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回復期リハ病棟の評価に 「プロセス指標」・「構造指標」 の導入を提唱

 Japan Medicine (2009/7/29) に、回復期リハビリテーション病棟の成果主義に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●全国回復期リハ協:回復期リハの評価に 「プロセス指標」 と
 「構造指標」、質評価の強化策を提唱


 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会は、回復期リハビリテーション病棟入院料について、2008年度試行導入された 「質の評価」 を、アウトカム指標だけでなく、プロセス指標と構造指標を併用し、さらに充実するよう見直しを求める基本方針を固めた。
 石川誠会長 (初台リハビリテーション病院理事長) は27日、本紙の取材に対して、質の高いリハ提供施設を評価する前回改定からの考え方には基本的に賛成としながらも、「重症患者の受け入れが進んでいるが、それに見合う看護師やリハスタッフが配置されていない。この実態を放置すれば、回復期リハ施設で重症患者に適切なリハ量が提供できす、患者のADLが低下する事態につながる」 と問題提起した。

●約7割の病棟で365日・24時間のリハが提供されず

 現行の回復期リハビリテーション病棟入院料は、昨年度の改定で重症患者受け入れ率、在宅復帰率を基準に2段階の点数が設定された。
 特に、重症患者についてリハの成果を評価する重症患者回復病棟加算を新設し、診療報酬体系に質の評価の概念を試行的に導入している。

 しかし、同協議会が昨年9月に会員施設を対象にした調査によると、約7割の病棟で365日、24時間のリハ提供が実施されておらず、リハ提供単位数が平均4.5単位にとどまり、リハ実施単位数が4単位以下の病棟が4割以上存在することが判明した。
 さらに、日常生活機能評価 (いわゆる回復期リハ看護必要度) について必要人員配置数と実際の配置人数を見ると、重症患者の受け入れ数から必要と算定される人員数の半分程度の配置にとどまる施設が多いことも明らかになった。

 その一方で、同時に実施した調査では、リハ提供時間の増加に伴いADL改善が図られるとするエビデンスも明確になった。
 中でも1日7単位以上のリハを提供した場合にADL改善度が有意に上昇するほか、重度障害では1日7単位以上のリハ提供を行うと在宅復帰率が2倍以上に向上することが確認できたとしている。

●回復期リハ入院料は3段階に

 こうした調査結果を踏まえ石川会長は、回復期リハビリテーション病棟入院料を3段階に設定。
 特に、現行の重症患者回復病棟加算を廃止し、患者1人1日6単位以上を365日実施する体制を評価する 「リハ実施体制強化加算 (仮称)」 の新設を求める方向だ。

 最も点数の高い入院料1については、前回の改定で緩和した専任医師は専従医師1人以上に復活させ、専従の理学療法士と作業療法士を現行要件よりも1人ずつ増やすなど人員配置の要件を厳しくしている。
 また、病棟専従の社会福祉士を1名以上配置し、在宅復帰率60%は現状維持すべきとし、入院時重症者が40%を超す病棟は、在宅復帰率を50%以上に緩和する措置も必要としている。

 石川会長は、回復期リハ病棟の評価は中医協の検証部会が特別調査を、今月中にも開始する予定であることに言及。
 「具体的な議論は、その結果を踏まえてということになるだろうが、協議会として回復期リハビリテーション病棟入院料をさらに質の評価を充実させる方向で見直す方向を提示しておくことが必要だろう」 との考えを示した。

 さらに、同会長は、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括されているインターフェロン、抗がん剤などの高額薬剤、COPD (慢性閉塞性肺疾患) やSAS (睡眠時無呼吸症候群) に対する人工呼吸、透析については出来高算定として包括範囲から除外するよう要望していく考えだ。
 「不採算性が高いとして該当する患者の受け入れを拒否する事例があると聞いている。そうしたことがないように対応策を講ずることが必要だ」 と指摘した。

(1)2008年度診療報酬改定にて導入された 「回復期リハビリテーション病棟の成果主義 (アウトカム評価)」 により、現実に、「患者選別・患者切り捨て」 が生じているとされています。

 医療の質の評価において、欧米でさえも、評価指標の中心は、「アウトカム指標」 ではなく、「ストラクチャー (構造) 指標」・「プロセス (過程) 指標」 です。

(2)今回、上記の通り、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会が、2010年度診療報酬改定における 「回復期リハビリテーション病棟の質の評価の指標」 に、プロセス指標と構造指標を導入することを、厚生労働省に提唱することは良いことだ思います。(但し、遅きに失した感は否めませんが・・・)。

(3)現在、全国で5万床を超えた回復期リハビリテーション病棟ですが、「地域格差」・「リハビリテーションの質・量の病院間格差」 が未だに解消されていません。

 上記のような全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の要望が、2010年度診療報酬改定において採用され、全国的に 「回復期リハビリテーション病棟の質・量の向上・充実」 が実現し、「患者選別・患者切り捨て」・「リハビリ難民・リハビリ棄民」・「介護難民・介護棄民」 が少しでも解消されることが望まれます。




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DPC対象病院 (2009年7月時点) 約43万床 (一般病床のほぼ半数!)

 Online Med ニュース (2009/4/13) 「DPC病院43万床、一般病床のほぼ半数に」 によると、厚生労働省は4月10日の中医協・診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 (分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長) において、DPC病院 (DPC対象病院・DPC準備病院) に関するデータを、下記の通り、提示しました。

(1)平成21年度からの新規DPC対象病院は、4月からの335病院と7月からの232病院で合わせて567病院で、平成20年度までのDPC対象病院716病院を合わせると、「平成21年7月時点のDPC対象病院」 の合計は1,283病院となる。

 「平成21年7月時点のDPC対象病院」 の総数 (1,283病院) は、「一般病院」 の総数 (8,862病院) の約14%となる。

(2)「平成21年7月時点のDPC対象病院」 の病床数は、43万4,231床であり、一般病床数 (91万3,234床) の約48%と、ほぼ半数に達する

 DPC病院の病床数は、DPC準備病院の4万5,820床を加えると、すでに約53%と、一般病床の半数を超える

(3)なお、平成19年度準備病院のうち、DPC対象病院に移行しなかったものが137病院、さらに平成20年度DPC準備病院が137病院あり、DPC準備病院は合わせて274病院。

 「平成21年7月時点のDPC対象病院」 (1,283病院) と上記 「DPC準備病院」 (274病院) の合計は1,557病院で、一般病院総数 (8,862病院) の約18%となる。

 以上、「平成21年7月時点のDPC対象病院」 の病床数 (43万4,231床) と 「DPC準備病院」 (4万5,820床) の合計 (48万51床) は、一般病床数 (91万3,234床) の約53%と、一般病床の半数を超えてしまいます。
 
 今後、非DPC一般病床 (約43万床) の行方・将来像 (現行と同じ出来高制の一般病床、「地域一般病棟」、亜急性期病床、回復期リハビリテーション病棟、医療療養病床、介護療養型老人保健施設、等) が注目されます。

 但し、各地域の医療機関および地域医療ネットワーク等には、地域格差があるため、各都道府県は、地域特性に即した 「地域医療計画」 を策定する必要があると考えられます。

【参考】 地域一般病棟 (四病院団体協議会:2007/10/11)

 今後の医療提供体制において、急性期入院医療は包括支払い方式 (DPC方式) に収斂されていくとともに、平均在院日数はさらに短縮されていくと考えられる。

 しかし、急性期入院医療から在宅医療や介護保険施設に直結することは困難な場合が多く、また在宅療養や介護保険施設において入院を要する状態となったとき、すべてが (DPC方式) 急性期入院医療に適応するものでもない。

 これらを地域において連携する、亜急性期入院医療・地域連携型入院医療が必要であり、その役割を担う 「地域一般病棟」 制度の創設を提案する。

 「地域一般病棟」 の機能は以下のとおり。

<役割>
 地域における急性期以降の入院医療、地域医療・在宅療養・介護保険施設の後方支援などの連携型入院を基軸とし、利用者の状態を配慮した医療を提供する。
 また、後期高齢者医療制度においては、地域連携の中心となる。

<対応疾患>
①急性期病棟より、リハビリテーション、病状不安定などの患者を受け入れる
 (post-acute)。
②また、地域医療・在宅療養・介護保険施設の後方支援として、肺炎・脳梗塞
 再発・骨折など、軽度~中等度の急性期疾患・慢性疾患増悪・繰り返し入院
 などの患者を24時間体制で受け入れる (sub-acute)。

<人員基準等>
①医師・看護師は、現行の一般病棟の基準以上とし、病棟または病院単位で運
 営する。
②リハビリテーションスタッフ、医療ソーシャルワーカー (MSW) を配置する。

<診療報酬支払い方式>
①リハビリテーション・病状不安定・繰り返し入院などは、状態別包括支払い
 方式。
②慢性疾患増悪・軽度~中等度の急性期疾患などは、疾患別・重症度別包括支
 払い方式 (DPC準拠)。




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6万床時代を迎える回復期リハビリ病棟 (回リ協・会長講演) ②

 前回の当ブログ記事 「6万床時代を迎える回復期リハビリ病棟 (回リ協・会長講演) ①」 の続編です。
 
 Japan Medicine (2009/2/18) に掲載された記事を紹介します。


●「回復期リハ病棟を有する病院に要請」 (在宅生活支援リハへの積極的取り組みを)

①4月の介護報酬改定によって医療保険の脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料を算定する病院は、通所リハ (1~2時間) の 「みなし指定」 を行うことが可能になるほか、新短時間通所リハ、従来型通所リハ、訪問リハ、短期入所療養介護によるリハ (療養病床に限定) と多様な形態でのリハ提供が可能になる。
 石川会長は、回復期リハビリテーション病棟を有する病院に対して在宅生活支援リハビリテーションに積極的に取り組むよう求めた。

②さらに、訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションについては、3月初旬に発出される通知で訪問看護ステーションの50%規制の撤廃のほか、訪問看護ステーションの管理者に特例として理学療法士 (PT)、作業療法士 (OT)、言語聴覚士 (ST) を認めることが盛り込まれる見通しだ。

③これまでの介護保険によるPT、OT、STによる訪問サービスは、1例ごとに看護職の訪問回数を超えてはならないとの規制がある。
 そのため、PT、OT、STによる訪問サービスは、訪問看護ステーションからの 「訪問看護7」 は減少し、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加している。
 そこで、訪問看護ステーションからのPT、OT、STの訪問制限について見直しを図り、専ら訪問看護ステーションからのPT、OT、STの訪問を行っている事業所については、新たにPT、OT、STも一定の要件を満たせば、事業所の管理者になれるというもの。

④こうした改定を踏まえ同会長は、今後訪問リハ等に積極的に取り組むことで、訪問リハビリステーションの単独創設につなげていきたいとしている。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①に関して、次期介護報酬改定にて、医療機関において、通所リハビリテーションの 「みなし指定」 が可能になります。
 その関連通知 (たたき台) は、下記の通りです。

●介護保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について (たたき台)
 ◎2009/2/19 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 (別冊):603ページ

2.通所リハビリテーションに関すること (施行規則第127条)


 (1) 法第71条第1項の規定に基づき、病院等が健康保険法第63条第3項第1号の規定により保険医療機関の指定があったときに、その指定の際に当該病院等により行われる居宅サービスに係る法第41条第1項の指定があったものとみなされるサービスに、通所リハビリテーションを加えること。
 なお、介護予防サービスにおいても同様の改正を行うこと。

 (2) 法第71条第1項の規定に基づいて通所リハビリテーションの指定があったものとみなされる病院等については、通所リハビリテーションが実施される病院等の環境にかんがみ、診療報酬の算定方法 (平成20年厚生労働省告示第59号) 別表第1 医科診療報酬点数表の脳血管疾患等リハビリテーション料又は運動器リハビリテーション料に係る施設基準に適合しているものとして届出をしていることを想定している。
 なお、介護予防通所リハビリテーションにおいても同様であること。

 (3) 改正省令の施行の際現に通所リハビリテーションに係る法第41条第1項本文の指定を受けている病院等の開設者については、当該指定に係る法第70条の2の指定の更新の際にみなし指定に切り替えることとし、その際、事業所番号の取り扱いについては、従前の事業所番号を用いること。
 なお、介護予防通所リハビリテーションにおいても同様であること。

 即ち、通所リハビリテーションに加えて、介護予防通所リハビリテーションも、みなし指定が可能となる予定です。

【関連記事】
 ◎平成21年度介護報酬改定 関係通知改正案 (たたき台) 短時間通所リハ
 ◎平成21年度介護報酬改定 (医療機関による短時間通所リハビリ)


(2)上記①・(1)のように、みなし指定の拡大により、医療機関において、介護保険における通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、短期入所療養介護によるリハビリテーション (療養病床に限定) という多様な形態でのリハビリテーション提供が可能となります。
 したがって、急性期~回復期~維持期のシームレスな地域リハビリテーション連携システムの構築と充実のために、回復期リハビリテーション病棟を有する病院は、在宅生活支援リハビリテーションに積極的に取り組むことが求められます。

(3)上記②の訪問看護7の50%規制は、次のように撤廃される予定です。

●2009/2/19 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 (別冊):345ページ
 ◎現行の訪問看護費の関連通知にある 「訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされることは適切ではない」 という文章が削除されることにより、訪問看護7の50%規制は撤廃される予定です。

 以前の上記規制の発出により、訪問看護ステーションからの 「訪問看護7」 が減少し、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加しました。
 しかしながら、地域によっては、訪問看護ステーションは存在するが、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーション提供体制がほとんどないため、訪問リハビリテーションサービスを受けられないという地域格差の問題が生じたため、次期改定で、同規制の撤廃の運びとなりました。

(4)上記②・③に、訪問看護ステーションの管理者要件の緩和に関する、
  (a) 訪問看護ステーションの管理者に 「特例として」、PT・OT・STを認め
   ることが盛り込まれる見通しだ。
  (b)専ら訪問看護ステーションからのPT・OT・STの訪問を行っている事
   業所については、新たにPT・OT・STも一定の要件を満たせば、事業所
   の管理者になれる。
という2つの文章が記されてますが、これを意味する条文・文章は、現時点において、「2009/2/19 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議 (別冊)」 の文中には、当ブログ管理人が見る限り、無いようです。
 別途、関連通知として発出されるものと思われます。

(5)少し気がかりなのは、上記④の (おそらく、平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定時になると推察されますが)、訪問リハビリステーションの創設の件です。

 厚生労働省が、訪問リハビリステーションの創設に比較的消極的なのは、日本看護協会の影響もあるとは思いますが、「訪問看護7の50%規制後、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加したのだから、わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という言い分でした。

 しかし、上記(3)の地域格差があり、かつ、訪問看護7の 「50%規制→完全廃止 (以前の予想では)」 の方向性では、やはり訪問リハビリステーションは必要であるとの空気になりました。

 ところが、今回の改定により、訪問看護7の 「50%規制」 が撤廃となり、訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーションが増加し、かつ、訪問看護ステーションの管理者にPT・OT・STが成れるとなると、ある意味では 「わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という議論になるのではないかと危惧しております。(当ブログ管理人の考え過ぎ・考え違いとは思いますが・・・)。

(6)以上、急性期~回復期~維持期のシームレスな地域リハビリテーション連携システムの構築と充実のために、在宅生活支援リハビリテーションの要として、訪問リハビリステーションの制度化に向けて、関係学会・協会の強力な連携・提言が望まれます。





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6万床時代を迎える回復期リハビリ病棟 (回リ協・会長講演) ①

 平成21年2月14日~15日、「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 第13回研究大会 in 大阪」 が開催され、同協議会の石川誠会長が、基調講演 「6万床時代を迎える回復期リハビリテーション病棟」 を行いました。
 Japan Medicine (2009/2/18) に上記講演の紹介記事が掲載されていますので紹介します。


●「回復期リハ病床は2次医療圏単位での設定を」 (都道府県・2次医療圏の病床格差に懸念)

①全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会・第13回研究大会 in 大阪が14、15の両日、大阪市で約2,000人の参加者を集めて開かれた。
 14日、石川誠会長 (初台リハビリテーション病院理事長) は、回復期リハビリテーション病床数の都道府県格差が広がり、リハビリテーション医療の均てん化を図る上で、各県ごとに2次医療圏域における回復期リハビリテーション病床の整備目標を設定すべきだと提言した。

②石川会長は、回復期リハビリテーションについて、1月30日時点で950病院、1,181病棟、5万2,670病床が地方厚生局に届けられ、増加傾向が続いている。
 これを都道府県別にみると、人口10万対の回復期リハビリテーション病床は茨城県の20床から高知県の130床までと、その格差が顕著になっていると説明した。

③同会長は特に、九州地区は全県で人口10万対50床を上回り平均72床に対して、関東地域は平均26床にも満たない。
 また、ある県では、2次医療圏間で人口10万対の回復期リハビリテーション病床が130床から20床未満まで格差が大きくなっている現状を示し、「回復期リハビリテーション病床は、もはや自然増ではなく目標病床数の設定を医療計画の施策として取り扱うことで、公平な医療提供体制の確保につなげるべきだ」 と指摘した。

④さらに、回復期リハビリテーション病棟では06年度診療報酬改定で6単位から9単位まで提供可能なリハ量が増えたが、医療現場での全国平均は4.5単位で、9単位が提供可能な施設は約3%にとどまるとした。

⑤こうした現状を踏まえ石川会長は、次期診療報酬改定に向け回復期リハビリテーション病棟の質の評価基準を、配置スタッフ数とリハの成果に基づき、新たに2~3段階の評価体系に再構築する方向で検討する考えを示した。

⑥現行の回復期リハビリテーション病棟の診療報酬は、施設要件で大きく2段階となっており、高い点数の回復期リハビリテーション病棟入院料1の中で重症患者回復病棟加算が設けられ、実質3段階になっている。
 石川会長は、4月以降に中医協で行われる回復期リハビリテーション病棟の質の評価の検証結果なども踏まえ、質の評価の基準を配置スタッフ、例えば専任医を専従医とし、看護師、介護福祉士、言語聴覚士 (ST)、社会福祉士など病棟専従スタッフの配置を手厚くし、リハビリテーションの成果を上げている高度回復期と、従来の重症患者回復病棟加算の要件程度であれば通常回復期など、段階的評価体系を検討していきたい意向とした。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①~③によると、回復期リハビリテーション病棟は、1月30日時点で、5万2,670病床に達したが、都道府県間格差・二次医療圏間格差が相当あり、リハビリテーション医療の均てん化を図る上で、各県ごとに二次医療圏における回復期リハビリテーション病床の整備目標を設定すべきと提言しています。

 脳卒中の地域医療連携・地域リハビリテーション連携において、各二次医療圏で急性期~回復期~維持期のリハビリテーションサービスが円滑に流れることが期待されていますが、回復期リハビリテーション病床が過剰気味な地域では良いとしても、量的未整備地域では急性期病院が連携しようにも回復期リハビリテーション病床が少なすぎるという連携以前の問題が生じます。
 即ち、都道府県間格差・二次医療圏間格差という地域格差を解消し、リハビリテーション医療の均てん化を図る必要があります。
 したがって、各都道府県の地域医療計画に、各二次医療圏における回復期リハビリテーション病床の整備目標を導入する必要があると考えられます。

(2)上記④~⑥については、回復期リハビリテーション病棟の質の向上に関する課題です。
 患者1日あたり9単位の集中的かつ濃厚なリハビリテーションを行うことが、回復期リハビリテーション病棟の義務・使命であるはずですが、上記④のように、実際の実績 (全国平均4.5単位) は低すぎます
 リハビリテーション・マンパワー不足がその要因の一つと考えられます。

 そこで、次期診療報酬改定に向け、回復期リハビリテーション病棟の質の評価基準を、リハビリテーションの成果のみならず、人員配置基準 (配置スタッフ数) の因子も含めて、新たに2~3段階の評価体系に再構築する方向で検討する考えを示しています。

 即ち、回復期リハビリテーション病棟の質の評価基準を、人員配置基準 (配置スタッフ)、例えば、専任医を専従医とし、看護師、介護福祉士、言語聴覚士 (ST)、社会福祉士など病棟専従スタッフの配置を手厚くし、リハビリテーションの成果を上げている 「高度回復期リハビリテーション病棟」 と、従来の重症患者回復病棟加算の要件程度であれば 「通常回復期リハビリテーション病棟」 など、段階的評価体系を検討していきたいとしています。

(3)前回の当ブログ記事 [「医療の提供体制の現状と課題 (講演:厚生労働省保険局医療課長)」] でも述べていますが、回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義に用いられているアウトカム評価は、「医療の不確実性」 を考えると、基本的に医療への適用は差し控えるべきです。
 特に、リハビリテーションの分野においては、在宅等復帰率や患者回復度は、患者の原疾患の重症度、合併症・併存疾患のみならず、病前ADL、介護者因子、環境要因等の多因子に大きく左右されるため、アウトカム評価の適用は控えるべきと思います。

 したがって、回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義の指標としては、アウトカム評価ではなく、プロセス評価・ストラクチャー評価に重きを置くべきと考えられます。
 その意味では、現行のアウトカム評価以外に、ストラクチャー評価・プロセス評価 (人員配置基準、リハビリテーション機能、チーム医療機能、地域連係機能等) を導入すべきと思います。

(4)但し、これまでの長年の診療報酬改定のやり方を見ると、厚生労働省は、ある医療サービス提供体制を導入した当初は、そのサービスを全国に普及させるために、敢えてハードルを下げて (前回改定では、回復期リハビリテーション病棟の専従医師を専任医師へ変更、病棟専従スタッフの要件は据置)、各医療機関からの参入を誘導します。
 しかし、ある程度、そのサービス医療提供体制が普及したと見なすと、いきなりハードルを挙げて、はしごを外します。

 上記⑥のような 「高度回復期リハビリテーション病棟」「通常回復期リハビリテーション病棟」 の創設については、現在、回復期リハビリテーション病床数が、地域格差はあるとしても、全国で5万床を超えたため、診療報酬改定 (全国一律の考え方!) 的には、人員配置基準等のハードルを上げて、上記2種類の病棟に類型化する可能性があると考えられます。(但し、厚生労働省は、最終的には、「通常回復期リハビリテーション病棟」 を医療療養病床へ追いやると思いますが・・・)。
 一方、回復期リハビリテーション病棟には地域格差があるため、その是正には馴染まない診療報酬改定ではなく、上記(1)の通り、各都道府県の地域医療計画に、各二次医療圏における回復期リハビリテーション病床の整備目標を導入する方がベターと考えられます。

(5)一方、講演抄録に次のようなことが記載されています。

 当協議会が毎年実施している2006年の実態調査によれば、脳卒中の自宅復帰率が60%以上の病棟は約60%程度であったが、2008年12月の時点で新たな診療報酬の回復期リハ病棟入院料1の病棟は77%であり各病棟の相応の努力が伺える結果を示した。
 また、改定前には在宅復帰できそうにない患者の受け入れ拒否などの患者選別の懸念があったが、病床過剰地域では患者選別より患者獲得競争の時代となっており、懸念された現象は起きていない。
 すなわち、より質の高い回復期リハ病棟が患者・家族から選ばれる時代に入ったことを意味している。

 上記文章では、在宅復帰できそうにない患者の受け入れ拒否などの患者選別は (病床過剰地域では) あまり問題ないと記していますが、論文 「脳卒中地域医療の現状を把握するための全国アンケート調査-回復期リハビリテーション病棟の現状-」 (脳卒中 30: 735-743, 2008) では次のように論じられています。

●12都道府県 (北海道、秋田県、群馬県、東京都、神奈川県、長野県、大阪府、和歌山県、広島県、徳島県、福岡県、鹿児島県) [12県中、病床過剰地域は7県] における回復期リハビリテーション病棟において、急性期病院からの患者受け入れ制限理由は、多い順より、①透析、②人工呼吸器、③重症、④気管切開、⑤不穏、⑥認知症、⑦合併症多い、⑧MRSA、⑨自宅退院が困難、⑩褥創、⑪経管栄養、⑫胃瘻、でした。

 即ち、病床過剰地域といえども、在宅復帰できそうにない患者の受け入れ拒否などの患者選別は起こっていると考えられ、医療難民 (特に脳卒中・認知症)・リハビリ難民・介護難民の問題は解消されていないと思います。

 したがって、(積極的な回復期リハビリテーションの適応があるか悩む症例も多いとは思いますが)、回復期リハビリテーション病棟が、如何に、高いレベルの医療 (再発予防、合併症・併存疾患の管理、リハビリテーション・リスク管理、急変時対応) を提供できるかが鍵と思われます。(現行の診療報酬では限界があるとは思われますが・・・)。

(6)以上、「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 第13回研究大会 in 大阪」 における同協議会の石川誠会長の基調講演 「6万床時代を迎える回復期リハビリテーション病棟」 について考察しました。
 まずは、中医協診療報酬改定検証部会における、回復期リハビリテーション病棟の質の評価に対する検証結果を注目したいと思います。

【関連記事】
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎医療の提供体制の現状と課題 (講演:厚生労働省保険局医療課長)






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歯科レセプト審査に対する厚生労働省の介入による査定率の大幅減

 2009年2月17日の asahi.com (朝日新聞) に、下記の興味深い記事が掲載されていますので紹介します。

(資料) 歯科レセプト審査、厚労省 「介入」 で支払い不認可9割減

①歯科医からの診療報酬請求を審査する社会保険診療報酬支払基金の神奈川県の審査委員会で、審査のあり方に厚生労働省が 「介入」 した結果、支払いを認めない処分件数が従来の10分の1にまで減少、請求に占める処分の割合が全国最低レベルになったことが分かった。
 「審査の独立性が損なわれた」 と委員から反発の声が上がっている。

②神奈川県の歯科の審査は全国的に見て厳格という評判が高く、毎月、全体の2%弱 (全国平均は約0.5%) にあたる1万件程度について、請求を認めない処分 「査定」 をしてきた。
 こうした現状について、衆院神奈川5区の坂井学議員 (自民) が昨年、「神奈川は査定が飛び抜けて多い」 などと国会で2度にわたり問題にした。

③複数の審査委員からの取材によると、1月の審査委員会初日に、神奈川基金を管轄する関東信越厚生局神奈川事務所の指導医療官が委員に 「神奈川基金取決事項・取決が厳しいと思われる事項」 と題したリストを配った。
 その際の説明によると、厚労省医療課の歯科医療管理官と課長補佐が指導医療官にリストを手渡し、「査定率が高い。上の方は、このままだと問題になると言っている」 などと、リストの項目を査定しないよう要請したという。

④指導医療官と審査委員の話し合いで、急な要請で審査基準の統一が保てないため、原則として、レセプト (診療報酬明細書) の査定を一切せず、問題があるレセプトは医療機関に差し戻す 「返戻」 にすることになった。
 歯科担当の委員48人の多くが、この方針に従って査定をした。
 この結果、1月の査定は千件程度と、約10分の1に減り、査定率が全国で最も低い大阪府並みになった。
 一方、医療機関への返戻が通常の2,500件程度から約1万1千件に急増した。

⑤異例の事態に危機感を持った神奈川基金の事務局が 「事務局から見ても明らかなものは査定としてほしい」 と申し出るなど動揺が広がり、委員会終了後に本省の歯科医療管理官が神奈川基金で説明する騒ぎになった。
 委員からは 「目の前のレセプトが正しいか、正しくないかで、査定率は結果でしかない」・「高い査定率が問題なら低いほうも問題にすべきだ」 と批判が出た。

⑥この経過について、上條英之歯科医療管理官は 「リストは全国の基準を超えた神奈川独自の基準の疑いがある項目で、一律の判断をすることがないよう求めた。査定をしないよう求めたことはない」 と説明している。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料①の通り、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金の審査委員会による歯科レセプト審査に対して、厚生労働省が介入し、査定率が 「大幅に減少」 という非常に珍しいことが起こりました。

(2)資料②~④の通り、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金による歯科レセプト審査の査定率が、全国平均よりもかなり高いということで、自民党の坂井学衆議院議員 (神奈川5区) の政治的圧力もあり?、上記のような介入が行われ、結局、査定率が全国で最も低い大阪府並みになりました。

(3)資料①・④・⑤の通り、審査委員からは、「審査の独立性が損なわれた」・「査定率は結果でしかない」・「他県の低い査定率の方を問題にすべきだ」 との批判が続出しました。また、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金も異例の事態に危機感を持ちました。
 これに対して、資料⑥の通り、厚生労働省保険局医療課歯科医療管理官は、「全国の基準を超えた神奈川独自の基準が問題。査定をしないよう求めたことはない」 と少し苦しい説明をしています。

(4)上記(3)の通り、レセプト審査においては、医科・歯科ともに、レセプト審査基準に、都道府県による独自基準・地域格差があり、現場の医療機関が一番困っています。
 厚生労働省は、中央官僚特有の 「全国一律」 の原則・査定率を主張し、一方、都道府県の支払基金・審査委員は 「審査の独立性」 に由来する? 「独自基準」 を主張しています。
 しかしながら、現場の医療機関が一番望むのは、(「全国一律の査定率」 でもなく、「都道府県独自の審査基準 (それに伴う地域格差)」 でもなく)、「全国一律の (地域格差のない、統一された) レセプト審査基準および審査基準の透明性・説明責任」 であり、そのことを関係者の方々にきちんと認識して頂きたいと思います。

(5)以上、「歯科レセプト審査に対する厚生労働省の介入による査定率の大幅減」 について論じました。

 特に、リハビリテーション医療におけるレセプト審査においては、他の診療報酬と異なり、リハビリテーションに関する理解不足等による理不尽査定・曖昧査定・地域格差・エビデンスのない査定・数字の辻褄合わせの経済審査が目立つ (特に国保) ため、関係者の方々には善処して頂きたいと切に思います。




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