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  2. 2009年01月

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心大血管疾患・呼吸器リハの起算日が開始日である理由 (政府見解)

 診療報酬における 「リハビリテーション起算日」 において、脳血管疾患等リハビリテーション・運動器リハビリテーションと、心大血管疾患リハビリテーション・呼吸器リハビリテーションとでは異なっています。その理由の政府・厚生労働省見解が、「リハビリテーション料改定等に関する質問主意書」 (平成19年11月15日提出 質問第223号 提出者:山井和則) に対する政府答弁書 (内閣衆質168第223号 平成19年11月22日 内閣総理大臣 福田康夫) に示されていますので紹介します。

(質問7) 脳血管疾患等リハビリテーションと運動器リハビリテーションでは、リハビリテーション起算日が発症日と同日になっている。一方で、心大血管疾患リハビリテーションと呼吸器リハビリテーションでは、リハビリテーション起算日が発症日と異なっている。なぜか。【註:原文にミスあるため、一部訂正】。

(回答) お尋ねについては、心大血管疾患に係るリハビリテーションは発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要があること、また、呼吸器疾患に係るリハビリテーションは発症日の特定が一般に困難であることから、これらについては、その開始日をそれぞれ心大血管疾患リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料の起算日としているものであるのに対して、脳血管疾患及び運動器疾患に係るリハビリテーションは発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等と脳血管疾患等リハビリテーション料又は運動器リハビリテーション料の起算日を同一としているものである。


 整理すると、下記の様になります。

(1) 心大血管疾患リハビリテーション
 発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要があることから、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする。
(2) 呼吸器リハビリテーション
 発症日の特定が一般に困難であることから、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする。
(3) 脳血管疾患等リハビリテーション
 発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等をリハビリテーション起算日とする。
(4) 運動器リハビリテーション
 発症、手術又は急性増悪直後からの開始が効果的とされていることを踏まえ、原因疾患の発症日等をリハビリテーション起算日とする。

 (1)・(2) に関しては妥当と考えられます。
 しかしながら、(3)・(4) においても、発症日の特定が困難な症例も少なくなく、また、発症後一定の検査等を行いその結果を踏まえてその開始日を決める必要のある症例 (例:脳卒中の臨床病型、脳卒中患者等の合併症・併存疾患のチェック&リスク管理)、さらには症例によっては全身状態や合併症・併存疾患の影響でリハビリテーション開始が遅延する場合も少なくありません。
 したがって、脳血管疾患等リハビリテーションや運動器リハビリテーションにおいても、心大血管疾患リハビリテーション・呼吸器リハビリテーションと同様に、基本的には、リハビリテーション開始日をリハビリテーション起算日とする方がベターと考えられます。
 また、(官僚の机上の理論特有の) 「全国一律の」 算定日数制限も撤廃して、現場の判断 (医師の裁量) に任せるべきと思います。




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リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)

 診療報酬上のリハビリテーション料における 「医師の技術料」 については、「リハビリテーション料改定等に関する質問主意書」 (平成19年11月15日提出 質問第223号 提出者:山井和則) に対する答弁書 (内閣衆質168第223号 平成19年11月22日 内閣総理大臣 福田康夫) において、政府・厚生労働省の見解が下記のように示されています。

(質問9) リハビリテーションの点数の評価中、医師の技術料はどこに含まれて
   いるのか。

(回答) リハビリテーションに係る診療報酬については、リハビリテーションの
  実施に当たって、患者に対するリハビリテーション実施計画の作成や直接
  訓練、理学療法士、作業療法士等に対する指導監督等を医師が行っている
  ことを評価しているものである。


 診療報酬上のリハビリテーションの点数における 「ドクターフィー (医師の技術料)」 に関しては、これまで割と曖昧で、明確な定義等は (ブログ管理人の知る限り) なかったと思われます。

 今回、民主党の山井衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書の中で、上記の通り、リハビリテーション・ドクターフィーの定義が明らかになりました。但し、リハビリテーション料の中のセラピストの人件費・技術料、設備投資費、水道光熱費等の内訳は、上記の定義では不明確です。(技術料・人件費は、基本的には、医師・セラピストの基準人件費と時間等で積算していると思われます)。

 医療機関の管理者・医師・セラピストの中には、「リハビリテーション料はセラピストの技術料・人件費」 と勘違いしている方も少なくなく、下記のような問題が生じています。
  ①「おまかせリハビリテーション」 が蔓延する。
  ②リハビリテーション料の収入を、(疾患別リハビリテーション専任医師
   を除く) セラピストの人件費とみなし、セラピストのみの人員配置予算
   計画を立てるため、施設基準に比して専任医師が不足状況もしくは不充
   分な勤務状況 (専任=リハビリテーション業務に50%以上の関わりが必
   要) となる。
  ③セラピストによっては、「自らの月間売上げ」 と 「自分の月給」 との間の
   乖離に疑問を持ち、モチベーションが下がる。

 実際に、上記①&②が常態化し、リハビリテーション料への医師の関与が少ない医療機関も少なくなく、それが、下記の事項に繋がっているとされています。
  (1) リハビリテーション・レセプトの返戻および減額査定の増加。
  (2) 疾患別リハビリテーション料の1単位当たりの点数の減額。
  (3) 個別指導における医師および疾患別リハビリテーション専任医師に対す
   る厳しい指摘・指導
    (a) 無診察リハビリテーション
    (b) 専任医師のリハビリテーション業務への実際の関わり状況 (50%以
     上の関わりが必要)
    (c) リハビリテーション・カンファレンスへの医師の参加状況
    (d) 医師による開始時及び3ヶ月ごとのリハビリテーション実施計画の
     患者への説明とその要点の診療録 (Drカルテの2号用紙) への記載

(参考) リハビリテーション専任医師とは、主にリハビリテーション指示、リハビリテーション方針・リハビリテーション実施計画の策定に従事する医師であり、リハビリテーションを実施していない患者への診察業務と兼務も可能であるが、割合としてリハビリテーションへの関わりが多くなくてはいけない (リハビリテーション科へ配置されている医師が必要)。通常では、主治医からの依頼についてリハビリテーション専任医師が確認後に指示を出し、セラピストと共に方針や実施計画等を決定していく形が望ましい。

 さらに、リハビリテーション料への医師の関与の低下傾向が強まると、上記 (1)~(3) の悪化だけでなく、最悪の場合、現在DPCで出来高部分であるリハビリテーション料が包括部分に含まれる (即ち、リハビリテーションが、ドクターフィーから、薬・検査・放射線等と同様のホスピタルフィーとなる) など、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションの包括化へと進展する可能性も完全には否定できません。

 したがって、リハビリテーション医療に携わる医師とセラピストがスクラムを組んで、リハビリテーション医療の出来高制度・ドクターフィー制度の維持ならびに質の向上のために努力・邁進することが肝要であり、それが、障害のある方とその家族の幸福ならびにリハビリ難民解消にも繋がると思われます。
 そのためには、リハビリテーションを施行している医療機関の管理者・他科医・リハビリテーション医学が専門でないリハビリテーション専任医師等の理解と協力が必要であると考えられます。




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