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介護職の口腔内吸引・経管栄養でモデル事業 (厚労省・特養検討会)

 前回の当ブログ記事 [特養における 「医行為のモデル事業」 を了承 (厚労省検討会)] の続編です。

 Japan Medicine (2009/6/15) に、「特養における医行為のモデル事業」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●介護職の口腔内吸引・経管栄養でモデル事業 (厚労省・特養検討会)

 厚生労働省は、介護職員が口腔内吸引と経管栄養を実施するモデル事業を行う方針を決め、10日の 「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」 (座長=樋口範雄・東京大大学院法学政治学研究科教授) に提示した。
 介護職員による医行為の 「解禁」 を視野に、ガイドラインづくりと施設内研修の在り方を検討する。
 厚労省はモデル事業を年内に行い、来年度には特養全体での実施を目指す考えだ。

 厚労省が示した 「たたき台」 によると、モデル事業は、
  ①看護職員と介護職員が連携してケアを行う場合の研修内容とケア実施ガ
   イドラインの検討
  ②施設内研修のための指導者養成研修の実施
  ③施設内研修・連携ケアのモデル実施
  ④モデル実施に関する調査・検証
などが柱。
 事前に有識者による検討委員会を設置し、モデル事業での業務指針を策定し、対象施設への研修を実施するとしている。

 介護職員が実施できる範囲は、口腔内吸引は、
  ①必要な物品準備など実施準備
  ②対象者への吸引の説明と環境整備、口腔内観察、吸引の実施
  ③対象者の状態観察、ケア責任者 (看護職員) への報告
  ④吸引びんの排液を捨てるなど片づけ
  ⑤評価記録。
 一方、経管栄養 (経鼻経管栄養と胃ろうによる栄養管理) では、実施ケアのうち 「流動物の確認やチューブの接続と注入、注入直後の状態観察など」 は実施できないが、
  ①注入中の状態を定期的に観察。
  ②注入終了後、30~50mLの白湯などを注入し頭部を挙上した状態を保つ。
ことはできるとした。
 これらはいずれも 「医行為」 の範囲で、現行法では介護職員は実施できない。
 モデル事業では、看護職員がいない場合でも、情報共有や連絡相談体制がとれていれば、介護職員が単独で行えるようにする方針だ。

 厚労省老健局計画課の菱田一課長は 「介護職員の痰の吸引などを認める場合、どのような法的構成が考えられるか、法的論点について検討してもらいたい」 と話した。

 同日は日本介護福祉士会が行った 「特養での介護福祉士らの吸引、経管栄養の実施状況」 に関する調査結果の報告もあった。
 調査は5月30日~6月8日に実施し、1,102人から回答を得た。
 口腔内吸引は 「午後5時半~午前8時半まで」 では7割以上が 「介護職も対応している」 と回答。
 鼻腔内吸引は 「午前6時~午前8時半」 では43.0%が介護職も対応していた。
 胃ろうも各時間帯で介護職も対応しており、「午前6時~午前8時半」 の58.1%が最も多かった。
 吸引を実際に行っている人の中で 「不安を感じる」 とした割合は83.8%に上った。

(1)今回の特養での喀痰吸引のモデル事業は、相対的にリスクの高い 「経鼻的喀痰吸引・咽頭より奥の喀痰吸引・気管切開部からの喀痰吸引」 を除いた、「口腔内吸引」 に限定されました。

 しかしながら、上記記事の通り、特養での介護福祉士は、「吸引」 に 「不安を感じている」 割合が8割を超えています。
 但し、この調査結果 (特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関するアンケート調査・結果概要報告書) における 「吸引」 は、「喀痰吸引」 と明記されておらず、「経鼻的喀痰吸引・咽頭より奥の喀痰吸引・気管切開部からの喀痰吸引」 と 「口腔内吸引」 との区別もされていないようですので、今回のモデル事業で行われる 「口腔内吸引」 に対する不安度は不明確と思われます。

 また、不安を感じる理由について、医療行為であり、違法であるにもかかわらず、業務上行わざるを得ないという 「制度上の不安」 と、喀痰吸引そのものに対する 「技術的な不安」 が多いことが、以前より指摘されています。

(2)一方、介護職員に対して、一部の医療行為をエンパワーメント (「権限」 と 「責任」 の委譲) する側の看護職員の意識として、キャリアブレインのCBニュース (2009/6/15) に下記の記事が掲載されています。

看護職の9割が介護職の喀痰吸引に賛成―全老施協調査

 口腔内の喀痰吸引を介護職員の職務範囲に含めることに、看護職員の9割が賛成していることが、全国老人福祉施設協議会 (中田清会長) などが公表した調査報告書で分かった。

 調査は 「特別養護老人ホーム入所者への医療対応と職務連携のあり方に関する調査研究事業」 の一環。
 昨年10月に全国の特別養護老人ホーム500施設を対象に実施し、介護職員1,184人、看護職員761人から回答を得た。

 それによると、現在違法行為とされている介護職員による口腔内の喀痰吸引を、介護職員の職務範囲とすることに賛成の看護職員の割合は90.7%で、反対は 5.1%だった。
 介護職員自身の賛成は77.6%、反対は19.6%で、介護職員よりも看護職員の方が前向きに考えていることが明らかになった。
 賛成の理由については、看護職員では 「リスクが少ないから」 が37.5%、介護職員では 「対象入所者が多いから」 が34.4%でそれぞれ最多となった。
 同会の福間勉事務局長は、「看護職の業務にしなくていい、切り離していい、という現場の感覚に基づくのではないか」 としている。

 一方、咽頭より奥の喀痰吸引については、看護職員の賛成が37.5%、反対が55.6%、介護職員の賛成が38.1%、反対が58.3%と、共に反対が賛成を上回り、口腔内の喀痰吸引に比べ、介護職員の職務範囲にすることには慎重な姿勢が見られた。

 介護職員が胃ろうの管理をすることについては、看護職員の賛成は67.0%で、反対は27.6%。
 一方、介護職員の賛成は43.2%、反対は52.3%だった。
 賛成する理由として、「リスクが少ない」 と考えている看護職員は24.7%、介護職員は16.0%だった。

 経鼻経管栄養の管理については、看護職員の賛成が40.7%、反対が52.4%で、介護職員の賛成が34.9%、反対が59.9%となり、いずれも反対が過半数を占めた。

 上記記事の通り、特養の看護職員の意識として、介護職員による 「口腔内の喀痰吸引」 は肯定的ですが、「咽頭より奥の喀痰吸引」 は否定的のようです。

(3)前回の当ブログ記事でも述べましたが、「特養における医行為のモデル事業」 が順調に進み、喀痰吸引をはじめとした各種の医行為・医療行為のエンパワーメント (「権限」 と 「責任」 の委譲) ならびにスキルミクス (真の多専門職種協働) が進展することが望まれます。

 また、リハビリテーションの分野においても、セラピスト [特に、呼吸理学療法を行っている理学療法士 (PT) あるいは嚥下訓練 (特に直接訓練) を行っている言語聴覚士 (ST)] による喀痰吸引の解禁が望まれます。

 但し、医療行為のエンパワーメントの際には、介護職員およびコメディカルへの充分な教育・研修および様々な環境調整等、慎重なアプローチが必要と考えられます。




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特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケア

 厚生労働省は、平成21年2月12日、第1回特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会を開催しました。
 この検討会の目的は、「特別養護老人ホームにおける重度化の進行等により、医療的なケアを提供するニーズが高まっている状況に対応するため、看護職員と介護職員が連携・協働して、入所者にとって安心・安全なケアを提供するための方策について検討する」 ことです。
 この検討会は、医政局長及び老健局長の私的検討会としての位置づけで、事務局は、医政局医事課及び老健局計画課です。

 CBニュース 「特養での看護と介護の連携で検討会-厚労省」 (平成21年2月12日) によると、厚生労働省および各委員から次のような趣旨の発言があったそうです。


(a)厚生労働省・宮島俊彦老健局長
 「特養の入所者の重度化が進んでおり、医療ニーズが高まっている」 と指摘。「2009年度の介護報酬改定でも、看護職員の手厚い配置への評価などをしている。今後、いかに看護と介護で連携していくかが重要だ」 と述べた。

(b)厚生労働省・外口崇医政局長
 「今後の高齢化を踏まえると、介護現場での医療的なケアについて考えることは必要」 と強調。「看護職員と介護職員の連携はもちろん、入所者や入所者の家族にとっての安心・安全も考慮して議論してほしい」 と述べた。

(c)厚生労働省 「特別養護老人ホームにおける医療的ケアに関する実態調査」
 1.平成20年9~10月に特養6,083施設に対して調査票を送付し、3,370施設か
  ら回答を得た。
 2.午前9時~午後5時に看護職員が勤務している施設は全体の99.8%。午後
  8~10時は3.4%。午後10時~午前6時は2.6%
 3.実施頻度の高い医療的ケアについては、①服薬管理が74.6%で最も多く、
  以下、②経鼻経管栄養及び胃瘻による栄養管理 9.9%、③吸引5.3%、④創傷
  処置4.6%、⑤浣腸3.7%、⑥摘便3.7%と続いた。

(d)老施協総研介護委員長・桝田和平氏
 現場での医療的ケアの提供の実態と比べると 「数字が少し低いのでは」 と指摘。介護職員による医療的ケアは違法なため、「無記名のアンケートとはいえ、心理的に書けない部分があり、実態より低い数値が出たのでは」 との見方を示した。
 「多くの施設で基準より手厚く看護職員を配置しているが、夜間の配置には難しい面がある」 と指摘。「(医療ニーズに対応するには) 手厚い看護配置をするということも一つの考えかもしれないが、現場実態を踏まえた議論をしてほしい」 と述べ、介護職員による医療的ケアの必要性を示唆した。

(e)日本介護福祉士会副会長・木村晴恵氏
 「そういう (介護職員による医療的ケアの) 実態があるとは聞いている」 と語った。

(f)首都大学東京都市教養学部法学系学系長・木村光江氏
 「違法性があるという状態は、利用者にとっても介護従事者にとっても危ない状態だ」 と指摘。

(g)日本看護協会常任理事・高階恵美子氏
 「働く職員の 『安全』 を考える必要がある」 と述べた。

(h)日本医師会常任理事・三上裕司氏
 「そもそも、24時間医療行為を必要とする人が特養に入って来ていいものか。医療ニーズのある人が増えているのであれば、医療行為ができる施設を増やしていくのが本来あるべき姿だ」 と強調。
 特養での医療ニーズの増加に合わせて医療行為にかかわるスタッフを増やしていく方向性に疑問を呈した。
 また、「喀痰吸引は、場合によっては窒息を起こしてしまう、命にかかわる行為だ」 と指摘した。

(i)樋口座長 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
 「ニーズに合わせて多数の医師や看護師を配置するのは、実際には難しい」 などとした上で、「今の現場の状況を踏まえた現実的な対応が必要では」 と述べた。

(j)その他
 「介護職員が医療的ケアにかかわる場合、そのための研修体制を整えることが必要」 との意見も出た。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)本検討会の主目的は、「安心と希望の介護ビジョン」 (平成20年11月20日) における下記の事項の実現と考えられます。

【医療と介護の連携強化 「関係者間での連携」】

①介護従事者が、質の高い総合的なケアを提供できるようにするため、将来的には、医師や看護師との連携の下に、介護の現場で必要な医療行為を行うことができるようにすることを含め、資格・研修のあり方の検討

②当面、利用者の重度化が進み、夜間も含めた医療的なケアのニーズが高まっている施設において、必要な知識・技術に関する研修を受けた介護従事者が、医師や看護師との連携の下に、経管栄養や喀痰吸引を安全性が確保される範囲内で行うことができる仕組みの整備

(2)厚生労働省サイドの発言(a)・(b)は、上記(1)の 「介護従事者による医療行為の一部許容」 を意図しています。
 また、2012年 (平成24年) 3月の介護療養型医療施設の廃止を念頭に、医療必要度の高い要介護者を、病院ではなく、特養にて看護職員と介護職員が協働してケアしていくという意図があります。
 それらのことを座長の発言(i)がサポートしています。

(3)上記(c)の厚生労働省提出資料は、現実の介護現場において、看護師が勤務していない時間帯は、 介護職員が医療行為を現に施行していることを示唆しています。(厚生労働省お得意の 「既成事実化」)。
 介護職員サイドの発言(d)・(e)は、そういう実態を肯定し、現場実態を踏まえた 「介護職員による医療的ケアの必要性」 を主張しています。

(4)一方、法学者の発言(f)・看護サイドの発言(g)は、法律上・安全上の立場から、否定的な発言です。

(5)医師サイドの発言(h)は、そもそも論 (医療必要度が高い要介護者は、特養ではなく、介護療養型医療施設または病院でケアすべき) および 医療安全管理・医療事故・医療過誤・医療訴訟を念頭においた否定的な発言です。

(6)以上、「介護従事者による医療行為の一部許容」 に向けて、厚生労働省と座長が、どう軟着陸させるかが見物です。
 但し、厚生労働省が、「医療費抑制・介護保険料抑制」 のことばかり考えて、「要介護者の安全」 ならびに 「介護従事者の防護・庇護」 がおろそかにならないように充分配慮して頂きたいと思います。





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