(1)近年の
医療崩壊 (特に、病院崩壊) の大きな要因として、これまでの医療費抑制政策ならびに医師不足 (特に、勤務医不足) に伴う
医師 (特に、勤務医) の過重負担・疲弊による 「立ち去り型サボタージュ」 が挙げられます。
(2)勤務医にとって、
勤務医不足・医療の高度化に伴う過重負担・疲弊も大問題ですが、その他にも、
「コンビニ受診」・「モンスターペイシェント」・「医療事故・過誤・訴訟に対する不安および訴訟リスク」 も最近問題視されています。
(3)後者の諸問題は、
患者・家族、マスメディア、一般国民等の 「医療における不確実性」 に対する理解不足が大きく影響していると思われます。
(4)「岡空小児科医院」 ホームページに、下記のような 「
医療の不確実性」 についてのQ&Aが掲載されています。
Q.最近、「医療の不確実性」 という言葉を耳にしますが、どういうことなのですか?
A.とても良い質問を頂きました。
医療は数学ではなく、アートであるともいわれますが、いくら医学が進歩しても、100%確実な診断や治療、経過予想はあり得ないということです。
人体はわからないことが多く、現代医学も正しいとは限らないのです。
また、患者さんの個人差も大きいので、結果がどうなるかは正確に予測できない。
医師による見解の差もある。
しかも死亡まで含めた様々なリスクがある。
正解が一つに決まらない中で、最善の道を探るには、医療を受けないことを含めた複数の選択肢から患者さん自身が選ぶしかないのです。
「医療の不確実性」 を患者さん、医療者ともに認識し、十分な説明と同意の元に患者さんに治療方針を選択していただくこと (インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイス) が大切になってきます。
(5)上記(4)と同様に、
リハビリテーション医療にも、「不確実性」・「限界」・「リスク」 が存在するため、患者および障害のある方に、上記3要素の充分な理解も含めて、
「インフォームド (充分な説明を受け、充分理解した上での)・コンセント (同意)」・「インフォームド・チョイス (自己選択)、インフォームド・デシジョン (自己決定)」・「インフォームド・コオペレーション (協力)」 を得るべきと考えられます。
その上で、「患者および障害のある方」 と 「リハビリテーションスタッフ」 との良好な
パートナーシップのもと、円滑なリハビリテーション医療が遂行されることが望まれます。
(6)また、医療およびリハビリテーション医療における 「不確実性」・「限界」・「リスク」 の周知徹底および充分な理解を得るためにも、(既に実施されている医療機関もあると思いますが)、
院内掲示 (下記の掲示例を参照) を、院内およびリハビリテーション室に掲げることがベターと考えられます。
●当院をご利用される患者様へ
1,医療には 「不確実性」 があります。
2.医療には 「限界」 があります。
3.医療には 「リスク (危険性)」 が伴います。
●当院でリハビリテーションをご利用される患者様へ
1,リハビリテーションには 「不確実性」 があります。
2.リハビリテーションには 「限界」 があります。
3.リハビリテーションには 「リスク (危険性)」 が伴います。