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「介護認定基準、再修正へ」 (NHK解説委員の見解)

 NHK解説委員室ブログ (2009/8/6) の 『スタジオパークからこんにちは 「暮らしの中のニュース解説」』 カテゴリーに、新要介護認定制度の再修正に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

介護認定基準、再修正へ

(稲塚キャスター)
 介護保険のサービスをどれだけ受けられるかを判定する 「要介護認定」 の基準が、今年10月から再び見直されることになりました。
 厚生労働省は、今年4月に基準を見直したばかりでしたが、わずか半年でまた見直されることになりました。
 藤野解説委員とお伝えします。

(Q1)
 4月に始まったばかりの基準がもう見直される。
 なぜこんなことになったのか。


(A1)
 原因は、4月以降、これまでより要介護度が軽く判定される人が相次いでいるからです。
 このグラフ (註:省略) を見てください。
 これは、全国の自治体の今年4月と5月の認定結果をまとめたものです。
 要介護度は、要支援1から要介護5まで7段階に分かれているのですが、結果をみると、「非該当」、つまり、介護の必要なしと判定された人が、1年前と比べて2倍以上に増えた。
 またグラフ全体を見てみても、軽い人の割合が増えています。
 要介護度が軽く判定されると、介護保険で受けられるサービスの内容がかわってきて、これまでのサービスが受けられない人が出てきます。
 そうした人が増えないように、厚生労働省は、もう一度基準を修正して、10月から再スタートしようという判断をすることになったわけです。

(Q2)
 具体的に、どのような見直しが行われるのか?


(A2)
 これ (註:図省略) は、介護認定の流れです。
 市町村に申請を出すと、調査員による聞き取り調査をもとに、一次判定が行われ、そのあと医師や介護の専門家による二次判定が行われます。
 今回は、4月に変更された、調査員による聞取り調査の方法を見直すことになります。
 聞き取り調査の項目74項目のうち43項目が再修正されます。
 そして、具体的にどうかわるか、一言でいいますと、4月以前の基準に近いものに戻すということなんです。

①例えば 「ひどい物忘れ」 の項目。
 今は、火の始末を忘れても、本人が何もしなければ、物忘れとはみなさないとなっていて、意味がよくわかりませんよね。
 現場の人たちから、これでは本人が火を消すのを忘れて火事になりそうになっても、物忘れがないことになるのかという疑問が出ていました。
 このため、修正後は、本人が何もしなくても、周囲の人が火の始末をせざるを得ない場合は 「物忘れ」 とみなすことになっています。

②また、「座位保持」 の項目。
 座ったままの姿勢をどのくらい保てるか、という項目ですが、今の基準は、座った姿勢を1分程度保てれば 「できる」 とみなすことになっていました。
 修正案では、10分程度保てた場合に初めて 「できる」 とみなすことにするとしています。

(Q3)
 これで、以前より要介護度が軽く判定されることはなくなるのか


(A3)
 この案で、厚生労働省が、全国およそ1万人を対象にシュミレーションした結果、4月の見直し前の判定結果とほぼ同じになったので、極端に軽くなることはないとしていますが、実際にスタートしてみないとわかりません。

(Q4)
 この話。
 見直し前から、介護現場や利用者からの不安が広がって、対応が二転三転してきたが原因は何か?


(A4)
 一番は、厚生労働省に、現場や利用者の声を汲み取って、制度を改善しようという姿勢が欠けていたこと。
 今の基準を現場に周知するための期間はわずか3か月でしたし、見直し案を作る段階でも、現場の声をもっと反映させる方法を考える必要があったと思います。
 こうした厚生労働省の姿勢に、現場からは、介護費用を低く抑えるために、軽い判定結果がでるように誘導しているのではないかという批判も出ていました。
 一連の混乱は、制度への信頼を失わせる結果となってしまったと言わざるを得ないと思います。

(Q5)
 今後の課題は?


(A5)
 やはり、再修正された基準が果たして妥当なものかどうか、10月以降も検証を続ける必要があります。
 特に今の基準は、在宅で介護を受けている人の実態にあっていないという指摘もあります。
 今の基準は、施設で介護を受けている人を対象に行った調査をもとにつくられているからです。
 介護サービスを受けている人の7割は在宅ですから、利用者の実態に合わせた基準づくりを進める必要があると思う。

(Q6)
 介護サービスを利用している人が、実態にあった判定をしてもらうためにはどういうことに気をつければいいのか。


(A6)
 まず、本人や家族は認定の仕組みをよく知ること。
 また、調査員に伝えたいポイントを事前にメモにしてまとめておくことが必要です。
 聞きとり調査を受ける時には、日ごろ介護している家族などが立ち会って、今のサービスで不足していること、困っていること、頻度など、具体的に伝えることが重要だと思います。

(1)以前の当ブログ記事 (新要介護認定制度2009:要介護度の軽度化にて、半年で再修正へ) でも述べましたが、(建前上、) 「介護認定訪問調査員の主観を排除し、要介護度の地域間の認定のばらつきを解消するため」 に2009年4月に導入された新要介護認定制度が早くも大幅な再修正を受けることになりました。

 新要介護認定制度導入の本音は、

  ①制度改正により、介護認定審査会での2次判定による不適切な変更を是正
   する。(註:あくまで、厚生労働省の視点での 「不適切」 な変更)。

  ②要介護度を軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の抑制・市町村負担の
   抑制。

とされています。

(2)以前の当ブログ記事 [介護保険制度に関する質問主意書 (水戸将史参院議員) と政府答弁書] でも強調しましたが、次期政権には、

①先ず、国民の安全・安心・納得・満足の実現を最優先に考える。
   ↓
②量・質ともに充分なレベルの介護保険制度に必要な予算および必要な介護給付
 費を確保する (介護給付費抑制のための 「要介護認定制度改正による要介護度
 の軽度化および介護報酬改定 (含、区分支給限度額の据え置き)」 は可及的速や
 かに改正する)。
   ↓
③そのための財源を確保する (その際、安易な 「介護保険料の引き上げ・介護サ
 ービス利用者の自己負担の引き上げ・市町村負担の増大」 は控える)。
   ↓
④そのために、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用・子育て) 以外の分野
 における 「税金の無駄遣い」 を止め、且つ 「(一般国民の目線から見た) 優先順
 位の低い事業」 は、予算執行を先送りするあるいは中止する (消費税増税は最
 後の最後の手段!)。

という新しい発想 (一般国民の目線での発想) で、現在の 「介護崩壊・介護難民・介護棄民・社会保障崩壊」 の負のスパイラルから、「介護再生・社会保障再生」・「国民の安心・安全・納得・満足が得られる社会」 の実現を達成して頂きたいと思います。




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「医療の再生には3つの幻想を捨てる必要がある」 (二木教授)

(1)週刊東洋経済 (2009/7/18) に、「医療の再生」 に関する二木立・日本福祉大学教授 (副学長) のインタビュー記事が掲載されていますので、その一部を下記に示します。

<質問>
 医療の再生にはどんな手立てが必要でしょうか。

<二木教授の回答>
 よりよい医療制度を目指した改革を行ううえでは、3つの幻想を捨てる必要がある。

 第1の幻想は、抜本的改革が必要だという考え方だ。
 医療は赤ちゃんからお年寄りまで全国民を対象とした唯一の社会保障制度であるだけに、すべての利害関係者に大きな影響を及ぼす抜本改革は不可能。
 これは国際的常識だ。
 すべての国民が最適な医療を公平に受けられるという医療保障の理念を明確にしたうえで、部分的な改革を積み重ねていく以外に方策はない。

 第2の幻想は、外国の制度のよいところを選択的に導入すれば日本の医療制度は改革できるというものだ。
 だが、医療制度はその国の歴史と文化に根差している以上、それを踏まえて改革を行わざるをえない。

 そして第3の幻想は、医療には無駄があるから、効率化によって、医療の質の向上と医療費抑制の両立が可能だということ。
 これは医療経済学的に否定されている。
 医療の質の向上には、医療費拡大が不可欠だ。

 重要なことは、医療再生の必要条件と十分条件の区別だ。
 必要条件とは、医療費抑制政策と医師数抑制政策の見直し。
 日本の人口当たり医師数と医療費水準が主要先進国 (G7) で最下位だという事実は、医療費抑制を強く唱えた09年の財政制度等審議会建議ですら認めている。
 ただ、これら両者の見直しは必要条件であり、これができれば医療問題が自動的に解決するわけではない。

(2)一方、2009年7月9日の社会保障審議会医療部会において、堤健吾委員 (日本経団連医療改革部会部会長補佐) が提出した平成22年度診療報酬改定等に関する意見書は、下記の通りです。

 平成22年度の診療報酬改定等に関連し、以下の通り意見を提出いたします。

①診療報酬の引き上げを求める声が強まっているが、改定率の検討にあたっては、昨今の経済情勢、健保組合の財政情勢などに十分配慮することが必要と考える。

②質の高い医療をいかに効率的に提供するかという点は今後とも重要な課題である。また、病院・診療所の再診料の格差是正は引き続きの検討課題である。特に、昨今問題視されている分野 (産科・小児科をはじめとする病院の勤務医の負担軽減策、救急医療対策など) には重点的に手当てするなど、選択と集中の考え方を基本とすべきでないか。

③医療提供体制のほころびの解消に向けて、本予算、補正予算などで各種の対策が実施されているところであるが、こうした対策と、診療報酬上の手当ての双方の役割分担を明確化するとともに、重複感を排除しつつ、相乗効果を生むような工夫が必要である。

④社会保障国民会議での検討とこれに続く 「中期プログラム」 において、医療改革の方向性はすでに示されている。今後、いつまでに誰が何を実施するのか、より具体的な工程に落とし込んで実現を図ることが必要だ。

(3)上記(1)の 「二木教授の考え方」 と上記(2)の 「経団連 (財界・大企業) の考え方」 との間の乖離を目の当たりにすると、「医療再生・社会保障再生にはまだまだ道遠しの感あり」 といえます。

 しかしながら、衆議院総選挙の投開票日が来る8月30日に決まり、民主党への政権交代の期待が高まる中、「従来の既得権益グループによる旧態依然とした政策立案・実施プロセス」 の大変革 (真の構造改革) が成され、「医療費・医師数抑制政策、医師 (特に勤務医) の不足・地域偏在・診療科偏在、少子超高齢社会の到来、医療の高度化等による医療崩壊 (医療破壊)・社会保障崩壊 (社会保障破壊)」 のこれまでの 「負のスパイラル」 が、「医療再生・社会保障再生」 へと、劇的に change することが強く望まれます。




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骨粗鬆症とめまいに関連性 (転倒・骨折等に留意)

 Japan Medicine (2009/3/30) に、骨粗鬆症とめまいの関連性に関する興味深い論文が掲載されていますので紹介します。

●骨粗鬆症とめまいに関連性

 3月23日のニューズワイズのニュースによると、骨粗鬆症とめまいの間に関連性があることが明らかになった。
 韓国ソウル大の研究グループが、学術誌 「神経学」 (Neurology) 3月24日号で報告した。

 良性頭位めまい症の患者209人と、同症状のない被験者202人とを比較したもので、骨粗鬆症の被験者は、骨量が正常の被験者と比べて、同症状を持つ確率が3倍で、骨粗鬆症の前段階である骨減少症の被験者では、同症状を持つ確率が2倍であることが分かった。

 同研究によると、女性では、めまいのある被験者の25%が骨粗鬆症を発症、47%が骨減少症であったのに対し、めまいがない被験者ではそれぞれ9%と33%であった。
 男性被験者では、めまいのある被験者の12%が骨粗鬆症、40%が骨減少症であったのに対し、めまいがない被験者ではそれぞれ6%と27%であった。

(1)論文によると、対象患者は、頭部外傷や耳科外科手術等の明らかな原因を有しない良性頭位めまい症の患者であり、また、交絡因子の影響をできるだけ排除するため、年齢、性、アルコール、喫煙、高リン酸血症を調整した多変量ロジスティック回帰分析を施行し、骨減少症、骨粗鬆症の存在のみが、めまいリスクの増加と関係したと述べています。

(2)また、論文によると、著者らは、今回の結果の原因として、「カルシウム代謝異常」・「特に、女性の閉経後の女性ホルモン (エストロゲン) 喪失に伴うカルシウム代謝異常・骨代謝異常」 を挙げていますが、男性にも同様のめまいと骨粗鬆症の関連性が認められることから、他の因子の関与が示唆されると述べています。

(3)リハビリテーションの臨床の場においては、骨粗鬆症を持つ高齢者を対象とすることが多く、且つ脳卒中その他の神経疾患および整形疾患 (変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症・脊椎圧迫骨折・大腿骨頸部骨折、等) に伴う転倒リスクを充分配慮する必要があります。

(4)今回の研究結果より、上記(3)に加えて、骨粗鬆症に関連するめまいにも充分配慮し、「転倒・骨折→寝たきり・認知症」 の負のスパイラルを防止することが肝要と考えられます。




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