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  2. 2009年01月

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「闘うリハビリⅡ~寄せられた“声”をたずねて~ (仮)」 (Nスペ)

NHKスペシャル 「闘うリハビリⅡ~寄せられた“声”をたずねて~ (仮)」
 ◎2009年2月8日 (日) NHK総合テレビ (午後9時00分~9時59分)
 ◎再放送予定:2009年2月15日 (日) NHK総合テレビ (午後5時00分~5時59分)

【番組紹介】
 リハビリ (=全人間的復権) に取り組む人々は全国に200万人。2008年2月に放送したNHKスペシャル 「闘うリハビリ」 では、私たちの脳に秘められた限りない再生力を解き明かし、超早期リハビリという医療の常識をくつがえすリハビリの可能性を伝え、番組には多数の手紙やメールが寄せられた。
 人々の声から浮かびあがってきたのは、彼らが直面している現実の厳しさ。『もうこれ以上やってもよくなりませんよ、とリハビリを打ち切られ、絶望している』・『いったんリハビリを中断したら体の状態が極端に悪化してしまった』。障害の部位・程度によって個別差があるにもかかわらず、制度では180日を境に医療保険でのリハビリは打ち切られるのが原則だ。現在起きている問題は、医療保険から介護保険のリハビリにシフトする際に“断絶”が起こり、多くの患者が継続的な機能の回復を達成出来ず、逆に機能を悪化させてしまっていること。
 番組では、2008年春、脳出血に倒れて以降リハビリを続ける藤田太寅キャスター (元NHK解説委員) が現場へと出向き、回復の途上に立ちふさがる「壁」とは何か、それを乗り越えるにはどうすればいいのか、何が必要なのか、当事者の目線に立って伝えていく。


 2008年 (平成20年) 2月に放送され、好評を博したNHKスペシャル、
  ◎ 「闘うリハビリ 第1回 あなたはここまで再生できる~脳がもつ可能性~」
  ◎ 「闘うリハビリ 第2回 早期リハビリ “常識”への挑戦」
の続編が、上記の通り、放映されます。

 当ブログ管理人も、今から放送を楽しみにしています。機会があれば、ブログにも取り上げて論じたいと思います。

【追記】
 当ブログ管理人は、NHKの回し者ではありませんので、あしからず (笑)。




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小泉・竹中政権の 「聖域なき構造改革」 に存在した 「聖域」

 小泉・竹中政権が提唱した 「聖域なき構造改革」 には、結果的に、下記のような 「聖域」 が存在し、結局、格差社会・セイフティネットの破壊が生じました。

(1)聖域
 ①米国・年次改革要望書 (日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく
  日本国政府への米国政府要望書)、在日米軍、(自衛隊)
 ②外国資本 (外資)
 ③金持ち (富裕層)・優遇税制
 ④大企業・役員・法人税減税、株主・優遇税制
 ⑤中央省庁・官僚・国家公務員、天下り・天下り先 (特殊法人、特殊会社、独立
  行政法人、公益法人)・ひも付き補助金・官製談合・随意契約
 ⑥政治家・族議員、(政治家の世襲制)
 ⑦国民の血税に巣くう政官業癒着の既得権益構造・利権構造、膨大な税金 (国民
  の血税) の無駄遣い
 ⑧伏魔殿化した 「特別会計」
 ⑨公共事業・ハコモノ、高速道路・空港・新幹線・ダム等
 ⑩銀行・証券会社
 ⑪都会・大都市


(2)聖域以外
 ①一般国民 (中流階級~貧困層)・所得税定率減税、消費者
 ②雇用者・一般社員、パートタイマー、派遣労働者
 ③中小零細企業
 ④教育
 ⑤農林水産業、環境問題
 ⑥年金・雇用・医療・介護・福祉等の社会保障・セイフティネット
 ⑦高齢者、障害者、患者、子供
 ⑧郵政事業
 ⑨地方・中小都市・僻地



 当ブログ管理人は、基本的に、小泉・竹中政権が提唱した 「聖域なき構造改革」 には賛成です。但し、「聖域が本当にない」 という大前提です。

 結果的に、小泉・竹中政権が推進した 「聖域なき構造改革」 には、上記のような聖域が存在したため、その聖域を優遇すればするほど、聖域以外は冷遇されるため、以前の日本の1億総中流階級という社会構造を、格差社会に変貌させてしまいました。

 格差は、「大企業」 と 「中小零細企業」、「大企業・官僚・政治家等による政官業癒着の既得権益構造」 と 「一般国民」、「都市」 と 「地方」、教育格差等々、様々な格差が生まれました。
 また、金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になるような構造が出来、競争社会・新自由主義・市場原理主義・小さな政府のもと、弱者が淘汰されても仕方がないという思想が定着しました。
 そして、その弱者の方々を救うためのセイフティネットも同時に破壊されてしまいました。それが、弱者切り捨て・地方切り捨て等に繋がり、また、医療・介護においては、医療難民・リハビリ難民・介護難民・救急難民等を生み出しました。
 さらに、その状況に、米国発の金融危機・景気悪化が拍車をかけ、現在、日本の経済・国民の生活を混乱に陥らせています。

 したがって、これからは、政治家・官僚等の方々には、上述の様々な大きな弊害をもたらした 「極端な新自由主義・市場原理主義・暴走資本主義、小さな政府、過度な民営化・競争社会・自由競争」 を、「公正性・公平性・透明性の原則、強固なセーフティネットを担保した適正規模の政府、適正な民営化、節度のある自由競争、修正資本主義あるいは社会民主主義」 に変えて、安心・安全な、且つ納得・満足できる日本にして頂きたいと思います。

 但し、その前に、このような不幸な日本にしてしまった政治家のみならず、(無謬性・匿名性にて無責任体制である) 官僚も、結果責任・説明責任を充分に感じて、国民に対して反省・謝罪の言葉を明確に述べるべきです。

【関連記事】
 ◎「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種
 ◎オバマ大統領就任演説からみた麻生内閣・自民党の 「旧態依然」




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柔道整復師による療養費の不正請求問題 (政府・厚労省見解)

 以前のブログ記事 [理学療法士作業療法士学校養成施設に関する諸問題 (政府見解)] において、「医業類似行為の有資格者 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師)・民間資格 (カイロプラクター、整体師等)」 について論じました。
 本ブログ記事では、上記の中の 「柔道整復師」 の不正請求問題に対する政府・厚生労働省・経済財政諮問会議の見解について紹介します。

(資料1) 柔道整復師による療養費の不正請求問題に関する質問主意書
    ◎質問第15号 (提出者:辻 泰弘・参議院議員、平成19年10月2日提出)
    ◎政府答弁書 (答弁書第15号:内閣参質168第15号)
         (平成19年10月9日、内閣総理大臣 福田康夫)


 我が国では、国民が、いずれかの公的医療保険制度に加入し、医療機関で被保険者証を提示することにより、一定の自己負担で必要な医療を受けることが可能であるという、世界に誇るべき国民皆保険制度を採用している。公的医療保険の財政危機が叫ばれ、医療崩壊とさえ言われる現在、国民が安心できる医療提供体制と国民皆保険制度の維持・発展は国民生活の基本に関わる最重要課題である。
 このような状況の中、保険財政の圧迫にもつながる、柔道整復師による療養費の公的医療保険への不正請求問題が大きな社会問題となっている。平成5年には会計検査院から是正要求を受け、また、報道機関からも度々指摘され続けているものの、政府による厳正な指導が徹底されたとは言えず、むしろ問題は悪化している。
 このような観点から、以下質問する。

1.柔道整復に係る療養費において、保険者との協定又は個人契約によって柔道整復師に特例的に認められている療養費の受領委任払いの実態について、支払金額の総額実績を都道府県別及び保険者別に政府の把握状況を示されたい。

2.過去5年間における療養費の支給申請書の数及びその中での骨折、脱臼、捻挫、打撲の内訳について政府の把握状況を示されたい。また、それらの申請書の中で、不正請求であると認められた件数を示されたい。

3.過去5年間における保険者別の 「柔道整復療養費を支給する具体的理由」 について政府の把握状況を示されたい。


(1から3までについての回答) 厚生労働省としては、柔道整復師の施術に係る療養費 (以下 「療養費」 という) について、支払実績等の抽出調査を実施しているが、お尋ねの点については、新たにこれを調査することは膨大な作業を要することから、把握していない。

4.健康保険法及び国民健康保険法に定められた療養費支給要件に合致しない療養費支給は、健康保険料 (税) を納付している国民への保険者の背信行為であり、政府として保険者を厳重に指導すべきと思われるが、政府の具体的な対応方針を示されたい。

 (回答) 厚生労働省としては、「柔道整復師の施術に係る療養費に関する審査委員会の設置及び指導監査について」 (平成11年10月20日付け老発第683号・保発第145号厚生省老人保健福祉局長及び保険局長連名通知) により、保険者等が行う指導監査の基準等を示すなどにより、療養費に係る制度の適切な運用が行われるよう、保険者等に対する指導等を行ってきているところである。

5.平成5年度の会計検査院からの是正要求に対する対応及びその後の改善状況についての政府の把握状況を示されたい。

 (回答) 厚生労働省としては、平成5年度に会計検査院から、療養費について、その適正な支給を期するため、①柔道整復師、保険者等に対する療養費制度等の趣旨の周知徹底、②不適正な請求を防止するための算定基準等の改正、③審査体制の整備、④柔道整復師に対する指導監査基準の明確化等の療養費に係る指導・監査体制の整備といった改善処置要求を受けたところであるが、これを踏まえ、「柔道整復師の施術料金の算定方法」 (昭和33年9月30日付け保発第64号厚生省保険局長通知) の累次の改正、審査委員会の全都道府県における設置の推進及び都道府県関係部局及び地方社会保険事務局 (以下 「都道府県等」 という) において実施される指導監査に係る基準の提示等の措置を講じてきたところであり、これらの措置に基づき、都道府県等において療養費の不正請求の防止のために適切な取組がなされてきているものと考えている。

6.平成14年12月3日の参議院厚生労働委員会での審議の中で、柔道整復師の療養費の不正請求問題について、厚生労働大臣は 「許しがたいことで」、「正確に我々も指導していきたい」 と答弁しているが、政府はどのような取組を行ったのか示されたい。

(回答) 御指摘の厚生労働大臣の答弁は、不正請求が確認された場合の取扱いについて答弁したものであるが、厚生労働省としては、4について及び5についてで述べたとおり、平成14年以前から、療養費の不正請求の防止のために適切な措置を講じてきているところである。

7.療養費の支給申請書の負傷原因欄の簡素化が行われた経緯について示されたい。また、その簡素化が行われなかった場合、柔道整復師による療養費の不正請求数が現状よりも少なかったと思われるが、政府の見解を示されたい。
 
(回答) 柔道整復施術療養費支給申請書 (以下 「申請書」 という) の負傷の原因欄については、当該負傷について適用されるのが健康保険であるか労働者災害補償保険であるかといった点を明らかにするために設けられているものであるという本来の趣旨にかんがみ、昭和49年に記載の簡素化を行い、それを明らかにするのに必要な「業務災害による」等の記載で足りることとしたものであるが、その記載の簡素化と不正請求とは直接関係しないものと考える。

8.厚生政務次官経験者であった国会議員からの働きかけで、支給申請書に負傷の原因を具体的に詳しく記載する通知の原案が撤回され、その直後、当該国会議員が接骨師から政治献金を受け取ったという報道を受け、第156回国会の衆参両院の厚生労働委員会を中心に活発な議論が行われているが、当該事案の事実関係についての政府の把握状況を示されたい。

(回答) 厚生労働省として、御指摘のような報道があったことは承知しているが、その事実関係については承知していない。

9.五十肩、腰痛などの慢性の症状に対してマッサージ等の施術を行った場合、捻挫、打撲などと称して療養費の不正請求が行われる事例が社会問題化しているが、政府の把握状況を示されたい。また、この問題についての政府の具体的な対応方針を示されたい。

(回答) お尋ねの 「社会問題化している」 の意味が明らかではないが、厚生労働省としては、御指摘のような事例があることは承知しており、4について及び5についてで述べたとおり、療養費の不正請求の防止のために、適切な措置を講じてきているところである。

10.柔道整復師が患者に対して、支給申請書に具体的な記載をする以前に署名を求める、いわゆる 「支給申請書の白紙委任」 問題について、政府の把握状況を示されたい。また、この白紙委任が不正請求の温床になっていると考えるが、この問題についての政府の具体的な対応方針を示されたい。

(回答) 療養費の支給については、患者から施術者への受領委任 (保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することをいう。以下同じ) の制度が認められており、柔道整復師の施術所がその申請書を作成するのが一般的である。当該申請書については、療養費は1か月を単位として請求されるものであり、当月の最後の施術の際に患者が1か月分の施術内容を確認した上で署名を行い、これを作成することが原則であるが、柔道整復師の施術所への来所が患者により一方的に中止される場合があること等から、患者が来所した月の初めに署名を行い、当該申請書を作成する場合もあることは、厚生労働省としても承知している。
 厚生労働省としては、受領委任の制度については、患者が施術に係る費用の負担を心配することなく、その傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする趣旨から認めているものであり、今後とも必要な制度と考えている。今後とも、その適切な運用について、関係者に対する周知に努めてまいりたい。

11.患者の実際の症状よりも多く捻挫の箇所数を偽り水増し請求する、いわゆる捻挫等における部位数の架空水増し請求問題について、政府の把握状況を示されたい。また、この架空水増し請求問題についての政府の具体的な対応方針を示されたい。

(回答) お尋ねの 「架空水増し請求」 の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、捻挫等の部位の数を偽り、療養費の請求が行われる事例があることは承知しており、4について及び5についてで述べたとおり、療養費の不正請求の防止のために、適切な措置を講じてきているところである。

12.厚生労働省パブリックコメント 「あはき・柔整広告告示案について」 (平成15年6月10日募集開始) がいまだ公表されていない理由を示されたい。また、公表時期を明示されたい。

(回答) 行政手続法 (平成5年法律第88号) 第43条においては、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には当該命令等の公布と同時期に当該意見公募手続の結果等を公示しなければならないこととされ、また、命令等を定めないこととした場合には速やかにその旨等を公示しなければならないこととされている。
 御指摘の意見公募手続においては、御指摘の告示案に対し慎重な意見が多数寄せられていることもあり、当該告示案の取り扱いについての結論がいまだ得られていないことから、同条に基づく公示を行っていないところであるが、結論が得られ次第、当該公示を行うこととしている。

13.柔道整復師の療養費の受領委任払いは、かつて整形外科医が大きく不足していた時代に患者の治療を受ける機会の確保等の患者保護のため特例的に認められたものである。しかし、公的医療保険の財政危機が叫ばれ、医療制度の在り方が大きく論じられる現在、国民が安心できる医療提供体制の継続のためには、療養費の受領委任払い制度そのものの見直しが必要だと思われるが、政府の見解を示されたい。

(回答) 10についてで述べたとおり、厚生労働省としては、受領委任の制度については、患者が施術に係る費用の負担を心配することなく、その傷病に対する手当等を迅速に利用することを可能とする趣旨から認めているものであり、今後とも必要な制度と考えていることから、それ自体の見直しを行うことは考えていない。


(資料2) 社会保障の徹底した効率化努力を (有識者議員提出資料)
     [平成20年第14回経済財政諮問会議 (平成20年6月10日)]

●不正・不適切な保険請求の是正

 コンタクトレンズ処方の診療や柔道整復の療養費など、これまでに保険請求の適正化に向けた指摘や取組がなされている事項について、検証を行うとともに、それを踏まえたチェックシステムの見直しや監査・指導の徹底を行うべきである。
 注.不正請求や高点数請求により監査・指導の対象となった保険医療機関等 (医
  科・歯科・薬局) は、3,458件にのぼる。

●八代議員 (民間有識者議員) の発言要旨
 不正・不適切な保険請求も新聞等でよく出ている。コンタクトレンズ処方の診療や柔道整復の療養費。後者はマッサージに事実上保険が使われている。規定ではそれはいけない筈だが、実際は、これで最大限 3,000億円ぐらいの費用が使われている。このうちのどれだけが無駄か、はまだチェックされていないが、そういうものは厳しく監査・指導の徹底を行う必要があるのではないか。


(資料3) 柔道整復師
 柔道整復師とは、ほねつぎ・接骨師・整骨師として広く知られ、厚生労働大臣免許の下で、打撲、捻挫、挫傷 (筋、腱の損傷)、骨折、脱臼などの施術をする職業の正式名称である。
 柔道整復師は、大学受験の資格がある者が3年以上、国が認定した学校・大学で専門知識を修得し、解剖学、生理学など11科目の国家試験をパスして取得できる資格である。
 柔道整復師が施術を提供する接骨院や整骨院は公的に認められた機関であり、保険医療機関と同じように保険証でかかることができる。

(資料4) 柔道整復に係る療養費の受領委任払い
 療養費は、いわゆる償還払いが原則であるが、柔道整復に係る療養費については、保険者との協定又は個人契約によって、いわゆる受領委任払い (患者さんの施術に要した療養費について、患者さんから委任を受けるかたちでその支給申請を行う) が特例的に認められている。
 しかし、受領委任払いについては、施術の内容や額等の患者による確認がないまま施術者から請求が行われていることや現在の仕組みが、協定及び個人契約に基づくものであり、審査や指導・監査の実効性の確保が困難であること等の問題が指摘されている。


 上記に関するブログ管理人の考察は下記の通りです。

(1)資料1の厚生労働省の回答・主張をまとめると次の通りです。
  ①柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任払い・不正請求等の詳細を、厚生
   労働省は把握していない。(把握するつもりがない?)。
  ②療養費の不正請求問題に関しては、会計検査院からも指摘され、また、厚生
   労働省自体も関知しているが、架空水増し請求問題も含めて、厳しい監査・
   指導を行っていない。(おざなりの対応となっている)。
  ③厚生労働省は、療養費の支給申請書の負傷原因欄の簡素化を容認している。
  ④厚生労働省は、柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任払い制度は今後と
   も容認する。
   ●不正請求の温床となっている 「支給申請書の白紙委任」 への対応について
    は曖昧な回答。

(2)資料2の経済財政諮問会議の議論・主張をまとめると次の通りです。
  ①有識者議員提出資料にて、柔道整復師の施術に係る療養費の不正請求に対す
   る監査・指導の徹底
を主張。
  ②民間有識者議員である八代議員も、厳しい監査・指導の徹底を主張するとと
   もに、医療費が約3,000億円使われており、その中に無駄が相当含まれている
   可能性があると主張。

(3)医療費3,000億円という数字は、毎年、社会保障費の伸びが2,200億円ずつ削減されてきて、医療崩壊・医療破壊が進展してきたことを考えると、医療従事者は、憮然たる気持ちになると思われます。

(4)最近は、(相変わらず厚生労働省の動きは鈍いとのことですが)、保険者 (支払い側) の 「柔道整復師の施術に係る療養費における不正請求・架空水増し請求・支給申請書の白紙委任」 に対する審査・指導が相当厳格化しているとのことです。

(5)柔道整復師の施術に係る療養費における不正請求は、整形外科開業医やリハビリテーション医療 (特に、運動器リハビリテーション) に関わるセラピスト等を少なからず圧迫しており、厚生労働省と保険者による厳しいチェック・指導・監査が肝要と思います。
 特に、整形外科開業医は、(近年、医科レセプト審査が厳しく、返戻や減額査定が多くなっている折)、柔道整復師の施術に係る療養費に対するレセプト審査の甘さに対して、大いに憤りを感じているそうです。

(6)柔道整復に係る療養費の受領委任払い制度については、歴史的背景・政治的背景もあり、当分の間、続くと思われます。(保険者の財政状況の悪化によっては、制度廃止もあり得ますが・・・)。


 以上、柔道整復師の施術に係る療養費の不正請求等について、ブログ管理人独自 (好き勝手な意見で恐縮ですが) の考察を述べてきました。
 何れにせよ、柔道整復師のみならず、他の医業類似行為有資格者ならびに保険医の一部で不正請求が行われると、国民の不信感が高まり、且つ、それ以外の良心的な医療・施術を行っている方々に大きな迷惑をかけることになるため、そのような不正行為は厳に慎んで頂きたいし、また、厚生労働省には、保険者とコラボレートして、厳しいチェック・指導・監査体制を構築して頂きたいと思います。

【関連記事】
 ◎運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)




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「入院医療のあり方 (機能分化)」 日本病院団体協議会の提言

 日本病院団体協議会 (11団体:国立大学附属病院長会議、独立行政法人国立病院機構、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本私立医科大学協会、日本精神科病院協会、日本病院会、日本慢性期医療協会、独立行政法人労働者健康福祉機構) [議長:山本修三 (日本病院会会長)] は、2008年12月25日、「医療・介護提供体制および診療報酬体系のあり方について」 (2008/12/19) という提言書を公表しました。
 
 提言書は、入院医療、精神科医療、介護入所施設、外来診療、入院基本料、医療専門職の職掌、リハビリテーション、DPC、の8章より構成されています。その中で、「入院医療のあり方 (機能分化)」 の部分を紹介します。
【関連記事】 「リハビリテーション医療のあり方」 日病協の提言

●入院医療のあり方 (機能分化)

 入院医療の提供体制については、それぞれの医療機関が提供できる機能を明確化し、情報開示する必要がある。国民がその機能を理解・納得した上で、選択できる体制を整備することが重要である。
 入院医療については、下記のように病棟単位で機能分化されることが望まれる。

(1) 高度機能病棟
 稀な疾患の診療や、先進医療 (遺伝子治療、特殊な癌治療など) を診療する病棟で、対象疾患を十分調査した上で認定される。
 国レベルでの整備が必要であり、現行のナショナルセンター、大学病院本院、その他より、疾患別に認定を受けた病棟に限られる。
 医療費はこの病棟の特殊性から、研究費、特殊疾患療養費など診療報酬以外の財源も考慮する。

(2) 急性期病棟
 技術が確立された手術、重症度の高い患者などに対応できる病棟である。救急医療においても、重症度・緊急度の高い疾患に対応する。そのため、十分な人員配置、設備を要する。医療計画等により、都道府県・2次医療圏レベルでの整備が必要である。
 地域の基幹病院として機能している病院の病棟はここに含まれ、診療ガイドラインに沿ったクリニカル・パスが必須となる。
 診療報酬は疾患別・重症度別包括支払い方式 (DPC) が基本となる。

(3) 地域一般病棟
 急性期病棟や地域の医療機関・介護施設等と連携し、軽~中等度の急性期疾患に対応するとともに、急性期病棟から引き続き入院医療やリハビリテーションを要する患者を受け入れる病棟である。生活圏レベルでの配置が必要である。
 地域に存在する中小病院が中心となる。
 診療報酬は急性期対応ではDPC、その他は状態別包括支払い方式が望ましい。

(4) 回復期リハビリテーション病棟
 リハビリテーションに特化した病棟である。様々な疾患のリハビリテーションに対応するとともに、在宅医療への移行・介護施設への連携が重要な機能である。
 診療報酬は、状態別包括支払い方式が基本となる。

(5) 慢性期病棟
 主として急性期病棟や地域一般病棟等からの、医療必要度の高い長期入院患者に対応する病棟である。必要に応じて、在宅療養や介護施設利用者の急性増悪にも対応する。
 診療報酬は、状態別包括支払い方式が望ましい。

 以上が病棟単位での機能分化であるが、複数の病棟を持つ病院は、それぞれの地域における医療提供体制の整備状況等を踏まえ、様々な組み合わせを行うことが可能となる。

(例) 高度機能病棟:急性期病棟
  急性期病棟:地域一般病棟
  急性期病棟:回復期リハビリテーション病棟
  地域一般病棟:回復期リハビリテーション病棟:慢性期病棟
  など。

 また、地域による人口密度の高低、医療提供体制の整備格差、患者数の季節変動などが存在するため、全国一律方式での機能分化は困難である。従って、一律の基準で病棟機能を固定するのではなく、地域の実情や季節変動などを加味した柔軟な運用が求められる。


 上記に関するブログ管理人の考察は下記の通りです。

(a)基本的には、「医療機関の機能分化と連携」 および 「集約化・重点化・拠点化」 という原理・原則に則った考え方と思われます。
 また、「病棟単位で機能分化されることが望まれる」 と主張しています。

(b)高度機能病棟 [上記 (1)] に関しては、現行の 「特定機能病院」 において先進医療等の特殊な治療を行う一部の病棟を想定しています。
 また、その財源の一部を、診療報酬以外から賄うことを想定しています。

(c)急性期病棟 [上記 (2)] は、特定機能病院の一部の病棟と急性期病棟 (高度急性期総合病院あるいは地域基幹病院) が想定され、マンパワーや高度医療機器を集約化・重点化・拠点化することにより、救急医療 (救命救急センター) を司り、診療ガイドライン・クリニカルパス・DPCの活用により、高い 「医療の質」 を保ちつつ、「在院日数の短縮、医療の可視化・透明化・効率化、患者さんへの充分な説明責任」 等を図るという高い医療レベルが必要と考えられます。

(d)地域一般病棟 [上記 (3)] は、現行の 「亜急性期入院管理料2」 を算定する地域の中小病院と同等と考えられ、主として、「軽度~中等度の急性期対応」・「急性期後 (post-acute) 対応」 の病棟が想定されます。

(e)回復期リハビリテーション病棟 [上記 (4)] は、基本骨格は、現行と同じと思われますが、「状態別包括支払い方式」 の診療報酬とされています。

(f)急性期後の地域一般病棟ならびに回復期リハビリテーション病棟における診療報酬の 「状態別包括支払い方式」 に関しては、指標として、現行の日常生活機能評価表を用いる可能性が高そうですが、回復期リハビリテーション病棟では、やはり FIM や Barthel Index (BI) がベターと思われます。現在医療療養病床で使われている 「医療区分×ADL区分」 あるいは 「MDS-PAC (Minimum Data Set-Post Acute Care)」 の使用はないと思われますが・・・。

(g)慢性期病棟 [上記 (5)] は、上記病棟の在院日数が短くなる中、病態不安定・重症・重度の、医療必要度がかなり高い転院患者さんが益々多くなるため、相当高い医療レベルが必要となってきますが、現行の人員基準では、在宅・介護施設からの急性増悪患者さんの救急対応も含めて、現実的には無理なのではないかと思われ、矛盾や瑕疵 (かし) を感じます。(介護療養型老人保健施設も同様です)。

(h)現在、基本的には、「自己完結型医療」・「病院完結型医療」 ではなく、「地域完結型医療」 が推奨されています。
 しかしながら、「患者さんの視点」 からすると、同じ病院において、急性期~回復期~維持期医療・在宅ケアまで行ってもらう、即ち、ケアミックス病院および付属の在宅総合ケアセンターにてシームレスでケアしてもらう方がベターなのではという素朴な疑問をいつも抱いているのですが・・・。

(i)地域医療においては、少なからぬ地域差が明らかに存在します。しかしながら、通常、診療報酬改定は、(官僚の机上の理論特有の) 「全国一律」 の考えで構築されていきますので、地域の実情や季節変動などを充分考慮した上での柔軟な改定・柔軟な運用が望まれます。

 以上、平成22年度診療報酬改定に向けての日病協の提言について、ブログ管理人独自 (好き勝手な意見で恐縮ですが) の解釈や将来展望を述べてきました。
 上記の通り、日病協は11の有力病院団体の集まりですので、次期診療報酬改定に対する影響力は少なくないと思われます。
 但し、DPCの新・機能評価係数の導入、回復期リハビリテーション病棟の成果主義の検証、後期高齢者医療制度の見直し、療養病床の再編成、平成21年度介護報酬改定の医療保険に対する影響等々、未だ不透明・不明確な点も多々ありますので、これからの診療報酬改定論議の動向 (中医協・診療報酬基本問題小委員会、DPC評価分科会等) を注視していく必要があります。

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 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎介護保険改革は 「家族の問題は遮断」 (厚労省老健局長)
 ◎平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)
 ◎リハビリテーション医療におけるリスク管理




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理学療法士作業療法士学校養成施設に関する諸問題 (政府見解)

 理学療法士作業療法士学校養成施設に関する諸問題についての質問主意書ならびに政府答弁書が公開されましたので、紹介します。

理学療法士作業療法士学校養成施設に関する質問主意書
 ●質問359号 (提出者:滝 実・衆議院議員、平成20年12月18日提出)

 ◎政府答弁書 (答弁第359号:内閣衆質170第359号)
   (平成20年12月26日、内閣総理大臣 麻生太郎)

 最近の数年は、理学療法士、作業療法士 (以下 「療法士」 という) を養成する大学が急増している。このため看過できない問題が起きているので質問する。

1.療法士を養成する大学の増加にともない医療機関で実習する施設が不足している。このため一部の大学では実習教育を軽視し、医療技術を身につけているべき療法士が実践能力不十分のまま有資格者になり医療現場に出ている。このように知識偏重で療法士を養成する結果、医療人としての基本的心構えや資質のない療法士が医療・福祉に携わっている実態を放置していいのか。


(回答) 理学療法士及び作業療法士法 (昭和40年法律第137号) に基づく文部科学大臣の指定を受けて、理学療法士及び作業療法士 (以下 「理学療法士等」 という) の養成を行っている大学においては、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則 (昭和41年文部省・厚生省令第3号) に定められた単位数以上の臨床実習が行われているところである。また、当該臨床実習により、理学療法士等として必要な知識及び技能を修得しているかどうかについて、国家試験において確認しているところである。したがって、御指摘のように 「知識偏重で療法士を養成する結果、医療人としての基本的心構えや資質のない療法士が医療・福祉に携わっている」 とは考えていない。

2.療法士は技術の取得が重視されなければならないのに、4年制の大学 (専門課程は2年半) 修了者を3年制の専門学校修了者と同じレベルの技術を取得できると考えている文部科学省・厚生労働省共管の 「療法士学校養成施設指定規則」 は、現在の大学の実態を検証することなく過度に高く評価するものであって、公正な取扱いをするために見直す必要があるのではないか。

(回答) 理学療法士等の国家試験の受験資格を得るためには、基本的に、文部科学大臣が指定する学校又は厚生労働大臣が指定する養成施設において、一定の年数以上理学療法士等として必要な知識及び技能を修得する必要があるが、その修業期間及び教育内容については、学校であるか養成施設であるかによって異なるものではなく、両者を不公正に取り扱っているわけではない。

3.学生数が減少してきたため大学が生き残りをかけてさまざまな学科を新設している。療法士の養成学科もそのような学科であり、その影響を受けてこれまで療法士を養成してきた小さな専門学校が実績を作ってきた実習病院を大学に奪われる事態も発生している。このように所管省庁の違いによる連絡不十分な事務処理によって、質の高い療法士を養成してきた専門学校が実習病院を確保できない事態に陥っているのを黙殺していいのか。

(回答) 文部科学省においては、これまで、大学の新学科設置については、大学設置・学校法人審議会の答申を踏まえ、適切に認可を行っているところであり、臨床実習を行うための実習施設については、大学や養成施設において、病院等に協力をお願いし、確保すべきものであると考えている。

4.リハビリテーションの必要が高まっている現在、リハビリテーション関係職種の業務内容を保証し、質の高い技術を提供できるよう、国として資格者養成について責任を強めるべきではないのか。

5.リハビリテーション関係職種が国家資格でありながら、資格者の増加、診療報酬の引き下げにより資格者が不適切な業務行為に奔る虞があるので、リハビリテーション関係職種の職域、業務独占などについて早急に検討する必要があるのではないか。


(4及び5についての回答) 厚生労働省としては、本年6月に、理学療法士等の質の向上を図るため、理学療法士作業療法士国家試験出題基準を見直したところである。今後とも、必要に応じ、理学療法士等の質の向上のための方策について検討し、適切な措置を講じてまいりたい。


 上記に関して、下記のように考察されます。

(1)規制緩和に伴うセラピスト養成大学の増大に伴い、上記のような学生実習施設の不足、臨床的技術・技能 (クリニカル・スキル)、コミュニケーション・スキル等の教育・訓練が不充分なままセラピストとなる可能性が問題視されており、実際の臨床の現場での 「リハビリテーションの質の低下」、「医療安全管理・リスク管理上の問題と医療事故・医療過誤・医療訴訟が増加する可能性」、「患者満足度の低下・患者との日常トラブル・患者からのクレームが増加する可能性」 等の問題点が挙げられます。

(2)セラピストの学歴として、「4年制大学卒」、「大学院修士課程修了者」、「大学院博士課程修了者・博士号取得者」、「4年制専門学校卒」、「3年制専門学校卒」 等に分類できます。
 一方、臨床の場では、認定セラピスト・専門セラピスト、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士等の資格取得による専門性・キャリアアップが重要視されます。
 人事考課においては、基本的に、学歴の差よりも、臨床的専門性等の能力主義が重視されていると思われますが、医療機関・介護施設等では、整合性を図るのに苦労されているところがあるかも知れません。
 今後、看護師養成と同様に、セラピスト養成も4年制大学に一元化される可能性がありますが、現時点では不透明な状況です。

(3)セラピスト養成大学を所管する文部科学省とセラピスト養成施設を所管する厚生労働省との間には、やはり、省庁間特有の縦割り主義・省益優先主義・縄張り意識等がありますが、それらを払拭し、うまくコラボレートしながら、(上記のように、4年制大学への一元化の可能性も含めて)、セラピスト養成計画の将来像を明確にして頂きたいと思います。

(4)一般の方の中で、「医業類似行為の有資格者 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師)・民間資格 (カイロプラクター、整体師等)」セラピストとを未だ混同されている方もいらっしゃいます。
 また、保険診療においても、「施術療養費 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師)」「リハビリテーション料」 との混同・競合が問題となる場合もあり、両者を明確に区別するクリアカットな医療施策が望まれます (但し、政治的な要素がかなり強いため、抜本的な改革は無理?)。

(5)セラピストの職掌・職域の拡大としては、
 ①医療における医師不足 (特に勤務医不足) に伴うコメディカルへの権限・責任の
  委譲による職掌の拡大
 ②介護予防、地域支援事業、健康増進事業 (含、メタボリック・シンドローム対策)
 ③ロコモティブ・シンドローム (運動器の障害のために、要介護となる危険の高い
  状態)
  ●メタボリック・シンドロームと同様に、厚生労働省が全国的展開をすれば、
   職域拡大に繋がる。

等が挙げられますが、他の有資格者 (保健師・看護師・准看護師、柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師) および健康運動指導士等との競合問題が生じます。

(6)リハビリテーションに対する国民のニーズが高い割には、「リハビリテーション診療報酬の引き下げ・算定日数制限」、「運動器リハビリテーションにおけるセラピスト以外の代替有資格者問題 (経過措置ですが・・・)」、「リハビリテーション介護報酬の引き下げ (平成21年度介護報酬改定におけるリハビリテーションに関しては、項目によっては、プラス改定・マイナス改定の両方がありますが、介護療養型医療施設の理学療法料・作業療法料は大幅な引き下げ)」 等、比較的不利な状況があります。
 その上、リハビリテーションが、出来高制から包括化へと、仮に進展すれば、益々問題が深まります。
 ちなみに、平成21年度介護報酬改定は全体的には3%プラス改定ですが、これまでの2回連続のマイナス改定の分をカバーするまでには至っていません。

(7)但し、医業類似行為の有資格者 (柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、鍼灸師) とは異なり、急性期~回復期の医療保険でのリハビリテーションにおいては、セラピストの専門性は、高い優位性があります。
 また、平成21年度介護報酬改定にて、先ず、セラピストが管理者である (訪問リハビリテーションを主として行っている) 訪問看護ステーションが誕生します。さらに、遅くとも、平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定時までには、セラピストが管理者である訪問リハビリテーションステーション制度が高い確率で導入されるという明るい材料もあります。

 以上、セラピスト学校養成施設の問題から、セラピストの将来像まで、ブログ管理人独自 (好き勝手な意見で恐縮ですが) の展望を述べてきましたが、未だ未だ不透明・不明確な点も多々ありますので、これからの医療法改正・医療制度改革・診療報酬改定・介護報酬改定ならびにそれらに関与する各種審議会・協議会等を注視する必要があります。

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厚生労働省のキャッチフレーズ及び行動指針の策定について

 「新小児科医のつぶやき」 ブログ (管理人:Yosyan さん) にて、「厚労省の行動指針」 という興味深い記事が掲載されていました。

 当ブログ管理人なりの解釈・考察を述べたいと思います。

 平成21年1月5日付けで厚生労働省のホームページにて公表された 「厚生労働省のキャッチフレーズ及び行動指針の策定について」 は下記の通りです。

 厚生労働省では、シンボルマークが一般公募を踏まえて策定されたことを踏まえ、厚生労働省発足後に入省した若手職員を中心に、全職員の意見を聞きつつ、「職員が一丸となり、国民にとってあるべき厚生労働行政を推進していくための支柱となるもの」 として、キャッチフレーズを策定しました。
 また、キャッチフレーズの趣旨を実現するために職員が遵守すべきこととして、行動指針を以下のとおり策定しました。

●キャッチフレーズ
 「ひと、くらし、みらいのために」
 ※.現在だけでなく未来にわたって、人や暮らしを守る役割を担っているという
  ことを簡潔に表現しました。

●行動指針
 キャッチフレーズの趣旨である 「現在だけでなく未来にわたって人や暮らしを守る」 という役割を果たすため、私たちは、次の1から4に掲げる指針に基づき、行動します。

 1.高い倫理観を持って公正・公平に職務を遂行します。
 2.国民と時代の要請に応じた行政サービスを提供します。
 3.国民一人ひとりの立場に立って考え、行動します。
 4.わかりやすい言葉で広く情報を提供し、開かれた行政を目指します。


 そして、以上の行動を実践するため、私たちは、日々、次に掲げることに心がけて職務に取り組み、活力溢れる組織となるよう努めます。
 ・誇りと使命感を持って職務に臨み、効率的かつ迅速に業務を遂行します。
 ・自ら進んで課題を見つけ、皆で協力しながら解決に向けて取り組みます。
 ・自己研鑽に励み、自らの向上心を高めます。


 「脱藩官僚」 の方々も異口同音に主張されているように、若手官僚は、国民の安全・安心を守るという 「崇高な理念」 と 「高邁な精神」 で、上記の行動指針の如く、「高い倫理観を持って公正・公平に職務を遂行し、国民と時代の要請に応じた行政サービスを提供し、国民一人ひとりの立場に立って考え、行動し、わかりやすい言葉で広く情報を提供し、開かれた行政を目指している」 と思います。

 しかしながら、官僚は、出世するごとに、(国民の血税に巣くう政官業癒着の 「既得権益構造」 を守るため)、「崇高な理念」 と 「高邁な精神」 は徐々に薄れていき、「倫理観が乏しくなり、不公正・不公平な職務の遂行に陥り、国民と時代の要請からかなり乖離した行政サービスを提供し、国民一人ひとりの立場よりも、既得権益グループ (政治家・族議員、財界・大企業・株主、外国資本、米国、中央省庁、天下り先の企業・公益法人) ならびに厚生労働省の省益・局益の立場に立って考え、行動し、わかりやすい言葉で広く情報を提供することを拒み、情報を隠し、不透明な閉鎖的な行政をする」 ようになるようです。
 その上、官僚特有の 「無謬性」・「匿名性」 による無責任体制が上記に拍車をかけています。
【関連記事】
 ◎オバマ大統領就任演説からみた麻生内閣・自民党の 「旧態依然」
 ◎「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種
    

 厚生労働省は、財務省の財政再建・医療費削減の圧力に屈し、これまで様々な医療制度改悪、診療報酬改定 (改悪)、介護報酬改定・改悪 (要介護認定の厳格化、介護給付費の抑制) 、悪名高き障害者自立支援法・後期高齢者医療制度の導入等を行ってきました。
 厚生労働省は、日頃は、「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視点・市町村の視点」の方を重視してきました。
 この自己矛盾を打破し、国民本位の社会保障政策、医療・介護・福祉政策、診療報酬改定、介護報酬改定、障害のある方ならびに高齢者に対する施策を施行することを切望します。
 さらに、出世して巨大な公権力を手にした高級官僚の方には、上記のような若手官僚の時の 「崇高な理念」 と 「高邁な精神」 を思い出して頂き、既得権益グループのためではなく、「ひと、くらし、みらいのために」、国民の安心・安全・納得・満足のために、その権力を存分に行使して頂きたいと切に願っています、
【関連記事】
 ◎介護保険改革は 「家族の問題は遮断」 (厚労省老健局長)
 ◎平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)
 ◎障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
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オバマ大統領就任演説からみた麻生内閣・自民党の 「旧態依然」

 「SHIN-GEN-SAI」 ブログにて、「バラク・オバマの言葉」 という興味深い記事が掲載されていました。

 当ブログ管理人なりの解釈・考察を述べたいと思います。

 2009年 (平成21年) 1月20日 (日本時間:21日) 、200万人以上の大群衆の前で行われたオバマ大統領の就任演説は、派手さを押さえた格調高い素晴らしい演説でした。

 オバマ大統領就任演説の全文 (47 NEWS:47 トピックス) の中で、特に、今の日本の政治の閉塞状況を作った麻生内閣・自民党の旧態依然としたやり方を戒めるかのような部分がありましたので紹介します。

 「やり方を変えず、限られた利益を守り、嫌な決断を先送りする時代は確実に過ぎ去った。今日から始めよう、われわれは元気を取り戻し、ほこりを払い、米国を再生させる仕事に取り掛からなければならないのだ」。

 今の麻生内閣・自民党は、
 ①国民の血税に巣くう政官業癒着の 「既得権益構造」 を守り、
 ②次期衆議院総選挙敗北に伴う 「与党から野党への下野」 を嫌がって解散・総選
  挙を先送り
し、
 ③ねじれ国会で且つ直近の民意は参議院で勝利した野党なのに、平成20年度
  第2次補正予算案の修正に応じず定額給付金を強行しようとする 「野党への配
  慮・謙虚さ・誠実さが全くない国会運営」

  ●衆議院にて与党が3分の2を持っており、参議院で法案が否決されても、
   衆議院で再議決が可能という 「特殊なねじれ国会」 なので、旧態依然とし
   た強引・傲慢な国会運営をしているのでしょうが・・・。
 ④約800兆円の財政赤字、伏魔殿化した特別会計、天下り・無駄な公益法人と補
  助金の放任、年金・医療・福祉・介護・雇用等の社会保障・セーフティネット
  の破壊、その他、膨大な税金 (国民の血税) の無駄使い等について、官僚共々、
  国民に対して何ら反省・謝罪の言葉もない

 ⑤消費税増税の前提となる 「景気回復、行政改革、国会議員の定数・歳費カット、
  官僚・国家公務員の人件費カット、その他膨大な税金 (国民の血税) の無駄使い
  カット等の成果の客観的数値目標」 も曖昧なままの 「2011年度からの消費税増
  税」 宣言

等々の旧態依然とした強引・横暴・傲慢・不遜なやり方をしているから、国民も愛想を尽かして、麻生内閣支持率は20%を切り、政党支持率も民主党に逆転されてしまっているのに未だ目が覚めてないようです。(麻生首相も期待はずれですが、その取り巻き、特に、幹事長と国対委員長は、強引・横暴・傲慢・不遜・不誠実の典型であり、次期総選挙で自民党が敗北した時には、A級戦犯と思います)。
【関連記事】
 ◎「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種


 「やり方を変えず、限られた利益を守り、嫌な決断を先送りする時代は確実に過ぎ去った。今日から始めよう、われわれは元気を取り戻し、ほこりを払い、日本を再生させる仕事に取り掛からなければならないのだ」。


 ブログ管理人は、以前は自民党支持者でしたが、現在は、自民党支持者でもなく、民主党支持者でもなく、「政権交代論者」 です。どの党であれ、長期政権は、様々なしがらみのため、結局は腐敗します。
 したがって、日本の場合、自民党と民主党とで政権交代を繰り返すことにより、健全な議会制民主主義を我が国に定着させて頂きたいと思っています。




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介護保険改革は 「家族の問題は遮断」 (厚労省老健局長)

 Japan Medicine (2008/9/19) にて、「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク第14回全国の集い」 (平成20年9月14~15日、京都市) に関する記事が掲載されています。

 その中で、9月14日のシンポジウム 「介護保険制度と家族」 に関する記事において興味深い部分がありましたので紹介します。

【実質は家族をアテにした制度】
 14日の 「介護保険制度と家族」 をテーマにしたシンポジウムには、厚生労働省の宮島俊彦老健局長が参加、今後の高齢化社会を支えるには基本的な医療モデルの転換を促す必要などを語った。
 このシンポジウムでは、社会学者の上野千鶴子・東京大大学院教授、立岩真也・立命館大大学院教授、黒岩卓夫・同ネットワーク会長らも参加、家族介護のとらえ方と地域のかかわり、地域医療との連携などを討論した。
 シンポジウムは、「おひとりさまの老後」 などの著書で、現行介護保険制度が家族をベースにしたものとなっているとの批判を続けている上野千鶴子氏など、「家族に依拠した制度」 への批判を中心に進んだ。
 これに対して宮島氏は、「制度構築時に家族の問題が論議され、運用での実態としてあるかもしれないが、制度自体には家族の関与は入っていない」 としたほか、今後の制度改革についても、「今後の高齢化での在宅ケアを考えるときには、家族の問題は遮断して考える必要がある」 とのスタンスを明確にした。


 上記の老健局長の言葉を聞いて、唖然とする介護従事者・介護サービス利用者・家族の方も多いと思います。「患者さん・介護サービス利用者・家族の視点」・「一般国民の視点」・「現場感覚」 が、為政者には大切なのですが・・・。

 「介護の社会化」 (「介護」 が 「個人・家族の責任」 から 「社会の責任」 として定着するプロセス) という 「錦の御旗?」 を掲げて、鳴り物入りで華々しく登場した 「介護保険制度」 も、いつのまにか、2回連続の介護報酬マイナス改定を経て、要介護度判定の厳格化もあり、「介護の社会化」 から程遠いものになってしまいました。
 即ち、現在は、「実質は家族をアテにした制度」 に他なりません。

 平成21年度介護報酬改定は、プラス3%の改定率 (うち、在宅分1.7%、施設分1.3%) のもと、下記の基本的な視点に立って施行されます (厚生労働省パブリックコメント参照)。

(1)介護従事者の人材確保・処遇改善
 介護従事者の離職率が高く、人材確保が困難である現状を改善し、質の高いサービスを安定的に提供するためには、介護従事者の処遇改善を進めるとともに、経営の効率化への努力を前提としつつ経営の安定化を図ることが必要である。
 このため、
  ①各サービスの機能や特性に応じ、夜勤業務など負担の大きな業務に対して
   的確に人員を確保する場合に対する評価
  ②介護従事者の能力に応じた給与を確保するための対応として、介護従事者
   の専門性等のキャリアに着目した評価
  ③介護従事者の賃金の地域差への対応として、介護報酬制度における地域差
   の勘案方法 (地域区分毎の単価設定) 等の見直し
を行う。
(2)医療との連携や認知症ケアの充実
①医療と介護の機能分化・連携の推進

 介護が必要となっても住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、医療から介護保険でのリハビリテーションに移行するにあたり、介護保険によるリハビリテーションの実施機関数やリハビリテーションの内容の現状等を踏まえ、医療と介護の継ぎ目のないサービスを効果的に利用できるようにする観点からの見直しを行う。
 また、利用者の状態に応じた訪問看護の充実を図る観点からの評価の見直しや、居宅介護支援における入院時や退院・退所時の評価を行う。
 介護療養型老人保健施設については、療養病床からの転換が円滑に進められるよう、実態に応じた適切な評価を行うという観点から評価の見直しを行う。
②認知症高齢者等の増加を踏まえた認知症ケアの推進
 「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」 報告を踏まえ、認知症高齢者等やその家族が住み慣れた地域での生活を継続できるようにするとともに、認知症ケアの質の向上を図るため、認知症行動・心理症状への緊急対応や若年性認知症の受け入れへの評価、認知症高齢者等へのリハビリテーションの対象拡大、専門的なケア提供体制に対する評価等を行う。
 また、居宅介護支援や訪問介護において、認知症高齢者等へのサービスの評価を行う。
(3)効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証
①サービスの質を確保した上での効率的かつ適正なサービスの提供

 介護サービス事業の運営の効率化を図るため、サービスの質の確保を図りつつ、人員配置基準等の見直しを行う。例えば、訪問介護事業所のサービス提供責任者の常勤要件、夜間対応型訪問介護事業所のオペレーター資格要件、小規模多機能型居宅介護の夜勤体制要件、介護老人保健施設の支援相談員の常勤要件等必要な見直しを行う。
 また、介護保険制度の持続性の確保及び適切な利用者負担の観点から、居住系施設に入所している要介護者への居宅療養管理指導や介護保険施設における外泊時費用を適正化するなど、効率的かつ適正なサービス提供に向けた見直しを行う。
②平成18年度に新たに導入されたサービスの検証及び評価の見直し
 平成18年度に新たに導入された各種サービス (新予防給付・地域密着型サービス等) について、より多くの利用者に適切に利用されるよう、サービスに対する評価の算定状況、普及・定着の度合いや事業者の経営状況等を把握した上で、より適切な評価の在り方についての検討を行い、必要な見直しを行う。


 プラス3%の改定率では不充分であり、上記の基本的視点の達成は困難と考えられます。即ち、当分の間は未だ未だ、「家族をアテにした制度」 が続くと思われます。
 1日24時間、在宅における介護サービス利用者 (独居の方も含めて) や家族の方が、安心・安全・納得・満足した生活を送れるようになるのは、いつの日になることやら・・・。

 今回は、介護報酬改定が不充分ながらもプラス3%改定 (但し、在宅分1.7%、施設分1.3%) となりましたが、厚生労働省は、財務省の財政再建・社会保障費削減の圧力に屈し、これまで様々な介護保険制度改悪・介護報酬改定・改悪 (要介護認定の厳格化、介護給付費の抑制) を行ってきた歴史があります。
 厚生労働省は、日頃は、「患者さん・介護サービス利用者の視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「介護保険料の視点・市町村の視点」 の方を重視してきました。
 この自己矛盾を打破し、国民の安全・安心・納得・満足のために、国民本位の社会保障政策、医療・介護・福祉政策の施行を切望します。

【追記】
 厚生労働省が提唱している、今後の高齢化社会を支えるための基本的な 「医療モデルの転換」 に関しては、また別の機会に、詳述したいと思っています。




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平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)

 日本リハビリテーション医学会が、学会誌 「リハビリテーション医学」 の下記の報告 (日本リハビリテーション医学会 社会保険等委員会) において、平成20年度リハビリテーション診療報酬改定について総括しています。
 ◎「平成20年度リハビリテーション医学に関連する社会保険診療報酬等の改定
  について」 [リハビリテーション医学 2008; 45 (5): 264-270]
 ◎「平成20年度リハビリテーション料の診療報酬改定に関するアンケート結果
  について」 [リハビリテーション医学 2009; 46 (1): 7-13]

 平成20年度診療報酬改定におけるリハビリテーション料について、「改定概要」・「日本リハビリテーション医学会の新設・変更の要求が認められなかった項目」・「想定外の改定内容」 に関して簡単に紹介します。

(資料1) 平成20年度リハビリテーション診療報酬改定の概要
1.疾患別リハビリテーション料の見直し
 (1)訓練室施設基準の見直し
  ①リハビリテーション治療室はすべての疾患別リハビリテーションにおいて
   時間外の時間帯において他の用途に使用可能になった。
  ②心大血管リハビリテーション基準で面積と必要物品条件の緩和。
 (2)人的要因の見直し
  ①脳血管リハビリテーション基準での3段階化と専任医要件。
  ②心大血管リハビリテーションの医師要因の緩和や管理体制の緩和、医療職
   配置の緩和。
  ③運動器リハビリテーションの実施者に、看護師・准看護師・柔道整復師が
   明文化された。
  ④呼吸リハビリテーションの施行が常勤の理学療法士 (PT) に加えて、常勤
   の作業療法士 (OT) も可能になった。
 (3)リハビリテーション料単価の変更と逓減制の廃止およびリハビリテーション
   医学管理料の廃止
  ①各疾患別リハビリテーション料の単価の減額。
  ②リハビリテーション医学管理料と逓減制の廃止、リハビリテーション継続
   月13 単位制の導入。
 (4)疾患別リハビリテーション料の算定における運用上の注意:必要書類の作成
  ①標準的算定日数を超えて治療を継続することにより状態の改善が期待でき
   ると医学的に判断される場合に必要な書類作成。
  ②廃用症候群に対するリハビリテーションの書類作成。
 (5)疾患別リハビリテーションの対象になる病名の見直し
  ①呼吸リハビリテーション対象病名の肺腫瘍・肺塞栓の追加。
  ②癌手術前1週間における呼吸リハビリテーションが可能になった。
2.早期リハビリテーション加算の新設
 (1)早期リハビリテーション加算 (1単位につき30点) の復活新設
 (2)ADL加算の廃止
3.リハビリテーション総合計画評価料の見直し
 (1)総合実施計画料の減額 (480点→300点)
 (2)総合実施計画料算定の緩和 (月1回算定可、回復期リハビリテーション病棟
   でも算定可)
4.集団コミュニケーション療法の新設
 (*)集団ST点数 (1単位50点で1日3単位まで算定可)の復活新設
5.障害児リハビリテーション料の充実・拡大
 (*)障害児リハビリテーション料の充実・拡大 (実施施設が拡大)
6.地域連携診療計画の評価の拡大と見直し
 (*)地域連携診療計画料に脳卒中が加わり、地域連携診療計画管理料1,500点か
   ら900点に、また地域連携診療計画退院時指導料が1,500点から600点に減点さ
   れ、回復期リハビリテーション病棟でも算出が可能となった。
7.回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し
 (1)回復期リハビリテーション病棟入院料1が設置されたが、その算定要件に
   重症例15%、自宅等退院が60%以上などの条件が加わったことや、重症患者
   回復病棟加算50点 (1日につき) が、重症患者30%以上が生活機能改善した
   場合に算定できる様になった。(転院症例の選別が行われる可能性・リスク)。
 (2)回復期リハビリテーション病棟における重症患者判定に用いる、日常生活
   機能評価の測定方法と測定記入者の研修要件
 (3)回復期リハビリテーション病棟の医師要件緩和
 (4)回復期リハビリテーション病棟同士の転院では、発症後2カ月超えでも回
   復期リハビリテーション料算定可能になった。
 (5)回復期リハビリテーション病棟の対象疾患に、腕神経叢損傷等と義肢装具
   装着訓練が追加された。

(資料2) 日本リハビリ医学会の新設・変更の要求が認められなかった項目
1.総合リハビリテーションの新設
 (*)平成18年度改定の疾患別の概念導入に併せて廃止された総合リハビリテー
   ション施設の概念を現行の疾患別リハビリテーションと並列で新設すること
   が認められなかった。
2.回復期リハビリテーション病棟の要件緩和に関する項目
 (1)回復期リハビリテーション病棟において、脳血管障害や頭部外傷患者など
   の重症例や複数の合併症を持つ患者で発症後2カ月までの入院が困難な症例
   において、一定条件下で入院まで3カ月に延長することが認められなかった。
 (2)回復期リハビリテーション病棟の入院期間が、頸髄損傷や脳幹部病変によ
   る四肢麻痺などの患者で定められた入院期間が不足である症例において、一
   定条件下で入院期間を延長することが認められなかった。
3.処方料・技術料等の新設に関する項目
 (1)リハビリテーション処方料の新設が認められなかった。
 (2)義肢装具処方適合判定料の新設が認められなかった。
 (3)運動点ブロックの処置料新設が認められなかった。
 (4)間欠的導尿の手技料見直しと期間延長が認められなかった。
 (5)手指巧緻性機能評価検査料新設が認められなかった。


(資料3) 想定外の改定内容
1.今回の改定で新設された、「神経学的検査:300点」 の算定は、神経学会専門医と
 脳神経外科学会専門医に限られ、リハビリテーション科専門医では算定できない。
2.障害者施設等病棟入院料の対象から、脳血管障害患者および認知症患者が除外さ
 れた。
3.回復期リハビリテーション病棟の成果評価指標に、リハビリテーション医療で通
 常用いている FIM や Barthel index ではなく、看護必要度から派生した日常生活
 機能評価が導入された。


 「平成20年度リハビリテーション診療報酬改定の概要」 (資料1) においては、問題点として、下記のようなことが挙げられます。
 ①疾患別リハビリテーション料体系自体の問題ならびに疾患別リハビリテーション
  料の単価の減額
(平成19年に導入された逓減制の廃止に伴う措置として、厚生労
  働省に、してやられました)。
 ②運動器リハビリテーション料の代替有資格者の問題とそれが疾患別リハビリテー
  ション料の単価の減額に及ぼす影響
 ③算定日数制限除外患者・廃用症候群患者についてのコメント書き・書類作成にお
  ける医師負担増大
(算定日数制限自体が問題)
 ④早期リハビリテーション加算点数が低い
  (*) 急性期リハビリテーションにおける早期離床のためには、厳格なリスク管
   理と高い専門性が必要であり、もっと高い点数をつけるべきと思います。
 ⑤ADL加算の廃止 (廃止されたADL加算の算定要件に準じたリハビリテーショ
  ンを行う場合は患者1日あたり9単位算定可能とはなりましたが・・・)。
 ⑥回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入
  (*) 上記の成果主義導入に伴う 「転院症例の選別」 について、リハビリテーショ
   ン科専門医へのアンケート調査結果では、実際に回復期リハビリテーション
   病棟に関わる病院では、「現状で選別している」 が約20%、「選別する可能性
   がある」 が約50%に達しており、医療難民・リハビリ難民・救急難民・介護
   難民等が益々増大する可能性があります。
 ⑦回復期リハビリテーション病棟の医師要件の緩和 (医師の専従→専任)
  (*) 医師不足 (特に、勤務医不足) や回復期リハビリテーション病棟の更なる普
   及のためには致し方ない面もありますが、回復期リハビリテーション病棟に
   おけるチーム医療・リスク管理・質の向上・効率化のためには、専従医師の
   存在が重要と思います。
【関連記事】
 ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
 ◎疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準
 ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
 ◎運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望)
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性
 ◎脳卒中リハビリテーションにおける 「早期離床」
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚生労働省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚生労働省保険局医療課の見解)

 「日本リハビリ医学会の新設・変更の要求が認められなかった項目」 (資料2) については、下記のように考察されます。
 ①総合リハビリテーションについては、リハビリテーションの理念が 「全人的アプ
  ローチ」であり、かつ最近は重度障害・重複障害の患者さん (特に高齢者) も増え
  たため、復活すべきと思います。疾患別リハビリテーション体系は現状に馴染まないと考えられます。
 ②回復期リハビリテーション病棟における重症・重度患者の受け入れ要件や入院期
  間は緩和すべき
です。さもなければ、上述のように、医療難民・リハビリ難民・
  救急難民・介護難民等が益々増大すると思います。
 ③リハビリテーション処方料に関しては、「ドクターフィーとしてのリハビリテー
  ション料の位置づけ」
というデリケートな問題があるため、今後も微妙な取扱い
  になると思われます。
【関連記事】
 ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
 ◎リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性

 「想定外の改定内容」 (資料3) については、下記のように考察されます。
 ①障害者施設等病棟入院料における脳血管障害患者および認知症患者の除外は大き
  な問題であり、上述のように、医療難民・リハビリ難民・救急難民・介護難民等
  が益々増大すると思います。
 ②回復期リハビリテーション病棟の成果評価指標としては、 「日常生活機能評価」
  (いわゆる看護必要度) は全く不適切であり、エビデンスも乏しい 「代物 (しろも
  の)」 です。しかしながら、厚生労働省は、「日常生活機能評価」 を、地域医療連
  携・地域包括ケアにおける急性期~回復期~維持期の連続した指標として考えて
  おり、撤回は困難が予想されます。(リハビリテーション医療で通常用いている
  FIM や Barthel index はリハビリテーション・ナース以外の看護師にとっては
  難しいという問題もあります)。
【関連記事】
 ◎障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚生労働省保険局医療課の見解)

 以上、平成20年度リハビリテーション診療報酬改定についての概要・問題点・考察を述べてきました。

 以前のブログ記事 (障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化) でも述べたように、厚生労働省は、財務省の財政再建・医療費削減の圧力に屈し、これまで様々な医療制度改悪・診療報酬改定 (改悪) を行ってきました。
 厚生労働省は、日頃は、「患者さんの視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」 の方を重視してきました。この自己矛盾を打破し、国民本位の医療政策策定・診療報酬改定を切望します。
 そして、「まやかしのエビデンス」 ではなく、現場の医療従事者・患者さん・家族が納得する 「真のエビデンス」 に基づく医療施策・診療報酬改定を行って頂きたいと思います。

 また、以前のブログ記事 [運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望)]でも強調しましたが、次回診療報酬改定に向けて、各疾患別リハビリテーション関連学会が単独で厚生労働省と交渉するのではなく、「運動器リハビリテーション関連学会 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本運動器リハビリテーション学会)」 、「呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハビリテーション学会)」、「リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会)」、「日本心臓リハビリテーション学会」 の4つの疾患別リハビリテーション関連団体が合同で厚生労働省と交渉すべきと思います。




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リハビリテーション医療におけるリスク管理

 近年、医療事故・医療過誤・医療訴訟の増加に伴い、医療安全管理 (医療事故防止)・リスク管理が重要視されています。

 リハビリテーション医療においても、リハビリテーション中の 「転倒・転落、骨折等の外傷、熱傷」 や 「脳卒中・急性心筋梗塞・肺塞栓・けいれん発作等の発症・再発」 等が問題視されています。
 「早期リハビリテーション実施」・「高齢患者の増加」・「急性期にて全身状態・原疾患が不安定およびまたは合併症・併存疾患のコントロール不良状態の患者の増加」 等により、リハビリテーション部門においても、以前よりも、急変リスクの高い患者が増えています。
 【関連記事】脳卒中リハビリテーションにおける 「早期離床」

 しかしながら、病院 (特に急性期病院) のリハビリテーション部門の多くが、リハビリテーション専任医師や看護師が常駐しておらず、安全管理や急変時対策が不充分な実態が少なくありません。小規模病院・診療所や介護施設 (老健施設、あるいは特養ホーム) のリハビリテーション部門ではなおさらと思います。
 したがって、(病院といえども) 急変時にすぐ医師 (あるいは看護師) の応援を依頼できない状況も充分想定され、緊急トリアージから初期対応 [BLS (一次救命処置)、ACLS (二次救命処置)] までをセラピストが行わなければならない場面も日常的に生じているものと推測されます。

 上記のような背景のもと、2008年11月に刊行された 「リハビリテーションリスク管理ハンドブック」 は、誠に時機を得たものだと思います。
 リハビリテーションを行う患者には常に急変が起こりうることを想定し、未然にリスクを回避するためにはどうしたらよいか [患者の観察・気づき (リスク感性)]、リハビリテーション室で遭遇しやすい症状・病態とそれらへの対処法、急変した際の対処法 (BLS、ACLS) 等、写真・イラストのビジュアルな面も考慮の上、解説されています。

 リハビリテーション医療におけるリスク管理は、患者さんのリハビリテーション時の安全確保のみならず、セラピスト自身の自己防衛にも繋がります。

 本書は、急性期~回復期~維持期の医療機関・介護施設等のリハビリテーション部門に常備したい1冊として推奨されます。また、セラピスト養成校の教科書・参考書にも適していると思います。値段も4,200円と比較的手頃です。

 以下に、本書の序文ならびに目次 (章のみ) を紹介します。

【序文】
 リハビリテーション (以下、リハ) は身体機能に障害をもった患者を対象に行うものである。高齢者やさまざまな合併症をもつ患者が対象となることが多く、病院内でも比較的急変のリスクが高い患者が多く集まる部門である。さらに、早期リハの必要性が一般にも認知されるようになり、リハの対象患者は全身状態の不安定な急性期患者も多く含まれるようになってきた。そして現代では質の高い医療が求められると同時に、内容の透明性が求められる情勢となり、マスメディアによる医療事故報道が多くなされるなど、医療を取り巻く環境には大きな変化がみられる。こういった背景があるにも関わらず、診療報酬改定ごとにリハの単価の切り下げが続き、健全な病院機能を維持するためにセラピスト一人あたりの稼働率の向上が求められ、時間的・精神的なゆとりをもてないなかでの診療を余儀なくされている。
 また、近年では療法士養成校の新設が盛んであるが、リハというリスクを伴う医療行為を行うにあたり、十分な医学知識が与えられていない卒業生も一部に見受けられる。さらにリハ部門の診療管理をし、リハスタッフの教育をするべきリハ科専門医は日本全国で約1,400名という状況であり、リハ部門の安全管理に従事する医師の供給は十分とは考えにくい。特に小規模病院・診療所や老健施設でのリハ部門など、急変時にすぐ医師の応援を依頼できない状況も十分想定され、緊急性のトリアージから初期対応までをセラピストが行わなければならない場面も日常的に生じているものと予想される。
 リハ部門で管理するべきリスクの内容としてはインシデントと急変などの医学的リスクの2つに分類されると考える。インシデントについては他の書籍に譲り、本書ではリハ中に生じた医学的リスクに対応する手法を述べることとした。内容としては、急変を予測するための情報収集から、その情報を解釈して緊急性の判断ができること、現場で行わなくてはならない応急処置につき紹介している。このため内容は多少の医学的知識を必要とするものとなっている。しかし広い範囲の疾患を対象とするリハの臨床においては本書の内容だけでは情報は十分とはいえない。実際の臨床場面での応用にあたっては、各施設のリハ科医師や処方箋を作成した担当医師と十分なコミュニケーションをとり、リスクの確認をする必要がある。
 本書がリハ医療の質および安全性のさらなる向上の一助となれば幸いである。

【目次】
 第1章 リハビリテーションにおけるリスク管理
 第2章 急変を予測するために
 第3章 疾患ごとのリスク予想
 第4章 どのような急変を生じるか (遭遇しやすい症状とその対処法)
 第5章 急変を生じた場合に
 付録 カルテに使用されることの多い略語


リハビリテーションリスク管理ハンドブックリハビリテーションリスク管理ハンドブック
(2008/11)
亀田メディカルセンターリハビリテーション

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【追記】
 リハビリテーション医療におけるリスク管理については、また別の機会に、様々な角度から、当ブログで詳述したいと思っています。




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脳血管疾患等リハビリ料における廃用症候群の 「外科手術」 とは

 リハビリテーション医療従事者の一部で、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者である 「廃用症候群」 における 「外科手術」 の解釈に関して、未だ混乱があるようです。
 下記の各資料を用いて考察したいと思います。

(資料1) 脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者 (平成20年度診療報酬改定)
 ア.急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者とは、脳梗塞、脳出血、
  くも膜下出血、脳外傷、脳炎、急性脳症 (低酸素脳症等)、髄膜炎等のも
  のをいう。
 イ.急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者とは、脳膿瘍、脊髄
  損傷
、脊髄腫瘍、脳腫瘍摘出術などの開頭術後、てんかん重積発作等の
  ものをいう。
 (中略)
 キ.リハビリテーションを要する状態であって、一定程度以上の基本動作
  能力、応用動作能力、言語聴覚能力の低下及び日常生活能力の低下を来
  している患者とは、外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候
  群
、脳性麻痺等に伴う先天性の発達障害等の患者であって、治療開始時
  のFIM 115 以下、BI85 以下の状態等のものをいう。

(資料2) 運動器リハビリテーション料の対象患者 (平成20年度診療報酬改定)
 ア.急性発症した運動器疾患又はその手術後の患者とは、上・下肢の複合
  損傷 (骨、筋・腱・靭帯、神経、血管のうち3種類以上の複合損傷)、
  脊椎損傷による四肢麻痺 (1肢以上)、体幹・上・下肢の外傷・骨折、
  切断・離断 (義肢)、運動器の悪性腫瘍等のものをいう。
 イ.慢性の運動器疾患により、一定程度以上の運動機能の低下及び日常生
  活能力の低下を来している患者とは、関節の変性疾患、関節の炎症性疾
  患、熱傷瘢痕による関節拘縮、運動器不安定症等のものをいう。

(資料3) 呼吸器リハビリテーション料の対象患者 (平成20年度診療報酬改定)
 ア.急性発症した呼吸器疾患の患者とは、肺炎、無気肺等のものをいう。
 イ.肺腫瘍、胸部外傷その他の呼吸器疾患又はその手術後の患者とは、肺
  腫瘍、胸部外傷、肺塞栓、肺移植手術、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) に
  対するLVRS (Lung volume reduction surgery) 等の呼吸器疾患又はそ
  の手術後の患者をいう。
 (中略)
 エ.食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌等の手術前後の呼吸機能訓練を要
  する患者とは、食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌等の患者であって、
  これらの疾患に係る手術日から概ね1週間前の患者及び手術後の患者で
  呼吸機能訓練を行うことで術後の経過が良好になることが医学的に期待
  できる患者のことをいう。

(資料4) 早期リハビリテーション加算の対象患者 (急性発症した脳血管疾患等の
    疾患) (平成16年度診療報酬改定)

 ①脳血管疾患
 ②脊髄損傷等の脳・脊髄 (中枢神経) 外傷
 ③大腿骨頸部骨折、下肢・骨盤等の骨折、上肢骨折
 ④開腹・開胸手術後
 ⑤脳腫瘍などの開頭術後
 ⑥急性発症した脳炎、ギランバレーなどの神経筋疾患
 ⑦高次脳機能障害
 ⑧脳性麻痺
 ⑨四肢 (手部、足部を含む) の骨折・切断・離断・腱損傷
 ⑩脊椎・肩甲骨・関節の手術後
 ⑪四肢の熱傷 (Ⅱ度は体表面積15%以上、Ⅲ度は10%以上)、気道熱傷を伴
  う熱傷
 ⑫多発外傷
 ⑬植皮術後
 ⑭15歳未満の先天性股関節脱臼症 (LCC) の手術後


 基本的に、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者における廃用症候群 (資料1-キ) の 「外科手術」 とは、胸腹部の手術のことであり、通常、開胸術ならびに開腹術 [資料4-④] のことを指します。
 開胸術・開腹術の一部で、呼吸機能訓練のみで対処できる場合は、呼吸器リハビリテーション料の対象患者 (資料3-イ・エ) となります。
 胸腔鏡下手術・腹腔鏡下手術の場合は、(通常、開胸術・開腹術と同様に、術後廃用症候群として取り扱いますが)、手術侵襲が低く、廃用症候群が生じにくいと見なされると、レセプト返戻 (呼吸器リハビリテーションへの変更勧告等) もしくは減額査定されやすくなります (都道府県によって温度差がありますが・・・)。

 四肢・体幹・脊椎 (整形外科領域:運動器) の手術後 [資料4-③術後・⑨術後・⑩・⑭] は、運動器リハビリテーション料の対象患者 (資料2-アの手術後の患者) に該当します。但し、脊髄障害を呈している場合は脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者 (資料1-イ) に該当します。

 ちなみに、頭部の外科手術後 [開頭術後 (資料4-⑤)] は、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者 (資料1-イ) に該当します。

 上述の通り、基本的には、四肢・体幹・脊椎 (整形外科領域:運動器) の手術後は、「臨床的に廃用症候群症状が合併していても」、診療報酬上は、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者における廃用症候群 (資料1-キ) の 「外科手術」 には該当せず、脳血管疾患等リハビリテーション料は算定できません。運動器リハビリテーション料での算定になります。
 即ち、診療報酬上、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者における廃用症候群 (資料1-キ) は、あくまで、運動器リハビリテーション料の対象患者に該当しない場合に適用できます。
 呼吸器リハビリテーション料との関係は微妙ですが、上述のように、通常、呼吸機能訓練のみの場合は呼吸器リハビリテーション料での算定、それ以外は、術後廃用症候群として脳血管疾患等リハビリテーション料を算定するのがベターと考えられます。


 厚生労働省も、「術後の整形疾患なども廃用症候群として算定してくる例が多く、何でも廃用症候群として算定してくる例が多い」 という認識であり、一時期、「廃用症候群を対象患者から削除する」 という考えでした。リハビリテーション関連5団体等との交渉により、削除案は撤回されましたが、平成20年度診療報酬改定における 「廃用症候群に係る評価表」 (下記参照) の義務化に繋がりました。

●廃用症候群に該当するものとして脳血管疾患等リハビリテーション料を算定する場合は、廃用をもたらすに至った要因、臥床・活動性低下の期間、廃用の内容、介入による改善の可能性、改善に要する見込み期間、前回の評価からの改善や変化、廃用に陥る前のADLについて別紙様式22を用いて、月ごとに評価し、診療報酬明細書に添付すること。

 運動器リハビリテーション料の対象患者の中にも、運動器疾患の廃用症候群とも呼ばれている 「運動器不安定症 (資料2-イ)」 がありますが、整形外科手術後の廃用症候群にはあまり馴染みません。
 そこで、日本運動器リハビリテーション学会は、「社会保険診療報酬に関する改正要望書 (概要版) 平成20年11月12日 外科系学会社会保険委員会連合 (外保連)」 にて、平成22年度診療報酬改定に向けて、「運動器リハビリテーションにも廃用症候群を追加」 という要望を出しています。 (導入されるかどうかは、今のところは懐疑的ですが・・・)。

 以上、現時点では、医療機関において、安易に 「術後の整形疾患など、何でも廃用症候群として算定する」 ことは厳に慎み、また、「廃用症候群に係る評価表」 をきちんと作成することにより、廃用症候群が、脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者から削除されないために、リハビリテーション関係者の不断の努力が肝要と思われます。また、廃用症候群に対するリハビリテーション治療効果等についての更なる強いエビデンスの確立が望まれます。

【追記】
 疾患別リハビリテーション料体系を廃止すれば、上記の件も含めて、多くの混乱
がなくなるのですが・・・。




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運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望)

 Japan Medicine (2009/1/14) に下記の記事が掲載されました。

●運動器リハの日数制限を180日に (自民・議連で臨床整形外科学会が要望)
 自民党の 「運動器の健康を増進させ健康寿命を延伸させる議員連盟」 (会長:尾辻秀久・参院議員会長) は8日、2010年度の診療報酬改定に向けて日本臨床整形外科学会と日本整形外科学会から意見を聞いた。
 日本臨床整形外科学会の藤野圭司理事長は、現在は150日の運動器リハビリテーションの日数制限を脳血管リハと同じ180日にするよう要望した。
 藤野理事長は、高齢者の維持期リハを介護保険で継続する場合、要支援者が急増する可能性があると指摘。要介護者を減らすために、運動器リハについて制限日数を延長するほか、診療報酬上での評価を求めた。
 また、高齢者が要支援や要介護になることを予防するために運動器健診事業の早期実施や、厚生労働省に運動器に関する施策を総合的に扱う対策室の設置を要求した。


 平成18年度診療報酬改定以前のリハビリテーション料は、「心疾患リハビリテーション科」・「理学療法」・「作業療法」・「言語聴覚療法」 に分かれていました。[理学療法 (Ⅰ)・作業療法 (Ⅰ) は総合リハビリテーション承認施設での算定]。
 
 平成18年度診療報酬改定 (3.16%のマイナス改定:診療報酬本体はマイナス1.36%) において、疾患別リハビリテーション料とそれに伴う算定日数制限が導入されました。

 当時の厚労省保険局・麦谷医療課長曰く、
  ①現行制度 (平成16年度診療報酬改定) では、同じリハビリをしても施設に
   よって値段が違う。
  ②疾患の特性や治療の現状 (長期間にわたる効果が明らかでないリハビリ)
   を踏まえ算定日数の上限を新たに設定する。
  ③温熱をあてるだけなどの簡易なリハビリが効果を確かめないで2~3年
   に渡って行われている。リハビリとケアの混同もある。

 また、当時は、以前からの運動器リハビリテーション関連学会 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本運動器リハビリテーション学会) や呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハビリテーション学会) の強い分離独立要望・政治的圧力もあり、厚労省は、疾患別リハビリテーション料を導入しました。

 しかし視点を変えてみると、したたかな厚労省は、(上記のような要望・圧力の影響もありましたが)、運動器リハビリテーション関連学会、呼吸器リハビリテーション関連学会、リハビリテーション関連学会・団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会) の思惑・戦略の違いにつけ込み (分断作戦)、結果的に、「算定日数制限」 を付与しやすい疾患別リハビリテーション料を導入したということになります。

 結局、理学療法料・作業療法料・言語聴覚療法料が消滅し、「同じリハビリをしても施設によって値段が違う」→→「同じセラピストがリハビリをしても、疾患によって値段が違う」 となりました。

 平成20年度診療報酬改定では、疾患別リハビリテーション料 (Ⅰ) の1単位当たりの点数 (単価) が減額されましたが、算定日数上限 (標準的算定日数) は変更無しでした。


 さて、上記の記事で、日本臨床整形外科学会は、現在150日の運動器リハビリテーションの日数制限を脳血管リハと同じ180日にするよう要望していますが、次回平成22年度診療報酬改定においては、大方の予想では、標準的算定日数は据え置き、一部の予想では、脳血管疾患等リハビリテーションの標準的算定日数が150日または120日、運動器リハビリテーションが120日または90日程度に短縮になるのでないかとも言われています。

 さらに、運動器リハビリテーションの場合、①運動器リハビリテーション (Ⅰ) の施設基準において、「当分の間、適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した看護師、准看護師、あん摩マッサージ指圧師又は柔道整復師が、専従の常勤職員として勤務している場合であって、運動器リハビリテーションの経験を有する医師の監督下に当該療法を実施する体制が確保されている場合に限り、理学療法士が勤務しているものとして届け出ることができる」 という代替有資格者の経過措置が存在すること、②平成21年度介護報酬改定において、短時間・個別リハ特化型通所リハビリテーションが導入され、同一医療機関において急性期から維持期までリハビリテーションを継続して実施できるようになること、等により、算定日数制限の緩和 (標準的算定日数の延長) は困難であることが予想されます。

 患者さん・障害のある方のためには、算定日数制限の撤廃が理想的であり、そのためには、各疾患別リハビリテーション関連学会が単独で厚労省と交渉するのではなく、運動器リハビリテーション関連学会 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本運動器リハビリテーション学会) 、呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハビリテーション学会)、リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会)、日本心臓リハビリテーション学会の4つの疾患別リハビリテーション関連団体が合同で厚労省と交渉すべきと思います。




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リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性

 以前、当ブログに掲載した記事
  ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
  ◎疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準
  ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
において言及したリハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性について考察したいと思います。

(資料1) 超急性期リハビリテーションで急性期加算の設定を要望
 全国医学部長病院長会議 (平成19年5月18日) において、平成20年度診療報酬改定に対する要望について討議が行われた。
 大学病院における超急性期リハビリテーションは、ベッドサイドでの訓練の必要性や、患者にとっては突然の機能喪失に対するモチベーションの低下など多くの困難を伴うが、発病後2週間で主病名の治療以外に適切なリハビリテーションを行うことが重要であるということで、同会議・DPC検討委員会では、大学病院の超急性期リハビリテーションの提供を促進するため、個別のリハビリテーション点数だけでなく発病後2週間以内のリハビリテーションに急性期加算を設定すべきという要望を出すことになった。

(資料2) 「医療経営Phase3 (フェイズ・スリー)」 (平成19年12月号) の中の記事 (霞が関ズームアップ「平成20年度診療報酬改定の評価項目が浮上」) において、下記の 「急性期リハビリテーション料の新設」 に関する予測記事が掲載されたが、結局、平成20年度診療報酬改定での導入は見送られた。
【急性期リハビリテーション料の新設】
 リハビリテーションは発症初期から開始することが重要であり、平成18年度診療報酬改定でも急性期・回復期のリハビリを評価している。
 急性期・回復期のリハビリは、発症直後から関節可動域訓練などを開始することが重要視されているが、急性期は臥床したままで、リハビリの専門病院に転院した後、または回復期リハビリ病棟に転棟した後に、リハビリを開始する事例も多い。
 この場合、リハビリを開始する時点で既に回復が困難なレベルにまで拘縮が進んでいるため、回復期リハビリが充分な効果を発揮できない事例があることも、厚労省は把握している。
 これらをもとに同省では、発症直後から何らかのリハビリを開始することを評価した点数を設定することを検討している。
 具体的には、「1日につき150点の急性期リハビリテーション加算を新設する」 意向だ。
 算定条件としては、
  ①リハビリを必要と認める患者に対して発症直後から2週間までの間に、
   医師の指示の下、看護師 (准看護師を含む)、または理学療法士が関節
   可動域訓練などを実施した場合に、入院基本料に加算できる。
  ②対象者を疾患別リハビリの対象患者に限定する。
  ③疾患別リハビリ料とは併算不可とする。
などが考えられている。
 財政負担は、年間16億円程度と試算されている。

(資料3) 次期衆議院総選挙のマニフェストの基になる 「民主党 INDEX 2008」 の 「厚生」 の章26ページに下記の記載がある。
【包括払い制度の推進】
 超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます。

(資料4) 疾病横断的なリハの包括化は難しい
     [厚生労働省DPC研究班・主任研究者 松田教授 (産業医科大学)]
 Japan Medicine (2007/6/11) によると、第44回日本リハビリテーション医学会学術集会 (平成19年6月6~8日) において 「DPC導入とリハビリテーション医療」 に関するシンポジウムが開催された。
 同シンポでは、厚労省がDPC参加への拡大方針を示すとともに、2010年度診療報酬改定での調整係数の廃止の動きから、現行体系で出来高払いのリハビリテーションが、今後、包括範囲に組み込まれる可能性を危ぐする意見もだされた。
 これに対して松田教授は、「制度設計は厚労省、中医協が行うことだ」 と前置きした上で、DPCについては、傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥当との見方を示した。
 また、聖隷浜松病院の高橋博達氏は、「同院のDPC適用患者の85%がリハビリ非提供だったことを考慮すると、リハビリを包括範囲に組み込む必要性がない」 との見方を示した。

(資料5) リハビリテーション医療のあり方 (日病協)
 日本病院会 (日病) など11の団体で構成する日本病院団体協議会 (日病協、議長:山本修三・日病会長)は、2008年12月25日、「医療・介護提供体制および診療報酬体系のあり方について」 (2008/12/19) という提言書を公表した。
 提言書は、入院医療、精神科医療、介護入所施設、外来診療、入院基本料、医療専門職の職掌、リハビリテーション、DPC、の8章より構成されている。その中で、リハビリテーション医療の部分を下記の通り。
(1) 急性期リハビリテーションについて
 リハビリテーションは発症後や手術後、提供が早期であればあるほど高い効果が期待できることは周知の事実である。また、手術によっては術後発生する可能性の高い障害を予防するための術前 (予防的) リハビリテーションも効果がある。
 これらのリハビリテーションはベッドサイドで行えるものが主体であり、専用の施設や病床は必ずしも必要としない。「施設基準」ではなく、「人員配置基準」 を定めることが効率的である。
 また、急性期リハビリテーションの提供については、高度な判断が必要となるため、リハビリテーション専門医の配置を高く評価すべきである。
(2) 回復期・亜急性期リハビリテーションについて
 回復期・亜急性期リハビリテーションについては、多くの面から制度改正が行われたため、施設整備は順調である。
 しかし、「回復度」 や 「一律の提供時間・期間」、「限られた疾病・部位」 など、まだ科学的根拠が確立されていないものまで診療報酬制度で規定されているため、利用者・国民の理解が得られない場合がある。今後は充分なデータに基づく制度設計が望まれる。
(3) 維持期リハビリテーションについて
 維持期リハビリテーションは、その必要性が高いことから、医療保険、介護保険を問わず両制度下で提供されるべきである。特に進行性疾患や重度障害に対しては、疾患治療の継続と同時に、医療保険下での長期的リハビリテーションが必要であり、本来、適応、期間等は医師の裁量に任せるべきものである。一方、介護保険下では、体力や機能の維持・向上、社会参加の促進、介護負担の軽減、等を通して自立生活を支援することが目標となる。しかしながら、現行の介護保険制度下では、その量・質とも十分とは言い難く、早急な改善が必要である。
 症状増悪期や廃用症候群に対しては、適切なリハビリテーションを医療・介護、在宅・施設を問わず、短期集中的に実施出来る環境・制度が求められる。


 資料1では、平成20年度診療報酬改定に対して、大学病院での超急性期リハビリテーションとして、個別のリハビリテーション点数だけでなく発病後2週間以内のリハビリテーションにおける急性期加算の要望が挙げられています。

 資料1の提案が、資料2の 「急性期リハビリテーション料の新設」 に繋がっていると考えられます。
 この 「急性期リハビリテーション料」 は、発症から2週間看護師・准看護師・理学療法士 (PT) がベッドサイドで関節可動域 (ROM) 訓練等を施行した場合、入院基本料に加算されます。但し、疾患別リハビリテーション料とは併算不可であり、いわゆる 「包括化」 された点数です。
 しかしながら、結局、平成20年度診療報酬改定での導入は見送られました。

 資料3では、民主党が、超急性期・回復期・維持期リハビリテーションの将来的な包括払い制度 (「包括化」) の導入を謳っています。但し、急性期は出来高制度を堅持するようです。

 資料4では、平成19年の時点において、DPCのキーマンである松田教授が、「DPCについては、傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥当」 と述べています。

 資料5の 「リハビリテーション医療のあり方」 (日病協) では、リハビリテーションの 「包括化」 については明確には記されていませんが、急性期リハビリテーションにおいて、ベッドサイドで行えるものが主体であり、専用の施設や病床は必ずしも必要とせず、「施設基準」 ではなく「人員配置基準」 を定めることが効率的であると記載しており、資料2の急性期リハビリテーション 「包括化」 のニュアンスが少し滲んでいます。

 以上の資料より、リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入は、未だ未だみたいです。しかしながら、次回診療報酬改定にて、DPC対象病院である大学病院や高度急性期総合病院 (多数の病院が、セラピストの配置が元々少ない) での急性期リハビリテーション対策のため、資料2のような包括化された 「急性期リハビリテーション料」 が導入される可能性も捨て切れません。(一方、セラピストが充分配置されている病院もありますので、そういう病院は疾患別リハビリテーションを算定しても良いという、二本立てかも知れません)。

 今後の中医協とDPC評価分科会の動向を注視する必要があります。




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一般の方に知って頂きたいリハビリテーション医療7ヶ条 (試作版)

 「医療崩壊を少しでもくい止めたい一般患者の会」 ブログ (管理人:ancomochi さん) にて感銘を受けた記事 「非医療者に知ってもらいたい医療10ヶ条 (修正版)」 を紹介します。

●非医療者に知ってもらいたい医療10ヶ条 (修正版)

①医療は不確実です。医療には限界があります。医師がどんなに手を尽くしても亡くなることはあります。

②医師はエスパーではありません。症状をきちんと伝える為に 「いつから、どこがどう痛いのか」 等を予めメモにまとめておきましょう。

③医師は敵ではありません。敵なのは病気であり、医師は共に戦う仲間です。

④医師は病気を治すのではありません。医師は病気を治す手伝いをするのです。

⑤新聞やニュースの医療記事を鵜呑みにしないようにしましょう。偏向報道の場合があるので出来たらネット等で調べ、多角的に考えましょう。

⑥ 「たらい回し」・「受け入れ拒否」 という言葉は使わないようにしましょう。これらは人手・設備不足等で受け入れ能力がないために起こります。つまり 「受け入れ不能」・「受け入れ困難」 の方が適切です。

⑦ “ベッドが満床”のベッドは、物理的なベッド以外に、酸素マスクや看護する人員等含んだ設備と言う意味があります。つまり 「ベッドが満床」=「(物理的な) ベッド・設備・人員すべて受け入れる余力が無い」 んです。それから“ベッドが無ければソファに寝かせて治療”は重症患者ではとてもできません。

⑧ 「一般人だからわからない」 と言わずに調べるくせをつけましょう。自分の病気についても人任せにしないで正しい知識をつけましょう。

⑨時間外の救急外来に平日昼間のような設備や人員は望めません。コンビニ受診は控えましょう。

⑩医療崩壊について調べてみましょう。医療崩壊、医師不足や受け入れ不能事件の一因は我々国民にもあることを自覚し、何をしたらいいのか建設的に考えていきましょう。我々非医療者、医療者が協力し合わなければ医療崩壊はくい止められません。


 上記を参考にさせて頂き、リハビリテーション医療版を試しに作成してみると、下記のようになります。著作権の問題があると思いますので、あくまで試作版です。

●一般の方に知って頂きたいリハビリテーション医療7ヶ条 (試作版)

(1) リハビリテーション医療には不確実性があります。リハビリテーション医療には限界があります。リハビリテーション医療には、リスク (危険性) が伴います。リハビリテーション・スタッフがどんなに手を尽くしても障害が残ることがあります。

(2) リハビリテーション・スタッフは、エスパーではありません。症状・障害、生活機能低下・日常生活活動 (ADL)、入院生活・自宅等での生活で困っていること、および社会的経済的に心配なこと等を、きちんと担当スタッフに伝える為に、予めメモにまとめておきましょう。

(3) リハビリテーション・スタッフは敵ではありません。敵なのは病気・障害であり、リハビリテーション・スタッフは共に戦う仲間です。但し、ある時期がくれば、病気・障害を味方・仲間とし、障害とともに新たな人生を創っていくことになります。(リハビリテーション訓練人生に陥らないようにしましょう)。

(4) リハビリテーション・スタッフは病気・障害を治すのではありません。リハビリテーション・スタッフは病気・障害を治す手伝いをするのです。

(5) 新聞やニュースのリハビリテーション医療記事を鵜呑みにしないようにしましょう。偏向報道の場合があるので出来たらネット等で調べ、多角的に考えましょう。(怪しげなセラピー等を安易に信じないようにしましょう)。

(6) 「一般人だからわからない」 と言わずに調べるくせをつけましょう。自分の病気・障害についても人任せにしないで正しい知識をつけましょう。(但し、間違った知識の場合もあり得ますので、適宜、担当スタッフに確認して下さい)。

(7) リハビリテーション医療は、主として患者さんの 「移動・歩行能力、ADL能力、コミュニケーション能力・摂食嚥下能力」 の向上ならびに早期自宅復帰・社会復帰を目指しています。しかしながら、これらの動作・活動は、患者さん自らが行おうとしなければ (自発性・能動性・意志・モチベーションがなければ)、何も出来ません (リハビリテーション・スタッフだけが頑張っても、うまくいきません)。したがって、リハビリテーション医療においては、患者さん、患者さんを支えるご家族の方、ならびにリハビリテーション・スタッフの協働および信頼関係が肝要です。



 各医療機関でも、上記試作版 (まとまりが今一で、恐縮ですが) のような教育・啓蒙・啓発ツール等を作成されていると思います。

 リハビリテーション医療において、「リハビリテーションにも、不確実性・限界・リスクが存在すること」・「合併症・併存疾患、リハビリテーション・リスク、リハビリテーション阻害因子」・「障害像と予後予測」・「障害の受容」・「リハビリテーションは目標指向的かつ時間限定的であること」・「患者さんの自発性・モチベーション・能動性・意志・目標の重要性、およびご家族の支え・協力の重要性」 等を、リハビリテーションの各ステージで、患者さん・ご家族等に充分説明し、同意・協力・自己決定 (informed consent、informed cooperation、informed decision-making) を得ることが肝要であり、それが、円滑なリハビリテーションに繋がると考えられます。




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疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

 以前、当ブログに掲載した記事
  ◎リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)
  ◎「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」
  ◎リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務
に関連した話題として、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」 について整理・考察したいと思います。

●参考1.リハビリテーション施設基準における専任医師の役割
 ①リハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーション
  実施前診察をすること。
 ②専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。
 ③診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり (「専従」 は100%の関わり)。

●参考2.リハビリテーション専任医師または非専任医師による定期的なリハビリ
    テーション実施計画の作成等

 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●参考3.リハビリテーション専任医師 (または非専任医師) によるリハビリテー
    ション診察・カルテ記載内容の例示
 ①リハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ②リハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・
  生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による
  客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が必要
  である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●参考4.リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。


●疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準

【脳血管疾患等リハビリテーション料】
①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
 専任の常勤医師が2名以上勤務していること。ただし、そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有すること。
②脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
③脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅲ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【運動器リハビリテーション料】
①運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、運動器リハビリテーションの経験を有する医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師であることが望ましい。
②運動器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【呼吸器リハビリテーション料】
①呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
 呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②呼吸器リハビリテーション料 (Ⅱ)
 専任の常勤医師が1名以上勤務していること。

【心大血管疾患リハビリテーション料】
①心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科の医師が常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。
②心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅱ)
 届出保険医療機関 (循環器科又は心臓血管外科を標榜するものに限る) において、循環器科又は心臓血管外科を担当する常勤医師又は心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する常勤医師が1名以上勤務していること。


 過去ブログ [リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] において、一部の医療機関の管理者・医師の 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足による 「おまかせリハビリテーションの蔓延」 や 「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じており、そのことの常態化、即ち、「リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関の存在」 が、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっていると警鐘を鳴らしました。

 一方、医療機関の管理者・医師の言い分として、特に急性期病院の場合、「医師不足 (勤務医不足)・診療科による医師偏在」・「救急医療、急性期治療、手術、IVR (Interventional Radiology)、内視鏡検査・治療等にて繁忙でリハビリテーションにまで充分に手が回らない」・「リハビリテーションについての知識と経験があまりない」・「これまでの個別指導では、そこまで厳しく指摘・指導されていない」 等の話をよく聞きます。

 しかし、最近の個別指導において、リハビリテーションに対する指摘・指導が厳格化しており、診療報酬の自主返還も少なくありません。例えば、「無診察リハビリテーション」・「医師による開始時及び3ヶ月ごとのリハビリテーション実施計画の患者への説明とその要点の診療録 (Drカルテの2号用紙) への記載の不備」 にて、診療報酬の自主返還になった例が少なくありません。但し、個別指導は、都道府県によって、厳しさの温度差が相当あるようです。

 また、絶対的・相対的医師不足によるマンパワーの問題といっても、仮に、その病院が、下記の3つのリハビリテーション施設基準を届けている場合、
  ①脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎専任の常勤医師が2名以上 [そのうち1名は、脳血管疾患等のリハビリ
    テーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビ
    リテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴 (又は講師歴) を有
    すること]。
  ②運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。(なお、運動器リハビリテーションの経験を有する
    医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又
    は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師である
    ことが望ましい)。
  ③呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
   ◎呼吸器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上
    勤務していること。
 即ち、制度上、リハビリテーション専任医師 (専任:当該業務に 「50%以上」 関わっていること) は、経験豊富な医師3名を含めて合計4名以上必要です。逆に厚生労働省の言い分としては、「合計4名以上のリハビリテーション専任医師が常勤勤務しているはずだから、充分、上述のリハビリテーションの責務を果たせるはずである」 との論法で、個別指導を行っています。また、セラピストの数が充足していても、リハビリテーション専任医師が不足と見なされれば、診療報酬の自主返還や、場合によっては、リハビリテーション施設基準の格下げ・返上があり得ます。(ちなみに、某県の個別指導では、「施設基準について申請書類上は常勤の医師が全員、リハ専任医師となっていますが、実際には全員が、リハ専任医師として勤務できていますか?」 と指摘されたそうです)。

 しかしながら、そうは言っても、病院 (特に急性期病院) の現状は、勤務医不足等による医師の過重労働・疲弊が存在し、上述のリハビリテーション対策は困難な状況であることは否めません。
 但し、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 という問題が現に存在し、その上、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向がさらに強まると、最悪の場合、急性期病院の支払制度として定着したDPCにおいて、現在出来高部分のリハビリテーション料が、包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、[前回ブログ (リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) と同じ結論となり、恐縮ですが]、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。





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リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務

 リハビリテーション医療における 「医師および疾患別リハビリテーション専任医師」 の役割・責務ならびに 「個別指導」 対策 [以前のブログ記事 (「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」) 参照] について、 「整形外科外来におけるリハビリテーションの理念と取り組みについて」 (梶浦一郎) [越智隆弘・梶浦一郎・編:(整形外科 外来シリーズ 7) 「リハビリテーション外来」、メジカルビュー社1998] に記されていますので紹介します。

健保診療におけるリハビリテーション医療のあり方
 最近、リハビリテーション医療の件数が増大するに伴い、漫然とした長期の医療行為を防ぐ意味で適正化の指導がなされている。それらの項目の一部を抜粋した。
 ①リハビリテーションを実施するにあたって、医師は、患者ごとの実施計画
  を作成し、訓練効果の評価を行う (下記 「注釈1」 参照)。
 ②医師は、全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に、必ず診察を行
  い、診療録に病理学的所見などの評価項目を記載すること (下記 「注釈2」
  参照)。
 ③無診察によるリハビリテーション実施は認められない。
 ④処方箋は、患者の病状、治療種目、治療メニュー、治療期間を、記録する
  こと (特に治療期間は明確にすること)。
 ⑤処方内容においても、例えば筋力増強訓練と記載するだけでなく、訓練箇
  所、訓練方法、訓練期間などを記載しなければならない。
 ⑥リハビリテーション施設基準における専任医師の役割 (下記 「注釈3」 参照)
  ⓐリハビリテーション診察業務の徹底、当日分の全症例のリハビリテーショ
   ン実施前診察をすること (下記 「注釈2」 参照)。
  ⓑ専任医師は、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましい。

●注釈1(医師による定期的なリハビリテーション実施計画の作成等)
 医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること。【入院リハ患者ならびに外来リハ患者の全症例】。

●注釈2(リハビリテーション診察・カルテ記載内容の例示)
 ⓐリハビリテーション施行患者の状態を、診察・評価し、リハビリテーション
  訓練 (治療) が必要か、最適か、できる状態か、等を把握する。
 ⓑリハビリテーション施行患者を診察し、「その時の全身状態・健康状態・体
  調・バイタルサイン等 (リハビリテーションを受けることができる状態であ
  るという根拠・データ)」、「リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害
  像・生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) に
  よる客観的効果判定]」、ならびに 「現状として、リハビリテーション継続が
  必要である」 ということを診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載する。

●注釈3.診療報酬上、「専任」 は50%以上の関わり、「専従」 は100%の関わり。

(参考) リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。

 以前のブログ [リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)] でも述べたように、一部の医療機関の管理者・医師において、上記のような 「診療報酬上におけるリハビリテーション医療のあり方」 についての理解不足があり、「おまかせリハビリテーションの蔓延」・「リハビリテーション専任医師の形骸化または不充分な勤務状況」 等が生じています。
 そして、そのことが実際に常態化し、リハビリテーションへの医師の関与が少ない医療機関も少なくなく、それが、「リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加」・「疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額」・「個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対する厳しい指摘・指導」 に繋がっているとされています。

 さらに、リハビリテーションへの医師の関与の低下傾向が強まると、最悪の場合、現在DPCで出来高部分であるリハビリテーション料が包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のためにも、また、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消のためにも、リハビリテーションを施行している医療機関の医師、特に、リハビリテーション医学を専門とされていない又はリハビリテーションに馴染みの少ない 「管理者・各診療科医師・施設基準届出上のリハビリテーション専任医師等」 のご理解とご協力をお願いしたいと思います。




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心大血管疾患・呼吸器リハの起算日が開始日である理由 (政府見解)

 診療報酬における 「リハビリテーション起算日」 において、脳血管疾患等リハビリテーション・運動器リハビリテーションと、心大血管疾患リハビリテーション・呼吸器リハビリテーションとでは異なっています。その理由の政府・厚生労働省見解が、「リハビリテーション料改定等に関する質問主意書」 (平成19年11月15日提出 質問第223号 提出者:山井和則) に対する政府答弁書 (内閣衆質168第223号 平成19年11月22日 内閣総理大臣 福田康夫) に示されていますので紹介します。

(質問7) 脳血管疾患等リハビリテーションと運動器リハビリテーションでは、リハビリテーション起算日が発症日と同日になっている。一方で、心大血管疾患リハビリテーションと呼吸器リハビリテーションでは、リハビリテーション起算日が発症日と異なっている。なぜか。【註:原文にミスあるため、一部訂正】。

(回答) お尋ねについては、心大血管疾患に係るリハビリテーションは発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要があること、また、呼吸器疾患に係るリハビリテーションは発症日の特定が一般に困難であることから、これらについては、その開始日をそれぞれ心大血管疾患リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料の起算日としているものであるのに対して、脳血管疾患及び運動器疾患に係るリハビリテーションは発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等と脳血管疾患等リハビリテーション料又は運動器リハビリテーション料の起算日を同一としているものである。


 整理すると、下記の様になります。

(1) 心大血管疾患リハビリテーション
 発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要があることから、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする。
(2) 呼吸器リハビリテーション
 発症日の特定が一般に困難であることから、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする。
(3) 脳血管疾患等リハビリテーション
 発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等をリハビリテーション起算日とする。
(4) 運動器リハビリテーション
 発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等をリハビリテーション起算日とする。

 (1)・(2) に関しては妥当と考えられます。
 しかしながら、(3)・(4) においても、発症日の特定が困難な症例も少なくなく、また、発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要のある症例 (例:脳卒中の臨床病型、脳卒中患者等の合併症・併存疾患のチェック&リスク管理)、さらには症例によっては全身状態や合併症・併存疾患の影響でリハビリテーション開始が遅延する場合も少なくありません。
 したがって、脳血管疾患等リハビリテーションや運動器リハビリテーションにおいても、心大血管疾患リハビリテーション・呼吸器リハビリテーションと同様に、基本的には、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする方がベターと考えられます。
 また、(官僚の机上の理論特有の) 「全国一律の」 算定日数制限も撤廃して、現場の判断 (医師の裁量) に任せるべきと思います。




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リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)

 診療報酬上のリハビリテーション料における 「医師の技術料」 については、「リハビリテーション料改定等に関する質問主意書」 (平成19年11月15日提出 質問第223号 提出者:山井和則) に対する答弁書 (内閣衆質168第223号 平成19年11月22日 内閣総理大臣 福田康夫) において、政府・厚生労働省の見解が下記のように示されています。

(質問9) リハビリテーションの点数の評価中、医師の技術料はどこに含まれて
   いるのか。

(回答) リハビリテーションに係る診療報酬については、リハビリテーションの
  実施に当たって、患者に対するリハビリテーション実施計画の作成や直接
  訓練、理学療法士、作業療法士等に対する指導監督等を医師が行っている
  ことを評価しているものである。


 診療報酬上のリハビリテーションの点数における 「ドクターフィー (医師の技術料)」 に関しては、これまで割と曖昧で、明確な定義等は (ブログ管理人の知る限り) なかったと思われます。

 今回、民主党の山井衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書の中で、上記の通り、リハビリテーション・ドクターフィーの定義が明らかになりました。但し、リハビリテーション料の中のセラピストの人件費・技術料、設備投資費、水道光熱費等の内訳は、上記の定義では不明確です。(技術料・人件費は、基本的には、医師・セラピストの基準人件費と時間等で積算していると思われます)。

 医療機関の管理者・医師・セラピストの中には、「リハビリテーション料はセラピストの技術料・人件費」 と勘違いしている方も少なくなく、下記のような問題が生じています。
  ①「おまかせリハビリテーション」 が蔓延する。
  ②リハビリテーション料の収入を、(疾患別リハビリテーション専任医師
   を除く) セラピストの人件費とみなし、セラピストのみの人員配置予算
   計画を立てるため、施設基準に比して専任医師が不足状況もしくは不充
   分な勤務状況 (専任=リハビリテーション業務に50%以上の関わりが必
   要) となる。
  ③セラピストによっては、「自らの月間売上げ」 と 「自分の月給」 との間の
   乖離に疑問を持ち、モチベーションが下がる。

 実際に、上記①&②が常態化し、リハビリテーション料への医師の関与が少ない医療機関も少なくなく、それが、下記の事項に繋がっているとされています。
  (1) リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加。
  (2) 疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額。
  (3) 個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対す
   る厳しい指摘・指導
    (a) 無診察リハビリテーション
    (b) 専任医師のリハビリテーション業務への実際の関わり状況 (50%以
     上の関わりが必要)
    (c) リハビリテーション・カンファレンスへの医師の参加状況
    (d) 医師による開始時及び3ヶ月ごとのリハビリテーション実施計画の
     患者への説明とその要点の診療録 (Drカルテの2号用紙) への記載

(参考) リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。

 さらに、リハビリテーション料への医師の関与の低下傾向が強まると、上記 (1)~(3) の悪化だけでなく、最悪の場合、現在DPCで出来高部分であるリハビリテーション料が包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、リハビリテーション医療に携わる医師とセラピストがスクラムを組んで、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のために努力・邁進することが肝要であり、それが、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消にも繋がると思われます。
 そのためには、リハビリテーションを施行している医療機関の管理者・他科医・リハビリテーション医学が専門でないリハビリテーション専任医師等の理解と協力が必要であると考えられます。




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脳卒中リハビリテーションにおける 「早期離床」

 脳卒中の急性期リハビリテーションにおいて、「合併症の予防・廃用症候群の予防」・「早期離床」・「早期リハビリテーション」 が肝要です。

(1) 「早期離床」 の定義
  (栗原正紀 「続・救急車とリハビリテーション」:119-120, 2008)
 早期離床とは、可及的速やかに、食事はベッドの上ではなく食堂で、排泄もまたベッド上ではなく車椅子を用いてもトイレで、整容は洗面所などで、実施できるようにしていくということであり、結局、寝る時だけがベッドというように、明確に場を分離して極力早く日常の生活パターンに戻すということになります。

続・救急車とリハビリテーション―高知から長崎へ 回復帰リハ病棟への熱い想いをかたちに続・救急車とリハビリテーション―高知から長崎へ 回復帰リハ病棟への熱い想いをかたちに
(2008/01)
栗原 正紀

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(2) 回復期リハ病棟のケア:10項目宣言
  (2003年9月:全国回復期リハ病棟連絡協議会・看護研修会)
 ①食事は食堂やデイルームに誘導し、経口摂取への取り組みを推進しよう。
 ②洗面は洗面所で朝夕、口腔ケアは毎食後実施しよう。
 ③排泄はトイレへ誘導し、オムツは極力使用しないようにしよう。
 ④入浴は週2回以上、必ず浴槽に入れよう。
 ⑤日中は普段着で過ごし、更衣は朝夕実施しよう。
 ⑥二次的合併症を予防し、安全対策を徹底し、可能な限り抑制は止めよう。
 ⑦他職種と情報の共有化を推進しよう。
 ⑧リハ技術を習得し看護・介護ケアに生かそう。
 ⑨家族へのケアと介護指導を徹底しよう。
 ⑩看護計画を頻回に見直しリハ計画に反映しよう。



 上記 (1) の 「早期離床」 の定義に対して、急性期病院の医師・看護師・リハビリテーションスタッフの中で違和感を持つ方も少なからずいると思います。

 急性期病院の医療スタッフは、「早期離床」 というと、脳卒中の種類・臨床病型・病態像別の離床開始基準を厳格に適用しながら、「早めに起こして車椅子に乗せる」、即ち、リスク管理の基、ベッド上臥位→坐位→車椅子移乗 (→起立→歩行) へとステップアップすることであり、 (1) の様なことまでは想定していないスタッフも少なくないと思われます。また、上記 (2) ①~⑤に挙げられているように、 (1) については回復期リハビリテーション病棟に転院してからの話と思われがちです。

 急性期病院では、医療スタッフが、脳卒中に対する濃厚な急性期治療の方に傾注せざるを得なく、また、ハードウェアの問題 (病室の広さ・車椅子トイレ・食堂・片麻痺用浴槽等の整備状況等) 、ソフトウェアの問題 (看護&ケアスタッフ・リハビリテーションスタッフのマンパワー不足等)、および患者さんの合併症・併存疾患・リスク、等にて、 (1) の様なアプローチが困難な病院も少なくないと思われます。

 しかしながら、ストロークユニット (脳卒中専門病棟) あるいは通常2週間以内に回復期リハビリテーション病棟に転院させるような急性期病院以外の急性期病院においては、上述の諸問題があるにしても、徹底したリスク管理の基、できる限り (1) に則った 「早期離床」 アプローチを行い、極力早く日常の生活パターンに戻すことがベターと考えられます。そしてそれが早期退院・在院日数の短縮に繋がると考えられます。




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「Never Events」 の結果生じた診療報酬は支払わない (米国メディケア)

 週刊医学界新聞 (2008/10/27) に興味深い記事が掲載されました。李 啓充 氏の連載 (続 アメリカ医療の光と影) 「Never Events 二つのリスト」 という記事です。

 2008年10月1日、米連邦政府が運営する高齢者医療保険メディケアが 「Never Events」 (直訳すれば 「決して起こってはならない事象」、本来は医療過誤の意) の結果必要となった医療行為に対しては診療報酬を支払わない、とする新ルール () を発効させた。
 但し、元々 「Never Events」 の名には 「決して起こってはならない (=always preventable)」 という意が込められていたのだが、メディケアは 「Never Events」 を 「十分に予防しうる (=reasonably preventable) 事象」 と定義しなおすことで、院内感染に関連する項目が加えられた (経緯の詳細は上記記事参照)。

  表.Never Events (メディケアのリスト)
   (1) 空気塞栓
   (2) 血液型不適合
   (3) カテーテルに関連した尿路感染
   (4) 血糖値コントロールの不良に基づく病態の発現
   (5) 股/膝関節置換術後の深部静脈血栓あるいは空気塞栓
   (6) 転倒/外傷
   (7) 手術器具の体内取り残し
   (8) 褥創
   (9) ある種の整形/肥満手術後の術創感染
   (10) 冠動脈バイパス手術後の術創感染
   (11) 血管カテーテルに関連した感染



 日本は、米国に比して、患者さん1人あたりの医療スタッフ数 (特に、医師、看護・ケアスタッフ)、即ち、マンパワーが非常に少ない状況です。もし、上記診療報酬システムが、我が国の医療制度 (特に高齢者医療制度) に導入された場合は、現場は大混乱に陥ると推測されます。

 基本的に、「決して起こってはならない事象」 (明らかな医療ミスまたは医療過誤) [上記リストの (1)、(2)、(6)の一部、(7)] に対して、診療報酬が支払われないのは妥当と考えられます。

 しかしながら、問題は、「十分に予防しうる (=reasonably preventable) 事象」 についてです。
●各種 「院内感染」 [上記リストの (3)、(9)、(10)、(11)] および 「(5) 股/膝関節置換術後の深部静脈血栓あるいは空気塞栓」は、通常起こりうる合併症・術後合併症です。特に、(3) と (10) は日常の臨床の場において稀ならず生じる合併症であり、高齢者 (特に低栄養、免疫系低下患者) の場合は比較的頻繁に生じます。
●「(4) 血糖値コントロールの不良に基づく病態の発現」 は微妙な項目です。患者さんの原疾患等の病態像・手術侵襲・感染症等、様々な因子が絡み合います。また、病院によっては、医師ファクター (糖尿病専門医や総合内科医の有無、一般内科医・他専門内科医・他科医のスキル等) も関係すると思われます。
●「(8) 褥創」 もハイリスク患者 [ショック状態、重度末梢循環不全、麻薬等鎮痛鎮静剤の持続的使用時、長時間全身麻酔下手術後、極度の皮膚脆弱性や褥瘡危険因子 (病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等) 保持患者、等々] あるいは高齢者 (特に、低栄養、重度障害患者) 等では現在の我が国の医療スタッフのマンパワーでは、完全には予防しきれないケースもあると推測されます。
●リハビリテーションにおける医療安全管理対策にて特に重要視される 「(6) 転倒/外傷」 に関しては、病棟スタッフあるいはリハビリテーションスタッフの介助下・監視下で起こった時には、「決して起こってはならない事象」 の方に入ると考えられます。では、それ以外の単独事故 (特に高齢者・高次脳機能障害患者・認知症患者) の場合、管理責任 (この場合もマンパワーの問題がありますが) もあり、ケースバイケースでしょうが、処理困難例も少なからず生じると思われます。

 原則として、通常の合併症・術後合併症等は、最大限の注意を払って最善の治療を施しても回避不可能であるという点で、「医療ミス」 とは異なり、いわば 「医学・医療の限界」 とすべきとされています。
 したがって、「十分に予防しうる (=reasonably preventable) 事象」 レベルに関しては、「Never Events」 リストから外すべきと考えられます。

 財務省・厚生労働省・「支払い側」 合同軍 (笑) [笑えない?] が、財政再建・医療費削減の錦の御旗の本、この 「Never Events」 を導入する可能性が少なからずあると思われます。
 しかしながら、上述のような 「Never Events」 自体の問題および我が国の医療現場のマンパワーの問題等があり、(増税前提条件が乏しく且つ曖昧な 「麻生首相の2011年度消費税増税」 のような) 拙速な導入は厳に慎んで頂きたいと思っております。
 さもなければ、現在の医療崩壊・医療破壊が益々加速すると思います。




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「ニーズ」 と 「デマンド」 とを取り違えるべからず

●リハビリテーションの定義 (「障害者に関する世界行動計画」 国連総会決議1982)
 リハビリテーションとは、障害を負った者が精神的、身体的およびまたは社会的に最も適した機能水準を達成することを目的とした、目標指向的かつ時間を限定したプロセスであり、これにより、各個人に対し自らの人生を変革する手段を提供することを意味する。これには、機能の喪失あるいは機能の制約を補う (たとえば補助具により) ことを目的とした施策、および社会的適応あるいは再適応を促進するための施策を含みうる。

 上記の定義の通り、リハビリテーションは、本来、目標指向型ならびに時間限定型のプロセスです。即ち、リハビリテーションにおいては、到達時期を明示した明確な目標設定が肝要です。
 しかしながら、臨床の場において、患者さん・家族とリハビリテーションスタッフとの間に、目標の乖離がしばしば生じ、リハビリテーションプロセスを阻害することが少なくありません。実際、患者さん・家族の過度の要望 (あるいはリハビリテーションへの過度の期待) に接することがよくあります。

 「リハ医の独白」 ブログ (目標はニーズと評価から導きだされる) でも、次のように述べられています。

 リハビリテーションの目標を設定する上で、私は以下の点に注意している。
  ◎希望・要望=ニーズではない。
  ◎目標はニーズと評価から導きだされる。
  ◎リハビリテーションは目標指向的であると同時に時間限定的アプローチで
   ある。


 以前、ある方から教わった言葉で、感銘を受けたものが、次のことばです。

 ●ニーズ (患者における客観的必要性) とデマンド (患者の主観的要求・要望) と
  を取り違えるべからず。


 即ち、患者さんのデマンド (患者の主観的要求・要望) を受け入れすぎると、リハビリテーション・ゴール設定ならびに円滑な社会復帰に悪影響を及ぼします。
 したがって、あくまで、患者さんのニーズ (患者における客観的必要性) を優先して、リハビリテーション・アプローチを行うべきです。
 但し、そのためには、患者さんのニーズ (患者における客観的必要性) をしっかりと把握することが重要であり、各リハビリテーション・スタッフのスキルならびに各専門職種による充実したチーム・アプローチが肝要と考えられます。




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障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化

 メディウェル・ログ (施設基準の地方ルール?) に、障害者病棟に関する衝撃的な記事が掲載されています。即ち、障害者施設等入院基本料の算定要件において、厚生労働省により、厳格な解釈がなされているそうです。要約すると下記の通りです。

●障害者施設等入院基本料の算定要件
 重度の肢体不自由児 (者) (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、脊髄損傷等の重度障害者 (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等を概ね7割以上入院させている一般病棟であること。
 なお、重度の意識障害者とは、次に掲げるものをいうものであり、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。
  (イ) 意識障害レベルがJCS (Japan Coma Scale) でⅡ-3 (又は30) 以上又は
   GCS (Glasgow Coma Scale) で8点以下の状態が2週以上持続している患者。
  (ロ) 無動症の患者 (閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)。

(解釈1) 「概ね7割」 は、「実際の入院患者数の7割」 ではなく、「病床数の7割」 で
   ある。
 施設基準に、特に 「入院患者数」 と明記されていない際には、「病床数」 と解釈する。そもそも障害者施設等入院基本料を算定している病棟は、該当患者を100%入院させることを前提としている。
 
(解釈2) 病床数に対しての該当患者7割規定に関しても、他病棟を有している病院
   には適応されない。

 例えば、一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有している病院などでは、もし非該当患者が存在するのであれば、一般病床に入院させれば良い。仮に障害者施設等入院基本料を算定している病棟しかない場合には、他の病棟に回しようがないので 「特別に」 非該当患者を3割まで認めるという解釈である。
 一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有するある病院が、上記の回答を得ており、実際に該当患者100%の運営を行っており、これを維持するために、同院では該当患者集めのため地域連携室の人員を増やし充実させたという事例がある。


 厚生労働省は、上記のような障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化を行うことにより、「医療機関の機能分化と連携、および集約化・重点化・拠点化」 の名の下に、(比較的診療報酬の高い) 障害者病棟の削減・集約化・純化を狙っていると思われます。実際に、障害者病棟の維持には、該当患者の確保のみならず、医療スタッフ (特に看護要員) の確保も必要であり、解釈の厳格化により、ハードルが相当高くなると思われます。

 また、脳卒中・認知症患者にとっても、この解釈の厳格化は、悲惨な現状 (「医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える」 ブログの記事 「診療報酬改正でスケープゴートに、再入院もままならない脳卒中後遺症患者の苦難」 参照) を、より悪化させます。
 「平成20年10月の障害者病棟対象患者からの脳卒中・認知症患者の除外」 により、当該患者は、医療療養病床、介護療養病床等の介護保険施設、在宅等へ転院・入所・退院、あるいは一部、医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) 化していると推測されます。
 当初は一部の脳卒中・認知症患者は、障害者病棟の3割部分に入院していたと思われますが、上記解釈により、それも不可能となり、益々、多くの医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) が続発すると考えられます。

 但し、上記のような解釈の厳格化に関して、都道府県によって未だ温度差があるかもしれませんが、詳細は不明です。

 財務省の財政再建・医療費削減の圧力に、厚生労働省が屈し、これまで様々な医療制度改悪が導入されてきました。厚生労働省は、日頃は、「患者さんの視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」 等で医療政策を立案・実行してきました、この自己矛盾を打破し、国民本位の医療政策策定を切望します。




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「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」

 医療機関における 「最大の恐怖イベント」 が、いわゆる 「監査」 です。しかしながら、私達が何げによく使うこの 「監査」 という2文字は、「言葉の誤用」 であり、通常は、「個別指導」 (診療報酬の自主返還という大きな痛みを伴う恐怖の大イベント) や 「立入検査」 (指摘事項に対する改善義務有り:軽度~中等度イベント) のことを間違って呼称しています。

 「保険医療機関等の指導及び監査」 と 「保健所による医療機関の立入検査」 の定義および分類を下記に示します。

●保険医療機関等の指導及び監査
(1)指導
1.集団指導:新規開設時、保険医新規登録時、指定更新時、診療報酬改定時など
      に、保険医療機関・保険医等を一定の場所に集めて講習会形式で行わ
      れるもの。
2.集団的個別指導:類型区分 (病院は一般、精神、老人、大学等の4区分で、診
         療所は11の診療科ごと) 別の1件当たりレセプトが高点数 [点
         数が都道府県平均よりも高い医療機関 (病院は1.1倍以上,診療
         所は1.2倍以上) のうち、上位8%に相当するもの]
の医療機関
         を対象に、集団講習会方式および個別に面接懇談方式により、
         平均点数が高いことを認識させ、適正な保険診療を行うための
         教育的観点からの指導を行うもの。
3.個別指導診療報酬の自主返還という経済措置が取られる可能性を伴う指導で、
      一定の場所に集めて、またはその保険医療機関に出向いて個別面接方
      式で行うもの。
 ●対象医療機関の選定基準は、下記の通りです。
  a.支払基金等、保険者、被保険者等から診療内容または診療報酬の請求に関
   する情報の提供があり、個別指導が必要と認められた保険医療機関等。
  b.前年度以前の個別指導の結果、指導後の措置が 「再指導」 であった保険医
   療機関等または 「経過観察」 であって, 改善が認められない保険医療機関等。
  c.監査の結果、戒告または注意を受けた保険医療機関。
  d.集団的個別指導の対象となった保険医療機関等で、指導対象となった大部
   分の診療報酬明細書について、適正を欠くものが認められた保険医療機関等。
  e.集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績においても
   なお高点数保険医療機関等に該当するもの。 (ただし、集団的個別指導を受
   けた後、個別指導の選定基準のいずれかに該当するものとして個別指導を受
   けたものについては、この限りでない)。
  f.正当な理由がなく集団的個別指導を拒否した保険医療機関等。
  g.新規指定の保険医療機関等で, 一定の期間経過後, 保険診療および請求事務
   等に係る教育的な観点で指導を行う保険医療機関等 (新規個別指導)。
  h.特に個別指導が必要と認められる保険医療機関等
 ●実施主体等により、下記のように分類されます。
  A.都道府県個別指導 (通常の個別指導) [地方厚生局各県事務所 (以前は、地
   方社会保険事務局) と都道府県が合同で行うもの]。
  B.共同指導 (厚生労働省ならびに地方厚生局各県事務所および都道府県が共
   同で行うもの):対象は下記の通り。
    (1) 過去における個別指導にもかかわらず、診療内容または診療報酬の請
     求に改善が見られず、共同指導が必要と認められる保険医療機関等。
    (2) 支払基金等から診療内容または診療報酬の請求に関する連絡があり、
     共同指導が必要と認められる保険医療機関等。
    (3) 集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績におい
     ても、なお高点数保険医療機関等に該当するもの。(ただし、集団的個
     別指導を受けた後、個別指導の選定基準のいずれかに該当するものと
     して個別指導を受けたものについては, この限りでない)。
    (4) その他、特に共同指導が必要と認められる保険医療機関等。
  C.特定共同指導 (厚生労働省ならびに地方厚生局各県事務所および都道府県
   が共同で行うもの):対象は下記の通り。
    (1) 医師等の卒後教育修練や高度な医療を提供する医療機関である臨床研
     修指定病院, 大学附属病院, 特定機能病院等の保険医療機関。
    (2) 同一開設者に係る複数の都道府県に所在する保険医療機関等。
    (3) その他緊急性を要する場合等であって, 特に特定共同指導が必要と認
     められる保険医療機関等。

(2)監査
 診療内容・診療報酬の請求に不正または著しい不当の疑いがあった場合に行われるもの。それゆえ監査の結果として、なんらかの行政処分を伴う可能性が高い。
 対象となる医療機関は、不正・不当を疑うに足りる相応の理由がある医療機関、もしくは度重なる個別指導でも改善されない医療機関、個別指導を不当に拒否した医療機関など。
 
●保健所による医療機関の立入検査 (いわゆる医療監視)
 医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査により、病院が医療法及び関連法令により規定された人員及び構造設備を有し、かつ、適正な管理を行っているか否かについて検査することにより、病院を科学的で、かつ、適正な医療を行う場にふさわしいものとすることを目的として実施するもの。
 最近は、医療安全管理体制、院内感染防止対策、食中毒対策、無資格者による医療行為の防止、臨床研修を修了した旨の医籍への登録、診療用放射線の安全管理対策の徹底について、重点的に指導を行っている。 


 このように、医療機関の現場で交わされる会話 (「今度、監査が来ます」・「監査対策をしなければ・・・」 等) の中の 「監査」 は、通常、毎年受ける 「保健所による医療機関の立入検査 」 や不定期に到来する 「個別指導」 のことです。
 本当の 「監査」 は、上記の通り、診療内容・診療報酬の請求に不正または著しい不当の疑いがあった場合 (滅多にありません!) に行われるものです。即ち、「今度うちの病院に監査が来ます」 と言うと、自ら、自分の病院は 「診療内容・診療報酬の請求に不正または著しい不当の疑いがあるとされました」 と言ってるようなものです。
 したがって、 「個別指導」 や 「保健所の立入検査」 のことを、 「監査」 と呼称すべきではありません。また、院内・院外で 「監査」 という言葉を安易に使わないようにするのが賢明です。やはり、下記のような、誤解を受けない、正確な言い回しがベターと思います。
 「今度、○○厚生局○○事務所と○○県による個別指導があります」。
 「来週、○○保健所による立入検査があります」。
 「当院では、日頃より、個別指導を想定した強固な院内システム作りをしています」。
 個別指導や立入検査の対策は、その時になって付け焼き刃でやると相当大変 (特に個別指導) ですが、事前に個別指導や立入検査の指摘事項等を想定し、日頃からシステム作りをしていれば、その場でも楽ですし、また、結果的に、医療機関の質の向上・効率化にも繋がります。
 「ピンチをチャンスに」 というプラス思考で、かつ 「個別指導や立入検査」 を逆手にとって [便乗して (笑)]、職場の労働環境改善やマンパワーアップによる労働負担の軽減にうまく結びつけることも肝要と思います。(経営側の理解・協力が必要です。また、経営者が短期的視点に拘るか、中長期的な視点・ビジョンを持っているかにもよりますが・・・)。

 リハビリテーションに関する 「個別指導」 に対する詳細な対策等については、また別の機会に詳述したいと思っています。
  




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回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)

 前回のブログ記事の続編です。

 「報道特集NEXT」 のホームページの 「放送内容を読む」 のコーナーに、番組からの 「回復期リハビリ病棟に対する質の評価導入」 についての質問に対する厚生労働省のコメントが下記の通り掲載されています。

(問1) 自宅等へ退院させようとしても現実的に受け皿がなく、病院、患者共に困っているケースが存在します。こうした事態に対する見解をお聞かせください。

(答1) リハビリテーションを行っている患者さんに限らず、患者さん一人一人の状態に応じた施設や家庭で療養されるのが適切と考えており、入院を担う医療機関や在宅療養をサポートする各機関等との緊密な連携体制の整備に努めているところです。
 また、回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的として、脳卒中などの発症早期から、リハビリテーションを集中的に行うことを目的として病棟であり、他のよりリハビリテーションを必要としている患者さんに活用していただく必要があることもご理解いただきたい。
 なお、回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家によると算定日数を超えて、機能回復を目的としたリハビリテーションが必要となる事例は極めて珍しいとのことであり、医療保険でのリハビリが必要となる事例については、積極的に学会発表等を行っていただき、専門的な見地からの検討が行われる必要があると理解しております。


(問2) 特に高齢化率が高く、介護施設が充実していない地方において、患者が回復期リハビリ病棟を出た後の行き場がない状況が顕著に見られます。こうした状況下、全国一律に自宅等退院率を定めたことに対する見解をお聞かせください。

 (答2) 回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的として、脳卒中などの発症早期から、リハビリテーションを集中的に行うことを目的とした病棟です。
 平成20年度診療報酬改定において、重症患者を一定数以上受け入れ状態を改善させているとともに、患者さんの6割以上を自宅等に退院できるほど改善させている病棟に対して、質の高いリハビリテーションを行っていることに対する評価として、回復期リハビリテーション病棟入院料1や重症患者回復病棟加算として従来より高い評価を新設しました。
 なお、診療報酬では、従来の在宅復帰率等を要件としない病棟も回復期リハビリテーション病棟入院科2として評価しているほか、回復期リハビリテーション病棟以外の病棟でもリハビリテーションを受けることができ、こうした病棟には在宅復帰率の要件は設けていません。
 また、今回の在宅復帰率等の要件は、回復期リハビリテーション専門的に行っている医療機関の団体からの要望を踏まえて導入をしたところであり、最近同団体が発表した調査結果でも、回復期リハビリテーション全体の底上げにつながっているなどの前向きな評価がされているところであります。今後とも関係する専門家等からの科学的根拠に基づくご意見を踏まえて、必要な対応を行ってまいります。


 前回のブログ記事と同様に、まさに官僚的・冷酷無比なコメントです。

 問1に関しては、厚労省は、患者さんの 「個別性」 を重視すべきと言っておきながら、やっていることは、官僚特有の 「全国一律」 的な考えに則った机上の理論であり、やはり (麻生首相と同様に) 現場感覚が足りないと言わざるを得ません。
 「他のよりリハビリテーションを必要としている患者さんに活用していただく必要があることもご理解いただきたい」 という言い方は、冷酷無比かつ上から目線そのものです。
 「回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家によると・・・」。またまた、責任転嫁・責任回避体質です。結局、「我々官僚には責任はない。何か問題が生じたら、現場のせいだ。現場が処理しろ」 ですね (悲しいかぎりです)。

 問2に関しても、問1と全く同様ですね。寂しいかぎりです。
 厚労省は、医療政策の策定や診療報酬改定は、エビデンスに基づいて行うといっておきながら、「回復期リハビリ病棟の成果主義導入」 に伴って導入された指標 (「在宅復帰率6割以上」・「重症患者1割5分以上」・「日常生活機能評価10点以上」・「回復期リハビリ病棟のアウトカム指標としての日常生活機能評価表の使用」) には真のエビデンスはありません。上記の数値等は、「データ解析対象患者の各種特徴・特性・属性の偏りが少なくなく、かつサンプル数の少ないデータによる統計結果」 によって導出されたものだからです。
 「回復期リハビリテーション病棟以外の病棟でもリハビリテーションを受けることができ、こうした病棟には在宅復帰率の要件は設けていません」→→「障害者病棟・特殊疾患病棟においては、脳卒中患者・認知症患者は除外され、医療療養病床でも、エビデンスの低い医療区分という悪しき差別が、患者さんを翻弄します。そして、リハビリ難民・介護難民の道へ・・・」 (冷酷非情・・・)。
 そして最後の段落は、毎度おなじみの 「責任転嫁・責任回避体質」。

 前回ブログの結論と同様になりますが、厚労省官僚には、財政再建・医療費抑制を迫る財務省に抵抗し、かつ厚労省の省益・自益は忘れて、国益・国民益を優先し、国民の安全安心を守るという本来の崇高な使命に立ち戻って、活躍して頂きたいと思います。そして、まやかしのエビデンスではなく、現場の医療従事者・患者さん・家族が納得する真のエビデンスに基づく施策を履行して頂きたいと思います。




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リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)

 2008年12月20日の 「報道特集NEXT:なぜ? 病院追われる高齢者」 において、「リハビリテーション治療の現場に今何が起きているのか?」・「高齢者などリハビリ治療を受ける患者と、病院を取り巻く過酷な現状」 が放送されました。

 「報道特集NEXT」 のホームページの 「放送内容を読む」 のコーナーに、番組からの 「リハビリ算定日数制限」 についての質問に対する厚生労働省のコメントが下記の通り掲載されています。

(問1) 脳血管疾患等リハビリテーションの算定日数の上限を180日とし、その後の診療報酬を引き下げているのはなぜですか。

(答1) 厚生労働省老健局のもと設置された、リハビリテーションに関する専門家、利用者、メディアなどから選出された委員からなる 「高齢者リハビリテーション研究会」 の報告 (平成16年1月) において、リハビリテーションに関する問題点として、

 ●最も重点的に行われるべき急性期のリハビリテーション医療が十分行われていない。
 ●長期にわたって効果の明らかでないリハビリテーション医療が行われている。
 ●リハビリテーションとケアの境界が明確に区分されておらず、リハビリテーションとケアが混在して提供されているものがある。

といったご指摘を頂きました。このような指摘を踏まえ、平成18年度診療報酬改定において関係学会等のご意見を聞きながら、急性期、回復期のリハビリテーションについて評価をした一方、算定日数の目安を設け、それ以降は時間あたりの報酬は変わらないものの、1ヶ月に行うことができるリハビリテーションの回数を少なくしています。
 なお、医師が、リハビリを続けることで症状が改善する見込みがあると医学的に認める場合や先天性又は進行性の神経・筋疾患の患者の場合は、算定日数の目安を超えてもそれまで通り、リハビリテーションを続けることができます。


(問2) 180日が過ぎた後もリハビリを継続し、一定の維持期を経た後、急に機能が回復した症例があります。こうした症例に対する見解をお聞かせ下さい。また、機能を維持するリハビリについての見解をお聞かせ下さい。

 (答2) 御指摘のような例にも対応できるよう、医師がリハビリを続けることで症状が改善する見込みがあると医学的に認める場合等は算定日の目安を超えてもそれまで通り、リハビリテーションを続けることができるよう配慮をしております。
 しかしながら、回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家によると、算定日数を超えたリハビリテーションが機能回復につながる事例は極めて珍しいとのことであり、そうした事例については、是非とも積極的に学会発表を行っていただき、専門的な検討を行われることが、望まれます。
 現在のリハビリの概念には、「高齢者リハビリテーション研究会」 にも指摘されているように、リハビリテーションとケアが明確に区分されないまま包含されており、前者は医療保険においてみるべき急性期や回復期のリハビリテーション、後者は介護保険においてみるべき機能を維持するためのリハビリや生活訓練等のケアという形で提供されています。御指摘のような、機能を維持するリハビリは基本的には介護保険から提供されるものと考えています。


 まさに官僚的・冷酷無比なコメントですね。

 問1に関しては、「長期にわたって効果の明らかでないリハビリテーション医療が行われている」 という文言は、 「高齢者リハビリテーション研究会」 の議事録には記載が無く (研究会委員の発言には上記の文言は無し!)、後で、研究会報告書に、平成18年度診療報酬改定にリハビリ算定日数制限を導入するために、厚労省官僚が勝手に挿入したとのことです。まさに 「霞ヶ関文学」 テクニックの一例です。また、官僚御用達の 「御用審議会・御用学者」 の典型です。
 また、算定日数制限の例外規定もありますが、結局、現場にレセプト提出時の効果判定コメント書き等を強要し、極力、例外規定での算定を抑制しようとしているのは明白です。
 さらに、疾患別リハ料の導入が、算定日数制限の導入のために企てられたと言われています。

 問2に関しては、官僚は、おしなべて、専門家 (ここでは、回復期リハビリテーションを行っている多くの専門家)・厚労省研究会 (ここでは、高齢者リハビリテーション研究会)・専門学会 (日本リハ医学会、PT・OT・ST各協会)・関係団体 (全国回復期リハ病棟連絡協議会・日本リハ病院・施設協会) に責任転嫁 します。即ち、官僚の無謬性・匿名性・無責任体質から来ています。

 厚労省官僚には、財政再建・医療費抑制を迫る財務省に抵抗し、かつ厚労省の省益・自益は忘れて、国益・国民益を優先し、国民の安全安心を守るという本来の崇高な使命に立ち戻って、活躍して頂きたいと思います。




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「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種

 「天下の愚策」 として国民に大不評の 「定額給付金」 を含む平成20年度第2次補正予算案を衆院通過させた麻生政権に、早くも次の火種・ハードルが出現しました。平成23年度からの消費税増税問題です。自民党政調全体会議でも、批判が大噴出したそうです。
 政府は、平成21年度税制改正関連法案の付則に、平成23年度からの消費税増税を盛り込み、平成21年度予算案とともに国会へ提出する予定です。
 このままの状況では、自民党の党内審議も紛糾は必至であり、今度こそ、自民党内から多数の造反議員が出るかもしれません。渡辺喜美議員の離党に伴い、造反者が16人出れば、3分の2による衆議院での再議決は不可能となります。今後の動向が注目されます。

 一方、消費税増税に関しては、国・地方合わせた財政赤字が約千兆円、少子高齢社会を迎えて増大する社会保障費のことを考えると、いずれは増税もやむなしと、多くの国民の方も心の中では思っていると思います。
 しかしながら、内閣不支持率が70~80%に達し、もはや信頼・信用されていない麻生首相が 「景気対策を行ったうえで増税をお願いする」 と言っても、多くの国民は信用しないでしょう。

 財務省と与謝野経済財政担当大臣に操られた麻生首相は、「結局、景気が回復しなくても、行政改革・公務員改革が不充分であっても、平成23年度に消費税増税を強行する」 と予想されます。(但し、その時、麻生首相・自公政権かどうかは怪しいですが・・・)。

 やはり、国民に増税をお願いする時には、下記のように、前提条件 (特に税金の無駄使いの撲滅) を明確化・数値化するべきです。

 (1) 一般会計と特別会計を可能な限り一体化し、予算の組み換えや無駄の排除あるいは予算の組み方の一新により、少なくとも1割はカットする (約20兆円?)。(自治体によっては総予算の削減でもっとスリム化しています!。自治体が出来て、国が出来ないわけがないです)。
 (2) 税制の抜本的改革 (特に所得税・相続税・法人税・株式関連税等のメリハリをきかした増税・減税)
 (3) 官僚の天下り・渡りの完全禁止
 (4) 天下り用の無駄な公益法人や補助金の完全廃止
 (5) 国会議員の定数削減 (衆議院480→小選挙区300のみ) ・歳費2割カット
 (6) 国家公務員人件費2割カット
 (7) 定額給付金の撤回
 (8) 無駄な公共事業 (道路、ダム、空港、新幹線等) の廃止・中止
 (9) 道路特定財源の完全なる一般財源化
 (10) その他の税金の無駄使い

 「(1)~(10) の案件を身を削り血のにじむ努力で十二分に行いましたが、それでも社会保障費・教育等の公共財・セイフティネットの維持に○兆円不足しますので、どうか消費税を○%上げさせて下さい。但し、生活必需品の税率は据え置きます」 と時の総理に言われたら、国民の多くは反対しないと思います。

 少なくとも、麻生首相は、「(1)~(10) の案件をクリアすることを条件に、平成23年度の消費税増税をお願いします。但し、生活必需品の税率は据え置きます」 と明確に言うべきです! そうすれば、内閣支持率も上がるし、次期総選挙の自民党勝利もあり得るかも (???)。




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「後期高齢者医療制度」 与野党間の不毛な議論

 平成20年4月1日に導入された後期高齢者医療制度は、事前の説明不足・周知不足・年金天引きシステム・姥捨て山的な制度設計 (主目的が医療費の適正化の推進であり、充分な医療を受けられない制度) 等の様々な問題により、混乱続きでした。
 平成20年6月6日、野党提案の 「後期高齢者医療制度廃止法案」 が参議院本会議において可決。その後、法案は衆議院に送付されましたが、与党の棚晒し戦略により、継続審議となり、成立の目処はたっていない状況です。(衆院が解散されれば廃案となります)。
 現在、世界金融危機・不況等に、国民やマスコミ等の目が奪われ、この問題はマスコミ的には沈静化していますが、当事者の怒りは未だおさまっていない状況です。

 TBS 「みのもんたの朝ズバッ!」 ・ 「みのもんたのサタデーずばッと」、テレビ朝日 「サンデープロジェクト」、NHK 「日曜討論」 等における本制度についての与野党討論を聴いていて、いつも 「不毛な議論・堂々巡り・すれ違い」 となり、歯がゆい思いばかりしていました (同じ思いをされた方も少なくないと思います)。
 野党が 「後期高齢者医療制度を即刻廃止して、一旦、以前の老人保健制度に戻す」 と主張すると、与党は 「老人保健制度では国民健康保険が破綻する可能性が高いから後期高齢者医療制度を導入したのであって、後戻りできない。野党は対案を出せ」 というのがいつもの議論でした。

 この不毛な議論に対して、日本福祉大学の二木立先生が明快な解答を示されていますので紹介します。

●国民皆保険の理念に反する 「後期高齢者医療制度」
  (二木立 「毎日新聞・発言席」 2008/10/12)

 私は、後期高齢者医療制度を廃止して、老人保健制度を復活する事に賛成である。その理由は2つある。

 第1の理由は、高齢者のみを一般の国民から切り離す制度は、国民連帯という国民皆保険の根本理念にも、リスクの高い加入者と低い加入者をプールして、リスクを社会的にプールするという社会保険の原則にも反しているからである。
 これに比べると高齢者を従来の医療保険制度に加入させたまま制度間の財政調整を行う老人保健制度の方が、理念上も、社会保険の設計技術上も、はるかに優れている。国際的にみても全国民対照の公的医療保険制度を有する国で、高齢者を別建てにした制度を有するのは日本だけである。

 第2の理由は、後期高齢者医療制度の根拠法となっている「高齢者の医療の確保に関する法律」に、老人保健制度にはなかった厳しい医療費抑制策が組み込まれているからである。そもそも、同法は第一条の目的に、「医療費の適正化を推進する」ことを掲げた、初めての法律である。

 (中略)

 後期高齢者医療制度の廃止を主張すると 「対案を示さなければ無責任」 との批判を受ける。しかし、欠陥だらけの同制度に代えて、相対的に優れている老人保健制度を復活することは立派な対案である。

 後期高齢者医療制度に固執する人々の弁明は3つあるが、いずれも根拠に乏しい。

1.同制度が10年も議論した後に成立したとの弁明
 事実は逆で、10年議論しても成案がまとまらなかったにもかかわらず、2005年9月の郵政選挙の圧勝により、自民党内で独裁的権力を確立した小泉純一郎首相の鶴の一声で強引に成立したのである。この点は、毎日新聞 (2008/6/7) 朝刊の 「一からわかる後期高齢者医療制度」 でも紹介されている。

2.後期高齢者には独自な医療が必要だという弁明
 社会保障審議会 「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」 は、「医療の基本的な内容は、74歳以下の者に対する医療と連動しているもので、75歳以上であることを持って大きく変わるものではない」 と明言している。舛添要一厚生労働相も、2008年6月に後期高齢者終末期相談支援料を凍結した際、終末期を 「年齢で区切ることはやめた方がよい」 と述べている。

3.後期高齢者医療制度を作らないと国民健康保険 (国保) が破綻するという弁明
 国保の財政が悪化したのは1984年の健康保険法改正時に、国保への国庫負担を大幅に切り下げたためであり、それを復活するのが先決である。


 舛添厚労大臣は、舛添私案 「(1) (年齢による線引きをしない) 制度一体化の方法として、具体的な保険料の負担や国保、健保組合間の財政調整を行う。(2) 市町村から都道府県に保険料を統一する際の激変緩和措置を設ける。(3) 都道府県が運営主体となるための条件整備を行う」 を提唱し、これらについて1年をめどに具体化し、医療費負担については、公費負担を拡充するべきであること、その財源として消費税の税率アップしかないとしています。
 しかしながら、舛添氏と麻生総理・自民党執行部・厚労省官僚等との間には温度差があり、また、制度一体化に対する都道府県・健保連の抵抗は強く、全く不透明な状況です。

 早期解散総選挙による政権交代または政権再編により、クリアカットな結論を出してほしいものです。また、税金の無駄使い撲滅、従来の予算編成方法や税制の抜本的改革、官僚の天下り・渡りの完全廃止、天下り用の無駄な公益法人や補助金の廃止、国会議員の定数&歳費カット、国家公務員人件費カット、定額給付金の撤回、無駄な公共事業の廃止、道路特定財源の完全なる一般財源化等にて、可能な限り消費税アップを回避しつつ、社会保障の機能強化を図ってほしいと思います。

 後期高齢者医療制度に関する参考書籍として、下記の2冊が推奨されますので、よろしければ、お読み下さい。

高齢者医療難民 (PHP新書)

医療崩壊はこうすれば防げる! (新書y)




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「リハビリテーション医療のあり方」 日病協の提言

 日本病院会 (日病) など11の団体で構成する日本病院団体協議会 (日病協、議長:山本修三・日病会長)は、2008年12月25日、「医療・介護提供体制および診療報酬体系のあり方について」 (2008/12/19) という提言書を公表しました。
 
 提言書は、入院医療、精神科医療、介護入所施設、外来診療、入院基本料、医療専門職の職掌、リハビリテーション、DPC、の8章より構成されています。その中で、リハビリテーション医療の部分を下記に紹介します。

●リハビリテーション医療のあり方

(1) 急性期リハビリテーションについて
 リハビリテーションは発症後や手術後、提供が早期であればあるほど高い効果が期待できることは周知の事実である。また、手術によっては術後発生する可能性の高い障害を予防するための術前 (予防的) リハビリテーションも効果がある。
 これらのリハビリテーションはベッドサイドで行えるものが主体であり、専用の施設や病床は必ずしも必要としない。「施設基準」ではなく、「人員配置基準」 を定めることが効率的である。
 また、急性期リハビリテーションの提供については、高度な判断が必要となるため、リハビリテーション専門医の配置を高く評価すべきである。

(2) 回復期・亜急性期リハビリテーションについて
 回復期・亜急性期リハビリテーションについては、多くの面から制度改正が行われたため、施設整備は順調である。
 しかし、「回復度」 や 「一律の提供時間・期間」、「限られた疾病・部位」 など、まだ科学的根拠が確立されていないものまで診療報酬制度で規定されているため、利用者・国民の理解が得られない場合がある。今後は充分なデータに基づく制度設計が望まれる。

(3) 維持期リハビリテーションについて
 維持期リハビリテーションは、その必要性が高いことから、医療保険、介護保険を問わず両制度下で提供されるべきである。特に進行性疾患や重度障害に対しては、疾患治療の継続と同時に、医療保険下での長期的リハビリテーションが必要であり、本来、適応、期間等は医師の裁量に任せるべきものである。一方、介護保険下では、体力や機能の維持・向上、社会参加の促進、介護負担の軽減、等を通して自立生活を支援することが目標となる。しかしながら、現行の介護保険制度下では、その量・質とも十分とは言い難く、早急な改善が必要である。
 症状増悪期や廃用症候群に対しては、適切なリハビリテーションを医療・介護、在宅・施設を問わず、短期集中的に実施出来る環境・制度が求められる。


 急性期リハビリテーションの項では、発症後や手術後早期はベッドサイドで行えるものが主体だとして、従来の 「施設基準」 から、リハビリテーション専門医の配置などの 「人員配置基準」 に評価の軸を移すよう求めています。
 人員配置基準としては、リハビリテーション専門医の配置のみならず、急性期リハビリテーションのスキルとキャリアを持つ認定看護師や認定セラピストの配置、さらに、高齢の脳卒中患者や骨折患者の急性期には循環器・呼吸器リスク・トラブルも多いことから、心臓リハビリテーション指導士や呼吸療法認定士の資格保持者等の配置も評価すべきと思います。

 回復期リハビリテーションの項では、回復期リハビリテーション病棟における 「算定要件と対象患者、成果主義、日常生活機能評価表による効果判定」 という問題点が挙げられています。
 リハビリ難民・医療難民 (特に脳卒中、認知症)・介護難民・救急難民の方々のことを考えると、平成22年度診療報酬改定を待たずに、改善すべき点は早急に早期改定して頂きたいと思っています。
 
 維持期リハビリテーションの項では、「医療保険、介護保険を問わず両制度下で提供されるべき」 と提言しています。
 平成21年度の介護報酬改定にて、短時間・個別リハ特化型の通所リハビリテーションが制度化されますが、「障害のある方の、機能・ADLの維持向上」 に対する効果の程は疑問であり、やはり、リハビリテーションや看護という医療系サービスは、医療保険で施行する方がベターと思います。(要介護度判定や利用限度額等の問題も大きく影響!)。

 上記の問題点ならびにリハビリテーションの理念に合わない疾患別リハビリテーション料・リハビリテーション算定日数制限等の早期再考・早期改定が望まれます。




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「医行為のコメディカルへの権限委譲」 厚労省見解

 「医行為」 は、「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為」 あるいは 「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生じるおそれのある行為」 と定義されています。
 ちなみに、医行為のうち、診療の補助業務として看護師が補助できるものは 「相対的医行為」 と呼び、医師でなければ行うことのできない 「絶対的医行為」 と区別することもあります。また、医療行為という言葉も使われていますが、診療の補助業務等を医療行為と呼んで医行為と区別していることもあります。実際には医行為と医療行為とが混同して使用されていることも多いようです。

 最近、医師不足 (特に勤務医不足) に伴う勤務医の過重労働・疲弊・立ち去り型サボタージュ等の対策として、勤務医の負担軽減を目的とした事務職員による業務代行、コメディカルへのエンパワーメント(権限委譲:当然、責任も重くなりますが・・・)、およびスキルミクス (多職種協働) が 話題となっています。特に、コメディカル的には 「医行為のエンパワーメント」 の関心が高いようです。

 Japan Medicine (2009/1/5) によると、大分県立看護科学大学大学院修士課程で養成している高度実践看護師 (NP: ナースプラクティショナー) が一定範囲の医行為が行える構造改革特区の申請 (2008/11) に対して、下記のような厚生労働省の医行為等に関する見解が同年12月に出されました。

 1.「患者を診察し、必要な検査を自ら実施あるいは指示するとともに、その結果を判断すること」 は、医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼす行為であり、「看護師のみで当該行為を実施することは認められない」。

 2.「医師が予め指示した薬剤の範囲内」 で 「薬剤を用いて治療、処方」 を行うことや、「医師が予め指示した範囲内」 で 「診療録、診断書、処方箋などの代筆」 を行うことは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼす行為であり、看護師のみで当該行為を実施することは認められない。

 3.「診断書、診療録及び処方箋を医師が最終的に確認し署名することを条件に、看護師等が医師の補助者として記載を代行することは、可能である」。

 従って、現時点では、医師の補助業務にとどまることになるとのことです。

 医行為の責任の重大性を鑑みると、上記の厚生労働省の見解は妥当と思われます。しかしながら、医行為にも難易度等には軽重があり、現在の勤務医の過重労働と疲弊等を考えると、コメディカルへの医行為のエンパワーメントをもう少し推進する必要があると思われます。(ただし、コメディカルへの充分な教育・研修および様々な環境調整等、慎重なアプローチが必要ですが・・・)。




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言語聴覚療法における医療保険と介護保険の給付調整

 PT-OTネットの診療報酬掲示板で提起された疑義 「医療保険のSTと介護保険の通所リハの併用は可能か」については、ネット管理人の友氏のご尽力により、関東信越厚生局医東京事務所から 「算定は可能」という回答が得られ決着がつきました。(但し、厚生労働省は、正式な通知等は発布しないとのことです)。

 この問題は、千葉県言語聴覚士会ニュースNo.24 (2007/9/30) に掲載された疑義解釈 「医療保険のSTと介護保険の通所リハを併用する場合は算定が可能」が発端でした。(厚生労働省→日本言語聴覚士協会→千葉県言語聴覚士会への通達だったそうです)。
 その後、同掲示版上に、下記のような情報 (平成20年8月7日付、某県から厚生労働省保険局医療課への疑義照会) が投稿されました。

●言語聴覚療法における医療保険と介護保険の調整について
 (出典:平成20年度第1回集団指導資料、某県厚生部長寿政策局介護保険室)
問.医療保険において言語聴覚療法を実施している疾患が、失語症などの疾患別リハビリテーション料の算定日数上限の除外対象疾患であり、当該算定日数上限を超えて疾患別リハビリテーションを行っている場合には、同一の疾患であっても、言語聴覚療法を医療保険の脳血管疾患等リハビリテーションで、その他のリハビリは介護保険の通所リハビリテーションとして同時に実施することは認められるか。
答.認められる。言語聴覚療法は介護保険ではあまり提供されていないことから、医療の言語聴覚療法と介護の通所リハビリテーションとの併用は可能としてよい。疑義解釈資料 (その7) の問25を介護保険のリハビリテーションに置き換えて準用されたい。

 ちなみに、新潟県のホームページ上に、上記と同様の疑義解釈が掲載されていました (下記参照)。

●介護保険のリハビリテーションに関するQ&A (介護保険と医療保険の給付調整)
 (出典:H20/3/13 通所リハビリテーション集団指導資料、新潟県)
Q3.利用者が介護保険のリハビリテーションに移行したものの、事業所に言語聴覚士がおらず、言語聴覚療法が実施できない場合は、医療保険の言語聴覚療法を併用できるか。
A3.作業療法及び理学療法と併せて言語聴覚療法が必要な疾患に係るリハビリテーションが必要な患者が、介護保険のリハビリテーションに移行したものの、作業療法及び理学療法を実施している介護保険事業所に言語聴覚士がおらず、言語聴覚療法が実施できない場合は、保険医療機関 (医療保険) の言語聴覚療法を併用して差し支えなく、この場合、医療保険の言語聴覚療法の算定も可能です。
 ただし、この場合、当該患者に係るリハビリテーション実施計画は、介護保険事業所と他の医療機関においてリハビリテーションの進捗状況等を確認しながら作成する必要があります。
 なお、この取扱いは言語聴覚療法に限られるものであり、同一の疾患等について、作業療法と理学療法を介護保険事業所と他の医療機関で実施することはできないので、ご注意ください。
※.医療保険のリハビリテーションにおいて他の保険医療機関で言語聴覚療法を実施する場合と同様の考え方ですので、「疑義解釈資料の送付について (その7)」 (平成19年4月20日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡)の問25を参照してください。

●参考 [疑義解釈資料の送付について (その7) ]
問25.失語症などの言語聴覚療法が必要な疾患を含む疾患に係る脳血管疾患等リハビリテーションが必要な患者について、作業療法及び理学療法を実施している保険医療機関に言語聴覚士がおらず、言語聴覚療法が実施できない場合には、他の保険医療機関で言語聴覚療法を実施しても良いか。
答.同一の疾患等に係る疾患別リハビリテーション又は疾患別リハビリテーション医学管理については、一つの保険医療機関が責任をもって実施するべきである。ただし、言語聴覚療法を実施できる保険医療機関が少ないこともあり、当分の間、他の保険医療機関において、言語聴覚療法を実施し、言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーション料又は疾患別リハビリテーション医学管理料を算定しても差し支えない。
 また、当該患者に係るリハビリテーション実施計画については、両保険医療機関においてリハビリテーションの進捗状況等を確認しながら作成すること。
 なおこの取扱いは言語聴覚療法に限られるものであり同一の疾患等について作業療法と理学療法を別の保険医療機関において実施することはできないので留意すること。


 上述のような介護保険と医療保険の給付調整における混乱は、リハビリテーションの分野のみならず、他の分野でも認められます。医療保険と介護保険との間の方向性の差異や利害相反 (医療費 vs 介護保険料) および厚生労働省の縦割り主義 (保険局 vs 老健局) が一因と考えられます。
 今後は、医療介護の現場が混乱しないためにも、疑義に対する迅速な通知や事務連絡の発布、整合性の高い医療介護政策の制度設計 [縦割り主義でなく横の連携重視、机上の理論 (特に全国一律の発想) よりも現場重視の個別的かつ各地域事情に即したアプローチ]、さらに「リハビリの理念に合わない疾患別リハビリ料、リハビリ算定日数制限、回復期リハビリ病棟に対する成果主義 (特に、プロセスでなくアウトカムを指標とした点が問題)」 の再考等 が望まれます。




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