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「厚生労働省改革の工程表」 改定版 (医療・介護の連携)

 平成21年4月28日、厚生労働省は、「厚生労働省改革の工程表」 の改定版を公表しました。
 この中で、「医療・介護の連携」 に関する事項を下記に示します。

●医療・介護の連携

【改革の項目】


 ①一貫した医療・介護サービスの提供体制の構築とその的確な推進を図る
  組織体制

 ②医政局、保険局、老健局が統一された方針の下に整合的に政策推進でき
  る組織面での確保

 ③既存の審議官の任務の見直し、企画官などのスタッフの活用

 ④医療職種に着目し編成された現在の組織をサービスの向上に正面から取
  り組む体制に見直し

【対策】

 1.①~③に関する対策

  a.医政局、保険局、老健局の局長を中心とした連絡調整の場を設置。

  b.これら3局が統一された方針の下で進めるべき具体的な政策テーマ
    について検討。

  c.3局での連携の方法や当該審議官の任務や企画官などのスタッフの
    活用を含めた組織体制の在り方について検討。

 2.④に関する対策

  *.医療職種の所管課について、所掌事務や組織編成について検討。

 「国益・国民益よりも省益優先」・「省益よりも局益優先」 といわれる縦割り行政の権化の中央省庁の官僚である 「厚生労働省のキャリア官僚」 に、上記②の 「医政局、保険局、老健局が統一された方針の下に整合的に政策推進できる組織面での確保」 ができるかどうかは甚だ疑問です。

 しかしながら、特に若手・中堅キャリア官僚の頑張りで、以前の当ブログ記事 [「健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)」・「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)」] で提唱した 「医療庁」・「医療・介護庁」・「社会保障庁」 のような 「国民益を最優先に考える組織」 の設置が望まれます。(但し、社会保険庁の二の舞になると非常に困りますが・・・)。




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医療政策サミット2009 (日本医療政策機構)

 Japan Medicine (2009/2/25) に、日本医療政策機構主催の 「医療政策サミット2009」 の記事が掲載されていますので紹介します。

●消費税を社会保障財源とすべきか

①NPO法人の日本医療政策機構 (黒川清代表理事) が2009年2月21日に都内で開催した 「医療政策サミット2009」 で、医療政策のマニフェストをテーマとしたパネルディスカッションが企画され、与野党の医療政策担当者らが医療財源策や医療産業の発展などについて、総選挙に向けた討論を行った。

②パネルディスカッションには、自民党の鴨下一郎衆院議員 (医師)、公明党の福島豊衆院議員 (医師)、民主党の山田正彦 (弁護士) が登壇した。

③次の総選挙の最重要課題について、自民党・鴨下氏は、「有権者の関心は、経済の立て直しにある。セーフティーネットの中でも医療は最優先されるべきものだが、強い経済と安定した雇用を守りながら医療を充実させていきたい」 とした。
 公明党・福島氏は、雇用不安や生活不安への対策が重要とした上で 「確実に保険料を払えなくなる人が増える。低所得者が医療を受けられなくなることがないようにきめ細やかな対応をしていきたい」 とした。
 一方、民主党・山田氏は 「医療や介護といった社会保障に思い切った財源を投入すべきだ」 と強調した。

④同機構が2009年1月に実施した世論調査で、回答者の6割が社会保障費の増加分を消費税で賄うことについてやむを得ないと答えている。

医療費の財源問題について、民主党・山田氏は、民主党が政権を取った場合には、1兆9千億円の新規追加予算を盛り込むことを説明し、「特別会計には毎年40~50兆円の剰余金がある。消費税を上げる必要はない。(財源の確保は) 予算の組み替えで可能だ」 とした。
 公明党・福島氏は民主党とは認識の相違があるとしながらも 「特別会計の剰余金など使って差し支えないものは使っていいと考えている。税の役割は高まっているが、今、消費税率を上げる議論をしても始まらない。大事なことは将来にツケを回さないこと」 とした。

⑥自民党・鴨下氏は 「国のバランスシートをスリム化するという骨太方針の方向性は間違っていない。不要な国有資産の売却や行政改革などすべてをやった上で、社会保障の目的税的に消費税を使うことについて国民の理解を求める必要がある」 とした。
 また、低所得で保険料を負担できない人について、負担の在り方を考えねばならないとした。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記③によると、社会保障 (年金・雇用・医療・介護・福祉・生活保護等) というセーフティーネットの再構築経済の立て直し等で、各党間で、優先順位の温度差があるようです。

(2)上記④~⑥に関して、「将来的に、社会保障費の増加分を、消費税増税で賄わざるを得ない」 ということは、国民のコンセンサス (合意形成) がほぼ出来つつあると思われます。
 但し、それには、大前提があります。

 以前の当ブログ記事 (「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種) にて述べましたが、やはり、国民に増税をお願いする時には、下記のように、前提条件 (特に景気回復および税金の無駄使いの撲滅) を明確化・数値化し、国民の納得を得る努力をすべきです。

 (a) 景気回復
   ◎但し、消費税増税の実施時期の決定方法において、中川秀直氏 (増税を
    するなら景気が成長軌道に回復してから
) と、政府・財務省・与謝野財
    務金融相兼経済財政担当大臣 (景気が良くなってから増税をするといえ
    ば、やっと良くなった景気を再び悪くするのかと世論が反発するので、
    景気が上向きになり始めた頃から徐々に増税していくのが本筋
) とでは
    考え方が異なります。

 (b) 一般会計と特別会計を可能な限り一体化し、予算の組み換えや無駄の排除ある
  いは予算の組み方の一新により、少なくとも1割はカットする (約20兆円?)。
  (自治体によっては総予算の削減でもっとスリム化しています!。自治体が出来
  て、国が出来ないわけがないです)。


 (c) 税制の抜本的改革 (特に所得税・相続税・法人税・株式関連税等のメリハリを
  きかした増税・減税)


 (d) 官僚の天下り・渡りの根絶

 (e) 天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶

 (f) 国会議員の定数削減 (例:衆議院480→小選挙区300のみ) ・歳費の削減 (例:2
  割カット)


 (g) 国家公務員人件費の削減 (例:2割カット)

 (h) 無駄な公共事業 (道路、ダム、空港、新幹線等) の廃止・中止

 (i) 道路特定財源の完全なる一般財源化

 (j) その他の税金の無駄使い (例:本来は、定額給付金という選挙目当てのばらまき
  政策は撤回すべき、等)


 (k) 年金問題の早期完全解決 (今となっては困難とは思いますが・・・)

 消費税増税に関しては、国・地方合わせた財政赤字が約千兆円、少子高齢社会を迎えて増大する社会保障費のことを考えると、いずれは増税もやむなしと、多くの国民の方も心の中では思っていると思います。

 しかしながら、百年に一度の米国発世界金融危機による未曾有の日本の経済危機・雇用危機の今の状況下で、しかも、内閣不支持率が70~80%に達し、もはや信頼・信用されていない麻生首相から、 「景気対策・行政改革を行ったうえで増税をお願いする」 と言われても、多くの国民は信用しないと思います。

 財務省ならびに (財務省とグルの?) 今や影の総理といわれている与謝野大臣に操られ洗脳された麻生首相あるいは与謝野 「首相」 は、「結局、景気が回復しなくても、また、行政改革・公務員改革が不充分であっても、平成23年度に消費税増税を強行する」 と予想されます。(但し、その時、麻生首相・与謝野首相・自公政権かどうかは怪しいですが・・・)。

 消費税増税の際は、(政権がどの党であれ、首相が誰であれ)、「(a)~(k) [(a) に関しては不透明な部分がありますが・・・] の案件を身を削り血のにじむ努力で十二分に行いましたが、それでも社会保障費・教育等の公共財・セーフティーネットの維持に○兆円不足しますので、どうか消費税を○%上げさせて下さい。但し、生活必需品の税率は据え置きます」 と、時の首相に言われたら、国民の多くは反対しないと思います。

 一方、これまでの麻生首相あるいは与謝野大臣は、消費税増税について、上記のような前提条件に関する明確化・数値化した答弁は、(当ブログ管理人が知る限り)、行っていません。

 麻生首相あるいは与謝野大臣が、(特に、影の総理であり野党からもある程度信頼されている与謝野大臣が)、「(a)~(k) [[(a) に関しては不透明な部分がありますが・・・] の案件をクリアすることを条件に、平成23年度の消費税増税をお願いします。但し、生活必需品の税率は据え置きます] と、明確に仰れば、内閣支持率・自民党支持率も上がるし、次期総選挙の自民党勝利もあり得るかも (?????)

(3)以前の当ブログ記事 [「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)」] でも述べていますが、(最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようではありますが)、未だに、「医療費亡国論」 ならびに 「小泉竹中構造改革」 が引き起こした 「医療費抑制、医師不足 (特に勤務医不足)」 による 「医師 (特に勤務医) の過重労働と疲弊および立ち去り型サボタージュ (→残された医師の過重労働と疲弊が増悪→悪循環)、医療崩壊 (特に病院崩壊、救急医療崩壊) および医療破壊、医療難民 (特に脳卒中、認知症)、救急難民、妊産婦難民、リハビリ難民、介護難民、等々」 の現状 (惨状) を、「医療再建・医療再生」 させるには、いまだ道遠しの状況です。

 2007年、大村昭人氏 (帝京大学名誉教授・麻酔科) は、「医療立国論 崩壊する医療制度に歯止めをかける!」 を刊行され、

  ①医療費の削減・市場原理主義の導入では医療改革は成功しない。

  ②医療費亡国論から医療立国論へ。

  ③医療は、経済活性化の要である。即ち、1兆円医療費を使えば、1兆円以上
   の経済波及効果がある。医療費は消費されて消えてしまうものでなく、医療
   に直接または間接的に関係する方々の雇用 (雇用創出効果) などを通して、医
   療費は国の経済発展の原動力となる。


等を主張され、広い支持を集めました。

(4)即ち、社会保障 (年金・雇用・医療・介護・福祉・生活保護等) は、(単なる財政への負担ではなく)、国民の安心・安全・納得・満足を担保するセーフティーネットであり、且つ、経済活性化 (経済波及効果)・雇用創出効果・内需拡大効果がある成長産業の一つです。

 したがって、20数年前からの厚生労働省の医療亡国論財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義)および小泉竹中政権の 「結果的に聖域があり、格差社会を拡大させた」 構造改革 [当ブログ記事 (小泉・竹中政権の 「聖域なき構造改革」 に存在した 「聖域」) 参照] に騙され洗脳された (あるいは、官僚に騙され洗脳された、もしくは利権・権益に群がった) 自民党国会議員には早く目を覚ましてもらい、根本的な発想の転換のもと (旧態依然とした公共工事・官僚天下り等の政官業癒着体質からの脱却)、経済効果・雇用創出効果・内需拡大効果の高い、新たな成長産業として、社会保障を位置づけ、積極的な財源投入を行ってもらいたいと思います。

 そうすれば、国民の安心・安全・納得・満足が担保され、約1,500兆円の国民の眠っている個人金融資産が、消費に使われ、内需が拡大し、経済が好転するという好循環が生じると考えられます。[今のままでは、只でさえ、百年に一度の米国発世界金融危機による未曾有の日本の経済危機・雇用危機のもと、社会保障 (年金・雇用・医療・介護・福祉・生活保護等) に対する国民の不安で、内需も冷え切ったままと思われます]。

(5)上記の好循環により、医療においても、医療費増額・医師数増員等によって、医療崩壊 ・医療破壊が、医療再建・医療再生へと、転換が図られることが望まれます。
 
 そして、①勤務医不足による勤務医の過重労働と疲弊および立ち去り型サボタージュ (→残された医師の過重労働と疲弊が増悪→悪循環)、②病院崩壊、救急医療崩壊、産科・小児科医療崩壊、③医療難民 (特に脳卒中、認知症)、救急難民、妊産婦難民、リハビリ難民、介護難民、障害者難民、等々の現状 (惨状) ができるだけ早期に改善されることを切望します。

(6)以上、日本医療政策機構主催の 「医療政策サミット2009」 について論じました。

 上述の 「経済や社会保障の好循環」・「医療再建・医療再生」 の具現化のためには、政治家・官僚・公務員の 「国民の公僕たる理念、見識、そしてそれに則った行動」 が肝要と思います。

【追記】
 ちなみに、ブログ管理人は、以前は自民党支持者でしたが、現在は、自民党支持者でもなく、民主党支持者でもなく、「政権交代論者」 です。どの党であれ、長期政権は、様々な 「しがらみ」 のため、結局は腐敗します。
 したがって、日本の場合、自民党と民主党とで政権交代を繰り返すことにより、健全な議会制民主主義を我が国に定着させて頂きたいと思っています。
 そして、国民が選んだ政治家が、国民が選ぶことが出来ない官僚・公務員を、うまくコントロールして、より良い政治・行政を遂行して頂きたいと思います。




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医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)

 日経メディカル・ブログ (本田宏の 「勤務医よ、闘え!」) の記事 「医療費亡国論は保険局長の“私の考え方”」 において、「医療費亡国論」 が次のように紹介されています。

 1983年、当時の厚生省保険局長・吉村仁氏 (その後、事務次官、退官後すぐに逝去) が、社会保険旬報に 「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方」 という論文を執筆しました。
 同氏は、『このまま医療費が増え続ければ国家がつぶれるという発想さえ出ている。これは仮に 「医療費亡国論」 と称しておこう』 として、論文の中で以下の3点を強調しています。

 ①医療費亡国論:このまま租税・社会保障負担が増大すれば、日本社会の活力が
         失われる。
 ②医療費効率逓減論:治療中心の医療より予防・健康管理・生活指導などに重点
           を置いたほうが効率的である。
 ③医療費需給過剰論:供給は一県一大学政策もあって近い将来医師過剰が憂えら
           れ、病床数も世界一、高額医療機器導入数も世界的に高い。


 最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようではありますが、未だに、上記の 「医療費亡国論」 ならびに 「小泉竹中構造改革」 が引き起こした 「医療費抑制、医師不足 (特に勤務医不足)」 による 「医師 (特に勤務医) の過重労働と疲弊および立ち去り型サボタージュ (→残された医師の過重労働と疲弊が増悪→悪循環)、医療崩壊 (特に病院崩壊、救急医療崩壊) および医療破壊、医療難民 (特に脳卒中、認知症)、救急難民、妊産婦難民、リハビリ難民、介護難民、等々」 の現状 (惨状) を、「医療再建・医療再生」 させるには、いまだ道遠しと思います。

 2007年、大村昭人氏 (帝京大学名誉教授・麻酔科) は、「医療立国論 崩壊する医療制度に歯止めをかける!」 を刊行され、「医療費の削減・市場原理主義の導入では医療改革は成功しない」・「医療費亡国論から医療立国論へ」・「医療は、経済活性化の要である。即ち、1兆円医療費を使えば、1兆円以上の経済波及効果がある。医療費は消費されて消えてしまうものでなく、医療に直接または間接的に関係する方々の雇用 (雇用創出効果) などを通して、医療費は国の経済発展の原動力となる」 等を主張され、広い支持を集めました。

医療立国論―崩壊する医療制度に歯止めをかける!医療立国論―崩壊する医療制度に歯止めをかける!
(2007/05)
大村 昭人

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 このたび、同氏は、第2弾 「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ!」 を刊行されました。目次は次の通りです。

【目次】
 第1章.医療崩壊は既に始まっている
 第2章.まず 「日本の医療制度の問題点」 を整理する
 第3章.医療再生:すぐにできることはいくらでもある
 第4章.対談:医療崩壊を深刻に憂うる医療現場から提言
 第5章,医療庁を設置せよ! 4省にまたがる縦割り医療行政を再編統合しなけ
     れば医療再生はありえない

 同書のメインテーマは、「医療政策に関わる省庁の再編統合なくして医療制度改革は実現しない」 であり、次のような4省 (厚生労働省、文部科学省、総務省、経済産業省) にまたがる縦割りの医療行政を再編・統合して、「医療庁」 を創設し、「医療再生」 を図る必要があると力説されています。

 ①医師養成制度において、卒前教育および大学院は文部科学省、卒後は厚生労働
  省が所管する。
 ②救急医療において、救急搬送は消防庁 (総務省)、救急医療本体は厚生労働省が
  所管する。
 ③自治体病院については、総務省と厚生労働省とが関与する。
 ④製薬企業・医療機器産業については、厚生労働省と経済産業省とが関与する。

 現在の、「医療崩壊・医療破壊」 の現状 (惨状)、そして、それを 「医療再建・医療再生」 させるための方策等が明快に述べられており、一読をお勧めします。

医療立国論〈2〉―厚生労働省解体 医療庁を設置せよ!医療立国論〈2〉―厚生労働省解体 医療庁を設置せよ!
(2008/12)
大村 昭人

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