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2010年度リハビリ診療報酬改定に対する各医療団体の要望

 前回の当ブログ記事 (回復期リハ病棟の評価に 「プロセス指標」・「構造指標」 の導入を提唱) にて、2010年度診療報酬改定に対する全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の要望を紹介しました。

 今回、2009年7月31日現在の各医療団体の2010年度リハビリテーション診療報酬改定に対する要望を下記に示します。

●日本病院団体協議会 (日病協) 「平成22年度診療報酬改定に関
 する要望書・第2報」
 [出典:CBニュース (2009/07/31)]

 ①急性期病院におけるリハビリテーションの評価を、「施設基準」 ではなく、
  「人員配置基準」 とすること。

 ②現在、「治療開始日」 や 「発症、手術または急性増悪」 からとなっている
  リハビリテーション起算日を、「リハビリテーションの開始日」 に変更す
  ること。

●リハビリ医療関連5団体連絡協議会
  [出典:Japan Medicine Mail (2009/7/29)]

 日本リハビリテーション医学会などリハビリ医療関連5団体連絡協議会は、次期診療報酬改定に向け要望事項の協議を進めている。
 最終要望書は検討中だが、急性期リハビリの実施を推奨するため、疾患別リハビリ点数体系の中に、新たに 「総合リハビリテーション料」 の設定を要望することについて合意した。

●全国自治体病院協議会 「重点要望項目」 (2009/7/15)

 ①リハビリテーション料・疾患別の廃止 (理学療法料等の復活)
  ◎現行の疾患別リハビリテーションは、重複する疾患や廃用症候群など整理
   困難な問題を抱えており、また、治療内容として理学療法、作業療法、言
   語聴覚療法の区別が無視されており、必要な治療別にすることが患者にと
   っても理解が得られるので理学療法料等へ改正すること。

 ②早期リハビリテーション加算の起算日
  ◎入院時 (発症時・受傷時) において持続点滴・酸素吸入などのライフライン
   が接続されており、救命・治療に専念され、リハビリが実施できないこと
   がある。発症・受傷日からの算定開始では 「早期加算」 の算定がほとんど
   出来ないため算定要件を見直し、リハビリが可能になった時点から、同じ
   期間、加算を取れる
ように改正すること。

●日本慢性期医療協会 「平成22年度診療報酬改定に係る要望
 書」 (2009/7/16)


 ①回復期リハビリテーション病棟
  (1) 回復期リハ病棟の診療の質は重症割合15%、在宅復帰60%で評価されて
   いるため軽度の患者を選択しがちである。即ち、合併症のある脳卒中患者
   の入院を制限する傾向にある。そのため、重症割合30%以上、在宅復帰40
   %というような2段階の評価を考えて欲しい。また在宅復帰先の施設に老
   人保健施設を含めて欲しい。
  (2) 回復期リハ病棟では透析手技料が入院料に含まれ透析費用が請求できな
   いため、透析患者を敬遠しがちである。療養病床において回復期リハと同
   様のリハ環境を整備することは診療報酬上からみても難しいため、結果と
   して透析患者に十分なリハを提供できていないのが現状である。回復期リ
   ハ病棟で透析手技を算定しても全体としての医療費が増大するわけではな
   く、むしろ透析患者の社会復帰率を向上させることにつながると思われる
   ため、透析手技の算定を認めてほしい。

 ②維持期リハビリテーション
  (*) リハビリテーションの回数を1日1単位、月20単位までとして欲しい。

(1)これまでの医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定等に伴う下記の種々の問題点により、現在、「患者選別・患者切り捨て」・「リハビリ難民・介護難民」 が既に現実に生じているとされています。

 ①疾患別リハビリテーション体系の導入ならびにリハビリテーション算定日
  数上限 (標準的算定日数) の導入
 ②回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入
 ③障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の排斥
 ④医療療養病床の医療区分問題
 ⑤在宅医療システム・在宅ケアシステムの不備
 ⑥要介護認定の軽度化、区分支給限度額の据え置き
 ⑦介護保険の構造的問題 [区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)] に
  よる介護サービス利用制限
 ⑧介護保険リハビリテーション制限問題 (リハビリテーションマネジメント加
  算月8回問題)
 ⑨介護保険施設 (特に特養) の整備不足、等々。

(2)2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定においては、少なくとも上記(1)の①~⑤の改正・正常化が必要であり、特に、リハビリテーション医療においては、「疾患別リハビリテーション体系ならびにリハビリテーション算定日数上限 (標準的算定日数)」 および 「回復期リハビリテーション病棟の成果主義」 の適切な改定が望まれます。

(3)そのためには、下記の4つの疾患別リハビリテーション関連団体の緊密な連携が肝要と思われます。

 ①運動器リハビリテーション関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外
  科学会・日本運動器リハビリテーション学会)
 ②呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハ
  ビリテーション学会)
 ③リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハ
  ビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協
  会、日本言語聴覚士協会)
 ④日本心臓リハビリテーション学会

(4)次期2010年度診療報酬改定に向けて、リハビリテーション医療の正常化ならびに患者さん・障害のある方の安心・安全・納得・満足のために、また、「リハビリ難民・介護難民」 の解消および防止のためにも、(各疾患別リハビリテーション関連学会が、それぞれ独自の思惑・戦略に基づいて、単独で厚生労働省と交渉するのではなく)、上記の4つの疾患別リハビリテーション関連団体が、「合同で (スクラムを組んで)」、厚生労働省と交渉すべきと考えられます。




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回復期リハ病棟の評価に 「プロセス指標」・「構造指標」 の導入を提唱

 Japan Medicine (2009/7/29) に、回復期リハビリテーション病棟の成果主義に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●全国回復期リハ協:回復期リハの評価に 「プロセス指標」 と
 「構造指標」、質評価の強化策を提唱


 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会は、回復期リハビリテーション病棟入院料について、2008年度試行導入された 「質の評価」 を、アウトカム指標だけでなく、プロセス指標と構造指標を併用し、さらに充実するよう見直しを求める基本方針を固めた。
 石川誠会長 (初台リハビリテーション病院理事長) は27日、本紙の取材に対して、質の高いリハ提供施設を評価する前回改定からの考え方には基本的に賛成としながらも、「重症患者の受け入れが進んでいるが、それに見合う看護師やリハスタッフが配置されていない。この実態を放置すれば、回復期リハ施設で重症患者に適切なリハ量が提供できす、患者のADLが低下する事態につながる」 と問題提起した。

●約7割の病棟で365日・24時間のリハが提供されず

 現行の回復期リハビリテーション病棟入院料は、昨年度の改定で重症患者受け入れ率、在宅復帰率を基準に2段階の点数が設定された。
 特に、重症患者についてリハの成果を評価する重症患者回復病棟加算を新設し、診療報酬体系に質の評価の概念を試行的に導入している。

 しかし、同協議会が昨年9月に会員施設を対象にした調査によると、約7割の病棟で365日、24時間のリハ提供が実施されておらず、リハ提供単位数が平均4.5単位にとどまり、リハ実施単位数が4単位以下の病棟が4割以上存在することが判明した。
 さらに、日常生活機能評価 (いわゆる回復期リハ看護必要度) について必要人員配置数と実際の配置人数を見ると、重症患者の受け入れ数から必要と算定される人員数の半分程度の配置にとどまる施設が多いことも明らかになった。

 その一方で、同時に実施した調査では、リハ提供時間の増加に伴いADL改善が図られるとするエビデンスも明確になった。
 中でも1日7単位以上のリハを提供した場合にADL改善度が有意に上昇するほか、重度障害では1日7単位以上のリハ提供を行うと在宅復帰率が2倍以上に向上することが確認できたとしている。

●回復期リハ入院料は3段階に

 こうした調査結果を踏まえ石川会長は、回復期リハビリテーション病棟入院料を3段階に設定。
 特に、現行の重症患者回復病棟加算を廃止し、患者1人1日6単位以上を365日実施する体制を評価する 「リハ実施体制強化加算 (仮称)」 の新設を求める方向だ。

 最も点数の高い入院料1については、前回の改定で緩和した専任医師は専従医師1人以上に復活させ、専従の理学療法士と作業療法士を現行要件よりも1人ずつ増やすなど人員配置の要件を厳しくしている。
 また、病棟専従の社会福祉士を1名以上配置し、在宅復帰率60%は現状維持すべきとし、入院時重症者が40%を超す病棟は、在宅復帰率を50%以上に緩和する措置も必要としている。

 石川会長は、回復期リハ病棟の評価は中医協の検証部会が特別調査を、今月中にも開始する予定であることに言及。
 「具体的な議論は、その結果を踏まえてということになるだろうが、協議会として回復期リハビリテーション病棟入院料をさらに質の評価を充実させる方向で見直す方向を提示しておくことが必要だろう」 との考えを示した。

 さらに、同会長は、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括されているインターフェロン、抗がん剤などの高額薬剤、COPD (慢性閉塞性肺疾患) やSAS (睡眠時無呼吸症候群) に対する人工呼吸、透析については出来高算定として包括範囲から除外するよう要望していく考えだ。
 「不採算性が高いとして該当する患者の受け入れを拒否する事例があると聞いている。そうしたことがないように対応策を講ずることが必要だ」 と指摘した。

(1)2008年度診療報酬改定にて導入された 「回復期リハビリテーション病棟の成果主義 (アウトカム評価)」 により、現実に、「患者選別・患者切り捨て」 が生じているとされています。

 医療の質の評価において、欧米でさえも、評価指標の中心は、「アウトカム指標」 ではなく、「ストラクチャー (構造) 指標」・「プロセス (過程) 指標」 です。

(2)今回、上記の通り、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会が、2010年度診療報酬改定における 「回復期リハビリテーション病棟の質の評価の指標」 に、プロセス指標と構造指標を導入することを、厚生労働省に提唱することは良いことだ思います。(但し、遅きに失した感は否めませんが・・・)。

(3)現在、全国で5万床を超えた回復期リハビリテーション病棟ですが、「地域格差」・「リハビリテーションの質・量の病院間格差」 が未だに解消されていません。

 上記のような全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の要望が、2010年度診療報酬改定において採用され、全国的に 「回復期リハビリテーション病棟の質・量の向上・充実」 が実現し、「患者選別・患者切り捨て」・「リハビリ難民・リハビリ棄民」・「介護難民・介護棄民」 が少しでも解消されることが望まれます。




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脳卒中地域医療連携 (急性期病院の 「回復期リハ病棟」 等への希望)

 国立循環器病センター内科脳血管部門・秋田県立脳血管研究センター・聖マリアンナ医科大学神経内科・国立病院機構九州医療センター脳血管内科の共同研究論文 「脳卒中地域医療の現状を把握するための全国アンケート調査-急性期病院の現状-」 (脳卒中31: 67-73, 2009) において、急性期病院の 「回復期リハビリテーション病棟、一般診療所、維持期施設・事業所 (入院、入所、通所および訪問)、周辺地域の連携構築、自治体 (市町村、広域連合体など)」 への希望が掲載されていますので、下記に示します。

【表2.脳卒中地域連携に関する質問】 (一部改変)

●回復期リハ病棟に希望すること (複数回答可)
 ①待機期間を短くしてほしい (51.9%)
 ②リハビリ機能を充実させてほしい (48.7%)
 ③入院基準を緩和してほしい (36.8%)
 ④脳卒中患者の医療情報を共有したい (36.1%)
 ⑤在宅生活支援に力をいれてほしい (30.0%)
 ⑥連絡会やカンファレンスなどを定期的にもちたい (23.1%)
 ⑦脳卒中患者の介護情報を共有したい (15.8%)
 ⑧問い合わせ窓口を簡略化してほしい (14.1%)
 ⑨介護保険意見書を積極的に作成してほしい (11.8%)
 ⑩特になし (6.3%)
 ⑪その他 (3.8%)

●一般診療所への希望 (複数回答可)
 ①維持期脳卒中患者の外来フォローアップ (74.0%)
 ②在宅生活支援に力をいれてほしい (48.5%)
 ③脳卒中患者の医療情報を共有したい (32.3%)
 ④介護保険意見書を積極的に作成してほしい (27.9%)
 ⑤連絡会やカンファレンスなどを定期的にもちたい (17.6%)
 ⑥脳卒中患者の介護情報を共有したい (16.4%)
 ⑦特になし (5.2%)
 ⑧問い合わせ窓口を簡略化してほしい (3.1%)
 ⑨その他 (1.1%)

●維持期施設・事業所 (入院、入所、通所および訪問) への希望 (複数回答可)
 ①待機期間を短縮してほしい (67.6%)
 ②リハビリを充実させてほしい (54.6%)
 ③入院入所基準を緩和してほしい (46.0%)
 ④在宅生活支援に力をいれてほしい (34.9%)
 ⑤脳卒中患者の医療情報を伝達してほしい (16.4%)
 ⑥介護保険意見書を積極的に作成してほしい (14.5%)
 ⑦脳卒中患者の運動機能や日常生活動作に関する情報を伝達してほしい
   (13.7%)
 ⑧リハビリ以外のサービス内容を充実させてほしい (13.5%)
 ⑨連絡会やカンファレンスなどを定期的にもちたい (12.8%)
 ⑩問い合わせ窓口を簡略化してほしい (10.1%)
 ⑪特になし (4.4%)
 ⑫その他 (1.9%)

●周辺地域の連携構築での希望(複数回答可)
 ①自治体と医療・介護従事者が協力した連携づくり (43.9%)
 ②連絡会などのコミュニケーションの場がほしい (34.0%)
 ③脳卒中患者の医療情報を共有したい (29.2%)
 ④医療・介護従事者主体の連携づくり (28.6%)
 ⑤自治体主体の連携づくり (18.7%)
 ⑥脳卒中患者の介護情報を共有したい (16.8%)
 ⑦特になし (9.4%)
 ⑧その他 (1.3%)

●自治体 (市町村、広域連合体など) への希望 (複数回答可)
 ①みんなが協働する意識を高める環境をつくってほしい (66.8%)
 ②脳卒中患者の医療および介護の現状をもっと調べてほしい (48.9%)
 ③地域における医療および介護に関する情報をもっと提供してほしい
   (33.0%)
 ④施設・事業所の意見をもっと聞いてほしい (20.0%)
 ⑤その他 (4.6%)

(1)上記の 「回復期リハ病棟に希望すること」 の結果において、急性期病院が回復期リハビリテーション病棟に対して希望している 「待機期間の短縮」・「リハビリ機能の充実」・「入院基準の緩和」 などが改善すれば、急性期病院の在院日数の短縮や、地域でのより有効なリハビリテーションの提供が期待でき、急性期病院と回復期リハビリテーション病棟との連携がより緊密になることが期待されています。

 また、上記の 「一般診療所への希望」 の結果において、一般診療所が 「維持期脳卒中患者の外来フォローアップ」・「在宅生活支援」 に力を入れることで、急性期病院から在宅への流れがよりスムーズになると予想され、一般診療所が 「脳卒中患者が自宅へ退院後にもシームレスに、いつでも医療・介護の相談ができるような役割」 を果たすことが期待されています。

 さらに、上記の 「維持期施設・事業所 (入院、入所、通所および訪問) への希望」 の結果において、急性期病院から維持期施設・事業所への希望として、「待機期間の短縮」・「入院入所基準の緩和」・「リハビリの充実」・「在宅生活支援」 が多く、「待機期間の短縮」 では急性期病院の入院期間の短縮が期待されています。
 また、「リハビリの充実」には、医療保険および介護保険での維持期リハビリテーションを行う専門職の充実が必要とされています。

 他方、周辺地域の連携構築および自治体 (市町村、広域連合体など) への希望も高く、特に、自治体に 「みんなが協働する意識を高める環境をつくってほしい」 と希望しており、自治体の医療・介護を担当する部署が調整役となり、一般住民からの意見収集、連携のためのアイデアの提供、会議や連絡会の開催などを行うことで、周辺地域の連携がより推進されことが期待されています。

(2)一方、国立循環器病センター内科脳血管部門・秋田県立脳血管研究センター・聖マリアンナ医科大学神経内科・国立病院機構九州医療センター脳血管内科・全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の共同研究論文 「脳卒中地域医療の現状を把握するための全国アンケート調査-回復期リハビリテーション病棟の現状-」 (脳卒中30: 735-743, 2008) において、「回復期リハビリテーション病棟から急性期病院への希望」 として、下記のようなことが挙げられています。

回復期リハビリテーション病棟から急性期病院への希望

 ①マイナスな面も含めて十分な医療情報を伝達してほしい (62.0%)
 ②患者が急病の時に、すぐに受け入れてほしい (60.8%)
 ③急性期の運動機能や日常生活動作に関する情報がほしい (36.5%)
 ④リハビリスタッフの意見が記入された紹介状が欲しい (25.3%)
 ⑤リハビリ機能を充実させてほしい (21.7%)
 ⑥連絡会やカンファレンスなどを定期的にもちたい (17.5%)
 ⑦在宅生活支援に力をいれてほしい (9.6%)
 ⑧問い合わせ窓口を簡略化してほしい (8.4%)
 ⑨介護保険意見書を積極的に作成してほしい (8.4%)
 ⑩その他 (7.8%)
 ⑪特になし (6.6%)

(3)しかしながら、現在、これまでの医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定等に伴う下記の種々の問題点により、「患者選別・患者切り捨て」 (特に脳卒中・認知症) が既に生じており、脳卒中医療・脳卒中リハビリテーションにおけるシームレスな地域連携を大きく阻害していると思われます。
 そして、それが 「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に拍車をかけていると考えられます。

  ①疾患別リハビリテーション体系の導入ならびにリハビリテーション算定
   日数上限 (標準的算定日数) の導入
  ②回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入
  ③障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の排斥
  ④医療療養病床の医療区分問題
  ⑤在宅医療システム・在宅ケアシステムの不備
  ⑥要介護認定の軽度化、区分支給限度額の据え置き
  ⑦介護保険の構造的問題 [区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)]
   による介護サービス利用制限
  ⑧介護保険リハビリテーション制限問題 (リハビリテーションマネジメント
   加算月8回問題)
  ⑨介護保険施設 (特に特養) の整備不足、等々。

(4)上述の通り、脳卒中の地域医療連携および地域リハビリテーション連携においては、様々な多くの (且つ、一時的・姑息的な対策では解決できない) 阻害因子が存在しており、また、医療・介護の関係者だけでは到底対処できない多くの難問題が横たわっています。

 したがって、

  ①総医療費の増額 (医療再生→社会保障再生)
  ②医師 (特に勤務医) 不足の解消、医師の地域偏在・診療科偏在の解消
  ③患者・家族の意識改革 (チーム医療への積極的な参加、「医療の不確実性・
   限界・リスク」 および 「コンビニ受診・モンスターペイシェントの弊害」
   に対する充分な理解、等)
  ④マスメディア・オピニオンリーダーの医療崩壊・社会保障崩壊に対する
   正確な理解・報道・情報発出
  ⑤為政者 (政治家・官僚) の医療崩壊・社会保障崩壊に対する正確な理解と
   それに対する実効性の高い施策

等々、抜本的な対策が切に望まれます。




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中医協 (回復期リハ病棟に導入された 「質の評価」 の効果の実態調査)

 中央社会保険医療協議会 (中医協) は4月15日、診療報酬改定結果検証部会を開催し、5項目の 「平成20年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査 (平成21年度調査)」 (資料1参照) を年度内に実施することを決めました。

 その内、『回復期リハビリテーション病棟入院料において導入された 「質の評価」 の効果の実態調査』 については、資料2の通りです。

 2008年度診療報酬改定において導入された 「回復期リハビリテーション病棟における成果主義」 に関しては、既に 「患者選別」・「リハビリ難民」・「介護難民」 等の問題点が顕在化しており、上記の実態調査において、回復期リハビリテーション病棟の現状における 「より正確なデータ」・「真のエビデンス」 が把握され、2010年度診療報酬改定に適切に反映されることが望まれます。

 基本的には、回復期リハビリテーション病棟における 「質の評価」・「P4P (Pay for Performance)」 においては、「患者選別」 等の問題を惹起しやすい 「アウトカム評価」 よりも、「プロセス評価」 および 「ストラクチャー評価」 を重視すべきと考えられます。

(資料1) 平成20年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査 (平成21年度調査) の
    実施について (案)


1.目 的
 平成20年5月21日に中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会 (以下、「検証部会」 という) において策定された 「平成20年度診療報酬改定結果検証特別調査項目について」 に基づき、特別調査 (平成21年度調査) を実施し、検証部会における平成20年度診療報酬改定の結果検証のための資料を得ることを目的とする。

2.調査の実施方法
 特別調査は、外部委託により実施することとし、実施に当たっては、調査機関、検証部会委員、関係学会等により構成された 「調査検討委員会」 により、具体的な調査設計及び集計、分析方法の検討を行う。

3.調査項目
 以下に掲げる5項目の調査について平成21年度当初より着手することとする。
  ①明細書発行の一部義務化の実施状況調査 (別紙1)
  ②医療機関における医療機能の分化・連携に与えた影響調査 (別紙2)
  ③回復期リハビリテーション病棟入院料において導入された 「質の評価」 の
   効果の実態調査 (別紙3)

  ④歯科外来診療環境体制加算の実施状況調査 (別紙4)
  ⑤ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査
    (別紙5)

(資料2) 別紙3.回復期リハビリテーション病棟入院料において導入された 「質
        の評価」 の効果の実態調査 (案)


<調査概要>
 試行的に導入された 「質の評価」 により、患者の状態の改善の状況はどうなっているのか。又、患者の選別が行われていないか等の調査を行う。

<主な調査項目>
 ①回復期リハビリテーション病棟入院料1又は2を算定している施設毎の入退
  院時の患者の状況
 ②居宅等への復帰率、重症患者の受け入れ割合
 ③リハビリテーション提供体制

<調査客体>
 「回復期リハビリテーション病棟入院料」 を算定している保険医療機関の中から抽出した保険医療機関 (抽出方法及び客体数は調査検討委員会で決定)

<調査スケジュール>
 平成21年5月   調査機関の選定
 平成21年6月   「調査検討委員会」 における調査設計、調査票等の検討
          調査客体の選定
 平成21年7~8月 調査実施
 平成21年9月   調査票回収、集計
 平成21年10~11月 調査結果報告




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脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄氏)

 朝日新聞 (2009/3/2) の 「私の視点」 に、免疫学の世界的権威であり、また、脳梗塞による重度後遺症の御身で、卓越した情報発信力・揺るぎない信念にて厚生労働省の 「リハビリテーション算定日数制限問題」 等の理不尽な政策を糾弾してこられた多田富雄・東京大名誉教授の鬼気迫る文章が掲載されています。

●脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄・東京大名誉教授)

 後遺症で身動きもままならないのに、入院中の病院から出ていってくれといわれた患者。転院を迫られても引き受けるところが見つからない重症者。帰るに帰れない事情を背負ったまひ患者。リハビリを打ち切られて極度に機能が落ちた重度の障害をもつ者。

 声を上げることができない脳卒中の患者が、行政から見放されている。「医療の効率化」 の名の下に重症者が選別され、国から見捨てられた棄民と化している。

 ウソだと思う人もいるだろうが、日本リハビリテーション医学会の最近のアンケートで、回復期リハビリ病棟の専門医の約2割が 「患者を実際に選別している」 と認め、約半数の医師が 「その可能性がある」 と答えているのだ。選別しなければ病院の経営が成り立たないような制度が相次いで施行されたためである。私の周囲でも、悲惨な患者の例を頻々と耳にするようになったのである。

 私は2001年に重症の脳梗塞になり、いまだに言葉を発することも、歩くこともできない。しかしリハビリ訓練を続けたおかげで。かろうじて社会復帰をしている。

 しかし、リハビリをめぐる状況は、この3年で急速に悪化している。

 発端は2006年の診療報酬改定である。政府は、超高齢化社会に対応して社会保障費を増やすどころか削減し、脳卒中のため障害を負った患者のリハビリ医療を、発症から起算して最高180日に制限した。これを機に、脳卒中患者の苦しみは、日を追って絶望的なものになった。

 日数制限の撤廃を求める署名は48万人に達したが、厚生労働省はそれを握りつぶし、翌07年の異例の再改定では、心筋梗塞などごく一部を日数制限から外して、緩和したように見せかけただけだった。

 逆に、日数を超えてリハビリを続ければ、病院には低い診療報酬しか支払われないようになり、慢性期の脳卒中患者のリハビリ継続はますます難しくなった。ことに救急車では込み込まれた重症の患者は、発症日から60日以後は回復リハビリ病棟に移ることもできなくなり、リハビリを始めることさえできない。初めから回復のチャンスが奪われてしまったのである。

 さらに、2008年10月からは治療結果による病院の”懲罰制”まで導入された。回復期リハビリ病棟に入院後180日以内に自宅やそれに準ずる施設に退院した患者が6割を超えないと、病院に支払われる報酬が大幅に減額される。病院はノルマを達成するために、治療途中の患者を自宅に帰さなければならない。そのためリハビリの期間は短くなり、治療半ばで中止させられる例も多い。中には点滴の管をつけたまま、自宅に退院させられる患者まで現れた。退院しても 「老老介護」 では、通院治療もままならない。

 そのうえ、慢性期のリハビリは介護保険のデイケアでやれといって、退院後の機能回復の機会を奪った。リハビリは患者の個別性に応じて行う専門的な医療であり、介護施設のデイケアなどでは対処できるものではないのだ。

 改善が目に見えないからといってリハビリを続けなければ致命的な機能低下が起こることを無視した日数制限の結果、寝たきりになった人が幾人いることか。残った機能の維持こそ命を救い社会復帰させる医療なのに。

 リハビリは単なる機能回復の訓練ではなく、社会復帰を含めた人間の尊厳を回復する医療なのである。患者や医師、リハビリ施設の職員たちから苦悩の声があがっても、厚労省は言を左右に、医師や病院の責任にして自分たちの非を認めない。脳卒中患者を抜き打ち的に狙った迫害、としか言いようがない。

 相次いだ制度の改悪によって、脳卒中の治療に熱心だった病院の収入は減り、重症の患者は初めから受け入れない傾向が生じた。そしてついには、最初に述べた患者の選別までが起こったのだ。

 これが 「文明国」 と称する日本の現状である。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 と定めた憲法25条は、脳卒中患者には当てはまらないとでもいうのだろうか。

 リハビリをすれば社会復帰できたのに、寝たきりになった患者の人権はどうなるのか。最後の命綱を断ち切られて、命を落とした人に涙を注がないのか。この日本で、難民ではなく医療を奪われた棄民が発生したのだ。

 リハビリ医療の度重なる制度改悪は、最弱者である患者の最後の希望を打ち砕き、医師や療法士のやる気をなえさせ、病院を疲弊させた。

 医療は崩壊ではなく、破壊されたのだ。

 最弱者を狙い撃ちにするような非人間的な制度は、即刻撤廃するべきである。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)多田名誉教授は、下記のような現在の医療行政の失政および医療制度改悪について鋭く指摘されています。

 (a) 医療費亡国論、小泉竹中構造改革、膨大な財政赤字 (官僚・与党議員等が何
  ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政
  再建至上主義 (財政再建原理主義) 等による 「医療費抑制・医師不足による医
  療崩壊・医療破壊 (特に、勤務医・病院)」


 (b) 「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点」 より、「財政再建の視
  点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生
  労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視
  点・市町村の視点」 等の方を重視してきた厚生労働省

 (c) 平均在院日数の呪縛

 (d) 2006年の診療報酬改定で導入された 「リハビリテーション算定日数制限」
  よび厚生労働省の見せかけの緩和策

 (e) 医療保険において、リハビリテーションを継続することにより 「状態の改善」
  が得られる場合しか算定を認めない厚生労働省
   (*) 「状態の維持」 および 「状態の低下傾向の可能な限りの抑制」 も重要であ
   り、このことは、症例によっては、「状態の改善」 と同等あるいはそれ以
   上に難しいタスクです。したがって、介護保険リハビリテーションでは
   困難 (平成21年度介護報酬改定で導入される短時間通所リハビリテーショ
   ンでも困難) であり、医療保険での集中的かつ濃厚なリハビリテーション
   が必要な場合が少なくありません。

 (f) 2008年10月に導入された 「障害者病棟からの脳卒中患者・認知症患者の排除」

 (g) 量的・質的に不充分な回復期リハビリテーション病棟、発症・手術・損傷か
  ら同病棟入院までの期間の制限 [2ヵ月以内 (一部、1ヵ月以内)] 、2008年10
  月から導入された 「患者選別」 を強要する同病棟への成果主義 [在宅復帰率等
  のアウトカム評価 (通常の成果主義は、プロセス評価が主)]

 (h) 医療療養病床の理不尽な医療区分の問題・不充分な診療報酬の問題

 (i) 量的・質的に不充分かつ経営的に不安定な介護保険施設

 (j) 不充分な在宅ケア体制

 (k) 要介護度の軽度化、介護給付費の抑制、老老介護・介護殺人・介護自殺・孤
  独死等の介護保険の構造的問題 (含、本来の理念 「介護の社会化」 の空疎化)

(2)我々リハビリテーション関係者も、多田名誉教授の忸怩たる思いと腹の底からの叫び・主張・提言を、真摯に受け止め、自らの力不足・努力不足・認識不足・行政へのアピール不足・厚生労働省の分断作戦によるリハビリテーション関連団体の分断・分裂等を深く反省しなければならないと思います。

(3)リハビリテーション (特に、診療報酬・介護報酬) において、下記のように、立場が違うと、それぞれの思惑が大分異なります。

 (a) リハビリテーション関連団体
  (1) 整形外科関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本
    運動器リハビリテーション学会)、
  (2) 日本呼吸器学会・日本呼吸ケアリハビリテーション学会
  (3) 日本心臓リハビリテーション学会
  (4) リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会・日本
    リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業
    療法士協会、日本言語聴覚士協会)

 (b) 各リハビリテーション・ステージ (急性期、回復期、維持期)

 (c) 各診療科 (整形外科、内科、小児科、脳神経外科・神経内科、呼吸器内科・呼
  吸器外科、循環器内科・心臓血管外科、リハビリテーション科、等)

 (d) 各職種 (医師、PT、OT、ST、あん摩マッサージ指圧師、看護師、准看護
  師、柔道整復師)

 (e) 医療機関 (大学病院等特定機能病院、大病院、中小病院、診療所。総合病院、
  専門病院、等)

 (f) 医療保険 [医療機関、(施術所、治療院、鍼灸院、鍼灸マッサージ院、整骨院、
  接骨院)]、介護保険 (介護保険施設・居宅サービス事業所)、障害者自立支援法

 (g) 民間医療機関、公的医療機関

(4)上記(3)の立場の違い・思惑の違いにつけ込んで、厚生労働省は分断作戦を敢行し、勝利を収めてきました。そしてそれが、多田名誉教授が嘆かれている診療報酬改悪・介護報酬改悪・医療制度改悪に繋がってきました。

 したがって、我々リハビリテーション関係者は、リハビリテーションの理念の原点に戻り、上記(3)の様々な立場を超えて、足並みを揃え、「患者さん・障害のある方」 の視点に立った行動をとり、以て、我々の使命・責務を果たす必要があると思います。
 また、リハビリテーション効果の更なるエビデンスを示していく責任もあると考えられます。

(5)以上、多田名誉教授がお書きになった文章 (脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」) について論じました。

 多田名誉教授が指摘された様々な問題点を包含するリハビリテーションの現状を打破するためには、我々リハビリテーション関係者のみならず、厚生労働省とも足並みを揃える必要があり、行政・政治・マスメディア等を巻き込んだ包括的なアプローチが肝要と考えられます。

 そしてそれが、「医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 ならぬ 「医療棄民 (特に、脳卒中、認知症)・救急棄民・リハビリ棄民・介護棄民・障害者棄民」 の出現防止に繋がると考えられます。




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