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リハビリテーション診療報酬は 「包括払い制度」 へ???

 「民主党政策集 INDEX 2009 医療政策<詳細版>」 (2009/7/31) における 「国民皆保険制度の維持発展」 の章の 「包括払い制度の推進」 の項を下記に示します。

●包括払い制度の推進

 国内どこに住んでいても、医学的根拠に基づく医療 (EBM) が受けられるよう、急性期病院において、より一層の包括払い制度 (特定の疾患に定額の報酬が支払われる制度) の導入を推進します。
 同時にクリティカルパス (註) を可能な限り導入し、療養病床においては食費・居住費を含めた包括払い制度を導入します。
 超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます。
 なお、後期高齢者医療制度でも外来医療費を定額にできる 「包括払い」 のような制度が導入されていますが、仕組みはまったく異なります。
 75歳以上の高齢者のかかりつけ担当医が、慢性疾患を抱えがちな高齢者について、定期的に診療計画書を作成し、生活全般にかかわる指導・診察を行えば後期高齢者診療料が算定できるというものです。
 これは医療現場の理解を得られておらず、後期高齢者に限って医師へのフリーアクセスが制限され、必要な検査ができなくなる恐れがあることなどから民主党は反対しています。

 (註) クリティカルパス
   ◎医療の内容を標準化し、質の高い医療を提供することを目的として、
    疾患ごとに入院から退院までの経過や検査の予定などをスケジュール
    表のようにまとめたもの。

(1)上記の文中に、「超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます」 という文言がありますが、少なくとも、「急性期」 は包括払い制度からは除外されていると考えられます。

(2)全く同じ文言が、昨年の 「民主党 INDEX 2008」 の 「厚生」 の章にも記載されています。

(3)リハビリテーション診療報酬における 「包括化 (包括払い制度の導入)」 に関しては、当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性』および 『急性期・亜急性期のリハビリ料の出来高払いの既定事実化 (二木教授)』) において、既に詳細に考察していますので、ご参照下さい。

(4)現時点での当ブログ管理人の予想は、下記の通りです。

 ①次期2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定における 「超急性期 (~急性期) の
  リハビリテーション料」 の 「包括化ならびにセラピスト以外の代替有資格者
  (看護職員) の算定可能化」
の導入の可能性は 「完全には否定できない」 と考
  えられます (下記の参考資料を参照)。(特に、DPCにて在院日数の短縮が
  より強く求められており、且つ配置セラピストが不足している 「DPC対象
  病院である高度急性期総合病院および急性期総合病院」 に対する対策)。

(参考資料)

 「医療経営Phase3 (フェイズ・スリー)」 (平成19年12月号) の中の記事 (霞が関ズームアップ「平成20年度診療報酬改定の評価項目が浮上」) において、下記の 「急性期リハビリテーション料の新設」 に関する予測記事が掲載されましたが、結局、平成20年度診療報酬改定での導入は見送らました。

【急性期リハビリテーション料の新設】
 リハビリテーションは発症初期から開始することが重要であり、平成18年度診療報酬改定でも急性期・回復期のリハビリを評価している。
 急性期・回復期のリハビリは、発症直後から関節可動域訓練などを開始することが重要視されているが、急性期は臥床したままで、リハビリの専門病院に転院した後、または回復期リハビリ病棟に転棟した後に、リハビリを開始する事例も多い。
 この場合、リハビリを開始する時点で既に回復が困難なレベルにまで拘縮が進んでいるため、回復期リハビリが充分な効果を発揮できない事例があることも、厚労省は把握している。
 これらをもとに同省では、発症直後から何らかのリハビリを開始することを評価した点数を設定することを検討している。
 具体的には、「1日につき150点の急性期リハビリテーション加算を新設する」 意向だ。
 算定条件としては、
  (1) リハビリを必要と認める患者に対して発症直後から2週間までの間に
   医師の指示の下、看護師 (准看護師を含む)、または理学療法士が関節
   可動域訓練などを実施した場合に、入院基本料に加算できる。
  (2) 対象者を疾患別リハビリの対象患者に限定する。
  (3) 疾患別リハビリ料とは併算不可とする。
などが考えられている。
 財政負担は、年間16億円程度と試算されている。

 ②但し、基本的には、日本福祉大学の二木教授が仰るとおり、「急性期・亜急
  性期医療 (回復期リハビリテーション病棟も含む) のリハビリテーション料
  は、今後も出来高払いであり続ける」・「急性期・亜急性期のリハビリテー
  ション料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既
  得権化した」
と思われます。

 ③また、厚生労働省DPC研究班・主任研究者の松田教授 (産業医科大学) も、
  「DPCについては傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハ
  ビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥
  当」
との見方を示しています。

(5)しかしながら、DPC対象病院に限らず、急性期・亜急性期のリハビリテーション料において、「ドクターフィー (医師技術料) あるいはドクターフィー的要素 (コメディカル技術料)」 と 「ホスピタルフィー」 の考え方が、導入される可能性も否めません。

 急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、以前の当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、『疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準』、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』) で論じたように、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定および適切な指示、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があると考えられます。

 そして、リハビリテーション医療の効率化と質の管理リハビリテーション治療効果および成果 [アウトカム評価は、患者・家族要因、環境要因、社会的要因等に左右されるため、「プロセス評価」 および人員基準等の一部のストラクチャー評価がベター] のエビデンスを示していく必要があると考えられます。




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次期改定で脳卒中患者らの追い出しが加速? (DPC評価分科会)

 ロハス・メディカル (2009/7/2) に、中医協DPC評価分科会に関する、非常に気になる記事が掲載されていますので、紹介します。
 
次期改定で、脳卒中患者らの追い出しが加速?
 
 「中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない」。
 入院初期の診療報酬を引き上げる厚生労働省の方針に対し、民間病院の医事担当者は驚きを隠せない。
 来年4月から、脳卒中や心筋梗塞などで緊急入院した患者が早期に追い出されるケースが続出しそうだ (新井裕充)。

 厚生労働省は6月29日、脳卒中などで倒れた患者を受け入れる急性期病院の入院初期の診療報酬を大幅に引き上げる一方、入院期間がある程度経過した後の診療報酬を引き下げる方針を固め、中医協の分科会で了承された。

 まだ正式決定ではないが、厚労省案が中医協の基本問題小委員会で承認されて来年4月の診療報酬改定に反映されると、脳卒中などで入院した患者が現在よりも早期の退院を迫られるケースが増えるとの声もある。

 もちろん、急性期病院から回復期リハビリ病院へのスムーズな転院が進めば問題は少ないかもしれない。
 しかし、2008年度の診療報酬改定では、「在宅復帰率」 などで診療報酬が変わる "成果主義" が回復期リハビリ病院に導入されており、回復期リハビリ病院で患者選別が進んでいるとの指摘がある。
 つまり、回復期リハビリ病院の "入り口" が従来よりも狭くなっている。

 また、回復が難しい患者を受け入れる 「障害者病棟」 の対象患者から脳卒中などの患者が前回改定で外されたため、高齢者のリハビリ環境が悪化の一途をたどっているとの声もある。

 急性期病院と回復期病院との円滑な連携が不十分な状況であるにもかかわらず、厚労省は平均在院日数をさらに短縮するため、DPC (入院費の定額払い方式) を導入している病院について、入院初期のインセンティブを高める方針。
 急性期病院の入院初期の点数を上げると、早期に退院できない患者の受け入れに消極的になるという悪循環が懸念される。

 6月29日のDPC評価分科会で、伊藤澄信委員 (独立行政法人国立病院機構医療部研究課長) は、「今の現場の状況から言うと、(入院期間がある程度経過した) 『入院期間Ⅱ』 の平均ぐらいのところが一番儲かっていて、それ以上 (入院期間を) 長くしても短くしても収益が悪くなるので、平均在院日数が欧米に比べて縮まない原因はそこにある」 と指摘した上で、次のように厚労省案に賛同した。

 「あまり 『外国が』 という話はしたくないが、わが国の平均在院日数が長いのは、(早期退院に) インセンティブが働いていないので、今のままで (早期に退院させなくても) いいという形になっていると思う。ちゃんと医療機関の (機能) 分化を進めていくためには、ある程度の痛みを伴うのかなと思う。ある病院のデータで、出来高 (実績点数) とDPC点数との差を見ると、平均在院日数が長くなる方が収益が大きくなるという現状。平均在院日数を短くする仕組みとして、現在のままでは十分ではない」。

 同分科会は厚労省案を了承。
 これが基本問題小委員会で承認されれば、2010年度の診療報酬改定で入院初期の点数が変更される。

 今回の決定に対し、埼玉県内の民間病院の医事担当者は 「ベッドが高回転している病院ならばいいだろう。しかし、稼働率がほどほどの病院や稼働率が悪い病院は入院期間を短くする必要がなかったので、平均在院日数を短縮する流れになるだろう。今回の方針は、患者がどんどん運ばれてくる高稼働率の大学病院向けの改定ではないか。中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない。信じられない改悪だ」 と驚きを隠せない。

 また、東京都内の急性期病院 (400床) の医師はこう指摘する。
 「出来高の場合は、医師の裁量で患者に合わせた治療や入院期間を設定することができた。しかし、DPC (入院費の定額払い方式) になってから経営判断を無視できないようになったので、外来でできることは外来に移すようになった。厚労省は平均在院日数の短縮化を 『効率化』 と言うが、果たしてそうだろうか。やらなくてもいい治療を控えるようにしたことが 『効率化』 であるなら、『効率化』 は患者さんにとって望ましいことではない」。

 (以下、略)。

(1)現在、これまでの医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定等に伴う下記の種々の問題点により、「患者選別・患者切り捨て」 (特に脳卒中・認知症) が既に生じており、それが 「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に拍車をかけていると考えられます。

  ①疾患別リハビリテーション体系の導入ならびにリハビリテーション算定
   日数上限 (標準的算定日数) の導入

  ②回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入

  ③障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の排斥

  ④医療療養病床の医療区分問題

  ⑤在宅医療システム・在宅ケアシステムの不備

  ⑥要介護認定の軽度化、区分支給限度額の据え置き

  ⑦介護保険の構造的問題 [区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)]
   による介護サービス利用制限

  ⑧介護保険リハビリテーション制限問題 (リハビリテーションマネジメント
   加算月8回問題)

  ⑨介護保険施設 (特に特養) の整備不足、等々。

 上述の次期2010年度診療報酬改定におけるDPC改定に伴い、「脳卒中患者等の追い出し」 が加速し、 「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 問題が益々深刻化する可能性が否めません。

(2)今後の中医協・診療報酬基本問題小委員会およびDPC評価分科会での議論の行方を注視する必要があると思われます。




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2010年度診療報酬改定・DPC新機能評価係数候補 (2009/4/15現在)

 2009年4月15日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 診療報酬基本問題小委員会における議論の結果、2010年度診療報酬改定・DPC 「新機能評価係数」 候補 として、下記の 「A.DPC対象病院において評価を検討するべき項目」・「B.急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目」 の21項目が、今後の検討項目となりました。

 当初、「C.次期の診療報酬改定では、評価が困難な項目」 に入っていた 「後発医薬品の使用状況による評価」 は、議論の末、B項目に入りました。

A.DPC対象病院において評価を検討するべき項目 (13項目)

 1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

  ①DPC病院として正確なデータを提出していることの評価
   ◎正確なデータ提出のためのコスト、部位不明・詳細不明コードの発生
    頻度、様式1の非必須項目の入力割合、等

  ②効率化に対する評価 (効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価、等)

  ④複雑性指数による評価

  ⑤診断群分類のカバー率による評価

  ⑥高度医療指数 (診断群分類点数が一定程度高いものの算定割合)

  ⑦救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状
   況による評価

  ⑧患者の年齢構成による評価

 2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少な
  く速やかにデータを把握することが可能なもの


  ①診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価

  ③医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評価

  ⑤医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価

  ⑥医療の質に係るデータを公開していることの評価

 3.その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるもの

  (2) 既に診断群分類の分岐として評価されているもの

   ②副傷病による評価

  (3) 出来高で評価されているもの

   ⑤がん診療連携拠点病院の評価

B.急性期入院医療全体として評価を検討するべき項目 (8項目)
  【2-①・③・⑤は、A項目と重複】


 2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少な
  く速やかにデータを把握することが可能なもの


  (①診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価)

  (③医療計画で定める事業について、地域での実施状況による評価)

  ④産科医療の実施状況の評価

  (⑤医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価)

 3.その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるもの

  (1) 既に機能評価係数として評価されているもの

   ①特定機能病院または大学病院の評価

   ②地域医療支援病院の評価

   ③臨床研修に対する評価

   ④医療安全の評価

  (3) 出来高で評価されているもの

   ①退院支援の評価

   ②地域連携 (支援) に対する評価

  (4) その他

   ①後発医薬品の使用状況による評価

 下記の 「C.次期の診療報酬改定では、評価が困難な項目」 の7項目は、次期 (平成22年度) 診療報酬改定での新機能評価係数としての採用は見送られました。

C.次期の診療報酬改定では、評価が困難な項目 (7項目)

 1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

  ③手術症例割合に応じた評価

 2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少な
  く速やかにデータを把握することが可能なもの

  ②術後合併症の発生頻度による評価

 3.その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるもの

  (2) 既に診断群分類の分岐として評価されているもの

   ①標準レジメンによるがん化学療法の割合による評価

   ③希少性指数による評価 (難病や特殊な疾患等への対応状況の評価)

  (3) 出来高で評価されているもの

   ③望ましい5基準に係る評価
    ・特定集中治療室管理料を算定していること
    ・救命救急入院料を算定していること
    ・病理診断料を算定していること
    ・麻酔管理料を算定していること
    ・画像診断管理加算を算定していること

    ア.ICU入院患者の重症度による評価
    イ.全身麻酔を実施した患者の割合による評価
    ウ.病理医の数による評価
    エ.術中迅速病理組織標本作製の算定割合による評価
    オ.病理解剖数 (割合) 又はCPC開催状況による評価
      ◎CPCとは、臨床病理検討会 (Clinicopathological Conference)
       のことをいう。
    ※.ア~オについては、望ましい5基準に係る項目であるが、これら
     の項目について出来高で評価されているものではない。

   ④高度な設備による評価

  (4) その他

   ②治験、災害等の拠点病院の評価




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平成22年度診療報酬改定も 「病院に軸足」 (厚労省保険局医療課長)

 Japan Medicine (2009/3/25) に、平成22年度診療報酬改定に関する厚労省保険局医療課長の講演についての記事が掲載されていますので紹介します。

●次期改定も 「病院に軸足」 北海道病院協会研修会で佐藤医療課長

①厚生労働省保険局の佐藤敏信医療課長は21日に開催された、北海道病院協会の研修会の講演の中で、次期診療報酬改定の方向性について触れ、「前回の改定もそうだが、病院に軸足を置いた改定になり、その方向性は変わらないだろう」 との認識を示した。

②その上で佐藤課長は、診療報酬改定を科学的、論理的なものにするためにも、「次回に間に合うかどうかは別にして、科学的なデータの収集が必要になる」 と指摘。

③さらに、「どの診療科がどの程度厳しい状況に置かれているのか、その状況を解消するには診療報酬のどの項目を改定すればよいのか」 をデータを示して取り組む必要があり、そのためには 「部門別収支を将来的に出していかなければならない」 との認識を示した。

④また、講演後の質疑で、DPCの分析データの出来高への反映について問われ、「既に行っているといえる」 と認めた上で、「DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 とした。

⑤さらに、ケアミックスのDPC参入によって、「今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と述べて、期待感を示した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようですが、ⓐ医療費亡国論、ⓑ小泉竹中構造改革 [2006年の骨太の方針に基づく、5年間で1兆1千億円 (毎年度2,200億円) の社会保障費の抑制]、ⓒ膨大な財政赤字 (財務省をはじめとした官僚および与党議員等が何ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義)、等により、「医療費抑制・医師不足による医療崩壊・医療破壊」 が生じ、社会的な大問題となっています。

 特に、上記要因による 「ⓐ勤務医不足」、および 「ⓑ地域や診療科間の医療の偏在 (特に救急・産科・小児科医療)」 ならびに 『ⓒ急性期病院を中心とした働き盛りの勤務医の 「過重負担・疲弊、医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安、コンビニ受診問題、モンスター・ペイシェント問題」 等による 「立ち去り型サボタージュ」』、に伴う 「病院崩壊・勤務医崩壊」 は大変深刻な状況です。

 したがって、上記①の医療課長の 「次回診療報酬改定も病院に軸足を置いた改定」 との言は妥当と考えられます。

(2)上記②・③では、(部門別収支・原価計算による診療報酬改定は未だ時期尚早の現況ですが) 科学的なエビデンスのある診療報酬改定の重要性を強調しています。

 しかしながら、これまでの診療報酬改定において、必ずしもエビデンスに基づかない 「勘と度胸」 の改定がなされてきたことも否定できません。

 即ち、少ないサンプルデータ数での結論、データの恣意的解釈に基づく結論、あるいはデータの捏造による改定、さらには、(厚生労働省の意向に沿うような結論を出させるために、メンバーを御用学者で固めた) 審議会・研究会を隠れ蓑にして成された改定も少なからずありました。

 例えば、ⓐ医療療養病床の診療報酬に導入された (不適切・理不尽な) 医療区分、ⓑ (リハビリ難民を生み出し、且つリハビリテーションの理念にも反する) リハビリテーション算定日数制限、ⓒ回復期リハビリテーション病棟に導入された (拙速・不適切且つ 「患者選別」 を助長する) 成果主義および (ADL評価としては不適切な) 「日常生活機能評価表」、ⓓ外来管理加算の (不可解・不適切な) 5分ルール、ⓔ障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の (不可解・理不尽な) 排斥、ⓕ介護保険上の (介護給付費の抑制のための理不尽な) 要介護認定の軽度化、等が挙げられ、それが、「医療難民・救急難民・脳卒中難民・認知症難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に繋がっています。

 したがって、国民の安心・安全・納得・満足のために、厚生労働省には、「まやかしのエビデンス」 ではなく、現場の医療介護福祉従事者・患者・介護サービス利用者・障害のある方・高齢者・家族・地域住民等が納得する 「真のエビデンス」 に基づく診療報酬改定・介護報酬改定・障害者自立支援法見直し等を行って頂きたいと思います。

(3)上記④に関しては、DPC対象病院・DPC準備病院は、いわば医療情報が丸裸になっており、今後、新機能評価係数の影響も含めて、DPC病院の差別化が図られ、そう遠くない時期に 「選別・淘汰の時代」 が訪れると考えられます。

(4)一方、DPCにおいて、リハビリテーションは現在出来高ですが、上記④のように、「DPCの分析データの出来高への反映について既に行っており、DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 という医療課長の言は重いものがあります。

 在院日数が2週間以内のDPC対象病院で、且つリハビリテーション・スタッフが少ない病院のために、超急性期・急性期リハビリテーション (ベッドサイド・リハビリテーション) の包括化およびセラピスト以外の有資格代替者 (看護師、准看護師) による算定が、現実化する可能性も否定できないと考えられます。

 また、DPC対象病院・DPC準備病院には、リハビリテーションに力を入れている病院とそうでない病院とが混在しているため、その平均を基準にすると、バイアスがかかり、上述の超急性期・急性期リハビリテーションの包括化のみならずリハビリテーション料の単価の引き下げ等の可能性も否めないと思われます。

 さらに、「濃厚且つ集中的な急性期リハビリテーション」 + 「充実したESD (早期支援退院) システム」 + 「充実した訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション」 が普及すると、回復期リハビリテーション病棟も安閑としていられない状況も将来的に到来すると考えられます。

(5)上記⑤の通り、医療課長は、「ケアミックスのDPC参入によって、今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と期待感を示しています。

 したがって、急性期のみならず亜急性期 (回復期)・慢性期のデータまでもが、厚生労働省に集積されると、「医療機関の機能分化と連携」・「選択と集中」・「集約化・重点化・拠点化」 の錦の御旗のもと、各医療機関の選別と淘汰が進展すると考えられます。

(6)上記(3)~(5)の通り、特に、「中小病院 (特に、民間中小病院)」 および 「急性期一般病床の占める割合が少ないケアミックス型病院」 については、基本的には、高度急性期医療およびDPCを断念して、亜急性期以降の医療を担ってもらいたいという厚生労働省の思惑があり、上記病院の役割として、次のような 「亜急性期病院、慢性期病院、ケアミックス型病院、介護保険施設」 への誘導が加速する可能性が高まると推察されます。

 (1) 軽度 (~中等度) の救急・急性期医療 (特に、認知症の合併症がある高齢者
  の骨折等・入院を繰り返す高齢者・慢性疾患の急性増悪等の救急・急性期
  患者)

 (2) 「急性期後」 の亜急性期医療 (亜急性期入院医療管理料を算定する病床、回
  復期リハビリテーション病棟)

 (3) 慢性期医療 [療養病床 (医療療養病床、介護療養型医療施設)]

 (4) 特殊疾患病棟、障害者病棟 (障害者施設等入院基本料を算定する一般病棟)

 (5) 在宅医療

 (6) 場合によっては、介護療養型老人保健施設への移行

 但し、「専門特化型」 急性期中小病院、あるいは、「専門特化型」 の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院は、場合によっては、大病院等よりも、質の高い効率的なDPC対象病院であることが少なくないということで、このような病院にインセンティブを与えるような 「新機能評価係数」 の設定が望まれます。(スケールメリット不足を補填する評価、高い専門性・充実したチーム医療への評価等)。

 それ以外は、基本的には、DPCに馴染まず、医療マンパワー不足もあることから、将来的には亜急性期以降への移行を促される可能性が高いと考えられます。

 また、地方の中小自治体病院に多い、「準総合病院型」 急性期中小病院および 「準総合病院型」の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院については、総務省・公立病院改革ガイドライン (平成19年12月) を厳格に適用すると、廃止・民営化の道をたどると考えられます。
 しかし、その病院が、地域唯一の病院であり、不採算医療 (政策的医療や救急医療等) を担っているということで、充分な公的支援があれば、(DPC適用の可否は別として)、存続できると考えられます。

 将来的には、「疾病管理 (疾病ケアマネジメント)」 を経て、最終的に、アメリカのように、「マネージド・ケア」 [医療コストを減らすために、医療へのアクセスおよび医療サービスの内容を制限する制度。医療の決定権が医師から支払い側 (保険者) に移り、医師以外の人によって医療が管理される結果、医師の意見は参考にはされるものの、最終決定をするのは医師ではない] の大変な時代 (暗黒時代) が到来する可能性も考えられます。

(7)以上、厚生労働省保険局医療課長の平成22年度診療報酬改定の方向性に関する講演について論じました。

 但し、病院に軸足を置いた診療報酬改定において、やはり問題は、財源です。
 「ⓐ保険料のアップ」・「ⓑ (主として消費税増税による) 公費負担のアップ」・「ⓒ患者自己負担のアップ」 が挙げられますが、本丸は、財務省の悲願の 「消費税増税」 です。(社会保障国民会議も、社会保障機能の強化の財源を、消費税増税を前提にしていますが・・・)。

 しかしながら、以前の当ブログ記事で何回も述べていますが、「消費税増税」 を行う前に、「ⓐ充分な景気回復、ⓑ税制の抜本的改革、ⓒ膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、ⓓ道路特定財源の完全なる一般財源化、ⓔ年金問題の早期完全解決」 等を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思われます。

 したがって、「医療立国論」、「医療・介護立国論」、あるいは 「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環が実現することが望まれます。

【関連記事】
 ◎健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)
 ◎医療の提供体制の現状と課題 (講演:厚生労働省保険局医療課長)
 ◎2009年度の新規DPC対象病院は570病院 (約130病院が移行せず)
 ◎医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)
 ◎医療・介護の機能強化 (2012年度診療・介護報酬同時改定で体制構築)
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)
 ◎DPC新機能評価係数と中小病院 (厚労省保険局医療課企画官の見解)




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2010年度診療報酬改定・DPC新機能評価係数候補 (2009/3/25現在)

 2009年3月25日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 診療報酬基本問題小委員会における議論の結果、2010年度診療報酬改定・DPC「新機能評価係数」 候補 として、下記の27項目が、今後の検討項目となりました。

1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

 ①DPC病院として正確なデータを提出していることの評価
  ◎正確なデータ提出のためのコスト、部位不明・詳細不明コードの発生
   頻度、様式1の非必須項目の入力割合、等

 ②効率化に対する評価 (効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価、等)

 ③手術症例割合に応じた評価
  ※,一部の手術については、施設基準として一定数以上の症例数が算定
   条件となっており、出来高で評価されている。

 ④複雑性指数による評価

 ⑤診断群分類のカバー率による評価

 ⑥高度医療指数 (診断群分類点数が一定程度高いものの算定割合)

 ⑦救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状
  況による評価

 ⑧患者の年齢構成による評価

2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少なく
 速やかにデータを把握することが可能なもの


 ①診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価

 ②術後合併症の発生頻度による評価

 ③医療計画で定める事業について、地域での実施状況による評価

 ④産科医療の実施状況の評価

 ⑤医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価

3.その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるもの

(1)既に機能評価係数として評価されているもの

 ①特定機能病院または大学病院の評価

 ②地域医療支援病院の評価

 ③臨床研修に対する評価

 ④医療安全の評価

(2)既に診断群分類の分岐として評価されているもの

 ①標準レジメンによるがん化学療法の割合による評価

 ②副傷病による評価

 ③希少性指数による評価 (難病や特殊な疾患等への対応状況の評価)

(3)出来高で評価されているもの

 ①退院支援の評価

 ②地域連携 (支援) に対する評価

 ③望ましい5基準に係る評価
   (a) 特定集中治療室管理料を算定していること
   (b) 救命救急入院料を算定していること
   (c) 病理診断料を算定していること
   (d) 麻酔管理料を算定していること
   (e) 画像診断管理加算を算定していること
  ア.ICU入院患者の重症度による評価
  イ.全身麻酔を実施した患者の割合による評価
  ウ.病理医の数による評価
  エ.術中迅速病理組織標本作製の算定割合による評価
  オ.病理解剖数 (割合) 又はCPC開催状況による評価
    ※.CPCとは、臨床病理検討会 (Clinicopathological Conference)
     のことをいう。

 ④高度な設備による評価

 ⑤がん診療連携拠点病院の評価

(4)その他

 ①後発医薬品の使用状況による評価

 ②治験、災害等の拠点病院の評価


 下記の10項目は、次回 (2010年度) 診療報酬改定には間に合わないとして、次回改定以降での導入の検討対象となりました。

●医療機関の負担が大きく速やかにデータを把握することが困難であるもの、又
 はDPCにおける急性期としての評価が困難であるもの


 ①重症度・看護必要度による改善率

 ②合併症予防の評価

 ③再入院の予防の評価

 ④救急医療における患者の選択機能 (トリアージ) の評価

 ⑤全診療科の医師が日・当直体制をとっていることの評価

 ⑥地方の診療所や中小病院へ医師を派遣することに対する評価

 ⑦在宅医療への評価

 ⑧新規がん登録患者数による評価

 ⑨高齢患者数の割合による看護ケアの評価

 ⑩第三者による外部評価を受けていることに関する評価




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