1. Top » 
  2. 消費税増税

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

  • Genre:

「介護認定基準、再修正へ」 (NHK解説委員の見解)

 NHK解説委員室ブログ (2009/8/6) の 『スタジオパークからこんにちは 「暮らしの中のニュース解説」』 カテゴリーに、新要介護認定制度の再修正に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

介護認定基準、再修正へ

(稲塚キャスター)
 介護保険のサービスをどれだけ受けられるかを判定する 「要介護認定」 の基準が、今年10月から再び見直されることになりました。
 厚生労働省は、今年4月に基準を見直したばかりでしたが、わずか半年でまた見直されることになりました。
 藤野解説委員とお伝えします。

(Q1)
 4月に始まったばかりの基準がもう見直される。
 なぜこんなことになったのか。


(A1)
 原因は、4月以降、これまでより要介護度が軽く判定される人が相次いでいるからです。
 このグラフ (註:省略) を見てください。
 これは、全国の自治体の今年4月と5月の認定結果をまとめたものです。
 要介護度は、要支援1から要介護5まで7段階に分かれているのですが、結果をみると、「非該当」、つまり、介護の必要なしと判定された人が、1年前と比べて2倍以上に増えた。
 またグラフ全体を見てみても、軽い人の割合が増えています。
 要介護度が軽く判定されると、介護保険で受けられるサービスの内容がかわってきて、これまでのサービスが受けられない人が出てきます。
 そうした人が増えないように、厚生労働省は、もう一度基準を修正して、10月から再スタートしようという判断をすることになったわけです。

(Q2)
 具体的に、どのような見直しが行われるのか?


(A2)
 これ (註:図省略) は、介護認定の流れです。
 市町村に申請を出すと、調査員による聞き取り調査をもとに、一次判定が行われ、そのあと医師や介護の専門家による二次判定が行われます。
 今回は、4月に変更された、調査員による聞取り調査の方法を見直すことになります。
 聞き取り調査の項目74項目のうち43項目が再修正されます。
 そして、具体的にどうかわるか、一言でいいますと、4月以前の基準に近いものに戻すということなんです。

①例えば 「ひどい物忘れ」 の項目。
 今は、火の始末を忘れても、本人が何もしなければ、物忘れとはみなさないとなっていて、意味がよくわかりませんよね。
 現場の人たちから、これでは本人が火を消すのを忘れて火事になりそうになっても、物忘れがないことになるのかという疑問が出ていました。
 このため、修正後は、本人が何もしなくても、周囲の人が火の始末をせざるを得ない場合は 「物忘れ」 とみなすことになっています。

②また、「座位保持」 の項目。
 座ったままの姿勢をどのくらい保てるか、という項目ですが、今の基準は、座った姿勢を1分程度保てれば 「できる」 とみなすことになっていました。
 修正案では、10分程度保てた場合に初めて 「できる」 とみなすことにするとしています。

(Q3)
 これで、以前より要介護度が軽く判定されることはなくなるのか


(A3)
 この案で、厚生労働省が、全国およそ1万人を対象にシュミレーションした結果、4月の見直し前の判定結果とほぼ同じになったので、極端に軽くなることはないとしていますが、実際にスタートしてみないとわかりません。

(Q4)
 この話。
 見直し前から、介護現場や利用者からの不安が広がって、対応が二転三転してきたが原因は何か?


(A4)
 一番は、厚生労働省に、現場や利用者の声を汲み取って、制度を改善しようという姿勢が欠けていたこと。
 今の基準を現場に周知するための期間はわずか3か月でしたし、見直し案を作る段階でも、現場の声をもっと反映させる方法を考える必要があったと思います。
 こうした厚生労働省の姿勢に、現場からは、介護費用を低く抑えるために、軽い判定結果がでるように誘導しているのではないかという批判も出ていました。
 一連の混乱は、制度への信頼を失わせる結果となってしまったと言わざるを得ないと思います。

(Q5)
 今後の課題は?


(A5)
 やはり、再修正された基準が果たして妥当なものかどうか、10月以降も検証を続ける必要があります。
 特に今の基準は、在宅で介護を受けている人の実態にあっていないという指摘もあります。
 今の基準は、施設で介護を受けている人を対象に行った調査をもとにつくられているからです。
 介護サービスを受けている人の7割は在宅ですから、利用者の実態に合わせた基準づくりを進める必要があると思う。

(Q6)
 介護サービスを利用している人が、実態にあった判定をしてもらうためにはどういうことに気をつければいいのか。


(A6)
 まず、本人や家族は認定の仕組みをよく知ること。
 また、調査員に伝えたいポイントを事前にメモにしてまとめておくことが必要です。
 聞きとり調査を受ける時には、日ごろ介護している家族などが立ち会って、今のサービスで不足していること、困っていること、頻度など、具体的に伝えることが重要だと思います。

(1)以前の当ブログ記事 (新要介護認定制度2009:要介護度の軽度化にて、半年で再修正へ) でも述べましたが、(建前上、) 「介護認定訪問調査員の主観を排除し、要介護度の地域間の認定のばらつきを解消するため」 に2009年4月に導入された新要介護認定制度が早くも大幅な再修正を受けることになりました。

 新要介護認定制度導入の本音は、

  ①制度改正により、介護認定審査会での2次判定による不適切な変更を是正
   する。(註:あくまで、厚生労働省の視点での 「不適切」 な変更)。

  ②要介護度を軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の抑制・市町村負担の
   抑制。

とされています。

(2)以前の当ブログ記事 [介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史参院議員) と政府答弁書] でも強調しましたが、次期政権には、

①先ず、国民の安全・安心・納得・満足の実現を最優先に考える。
   ↓
②量・質ともに充分なレベルの介護保険制度に必要な予算および必要な介護給付
 費を確保する (介護給付費抑制のための 「要介護認定制度改正による要介護度
 の軽度化および介護報酬改定 (含、区分支給限度額の据え置き)」 は可及的速や
 かに改正する)。
   ↓
③そのための財源を確保する (その際、安易な 「介護保険料の引き上げ・介護サ
 ービス利用者の自己負担の引き上げ・市町村負担の増大」 は控える)。
   ↓
④そのために、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 以外の分野
 における 「税金の無駄遣い」 を止め、且つ 「(一般国民の目線から見た) 優先順
 位の低い事業」 は、予算執行を先送りするあるいは中止する (消費税増税は最
 後の最後の手段!)。

という新しい発想 (一般国民の目線での発想) で、現在の 「介護崩壊・介護難民・介護棄民・社会保障崩壊」 の負のスパイラルから、「介護再生・社会保障再生」・「国民の安心・安全・納得・満足が得られる社会」 の実現を達成して頂きたいと思います。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

スポンサーサイト

平成22年度診療報酬改定に係る要望書・第2報 (日本病院団体協議会)

 日本病院団体協議会 (日病協:国立大学附属病院長会議、独立行政法人国立病院機構、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本私立医科大学協会、日本精神科病院協会、日本病院会、日本慢性期医療協会、独立行政法人労働者健康福祉機構) が、厚生労働省保険局長宛に提出した 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)」 (2009/7/31) を下記に示します。

●平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)-日病協-

 日本病院団体協議会は、崩壊しつつある病院医療の再生のために、平成21年4月16日付で 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第1報)」 を提出した。
 第1報では、医師不足に起因した日本の病院医療崩壊の現状、看護師不足に起因した病院閉鎖の現状を述べるとともに、下記の2項目を要望した。

 1.入院基本料の根拠に基づく算定方式の創設と増額
 2.介護 (看護補助) 業務の確立と看護基準の柔軟な運用

 この度、平成22年度診療報酬改定において、上記2項目とともに病院医療全般に関して次の事項を要望する。

1.入院医療全般について

(1)入院基本料の根拠に基づく算定方式の創設と増額

 病院医療の再生に向け、根拠に基づく算定方式の創設と入院基本料の増額を要望する。
 *平成22年改定においては、医療経済実態調査、各病院団体の経営調査等
  の結果を反映し、実態に即した入院基本料の増額を要望する。
 *短中期的課題として根拠に基づく入院基本料の算定方式の創設が必須で
  ある。このためには診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会
  等、専門的な議論が可能な組織での立案、検証が行われるべきである。
 *また、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハ職員、MSW、PSW
  等の多専門職によるチーム医療を評価し、入院基本料に加算することを
  要望する。

(2)介護 (看護補助) 業務の確立と看護基準の柔軟な運用
 医療の安全と質を向上させるとともに、慢性的に不足している看護職員にとって働きやすい職場を創造するために、以下を要望する。
 *7:1、10:1入院基本料の病棟においても、現実には介護 (看護補助)
  業務も多く、介護 (看護補助) 職を配置せざるを得ない。上記病棟におい
  て、看護補助加算を算定可能とするとともに、介護 (看護補助) 職の夜勤
  に対する評価を要望する。
 *病棟における患者の状態によっては、医療安全のために3名以上の夜勤
  看護師が必要となる。さらに、小規模な病棟では月平均夜勤72時間の基
  準を満たすことは不可能である。看護基準において、72時間の制限を緩
  和するとともに、2人夜勤体制は看護職員不足等の現実を考慮し、その
  一部を介護 (看護補助) 職の適応を認めるなど、現場の状況に応じた柔軟
  な対応を可能とすることを要望する。
 *日勤のみ勤務者や短時間労働者の雇用を促進するために月平均夜勤時間
  の算定において月夜勤時間数16時間以下の者も含めることを要望する。
 *1週あたり40時間労働は日本における全産業の労働時間の基本である。
  夜勤専従看護師においても例外ではなく、このように診療報酬によって
  労働時間の制限を規定することは避けるべきである。

(3)医師事務作業補助体制加算の適用拡大
 *入院医療全般にわたり医師事務作業は増加しており、その補助体制加算
  の点数を引き上げるとともに、すべての病院に対する加算に適用拡大す
  ることを要望する。

(4)診療情報の電子化加算の正当な評価
 *電子カルテやオンラインレセプトなど診療情報のIT化を推進するため
  必要な費用を診療報酬上正当に評価した電子化加算を要望する。

2.急性期入院医療について

(1)「入院時医学管理加算」 の見直し
 *平成20年度改定での見直しは現実に即したものではない。現状を勘案し
  た運用に変更すべきである。

(2)「救急搬送受け入れ加算」 の創設と 「緊急手術加算」 の増額
 *円滑な救急医療体制の構築においては三次救急 (救命救急センター) への
  患者一極集中を緩和する必要がある。しかしながら、二次救急医療体制
  の維持や緊急手術に備えるためには、多くの人件費等の固定支出が必要
  である。「救急搬送受け入れ加算」 の創設と 「緊急手術加算」 の増額を要
  望する。

(3)DPC救急入院時の評価
 *DPC対象病院への救急入院時、診断確定までの診療報酬を出来高方式
  とすることを要望する。

3.慢性期入院医療について

(1)医療療養病床における緊急対応の評価
 *在宅や介護保険施設などで療養中の慢性期患者が急変した場合の入院に
  ついて、「緊急対応入院加算」 の創設を要望する。

(2)急性期病床からの積極的受け入れの評価
 *急性期病棟から、医療区分2、3に相当する患者を受け入れる場合、30
  日間の 「医療対応初期加算」 の創設を要望する。

4.精神科医療について

(1)精神病棟入院基本料の増額
 *精神科の入院料は他科に比べ著しく低く、精神科入院基本料の大幅な増
  額を要望する。

(2)精神科救急・合併症入院料の算定要件の緩和
 *精神科疾患患者の身体合併症への対応を図るため、算定要件の大幅な緩
  和を要望する。

(3)児童精神科医療の充実
 *児童精神科医療の充実を要望する。

5.リハビリテーションについて

(1)急性期病院におけるリハビリテーションの評価
 *ベッドサイド・リハが中心となる急性期病院については、「施設基準」 で
  はなく、「人員配置基準」 として評価することを要望する。

(2)リハビリテーション起算日の変更
 *各疾患において、リハビリテーションの開始はその個々の病態において
  大きく異なる。リハビリテーション起算日は、リハビリテーション開始
  日とすることを要望する。

(3)維持期リハビリテーションの適用拡大
 *医学的に長期にわたるリハビリテーションを要する疾患・病態について、
  根拠に基づく適用の拡大を要望する。

6.外来診療について

 外来の診療報酬については、病院・診療所の一物多価を改めるとともに、現行の同日多科受診時における第2科以降の診療報酬の算定不可を改める必要がある。
 *再診料等の同一診療行為は同一診療報酬とすることを要望する。
 *同日多科受診時、第2科以降もすべて同様の算定を可能とすることを要
  望する。

(1)上記の通り、日本病院団体協議会の 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)」 において、リハビリテーション医療の分野では、下記の3つの要望が成されています。

 ①急性期病院におけるリハビリテーションの評価
  ◎ベッドサイド・リハビリテーションが中心となる急性期病院について
   は、「施設基準」 ではなく、「人員配置基準」 として評価する。

 ②リハビリテーション起算日の変更
  ◎各疾患において、リハビリテーションの開始はその個々の病態におい
   て大きく異なるため、リハビリテーション起算日は、リハビリテーシ
   ョン開始日
とする。

 ③維持期リハビリテーションの適用拡大
  ◎医学的に長期にわたるリハビリテーションを要する疾患・病態につい
   て、根拠に基づく適用の拡大を行う。

 その他の各団体のリハビリテーション診療報酬に対する要望ならびに各種問題点に関しては、以前の当ブログ記事 (『回復期リハ病棟の評価に 「プロセス指標」・「構造指標」 の導入を提唱』 および 『2010年度リハビリ診療報酬改定に対する各医療団体の要望』) をご参照下さい。

(2)次期2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定は、基本的にはプラス改定と巷間で言われていますが、問題は、やはり財源です。

 日本福祉大学の二木立教授は、公的医療費増加の財源について、
  ①消費税の増税
  ②政府の税金の無駄使いの根絶
  ③社会保険料の引き上げ
を挙げ、現実的には③が妥当と述べています。
 詳細は、同教授のインタビュー記事 [医療改革の 「希望の芽」 の拡大を (『医療改革と財源選択』の出版にあたって)] をご参照下さい。

(3)ともあれ、現在、衆議院総選挙を控え、「民主党への政権交代」 あるいは 「自公与党の政権維持」 の決着がつくまでは、次期2010年度診療報酬改定の行方は、「不明確・未確定」 であり、国民による政権選択後の診療報酬改定あるいは社会保障 (医療・介護・福祉・雇用・年金・子育て・教育) の行方が楽しみでもあり、また、不安でもあります。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史参院議員) と政府答弁書

 水戸将史・民主党参議院議員の介護保険制度に関する質問主意書 (質問第174号:平成21年5月22日) に対する政府答弁書 (内閣参質171第174号:平成21年6月2日、内閣総理大臣・麻生太郎) が公表されていますので、下記に示します。

●介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史・民主党参議院
 議員) ならびに政府答弁書


 去る2006年度より介護保険制度の改定が実施され、介護認定基準の見直しが却って介護現場での混乱を招いていると聞いている。
 また、今年度より介護報酬の改定がなされているものの、当初予測されていた報酬アップにつながらず、やむを得ず補正予算で今後3年間にわたって、その不足分につき補填することになるという。
 こうした状況に鑑み、以下質問する。

<質問1>
 介護認定基準の見直しにより、多くの利用者が改正前と身体の状態が変わっていないのにもかかわらず、自費で負担しなければ以前と同じサービスを受けることが出来なくなったと指摘している。
 また介護度によるサービス利用制限の幅も広がったため、サービスの使い勝手が悪くなり、介護現場では制度改正への疑問や、不安、不満が高まっていると聞く。
 こうした状況をどう把握し、分析しているのか明らかにされたい。

<回答>
 今回の要介護認定等の方法の見直しの影響については、今後、「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」 において、できるだけ早急に検証を行うこととしている。

 また、今回の要介護認定等の方法の見直しにより、要介護状態区分等が変化し、これまで受けていた介護サービスの利用量が変化するのではないかという不安が利用者にあることから、要介護認定等の方法の見直しの影響について検証を実施している期間中、要介護認定等の更新申請者が希望する場合には、従前の要介護状態区分等によるサービス利用も可能となるよう経過措置を設けているところである。

 なお、今回の要介護認定等の方法の見直しは、平成19年度に実施された研究事業及び平成20年度に実施されたモデル事業の結果も踏まえたものであり、これらの事業の結果においては、従来の要介護状態区分等と比較して、軽度に判定された者ばかりではなく、重度に判定された者も同程度に存在する。

<質問2>
 3年ごとに見直されてきた介護報酬は、過去2回の改定によってトータル4.7%の減額となっていた。
 今回初めて3%分の引き上げとなったが、過去の介護報酬の減額と介護人材の確保難を招いたことについての相関関係を、どう分析しているのか。
 また、3%引き上げることにより、当初、平均して2万円程度報酬額がアップすると予想されていた。
 ところが、それに反してマスコミ調査や一部の報道にもあったように、実際には5千円程度しかアップしていない現状について、どう認識しているのか。

<回答>
 平成19年12月に社会保障審議会介護給付費分科会介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチームが取りまとめた報告においても、介護事業の経営や介護労働者の処遇に影響を与えると考えられる要因については、介護報酬の水準以外にも、介護事業市場の状況、介護サービス事業のマネジメント、人事労務管理の在り方、労働者市場の状況等様々なものがあると指摘されており、お尋ねの 「過去の介護報酬の減額と介護人材の確保難を招いたことについての相関関係」 について、その有無を明確にお答えすることは困難である。

 また、厚生労働省としては、仮に今回の介護報酬の引上げ分すべてを常勤換算で約80万人と見込まれる全国の介護職員の給与に充てれば一人当たり月額2万円を超える水準となると考えているが、実際の賃金の引上げ額は、当該介護従事者の雇用形態や事業所の経営状況等により異なってくるものと考える。

 なお、過去の介護報酬の改定率の合計は、マイナス4.7パーセントであるが、平成18年の改定率には、施設における食費及び居住費の自己負担の導入による介護報酬の減額分1.9パーセントが含まれており、これを除くと、マイナス2.8パーセントとなる。

<質問3>
 今般の補正予算案においては、介護報酬充当のため約4千億円の予算計上がなされている。
 現時点の報酬額と、今後の3年間の追加支援を勘案した場合、約4千億円の積算根拠を明らかにされたい。


<回答>
 平成21年度第1次補正予算においては、介護職員の賃金の引上げを実施する事業者に対する助成を行うための基金として、御指摘の4千億円を計上しているが、この額は、平成21年度の所要額について、賃金引上げの対象となる介護職員の数を常勤換算で約80万人とし、当該介護職員一人当たりの助成額を月1万5千円として算定するとともに、平成22年度及び平成23年度の所要額について、介護サービスの提供量の増大に応じた助成額の増加を見込んで算定し、さらに、これらに事務費を加えて算定したものである。
 なお、平成21年度の事業実施期間は6か月としている。

<質問4>
 介護サービスを提供する立場から、例えば介護現場において必要とされる医療行為を、迅速かつ適切に行っていくことは望ましいことである。
 昨今の看護師の人材確保難といった事態にも対処していくため、介護人材の養成過程においては、特定の医療処置が出来るよう専門的な知識や経験を習得させるべきであると思うが、その必要性についてどう認識しているのか。

<回答>
 介護現場において医療の必要性が高まっていることは認識しているが、そもそも、介護職員が 「医療処置」 を行うことについては、医師法 (昭和23年法律第201号)、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)等に基づく規制があり、お尋ねの介護職員の人材養成の在り方については、これらの規制の在り方も含め、検討を行う必要があると考える。

 なお、当面の対応として、平成21年2月に、特別養護老人ホームにおいて医療的なケアを提供するニーズが高まっている状況に対応するため、看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会を立ち上げたところである。

<質問5>
 一般的に施設介護における介護報酬費は、利用者の要介護度を基にして全体の枠が算定されている。
 他方、利用者と介護職員との配置基準は3対1の比率とされているものの、実際の介護現場では、理論上の配置基準よりも多くの職員配置がされていると聞く。
 したがって、職員の数を増やせば自ずと職員一人当たりの労務報酬は下げざるを得ず、これがひいては介護職員離れを助長するといった指摘もある。
 ここで、前述した介護報酬費と要介護度の関係について、どういった手法や基準をもって、その金額が設定されてきたのか明らかにされたい。

<質問6>
 現況に照らした場合、前記5の配置基準を2対1くらいまでシフトしつつ、介護報酬費の設定単価をそれに見合った部分にまで拡大すべきとの意見もあるようだが、こうした意見を採用する考えはないのか。


<質問5及び6に対する回答>

 介護保険施設に係る介護報酬については、介護保険法 (平成9年法律第123号) 第48条第2項の規定に基づき、施設の種類ごとにサービスに要する平均的な費用の額を勘案して、厚生労働大臣がその算定基準を定めているが、これを定めるに当たっては、入所者の要介護度に応じた介護の手間や実際の職員の配置状況等を勘案しているところであり、御指摘のように、法令上の最低限の人員配置基準である3対1の職員配置を基礎としているわけではない。

<質問7>
 今回の介護報酬の改定により、地域加算の考え方に着手したことは評価できる。
 しかし、同一地域においても介護サービスの種類によって、地域加算が上がるものもあれば下がるものもある。
 こうした上下することについての客観的な根拠は何か、明らかにされたい。
 また例えば、特別区である東京都と、特甲地である横浜市及び川崎市との比較において、それらの上乗せ割合が開いた原因はどこにあるのか、具体的に明らかにされたい。

<回答>
 お尋ねの地域区分ごとの介護報酬単価の上乗せ割合については、平成20年4月に実施した介護事業経営実態調査によって得られたデータを基に、地域区分における人件費水準の違いを踏まえて設定したものであり、御指摘の東京23区が該当する特別区と横浜市や川崎市が該当する特甲地の上乗せ割合の違いについても、それぞれの地域区分の人件費水準の違いを反映したものである。

<質問8>
 介護保険制度の見直し等により新型特養が主流となる中、入居する利用者の収入区分が4段階に分けられたことによって、施設自体が収入の少ない利用者の経費 (居住費および給食費) 負担を強いられることとなった。
 こうした利用者負担分の一部を肩代わりする施設にとっては、経営圧迫の一因のみならず、経営そのものが成り立たなくなるといった危険性も指摘されている。
 こうした現状についてどう認識しているのか。
 また、施設側の負担軽減を図る必要性についてどう認識しているのか。

<回答>
 現行の介護保険制度においては、介護保険施設における居住及び食事の提供に係る利用料は、利用者と介護保険施設との間の契約に基づき、決定されるものであるが、低所得者については、その所得に応じて負担限度額を定め、利用料がこれを上回る場合には、基準費用額と負担限度額の差額を限度として補足給付を支給することとしている。
 したがって、介護保険施設は、少なくとも基準費用額についてまでは、その収入が確保される仕組みとなっており、御指摘の 「利用者負担分の一部を肩代わりする施設」 については、居住及び食事の提供に基準費用額を上回る経費をかけているものと考えられるが、これは各施設の経営の結果によるものであり、このような施設に対する支援を行う必要性は乏しいものと考える。

<質問9>
 また施設運営上、前記8の負担のみならず、独立行政法人福祉医療機構に対する償還金の存在は看過できないものである。
 昨今の社会情勢や経済状況を加味した上で、その償還期間について延長を含めさらに融通性を持たせるべきであるとの指摘もあるが、こうした考え方を導入することについてどう考えるか。


<回答>
 独立行政法人福祉医療機構においては、長期低利の融資を行っており、その条件は、民間の金融機関による融資と比較しても、有利なものとなっているところ、現時点において、お尋ねのように償還期間を更に延長する等の措置を講じることは考えていない。

<質問10>
 特別養護老人ホームへの入所に対する利用者の希望は、従来型とユニット型を比較した場合には、経済的に従来型を望む声が多いと聞く。
 ところが現時点では、地方自治体サイドは国の意向を受け従来型の新設に対して許可を与えず、国もまたユニット型を推進していくとの方針に対して、利用者ニーズに対応した政策転換を図るべき時期に来ていると思えるが、どう認識しているか。
 また、他方でユニット型の利用者負担の軽減を図る必要があるとの指摘についてどう考えるか、明らかにされたい。


<回答>
 厚生労働省としては、特別養護老人ホームにおけるユニット型施設については、入所前までの自宅での生活様式の継続や、より良い生活環境の実現を図る等の観点から、整備を進めていくことが必要であると考えており、第4期介護保険事業計画の策定に当たり改定した 「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」 (平成18年厚生労働省告示第314号)においても、平成26年度における特別養護老人ホームの定員数に占めるユニット型施設の定員数の割合を7割以上とするという目標を掲げているところであるが、「従来型の新設」 について認可するか否かは、各都道府県が地域の実情を踏まえて判断するものである。

 低所得であるユニット型個室の利用者の負担については、利用者に過大なものとならないよう、負担限度額が定められているところである。

(1)上記の介護保険制度に関する政府・厚生労働省の回答および介護保険制度の制度設計・介護報酬改定においては、根底に、「介護給付費の抑制→介護保険料の引き上げの抑制・市町村負担の抑制」 というネガティブな思考の論理があると考えられます。

 次期政権には、発想の転換をして頂き (既に発想の転換をして頂いている政党もあるかとは思いますが・・・)、

①先ず、国民の安全・安心・納得・満足の実現を最優先に考える。
   ↓
②量・質ともに充分なレベルの介護保険制度に必要な予算および必要な介護給付
 費を確保する (介護給付費抑制のための 「要介護認定制度改正による要介護度
 の軽度化および介護報酬改定 (含、区分支給限度額の据え置き)」 は可及的速や
 かに改正する)。
   ↓
③そのための財源を確保する (その際、安易な 「介護保険料の引き上げ・介護サ
 ービス利用者の自己負担の引き上げ・市町村負担の増大」 は控える)。
   ↓
④そのために、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 以外の分野
 における 「税金の無駄遣い」 を止め、且つ 「(一般国民の目線から見た) 優先順
 位の低い事業」 は、予算執行を先送りするあるいは中止する (消費税増税は最
 後の最後の手段!)。

という新しい発想 (一般国民の目線での発想) で、現在の 「介護崩壊・介護難民・介護棄民・社会保障崩壊」 の負のスパイラルから、「介護再生・社会保障再生」・「国民の安心・安全・納得・満足が得られる社会」 の実現を達成して頂きたいと思います。

(2)来る8月30日の衆議院総選挙に向け、各政党が様々な政策を訴えています。

 消費税増税問題も、総選挙の大きな争点になると思われます。

 しかしながら、「消費税増税」 を行う前に、

①充分な景気回復

②税制の抜本的改革 (特に、財界・大企業・株主・金持ち優遇税制の是正)

③膨大な税金 (国民の血税) の無駄使いの抜本的是正
 (1) 伏魔殿化した特別会計の透明化・是正
 (2) 官僚の天下り・渡りの根絶および天下り用の無駄な公益法人や補助金の
  根絶 (約12兆円)
 (3) 国会議員の定数削減・歳費の削減
 (4) 国家公務員人件費の削減
 (5) 道路・空港・整備新幹線・ハコモノ等の無駄な公共事業の根絶、等

④道路特定財源の完全なる一般財源化

⑤年金問題の早期完全解決

等々の諸課題を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思います。

 次期政権には、国民の安心・安全・納得・満足のために 「医療再生・介護再生をはじめとした社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 再生」 を図るという大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

平成21年度介護報酬改定・緊急調査結果 (NHK解説委員の見解)

 NHK解説委員室ブログ (2009/7/9) の 『スタジオパークからこんにちは 「暮らしの中のニュース解説」』 カテゴリーに、平成21年度介護報酬改定3%引き上げに関する緊急調査結果についての記事が掲載されていますので、下記に示します。

スタジオパーク 「介護報酬は上がったけれど・・・」
 
(稲塚キャスター)
 介護サービスを提供した事業者に支払われる介護報酬が今年4月、3%引き上げられました。
 その後、介護の仕事をする人たちにどんな変化が起きたのか、緊急調査の結果がまとまりました。
 後藤千恵解説委員です。

(Q1)
 そもそも、今回の介護報酬の引き上げ、狙いはなんだったのでしょうか?


(A1)
 一言で言いますと、介護職員の待遇を改善して、人材の確保につなげるということです。
 介護の仕事は、お年寄りの命を預かる大変な仕事です。
 でも、その割に賃金が低く、人が集まらない。
 人手が確保できなければ、介護保険という制度はあっても、必要なサービスが受けられないという事態にもなりかねない。
 そこで、介護事業者に支払う報酬を引き上げて職員の待遇の改善につなげようというのが狙いなんです。

(Q2)
 その結果、どうなったんでしょうか?


(A2)
 東京都社会福祉協議会がこの5月から6月にかけて、緊急に行った調査の結果がまとまりました。
 こちらです (註:図省略)。
 まず、今回の改定で介護事業者の収入がどうなったのか。
 今年4月の収入の見込みを、去年の4月と比較しました。
 その結果、「増えた」 というところが55%。
 「変わらない」 というところが14%。
 「減った」 ところが30%でした。

(Q3)
 増えたというところが半分ちょっと?


(A3)
 そうなんです。
 しかも、収入が増えたと答えた事業所に、その理由を聞いたところ、「報酬単価が上がったから」 というところは25%、4分の1にとどまっていました。
 そして、「報酬の改定以外の要因」、たとえば、利用者の数が増えたなどという理由をあげた事業者が40%以上に上っていました。

(Q4)
 報酬が上がったのに、どうして収入が増えないのですか?


(A4)
 実は今回、報酬の引き上げにあたって、すべての報酬単価を一律、3%引き上げるのではなく、一定の条件を満たした場合に加算をする、というやり方をしたからなんです。
 事業者の質を高めることが目的だとされているんですが、たとえば、お年寄りの家にヘルパーを派遣する訪問介護事業者の場合ですと、
  ①介護福祉士の資格を持つ職員が30%以上いる場合
  ②すべてのヘルパーに個別の研修を行った場合
などに加算されます。
 ですから、そうした条件を満たせる事業者の報酬は上がったんですが、一方で、条件を満たせないところは恩恵にあずかれない。
 特に規模の小さな事業者の間で、加算ができなかったところが多いと見られているんです。

(Q5)
 そもそも収入が増えなければ、介護職員の待遇の改善といっても難しい?


(A5)
 はい。
 職員の処遇改善の取組みについて聞いた結果がこちらです (註:図省略)。
 まず、基本給について、今年4月以降、「上げた」、または 「上げる予定」、というところがおよそ40%、「予定していない」 ところが半数以上に上っていました。
 また、基本給以外の手当てについて、「上げた」、「上げる予定」 というところがおよそ3分の1、「上げることを予定していない」 というところが3分の2という結果でした。

(Q6)
 待遇の改善ができない理由としては、どんなことがあげられているのでしょうか?

(A6)
 主な理由は、やはり、「赤字の補填にしかならず、処遇の改善にまで回らない」 というもので37%、3分の1以上を占めていました。
 そもそも、介護事業者はこれまで、介護報酬が低く抑えられてきたために、経営状況が厳しいところが多いんです。
 厚生労働省の去年の調査によりますと、たとえば、訪問介護事業者の場合、51%、半数以上が赤字でした。
 このうち、20%以上の大幅な赤字だった事業所が全体の4分の1以上に上っているんです。
 事業者の間からは、「たくさん、もうけさせてくれとは言わない。せめて、介護という仕事の内容を正しく評価してほしい」 という声が上がっています。

(Q7)
 結局、報酬を3%程度、引き上げても、人材を確保することにはつながっていかないということでしょうか?


(A7)
 少なくとも今の段階では、そう言えると思います。
 ただ、介護報酬をさらに大きく引き上げるとなると、やはり、財源が問題になります。
 報酬の1割は、介護サービスを使うお年寄りの利用料ですし、残りは私たちの税金と保険料です。
 報酬の引き上げは、そうした私たちの負担と裏表の関係なんです。
 実は今回の調査で意外な結果がありました。
 そもそも、加算できる要件を満たしているのに加算の申請をしていないという事業者が少なくなくて、訪問介護事業者では、10%以上に上っていたんです。
 あえて、加算をしなかったという事業者に話を聞きますと、「加算をすれば、その分、お年寄りの利用料が上がってしまう。ぎりぎりの生活をしている利用者に、これ以上の負担は求められない」 とか、「介護福祉士が多くいるので、加算はできるのだけれど、利用者にしてみると、毎回、必ず介護福祉士が来るわけではない。それなのに利用料を上げる理由を説明できない」 といった声が聞かれました。
 経営の改善と利用者の負担増、両方の狭間で頭を悩ませているようでした。

(Q8)
 難しいですね。


(A8)
 そうですね。
 ただ、介護の人材確保は、何とかしなければならない大きな課題です。
 これから介護サービスを必要とするお年寄りはどんどん増えて、このままでいくと、2025年に必要となる介護職員の数は、少なく見積もっても、今の1.8倍、212万人に達すると推計されています。
 このまま、人材が確保できなければ、多くのお年寄りが必要なサービスを受けられないという事態に陥ってしまいます。
 政府は、緊急の経済対策で、介護職員の賃金を月に1万5千円程度引き上げるための交付金を事業者に助成することにしているんですが、3年の期限つきです。
 一時的な緊急の対策ではなく、介護という仕事をやりがいのある、魅力的な仕事にしていくにはどうすればいいのか、財源の問題を含め、早急に考えていかなければならないと思います。

(1)結局、今回の介護報酬3%引き上げ改定は、下記の要因等にて、必ずしも成功とはいえないと考えられます。

  ①過去2回の介護報酬引き下げによるこれまでの介護事業者への大きなダメ
   ージ→「今回の介護報酬引き上げ分は、赤字の補填にしかならず、介護職
   員の待遇の改善にまで回らない」。

  ②今回の介護報酬引き上げ方法の結果的な失敗 [すべての報酬単価を一律3
   %引き上げるのではなく、一定の条件を満たした場合に加算をするやり方
   をしたため、加算の条件を満たせない介護事業者 (特に、小規模の事業者)
   は恩恵にあずかれない]。

  ③介護保険制度の構造的な問題 [区分支給限度額 (今回据え置き) 問題、応益
   負担 (原則1割自己負担) 問題、要介護認定制度改正 (改悪) 問題、等] に伴
   う介護サービス利用者負担増による 『介護サービス 「利用」 手控え問題お
   よび介護事業者 「加算取得」 手控え問題』。

  ④財源問題 [介護保険料 (含、市町村負担) 引き上げ問題、自己負担引き上げ
   問題、公費負担引き上げ問題 (消費税増税問題)]。

(2)以前の当ブログ記事 [社会保障財源問題 (消費税増税:財務省主計局主計官の見解)] でも述べていますが、最終的には、財源が命運を決めますので、「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、社会保障に対して可能な限りの財源を優先して注ぎ込み、もって 「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環を実現させることを優先すべきと考えられます。

 また、介護保険制度の構造的な問題 [区分支給限度額、応益負担 (原則1割自己負担)、 要介護認定制度、等] の抜本的な改革も必要と考えられます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

麻生政権で骨抜きの公務員改革 (政治評論家・屋山太郎氏)

 産経ニュース・ホームページ (2009/6/5) に、公務員改革に関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

【正論】 政治評論家・屋山太郎 現政権で骨抜きの公務員改革

【就任8カ月見るものなし】

 この8カ月の麻生太郎首相の政治を見ていると、首相の資質、見識を疑うようなことばかりだ。
 小沢一郎氏の 『西松事件』 をきっかけに、政党支持率は逆転して自民党が民主党を上回ることになった。
 麻生首相はひと息ついた趣だったが、この間 「次の衆院比例代表はどちらに投票するか」 の設問では、常に民主が自民を10ポイントも上回っていた。
 このことは国民の政治改革願望がずっと続いていたことを物語る。
 しかし小沢氏の金権体質は許せないとの感情が勝って自民党支持を押し上げた。
 小沢氏が辞任し、鳩山由紀夫氏が新代表に選出されたとたん、政党支持率は逆転した。

 小沢氏は代表代行として依然として選挙を仕切る役割を担っているのに、国民の支持は民主党に戻ってきた。
 国民は小沢氏の不始末は司直の問題であって政治の本質ではないと見抜いているのだ。
 麻生氏も含めて自民党は 「カネと政治」 の問題を衝 (つ) くだけで態勢挽回 (ばんかい) が図れるとでも思っているのか。
 実に情けない政党だ。

 麻生内閣が8カ月やるならその間に歴史に残る大改革をやる時間はあった。
 安倍内閣に始まる公務員制度改革だ。
 この改革を出発点に渡辺喜美前行革担当相がまとめた公務員制度改革基本法は昨年の国会で自民、民主両党の合意の下で成立した。
 麻生内閣はそれを仕上げる使命があったのだ。

【二転三転した人事局長職】

 国民の公務員に対する不満は極めて強い。
 最大の行政犯罪といわれる年金記録問題。
 3,000人に及ぶC型肝炎患者の発生。
 農水省の事故米処理のインチキ。
 どれをとっても日本の官僚内閣制の耐用年数が尽きたと思わせるものばかりだ。
 現行制度の結果、天下り法人は4,600、天下り官僚は2万8,000人も存在する。

 最近も公用車運転業務を談合で天下り法人に入札させていたとして、公正取引委員会が国土交通省に改善要求を出し、法人10社に30億円の課徴金を科した。
 この種の事件はここ二、三十年枚挙にいとまがない。
 官僚の肩叩 (たた) きシステムを廃止しない限り、未来永劫 (えいごう) 続くのだ。

 このため 「基本法」 は、
  ①キャリア制度をやめ、肩叩きもやめて定年まで勤められるようにする。
   そのためには年功序列の賃金制度を改める。
  ②各省の幹部人事を内閣人事局に一元化して、省益至上主義を排除する。
と決めた。

 明治26年に高等文官試験が導入されて以来、116年ぶりの大改革だ。
 官僚は大反発したが、法案は衆院480人中450人の賛成で成立したのである。
 国会は国権の最高機関 (憲法41条) であり、これに行政府の官僚が反対することは許されない。

 ところが、賃金体系の権限を内閣人事局に移すことについて谷公士人事院総裁は反対し、首相が招集した会議をボイコットした。
 さらに基本法では 「内閣人事局長は官房副長官級のポストを新設する」 とあるのに漆間巌官房副長官は麻生首相に 「ポストの新設は行革に反する」 と進言し、自らが兼務する方針を打ち出させた。
 官房副長官は各省の政策を調整する大きな権限を持つ。
 この上に各省の幹部人事を左右する権限を持たせれば、確実に総理大臣を上回る権限を持つことになる。

 甘利明行革担当相はさすがにまずいと思ったのだろう。
 「新設の国家戦略スタッフ (約30人) の一人に内閣人事局長を兼務させる」 との妥協案を示した。
 ところが今度は宮崎礼壹法制局長官が 「スタッフがラインの局長職を兼務することはできない」 と妥協案をつぶし、漆間官房副長官の兼務に持って行ったのである。
 スタッフとラインの兼務などは防衛省では堂々と行われている。
 こうして安倍、福田2代にわたって仕上げてきた基本法は完全に骨抜きにされた。

【「無責任体制」 も糺されず】

 麻生首相はこの官僚制度の改革を 「官僚バッシング」 と断定しているが、勤務評定や昇給、降格なしに、どうすれば組織が活性化し、無責任体制が糺 (ただ) されるのか。

 一方で首相は厚生労働省を二分割する案に一旦は乗った。
 官僚は次官ポストが一つふえて喜ぶ。
 とすればなぜ内閣人事局長ポストの新設にあれほど反対したのか。
 2代にわたって進めてきたのは官僚制度 (システム) の改革であって、首相が議論しようとしたのは器の話に過ぎない。
 首相は議論のすり替えをやろうとしたのだ。

 政府は2009年度予算に15.4兆円の補正をつけてきた。
 このうち各省や独立行政法人の 「施設整備費」 を見ると、当初予算6,500億円に対して、何と2兆9,000億円も積み増している。
 この施設整備費というのは官僚の大好きなハコモノだ。
 職業能力開発協会に7,000億円の基金を設けたが、この協会は傘下団体とともに会計検査院から 「コンパニオン代など3,500万円の不正支出があった」 と指摘された団体だ。

 鳩山民主党代表は、①脱官僚、②地域主権、を打ち出している。
 統治機構を変えるべき時期に、麻生首相の感度は恐ろしく鈍い。

(1)少子超高齢時代を迎え、また、崩壊した (破壊された) 「医療・介護・福祉・年金・雇用」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生のために、「一般国民の多くが、近い将来の消費税増税を覚悟している」 と推察されます。

(2)しかしながら、政治家 (特に国会議員) および官僚・公務員に対する政治改革 (国会議員定数削減等)・行政改革 (真の公務員制度改革) が不充分であれば、国民は納得しないと考えられます。

(3)来る総選挙においては、「国民による政権選択」 の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明示して、正々堂々と闘って頂きたいと思います。

 選挙の結果、「自公連立政権の続投」 あるいは 「民主党の政権交代」、はたまた、「大連立?・中連立??」、いずれに決まろうとも、「今後の様々な難局に対して、政府与党と国民とが一体となって頑張って対処しよう!」 という雰囲気が醸成されることが強く望まれます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

Page Top

時計
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

カズ食堂

Author:カズ食堂

カレンダー
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ブログ内検索
訪問者数

   (Since 2009/01/11)

現在の閲覧者数
:
リンク

このブログをリンクに追加する

にほんブログ村ランキング
宮崎県 「てげうめ」 グルメ
Amazon アソシエイト







人気ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

banner2.gif
FC2ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

スポンサー・リンク
FC2アフィリエイト
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。