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平成22年度診療報酬改定に係る要望書・第2報 (日本病院団体協議会)

 日本病院団体協議会 (日病協:国立大学附属病院長会議、独立行政法人国立病院機構、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本私立医科大学協会、日本精神科病院協会、日本病院会、日本慢性期医療協会、独立行政法人労働者健康福祉機構) が、厚生労働省保険局長宛に提出した 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)」 (2009/7/31) を下記に示します。

●平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)-日病協-

 日本病院団体協議会は、崩壊しつつある病院医療の再生のために、平成21年4月16日付で 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第1報)」 を提出した。
 第1報では、医師不足に起因した日本の病院医療崩壊の現状、看護師不足に起因した病院閉鎖の現状を述べるとともに、下記の2項目を要望した。

 1.入院基本料の根拠に基づく算定方式の創設と増額
 2.介護 (看護補助) 業務の確立と看護基準の柔軟な運用

 この度、平成22年度診療報酬改定において、上記2項目とともに病院医療全般に関して次の事項を要望する。

1.入院医療全般について

(1)入院基本料の根拠に基づく算定方式の創設と増額

 病院医療の再生に向け、根拠に基づく算定方式の創設と入院基本料の増額を要望する。
 *平成22年改定においては、医療経済実態調査、各病院団体の経営調査等
  の結果を反映し、実態に即した入院基本料の増額を要望する。
 *短中期的課題として根拠に基づく入院基本料の算定方式の創設が必須で
  ある。このためには診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会
  等、専門的な議論が可能な組織での立案、検証が行われるべきである。
 *また、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハ職員、MSW、PSW
  等の多専門職によるチーム医療を評価し、入院基本料に加算することを
  要望する。

(2)介護 (看護補助) 業務の確立と看護基準の柔軟な運用
 医療の安全と質を向上させるとともに、慢性的に不足している看護職員にとって働きやすい職場を創造するために、以下を要望する。
 *7:1、10:1入院基本料の病棟においても、現実には介護 (看護補助)
  業務も多く、介護 (看護補助) 職を配置せざるを得ない。上記病棟におい
  て、看護補助加算を算定可能とするとともに、介護 (看護補助) 職の夜勤
  に対する評価を要望する。
 *病棟における患者の状態によっては、医療安全のために3名以上の夜勤
  看護師が必要となる。さらに、小規模な病棟では月平均夜勤72時間の基
  準を満たすことは不可能である。看護基準において、72時間の制限を緩
  和するとともに、2人夜勤体制は看護職員不足等の現実を考慮し、その
  一部を介護 (看護補助) 職の適応を認めるなど、現場の状況に応じた柔軟
  な対応を可能とすることを要望する。
 *日勤のみ勤務者や短時間労働者の雇用を促進するために月平均夜勤時間
  の算定において月夜勤時間数16時間以下の者も含めることを要望する。
 *1週あたり40時間労働は日本における全産業の労働時間の基本である。
  夜勤専従看護師においても例外ではなく、このように診療報酬によって
  労働時間の制限を規定することは避けるべきである。

(3)医師事務作業補助体制加算の適用拡大
 *入院医療全般にわたり医師事務作業は増加しており、その補助体制加算
  の点数を引き上げるとともに、すべての病院に対する加算に適用拡大す
  ることを要望する。

(4)診療情報の電子化加算の正当な評価
 *電子カルテやオンラインレセプトなど診療情報のIT化を推進するため
  必要な費用を診療報酬上正当に評価した電子化加算を要望する。

2.急性期入院医療について

(1)「入院時医学管理加算」 の見直し
 *平成20年度改定での見直しは現実に即したものではない。現状を勘案し
  た運用に変更すべきである。

(2)「救急搬送受け入れ加算」 の創設と 「緊急手術加算」 の増額
 *円滑な救急医療体制の構築においては三次救急 (救命救急センター) への
  患者一極集中を緩和する必要がある。しかしながら、二次救急医療体制
  の維持や緊急手術に備えるためには、多くの人件費等の固定支出が必要
  である。「救急搬送受け入れ加算」 の創設と 「緊急手術加算」 の増額を要
  望する。

(3)DPC救急入院時の評価
 *DPC対象病院への救急入院時、診断確定までの診療報酬を出来高方式
  とすることを要望する。

3.慢性期入院医療について

(1)医療療養病床における緊急対応の評価
 *在宅や介護保険施設などで療養中の慢性期患者が急変した場合の入院に
  ついて、「緊急対応入院加算」 の創設を要望する。

(2)急性期病床からの積極的受け入れの評価
 *急性期病棟から、医療区分2、3に相当する患者を受け入れる場合、30
  日間の 「医療対応初期加算」 の創設を要望する。

4.精神科医療について

(1)精神病棟入院基本料の増額
 *精神科の入院料は他科に比べ著しく低く、精神科入院基本料の大幅な増
  額を要望する。

(2)精神科救急・合併症入院料の算定要件の緩和
 *精神科疾患患者の身体合併症への対応を図るため、算定要件の大幅な緩
  和を要望する。

(3)児童精神科医療の充実
 *児童精神科医療の充実を要望する。

5.リハビリテーションについて

(1)急性期病院におけるリハビリテーションの評価
 *ベッドサイド・リハが中心となる急性期病院については、「施設基準」 で
  はなく、「人員配置基準」 として評価することを要望する。

(2)リハビリテーション起算日の変更
 *各疾患において、リハビリテーションの開始はその個々の病態において
  大きく異なる。リハビリテーション起算日は、リハビリテーション開始
  日とすることを要望する。

(3)維持期リハビリテーションの適用拡大
 *医学的に長期にわたるリハビリテーションを要する疾患・病態について、
  根拠に基づく適用の拡大を要望する。

6.外来診療について

 外来の診療報酬については、病院・診療所の一物多価を改めるとともに、現行の同日多科受診時における第2科以降の診療報酬の算定不可を改める必要がある。
 *再診料等の同一診療行為は同一診療報酬とすることを要望する。
 *同日多科受診時、第2科以降もすべて同様の算定を可能とすることを要
  望する。

(1)上記の通り、日本病院団体協議会の 「平成22年度診療報酬改定に係る要望書 (第2報)」 において、リハビリテーション医療の分野では、下記の3つの要望が成されています。

 ①急性期病院におけるリハビリテーションの評価
  ◎ベッドサイド・リハビリテーションが中心となる急性期病院について
   は、「施設基準」 ではなく、「人員配置基準」 として評価する。

 ②リハビリテーション起算日の変更
  ◎各疾患において、リハビリテーションの開始はその個々の病態におい
   て大きく異なるため、リハビリテーション起算日は、リハビリテーシ
   ョン開始日
とする。

 ③維持期リハビリテーションの適用拡大
  ◎医学的に長期にわたるリハビリテーションを要する疾患・病態につい
   て、根拠に基づく適用の拡大を行う。

 その他の各団体のリハビリテーション診療報酬に対する要望ならびに各種問題点に関しては、以前の当ブログ記事 (『回復期リハ病棟の評価に 「プロセス指標」・「構造指標」 の導入を提唱』 および 『2010年度リハビリ診療報酬改定に対する各医療団体の要望』) をご参照下さい。

(2)次期2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定は、基本的にはプラス改定と巷間で言われていますが、問題は、やはり財源です。

 日本福祉大学の二木立教授は、公的医療費増加の財源について、
  ①消費税の増税
  ②政府の税金の無駄使いの根絶
  ③社会保険料の引き上げ
を挙げ、現実的には③が妥当と述べています。
 詳細は、同教授のインタビュー記事 [医療改革の 「希望の芽」 の拡大を (『医療改革と財源選択』の出版にあたって)] をご参照下さい。

(3)ともあれ、現在、衆議院総選挙を控え、「民主党への政権交代」 あるいは 「自公与党の政権維持」 の決着がつくまでは、次期2010年度診療報酬改定の行方は、「不明確・未確定」 であり、国民による政権選択後の診療報酬改定あるいは社会保障 (医療・介護・福祉・雇用・年金・子育て・教育) の行方が楽しみでもあり、また、不安でもあります。




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財政審建議 「診療報酬も抑制を」 (民間賃金低下を考慮)

 毎日新聞ホームページに、財政制度等審議会の建議における診療報酬改定に関する記事 (2009/6/3) が掲載されていますので下記に示します。

財政審建議:「診療報酬も抑制を」 民間賃金低下を考慮
 
 財政制度等審議会 (財務相の諮問機関) が10年度予算編成に向け、3日に与謝野馨財務・金融・経済財政担当相に提出する建議 (意見書) の全容が2日分かった。
 10年度に改定予定の診療報酬について、「民間賃金や物価動向を十分に踏まえ検討する必要がある」 と、景気悪化による賃金や物価の低下を反映させ、報酬も抑制すべきだとの提言を盛り込んだ。

 診療報酬は、医療機関などが診療などへの対価として受け取る報酬。
 医師の技術料などの 「本体部分」 と薬価に分けられ、2年に1度改定される。
 前回の08年度の改定では、本体部分を0.38%増と8年ぶりにプラスとした一方で、薬価は1.2%引き下げたため、診療報酬全体では0.82%減と4回連続のマイナスとなった。

 日本医師会などは、「医師不足などの医療危機は医療費の削減が原因」 と、診療報酬の引き上げを求めている。
 これに対し建議は、「医師が真に必要とされる部門に適正に配置できていないことが大きな要因」 と指摘し、地域や診療科ごとに開業医の定員を設けることなどにより、医師の偏在を是正することが医師不足の解消につながると訴えている。

(1)前回の当ブログ記事でも強調しましたが、現在の社会の閉塞状況を打破するためにも、政府・与党・官僚・有識者 (財界・大企業の経営者、御用学者) の方々には、発想の大転換をして頂き、「診療報酬・介護報酬等、必要な社会保障費は確保する」 という大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。

(2)崩壊した (あるいは、破壊された) 「医療・介護・福祉・雇用・年金」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生を優先させ、それに伴う雇用創出効果・経済波及効果による内需拡大にて、現在の世界的大不況に立ち向かい、日本の景気回復を早期に図るという 「ビジョンと戦略」 を、為政者には 持って頂きたいと思います。
 また、既にこれまでに失敗・失政に終わっている 「旧態依然とした発想およびビジョンと戦略」 は捨て去って頂きたいと思います。




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中医協 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 が2年ぶりに再開

 キャリアブレインのCBニュース (2009/5/27) に、中医協 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 再開に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

慢性期包括調査分科会が2年ぶりに再開
 
 中央社会保険医療協議会 (中医協) の 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 (分科会長=池上直巳・慶大医学部教授) は5月27日、約1年11か月ぶりに再開し、来年度の診療報酬改定に向けた議論をスタートさせた。
 今後は、療養病棟入院基本料の算定医療機関を対象に厚生労働省が昨年度に実施した人件費などに関する調査結果を踏まえて分科会としての意見を取りまとめ、中医協の診療報酬基本問題小委員会に報告する。

 厚労省による調査結果は、次回以降の分科会に報告する。
 健康保険組合連合会や日本慢性期医療協会なども近く調査結果を取りまとめる見通しで、これらも含めて分科会としての意見を取りまとめる。
 来年度の診療報酬改定をめぐる議論は秋口から本格化するため、今後、急ピッチで調整を進める。

 昨年度に行われた前回改定では、医療の質を評価する観点から、医療療養病床の治療やケア内容を入院時から継続的に記録することが新たに義務付けられた。
 今後は、安定した指標を作るためのデータベース構築を検討することになっており、厚労省の調査ではこれらに必要な情報も示したい考え。

 前回の会合から2年近くが経過し、この間に慢性期医療を取り巻く状況が大きく変化したため、27日には、分科会による調査の範囲自体を再検討すべきだとの意見が相次いだ。
 そのため、中医協の診療報酬基本問題小委員会に、同分科会の守備範囲を付託し直すよう依頼することになった。

 高木安雄委員 (慶大教授) は、一般病床の長期入院患者や介護保険施設の入所者など、慢性期医療のマーケット全体を含めて調査すべきだとの認識を示した。

 厚生労働省の 「医療費適正化計画」 に伴う 「療養病床の再編成」 政策により、介護療養病床 (介護療養型医療施設) の廃止 (2012年3月末) および医療療養病床の削減 (介護保険施設への移行等) が現在、進行中です。

 しかしながら、最近、少し風向きが変わり、社会保障国民会議等による 「社会保障機能の強化」 への方向転換、および 「医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民」 問題の表面化等により、「療養病床の再編成」 も不透明な状況になってきたようです。

 慢性期入院医療の包括評価調査分科会において充分な議論をして頂くと同時に、可及的速やかに結論を出して頂き、医療機関・介護保険施設および医療従事者・介護サービス提供者の不安解消をお願いしたいと思います。
 また、「短期的および中長期的な将来像」 の可及的速やかな提示により、国民の 「安全・安心・納得・満足」 を図って頂きたいと切に望みます。




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平成22年度診療報酬改定も 「病院に軸足」 (厚労省保険局医療課長)

 Japan Medicine (2009/3/25) に、平成22年度診療報酬改定に関する厚労省保険局医療課長の講演についての記事が掲載されていますので紹介します。

●次期改定も 「病院に軸足」 北海道病院協会研修会で佐藤医療課長

①厚生労働省保険局の佐藤敏信医療課長は21日に開催された、北海道病院協会の研修会の講演の中で、次期診療報酬改定の方向性について触れ、「前回の改定もそうだが、病院に軸足を置いた改定になり、その方向性は変わらないだろう」 との認識を示した。

②その上で佐藤課長は、診療報酬改定を科学的、論理的なものにするためにも、「次回に間に合うかどうかは別にして、科学的なデータの収集が必要になる」 と指摘。

③さらに、「どの診療科がどの程度厳しい状況に置かれているのか、その状況を解消するには診療報酬のどの項目を改定すればよいのか」 をデータを示して取り組む必要があり、そのためには 「部門別収支を将来的に出していかなければならない」 との認識を示した。

④また、講演後の質疑で、DPCの分析データの出来高への反映について問われ、「既に行っているといえる」 と認めた上で、「DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 とした。

⑤さらに、ケアミックスのDPC参入によって、「今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と述べて、期待感を示した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようですが、ⓐ医療費亡国論、ⓑ小泉竹中構造改革 [2006年の骨太の方針に基づく、5年間で1兆1千億円 (毎年度2,200億円) の社会保障費の抑制]、ⓒ膨大な財政赤字 (財務省をはじめとした官僚および与党議員等が何ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義)、等により、「医療費抑制・医師不足による医療崩壊・医療破壊」 が生じ、社会的な大問題となっています。

 特に、上記要因による 「ⓐ勤務医不足」、および 「ⓑ地域や診療科間の医療の偏在 (特に救急・産科・小児科医療)」 ならびに 『ⓒ急性期病院を中心とした働き盛りの勤務医の 「過重負担・疲弊、医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安、コンビニ受診問題、モンスター・ペイシェント問題」 等による 「立ち去り型サボタージュ」』、に伴う 「病院崩壊・勤務医崩壊」 は大変深刻な状況です。

 したがって、上記①の医療課長の 「次回診療報酬改定も病院に軸足を置いた改定」 との言は妥当と考えられます。

(2)上記②・③では、(部門別収支・原価計算による診療報酬改定は未だ時期尚早の現況ですが) 科学的なエビデンスのある診療報酬改定の重要性を強調しています。

 しかしながら、これまでの診療報酬改定において、必ずしもエビデンスに基づかない 「勘と度胸」 の改定がなされてきたことも否定できません。

 即ち、少ないサンプルデータ数での結論、データの恣意的解釈に基づく結論、あるいはデータの捏造による改定、さらには、(厚生労働省の意向に沿うような結論を出させるために、メンバーを御用学者で固めた) 審議会・研究会を隠れ蓑にして成された改定も少なからずありました。

 例えば、ⓐ医療療養病床の診療報酬に導入された (不適切・理不尽な) 医療区分、ⓑ (リハビリ難民を生み出し、且つリハビリテーションの理念にも反する) リハビリテーション算定日数制限、ⓒ回復期リハビリテーション病棟に導入された (拙速・不適切且つ 「患者選別」 を助長する) 成果主義および (ADL評価としては不適切な) 「日常生活機能評価表」、ⓓ外来管理加算の (不可解・不適切な) 5分ルール、ⓔ障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の (不可解・理不尽な) 排斥、ⓕ介護保険上の (介護給付費の抑制のための理不尽な) 要介護認定の軽度化、等が挙げられ、それが、「医療難民・救急難民・脳卒中難民・認知症難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に繋がっています。

 したがって、国民の安心・安全・納得・満足のために、厚生労働省には、「まやかしのエビデンス」 ではなく、現場の医療介護福祉従事者・患者・介護サービス利用者・障害のある方・高齢者・家族・地域住民等が納得する 「真のエビデンス」 に基づく診療報酬改定・介護報酬改定・障害者自立支援法見直し等を行って頂きたいと思います。

(3)上記④に関しては、DPC対象病院・DPC準備病院は、いわば医療情報が丸裸になっており、今後、新機能評価係数の影響も含めて、DPC病院の差別化が図られ、そう遠くない時期に 「選別・淘汰の時代」 が訪れると考えられます。

(4)一方、DPCにおいて、リハビリテーションは現在出来高ですが、上記④のように、「DPCの分析データの出来高への反映について既に行っており、DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 という医療課長の言は重いものがあります。

 在院日数が2週間以内のDPC対象病院で、且つリハビリテーション・スタッフが少ない病院のために、超急性期・急性期リハビリテーション (ベッドサイド・リハビリテーション) の包括化およびセラピスト以外の有資格代替者 (看護師、准看護師) による算定が、現実化する可能性も否定できないと考えられます。

 また、DPC対象病院・DPC準備病院には、リハビリテーションに力を入れている病院とそうでない病院とが混在しているため、その平均を基準にすると、バイアスがかかり、上述の超急性期・急性期リハビリテーションの包括化のみならずリハビリテーション料の単価の引き下げ等の可能性も否めないと思われます。

 さらに、「濃厚且つ集中的な急性期リハビリテーション」 + 「充実したESD (早期支援退院) システム」 + 「充実した訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション」 が普及すると、回復期リハビリテーション病棟も安閑としていられない状況も将来的に到来すると考えられます。

(5)上記⑤の通り、医療課長は、「ケアミックスのDPC参入によって、今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と期待感を示しています。

 したがって、急性期のみならず亜急性期 (回復期)・慢性期のデータまでもが、厚生労働省に集積されると、「医療機関の機能分化と連携」・「選択と集中」・「集約化・重点化・拠点化」 の錦の御旗のもと、各医療機関の選別と淘汰が進展すると考えられます。

(6)上記(3)~(5)の通り、特に、「中小病院 (特に、民間中小病院)」 および 「急性期一般病床の占める割合が少ないケアミックス型病院」 については、基本的には、高度急性期医療およびDPCを断念して、亜急性期以降の医療を担ってもらいたいという厚生労働省の思惑があり、上記病院の役割として、次のような 「亜急性期病院、慢性期病院、ケアミックス型病院、介護保険施設」 への誘導が加速する可能性が高まると推察されます。

 (1) 軽度 (~中等度) の救急・急性期医療 (特に、認知症の合併症がある高齢者
  の骨折等・入院を繰り返す高齢者・慢性疾患の急性増悪等の救急・急性期
  患者)

 (2) 「急性期後」 の亜急性期医療 (亜急性期入院医療管理料を算定する病床、回
  復期リハビリテーション病棟)

 (3) 慢性期医療 [療養病床 (医療療養病床、介護療養型医療施設)]

 (4) 特殊疾患病棟、障害者病棟 (障害者施設等入院基本料を算定する一般病棟)

 (5) 在宅医療

 (6) 場合によっては、介護療養型老人保健施設への移行

 但し、「専門特化型」 急性期中小病院、あるいは、「専門特化型」 の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院は、場合によっては、大病院等よりも、質の高い効率的なDPC対象病院であることが少なくないということで、このような病院にインセンティブを与えるような 「新機能評価係数」 の設定が望まれます。(スケールメリット不足を補填する評価、高い専門性・充実したチーム医療への評価等)。

 それ以外は、基本的には、DPCに馴染まず、医療マンパワー不足もあることから、将来的には亜急性期以降への移行を促される可能性が高いと考えられます。

 また、地方の中小自治体病院に多い、「準総合病院型」 急性期中小病院および 「準総合病院型」の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院については、総務省・公立病院改革ガイドライン (平成19年12月) を厳格に適用すると、廃止・民営化の道をたどると考えられます。
 しかし、その病院が、地域唯一の病院であり、不採算医療 (政策的医療や救急医療等) を担っているということで、充分な公的支援があれば、(DPC適用の可否は別として)、存続できると考えられます。

 将来的には、「疾病管理 (疾病ケアマネジメント)」 を経て、最終的に、アメリカのように、「マネージド・ケア」 [医療コストを減らすために、医療へのアクセスおよび医療サービスの内容を制限する制度。医療の決定権が医師から支払い側 (保険者) に移り、医師以外の人によって医療が管理される結果、医師の意見は参考にはされるものの、最終決定をするのは医師ではない] の大変な時代 (暗黒時代) が到来する可能性も考えられます。

(7)以上、厚生労働省保険局医療課長の平成22年度診療報酬改定の方向性に関する講演について論じました。

 但し、病院に軸足を置いた診療報酬改定において、やはり問題は、財源です。
 「ⓐ保険料のアップ」・「ⓑ (主として消費税増税による) 公費負担のアップ」・「ⓒ患者自己負担のアップ」 が挙げられますが、本丸は、財務省の悲願の 「消費税増税」 です。(社会保障国民会議も、社会保障機能の強化の財源を、消費税増税を前提にしていますが・・・)。

 しかしながら、以前の当ブログ記事で何回も述べていますが、「消費税増税」 を行う前に、「ⓐ充分な景気回復、ⓑ税制の抜本的改革、ⓒ膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、ⓓ道路特定財源の完全なる一般財源化、ⓔ年金問題の早期完全解決」 等を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思われます。

 したがって、「医療立国論」、「医療・介護立国論」、あるいは 「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環が実現することが望まれます。

【関連記事】
 ◎健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)
 ◎医療の提供体制の現状と課題 (講演:厚生労働省保険局医療課長)
 ◎2009年度の新規DPC対象病院は570病院 (約130病院が移行せず)
 ◎医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)
 ◎医療・介護の機能強化 (2012年度診療・介護報酬同時改定で体制構築)
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)
 ◎DPC新機能評価係数と中小病院 (厚労省保険局医療課企画官の見解)




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歯科レセプト審査に対する厚生労働省の介入による査定率の大幅減

 2009年2月17日の asahi.com (朝日新聞) に、下記の興味深い記事が掲載されていますので紹介します。

(資料) 歯科レセプト審査、厚労省 「介入」 で支払い不認可9割減

①歯科医からの診療報酬請求を審査する社会保険診療報酬支払基金の神奈川県の審査委員会で、審査のあり方に厚生労働省が 「介入」 した結果、支払いを認めない処分件数が従来の10分の1にまで減少、請求に占める処分の割合が全国最低レベルになったことが分かった。
 「審査の独立性が損なわれた」 と委員から反発の声が上がっている。

②神奈川県の歯科の審査は全国的に見て厳格という評判が高く、毎月、全体の2%弱 (全国平均は約0.5%) にあたる1万件程度について、請求を認めない処分 「査定」 をしてきた。
 こうした現状について、衆院神奈川5区の坂井学議員 (自民) が昨年、「神奈川は査定が飛び抜けて多い」 などと国会で2度にわたり問題にした。

③複数の審査委員からの取材によると、1月の審査委員会初日に、神奈川基金を管轄する関東信越厚生局神奈川事務所の指導医療官が委員に 「神奈川基金取決事項・取決が厳しいと思われる事項」 と題したリストを配った。
 その際の説明によると、厚労省医療課の歯科医療管理官と課長補佐が指導医療官にリストを手渡し、「査定率が高い。上の方は、このままだと問題になると言っている」 などと、リストの項目を査定しないよう要請したという。

④指導医療官と審査委員の話し合いで、急な要請で審査基準の統一が保てないため、原則として、レセプト (診療報酬明細書) の査定を一切せず、問題があるレセプトは医療機関に差し戻す 「返戻」 にすることになった。
 歯科担当の委員48人の多くが、この方針に従って査定をした。
 この結果、1月の査定は千件程度と、約10分の1に減り、査定率が全国で最も低い大阪府並みになった。
 一方、医療機関への返戻が通常の2,500件程度から約1万1千件に急増した。

⑤異例の事態に危機感を持った神奈川基金の事務局が 「事務局から見ても明らかなものは査定としてほしい」 と申し出るなど動揺が広がり、委員会終了後に本省の歯科医療管理官が神奈川基金で説明する騒ぎになった。
 委員からは 「目の前のレセプトが正しいか、正しくないかで、査定率は結果でしかない」・「高い査定率が問題なら低いほうも問題にすべきだ」 と批判が出た。

⑥この経過について、上條英之歯科医療管理官は 「リストは全国の基準を超えた神奈川独自の基準の疑いがある項目で、一律の判断をすることがないよう求めた。査定をしないよう求めたことはない」 と説明している。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料①の通り、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金の審査委員会による歯科レセプト審査に対して、厚生労働省が介入し、査定率が 「大幅に減少」 という非常に珍しいことが起こりました。

(2)資料②~④の通り、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金による歯科レセプト審査の査定率が、全国平均よりもかなり高いということで、自民党の坂井学衆議院議員 (神奈川5区) の政治的圧力もあり?、上記のような介入が行われ、結局、査定率が全国で最も低い大阪府並みになりました。

(3)資料①・④・⑤の通り、審査委員からは、「審査の独立性が損なわれた」・「査定率は結果でしかない」・「他県の低い査定率の方を問題にすべきだ」 との批判が続出しました。また、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金も異例の事態に危機感を持ちました。
 これに対して、資料⑥の通り、厚生労働省保険局医療課歯科医療管理官は、「全国の基準を超えた神奈川独自の基準が問題。査定をしないよう求めたことはない」 と少し苦しい説明をしています。

(4)上記(3)の通り、レセプト審査においては、医科・歯科ともに、レセプト審査基準に、都道府県による独自基準・地域格差があり、現場の医療機関が一番困っています。
 厚生労働省は、中央官僚特有の 「全国一律」 の原則・査定率を主張し、一方、都道府県の支払基金・審査委員は 「審査の独立性」 に由来する? 「独自基準」 を主張しています。
 しかしながら、現場の医療機関が一番望むのは、(「全国一律の査定率」 でもなく、「都道府県独自の審査基準 (それに伴う地域格差)」 でもなく)、「全国一律の (地域格差のない、統一された) レセプト審査基準および審査基準の透明性・説明責任」 であり、そのことを関係者の方々にきちんと認識して頂きたいと思います。

(5)以上、「歯科レセプト審査に対する厚生労働省の介入による査定率の大幅減」 について論じました。

 特に、リハビリテーション医療におけるレセプト審査においては、他の診療報酬と異なり、リハビリテーションに関する理解不足等による理不尽査定・曖昧査定・地域格差・エビデンスのない査定・数字の辻褄合わせの経済審査が目立つ (特に国保) ため、関係者の方々には善処して頂きたいと切に思います。




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