1. Top » 
  2. 特定診療費

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

  • Genre:

平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設) の影響度調査

 介護療養型医療施設に関する2009年度介護報酬改定の影響予想と影響度調査 (シミュレーション) についての雑誌記事・ニュース記事を紹介します。

(資料1) 速報! 09年度介護報酬改定 特定施設、小規模多機能の中重度ケアに手
    厚い評価 [日経ヘルスケア (2009年3月号)]


●療養病床は大半が減収の見通し

①2012年3月末で廃止される介護療養型医療施設は、大半の施設で減収になる可能性が高い。特定診療費の整理や統合で、実質的に報酬が引き下げられるからだ。

②基本報酬の施設サービス費は一律12単位アップするが、算定施設の多い管理栄養士配置加算 (1日12単位) が包括されるため、事実上、据え置きとなる。

③大きく変わるのは、特定診療費だ。リハビリに関連する多くの項目が引き下げられる。

④特に目を引くのが、「理学療法 (Ⅰ)」 や 「作業療法」 (それぞれ1回180単位) の大幅なダウン。ともに57単位引き下げられ、123単位になる。人員配置基準が、医療保険の 「脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅲ)」 (100点、1回20分当たり) や 「運動器リハビリテーション料 (Ⅱ)」 (80点、同) と同等であるため、整合性を取るというのがその理由だ。

⑤しかも、これまで算定頻度の高かった 「リハビリテーションマネジメント」 (1日25単位) が、これら理学療法などに包括。結果として、理学療法 (Ⅰ) と作業療法は、実質98単位と、現行の半分近くまで引き下げられることになる。

⑥このほか、「日常生活活動訓練 (ADL) 加算」 (1回30単位) や、理学療法の 「リハビリ体制強化加算」 (1回35単位) が廃止される。リハビリマネジメントの包括分を考えると、日常的に算定できるリハビリ関連のプラス項目は、新設の 「集団コミュニケーション療法」 (1回50単位) くらいだ。

⑦療養病床に限って言えば、リハビリに積極的に取り組んできた施設が次回改定で大きなダメージを受けそうだ。医療法人永生会・永生病院副院長の春日井久氏は、「理学療法 (Ⅰ) や作業療法の引き下げの影響は極めて大きい。これまで患者1人に1.5人のスタッフを配置して、週に2、3回リハビリを実施してきた。報酬がこれだけ下がると人件費を賄えなくなるので、理学療法などのリハビリはやめるしかない」 と話す。

⑧一方で、「短期集中リハビリテーション」 は1日60単位から240単位へ大幅アップとなり、「認知症短期集中リハビリテーション」 (1日240単位) が新設される。老健施設と同様に、在宅復帰の促進が狙いだ。

⑨ただし、長期療養の入院が中心の介護療養病床で、短期間で在宅に復帰できる患者はそれほど多くはない。日本慢性期医療協会が昨年末に実施した調査では、2008年10月の1ヵ月のうち、短期集中リハビリを算定できた患者は各病院平均で7%程度。在宅復帰のリハビリに積極的な永生病院でも、「算定できる患者は1割に満たない。理学療法などの減収分はとても穴埋めできない」 (春日井氏) のが現実だ。

⑩減収のダメージは、新設の 「サービス提供体制強化加算」 (1日12単位または6単位) などの算定で、カバーしていくしかないだろう。

⑪介護療養病床を有する施設は、2012年3月末の廃止に向けて転換先を具体的に検討する時期を迎えている。改定後の収支の変化を見極めた上で、介護療養型老人保健施設や有料老人ホ-ムなどへ移行した場合の収支シミュレーションを行い、転換先候補を絞り込んでおく必要があるだろう。


(資料2) 近病連事務長会:09年度介護報酬改定の影響度調査 薄いプラス改定効
    果 (Japan Medicine 2009/3/13)


①近畿病院団体連合会事務長会が3月6日、奈良市で開かれ、最近の医療問題について意見交換を行った。
 この中で、改定率が全体でプラス3.0%となった2009年度介護報酬改定の影響度予想が報告され、プラス改定の効果が薄いことが問題となった。
 このため、懸案となっている介護職員の待遇改善は困難とする意見も見られた。

②京都私立病院協会と京都療養病床協会がこのほど行った介護報酬改定の影響度調査 (対象43施設中21施設が回答) によると、2008年12月請求分を新単位に置き換えた場合、全体で、マイナス0.74%、新設される介護報酬を含めて置き換えても、マイナス0.13%で、プラス改定の効果が見られなかった。

 主な減収要因としては、「重度療養管理の廃止」、「理学療法の報酬引き下げ」、「リハビリテーションマネジメントの理学療法などへの包括化」、「作業療法の報酬引き下げ」 などが挙げられた。

●職員の待遇改善も困難

③具体的な意見では、「重度療養管理の廃止が大きく報酬にひびく」・「施設には厳しい改定で、施設職員の待遇改善にはならない」・「実質、基本的な部分はマイナス改定で、多くの加算を取らないと、プラスへは持っていけない」 などが見られた。

④また、介護療養型老人保健施設に転換した場合は、回答した16施設すべてが減収となり、全体で12.4%減と予想された。

 今後の方向性については、9施設が2011年度末まで介護療養型医療施設のまま継続、11施設が未定などと回答し、大半の介護施設が今後の運営方針を明確化できない状態にあることが分かった。

⑤こうした影響度予想から、そのほかの府県からも、「介護療養型医療施設は減収で割に合わない」・「職員の給与アップは困難」 などの意見が示された。

●京都府は療養病床の助成事業を実施へ

⑥特に京都府の場合、
 (1) 全国で唯一、医療療養病床より、介護療養病床の方が多い。
 (2) 医療療養病床では医療区分1の患者割合が全国一高い。
 (3) 介護療養病床は医療区分ではなく、要介護度に着目して入院させてい
  ると推測されるため、医療療養病床よりもさらに医療区分1の患者割合
  が高い。
という特殊性を抱えている。

⑦このため、国の療養病床削減は既定の方針だが、京都府では2009年度予算で医療療養病床を減らさない施設に対する助成事業として、「療養病床あんしん確保緊急対策事業」 (予算額約5,000万円) を実施する予定だ。

 同事業は、医療療養病床の維持を図る施設や、介護療養病床から医療療養病床への転換を図る施設を助成するもの。

 京都私立病院協会によると、山田啓二知事は療養病床削減に伴う 「介護難民」 の発生を危惧しており、今回の助成事業によって医療療養病床を支援していく姿勢を見せているという。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料1-①~⑥にて、介護療養型医療施設は、下記のような包括化およびリハビリテーション関連の特定療養費の引き下げ等の影響で、大半の施設で減収になる可能性が高いと予想しています。

 (a) 管理栄養士配置加算 (1日12単位) の包括化

 (b) 「理学療法 (Ⅰ) や作業療法 (それぞれ1回180単位→123単位)」 の大幅なダウ
  ン [リハビリテーションマネジメント (1日25単位) の包括化の影響を含める
  と、実質98単位と、現行の半分近くまで引き下げ]

 (c) 日常生活活動訓練 (ADL) 加算 (1回30単位) の廃止

(2)一方、資料1-⑥・⑧・⑩の通り、リハビリテーションのプラス要因としては、次の項目が挙げられます。

 (a) 言語聴覚療法の引き上げ:1回180単位→203単位と、23単位のアップ

 (b) 摂食機能療法の引き上げ:1日185単位→208単位と、23単位のアップ

 (c) 新設の 「集団コミュニケーション療法」 (1回50単位) (入院患者1人につき
  1日3回に限り算定)

 (d) 短期集中リハビリテーションの引き上げ:1日60単位から240単位へ大幅
  アップ (入院日から3ヵ月以内。但し、理学療法、作業療法、言語聴覚療法
  又は摂食機能療法を算定する場合は、算定しない)。

 (e) 新設の 「認知症短期集中リハビリテーション」 (1日240単位) (入院日から
  3ヵ月以内。1週に3日を限度)

 (f) 新設の 「サービス提供体制強化加算」 (1日12単位または6単位)

(3)資料1-⑦~⑨にて、リハビリに積極的に取り組んできた介護療養型医療施設が次回改定で大きなダメージを受けると予想しています。

 永生病院 (東京都八王子市) の副院長も、「理学療法 (Ⅰ) や作業療法の引き下げの影響は極めて大きい。これまで患者1人に1.5人のスタッフを配置して、週に2、3回リハビリを実施してきた。報酬がこれだけ下がると人件費を賄えなくなるので、理学療法などのリハビリはやめるしかない」・「長期療養の入院が中心の介護療養病床では、短期集中リハビリ・認知症短期集中リハビリを算定できる患者はごく少数で、理学療法などの減収分はとても穴埋めできないのが現実だ」 と述べています。

 短期集中リハビリ・認知症短期集中リハビリは、老健施設と同様に、在宅復帰の促進が狙いですが、長期療養の入院 (特に、重度障害者) が中心の介護療養病床の実態とそぐわず、厚生労働省の論理矛盾が感じられます。
 また、長期療養の入院患者といえども、リハビリテーションが不充分であれば、障害像悪化・生活機能低下→要介護度悪化となり、介護保険財政を圧迫するため、これも厚生労働省の論理矛盾と思われます。

 リハビリテーションのプラス要因として、「言語聴覚療法 (ST) の引き上げ」・「摂食機能療法の引き上げ」・「集団コミュニケーション療法の新設」 が挙げられ、失語症・構音障害によるコミュニケーション障害および摂食嚥下障害に対するアプローチを、厚生労働省は介護療養病床において期待・重視しているようですが、「ST不足の問題」 かつ 「摂食嚥下障害にはPT・OTも重要な役割をもっているという認識が乏しい」 という問題が指摘されます。

(4)資料2-①~③の通り、近畿病院団体連合会事務長会にて発表された、京都私立病院協会と京都療養病床協会が行った平成21年度介護報酬改定の介護療養型医療施設に対する影響度調査 (シミュレーション) (対象43施設中21施設が回答) によると、全体で、マイナス0.74%、新設される介護報酬を含めて置き換えても、マイナス0.13%という結果でした。

 主な減収要因としては、「重度療養管理の廃止」、「理学療法の報酬引き下げ」、「リハビリテーションマネジメントの理学療法等への包括化」、「作業療法の報酬引き下げ」 などが挙げられ、懸案となっている介護職員 (特に、施設職員) の待遇改善は困難とする意見が出ました。
 また、「実質、基本的な部分はマイナス改定で、多くの加算を取らないと、プラスへは持っていけない」 という意見も出ました。

(5)資料2-④・⑤によると、介護療養型老人保健施設に転換した場合は、回答した施設すべてが減収となり、全体で12.4%減と予想されました。

 今後の方向性については、9施設が2011年度末まで介護療養型医療施設のまま継続、11施設が未定などと回答し、大半の介護施設が今後の運営方針を明確化できない状態にあることが分かりました。

 こうした影響度予想から、その他の府県からも、「介護療養型医療施設は減収で割に合わない」・「職員の給与アップは困難」 などの意見が出ました。

(6)資料2-⑥・⑦によると、国の療養病床削減は既定の方針だが、京都府では2009年度予算で医療療養病床を減らさない施設に対する助成事業として、「療養病床あんしん確保緊急対策事業」 (予算額約5,000万円)、即ち、医療療養病床の維持を図る施設や、介護療養病床から医療療養病床への転換を図る施設を助成する予定とのことです。

(7)上述の介護療養病床の介護報酬改定シミュレーションを見る限り、厚生労働省は、2012年3月末の介護療養型医療施設の廃止を見据えて、介護報酬改定での意図的な 「減収による政策的誘導」 を行っていると考えられます。

 当該病床の転換先として、厚生労働省は、介護療養型老人保健施設、有料老人ホーム、(医療療養病床) 等を想定していますが、上記(5)の通り、「介護療養型老人保健施設に転換した場合は、減収」 という結果が出ています。

 また、現在、介護療養病床には、要介護度が高く、且つ医療必要度が高い方が多いため、介護療養型老人保健施設や有料老人ホーム等では、現実的には、充分に対処できないと考えられます。

 一方、上記(6)のように、介護療養病床から医療療養病床への転換に関しては、「要介護度が高く、且つ医療必要度が高い方」 のためには朗報ですが、医療マンパワーの問題・医療療養病床の今後の診療報酬の行方等が大きなネックとなり得ます。

(8)資料1-⑪の通り、介護療養病床を有する施設は、2012年3月末の廃止に向けて転換先を具体的に検討する時期を迎えています。
 改定後の収支の変化を見極めた上で、介護療養型老人保健施設や有料老人ホ-ムなどへ移行した場合の収支シミュレーションを行い、転換先候補を絞り込んでおく必要があります。

 しかしながら、「どの転換先も様々な問題があり躊躇せざるを得ない」・「次期総選挙による政権交代あるいは与党の再検討により、2012年3月末の介護療養型医療施設の廃止が、中止または先送りの可能性が、完全には否定できない」 等、未だ未だ紆余曲折がありそうです。

(9)以上、介護療養型医療施設に関する2009年度介護報酬改定の影響予想と影響度調査 (シミュレーション) について論じました。

 厚生労働省が度々強調する在宅復帰・在宅ケアに関して、日本福祉大学の二木立教授が、「重度障害者の在宅ケアは施設ケア費用よりも高い」 というエビデンス (「重度障害者の在宅ケア費用は施設ケア費用よりも高いことに言及した拙著一覧」 参照) を出されていますので、厚生労働省には、この件に関する再考を切望します。

 また、次期介護報酬改定と同時に施行される 「新・要介護認定制度」 に対して、「要介護度が軽度に判定される」・「介護給付費を抑制するための改正」 等の不満・不安が噴出しており、国民の理解が得られるまでは、凍結すべきと考えられます。

 以前のブログ記事で何回も強調していますが、厚生労働省には、「国民の安心・安全・納得・満足」 を第1優先に考えて、国民本位の介護報酬改定・要介護認定制度改正を、誠実に立案・履行し、介護難民の出現防止に全力を傾注して頂きたいと思います。
 そして、それが、ひいては、医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・障害者難民の出現防止に繋がっていくと考えられます。

【関連記事】
 ◎平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)
 ◎平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設のリハビリ:追加情報)
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

スポンサーサイト

平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設のリハビリ:追加情報)

 以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定について論じました。

 「旅とグルメの日々 イニシア 田原はじめのblog」 ブログの記事 「介護報酬改定のナイショ話 (その4)」 において、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定に関する興味深い話が掲載されていますので紹介します。


(資料1) 介護療養型医療施設におけるリハビリテーション (特定診療費)

 介護療養型医療施設におけるリハビリテーションについては、医療保険との役割分担の明確化や整合性を図る観点から評価を見直すとともに、ADLの自立等を目的とした理学療法等を行った場合の評価を廃止する。併せて、リハビリテーションマネジメント及び短期集中リハビリテーションについて、介護老人保健施設と同様の見直しを行う。

  理学療法 (Ⅰ) 180 単位/回
  理学療法 (Ⅱ) 100 単位/回→→→理学療法 (Ⅰ) 123 単位/回
  理学療法 (Ⅲ) 50 単位/回→→→理学療法 (Ⅱ) 73 単位/回
  作業療法   180 単位/回→→→作業療法   123 単位/回
  言語聴覚療法 180 単位/回→→→言語聴覚療法 203 単位/回
  摂食機能療法 185 単位/日→→→摂食機能療法 208 単位/日
   (注) リハビリテーションマネジメントについては、理学療法(Ⅰ)等に包括
    化する。

  短期集中リハビリテーション 60単位/日→→→240単位/日
   注1.入院日から起算して3月以内に限る。
   注2.理学療法 (Ⅰ)・(Ⅱ)、作業療法、言語聴覚療法又は摂食機能療法を算
      定する場合には、短期集中リハビリテーションを算定できない。

  集団コミュニケーション療法の評価
  ◎言語聴覚士が集団に対して実施するコミュニケーション療法について、新
   たに評価を行う。
  ◎集団コミュニケーション療法 (新規):50単位/回 (1日に3回を限度)
    ※算定要件 (次のいずれにも該当する場合)
      ①専任の常勤医師を配置していること。
      ②常勤かつ専従の言語聴覚士を配置していること。
      ③専用かつ8平方メートル以上の集団コミュニケーション療法室を確
      保していること。(言語聴覚療法を行う個別療法室との共用は可能)。
      ④必要な器械及び器具が具備されていること。


(資料2) 介護報酬改定のナイショ話 (その4)
 
「施設系は、どうかな?」。

H氏 「介護療養には厳しいね」。

「リハビリをかなりカットしているね。介護療養にはリハは要らないということ?」。

H氏 「ひどいね、確かに。リハをやって在宅に帰すなら老健にしろと言っているように見える。確かに要介護1~3が多ければ、介護療養より老健の方が有利だ。もっともそんなに軽い人を診ている介護療養はないだろうけど」。

「介護療養は、ほとんど要介護4、5で平均介護度は4.5以上というところも、ざらにあるからね。むしろ、そんなに重い人ばかりだから、リハビリは要らないだろうと言っているかのようだね。そのくせ重度療養管理もカットしている」。

H氏 「まったくだ。上がったのはSTと口腔ケアだけ。実態を反映しているとも言えなくはないが」。

「介護療養を2012年で廃止という決定は覆らないの?」。

H氏 「政権がこれからどうなるかだが・・・。ウルトラCの大逆転で介護療養存続になった方がいいように思うな」。

このあたりで芋焼酎のロックを呷る速度が上がったのを感じた。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において述べたように、「理学療法 (Ⅰ) (180単位/回)」・「作業療法 (180単位/回)」は、人員配置基準上、医療保険における脳血管疾患等リハビリテーション (Ⅲ) (100点) や運動器リハビリテーション料 (Ⅱ) (80点) と同等とみなされ、両方ともベースを 「理学療法 (Ⅱ) (100単位/回)」 へランク下げした上で、一律 「+23単位」 し、123単位/回になったと考えられます。
 一方、言語聴覚療法 (ST) と摂食機能療法は、(ランク下げせずに) 現行の点数にそのまま一律 「+23単位」 しています (上記資料1参照)。

(2)理学療法 (PT)・作業療法 (OT) のマイナス改定の理由として、次のことが挙げられます。

①上記(1)の通り、医療保険の人員配置基準との整合性を図った結果と考えられます。

②上記資料2の通り、介護療養型医療施設の入所者は、ほとんどの方が要介護4・5の重度の方であり、積極的なPT・OTアプローチはあまり必要ないのではないかと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。

③以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) において示した数字ですが、月平均の理学療法等 (特定診療費:リハビリテーション全体の数字) が約113万件、一方、STの算定実績 (STが1対1で行うもの) が約9万7千回と大きな開きがあります。
 即ち、介護療養型医療施設におけるリハビリテーションにおいて、STに比して、PT・OTは相対的に算定実績があり、充分浸透・定着したと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。(リハビリテーションマネジメントの包括化も、同様の理由と考えられます) 【従来からの厚生労働省の狡猾な常套手段ですが・・・】。

(3)一方、STと摂食機能療法のプラス改定の理由として、次のことが挙げられます。

①上記資料2において、「上がったのはSTと口腔ケアだけ。実態を反映しているとも言えなくはないが」 と述べられており、また、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) においても論じていますが、介護療養型医療施設においては、失語症・構音障害・摂食嚥下障害を持つ脳卒中患者が多く、STのニーズ (特に摂食嚥下障害) が高いとされています。
 即ち、介護療養型医療施設の入所者は、ほとんどの方が要介護4・5の重度の方であり、積極的なPT・OTアプローチはあまり必要ないが、失語症・構音障害・摂食嚥下障害に対する積極的なSTアプローチは効果が見込めるのではないかと厚生労働省が判断した可能性が考えられます。
 但し、介護療養型医療施設におけるSTのニーズは、通常、失語症・構音障害よりも、摂食嚥下障害の方がかなり高く、その意味では、摂食機能療法だけプラス改定でもよかったのではないかと主張されている方々もいるようですが・・・。

②別の理由としては、上述の通り、月平均の理学療法等 (特定診療費:リハビリテーション全体の数字) (約113万件) に比して、STの算定実績 (STが1対1で行うもの) が約9万7千回と少なく、患者ニーズと乖離しており、介護療養型医療施設のSTを増やす必要があると厚生労働省が判断した可能性が考えられます。

(4)リハビリテーションマネジメントの包括化ならびに集団コミュニケーション療法の新規導入についての詳細は、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)」) を、ご参照下さい。

(5)以上、介護療養型医療施設におけるリハビリテーション改定に関する追加情報について論じました。

 但し、現時点で、解釈通知等が発出されてないため、不明確・不透明な点が多々あります。
 したがって、介護現場および介護サービス利用者・家族等が混乱しないためにも、平成21年3月末までに公布・発出される予定の 「改正省令・告示」・「関係通知・Q&A」 が、出来るだけ早期に公表されることを切望します。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)

 全日本病院協会主催の平成21年度介護報酬改定説明会 (2009/2/4) における講演 (「介護報酬改定の内容について」 厚生労働省老健局老人保健課・鈴木康裕課長) の資料を入手しましたので、介護療養型医療施設におけるリハビリテーションに関して、可能な範囲で解説したいと思います。


●介護療養型医療施設の主な改定内容について (リハビリ関連部分のみ抜粋)

(資料1) リハビリテーションの評価 (特定診療費) 【→(参考1)、(参考2)】

①医療保険との役割分担の明確化や整合性を図る観点から理学療法等についての評価を見直すとともに、ADLの自立等を目的とした理学療法等を行った場合の評価を廃止する。

②リハビリテーションマネジメントについては、理学療法 (Ⅰ) 等に包括する。

③入院後間もない期間に集中的に行うリハビリテーションを推進する観点から、評価を見直す。

 ◎短期集中リハビリテーション
  ●60単位/日→→→→→240単位/日 (入院日から3ヶ月以内)
   (注) 理学療法 (Ⅰ)・(Ⅱ)、作業療法、言語聴覚療法又は摂食機能療法を算定す
     る場合には、短期集中リハビリテーションは算定できない。


(資料2) 集団コミュニケーション療法の評価 【→(参考3)】

◎言語聴覚士が集団に対して実施するコミュニケーション療法について、新たに評価を行う。

  集団コミュニケーション療法 (新規)→→→→→50単位/回 (1日に3回を限度)


(参考1) 介護療養型医療施設におけるリハビリテーションに係る加算の算定状況

①リハビリテーションマネジメント加算については、特定診療費における理学療法等の算定回数に対して、約9割の算定実績がある。

②短期集中リハビリテーション実施加算については、特定診療費における理学療法等の算定回数と比べ、算定実績は必ずしも高くはない (約5%)。

理学療法等 (特定診療費):約113万件
         (介護給付費実態調査 H19.5審査分からH20.4審査分の月平均)


(参考2) リハビリテーションの人員配置基準

◎特定診療費における理学療法 (Ⅰ) 及び作業療法に関する人員配置基準は、医療保険における脳血管疾患等リハビリテーション (Ⅲ) や運動器リハビリテーション料 (Ⅱ) と同等。


(参考3) 集団コミュニケーション療法について

①平成20年度診療報酬改定において、脳卒中後の者などのうち、失語症等の言語障害を有する者について、言語聴覚士が集団で実施するコミュニケーション療法が新設されたが、介護報酬上の評価はなされていない。

②介護療養病床には、脳血管疾患の患者や失語症の患者も入院している。

(a) 失語症患者に対する集団療法及び個別療法の効果 (田上ら)
  ●言語機能改善・コミュニケーションADLの改善・社会適応の改善・心理的
   改善において、集団療法の効果が認められた。
(b) 介護療養病床入院患者について (平成18年介護サービス施設・事業所調査)
  ●全入院者 (111,099人) 中、脳血管疾患患者 (57,388人) (51.7%)。

(c) 介護療養病床入院患者について [平成18年度 「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」 (複数回答)]
  ●調査対象者 (2,671人)のうち、失語症 (11.2%)・脳梗塞 (47.8%)・脳出血 (17.1
  %)。

(d) 言語聴覚療法の算定実績 (言語聴覚士が1対1で行うもの)
  ●約9万7千回 (介護給付費実態調査:平成20年5月審査分)


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料1-①・参考2により、「理学療法 (Ⅰ) (180単位/回)」・「作業療法 (180単位/回)」 は、人員配置基準上、医療保険における脳血管疾患等リハビリテーション (Ⅲ) (100点) や運動器リハビリテーション料 (Ⅱ) (80点) と同等とみなし、両方ともベースを 「理学療法 (Ⅱ) (100単位/回)」 へランク下げした上で、一律 「+23単位」 したと考えられます (下記参照)。

  理学療法 (Ⅰ) 180単位/回
               (+23単位)
  理学療法 (Ⅱ) 100単位/回→→→→→→→理学療法 (Ⅰ) 123単位/回
               (+23単位)
  理学療法 (Ⅲ) 50単位/回→→→→→→→理学療法 (Ⅱ) 73単位/回

  作業療法   180単位/回→→→→→→→作業療法   123単位/回
   ●実際上は、「理学療法 (Ⅱ)→理学療法 (Ⅰ)」 と同様の計算で、
    100+23=123単位/回)

               (+23単位)
  言語聴覚療法 180単位/回→→→→→→→言語聴覚療法 203単位/回

               (+23単位)
  摂食機能療法 185単位/日→→→→→→→摂食機能療法 208単位/日

(2)一方、言語聴覚療法 (ST) と摂食機能療法とは、(ランク下げせずに) 現行の点数にそのまま一律 「+23単位」 しています。
 介護療養型医療施設においては、失語症・構音障害を持つ患者のみならず摂食嚥下障害患者も相当多く、STのニーズも高いためとされています。(但し、摂食嚥下障害に対するSTアプローチは摂食機能療法として算定できるのですが・・・)。
 別の解釈としては、月平均の理学療法等 (特定診療費) (約113万件) (参考1-③) に比して、STの算定実績 (STが1対1で行うもの) [参考3-(d)] が約9万7千回と少なく、患者ニーズと乖離しているため、とも考えられます。

(3)資料1-②・参考1-①より、リハビリテーションマネジメントは、約9割の算定実績があり、充分浸透し、所期の目的を果たしたため、包括化 [「理学療法 (Ⅰ) 等に包括」]、一方、資料1-③・参考1-②より、短期集中リハビリテーション実施加算は、算定実績が高くなく、未だ浸透していないため評価 (「60単位/日→240単位/日」) したと考えられます。(従来からの厚生労働省の狡猾な常套手段ですが・・・)。

(4)資料2・参考3-①・②・(a)~(d) により、集団コミュニケーション療法が導入されたと考えられます。
 改定後、実際のレセプト査定において、言語聴覚療法 (203単位/回) は高いので、集団コミュニケーション療法 (50単位/回) (最大:50単位/回×3回/日=150単位/日) に減額査定されるのではないかと、穿った見方をする方もいますが、真偽の程は現時点では予想がつきません。

(5)以上、平成21年度介護報酬改定における介護療養型医療施設でのリハビリテーション料の決定過程・理由の一端が少し理解できたような気がします。

 今後、各団体による平成21年度介護報酬改定説明会にて、もっと詳細な介護報酬改定の決定過程・理由が判明すると思います。
 
 改定のスケジュールは、
  ◎1月22日~2月20日まで:パブリックコメント募集
  ◎3月末まで:改正省令・告示の公布
         関係通知・Q&Aの発出
となっています。

 介護現場および介護サービス利用者・家族等が混乱しないためにも、出来るだけ早期の関係通知・Q&Aの発出を切望します。





banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

Page Top

時計
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

カズ食堂

Author:カズ食堂

カレンダー
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
訪問者数

   (Since 2009/01/11)

現在の閲覧者数
:
リンク

このブログをリンクに追加する

にほんブログ村ランキング
宮崎県 「てげうめ」 グルメ
Amazon アソシエイト







人気ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

banner2.gif
FC2ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

スポンサー・リンク
FC2アフィリエイト
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。