能分化と連携、②選択と集中、③集約化・拠点化・重点化、④医療の質の向上と効率化) が続けば、医療資源は 「高度急性期総合病院」 に集中し、200床 (400床?) 未満の中小病院は、

  (a) 特定の診療科に特化した 「専門病院」

  (b) 亜急性期医療 [軽度~中等度の急性期医療、在宅・居住系施設・介護保険
   施設入所者の急性増悪への対処、post-acute (急性期後) の医療、回復期リ
   ハビリテーション病棟] を担う病院

  (c) (急性期~) 亜急性期~慢性期医療を担う 「ケアミックス病院」

  (d) 慢性期医療を担う 「医療療養病床」

  (e) 介護保険施設 (例:介護療養型老人保健施設)

等への移行が考えられます。

(2)しかしながら、医療資源が高度急性期総合病院に集中した場合、上記 (b)~(d) に移行した中小病院の医療レベルはあまり高くないことが危惧され、平均在院日数の短縮を課せられた高度急性期総合病院からの重症患者や重度障害・重複障害患者 (特に高齢患者) の受け入れ困難により、多くの 「医療難民」・「リハビリ難民」・「介護難民」・「高度急性期総合病院での長期入院患者」 の出現が予想されます。

(3)同学会での 「救命救急センターの立場からの講演」 および 「慢性期病院の3次救急病院との連携に関する講演」 でも、下記のように述べられています。

●3次救急と療養病床の連携にインセンティブを

 国立病院機構大阪医療センター救命救急センターの定光大海・診療部長は、「救命救急センターの立場から」 と題して、3次救急の現場における患者の退院先確保をめぐる問題について講演した。
 定光部長は、救命救急センターにおける不応需の理由のうち、45.5%が 「満床」 だったとするデータを提示。
 また、救命救急センターの 「後方病床」 からの退出先の約80%が療養型病院だと述べた。
 その上で、「救急医療と慢性期医療は相補的関係にある」・「救急医療システムの維持に出口問題は避けて通れない」・「慢性期医療の縮小は救急医療の崩壊を加速する」 と語った。

 また、永生病院の飯田達能院長は、「慢性期病院の3次救急病院との連携」 をテーマに講演。
 3次救急病院に入院している比較的軽症の患者を療養病床で受け入れることで、3次救急の病床の回転をよくすることができると指摘し、東京における3次救急病院と療養病床の連携実績を紹介した。
 その上で、こうした連携システムを拡大するには、療養病床を持つ慢性期病院が 「患者を受け入れたいと思うインセンティブが必要」 と強調。
 診療報酬での対応や行政からの支援を求めた。

(4)「限られた医療資源を高度急性期総合病院に集中する」 という厚生労働省の医療政策は、現在の医療崩壊・医療破壊 [例:医師不足 (特に勤務医不足) ならびに医療の高度化により、過重労働にて疲弊し、また、コンビニ受診・モンスターペイシェントに辟易している勤務医の問題] の状況を考えると、致し方ないとも思われます。

 しかしながら、高度急性期総合病院の後方病院・後方病床 (後方連携・地域医療連携) の将来像 (惨状?) を考えると、相当緻密な政策立案が要求されると思われます。
 さもないと、政策が計画倒れになり、益々、「医療崩壊・医療破壊」・「医療難民・リハビリ難民・救急難民・介護難民」 問題が深刻化すると考えられます。




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医の倫理で悪質度判断を (「捜査機関への通知」 で厚労省研究班)

 Japan Medicine (2009/6/26) に、医療安全調査委員会 (仮称) から捜査機関への通知範囲などを検討してきた厚労省研究班の中間報告会に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●医の倫理で悪質度判断を
  「捜査機関への通知」 で厚労省研究班


 厚生労働省が検討を進めている 「医療安全調査委員会 (仮称)」 について、医療機関から調査委への届け出や、調査委から捜査機関への通知範囲などを検討した厚労省研究班 (研究代表者=木村哲・東京逓信病院長) は21日、都内で中間報告会を開いた。
 分担研究者の山口徹・虎の門病院長は、捜査機関への通知範囲について、「医療者の倫理に照らし、悪質度の高さで判断するのが妥当と考えた」 と説明した。

 報告書では、厚労省の大綱案で捜査機関への通知範囲としている 「標準的医療から逸脱した医療」 について 「医の倫理に反する故意に近い悪質な医療行為」 とし、その内容として、
  ①医学的根拠のない医療
  ②著しく無謀な医療
  ③著しい怠慢
の3点を提示。
 悪意ではない通常の過失や、不注意など誤った医療行為については行政処分で対処するとした。

(1)以前の当ブログ記事 [捜査機関への通知、判断基準を明示 (死因究明で厚労省研究班)] でも述べていますが、厚生労働省が早期導入を目指している 「医療安全調査委員会 (仮称)」 に対する反対意見の主なものに、
  ①調査委から捜査機関への通知対象として示している 『標準的な医療から
   著しく逸脱した医療』 の具体的な判断基準
  ②医療機関から調査委への届け出の判断基準
についての疑義が挙げられます。

 今回の厚労省研究班の中間報告により、上記判断基準の曖昧性・不明確性は、相当程度解消されたとはいえ、『捜査機関への通知範囲』 としている標準的医療から逸脱した医療 (医の倫理に反する故意に近い悪質な医療行為) と、『行政処分』 の対象 (悪意ではない通常の過失や、不注意など誤った医療行為) との間の線引きにおいて、実際上の適用時に混乱が生じる可能性が予想され、今なお医療現場および医療スタッフにおける不安は完全には払拭できていないと考えられます。

(2)「医師不足 (特に勤務医不足) ならびに医療の高度化により、ただでさえ、過重労働にて疲弊し、また、コンビニ受診・モンスターペイシェントに辟易している勤務医に、さらに医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安を助長させる」 という問題、および、その問題に連動して生じる 「危ない症例・重症な症例は避ける萎縮医療が進展する、あるいは、この調査委を通した処分を受けて、医療崩壊・医療破壊が益々泥沼化する」 という問題があるため、医療スタッフおよび患者・家族の双方の安心・安全・納得・満足のためにも、調査委の設置までに更なる充分な議論が必要と考えられます。




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「わが国の医療政策の方向」 (厚生労働事務次官・講演)

 Japan Medicine (2009/5/27) に、日本病院会総会において江利川厚生労働事務次官が行った講演 「わが国の医療政策の方向」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

【わが国の医療政策の方向】

●少子化問題克服が安定的制度設計につながる

 厚生労働省の江利川毅事務次官は、「わが国の医療政策の方向」 をテーマに、最近の医療施策の動向について言及し、少子化問題が克服できないと安定的な制度設計ができないと指摘した。
 特に、医療費の現状は、高齢者の医療費が若人の約5倍だが、諸外国では同じ数値が約3倍にとどまるとし、高齢者の医療費の削減は避けられない施策であることを示唆した。

 講演後の質疑応答では、フロアから医師の負担軽減策として入院時医学管理加算や、入院基本料7対1など、打たれる施策がちぐはぐとの意見が出された。
 これに対して、江利川事務次官は、「政策の連携が重要」 とし、それを意識した人事異動を夏に行いたいとの考えを示した。

 さらに、医師不足等や医療技術の高度化に伴い、医師、看護師等の役割分担の見直しが求められる中で、NP (ナースプラクティショナー) などの医療職の検討に関する質問が出された。
 同事務次官は、歩みは遅いが検討を進めている状況ではないかと回答した。

(1)相も変わらず、「高齢者の医療費の削減は避けられない」 との御託宣です。
 事ここに至っては、発想の大転換をして頂き、「必要な高齢者の医療費は確保する」 という大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。

(2)フロアからの質疑応答時の 「打たれる施策がちぐはぐ」 との意見に関しては、2年ごとの診療報酬改定の総責任者である厚生労働省保険局医療課長が変わるたびに、診療報酬体系の精神・思想および方向性が相当変わる、あるいはブレる印象があります。
 政府が最終決定する診療報酬改定率に翻弄されるからかも知れませんが・・・。

(3)上記のNPをはじめとした 「医師から看護師等のコメディカルへのエンパワーメント (権限と責任の委譲)」・「スキルミクス (真の多専門職種協働)」 については、「医師 (特に勤務医) の負担軽減」・「チーム医療」 において大変重要な課題です。

 法律上の諸問題ならびに各専門職種における様々な利害関係等がネックとなり、遅々として進展しない印象を受けますが、「医療崩壊・医療破壊」 のこれ以上の増悪を防ぐためにも、拙速は避けつつ、一歩一歩前進して頂きたいと思います。

【関連記事】
 ◎ 「医師不足対策の誤りを指摘」 (日野原重明・聖路加国際病院理事長)
 ◎PA (非医師高度臨床師) ・NP (ナース・プラクティショナー)
 ◎医療職種の役割分担 「検討の場、設置を」 (医道審議会)
 ◎ 「医行為のコメディカルへの権限委譲」 厚労省見解




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水面下で決まった2008年度診療報酬改定の改定率

 2008年度 (平成20年度) 診療報酬改定における改定率の決定時の内幕に関する記事が、Japan Medicine (2009/2/2) に掲載されていますので紹介します。

 診療報酬改定の改定率は内閣が決定することになっているが、「内閣」 とはどこなのか、いまいち判然としない。
 2008年度改定の改定率は、2007年12月17日夜に、東京・紀尾井町のホテルの一室で開かれた非公開の会合で最終的に決定した。
 表向きは翌18日の厚労大臣と財務大臣による折衝で決定したことになっているが、実際は前日に決まっていたのだ。

 ここに至るまでには、厚労関係議員が中心となって日医や病院団体からヒアリングをしたり、財務省と交渉したりと水面下での綱引きが連日続けられた。
 少なくとも2008年度の改定率はこうした水面下のプロセスで決定したわけであり、エビデンスに基づいて決まったとは言い難い。



 平成21年1月28日の中央社会保険医療協議会 (中医協)・調査実施小委員会において、2009年度に実施する医療経済実態調査は、(従来の改定前年の6月診療分・単月データを対象とする調査方法を変更し)、「現行の調査項目の削減を行い、収支等の主要調査項目について、単月 (6月) データでの調査と1年分の年間 (決算) データでの調査を実施する」 ことが決定しました。

 したがって、診療報酬の改定率を決定する上で大変重要な 「医療経済実態調査」 のデータの信頼性・透明性がより高まり、(上述のような改定率の不透明な決定方法から)、よりエビデンスの高い改定率決定方法への移行が図れると考えられます。


 以前のブログ記事 (「平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)」、「障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化」) でも述べたように、厚生労働省は、財務省の財政再建・医療費削減の圧力に屈し、これまで様々な診療報酬改定 (改悪) を行ってきました。

 厚生労働省は、日頃は、「患者さんの視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」 の方を、これまで重視してきました。この自己矛盾を打破し、国民本位の診療報酬改定を切望します。

 そして、「まやかしのエビデンス」 ではなく、今回の 「医療経済実態調査」 の実施方法の変更による信頼性・透明性・エビデンスの向上等も含めて、現場の医療従事者・患者さん・家族が納得する 「真のエビデンス」 に基づく診療報酬改定を行って頂きたいと思います。

【追記】
 最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようですが、「医療亡国論」・「小泉竹中構造改革」 によるこれまでの大幅な医療費削減による 「医療崩壊・医療破壊」 の現状 (惨状) を、「医療再建・医療再生」 させるには、いまだ道遠しと思います。

【関連記事】
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎「入院医療のあり方 (機能分化)」 日本病院団体協議会の提言
 ◎「後期高齢者医療制度」 与野党間の不毛な議論
 ◎「リハビリテーション医療のあり方」 日病協の提言




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