1. Top » 
  2. 医療機能の分化・連携

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

  • Genre:

医療の提供体制の現状と課題 (講演:厚生労働省保険局医療課長)

 平成21年2月15日開催の 「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 第13回研究大会 in 大阪」 にて、厚生労働省保険局医療課長が基調講演 「医療の提供体制の現状と課題」 をされていますので、その紹介記事と講演抄録を紹介します。

(資料1) 回復期リハのより良い質の評価指標を検討-中医協検証部会で議論へ [Japan Medicine (2009/2/18)]

①全国回復期リハ協・第13回研究大会2日目の15日、厚生労働省保険局医療課の佐藤敏信課長は、2008年度診療報酬改定で試行導入された回復期リハビリテーション病棟における質の評価の在り方について、中医協診療報酬改定検証部会でより良い質の評価指標などについて検討していく考えを示した。

②08年度改定で在宅復帰率と日常生活機能評価の改善、重症患者の受け入れの割合が指標として使用されている。

③佐藤課長は、回復期リハ病棟の質の評価は試行的であり、検証部会を通じて評価指標の在り方や、評価区分 (重症患者回復病棟加算) も唯一の設定でいいのかなど、今後、議論してもらいたいとし、「質のより良い評価指標を導入することで、医療現場の努力が報われるようにしたい」 と語った。

④このほか、医療分野の問題や社会保障費の問題などについて解説した。


(資料2) 医療の提供体制の現状と課題 (講演抄録)

(a)我が国の医療提供体制は、医療法と国民皆保険制度の下で整備が進められ、WHO等の評価においても、世界最高のシステムとの評価を得るに至っている。
 しかしながら、
  ①諸外国と比較して人口当たりの病床数が多く、医療機能の分化・連携が十分
   に進んでいない。
  ②病院当たりの医療従事者数が少ない。
  ③平均在院日数が長い。
  ④患者・国民への医療に関する情報提供が不十分。

などの指摘もある。

(b)こうした背景の中で、一昨年夏、健康保険法及び医療法、さらにその関連で医師法、歯科医師法など計7本の法律が改正された。
 その主なポイントは次の通りである。
  ①患者・国民の選択の支援に資する医療に関する情報提供の推進
  ②医療計画制度の見直しなどを通じた医療機能の分化・連携の推進
  ③地域や診療科における医師不足問題への対応
  ④医療安全対策の推進
  ⑤医療従事者の資質の向上


(c)上記(b)の項目のうち、病院の機能分化に直接関係すると思われるものは、(b)-②であり、間接的に(b)-①である。

(d)まず、(b)-①は、医療機関に関する情報提供を通じて患者が適切に医療機関を選択できるよう支援し、ひいては医療機関の機能分化を図ろうとするものである。
 内容的には2つの事項からなっている。すなわち、「都道府県を通じた医療情報の提供制度の創設」 と 「医療に関する広告規制制度の見直し」 である。
 後者は 「これまでのような原則禁止から、客観的な事実については広告可能な範囲を大幅に拡大」 するものである。
 前者は、広告のような医療機関の任意の情報提供のみでなく、一定の情報については医療機関から都道府県に報告することを義務づけ、これを都道府県が比較可能な形式に整理し、インターネット等で公表する仕組みである。

(e)次に(b)-②の医療計画制度は、昭和60年以来、主として医療圏ごとの総病床数の規制としての役割を果たしてきたが、医療機能の分化・連携を推進するという役割を追加することとしたものである。
 具体的には、脳卒中、小児医療など主要な疾病・事業 (4疾病5事業) について、都道府県ごとに医療の連携体制を構築することとし、併せてその結果を計画に書き込むこととしたものである。

(f)今回の改正がきっかけとなって、医療機関はあらたな競争と淘汰の時代に突入するであろう。
 一方、厚生行政全体を眺めると、医療費適正化計画、介護保険事業支援計画、さらには、がん対策推進計画、地域ケア整備構想、健康増進計画など、各種計画も同時進行している。今後はこうした動きも注視していく必要があろう。
 また、診療報酬についても、こうした動きを踏まえて適宜・適切に評価していくこととなろう。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料1の①~③によると、平成20年度診療報酬改定で試行導入された回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義 (回復期リハビリテーション病棟入院料1における在宅等復帰率・重症患者受け入れ率、および重症患者回復病棟加算) に関しては、回復期リハビリテーション病棟における質の評価の在り方について、中医協診療報酬改定検証部会で、より良い質の評価指標などについて検討していく考えを示しました。

 一つ気になったのが、「評価区分 (重症患者回復病棟加算) も唯一の設定でいいのか」 という発言です。詳細は、検証部会の議論を待ちたいと思います。

 但し、一般的に、医療の成果主義は、プロセス評価が基本です。
 回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義にアウトカム評価が用いられているのは大問題です。
 アウトカム評価は、「医療の不確実性」 を考えると、基本的に医療への適用は差し控えるべきです。
 特に、リハビリテーションの分野においては、在宅等復帰率や患者回復度は、患者の原疾患の重症度、合併症・併存疾患のみならず、病前ADL、介護者因子、環境要因等の多因子に大きく左右されるため、アウトカム評価の適用は控えるべきと思います。
 したがって、回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義の指標としては、アウトカム評価ではなく、プロセス評価・ストラクチャー評価に重きを置くべきと考えられます。

(2)資料1の④については、資料2が参考になります。
 資料2の(a)は、これまでの使い古された (これからも使い回される) 厚生労働省の主張であり、しかも、まやかしの論理も含まれています。
 例えば、(a)-①については、米国にはナーシングホーム (療養病床かそれ以上) が整備されており、その病床数を入れると日米の人口当たりの病床数の差はなくなります。
 また、(a)-②については、医療費抑制のため、政府・厚生労働省の方が、病院当たりの医療従事者を増やしていないためです。これが、医師・看護師等の過重負担・疲弊に繋がっています。
 さらに、(a)-③の平均在院日数については、これも統計のマジックで、欧米の平均在院日数は純粋に急性期病院のみの数字で、日本の療養病床に相当するナーシングホーム等が計算から除外されているので、必然的に、日本の平均在院日数は、他国と比べて長くなるのは当然です。

 これらの厚生労働省の主張の裏には、「急性期病院を二段階に分けて、高次急性期拠点病院に集約・統合再編成していくための布石 (民間中小急性期病院は亜急性期以降へ誘導)」 という陰謀・謀略が隠れています。
 医療マンパワーを高度急性期総合病院・救命救急センターに集約化・重点化するのは、ある意味では妥当ですが、その後方病院の医療パワーが落ちれば、患者、特に重症患者は、高度急性期総合病院から後方病院へ転院できず、長期入院化するという矛盾が生じます。
 やはり、医療費の増額、医師・看護師・コメディカルおよびそのサポーターの増員が必要です。

 上記の厚生労働省の旧態依然とした論法に則り、これからも医療提供体制の構築・診療報酬改定がなされるかと思うと、我々医療現場はモチベーションが益々下がると思います。
 机上のまやかしの理論 (空論) ではなく、斬新な発想の転換が望まれます。

(3)資料2の(a)が、資料2-(b)~(e)に繋がり、そしてそれが、資料2の(f)の 「医療機関の淘汰」・「医療費の適正化=削減」・「介護保険制度の改悪」・「がん対策推進計画・地域ケア整備構想・健康増進計画の計画倒れ・構想倒れ」・「診療報酬改定=改悪」 をもたらし、「医療崩壊」・「医療破壊」 という負のスパイラルが止まらないという最悪の結果を生じさせます。

(4)下記のことは、当ブログにて、何回も何回も繰り返して主張してきたことですが、何回言っても言い足りません!

 厚生労働省は、財務省の財政再建・医療費削減の圧力に屈し、これまで様々な①医療制度改悪、②診療報酬改定 (改悪)、③介護報酬改定・改悪 [要介護認定の厳格化 (平成21年4月より更なる改悪!)、介護給付費の抑制 (平成21年度介護報酬改定における改定率プラス3%では不足!)]、④悪名高き障害者自立支援法 (応益負担→応能負担等、抜本的見直しが実現?)、⑤悪名高き後期高齢者医療制度の導入 (政権与党が約束した抜本的見直しは遅々として進まず) 等を行ってきました。

 厚生労働省は、日頃は、「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視点・市町村の視点」の方を重視してきました。

 この自己矛盾を打破し、国民の安心・安全・納得・満足のために、国民本位の社会保障政策、医療・介護・福祉政策、診療報酬改定、介護報酬改定、障害のある方ならびに高齢者に対する施策を施行することを切望します。

 また、「まやかしのエビデンス」 ではなく、現場の医療介護福祉従事者・患者・介護サービス利用者・障害のある方・高齢者・家族・地域住民等が納得する 「真のエビデンス」 に基づく診療報酬改定・介護報酬改定・障害者自立支援法見直し等を行って頂きたいと思います。

【関連記事】
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)
 ◎厚生労働省のキャッチフレーズ及び行動指針の策定について
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎水面下で決まった2008年度診療報酬改定の改定率





banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

スポンサーサイト

Page Top

時計
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

カズ食堂

Author:カズ食堂

カレンダー
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
訪問者数

   (Since 2009/01/11)

現在の閲覧者数
:
リンク

このブログをリンクに追加する

にほんブログ村ランキング
宮崎県 「てげうめ」 グルメ
Amazon アソシエイト







人気ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

banner2.gif
FC2ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

スポンサー・リンク
FC2アフィリエイト
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。