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「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 へ

 平成21年5月21日の経済財政諮問会議において、舛添厚生労働大臣が、『社会保障の機能強化に向けた今後の取組~「社会保障の機能強化の工程表」 を中心に~』 という資料を提出していますので、「2015年に向けての取組の方向性」 の部分を下記に示します。

●社会保障の機能強化に向けた今後の取組
 ~「社会保障の機能強化の工程表」 を中心に~


2015年に向けての取組の方向性 (医療・介護)

【医療】

○急性期医療の充実強化、地域連携の強化

 ・病床を機能分化し、急性期病床に医療資源を集中投入する。

 ・急性期後の医療や在宅医療を充実するとともに地域連携を強化し、早期
  退院・在宅での療養継続・社会復帰の実現を目指す。

○医師と看護師等との役割分担の推進

 ・看護師等の専門性を高めながら、チーム医療・役割分担を推進し、患者
  本位の医療を目指す。

○新技術、効率化等への対応

【介護】

○地域包括ケアの実現、介護サービス基盤の強化

 ・グループホーム等居住系サービスの拡充や、24時間対応の強化等在宅介
  護の強化・充実を進める。

 ・高齢者が安心して暮らせる住宅の整備

○介護従事者の確保・定着支援等

 ・介護職員の処遇改善と確保、キャリアパスの構築を図る。

 ・医療・介護を通じた専門職種間の連携体制を構築する。

~医療と介護の連携~

○医療と介護が連携したサービスを提供するための診療報酬・介護報酬の見
 直し、など

 上記のように、「お題目」 は立派なのですが、「実現可能性は???」 であり、また、「方向性」 も一見良さそうなのですが、医療の現場で、多くの 「医療難民」・「リハビリ難民」・「救急難民」・「介護難民」・「お産難民」・「障害者難民」 を目の当たりにしていると、疑問符が百個くらい頭上を廻っています。

 当ブログでも、今までに、医療・介護・福祉の多くの課題を取り上げてきました。(詳細は過去のブログ記事参照)。

 2012年 (平成24年) 度の診療報酬・介護報酬同時改定を控えて、現在、当ブログ管理人が、特に望んでいることは、「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 です。

 少なくとも、現在の介護サービスの中の 「看護」 および 「リハビリテーション」 は、(「区分支給限度額」・「原則1割自己負担」 の制約にて利用が不充分という現実もあり)、医療保険で賄うべきと思っています。




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平成20年度DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価

 中央社会保険医療協議会 (中医協) のDPC評価分科会 (西岡清分科会長) が実施した 「平成20年度DPC導入の影響評価」 に関する調査結果および評価が、5月20日の中医協診療報酬基本問題小委員会に報告されました。
 同報告の結論を下記に示します。
 
平成20年度 「DPC導入の影響評価に関する調査結果およ
 び評価」 最終報告概要


【まとめ】

 全ての病院類型において、平成19年度までと同様に、平均在院日数は減少傾向であったが、その要因は、患者構成の変化によるものではなく、診断群分類毎の平均在院日数の減少によるものであった。

 一方、緊急入院及び他院からの紹介の患者数は、横ばいから増加傾向であった。

 これらのことから、重症度の高い患者を避けるような患者選別の傾向は見られておらず、診療内容に悪影響は認められないものと考えられる。

 ただし、救急車による搬送の率・患者数については、一部の類型の病院では、平成20年度はやや減少しており、今後も注視していくことが必要である。

 また、退院時転帰の状況においては、治癒及び軽快を合計した割合が横ばいであり、急性期としてある程度病態が安定した時点までの入院医療を反映しているものと考えられる。

 以上のことから、DPCにより、質の確保はされつつ医療の効率化が進んでいるものと考えられる。

 また、これまで増加傾向であった再入院率については、平成20年度も引き続き増加傾向がみられた。
 平成20年度改定において、同一疾患での3日以内の再入院 (病棟間の転棟に伴う再転棟も含む) については、1入院として扱うように算定ルールを見直したところであり、この影響について、今後も注視していくことが必要である。

 上記の 「まとめ」 において、「重症度の高い患者を避けるような患者選別の傾向は見られておらず、診療内容に悪影響は認められない」・「DPCにより、質の確保はされつつ医療の効率化が進んでいるものと考えられる」 と述べられています。

 しかしながら、医療の現場感覚からすると、明らかに 「患者選別」・「患者切り捨て」・「医療難民・リハビリ難民・救急難民・介護難民」 が生じており、「医療の質の確保」・「患者さんの安心・安全・QOL (生命・生活・人生の質) の向上」 は不充分のまま、「医療の効率化」 だけが進んでしまったような印象です。

 中医協や社会保障審議会等において、診療報酬、DPC、回復期リハビリテーション病棟の成果主義、介護報酬、要介護認定等、様々な検証が行われていますが、「真の検証となっているか?」 の検証が必要と考えられます。




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障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化

 メディウェル・ログ (施設基準の地方ルール?) に、障害者病棟に関する衝撃的な記事が掲載されています。即ち、障害者施設等入院基本料の算定要件において、厚生労働省により、厳格な解釈がなされているそうです。要約すると下記の通りです。

●障害者施設等入院基本料の算定要件
 重度の肢体不自由児 (者) (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、脊髄損傷等の重度障害者 (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等を概ね7割以上入院させている一般病棟であること。
 なお、重度の意識障害者とは、次に掲げるものをいうものであり、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。
  (イ) 意識障害レベルがJCS (Japan Coma Scale) でⅡ-3 (又は30) 以上又は
   GCS (Glasgow Coma Scale) で8点以下の状態が2週以上持続している患者。
  (ロ) 無動症の患者 (閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)。

(解釈1) 「概ね7割」 は、「実際の入院患者数の7割」 ではなく、「病床数の7割」 で
   ある。
 施設基準に、特に 「入院患者数」 と明記されていない際には、「病床数」 と解釈する。そもそも障害者施設等入院基本料を算定している病棟は、該当患者を100%入院させることを前提としている。
 
(解釈2) 病床数に対しての該当患者7割規定に関しても、他病棟を有している病院
   には適応されない。

 例えば、一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有している病院などでは、もし非該当患者が存在するのであれば、一般病床に入院させれば良い。仮に障害者施設等入院基本料を算定している病棟しかない場合には、他の病棟に回しようがないので 「特別に」 非該当患者を3割まで認めるという解釈である。
 一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有するある病院が、上記の回答を得ており、実際に該当患者100%の運営を行っており、これを維持するために、同院では該当患者集めのため地域連携室の人員を増やし充実させたという事例がある。


 厚生労働省は、上記のような障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化を行うことにより、「医療機関の機能分化と連携、および集約化・重点化・拠点化」 の名の下に、(比較的診療報酬の高い) 障害者病棟の削減・集約化・純化を狙っていると思われます。実際に、障害者病棟の維持には、該当患者の確保のみならず、医療スタッフ (特に看護要員) の確保も必要であり、解釈の厳格化により、ハードルが相当高くなると思われます。

 また、脳卒中・認知症患者にとっても、この解釈の厳格化は、悲惨な現状 (「医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える」 ブログの記事 「診療報酬改正でスケープゴートに、再入院もままならない脳卒中後遺症患者の苦難」 参照) を、より悪化させます。
 「平成20年10月の障害者病棟対象患者からの脳卒中・認知症患者の除外」 により、当該患者は、医療療養病床、介護療養病床等の介護保険施設、在宅等へ転院・入所・退院、あるいは一部、医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) 化していると推測されます。
 当初は一部の脳卒中・認知症患者は、障害者病棟の3割部分に入院していたと思われますが、上記解釈により、それも不可能となり、益々、多くの医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) が続発すると考えられます。

 但し、上記のような解釈の厳格化に関して、都道府県によって未だ温度差があるかもしれませんが、詳細は不明です。

 財務省の財政再建・医療費削減の圧力に、厚生労働省が屈し、これまで様々な医療制度改悪が導入されてきました。厚生労働省は、日頃は、「患者さんの視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」 等で医療政策を立案・実行してきました、この自己矛盾を打破し、国民本位の医療政策策定を切望します。




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回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)

 前回のブログ記事の続編です。

 「報道特集NEXT」 のホームページの 「放送内容を読む」 のコーナーに、番組からの 「回復期リハビリ病棟に対する質の評価導入」 についての質問に対する厚生労働省のコメントが下記の通り掲載されています。

(問1) 自宅等へ退院させようとしても現実的に受け皿がなく、病院、患者共に困っているケースが存在します。こうした事態に対する見解をお聞かせください。

(答1) リハビリテーションを行っている患者さんに限らず、患者さん一人一人の状態に応じた施設や家庭で療養されるのが適切と考えており、入院を担う医療機関や在宅療養をサポートする各機関等との緊密な連携体制の整備に努めているところです。
 また、回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的として、脳卒中などの発症早期から、リハビリテーションを集中的に行うことを目的として病棟であり、他のよりリハビリテーションを必要としている患者さんに活用していただく必要があることもご理解いただきたい。
 なお、回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家によると算定日数を超えて、機能回復を目的としたリハビリテーションが必要となる事例は極めて珍しいとのことであり、医療保険でのリハビリが必要となる事例については、積極的に学会発表等を行っていただき、専門的な見地からの検討が行われる必要があると理解しております。


(問2) 特に高齢化率が高く、介護施設が充実していない地方において、患者が回復期リハビリ病棟を出た後の行き場がない状況が顕著に見られます。こうした状況下、全国一律に自宅等退院率を定めたことに対する見解をお聞かせください。

 (答2) 回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的として、脳卒中などの発症早期から、リハビリテーションを集中的に行うことを目的とした病棟です。
 平成20年度診療報酬改定において、重症患者を一定数以上受け入れ状態を改善させているとともに、患者さんの6割以上を自宅等に退院できるほど改善させている病棟に対して、質の高いリハビリテーションを行っていることに対する評価として、回復期リハビリテーション病棟入院料1や重症患者回復病棟加算として従来より高い評価を新設しました。
 なお、診療報酬では、従来の在宅復帰率等を要件としない病棟も回復期リハビリテーション病棟入院科2として評価しているほか、回復期リハビリテーション病棟以外の病棟でもリハビリテーションを受けることができ、こうした病棟には在宅復帰率の要件は設けていません。
 また、今回の在宅復帰率等の要件は、回復期リハビリテーション専門的に行っている医療機関の団体からの要望を踏まえて導入をしたところであり、最近同団体が発表した調査結果でも、回復期リハビリテーション全体の底上げにつながっているなどの前向きな評価がされているところであります。今後とも関係する専門家等からの科学的根拠に基づくご意見を踏まえて、必要な対応を行ってまいります。


 前回のブログ記事と同様に、まさに官僚的・冷酷無比なコメントです。

 問1に関しては、厚労省は、患者さんの 「個別性」 を重視すべきと言っておきながら、やっていることは、官僚特有の 「全国一律」 的な考えに則った机上の理論であり、やはり (麻生首相と同様に) 現場感覚が足りないと言わざるを得ません。
 「他のよりリハビリテーションを必要としている患者さんに活用していただく必要があることもご理解いただきたい」 という言い方は、冷酷無比かつ上から目線そのものです。
 「回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家によると・・・」。またまた、責任転嫁・責任回避体質です。結局、「我々官僚には責任はない。何か問題が生じたら、現場のせいだ。現場が処理しろ」 ですね (悲しいかぎりです)。

 問2に関しても、問1と全く同様ですね。寂しいかぎりです。
 厚労省は、医療政策の策定や診療報酬改定は、エビデンスに基づいて行うといっておきながら、「回復期リハビリ病棟の成果主義導入」 に伴って導入された指標 (「在宅復帰率6割以上」・「重症患者1割5分以上」・「日常生活機能評価10点以上」・「回復期リハビリ病棟のアウトカム指標としての日常生活機能評価表の使用」) には真のエビデンスはありません。上記の数値等は、「データ解析対象患者の各種特徴・特性・属性の偏りが少なくなく、かつサンプル数の少ないデータによる統計結果」 によって導出されたものだからです。
 「回復期リハビリテーション病棟以外の病棟でもリハビリテーションを受けることができ、こうした病棟には在宅復帰率の要件は設けていません」→→「障害者病棟・特殊疾患病棟においては、脳卒中患者・認知症患者は除外され、医療療養病床でも、エビデンスの低い医療区分という悪しき差別が、患者さんを翻弄します。そして、リハビリ難民・介護難民の道へ・・・」 (冷酷非情・・・)。
 そして最後の段落は、毎度おなじみの 「責任転嫁・責任回避体質」。

 前回ブログの結論と同様になりますが、厚労省官僚には、財政再建・医療費抑制を迫る財務省に抵抗し、かつ厚労省の省益・自益は忘れて、国益・国民益を優先し、国民の安全安心を守るという本来の崇高な使命に立ち戻って、活躍して頂きたいと思います。そして、まやかしのエビデンスではなく、現場の医療従事者・患者さん・家族が納得する真のエビデンスに基づく施策を履行して頂きたいと思います。




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「医療保険は医師が裁量、介護保険は看護師が主体」 厚労省老健局長

 Japan Medicine (2009/1/5) に、厚生労働省の宮島俊彦老健局長に対する取材記事が掲載されています。その中で、医療保険と介護保険における医師と看護師との役割分担等に関する記事は次の通りです。

 「本来、医療保険は医師が裁量し、介護保険は看護師が主体となり療養を支えるべきだ。医師数も限られている中でどこかで切らなければならない」 と述べ、保険制度によって、医師と看護師などの配置を見直すべきとの見方を示した。

 宮島局長は、厚生労働省総括審議官時代に、「集約化と連携で地域医療を立て直す」 (日経メディカル 2007/4) ということを強調し、当時の医療政策 (特に、地域の急性期医療政策) のキーパーソンの一人でした。
 今回の宮島局長の発言は、厚生労働省の 「医療介護政策のこれからの方向性」 を示唆しており、今後、同氏および厚生労働省の言動を益々注視する必要があると思われました。
 また、厚生労働省は、米国のスキルドナーシングホームを想定しているのかもしれません。しかしながら巷間伝えるところによれば、同システムが必ずしも円滑に機能しているわけではないと思われますが・・・。
 医療亡国論および小泉竹中政治による 「医療費抑制、医師不足 (特に勤務医不足)、医師 (特に勤務医) の過重労働と疲弊および立ち去り型サボタージュ (→残された医師の過重労働と疲弊が増悪→悪循環と無限地獄)、医療崩壊 (特に病院崩壊) および医療破壊、医療難民 (特に脳卒中、認知症)、救急難民、妊産婦難民、リハビリ難民、介護難民、等々」 の真冬の時代から、ようやく暖かい春の日差しが些少ながらも差し込んできたと思われる今、私達国民の安全安心を守るという崇高な使命と理念および高邁な精神を持つ (?) 厚生労働省官僚の高邁かつ秀逸な医療介護福祉政策を渇望しています。(まさか、未だ 「国益や国民益よりも、省益や自益を優先」 と思っている官僚様はいないと信じているのですが・・・)。




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