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「DPC新機能評価係数」 と中小病院・ケアミックス病院

 ロハス・メディカル (2009/7/7) の記事 [「診療ガイドライン」 めぐり議論沸騰-DPC評価分科会 (7月6日)] によると、中央社会保険医療協議会 (中医協) のDPC評価分科会 (2009/7/6) において、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓・企画官が、DPC新機能評価係数に関する興味深い発言をしていますので、下記に示します。
 
 DPCの評価の中で、「標準化についてどうするか」 というのが1点。

 それから、今後 (新たな) 機能評価係数を考えていく上で、高度急性期を扱うような大病院が評価されるような係数も当然あるだろう。
 一方、地域で急性期を担っている中小病院が取れるような係数もあるだろう。

 そのようなことを考えたとき、一つは標準化という観点、もう一つは、当初 (DPCが) 始まったときの82の特定機能病院、144の大きな病院という段階ではなく、今年度は (DPC対象病院が) 1,283病院で、大変小さな病院やケアミックスの病院が (DPCに) 入っている中で、つまり、そのような病院は大学病院の機能とはまた違っていて、"コモンディジーズ的なもの" (頻度の高い疾患) をたくさん診ていると思う。

 そういう病院についての機能の評価の仕方も考えなくてはならないというバックグラウンドで、「医療の標準化」 あるいは 「診療ガイドライン」・「クリティカルパス」 という話が出てきたと我々は理解している。

 決して、「これを特定機能病院に当てはめよう」 とか、そういう話ではなく、やはり現在、かなりDPCの状況が変わってきている中で、どういうものが評価できるか。
 そのためにまず調査をしてみて、使えるかどうかは結果が出てみないと分からないが、そのようなスタンスであるということはご理解いただきたい。

(1)以前の当ブログ記事 (DPC 「急性期病院の多様な機能の評価を検討」 厚労省医療課企画官) でも述べたように、これまでのDPC新機能評価係数の議論によると、(厚生労働省の思惑も含めて)、下記のようなことが浮かび上がってきています。
 
 1.DPC対象病院において、調整係数廃止・新機能評価係数の導入にあた
  り、「特定機能病院」・「400床以上の病院」・「専門病院」 は有利であることが
  予想されます。

 2.一方、上記1以外の病院 [400床未満の病院 (特に200床未満の病院)・ケア
  ミックス病院
] は、DPC対象病院 (特に 「高度な急性期入院医療を担う」と
  いう意味でのDPC対象病院) としての生き残りが困難であることが予想さ
  れます。

 3.上記2の病院のDPC対象病院としての生き残り策としては、「救急医療」
  をはじめとした現在の 「DPC新機能評価係数」 候補の中から最終的に採用
  される指標とその重み付け指数の値、ならびにそのDPC新機能評価係数に
  即時に対応できる病院の体制およびビジョンと戦略にかかっていると考えら
  れます。

(2)一方、最近の講演 (6月26日、十九大都市病院事業主管課長会議) において、宇都宮企画官は、DPC新機能評価係数に関して、「急性期病院の多様な機能を適切に評価できるような評価軸」 を提唱しており、最近の厚労省案にも、「患者実数」・「当該病院のDPC患者に対する割合」 に加えて、地域医療の視点である 「2次医療圏人口に対する割合」 という新しい評価軸が追加されています。

(3)また、今回のDPC評価分科会での同企画官の発言によると、厚生労働省は、DPC新機能評価係数に関して、「大病院や高度急性期総合病院」 だけでなく、「地域で急性期を担っている中小病院」・「大変小さな病院やケアミックスの病院」 も 「ケア」 しており、特に、『「コモン・ディジーズ的なもの」 (頻度の高い疾患) をたくさん診ている』 という観点から、「医療の標準化」 あるいは 「診療ガイドライン」・「クリティカルパス」 という切り口を考慮しているようです。

(4)最終的に、DPC新機能評価係数が、上記(1)のような方向性になるのか、はたまた、上記(2)・(3)の方向性になるのか、現時点では予想が困難ですが、DPC新機能評価係数に 「異なった機能を評価する何種類かの係数」 が選ばれ、「高度急性期総合病院・大規模病院」 のみならず、地域医療において急性期医療機能をきちんと担っている 「地方の病院、へき地の病院、あるいは、中小病院、ケアミックス病院」 が、適切に評価されることが望まれます。




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DPC 「急性期病院の多様な機能の評価を検討」 厚労省医療課企画官

 Japan Medicine (2009/7/1) に、厚労省保険局医療課・宇都宮企画官のDPCおよび入院時医学管理加算に関する講演の記事が掲載されていますので、下記に示します。

●急性期病院の多様な機能の評価を検討

●次期改定は昨年度と今年度データを活用へ

①十九大都市病院事業主管課長会議が6月26日、大阪府堺市で開かれ、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は、DPCにおける調整係数の段階的廃止に伴う新たな機能評価係数の検討状況について解説するとともに、急性期病院の多様な機能を適切に評価できるような評価軸を検討する考えを示した。

②新機能評価係数は、中医協で項目の絞り込み作業に入っているが、「患者実数」、「当該病院のDPC患者に対する割合」、「2次医療圏人口に対する割合」 などの評価指標について、選択により評価されやすい病院のタイプが異なる可能性をはらんでいる。

③宇都宮企画官は、「中医協で議論していただくが」 とした上で、「新機能評価係数は1種類あるいは2種類というものではなく、異なった機能を評価する何種類かの係数を考えるべきだろう。急性期医療機能をきちんと担っている病院が係数を的確に取れるようにしたい」 と述べ、大規模病院、へき地の病院など評価軸を何種類かに分けることで適切な病院が機能に応じて係数が取れるよう工夫したいと述べた。

④ただ、同企画官は、調整係数依存型で病院運営をしてきたDPC対象病院は、新機能評価係数の取得が困難になる可能性があるとも指摘し、「当該地域 (のDPC対象病院) においてきちんとした役割を果たすように、今後も中医協における新機能評価係数の議論について関心を持ってウォッチしてほしい」 と述べた。

⑤さらに、次期診療報酬改定について同企画官は、DPCの点数について昨年度と今年度 (7~10月分) のデータをもとに分析することになるとの見通しも示した。

●入院時医学管理加算 (治癒の解釈緩和を要望する意見も)

⑥一方、出席者からは、入院時医学管理加算について治癒の解釈に関する緩和策を求める意見が出された。

【参考】厚生労働省・疑義解釈資料の送付について (その6)
     (平成20年12月26日事務連絡)


(問2)
 「疑義解釈資料の送付について (その5)」 (平成20年10月15日事務連絡) 問4 において、A200入院時医学管理加算の施設基準にある 「治癒」 の定義として 「退院時に、退院後に外来通院治療の必要が全くない、または、それに準ずると判断されたもの」 とされたが、「準ずると判断されたもの」 に以下のものは該当するのか。
 ・胆石等の手術後、一度だけ受診し、抜糸等も合わせて行う場合
 ・腎結石排石後に定期的にエコー検査を受けるため通院する場合等、
  定期的に通院して検査等のフォローアップを受ける場合
 ・骨折や脳梗塞後、リハビリのため通院する等、当該疾患に当然付
  随する処置等のため通院する場合
 ・心筋梗塞後、アスピリン処方のため継続的に通院する場合等、入
  院の原因となった疾患が原因で必要になった治療のため通院する
  場合

(答)
 いずれも該当しない。
 なお、「準ずると判断されたもの」 は基本的にはないと考えている。

⑦これに対して同企画官は、「入院時医学管理加算の算定病院は、地域の救急の最後の砦となるような病院。そうした病院では、医師の負担も大きくなるため、外来縮小を図り、逆紹介率を40%という要件でという素案だった。ただ、治癒して退院する患者も外来には来なくなるため、治癒の患者を付け加えたというのが経緯だ」 と説明。
 それが、改定以降、治癒率に関心が集まったため、厚労省として通知等で治癒に関する解釈を示したとし、「逆紹介率を意図していることを認識してもらいたい。治癒に関する解釈を緩和するという議論は、今のところ出ていない」 と語った。

(1)DPCに関しては、中医協診療報酬基本問題小委員会およびDPC評価分科会にて議論の真っ最中ですが、前回ブログ [次期改定で脳卒中患者らの追い出しが加速? (DPC評価分科会)] でも述べたように、6月29日のDPC評価分科会で了承されたDPC新算定方式 (脳卒中・心筋梗塞などで倒れた患者を受け入れる急性期病院の入院初期の診療報酬を大幅に引き上げる一方、入院期間がある程度経過した後の診療報酬を引き下げる) により、 次期2010年度診療報酬改定後は、「脳卒中・心筋梗塞等の患者の選別・追い出し・切り捨て」 が加速し、「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 問題が益々深刻化する可能性が考えられます。

(2)また、以前の当ブログ記事 [DPC新機能評価係数 「現場が理解しやすい指標で」 (厚労省企画官)] でも述べたように、これまでのDPC新機能評価係数の議論によると、(厚生労働省の思惑も含めて)、下記のようなことが浮かび上がってきています。
 
 1.DPC対象病院において、調整係数廃止・新機能評価係数の導入にあた
  り、「特定機能病院」・「400床以上の病院」・「専門病院」 は有利であることが
  予想されます。

 2.一方、上記1以外の病院 [400床未満の病院 (特に200床未満の病院)・ケア
  ミックス病院
] は、DPC対象病院 (特に 「高度な急性期入院医療を担う」と
  いう意味でのDPC対象病院) としての生き残りが困難であることが予想さ
  れます。

 3.上記2の病院のDPC対象病院としての生き残り策としては、「救急医療」
  をはじめとした現在の 「DPC新機能評価係数」 候補の中から最終的に採用
  される指標とその重み付け指数の値、ならびにそのDPC新機能評価係数に
  即時に対応できる病院の体制およびビジョンと戦略にかかっていると考えら
  れます。

(3)上記①~④の通り、厚生労働省保険局医療課・宇都宮啓企画官は、DPC新機能評価係数に関して、「急性期病院の多様な機能を適切に評価できるような評価軸」 を提唱しており、最近の厚労省案にも、「患者実数」・「当該病院のDPC患者に対する割合」 に加えて、地域医療の視点である 「2次医療圏人口に対する割合」 という新しい評価軸が追加されています。

 DPC新機能評価係数に、異なった機能を評価する何種類かの係数が選ばれ、「高度急性期総合病院・大規模病院」 のみならず、地域医療において急性期医療機能をきちんと担っている 「地方の病院あるいはへき地の病院」 が、適切に評価されることが望まれます。

(4)一方、上記⑥・⑦の通り、算定要件の厳格化にて算定医療機関が激減した 「入院時医学管理加算」 [●内科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・産科すべての診療科の入院医療提供と精神科の24時間対応、●24時間の救急医療提供、●外来縮小、●病院勤務医の負担軽減体制の整備、●全身麻酔年800件以上、●地域連携室の設置、●検査及び画像診断の24時間実施体制、●薬剤師による24時間調剤体制] (現在のDPC機能評価係数:0.0299) については、今のところ厚労省は、「『治癒』 の解釈の緩和」 も 「算定要件の緩和」 も共に考えていないようです。

 厚労省の医療政策 (「医療機関の機能分化と連携」、「選択と集中」、「集約化・重点化・拠点化」) の象徴である 「高度急性期総合病院」 の要件 (入院時医学管理加算) は、急性期病院の生き残り (勝ち残り) 戦略のターゲットの一つとして各急性期医療機関の関心は非常に高いと考えられ、次期2010年度診療報酬改定において、診療報酬点数及び算定要件がどう改定されるか、また、DPC新機能評価係数にどのように反映されるのか、今後の両会議の議論の行方が注目されます。

(5)上記④の通り、同企画官は、調整係数依存型で病院運営をしてきたDPC対象病院は、新機能評価係数の取得が困難になる可能性があるとも指摘し、「当該地域 (のDPC対象病院) においてきちんとした役割を果たすように、今後も中医協における新機能評価係数の議論について関心を持ってウォッチしてほしい」 と述べています。

 DPC新機能評価係数に関しては、中医協 (診療報酬基本問題小委員会・DPC評価分科会) での充分な論議かつ迅速な決定が望まれますが、現実は、大病院・中小病院、特定機能病院・高度急性期総合病院・一般急性期病院・専門病院・ケアミックス病院等の各医療機関の思惑の違い、あるいは、基本的にDPCに反対している日本医師会、診療報酬の包括払いを促進したい [あわよくば、DPC (1日あたりの包括払い) からDRG/PPS (1入院あたりの包括払い) への早期移行を狙っている] 支払い側委員の思惑や戦略の違い等にて、難航することが予想されます。




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次期改定で脳卒中患者らの追い出しが加速? (DPC評価分科会)

 ロハス・メディカル (2009/7/2) に、中医協DPC評価分科会に関する、非常に気になる記事が掲載されていますので、紹介します。
 
次期改定で、脳卒中患者らの追い出しが加速?
 
 「中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない」。
 入院初期の診療報酬を引き上げる厚生労働省の方針に対し、民間病院の医事担当者は驚きを隠せない。
 来年4月から、脳卒中や心筋梗塞などで緊急入院した患者が早期に追い出されるケースが続出しそうだ (新井裕充)。

 厚生労働省は6月29日、脳卒中などで倒れた患者を受け入れる急性期病院の入院初期の診療報酬を大幅に引き上げる一方、入院期間がある程度経過した後の診療報酬を引き下げる方針を固め、中医協の分科会で了承された。

 まだ正式決定ではないが、厚労省案が中医協の基本問題小委員会で承認されて来年4月の診療報酬改定に反映されると、脳卒中などで入院した患者が現在よりも早期の退院を迫られるケースが増えるとの声もある。

 もちろん、急性期病院から回復期リハビリ病院へのスムーズな転院が進めば問題は少ないかもしれない。
 しかし、2008年度の診療報酬改定では、「在宅復帰率」 などで診療報酬が変わる "成果主義" が回復期リハビリ病院に導入されており、回復期リハビリ病院で患者選別が進んでいるとの指摘がある。
 つまり、回復期リハビリ病院の "入り口" が従来よりも狭くなっている。

 また、回復が難しい患者を受け入れる 「障害者病棟」 の対象患者から脳卒中などの患者が前回改定で外されたため、高齢者のリハビリ環境が悪化の一途をたどっているとの声もある。

 急性期病院と回復期病院との円滑な連携が不十分な状況であるにもかかわらず、厚労省は平均在院日数をさらに短縮するため、DPC (入院費の定額払い方式) を導入している病院について、入院初期のインセンティブを高める方針。
 急性期病院の入院初期の点数を上げると、早期に退院できない患者の受け入れに消極的になるという悪循環が懸念される。

 6月29日のDPC評価分科会で、伊藤澄信委員 (独立行政法人国立病院機構医療部研究課長) は、「今の現場の状況から言うと、(入院期間がある程度経過した) 『入院期間Ⅱ』 の平均ぐらいのところが一番儲かっていて、それ以上 (入院期間を) 長くしても短くしても収益が悪くなるので、平均在院日数が欧米に比べて縮まない原因はそこにある」 と指摘した上で、次のように厚労省案に賛同した。

 「あまり 『外国が』 という話はしたくないが、わが国の平均在院日数が長いのは、(早期退院に) インセンティブが働いていないので、今のままで (早期に退院させなくても) いいという形になっていると思う。ちゃんと医療機関の (機能) 分化を進めていくためには、ある程度の痛みを伴うのかなと思う。ある病院のデータで、出来高 (実績点数) とDPC点数との差を見ると、平均在院日数が長くなる方が収益が大きくなるという現状。平均在院日数を短くする仕組みとして、現在のままでは十分ではない」。

 同分科会は厚労省案を了承。
 これが基本問題小委員会で承認されれば、2010年度の診療報酬改定で入院初期の点数が変更される。

 今回の決定に対し、埼玉県内の民間病院の医事担当者は 「ベッドが高回転している病院ならばいいだろう。しかし、稼働率がほどほどの病院や稼働率が悪い病院は入院期間を短くする必要がなかったので、平均在院日数を短縮する流れになるだろう。今回の方針は、患者がどんどん運ばれてくる高稼働率の大学病院向けの改定ではないか。中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない。信じられない改悪だ」 と驚きを隠せない。

 また、東京都内の急性期病院 (400床) の医師はこう指摘する。
 「出来高の場合は、医師の裁量で患者に合わせた治療や入院期間を設定することができた。しかし、DPC (入院費の定額払い方式) になってから経営判断を無視できないようになったので、外来でできることは外来に移すようになった。厚労省は平均在院日数の短縮化を 『効率化』 と言うが、果たしてそうだろうか。やらなくてもいい治療を控えるようにしたことが 『効率化』 であるなら、『効率化』 は患者さんにとって望ましいことではない」。

 (以下、略)。

(1)現在、これまでの医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定等に伴う下記の種々の問題点により、「患者選別・患者切り捨て」 (特に脳卒中・認知症) が既に生じており、それが 「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に拍車をかけていると考えられます。

  ①疾患別リハビリテーション体系の導入ならびにリハビリテーション算定
   日数上限 (標準的算定日数) の導入

  ②回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入

  ③障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の排斥

  ④医療療養病床の医療区分問題

  ⑤在宅医療システム・在宅ケアシステムの不備

  ⑥要介護認定の軽度化、区分支給限度額の据え置き

  ⑦介護保険の構造的問題 [区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)]
   による介護サービス利用制限

  ⑧介護保険リハビリテーション制限問題 (リハビリテーションマネジメント
   加算月8回問題)

  ⑨介護保険施設 (特に特養) の整備不足、等々。

 上述の次期2010年度診療報酬改定におけるDPC改定に伴い、「脳卒中患者等の追い出し」 が加速し、 「医療難民 (特に脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 問題が益々深刻化する可能性が否めません。

(2)今後の中医協・診療報酬基本問題小委員会およびDPC評価分科会での議論の行方を注視する必要があると思われます。




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2010年度診療報酬改定・DPC新機能評価係数候補 (2009/6/24現在)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/24) の記事 (新係数の候補、「導入妥当」 に4項目-基本問題小委) および Japan Medicine (2009/6/26) の記事 (中医協:DPC新係数を絞り込み/「正確なデータ提出」 など4項目ほぼ当確、複雑性指標は 「重複評価」 の指摘も) によると、2009年6月24日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 診療報酬基本問題小委員会 (委員長:遠藤久夫・学習院大教授) における議論の結果、2010年度診療報酬改定・DPC 「新機能評価係数」 候補は、下記の10項目に絞り込まれました。

 その内、青色の4項目がほぼ当確、残りの6項目の中で、赤色の2項目が有力 (遠藤委員長の強い支持) となりました。

 診療報酬全体の改定率なども見極める必要があるため、2010年度に導入するDPC新機能評価係数が確定するのは、年末になる見通しとのことですが、「DPC対象病院」 ならびに 「2010年度にDPC対象病院に昇格する予定のDPC準備病院」 のためにも、できるだけ早急の確定が望まれます。

●DPC 「新機能評価係数」 候補 (2009/6/24現在)

1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

 ①DPC病院として正確なデータを提出していることの評価 (正確なデータ
  提出のためのコスト、部位不明・詳細不明コードの発生頻度、 様式1の
  非必須項目の入力割合、等)


 ②効率化に対する評価 (効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価、等)

 ③複雑性指数による評価

 ④診断群分類のカバー率による評価

 ⑤救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状
  況による評価


 ⑥患者の年齢構成による評価

2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少なく
 速やかにデータを把握することが可能なもの

 ⑦診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価

 ⑧医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評価

 ⑨医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価

 ⑩医療の質に係るデータを公開していることの評価




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DPC新機能評価係数 「現場が理解しやすい指標で」 (厚労省企画官)

 Japan Medicine (2009/6/10) に、P4P研究会における厚生労働省保険局医療課・宇都宮啓企画官のDPC新機能評価係数に関する講演の記事が掲載されていますので、下記に示します。

●新機能評価係数、現場が理解しやすい指標で 
 (副傷病への対応は慎重に検討)


 厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は6日、東京都内で開かれたP4P研究会で講演し、DPCの新機能評価係数の検討状況について解説、「最初 (の改定) の新機能評価係数は、皆さんが理解しやすい指標から導入していくことになるのではないか」 との基本的認識を示した。
 さらに、フロアからの 「DPC対象病院になると副傷病の選択が増えるのではないか」 との疑義に対して宇都宮企画官は、「副傷病については、係数化することでアップコーディングにつながることがないようDPC評価分科会では、係数化の是非も含めてデータを踏まえた議論をしてもらいたいと考えている」 と語った。

●診療GLの扱いは2側面を考慮

 この副傷病の評価については、DPC評価分科会でコストがかかる疾病治療に対しては、副傷病を評価すべきとの要望が出されていたと説明。
 ただ、医療現場では、副傷病の記載漏れも多く、請求漏れになっている側面もある。

 さらに、診療ガイドラインを病院の評価指標とする考え方についての質問に対して宇都宮企画官は、「2つの側面がある。1つは、診療ガイドラインを扱っていることを係数に入れた場合、病院として診療ガイドラインを用いて患者に説明するなどの方向にインセンティブが働き、標準化への一定の効果が期待できるのではないか」 としたほか、「もう1つの側面としては、特定機能病院などの大規模病院だけでなく、中小規模病院でもガイドラインを利用して急性期医療をきちんと提供していれば評価されることができるのではないか」 と語った。

 また、同企画官は、診療ガイドラインの順守率という考えは否定されているとも語り、どんなガイドラインを評価対象にしていくかは、今後の検討課題とした。

 また、DPC評価分科会委員でもある山口直人・東京女子医科大教授も、診療ガイドラインの問題に言及した。

 同氏は、「必ずしもガイドラインに準拠した治療が最善とは限らないものの、同一患者に対する提供者間のバリエーションを許容範囲に押さえ、エビデンスで品質が保証された治療を提供するためにはガイドラインが重要。必要に応じてガイドラインを参照できるように院内で整備されていることはDPC病院としてふさわしい」 との考えを示した。

 一方、講演の中で宇都宮企画官は、DPCの新たな機能評価係数の検討の中で、各評価項目のシミュレーションから、特定機能病院ばかりが必ずしも高い係数になるということではないと説明した。

 07年度データでの各評価指標のシミュレーションでは、複雑性指数等では特定機能病院が高い数値になるが、救急車搬送の入院患者数および救急車搬送の入院患者割合等では、特定機能病院の係数が低かった。
 また、救急車搬送の入院患者数と入院患者割合を見ると、入院患者数の指標では病床規模が増えるに従い、評価係数が上昇するが、入院患者割合を指標にすると、病床規模が増えるのに伴い評価係数が減少するなど、項目の設定次第で評価指標の結果が逆転している。

 同企画官は、「あくまでイメージを示しただけだが、今後、08年度 (平成20年度) のデータも使いさらに詳しい分析を進めていきたい」 と述べた。

(1)以前の当ブログ記事 [DPCの新機能評価係数、議論進展せず (中医協DPC評価分科会)] でも述べたように、平成22年度診療報酬改定に向けて、DPCの 「調整係数の段階的廃止ならびに新機能評価係数の段階的導入」 に関する論議は、今のところ、遅々として進展していない印象です。

(2)しかしながら、6月8日のDPC評価分科会において、厚生労働省は、DPC新機能評価係数の候補として挙がっている項目の評価指標ごとのデータを、「病床規模/特定機能病院」 (「200床未満」・「200~400床未満」・「400床以上」・「特定機能病院」) や 「DPC算定病床の割合」 (「100%」・「80%以上100%未満」・「60%以上80%未満」・「60%未満」) のほか、病院のタイプ (「総合病院」・「専門病院」・「がん専門病院」) ごとに集計した結果を提示しています。

 その結果を考察すると、ロハス・メディカルの記事 『「400床以上の病院」 は合格圏内―中医協・DPC評価分科会09年度第4回』 においても指摘されていますが、次のようなことが浮かび上がってきます。
 
 ①DPC対象病院において、調整係数廃止・新機能評価係数の導入にあたり、
  「特定機能病院」・「400床以上の病院」・「専門病院」 は有利であることが予想
  されます。

 ②一方、上記①以外の病院 [400床未満の病院 (特に200床未満の病院) および
  ケアミックス病院] は、DPC対象病院 (特に、「高度な急性期入院医療を担
  う」 という意味でのDPC対象病院) としての生き残りが困難であることが
  予想されます。

 ③上記②の病院のDPC対象病院としての生き残り策としては、「救急医療」
  をはじめとした現在の 「DPC新機能評価係数」 候補の中から最終的に採用
  される指標とその重み付け指数の値、ならびにそのDPC新機能評価係数
  に即時に対応できる病院の体制およびビジョンと戦略にかかっていると考
  えられます。

(3)拙速な決定は避けなければなりませんが、DPC病院 (DPC対象病院・DPC準備病院) の立場からすると、可及的速やかに 「新機能評価係数」 を決定して頂き、平成22年4月1日に向けて、周到な準備をしたいところです。




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