1. Top » 
  2. 職掌・職域の拡大

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

  • Genre:

理学療法士作業療法士学校養成施設に関する諸問題 (政府見解)

 理学療法士作業療法士学校養成施設に関する諸問題についての質問主意書ならびに政府答弁書が公開されましたので、紹介します。

理学療法士作業療法士学校養成施設に関する質問主意書
 ●質問359号 (提出者:滝 実・衆議院議員、平成20年12月18日提出)

 ◎政府答弁書 (答弁第359号:内閣衆質170第359号)
   (平成20年12月26日、内閣総理大臣 麻生太郎)

 最近の数年は、理学療法士、作業療法士 (以下 「療法士」 という) を養成する大学が急増している。このため看過できない問題が起きているので質問する。

1.療法士を養成する大学の増加にともない医療機関で実習する施設が不足している。このため一部の大学では実習教育を軽視し、医療技術を身につけているべき療法士が実践能力不十分のまま有資格者になり医療現場に出ている。このように知識偏重で療法士を養成する結果、医療人としての基本的心構えや資質のない療法士が医療・福祉に携わっている実態を放置していいのか。


(回答) 理学療法士及び作業療法士法 (昭和40年法律第137号) に基づく文部科学大臣の指定を受けて、理学療法士及び作業療法士 (以下 「理学療法士等」 という) の養成を行っている大学においては、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則 (昭和41年文部省・厚生省令第3号) に定められた単位数以上の臨床実習が行われているところである。また、当該臨床実習により、理学療法士等として必要な知識及び技能を修得しているかどうかについて、国家試験において確認しているところである。したがって、御指摘のように 「知識偏重で療法士を養成する結果、医療人としての基本的心構えや資質のない療法士が医療・福祉に携わっている」 とは考えていない。

2.療法士は技術の取得が重視されなければならないのに、4年制の大学 (専門課程は2年半) 修了者を3年制の専門学校修了者と同じレベルの技術を取得できると考えている文部科学省・厚生労働省共管の 「療法士学校養成施設指定規則」 は、現在の大学の実態を検証することなく過度に高く評価するものであって、公正な取扱いをするために見直す必要があるのではないか。

(回答) 理学療法士等の国家試験の受験資格を得るためには、基本的に、文部科学大臣が指定する学校又は厚生労働大臣が指定する養成施設において、一定の年数以上理学療法士等として必要な知識及び技能を修得する必要があるが、その修業期間及び教育内容については、学校であるか養成施設であるかによって異なるものではなく、両者を不公正に取り扱っているわけではない。

3.学生数が減少してきたため大学が生き残りをかけてさまざまな学科を新設している。療法士の養成学科もそのような学科であり、その影響を受けてこれまで療法士を養成してきた小さな専門学校が実績を作ってきた実習病院を大学に奪われる事態も発生している。このように所管省庁の違いによる連絡不十分な事務処理によって、質の高い療法士を養成してきた専門学校が実習病院を確保できない事態に陥っているのを黙殺していいのか。

(回答) 文部科学省においては、これまで、大学の新学科設置については、大学設置・学校法人審議会の答申を踏まえ、適切に認可を行っているところであり、臨床実習を行うための実習施設については、大学や養成施設において、病院等に協力をお願いし、確保すべきものであると考えている。

4.リハビリテーションの必要が高まっている現在、リハビリテーション関係職種の業務内容を保証し、質の高い技術を提供できるよう、国として資格者養成について責任を強めるべきではないのか。

5.リハビリテーション関係職種が国家資格でありながら、資格者の増加、診療報酬の引き下げにより資格者が不適切な業務行為に奔る虞があるので、リハビリテーション関係職種の職域、業務独占などについて早急に検討する必要があるのではないか。


(4及び5についての回答) 厚生労働省としては、本年6月に、理学療法士等の質の向上を図るため、理学療法士作業療法士国家試験出題基準を見直したところである。今後とも、必要に応じ、理学療法士等の質の向上のための方策について検討し、適切な措置を講じてまいりたい。


 上記に関して、下記のように考察されます。

(1)規制緩和に伴うセラピスト養成大学の増大に伴い、上記のような学生実習施設の不足、臨床的技術・技能 (クリニカル・スキル)、コミュニケーション・スキル等の教育・訓練が不充分なままセラピストとなる可能性が問題視されており、実際の臨床の現場での 「リハビリテーションの質の低下」、「医療安全管理・リスク管理上の問題と医療事故・医療過誤・医療訴訟が増加する可能性」、「患者満足度の低下・患者との日常トラブル・患者からのクレームが増加する可能性」 等の問題点が挙げられます。

(2)セラピストの学歴として、「4年制大学卒」、「大学院修士課程修了者」、「大学院博士課程修了者・博士号取得者」、「4年制専門学校卒」、「3年制専門学校卒」 等に分類できます。
 一方、臨床の場では、認定セラピスト・専門セラピスト、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士等の資格取得による専門性・キャリアアップが重要視されます。
 人事考課においては、基本的に、学歴の差よりも、臨床的専門性等の能力主義が重視されていると思われますが、医療機関・介護施設等では、整合性を図るのに苦労されているところがあるかも知れません。
 今後、看護師養成と同様に、セラピスト養成も4年制大学に一元化される可能性がありますが、現時点では不透明な状況です。

(3)セラピスト養成大学を所管する文部科学省とセラピスト養成施設を所管する厚生労働省との間には、やはり、省庁間特有の縦割り主義・省益優先主義・縄張り意識等がありますが、それらを払拭し、うまくコラボレートしながら、(上記のように、4年制大学への一元化の可能性も含めて)、セラピスト養成計画の将来像を明確にして頂きたいと思います。

(4)一般の方の中で、「医業類似行為の有資格者 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師)・民間資格 (カイロプラクター、整体師等)」セラピストとを未だ混同されている方もいらっしゃいます。
 また、保険診療においても、「施術療養費 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師)」「リハビリテーション料」 との混同・競合が問題となる場合もあり、両者を明確に区別するクリアカットな医療施策が望まれます (但し、政治的な要素がかなり強いため、抜本的な改革は無理?)。

(5)セラピストの職掌・職域の拡大としては、
 ①医療における医師不足 (特に勤務医不足) に伴うコメディカルへの権限・責任の
  委譲による職掌の拡大
 ②介護予防、地域支援事業、健康増進事業 (含、メタボリック・シンドローム対策)
 ③ロコモティブ・シンドローム (運動器の障害のために、要介護となる危険の高い
  状態)
  ●メタボリック・シンドロームと同様に、厚生労働省が全国的展開をすれば、
   職域拡大に繋がる。

等が挙げられますが、他の有資格者 (保健師・看護師・准看護師、柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師) および健康運動指導士等との競合問題が生じます。

(6)リハビリテーションに対する国民のニーズが高い割には、「リハビリテーション診療報酬の引き下げ・算定日数制限」、「運動器リハビリテーションにおけるセラピスト以外の代替有資格者問題 (経過措置ですが・・・)」、「リハビリテーション介護報酬の引き下げ (平成21年度介護報酬改定におけるリハビリテーションに関しては、項目によっては、プラス改定・マイナス改定の両方がありますが、介護療養型医療施設の理学療法料・作業療法料は大幅な引き下げ)」 等、比較的不利な状況があります。
 その上、リハビリテーションが、出来高制から包括化へと、仮に進展すれば、益々問題が深まります。
 ちなみに、平成21年度介護報酬改定は全体的には3%プラス改定ですが、これまでの2回連続のマイナス改定の分をカバーするまでには至っていません。

(7)但し、医業類似行為の有資格者 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師) とは異なり、急性期~回復期の医療保険でのリハビリテーションにおいては、セラピストの専門性は、高い優位性があります。
 また、平成21年度介護報酬改定にて、先ず、セラピストが管理者である (訪問リハビリテーションを主として行っている) 訪問看護ステーションが誕生します。さらに、遅くとも、平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定時までには、セラピストが管理者である訪問リハビリテーションステーション制度が高い確率で導入されるという明るい材料もあります。

 以上、セラピスト学校養成施設の問題から、セラピストの将来像まで、ブログ管理人独自 (好き勝手な意見で恐縮ですが) の展望を述べてきましたが、未だ未だ不透明・不明確な点も多々ありますので、これからの医療法改正・医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定ならびにそれらに関与する各種審議会・協議会等を注視する必要があります。

【関連記事】
 ◎運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性
 ◎リハビリテーション医療におけるリスク管理
 ◎脳卒中リハビリテーションにおける 「早期離床」
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)
 ◎介護保険改革は 「家族の問題は遮断」 (厚労省老健局長)
 ◎「医行為のコメディカルへの権限委譲」 厚労省見解
 ◎「医療保険は医師が裁量、介護保険は看護師が主体」 厚労省老健局長




banner2.gif
より多くの方に読んで頂くため宜しければ応援お願いします。

スポンサーサイト

Page Top

時計
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

カズ食堂

Author:カズ食堂

カレンダー
04 ≪│2017/05│≫ 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ブログ内検索
訪問者数

   (Since 2009/01/11)

現在の閲覧者数
:
リンク

このブログをリンクに追加する

にほんブログ村ランキング
宮崎県 「てげうめ」 グルメ
Amazon アソシエイト







人気ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

banner2.gif
FC2ブログランキング

◎より多くの方に読んで頂くため 宜しければ応援お願いします。

スポンサー・リンク
FC2アフィリエイト
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。