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平成22年度診療報酬改定も 「病院に軸足」 (厚労省保険局医療課長)

 Japan Medicine (2009/3/25) に、平成22年度診療報酬改定に関する厚労省保険局医療課長の講演についての記事が掲載されていますので紹介します。

●次期改定も 「病院に軸足」 北海道病院協会研修会で佐藤医療課長

①厚生労働省保険局の佐藤敏信医療課長は21日に開催された、北海道病院協会の研修会の講演の中で、次期診療報酬改定の方向性について触れ、「前回の改定もそうだが、病院に軸足を置いた改定になり、その方向性は変わらないだろう」 との認識を示した。

②その上で佐藤課長は、診療報酬改定を科学的、論理的なものにするためにも、「次回に間に合うかどうかは別にして、科学的なデータの収集が必要になる」 と指摘。

③さらに、「どの診療科がどの程度厳しい状況に置かれているのか、その状況を解消するには診療報酬のどの項目を改定すればよいのか」 をデータを示して取り組む必要があり、そのためには 「部門別収支を将来的に出していかなければならない」 との認識を示した。

④また、講演後の質疑で、DPCの分析データの出来高への反映について問われ、「既に行っているといえる」 と認めた上で、「DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 とした。

⑤さらに、ケアミックスのDPC参入によって、「今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と述べて、期待感を示した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようですが、ⓐ医療費亡国論、ⓑ小泉竹中構造改革 [2006年の骨太の方針に基づく、5年間で1兆1千億円 (毎年度2,200億円) の社会保障費の抑制]、ⓒ膨大な財政赤字 (財務省をはじめとした官僚および与党議員等が何ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義)、等により、「医療費抑制・医師不足による医療崩壊・医療破壊」 が生じ、社会的な大問題となっています。

 特に、上記要因による 「ⓐ勤務医不足」、および 「ⓑ地域や診療科間の医療の偏在 (特に救急・産科・小児科医療)」 ならびに 『ⓒ急性期病院を中心とした働き盛りの勤務医の 「過重負担・疲弊、医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安、コンビニ受診問題、モンスター・ペイシェント問題」 等による 「立ち去り型サボタージュ」』、に伴う 「病院崩壊・勤務医崩壊」 は大変深刻な状況です。

 したがって、上記①の医療課長の 「次回診療報酬改定も病院に軸足を置いた改定」 との言は妥当と考えられます。

(2)上記②・③では、(部門別収支・原価計算による診療報酬改定は未だ時期尚早の現況ですが) 科学的なエビデンスのある診療報酬改定の重要性を強調しています。

 しかしながら、これまでの診療報酬改定において、必ずしもエビデンスに基づかない 「勘と度胸」 の改定がなされてきたことも否定できません。

 即ち、少ないサンプルデータ数での結論、データの恣意的解釈に基づく結論、あるいはデータの捏造による改定、さらには、(厚生労働省の意向に沿うような結論を出させるために、メンバーを御用学者で固めた) 審議会・研究会を隠れ蓑にして成された改定も少なからずありました。

 例えば、ⓐ医療療養病床の診療報酬に導入された (不適切・理不尽な) 医療区分、ⓑ (リハビリ難民を生み出し、且つリハビリテーションの理念にも反する) リハビリテーション算定日数制限、ⓒ回復期リハビリテーション病棟に導入された (拙速・不適切且つ 「患者選別」 を助長する) 成果主義および (ADL評価としては不適切な) 「日常生活機能評価表」、ⓓ外来管理加算の (不可解・不適切な) 5分ルール、ⓔ障害者病棟からの脳卒中・認知症患者の (不可解・理不尽な) 排斥、ⓕ介護保険上の (介護給付費の抑制のための理不尽な) 要介護認定の軽度化、等が挙げられ、それが、「医療難民・救急難民・脳卒中難民・認知症難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 の出現・増大に繋がっています。

 したがって、国民の安心・安全・納得・満足のために、厚生労働省には、「まやかしのエビデンス」 ではなく、現場の医療介護福祉従事者・患者・介護サービス利用者・障害のある方・高齢者・家族・地域住民等が納得する 「真のエビデンス」 に基づく診療報酬改定・介護報酬改定・障害者自立支援法見直し等を行って頂きたいと思います。

(3)上記④に関しては、DPC対象病院・DPC準備病院は、いわば医療情報が丸裸になっており、今後、新機能評価係数の影響も含めて、DPC病院の差別化が図られ、そう遠くない時期に 「選別・淘汰の時代」 が訪れると考えられます。

(4)一方、DPCにおいて、リハビリテーションは現在出来高ですが、上記④のように、「DPCの分析データの出来高への反映について既に行っており、DPCで分かったデータは出来高の中にどんどん反映していく」 という医療課長の言は重いものがあります。

 在院日数が2週間以内のDPC対象病院で、且つリハビリテーション・スタッフが少ない病院のために、超急性期・急性期リハビリテーション (ベッドサイド・リハビリテーション) の包括化およびセラピスト以外の有資格代替者 (看護師、准看護師) による算定が、現実化する可能性も否定できないと考えられます。

 また、DPC対象病院・DPC準備病院には、リハビリテーションに力を入れている病院とそうでない病院とが混在しているため、その平均を基準にすると、バイアスがかかり、上述の超急性期・急性期リハビリテーションの包括化のみならずリハビリテーション料の単価の引き下げ等の可能性も否めないと思われます。

 さらに、「濃厚且つ集中的な急性期リハビリテーション」 + 「充実したESD (早期支援退院) システム」 + 「充実した訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション」 が普及すると、回復期リハビリテーション病棟も安閑としていられない状況も将来的に到来すると考えられます。

(5)上記⑤の通り、医療課長は、「ケアミックスのDPC参入によって、今後は亜急性期、慢性期のデータも集まり出す」 と期待感を示しています。

 したがって、急性期のみならず亜急性期 (回復期)・慢性期のデータまでもが、厚生労働省に集積されると、「医療機関の機能分化と連携」・「選択と集中」・「集約化・重点化・拠点化」 の錦の御旗のもと、各医療機関の選別と淘汰が進展すると考えられます。

(6)上記(3)~(5)の通り、特に、「中小病院 (特に、民間中小病院)」 および 「急性期一般病床の占める割合が少ないケアミックス型病院」 については、基本的には、高度急性期医療およびDPCを断念して、亜急性期以降の医療を担ってもらいたいという厚生労働省の思惑があり、上記病院の役割として、次のような 「亜急性期病院、慢性期病院、ケアミックス型病院、介護保険施設」 への誘導が加速する可能性が高まると推察されます。

 (1) 軽度 (~中等度) の救急・急性期医療 (特に、認知症の合併症がある高齢者
  の骨折等・入院を繰り返す高齢者・慢性疾患の急性増悪等の救急・急性期
  患者)

 (2) 「急性期後」 の亜急性期医療 (亜急性期入院医療管理料を算定する病床、回
  復期リハビリテーション病棟)

 (3) 慢性期医療 [療養病床 (医療療養病床、介護療養型医療施設)]

 (4) 特殊疾患病棟、障害者病棟 (障害者施設等入院基本料を算定する一般病棟)

 (5) 在宅医療

 (6) 場合によっては、介護療養型老人保健施設への移行

 但し、「専門特化型」 急性期中小病院、あるいは、「専門特化型」 の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院は、場合によっては、大病院等よりも、質の高い効率的なDPC対象病院であることが少なくないということで、このような病院にインセンティブを与えるような 「新機能評価係数」 の設定が望まれます。(スケールメリット不足を補填する評価、高い専門性・充実したチーム医療への評価等)。

 それ以外は、基本的には、DPCに馴染まず、医療マンパワー不足もあることから、将来的には亜急性期以降への移行を促される可能性が高いと考えられます。

 また、地方の中小自治体病院に多い、「準総合病院型」 急性期中小病院および 「準総合病院型」の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院については、総務省・公立病院改革ガイドライン (平成19年12月) を厳格に適用すると、廃止・民営化の道をたどると考えられます。
 しかし、その病院が、地域唯一の病院であり、不採算医療 (政策的医療や救急医療等) を担っているということで、充分な公的支援があれば、(DPC適用の可否は別として)、存続できると考えられます。

 将来的には、「疾病管理 (疾病ケアマネジメント)」 を経て、最終的に、アメリカのように、「マネージド・ケア」 [医療コストを減らすために、医療へのアクセスおよび医療サービスの内容を制限する制度。医療の決定権が医師から支払い側 (保険者) に移り、医師以外の人によって医療が管理される結果、医師の意見は参考にはされるものの、最終決定をするのは医師ではない] の大変な時代 (暗黒時代) が到来する可能性も考えられます。

(7)以上、厚生労働省保険局医療課長の平成22年度診療報酬改定の方向性に関する講演について論じました。

 但し、病院に軸足を置いた診療報酬改定において、やはり問題は、財源です。
 「ⓐ保険料のアップ」・「ⓑ (主として消費税増税による) 公費負担のアップ」・「ⓒ患者自己負担のアップ」 が挙げられますが、本丸は、財務省の悲願の 「消費税増税」 です。(社会保障国民会議も、社会保障機能の強化の財源を、消費税増税を前提にしていますが・・・)。

 しかしながら、以前の当ブログ記事で何回も述べていますが、「消費税増税」 を行う前に、「ⓐ充分な景気回復、ⓑ税制の抜本的改革、ⓒ膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、ⓓ道路特定財源の完全なる一般財源化、ⓔ年金問題の早期完全解決」 等を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思われます。

 したがって、「医療立国論」、「医療・介護立国論」、あるいは 「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環が実現することが望まれます。

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 ◎DPC新機能評価係数と中小病院 (厚労省保険局医療課企画官の見解)




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H21介護報酬改定Q&A・リハビリ関連 (広島&三重 H21.3.27.現在)

 広島県および三重県における、平成21年3月27日現在の、平成21年度介護報酬改定Q&A (リハビリテーション関連) は下記の通りです。

●平成21年度介護報酬改定Q&A (リハビリテーション関連)
 [介護情報ひろしま (平成21年3月27日現在)]

【訪問リハビリテーション】

(質問1) 短期集中リハビリテーション実施加算は、解釈通知に算定要件として、「1週につき概ね2回以上、1日当たり40分以上」 とあるが、1日の中で40分を4回に分けて10分づつ実施した場合算定可能か。
 H21.2.19.の課長会議の資料に 「1回40分以上」 とあるが誤りか。


(回答1) 算定可能。何回かに分けてリハビリを実施した場合、全体で40分以上であれば算定要件を満たす。
 課長資料に 「1回40分以上」 とあるのは 「1日40分以上」 が正しい。

(質問2) 20分間リハビリもしくは指導を行った場合につき、1日500単位の算定から、1回305単位の算定に改定されているが、仮に1日に40分間行った場合、2回 (610単位) として算定することが可能か。

(回答2) 診療報酬の体系に合わせる形で今回取扱いを改めたもので、可能である。

【通所リハビリテーション】

(質問1) 通所リハ (1時間以上2時間未満) において、看護師等がサービス提供する場合、算定要件に 「定期的に適切な研修を修了している・・・」 とあるが、この研修は事業所の定期的な研修と考えてよいか。

(回答1) 「研修」 とは、運動器リハビリテーションに関する理論、評価法等に関する基本的内容を含む研修会であって、関係学会等により開催されているものを示す。
 具体的には、①日本運動器リハビリテーション学会の行う運動器リハビリテーションセラピスト研修、②全国病院理学療法協会の行う運動療法機能訓練技能講習会が該当するものである。

(質問2) 通所リハ (1時間以上2時間未満) において、午前と午後に別々の単位を設定している事業所で、1人の利用者が午前に1回、午後に1回の計1日に2回サービスを受ける場合、算定は可能か?

(回答2) 算定可能。

(質問3) リハビリテーションマネジメント加算は、2ヶ所以上の通所リハを利用している場合において、他の事業所と併せて利用回数が月8回以上を満たした場合は算定できるのか。

(回答3) 事業所ごとに算定要件を満たす必要があり、別の事業所と合わせて8回の要件を満たす場合は、算定できない。

(質問4) リハビリテーションマネジメント加算は、本人の体調不良等も含めた諸事情により月8回以上を満たさない場合の算定はどうか。

(回答4) 利用者側の理由により月8回を下回った場合は、算定することは可能。
 但し、日にちを変更するなど月8回以上実施できるよう努められたい。

(質問5) リハビリテーションマネジメント加算は、「1ヶ月に8回以上通所している場合に」 とあるが、A事業所に4回、B事業所に4回通所した場合、両方又はどちらかの事業所で算定することは可能か。

(回答5) 1つの事業所に1ヶ月に8回以上通所した場合であり、質問のケースは算定できない。

(質問6) リハビリテーションマネジメント加算は、ある利用者が、1ヶ月にA事業所に8回、B事業所に8回の計16回通所した場合、両事業所とも加算を算定できるか。

(回答6) 利用者の疾患の状況等によっては、2事業所に通所する必要がある場合も考えられる。
 よって、2事業所の各々が算定する場合もある。

(注釈) このQ&Aは、平成21年2月19日開催の全国会議において厚生労働省から示された基準・解釈等の案や口頭説明、電話照会による回答、その他の情報を県でまとめたものです。
 この内容は、今後訂正される可能性があります。
 また、厚生労働省からは後日、正式に解釈通知及びQ&Aが通知される予定です。


●平成21年度介護報酬改定Q&A (リハビリテーション関連)
 [H21介護報酬改定Q&A (三重県) (平成21年3月27日現在)]

【訪問看護】

(質問) 訪問看護における理学療法士等の訪問について、一人の利用者に対して、すべて理学療法士等の訪問になってもよいか。

(回答) 理学療法士等による訪問のみになることもあり得る。

【訪問リハビリテーション】

(質問1) 算定基準について、「1回当たり20分以上指導を行った場合に1週に6回を限度として算定する」 の意味。

(回答1) 20分を1回として算定し、1日に連続して40分リハビリを行った場合は2回分の単位が請求可能。

(質問2) サービス提供体制強化加算は、「1回につき所定単位数を加算する」 とあるが、例えば、1日に305単位×3回行った場合、サービス提供体制強化加算は3回分加算するのか。

(回答2) そのとおり。1日に3回分行えば、サービス提供体制強化加算も3回分加算することになる。

(質問3) 質問2の場合、
 ①訪問リハビリテーション (305単位×3回=915単位)
 ②サービス提供体制強化加算 (6単位×3回=18単位)
合計933単位となるが、この場合の利用者負担額は、933円でしょうか、930円でしょうか。

(回答3)
 ①費用額=933単位×10円=9,330円
 ②保険請求額=9,330円×90%=8,397円 (円未満端数がある場合は切捨て)
 ③利用者負担額=費用額-保険請求額=933円

【通所リハビリテーション】

(質問1) 短時間リハを行う場合、リハビリテーションマネジメント加算、個別リハビリテーション実施加算は算定できるのか。

(回答1) リハビリテーションマネジメント加算は算定できるが、個別リハビリテーション実施加算は算定できない。

(質問2) リハビリテーションマネジメント加算について、利用者が複数の通所リハビリを使用している場合、合計で8回以上になれば良いのか。

(回答2) 国からのQ&Aで示されない限り、少なくとも、それぞれの事業所で8回以上となる必要があると考える。

(質問3) 利用回数が8回を下回る場合でも、医学的にリハビリが必要であると医師が判断すれば、リハビリテーションマネジメント加算を算定できるか。

(回答3) 8回以上の通所を条件としている。ただし、利用開始月は例外規定がある。

(質問4) リハビリテーションマネジメント加算について、月8回以上の通所している場合とは、計画でみるのか、実績でみるのか。

(回答4) 利用者の自己都合 (体調悪化) 等やむを得ず算定要件を満たせなくなった場合でも可能。

(質問5) リハビリテーションマネジメント加算に関して、月8回未満の利用者へは、リハビリ全てを無料で提供するということですか。

(回答5) 通所リハビリテーション費 (基本報酬) は算定できる。各種加算が算定できないことをもって、リハビリそのものを否定しているものではない。

(質問6) リハビリテーションマネジメント加算を算定していない場合は、個別リハビリテーション実施加算を算定できないのか。

(回答6) リハビリテーションマネジメント加算を算定できない場合は、個別リハビリテーション実施加算を算定できない。
 ただし、利用終了月は例外。

(質問7) 個別リハビリテーション実施加算について、月8回を満たない利用回数の者、つまり、リハビリテーションマネジメント加算が算定できない場合の例外規定として、高次脳機能障害や難病疾患リハビリ科に規定する疾患とあるが、これ以外の者でも医学的必要があれば、算定できるのか。

(回答7) 国からのQ&Aで示されない限り、例外規定として、限定列挙している趣旨からして、算定できない。
 また、高次脳機能障害の疾患名は、規定されていない。

(質問8) 人員基準減算に関して、通所リハビリテーションの提供に当たる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が不在の日は、減算されるのか。

(回答8) 診療所以外については、指定基準第111条第1項第2号ロに規定されているよう、利用定員が100名以下であっても、提供時間を通じて専従のPT、OT、STが1名以上配置する必要があり、やむを得ず配置出来ない場合は、従前のとおり、減算される。

(質問9) 短時間リハ (1時間以上~2時間未満) を実施した場合に、短期集中リハビリテーション実施加算は算定できるか。

(回答9) 算定できる。
 ただし、短時間リハで50%の減算となっていない場合に限る。

(質問10) 短期集中リハビリテーションマネジメント加算 (1か月超え3ヶ月未満) について、20分以上の個別リハビリを行うことが要件となっているが、40分以上提供したら、1日に2回分算定できるのか。

(回答10) 出来ない。

【介護老人保健施設・介護療養型医療施設】

(質問1) 介護老人保健施設における短期集中リハビリテーション実施加算・認知症短期集中リハビリテーション実施加算に関して、加算中に入院になった場合において、再入所の時点で初回の入所日から起算して3ヶ月以内であれば、算定可能か。
 その場合、起算日は初回入所日からか、再入所日からか。


(回答1) 同一の老人保健施設に再入所した場合、短期集中リハビリテーション実施加算、認知症短期集中リハビリテーション実施加算ともに、前回入所した日から起算して3月以内に限り、再入所した日から算定可能です。
 なお、短期集中リハ算定途中又は終了後3ヶ月に満たない期間に4週間以上の入院後に同一の施設に再入所した場合であって、短期集中リハビリテーションの必要性が認められる者に限り、短期集中リハビリテーション実施加算を再度算定することができます。

(質問2) 介護老人保健施設・介護療養型医療施設において、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定における制限はあるか。

(回答2) 当該利用者が過去3月間の間に、当該加算を算定していない場合に限り算定可能です。

(質問3) 介護老人保健施設・介護療養型医療施設において、認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合でも本加算も算定可能か。

(回答3) 短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合でも、別途当該リハビリを実施した場合は算定可能です。

(注釈) 事業者の方からご質問が多い内容について、現時点での回答を記載しています。(※寄せられた質問に対する回答全てを掲載しているわけではありません)。
 厚生労働省の介護報酬関係通知を基に記載しているため、厚生労働省からの今後の通知やQ&A等により、内容に変更が生じる場合がありますので、ご了承願います。
 Q&Aは、共通、居宅系サービス、施設系サービスにファイルが分かれています。
 今後もQ&Aの追加や修正を随時行いますので、最新の情報をご確認ください。




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平成21年度介護報酬改定 (リハビリマネジメントの基本的考え方等)

 介護保険最新情報 Vol. 65 (平成21年3月13日) 『「介護保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について」 等の発出について』 の別紙5として、「リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について (平成18年3月27日老老発第0327001号 厚生労働省老健局老人保健課長通知)」 の改正版 (抄) が発出されています。
 下記に改正後の全文を示します。(下線部=改正箇所)。

●リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理
 手順例及び様式例の提示について


 リハビリテーションマネジメントは、高齢者の尊厳ある自己実現を目指すという観点に立ち、利用者の生活機能向上を実現するため、介護保険サービスを担う専門職やその家族等が協働して、継続的な 「サービスの質の管理」 を通じて、適切なリハビリテーションを提供し、もって利用者の要介護状態又は要支援状態の改善や悪化の防止に資するものである。

 その促進を図るため、平成18年度より、通所リハビリテーションサービス、訪問リハビリテーションサービス、介護保健施設サービス、介護療養施設サービスにおいて 「リハビリテーションマネジメント加算」 を設定してきたところである。その算定については、平成21年度介護報酬改定に伴い、別に通知する 「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分) 及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」 (平成12年老企第36号)、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分) 及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」 (平成12年老企第40号)、「特定診療費の算定に関する留意事項について」 (平成12年老企第58号) 及び 「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」 (平成18年老計発第0317001号、老振発第0317001号、老老発第0317001号) において示しているところであるが、既に、多くの事業所で算定されている現状を踏まえ、一部のサービスについては、本体報酬に包括化することとした。今般、あらためて、リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例を左記 (筆者註:縦書きの文書で、文章の左の方、即ち 「次に続く部分」 に書いてあること) の通りお示しするので、御了知の上、管内市町村、関係団体、関係機関にその周知を図られたい。

1.基本的考え方

(1)リハビリテーションの目的


 リハビリテーションは、心身に障害のある人々の全人間的復権を理念として、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものであり、自立した生活への支援を通じて、利用者の生活機能の改善、悪化の防止や尊厳ある自己実現に寄与することを目的とするものである。

(2)リハビリテーションマネジメントの運用に当たって

 利用者に対して漫然とリハビリテーションの提供を行うことがないように、利用者毎に、解決すべき課題の把握 (アセスメント) を適切に行い、改善に係る目標を設定し、計画を作成した上で、必要な時期に必要な期間を定めてリハビリテーションの提供を行うことが重要である。また、リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、又は言語聴覚士だけが提供するものではなく、医師、看護職員、介護職員、生活相談員等様々な専門職が協働し、また利用者の家族にも役割を担っていただいて提供されるべきものである。特に日常生活上の生活行為への働きかけである介護サービスは、リハビリテーションの視点から提供されるべきものであるとの認識が重要である。リハビリテーションを提供する際には、利用者のニーズを踏まえ、利用者本人による選択を基本とし、利用者やその家族にサービス内容について文書を用いてわかりやすく説明し、その同意を得なければならない。利用者やその家族の理解を深め、協働作業が十分になされるために、リハビリテーション、生活不活発病 (廃用症候群) や生活習慣病等についての啓発を行うことも重要である。

(3)継続的なサービスの質の向上に向けて

 施設サービスにおいて提供されるリハビリテーションは、施設退所後の居宅における利用者の生活やその場において提供されるリハビリテーションを考慮した上で、利用者の在宅復帰に資するものである必要があり、施設入所中又はその退所後に居宅において利用者に提供されるリハビリテーションが一貫した考え方に基づき提供されるよう努めなければならない。そのためには施設入所中も常に在宅復帰を想定してリハビリテーションを提供していくことが基本である。また、居宅サービス (訪問・通所リハビリテーション) におけるリハビリテーションマネジメントにあっては、訪問介護員等他の居宅サービス事業所の担当者に対する情報提供等を行うなど、利用者のよりよい在宅生活を支援するものとなるよう配慮することも必要である。全体のケアマネジメントとリハビリテーションマネジメントとの両者におけるアセスメントや計画書については、基本的考え方、表現等が統一されていることが望まれる。さらに、利用者の生活機能の改善状況は継続的に把握 (モニタリング) し、常に適切なリハビリテーションの提供を行わなければならない。リハビリテーションマネジメント体制については、生活機能の維持、改善の観点から評価し継続的なサービスの質の向上へと繋げることが必要である。

2.リハビリテーションマネジメントの実務等について

(1)リハビリテーションマネジメントの体制


 ア.リハビリテーションマネジメントは、医師、理学療法士、作業療法士、言
  語聴覚士、薬剤師、看護職員、介護職員、栄養士、介護支援専門員その他の
  職種 (以下 「関連スタッフ」 という。) が協働して行うものである。

 イ.各施設・事業所における管理者は、リハビリテーションマネジメントに関
  する手順 (情報収集、アセスメント・評価、カンファレンスの支援、計画の
  作成、説明・同意、サービス終了前のカンファレンスの実施、サービス終了
  時の情報提供等) をあらかじめ定める。

(2)リハビリテーションマネジメントの実務

 ア.サービス開始時における情報収集について

   関連スタッフは、サービス開始時までに適切なリハビリテーションを実施
  するための情報を収集するものとする。情報の収集に当たっては主治の医師
  から診療情報の提供、担当介護支援専門員等からケアマネジメントに関わる
  情報の提供を文書で受け取ることが望ましい。なお、これらの文書は別紙
  1、2
(筆者註:下記の参考資料を参照) の様式例を参照の上、作成する。

 イ.サービス開始時におけるアセスメント・評価、計画、説明・同意について

   関連スタッフ毎にアセスメントとそれに基づく評価を行い、多職種協働で
  サービス開始時カンファレンスを開催し、速やかにリハビリテーション実施
  計画原案を作成する。リハビリテーション実施計画原案については、利用者
  又はその家族へ説明し同意を得る。
   また、リハビリテーション計画原案に関しては、ウ.③に掲げるリハビリ
  テーション実施計画書の様式又はこれを簡略化した様式を用いるものとす
  る。

 ウ.サービス開始後2週間以内のアセスメント・評価、計画、説明・同意につ
  いて


   リハビリテーション実施計画原案に基づいたリハビリテーションやケアを
  実施しながら、サービス開始から概ね2週間以内に以下の①から⑥までの項
  目を実施する。

  ①アセスメント・評価の実施
    関連スタッフ毎に別紙3 (筆者註:下記の参考資料を参照) を参照と
   したアセスメントを実施し、それに基づく評価を行う。

  ②リハビリテーションカンファレンスの実施
    関連スタッフによってリハビリテーションカンファレンスを開催し、
   目標、到達時期、具体的アプローチ、プログラム等を含む実施計画に
   ついて検討する。リハビリテーションカンファレンスには、状況に応
   じて利用者やその家族の参加を求めることが望ましい。
    目標の設定に関しては利用者の希望や心身の状況等に基づき、当該
   利用者が自立した尊厳ある日常生活を送る上で特に重要であると考え
   られるものとし、その目標を利用者、家族及び関連スタッフが共有す
   ることとする。目標、プログラム等の設定に当たっては施設及び居宅
   サービス計画 (以下 「ケアプラン」 という。) と協調し、両者間で整合
   性が保たれることが重要である。

  ③リハビリテーション実施計画書の作成
    リハビリテーションカンファレンスを経て、リハビリテーション実
   施計画書を作成する。リハビリテーション実施計画書の作成に当たっ
   ては別紙4 (筆者註:下記の参考資料を参照) の様式を用いて作成する。
    リハビリテーション実施計画は、ケアプランと協調し、両者間で整
   合性が保たれることが重要である。施設サービスにおいてはリハビリ
   テーション実施計画を作成していれば、ケアプランのうちリハビリテ
   ーションに関し重複する部分については省略しても差し支えない。

  ④利用者又は家族への説明と同意
    リハビリテーション実施計画の内容については利用者又はその家族
   に分かりやすく説明を行い、同意を得る。その際、リハビリテーショ
   ン実施計画書の写しを交付することとする。

  ⑤指示と実施
    関連スタッフは、医師の指示に基づきリハビリテーション実施計画
   書に沿ったリハビリテーションの提供を行う。リハビリテーションを
   より有効なものとする観点からは、専門職種によるリハビリテーショ
   ンの提供のみならず、リハビリテーションに関する情報伝達 (日常生
   活上の留意点、介護の工夫等) や連携を図り、家族、看護職員、介護
   職員等による日常生活の生活行為への働きかけを行う。

  ⑥ ①から⑤までの過程は概ね3ヶ月毎に繰り返し、内容に関して見直
   すこととする。ただし、短期集中リハビリテーションを行う訪問リハ
   ビリテーション、通所リハビリテーションにあっては病院等からの退
   院 (所) 日又は認定日から起算して1月以内の期間にも見直すこととす
   る。また、利用者の心身の状態変化等により、必要と認められる場合
   は速やかに見直すこととする。
    管理者及び関連スタッフは、これらのプロセスを繰り返し行うこと
   による継続的なサービスの質の向上に努める。

 エ.サービス終了時の情報提供について

  ① サービス終了前に、関連スタッフによるリハビリテーションカンフ
   ァレンスを行う。その際、担当の介護支援専門員や居宅サービス事業
   所のサービス担当者等の参加を求め、必要な情報を提供する。

  ② サービス終了時には居宅介護支援事業所の介護支援専門員や主治の
   医師に対してリハビリテーションに必要な情報提供を行う。その際、
   主治の医師に対しては、診療情報の提供、担当介護支援専門員等に対
   してはケアマネジメントに関わる情報の提供を文書で行う。なお、こ
   れらの文書は別紙1、2 (筆者註:下記の参考資料を参照) の様式例を
   参照の上、作成する。


(参考資料) リハビリテーションマネジメントに関する様式例 (平成18年度介護報
     酬改定)

資料1-1.リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関す
     る事務処理手順例及び様式例の提示について (通知)

資料1-2.診療情報提供書 (筆者註:別紙1)

資料1-3.ケアマネジメント連絡用紙 (筆者註:別紙2)

資料1-4.アセスメント上の留意点 (筆者註:別紙3)

資料1-5.リハビリテーション実施計画書 (筆者註:別紙4)

資料1-6,介護保険制度におけるリハビリテーションマネジメントのフロー
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2010年度診療報酬改定・DPC新機能評価係数候補 (2009/3/25現在)

 2009年3月25日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 診療報酬基本問題小委員会における議論の結果、2010年度診療報酬改定・DPC「新機能評価係数」 候補 として、下記の27項目が、今後の検討項目となりました。

1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

 ①DPC病院として正確なデータを提出していることの評価
  ◎正確なデータ提出のためのコスト、部位不明・詳細不明コードの発生
   頻度、様式1の非必須項目の入力割合、等

 ②効率化に対する評価 (効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価、等)

 ③手術症例割合に応じた評価
  ※,一部の手術については、施設基準として一定数以上の症例数が算定
   条件となっており、出来高で評価されている。

 ④複雑性指数による評価

 ⑤診断群分類のカバー率による評価

 ⑥高度医療指数 (診断群分類点数が一定程度高いものの算定割合)

 ⑦救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状
  況による評価

 ⑧患者の年齢構成による評価

2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少なく
 速やかにデータを把握することが可能なもの


 ①診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価

 ②術後合併症の発生頻度による評価

 ③医療計画で定める事業について、地域での実施状況による評価

 ④産科医療の実施状況の評価

 ⑤医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価

3.その他、既存の制度との整合性等を図る必要があるもの

(1)既に機能評価係数として評価されているもの

 ①特定機能病院または大学病院の評価

 ②地域医療支援病院の評価

 ③臨床研修に対する評価

 ④医療安全の評価

(2)既に診断群分類の分岐として評価されているもの

 ①標準レジメンによるがん化学療法の割合による評価

 ②副傷病による評価

 ③希少性指数による評価 (難病や特殊な疾患等への対応状況の評価)

(3)出来高で評価されているもの

 ①退院支援の評価

 ②地域連携 (支援) に対する評価

 ③望ましい5基準に係る評価
   (a) 特定集中治療室管理料を算定していること
   (b) 救命救急入院料を算定していること
   (c) 病理診断料を算定していること
   (d) 麻酔管理料を算定していること
   (e) 画像診断管理加算を算定していること
  ア.ICU入院患者の重症度による評価
  イ.全身麻酔を実施した患者の割合による評価
  ウ.病理医の数による評価
  エ.術中迅速病理組織標本作製の算定割合による評価
  オ.病理解剖数 (割合) 又はCPC開催状況による評価
    ※.CPCとは、臨床病理検討会 (Clinicopathological Conference)
     のことをいう。

 ④高度な設備による評価

 ⑤がん診療連携拠点病院の評価

(4)その他

 ①後発医薬品の使用状況による評価

 ②治験、災害等の拠点病院の評価


 下記の10項目は、次回 (2010年度) 診療報酬改定には間に合わないとして、次回改定以降での導入の検討対象となりました。

●医療機関の負担が大きく速やかにデータを把握することが困難であるもの、又
 はDPCにおける急性期としての評価が困難であるもの


 ①重症度・看護必要度による改善率

 ②合併症予防の評価

 ③再入院の予防の評価

 ④救急医療における患者の選択機能 (トリアージ) の評価

 ⑤全診療科の医師が日・当直体制をとっていることの評価

 ⑥地方の診療所や中小病院へ医師を派遣することに対する評価

 ⑦在宅医療への評価

 ⑧新規がん登録患者数による評価

 ⑨高齢患者数の割合による看護ケアの評価

 ⑩第三者による外部評価を受けていることに関する評価




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リハマネ加算の包括化に伴う留意点 (老人保健施設・介護療養病床)

 以前の当ブログ記事 「厚労省・平成21年度介護報酬改定Q&A (Vol.1) [リハビリ関連]」 において示しました介護保険最新情報 Vol. 69 (平成21年3月23日) 「平成21年4月介護報酬改定関係Q&A (Vol.1) について」 の介護老人保健施設および介護療養型医療施設のリハビリテーションマネジメント加算の包括化に関連するQ&Aを、下記の資料1 (介護老人保健施設)・資料3 (介護療養型医療施設) に再掲します。

(資料1) 介護老人保健施設

(問94) 今回リハビリテーションマネジメント加算が本体に包括されたが、週2回の個別リハビリテーションは実施しなくてもよいのか。
 また、リハビリテーション実施計画書の作成は個別リハビリテーションの対象者である短期集中リハビリテーションの対象者だけで良いのか。


(答) 老人保健施設については、これまで、入所者一人について、少なくとも週2回の機能訓練を行うことが運営基準 (通知) 上規定されている。
 また、今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。

 上記の (答) の文中の 「今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加した」 箇所は、下記の資料2の第四-15を参照下さい。

(資料2) 介護保険最新情報 Vol. 63 (平成21年3月6日) の 別紙7 (介護老人保健
    施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について) の1ペー
    ジ (PDF2ページ)


第四.運営に関する基準

 1~14 (略)

 15,機能訓練

   基準省令第十七条は、介護老人保健施設の入所者に対する機能訓練につい
  ては、医師、理学療法士若しくは作業療法士又は言語聴覚士 (理学療法士又
  は作業療法士に加えて配置されている場合に限る。) の指導のもとに計画的
  に行うべきことを定めたものであり、特に、訓練の目標を設定し、定期的に
  評価を行うことにより、効果的な機能訓練が行えるようにすること。
   なお、機能訓練は入所者一人について、少なくとも週二回程度行うことと
  する。
   また、その実施は以下の手順により行うこととする。

  イ.医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種の者が共
   同して、入所者ごとのリハビリテーション実施計画を作成すること。
   リハビリテーション実施計画の作成に当たっては、施設サービス計画
   との整合性を図るものとする。なお、リハビリテーション実施計画に
   相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載を
   もってリハビリテーション実施計画の作成に代えることができるもの
   とすること。

  ロ.入所者ごとのリハビリテーション実施計画に従い医師又は医師の指
   示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビリテーシ
   ョンを行うとともに、入所者の状態を定期的に記録すること。

  ハ.入所者ごとのリハビリテーション実施計画の進捗状況を定期的に評
   価し、必要に応じて当該計画を見直すこと。

  ニ.リハビリテーションを行う医師、理学療法士、作業療法士又は言語
   聴覚士が、看護職員、介護職員その他の職種の者に対し、リハビリテ
   ーションの観点から、日常生活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝
   達すること。

 (以下省略)


(資料3) 介護療養型医療施設

(問97) リハビリテーションマネジメント加算が包括化されたことから、リハビリテーション実施計画書は作成しなくてもよいのか。

(答) 理学療法、作業療法、言語聴覚療法、摂食機能療法の実施に当たっては、リハビリテーションの提供に関する実施計画を立てる必要がある。
 なお、今回の介護報酬改定に伴い、特定診療費の解釈通知を改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。

 上記の (答) の文中の 「今回の介護報酬改定に伴い、特定診療費の解釈通知を改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加した」 箇所は、下記の資料4の第二-9-(1)-③を参照下さい。

(資料4) 介護保険最新情報 Vol. 63 (平成21年3月6日) の 別紙5 (特定診療費の
    算定に関する留意事項について) の1~2ページ


第一.(略)

第二.個別項目

 1~8.(略)

 9.リハビリテーション

  (1) 通則

   ①リハビリテーションは、患者の生活機能の改善等を目的とする理学療
    法、作業療法、言語聴覚療法等より構成され、いずれも実用的な日常生
    活における諸活動の自立性の向上を目的として行われるものである。

   ②理学療法、作業療法及び言語聴覚療法は、患者一人につき一日合計四回
    に限り算定し、集団コミュニケーション療法は一日につき三回、摂食機
    能療法は、1日につき1回のみ算定する。

   ③リハビリテーションの実施に当たっては、医師、理学療法士若しくは作
    業療法士又は言語聴覚士 (理学療法士又は作業療法士に加えて配置され
    ている場合に限る。) の指導のもとに計画的に行うべきものであり、特
    に訓練の目標を設定し、定期的に評価を行うことにより、効果的な機能
    訓練が行えるようにすること。また、その実施は以下の手順により行う
    こととする。

    イ.医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種の者
     が共同して、入所者ごとのリハビリテーション実施計画を作成す
     ること。リハビリテーション実施計画の作成に当たっては、施設
     サービス計画との整合性を図るものとする。なお、リハビリテー
     ション実施計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載す
     る場合は、その記載をもってリハビリテーション実施計画の作成
     に代えることができるものとすること。

    ロ.入所者ごとのリハビリテーション実施計画に従い医師又は医師
     の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビ
     リテーションを行うとともに、入所者の状態を定期的に記録する
     こと。

    ハ.入所者ごとのリハビリテーション実施計画の進捗状況を定期的
     に評価し、必要に応じて当該計画を見直すとともに、その内容を
     利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。

    ニ.リハビリテーションを行う医師、理学療法士、作業療法士又は
     言語聴覚士が、看護職員、介護職員その他の職種の者に対し、リ
     ハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点、介護の工夫
     等の情報を伝達すること。

  (以下省略)




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リハマネ加算包括化に伴う 「訪問リハビリ計画の作成」 の留意点

 前々回の当ブログ記事 「厚労省・平成21年度介護報酬改定Q&A (Vol.1) [リハビリ関連]」 において示しました介護保険最新情報 Vol. 69 (平成21年3月23日) 「平成21年4月介護報酬改定関係Q&A (Vol.1) について」 の訪問リハビリテーション関連Q&Aを、下記の資料1に再掲します。

(資料1) 訪問リハビリテーション

(問41) リハビリテーションマネジメント加算が本体加算に包括化されたが、定期的な評価や計画表作成は現在と同頻度必要か。

(答) 定期的評価等については従来通り行う必要がある。
 なお、今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。

 上記の (答) の文中の 「今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加した」 箇所は、下記の資料2の四-3-(3)-⑤を参照下さい。

(資料2) 介護保険最新情報 Vol.65 (平成21年3月13日) 『「介護保険法施行規則の
    一部を改正する省令の施行について」 等の発出について』の別紙1(指定
    居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について) の
    4ページ


四.訪問リハビリテーション

 1・2 (略)

 3.運営に関する基準

  (1)・(2) (略)

  (3) 訪問リハビリテーション計画の作成 (居宅基準第八十一条)

   ①~④ (略)

   ⑤平成二十一年の介護報酬改定においてリハビリマネジメント加算が本体
    報酬に包括化された趣旨を踏まえ、リハビリテーションの実施は以下手
    順を踏まえて行われることが望ましい。

    イ.医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護
     職員その他の職種の者が多職種協同によりリハビリテーションに
     関する解決すべき課題の把握 (以下 「アセスメント」 という。) と
     それに基づく評価を行って訪問リハビリテーション計画の作成を
     行うこと。

    ロ.必要に応じ、介護支援専門員を通して、他の居宅サービス事業
     所のサービス担当者に対してリハビリテーションに関する情報伝
     達 (日常生活上の留意点、介護の工夫等) や連携を図るとともに、
     居宅サービス計画の変更の依頼を行うこと。

    ハ.利用者ごとのリハビリテーション実施計画の進捗状況を定期的
     に評価し、必要に応じて当該計画を見直すとともに、その内容を
     利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。

    ニ.利用を終了する前に、関連スタッフによる終了前リハビリテー
     ションカンファレンスを行うこと。その際、終了後に利用予定の
     居宅介護支援事業所の居宅介護支援専門員や他の居宅サービス事
     業所のサービス担当者等の参加を求めること。

    ホ.利用終了時には、サービス担当者会議等を通じて、居宅介護支
     援事業所の介護支援専門員や利用者の主治の医師に対してリハビ
     リテーションに必要な情報提供を行うこと。

  (4)・(5) (略)




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医療職種の役割分担 「検討の場、設置を」 (医道審議会)

 Japan Medicine (2009/3/23) に、医療職種の役割分担に関する記事が掲載されていますので紹介します。

●医療職種の役割分担 「検討の場、設置を」 医道審8年ぶり開催

 厚生労働省は3月18日、医道審議会を開いた。医道審を開くのは2001年の初会合以来2回目で、昨年から薬剤師分科会が加わり8分科会となった。会長には金澤一郎・日本学術会議会長を選出した。
 同日は、医師と看護職員の役割分担について構成員から意見が集中した。

 相川直樹・慶応大医学部教授は、「将来的には診断・治療行為について、医師が行う行為とそのほかの職種が行うべき行為を柔軟に考えていくべきではないか」 と指摘。
 米国でのナース・プラクティショナー (NP) 制度を紹介し、「医師が忙しいからではなく、各職種で能力のある人が仕事をしていくということだ」 と話した。

 小川秀興・学校法人順天堂理事長も、「少ない数の医師に莫大な業務がのしかかっている。そのうちのいくつかは看護師が担うといった多彩な議論がなされるべきだ」 と主張した。

 金澤会長は、「この問題はきちんと議論したほうがいい」 と話し、医師と他職種の役割分担や看護師の裁量権拡大について検討の場を設置すべきとした。

 一方、井部俊子・聖路加看護大学長は、「看護師の裁量権拡大への抵抗は大きい。聖路加看護大も (NP養成を) 始めようとしているが、保健師助産師看護師法改正の道のりは険しい」 と述べた上で、「裁量権の拡大も必要だが、それによって看護師不足が生じてはならない」 と慎重な姿勢を見せた。

 久常節子・日本看護協会長は 「看護職は介護職との役割分担も課題。他の職種も含め、全体としてどう役割分担を図るか検討する場は必要だろう」 と話した。

 医政局看護課の野村陽子課長は、「約130万人すべての看護職員が裁量権の拡大などに入っていけるのかという問題もある。どのような体制で進めていけるかは検討が必要だ」 と話した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)近年の医師不足 (特に勤務医不足)、地域や診療科間の医療の偏在 (特に救急・産科・小児科医療)、および急性期病院を中心とした働き盛りの勤務医の 「過重負担・疲弊、医療訴訟に対する不安、コンビニ受診問題、モンスター・ペイシェント問題」 等による 「立ち去り型サボタージュ」 等による医療崩壊・病院崩壊に対する一つの解決策として、医療職種の役割分担、医師・看護師・コメディカル等のスキルミクスが注目されています。

(2)医師から看護師・コメディカル等への 「エンパワーメント」 (裁量権の委譲、権限と責任の委譲) については、上記の通り、未だ賛成・反対、推進派・慎重派の意見が錯綜しています。

(3)医療職種の役割分担に関して、厚生労働省は、2007年12月28日医政局長通知 「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」 を発布し、「医師が、自らの専門性を必要とする業務に専念し、効率的な運営ができるよう、各医療機関の実情、責任の所在を明確化した上で、医療関係職、事務職員等の間で役割分担を進める」 というエンパワーメントが些少ながらも行われました。

(4)以前の当ブログ記事 (「医行為のコメディカルへの権限委譲」 厚労省見解) において述べたように、大分県立看護科学大学大学院修士課程で養成している高度実践看護師 (NP:ナース・プラクティショナー) が一定範囲の医行為が行える構造改革特区の申請 (2008/11) に対して、厚生労働省は承認を与えていません。

(5)上記の医道審議会における金澤会長の発言 「医師と他職種の役割分担や看護師の裁量権拡大について検討の場を設置すべき」 は、注目すべき発言であり、近年の医療崩壊・病院崩壊・勤務医崩壊の解決のためのみならず、看護師・コメディカル等の有効活用およびモチベーションアップ・スキルアップ・キャリアアップを推進することによる 「医療の質の向上」・「医療安全管理体制の確立」・「患者さんのQOLの向上」 等のためにも、適切な検討の場で充分議論を尽くして頂きたいと思います。

(6)以上、医療職種の役割分担およびスキルミクスについて論じました。

 矢崎義雄氏 (国立病院機構・理事長) のスキルミクスの定義 「スキルミクスは、医師の裁量権の委譲ということが前提にあって、その上で多職種が専門性を発揮しながら協働して、ベストの選択を行い、効率的に医療を進めていこうというもの。これこそが本来あるべきチーム医療の姿である」 という趣旨のもと、我が国でも、適切なスキルミクスが円滑に導入されることが望まれます。




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厚労省・平成21年度介護報酬改定Q&A (Vol.1) [リハビリ関連]

 介護保険最新情報 Vol. 69 (平成21年3月23日) 「平成21年4月介護報酬改定関係Q&A (Vol.1) について」 のリハビリテーション関連Q&Aは下記の通りです。

●利用者の自己都合 (体調悪化) 等やむを得ず算定要件が満たせなくなった場合で
 も算定可
(別紙1)

 ◎短期集中リハビリテーション実施加算

 ◎リハビリテーションマネジメント加算

 ◎認知症短期集中リハビリテーション実施加算



【訪問看護】 (リハビリテーション関連)

(問37)訪問看護事業所の管理者として保健師及び看護師以外の者をあてることができる場合とは、具体的にどのような場合か。

(答)地域の事情等により、主に理学療法士等により訪問看護が行われ、管理者としてふさわしい保健師、看護師が確保できない等のやむを得ない理由がある場合には、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた理学療法士等をあてることが考えられる。

(問38)理学療法士等の訪問については、訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされてもよいのか。

(答)リハビリテーションのニーズを有する利用者に対し、病院、老人保健施設等が地域に存在しないこと等により訪問リハビリテーションを適切に提供できず、その代替えとしての訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問が過半を占めることもあることから、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定もあると考える。


【訪問リハビリテーション】

(問41)リハビリテーションマネジメント加算が本体加算に包括化されたが、定期的な評価や計画表作成は現在と同頻度必要か。

(答)定期的評価等については従来通り行う必要がある。
 なお、今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。


【通所リハビリテーション】

(問54)病院又は老人保健施設における通所リハビリテーションの従業者の員数について、理学療法士等の配置に関する規定が、「専らリハビリテーションの提供に当たる理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、利用者が百人又はその端数を増すごとに一以上確保されていること」 とされたが、これは、通所リハビリテーションの中でも、リハビリテーションを提供する時間帯において、理学療法士等が利用者に対して100:1いれば良いということか。また、利用者の数が100を下回る場合は、1未満で良いのか。

(答)そのとおりである。
 ただし、利用者の数が、提供時間帯において100を下回る場合であっても1以上を置かなければならない。

(問55)リハビリテーションマネジメント加算は、20単位/日から230単位/月と改定され、月に8回以上の利用が要件となっているが、1ヶ月のケアプランが 「2週間のショートステイと週3回の通所リハビリテーションを2週間」 と設定された場合はリハビリテーションの提供が月8回未満となるが、この場合にあってはリハビリテーションマネジメント加算が全く算定できなくなるのか。

(答)リハビリテーションマネジメント加算は、月に一定程度 (8回) のリハビリテーションを行い、適切にその結果を評価するために設定しており、8回未満の場合は算定できない。
 ただし、通所リハビリテーションの利用開始が月途中からであって、個別リハビリテーション、短期集中リハビリテーション又は認知症短期集中リハビリテーションを行っている場合にあっては、月8回を下回る場合であってもリハビリテーションマネジメント加算を算定することが可能である。

(問56)月8回以上通所リハビリテーションを行っている場合に算定とあるが、週2回以上通所リハビリテーションを行っている場合と解釈してもよいのか。

(答)あくまで月8回以上である。

(問57)理学療法士等体制強化加算について、常勤かつ専従2名以上の配置は通常の通所リハの基準に加えて配置が必要か。
 また、通所リハビリテーションの単位毎の配置が必要となるのか。

(答)居宅基準上求められる配置数を含めて常勤かつ専従2名以上の配置を必要とするもの。


【介護老人保健施設】

(問94)今回リハビリテーションマネジメント加算が本体に包括されたが、週2回の個別リハビリテーションは実施しなくてもよいのか。
 また、リハビリテーション実施計画書の作成は個別リハビリテーションの対象者である短期集中リハビリテーションの対象者だけで良いのか。

(答)老人保健施設については、これまで、入所者一人について、少なくとも週2回の機能訓練を行うことが運営基準 (通知) 上規定されている。
 また、今回の介護報酬改定に伴い、運営基準の解釈通知も改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。

(問96)老人保健施設の短期集中リハビリテーション実施加算を算定後に再度短期集中リハビリテーションを行うことについて、「当該介護保険施設」 でなく、別の老人保健施設であれば3月以内でも算定可能なのか。

(答)短期集中リハビリテーションを実施した老人保健施設と同一法人の老人保健施設では算定できない。(問100の②に該当する場合を除く。)


【介護療養型医療施設】

(問97)リハビリテーションマネジメント加算が包括化されたことから、リハビリテーション実施計画書は作成しなくてもよいのか。

(答)理学療法、作業療法、言語聴覚療法、摂食機能療法の実施に当たっては、リハビリテーションの提供に関する実施計画を立てる必要がある。
 なお、今回の介護報酬改定に伴い、特定診療費の解釈通知を改正し、リハビリテーション実施に当たっての留意点を追加したところであるので、参照されたい。

(問98)集団コミュニケーション療法について、算定要件に 「常勤かつ専従の言語聴覚士」 の配置とあるが、この際の言語聴覚士は、他病棟も兼務した言語聴覚士では算定できないのか。

(答)専ら集団コミュニケーション療法を提供する時間帯に勤務する言語聴覚士を配置すれば足りる。


【介護老人保健施設・介護療養型医療施設】

(問100)入退院や転棟を繰り返している場合の短期集中リハビリテーション実施加算の算定はどうなるのか。

(答)同一の老人保健施設や介護療養型医療施設に再入所 (院) した場合、退所 (院) 日から3ヶ月経過していなければ再算定できない。
 ただし、別の施設・医療機関等に入所 (院) した場合は、この限りではない。
 なお、

①短期集中リハビリテーション実施加算の算定途中に別の医療機関に入院したため、退所 (院) となった後に同一の施設に再入所した場合、再入所時には、短期集中リハビリテーション実施加算を算定すべきだった3ヶ月の残りの期間については、短期集中リハビリテーション実施加算を再算定することができる。

②短期集中リハ算定途中又は終了後3ヶ月に満たない期間に4週間以上の入院後に同一の施設に再入所した場合であって、短期集中リハビリテーションの必要性が認められる者に限り、短期集中リハビリテーション実施加算を再度算定することができる。

(※)各リハビリテーション関係サービスの加算に係る実施時間、内容等については、別紙1のとおり整理したところであるので、ご参照されたい。


【認知症短期集中リハビリテーション実施加算】

(問103)認知症短期集中リハビリテーション実施加算については、「過去三月の間に、当該リハビリテーション加算を算定していない場合に限り算定できる」 とされているが、次の例の場合は算定可能か。

(例1)A老健にて3ヶ月入所し、認知症短期集中リハビリテーションを施行した後、B老健に入所した場合のB老健における算定の可否。

(例2)A老健にて3ヶ月入所し、認知症短期集中リハビリテーションを施行した後、退所し、B通所リハビリテーション事業所の利用を開始した場合のB通所リハビリテーション事業所における算定の可否。


(答)例1の場合は算定できない。
 例2の場合は算定可能であるが、A老健とB通所リハビリテーション事業所が同一法人である場合の扱いについては問104を参照されたい。

(問104)3月間の認知症短期集中リハビリテーションを行った後に、引き続き同一法人の他のサービスにおいて認知症短期集中リハビリテーションを実施した場合、算定は可能か。

(答)同一法人の他のサービスにおいて実施した場合は算定できない。

(問105)3月間の実施期間中に入院等のために中断があり、再び同一事業所の利用を開始した場合、実施は可能か。

(答)同一事業所の利用を再開した場合において、介護老人保健施設、介護療養型医療施設においては前回入所 (院) した日から起算して3月、通所リハビリテーションにおいては前回退院 (所) 日又は前回利用開始日から起算して3月以内に限り算定できる。但し、中断前とは異なる事業所で中断前と同じサービスの利用を開始した場合においては、当該利用者が過去3月の間に、当該リハビリテーション加算を算定していない場合に限り算定できる。

(問106)一般の短期集中リハビリテーション実施加算は認定日が起算日となっているが、本加算制度の起算日を退院(所)日又は利用開始日とした理由如何。

(答)認知症、特にアルツハイマー病等の変性疾患においては発症時期が明確ではないことが多く、今回改定において軽度の認知症だけではなく、中等度から重度の認知症も対象に含めたため、起算日を認定日ではなく、利用開始日とした。

(問107)通所開始日が平成21年4月1日以前の場合の算定対象日如何。

(答)平成21年4月1日以前の通所を開始した日を起算日とした3ヶ月間のうち、当該4月1日以降に実施した認知症短期集中リハビリテーションが加算対象となる。

(例)3月15日から通所を開始した場合、4月1日から6月14日までの間に、本加算制度の要件を満たすリハビリテーションを行った場合に加算対象となる。

(問108)認知症短期集中リハビリテーション実施加算の要件である 「認知症に対するリハビリテーションに関わる専門的な研修を終了した医師」 の研修とは具体的に何か。

(答)認知症に対するリハビリテーションに関する知識・技術を習得することを目的とし、認知症の診断、治療及び認知症に対するリハビリテーションの効果的な実践方法に関する一貫したプログラムを含む研修である必要がある。
 例えば、全国老人保健施設協会が主催する 「認知症短期集中リハビリテーション研修」、日本慢性期医療協会、日本リハビリテーション病院・施設協会及び全国老人デイ・ケア連絡協議会が主催する 「認知症短期集中リハビリテーション医師研修会」 が該当すると考えている。
 また、認知症診療に習熟し、かかりつけ医への助言、連携の推進等、地域の認知症医療体制構築を担う医
師の養成を目的として、都道府県等が実施する 「認知症サポート医養成研修」 修了者も本加算の要件を満たすものと考えている。

(※)各リハビリテーション関係サービスの加算に係る実施時間、内容等については別紙1のとおり整理したところであるので、ご参照されたい。




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平成21年度介護報酬改定Q&A (広島県) [訪問リハ・通所リハ]

 「介護情報ひろしま」 のホームページ上の 「平成21年度介護報酬改定資料」 の項にアップロードされている 「介護報酬改定Q&A (2009/3/18現在)」 の訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションに関係するQ&Aは下記の通りです。

(1)訪問リハビリテーション (短期集中リハビリテーション実施加算)

Q.解釈通知に算定要件として、「1週につき概ね2回以上、1日当たり40分以上」 とあるが、1日の中で40分を4回に分けて10分づつ実施した場合算定可能か。
 H21.2.19の課長会議の資料に 「1回40分以上」 とあるが誤りか。

A.算定可能。
 何回かに分けてリハビリを実施した場合、全体で40分以上であれば算定要件を満たす。
 課長資料に 「1回40分以上」 とあるのは 「1日40分以上」 が正しい。


(2)通所リハビリテーション [報酬 (1時間以上2時間未満)]

Q.看護師等がサービス提供する場合、算定要件に 「定期的に適切な研修を修了している・・・」 とあるが、この研修は事業所の定期的な研修と考えてよいか。

A.「研修」 とは、運動器リハビリテーションに関する理論、評価法等に関する基本的内容を含む研修会であって、関係学会等により開催されているものを示す。
 具体的には、①日本運動器リハビリテーション学会の行う運動器リハビリテーションセラピスト研修、②全国病院理学療法協会の行う運動療法機能訓練技能講習会が該当するものである。


(3)通所リハビリテーション (リハビリテーションマネジメント加算)

Q.本人の体調不良等も含めた諸事情により月8回以上を満たさない場合の算定はどうか。

A.利用者側の理由により月8回を下回った場合は、算定することは可能。
 但し、日にちを変更するなど月8回以上実施できるよう努められたい。


(註記)
 このQ&Aは、平成21年2月19日開催の全国会議において厚生労働省から示された基準・解釈等の案や口頭説明、電話照会による回答、その他の情報を県でまとめたものです。
 この内容は、今後訂正される可能性があります。また、厚生労働省からは後日、正式に解釈通知及びQ&Aが通知される予定です。





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救急トリアージにおける限界ならびに陥穽

(1)トリアージ (triage) は、人材・資源の制約の著しい災害医療等において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定することです。
 フランス語の 「triage (選別)」 が語源です。

(2)救急トリアージには、下記のような例が挙げられます。

 (a) 事故や災害等にて複数の傷病者が生じた場合の救急隊による救急トリアージ

 (b) 救急外来や時間外外来に、「walk-in (独歩来院・自力来院)」 で受診した複数
  の患者に対して看護師または研修医が行う救急トリアージ


(3)救急トリアージ、特に大事故・大災害にて多数の傷病者が発生した場合のトリアージの際には、トリアージ・タグが使用されます。
 
(a) 黒 (black tag):カテゴリー0
 ◎死亡、もしくは救命に現況以上の救命資機材・人員を必要とし救命不可能な
  もの

(b) 赤 (red tag):カテゴリーⅠ
 ◎生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置が必要で救命の可能性があるもの

(c) 黄 (yellow tag):カテゴリーⅡ
 ◎今すぐに生命に関わる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要なもの

(d) 緑 (green tag):カテゴリーⅢ
 ◎救急での搬送の必要がない軽症なもの

(4)トリアージ時、救助者に対し傷病者の数が特に多い場合に対し、判定基準を出来るだけ客観的かつ簡素にしたものが下記のようなSTART法 (Simple triage and rapid treatment) です。
 
(a) 歩けるか?
  (1) 歩ける→緑→状態の悪化がないか絶えず観察。
  (2) 歩けない→下記 (b) へ。

(b) 呼吸をしているか?
  (1) 気道確保なしで十分な呼吸が出来る→黄
  (2) 気道確保がなければ呼吸できない→
  (3) 気道確保をしても、呼吸がない→黒
  (4) 呼吸はあるが頻呼吸または徐呼吸である→下記 (c) へ。

(c) ショック症状はないか?
  (1) ショックの兆候がある→
  (2) ショックの兆候無し→黄

 小規模の災害なら 「赤」 になる例でも、START法では 「黒」 になってしまう事が多くなりますが、これは (現場に混乱を来してしまうほどの) 大規模災害のために考え出されたものです。
 また、この方式は腹膜刺激症状やクラッシュ症候群などの病態を無視しており、追って詳細な状態観察とトリアージが継続される事を前提としています。

(5)これまでの救急トリアージ事例で問題になったものの一つは、上記(2)-(a) の場合に成された 「黒」 タグ付与 (下記参照) についてです。

 (a) 死亡診断の出来ない (死亡判定を下す事が許されない) 救急救命士には、トリ
  アージで 「黒」 タグを付ける決断が難しい、および、心理的な負担が医療関係
  者以上に大きい。

 (b) 「黒」 タグを付けられ亡くなった方の遺族において、「見殺しにされた」 という
  感情を抱く場合がある。

(6)一方、別の大きな問題として、当初、意識清明・会話OK・バイタルサインOKの方が、しばらくの後に、突然、ショック状態あるいは心肺停止に陥る事態 (下記参照) が挙げられます。

 (a) 腹部打撲→緩徐出血性の腹腔内出血 (特に、明らかな腹部挫傷が見られない
  場合に見落とされがち)→出血性ショック

 (b) 肝刺創による緩徐出血性の腹腔内出血→出血性ショック

 (c) 骨盤骨折に伴う内腸骨動脈損傷・後腹膜出血 (出血源は骨盤静脈叢や仙骨静
  脈叢であることが多く、ショックが遅れて出現する)→出血性ショック

 (d) 外傷性心タンポナーデ

 (e) 脳内出血、急性硬膜外血腫・急性硬膜下血腫 [lucid inteval (意識清明期) に、
  トリアージが行われた場合]

 (f) その他

 上記のような方は、上記(2)-(a) の場合、「黄」 タグあるいは 「緑」 タグが付けられます。また、上記(2)-(b) の場合には、病院での治療が後回しにされます。

 そして、そのような方に対する再トリアージまたは頻回のトリアージによる判定が成されないと、上記のような重篤な事態が生じます。

 このような場合、事例によっては、訴訟にまで至る可能性があります。
 しかしながら、再トリアージまたは頻回のトリアージを行えるだけの充分な数の救急隊員あるいは医療スタッフが確保されていればいいのですが、現実は厳しいものがあります。

 したがって、現実的には、初回トリアージ時が勝負の分かれ目で、バイタルサインのみならず、入念な体表面の観察、受傷機転を充分考慮した上での高度な判断が必要と考えられ、トリアージ行為を行う機会が多い救急隊員・看護師・研修医のスキルアップが肝要と思われます。 (トリアージ・スキルには限界があるとは思いますが・・・)。

(7)以上、救急トリアージにおける限界ならびに陥穽について論じました。

 上記(6)のように、症例によっては、救急トリアージには限界あるいは陥穽がありますので、救急トリアージ・ミスがあった場合でも、当事者を悩ます訴訟提起が成されないように (あるいは救急からの立ち去り型サボタージュが生じないように)、「産科医療における無過失補償制度」 のような制度の導入が必要と考えられます。

 また、上述のように、救急隊による救急トリアージには不確実性および限界があるため、救急医療体制における 「救急患者のたらい回し (本当は、救急患者の情報のたらい回し)」・「救急医療機関の受け入れ不能・受け入れ困難」 の問題の方を解決しなければならないと考えられます。
 救急隊が 「赤」 タグつけても、搬送先の病院が見つからなければお手上げですし、仮に結果的に間違って 「黄」 タグをつけても、すぐに病院に搬送できれば、急変が生じても病院で対処できます。

 最近、少し風向きが変わり、医療費増の方向にベクトルが変わったようですが、「医療亡国論」・「小泉竹中構造改革」・「財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義)」 によるこれまでの大幅な医療費削減による 「医療崩壊・医療破壊」 ・「救急医療崩壊・救急医療破壊」 の現状 (惨状) を、「医療再建・医療再生」・「救急医療再建・救急医療再生」 させるには、いまだ道遠しであり、短期的には、医師・看護師等のマンパワーを地域拠点病院・救命救急センターに集約化して、「絶対断らない」 救急医療機関を作るべきと思われます。

 しかしながら、救急医療においては、「勤務医の過重労働と疲弊」・「コンビニ受診」・「医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安」 等の問題が山積しており、現状では、「絶対断らない」 救急医療機関も机上の空論かもしれません。

【追記】
 「勤務医 開業つれづれ日記・2」 ブログの記事 (「緑」 と判定された人が腹を立て・・・『「トリアージ』進まぬ周知 災害、事故時の治療優先順位付け 医師 「人命救助 協力を」』) において、

 (1) 2005年の福岡沖地震では、福岡市内の病院でトリアージが行われたが、「緑」
  と判定された人が腹を立て、札をちぎり、再び判定を求めるケース
もあった。
  判定に従わない負傷者が増えれば混乱は避けられず、市民への周知は欠かせな
  い。だが、現状では医療者でさえ正確に理解していないこともあるという。

 (2) 大分県内の医療者や消防職員向けに毎月、学習会を開く玉井医師は、市民向
  けの啓発は今後の課題と指摘する。ただ 「周知しすぎると、負傷者が重傷を装
  って『演技』する恐れもあって悩ましい」
とも打ち明ける。

という新聞記事を引用して、「民度が低いとこうなります。トリアージも、みんなで札を引きちぎられたら意味ないです」 と警鐘を鳴らされています。

 したがって、救急トリアージにおいては、上記のような陥穽も考慮せざるを得ず、益々、複雑化・困難化にて、当該スタッフの負担増大に繋がると思われます。




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医療機関の生き残り (勝ち残り) のためのマーケティング活動

 週刊医学界新聞 (第2822号:2009/3/16) に掲載されている興味深い記事 [医長のためのビジネス塾 (井村洋・飯塚病院総合診療科部長) 「第2回:マーケティング (1) マーケティングって何?」] において、医療機関において重要と思われる点について論じます。

(1)マーケティングとは、「特定市場 (顧客) のニーズを理解して、売れる仕組みをつくること」 であり、マーケティングの本質は 「顧客と企業を双方向的につなぐもの」 である。

(2)医療機関におけるマーケティングは、「患者のニーズを理解して、納得できる医療 (診療) の仕組みをつくること」。即ち、「Patient Centered Care」 そのものである。

(3)マーケティングの神様的存在である米国のフィリップ・コトラー教授の 「人々が求めているものは何か、自社は何を提供するべきか、その答えをあらかじめ探るのが、マーケティングである」 というコメントには医療に通じるものがある。

(4)セリング (売り込む方法) ではなく、マーケティング (売れる仕組みづくり) が重要。

 (a) 「作れば売れる」 時代から、「求められているものを発見 (創造) し、顧客
  にとって価値のあるものを継続して提供する」 時代への変化。

 (b) 医療機関も、「○○科があります。必要ならば受診してください」 という
  姿勢から、「○○でお困りのときには、○○を行っています。○○には特
  に力を入れています。相談してください」
という姿勢に change する必要
  有り。

 各医療機関のホームページにも、上記のようなマーケティング的発想の表記・記載が重要。

(5)有効なマーケティング活動には、企業理念 (存在意義) やビジョン (将来像) に基づいて,企業の大きな方針や目標が成立していることが肝要である。

(6)医療機関における有効なマーケティング活動には、当該医療機関の理念 (存在意義) やビジョン (将来像) に基づいて,当該医療機関の大きな方針や目標が成立していることが肝要である。

(7)地域医療における医療活動のマーケティング活動は、「地域住民・患者のニーズを理解して、納得できる医療 (診療) の仕組みをつくること」 である。

(8)医療機関におけるインターナル・マーケティング (組織内部の雇用者に対して雇用者満足の向上を目的にしたもの) は、「医療機関における各部署の医療スタッフのニーズを理解して、スタッフたちが充実して働ける職場環境づくりの提供の仕組みをつくること」 である。

(9)以上、医療機関のマーケティング活動について論じました。

 医療機関の生き残り (勝ち残り) には、有効なマーケティング活動が必要と考えられ、そのためには、当該医療機関の理念・使命・ビジョン・戦略がしっかりしており、かつ、それが、経営サイドと医療スタッフサイドとで共有されていなければならないと考えられます。

 また、CS (顧客満足)・PS (患者満足) ならびに ES (従業員満足、スタッフ満足) が重要と考えられ、経営サイドとしては、「ESが不充分であれば、PSも不充分となる」 という考え方に立った医療経営が肝要と思われます。




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多田富雄の落葉隻語 目に付く 「李下に冠」

 以前の当ブログ記事 『脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄氏)』にて紹介した、免疫学の世界的権威であり、また、脳梗塞による重度後遺症の御身で、卓越した情報発信力・揺るぎない信念にて厚生労働省の 「リハビリテーション算定日数制限問題」 等の理不尽な政策を糾弾してこられた多田富雄・東京大名誉教授が、読売新聞 (多田富雄の落葉隻語 目に付く 「李下に冠」) に辛辣な文章を寄稿されています。
 
●多田富雄の落葉隻語 目に付く 「李下に冠」 (読売新聞 2009/3/18)

 「李下に冠を正さず」。他人の嫌疑を受けやすい行為は避けるようにせよの意 (広辞苑)。

 このごろ 「何歳になっても入れます」 という医療保険のコマーシャルがやけに多くなっているとは思いませんか。テレビをつけると、いやでもそんな声が耳につく。

 話は2001年の小泉内閣の規制緩和に遡 (さかのぼ) る。いち早く保険業の規制が大幅に緩和されて、医療保険やがん保険が急速に拡大した。しかしその裏では、社会保障分野の予算が、年間2,200億円も抑制されることが了承された。

 もちろん備えあれば憂いなし。医療保険に入っておくことは、このご時世身を守るのに大切なことである。

 しかしこの規制緩和が国会を通過すると、やがて後期高齢者医療制度が強行採決され、老人の医療費削減が行われる下地ができた。病気の 「自己責任論」 まで囁 (ささや) かれ、公的保険の医療給付が制限されるレールが敷かれた。60歳でも70歳でも入れる、アメリカ型の医療保険の需要は拡大した。それに加入して、成人病の治療は自己責任でやりなさいと、公的保険の給付を制限する口実ができた。

 この保険業の自由化をいち早く推進したのは、オリックス会長が議長を務めた、小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議だったとは、ちょっと出来すぎだとは思いませんか。この会議では、従来認められていなかった混合診療を解禁し、国民皆保険を揺るがすような議論がなされた。民間の医療保険商品を売り出すチャンスが着々と作られたのである。

 後期高齢者医療制度の発足に伴う、民間医療保険の需要を見越して、いち早く保険業の規制緩和を図ったという意見もある。シナリオはこのころから用意されていたのである。

 「かんぽの宿」 の一括売却についての問題が、新聞を賑 (にぎ) わしているが、鳩山総務大臣は 「李下に冠を正さず」 と批判した。シナリオの始まりは、ここでも規制改革・民間開放推進会議からである。その議長の系列会社のオリックス不動産が安値で買うのは、どうしても疑念を招く。そんなのは下司 (げす) の勘ぐりといわれようが、疑念というものはそんなものだ。

 もうひとつの例は、私の関係してきたリハビリ日数制限に関する疑惑である。06年4月から脳卒中患者のリハビリは、発病後180日までと制限された。その結果、180日で回復できなかった患者の機能が、急速に悪化した例が多発した。命綱と頼んだリハビリを打ち切られて、命を落とした人さえあった。慢性期、維持期の患者が犠牲にされた。

 この理不尽な制度を作った厚労省は、「効果のはっきりしないリハビリが漫然と続けられている」 と、高齢者リハビリ研究会の指摘があったというが、そんな指摘は議事録にはなかった。むしろ、この制度を擁護し続けたのは、厚労省寄りの 「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会」 の会長であった。

 維持期のリハビリ打ち切りは、もっと早期に行われる回復期リハビリを充実させる政策とセットになっていた。回復期のリハビリを充実させることには、誰も異論はないが、その代償として、維持期、慢性期患者のリハビリ治療を犠牲にするのはあまりにも残酷である。それに回復期リハビリ病院の理事長が、自分の利益となる改定の擁護をしているのは、どうしても疑惑を招く。

 その証拠に、制度発足から3年後の今、重度の維持期の患者が、リハビリ難民として苦しんでいるのに対して、回復期の患者を選択的に入院させる回復期リハビリ病院は繁栄を誇っている。難民となった維持期患者の医療費は、そっくり回復期の病院に回っている。利益誘導の疑念を持たれても仕方がない。

 この当事者にも、「李下に冠を正さず」 という言葉をささげたい。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記のように、多田名誉教授が、「李下に冠を正さず」 (他人の嫌疑を受けやすい行為は避けるようにせよの意:広辞苑) というキーワードで、のっけからフルスロットルにて、社会保障費の毎年2,200億円の抑制を初めとした小泉竹中構造改革の負の遺産 (特に、格差社会、医療崩壊、自己責任論、社会保障等のセーフティネットの破壊) を切り捨てています。

(2)米国・外資の圧力による規制緩和により、民間医療保険があっという間にのさばりました。一方、その裏で、あるいは、そのために、後期高齢者医療制度の導入 (与党の強行採決) 等による 「公的医療保険の医療給付の抑制・制限」 が敢行されました。

 結局、米国・外資は潤っていますが、逆に日本国民に大きなしわ寄せが来て、医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民等が生じています。

(3)本来、構造改革の真の目的は、「国民の血税に巣食う政官業癒着の既得権益構造の破壊」 ですが、「民間医療保険の拡大」・「日本郵政の宿泊保養施設 (かんぽの宿) の一括売却問題」・「日本郵政の旧日本郵政公社時代の不動産売却問題」 等により、(既得権益の廃止のはずが)、「既得権益が、ある特定のグループに移転しただけ」 という構図が表面化しました。

(4)多田名誉教授は、上記(3)の 「ある特定のグループ」 に対して、「李下に冠を正さず」 と断罪しています。

 また、このグループを野放しにすると、混合診療や保険免責制等を導入して、国民皆保険を揺るがす危険性があると警鐘を鳴らしています。

(5)一方、多田名誉教授の怒りは、リハビリテーション算定日数制限とそれにまつわる 「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会長」 疑惑にも及び、「李下に冠を正さず」 と断罪しています。

 この件に関して、当ブログ管理人は、リハビリテーション関係者として、「診療報酬における回復期リハビリテーション病棟の導入」 は、リハビリテーション医療の発展に貢献したと評価しています。
 但し、成果主義の導入は時期尚早であり、「患者選別」 等にて、かえってリハビリテーション医療を混乱させていると思っています。

 「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会長」 疑惑に対する多田名誉教授の怒りは、うなずける点もあり、当事者には 「透明性と説明責任」 を充分果たす必要があると考えられます。

(6)以上、『多田富雄の落葉隻語 目に付く 「李下に冠」』 について論じました。

 我々リハビリテーション・スタッフは、「李下に冠を正さず」 の精神のもと、患者さん・障害のある方・介護サービス利用者等の信頼を裏切らないよう、誠実に行動すべきと痛感させられました。




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社会保障費抑制は困難 財政審会長、見直しに言及

 共同通信 「47ニュース」 (2009/3/17) に、社会保障費抑制問題に関する興味深い記事 (「社会保障費抑制は困難 財政審会長、見直しに言及」) が掲載されていますので紹介します。

●社会保障費抑制は困難 財政審会長、見直しに言及

①財政制度等審議会 (財務相の諮問機関) の西室泰三会長は17日の記者会見で、社会保障費を毎年度2,200億円抑制する政府の方針について 「杓子定規な考えはとりにくい」 と述べ、見直しの必要性に初めて言及した。

 サービスを維持するには抑制は困難と認め、経済成長の観点からも社会保障分野に積極的に投資すべきだとの認識を示した。
 抑制方針見直しは財政審の合意ではないと強調したが、今後の予算編成論議に影響を与えそうだ。

②社会保障費の高齢化に伴う伸びを2,200億円圧縮する方針は、小泉政権時代の2006年の 「骨太の方針」 に盛り込まれた歳出削減路線の象徴。地方での医療崩壊などを背景に与野党で反発が強く、09年度予算案では実質的に230億円の抑制にとどまっていた。

③西室会長は、政府、与党が検討している追加経済対策で取り組むべき分野として医療、介護、少子化対策などを挙げ、重点的な財政出動を求めた。

④追加対策の財源としては 「霞が関の埋蔵金」 といわれる財政投融資特別会計の積立金をさらに取り崩すことを選択肢に挙げつつ、国債の増発を容認する姿勢も示した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①・②の通り、医療費亡国論、小泉竹中構造改革 [2006年の骨太の方針に基づく、5年間で1兆1千億円 (毎年度2,200億円) の社会保障費の抑制]、膨大な財政赤字 (財務省をはじめとした官僚および与党議員等が何ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政再建至上主義 (財政再建原理主義) 等により、 「医療費抑制・医師不足による医療崩壊・医療破壊 (特に、勤務医・病院)」 が生じました。

(2)最近は、上記(1)の医療崩壊問題の表面化に伴い、少し風向きが変わり、「毎年度2,200億円の社会保障費抑制は限界」 という言葉を、野党議員のみならず、与党議員や舛添厚生労働大臣まで、口にするようになりました。

(3)上記①の通り、今回、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の会長が、「毎年度2,200億円の社会保障費抑制の政府方針」 に対する見直しの必要性に言及したことは、(同会長が、抑制方針見直しは財政審の合意ではないとは強調していますが)、今後の予算編成論議に大きな影響を与えることが見込まれ、社会保障機能の強化にとっては追い風と考えられます。

(4)また、上記①・③の通り、これまでの医療費亡国論・社会保障費亡国論 (医療費や社会保障費はコストである) から、医療費立国論・社会保障費立国論 (医療・介護等の社会保障は雇用創出効果や経済波及効果が高い) への発想の転換が、今般、強調されるようになってきています。

(5)但し、問題は、財源であり、上記④の通り、「霞が関の埋蔵金」・「国債の増発」 が挙げられていますが、本丸は、財務省の悲願の 「消費税増税」 です。(社会保障国民会議も、社会保障機能の強化の財源を、消費税増税を前提にしていますが・・・)。

 しかしながら、以前の当ブログ記事で何回も述べていますが (下記の関連記事参照)、「消費税増税」 を行う前に、「充分な景気回復、税制の抜本的改革、膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、道路特定財源の完全なる一般財源化、年金問題の早期完全解決」 等を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られないと思われます。

(6)以上、財制審会長の社会保障費抑制見直し発言について論じました。

 上述の会長発言は財政審の合意ではなく、また、財務省の抵抗も強い (あるいは、狡猾にも消費税増税の口実に使う) ことが予想されるため、社会保障機能の強化のためにも、今後の予算編成論議を注視する必要があると考えられます。

【関連記事】
 ◎健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)
 ◎医療関係者・組織に対する国民の信頼感 (日本医療政策機構)
 ◎医療政策サミット2009 (日本医療政策機構)
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)
 ◎医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)
 ◎医療・介護の機能強化 (2012年度診療・介護報酬同時改定で体制構築)
 ◎「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種




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脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄氏)

 朝日新聞 (2009/3/2) の 「私の視点」 に、免疫学の世界的権威であり、また、脳梗塞による重度後遺症の御身で、卓越した情報発信力・揺るぎない信念にて厚生労働省の 「リハビリテーション算定日数制限問題」 等の理不尽な政策を糾弾してこられた多田富雄・東京大名誉教授の鬼気迫る文章が掲載されています。

●脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄・東京大名誉教授)

 後遺症で身動きもままならないのに、入院中の病院から出ていってくれといわれた患者。転院を迫られても引き受けるところが見つからない重症者。帰るに帰れない事情を背負ったまひ患者。リハビリを打ち切られて極度に機能が落ちた重度の障害をもつ者。

 声を上げることができない脳卒中の患者が、行政から見放されている。「医療の効率化」 の名の下に重症者が選別され、国から見捨てられた棄民と化している。

 ウソだと思う人もいるだろうが、日本リハビリテーション医学会の最近のアンケートで、回復期リハビリ病棟の専門医の約2割が 「患者を実際に選別している」 と認め、約半数の医師が 「その可能性がある」 と答えているのだ。選別しなければ病院の経営が成り立たないような制度が相次いで施行されたためである。私の周囲でも、悲惨な患者の例を頻々と耳にするようになったのである。

 私は2001年に重症の脳梗塞になり、いまだに言葉を発することも、歩くこともできない。しかしリハビリ訓練を続けたおかげで。かろうじて社会復帰をしている。

 しかし、リハビリをめぐる状況は、この3年で急速に悪化している。

 発端は2006年の診療報酬改定である。政府は、超高齢化社会に対応して社会保障費を増やすどころか削減し、脳卒中のため障害を負った患者のリハビリ医療を、発症から起算して最高180日に制限した。これを機に、脳卒中患者の苦しみは、日を追って絶望的なものになった。

 日数制限の撤廃を求める署名は48万人に達したが、厚生労働省はそれを握りつぶし、翌07年の異例の再改定では、心筋梗塞などごく一部を日数制限から外して、緩和したように見せかけただけだった。

 逆に、日数を超えてリハビリを続ければ、病院には低い診療報酬しか支払われないようになり、慢性期の脳卒中患者のリハビリ継続はますます難しくなった。ことに救急車では込み込まれた重症の患者は、発症日から60日以後は回復リハビリ病棟に移ることもできなくなり、リハビリを始めることさえできない。初めから回復のチャンスが奪われてしまったのである。

 さらに、2008年10月からは治療結果による病院の”懲罰制”まで導入された。回復期リハビリ病棟に入院後180日以内に自宅やそれに準ずる施設に退院した患者が6割を超えないと、病院に支払われる報酬が大幅に減額される。病院はノルマを達成するために、治療途中の患者を自宅に帰さなければならない。そのためリハビリの期間は短くなり、治療半ばで中止させられる例も多い。中には点滴の管をつけたまま、自宅に退院させられる患者まで現れた。退院しても 「老老介護」 では、通院治療もままならない。

 そのうえ、慢性期のリハビリは介護保険のデイケアでやれといって、退院後の機能回復の機会を奪った。リハビリは患者の個別性に応じて行う専門的な医療であり、介護施設のデイケアなどでは対処できるものではないのだ。

 改善が目に見えないからといってリハビリを続けなければ致命的な機能低下が起こることを無視した日数制限の結果、寝たきりになった人が幾人いることか。残った機能の維持こそ命を救い社会復帰させる医療なのに。

 リハビリは単なる機能回復の訓練ではなく、社会復帰を含めた人間の尊厳を回復する医療なのである。患者や医師、リハビリ施設の職員たちから苦悩の声があがっても、厚労省は言を左右に、医師や病院の責任にして自分たちの非を認めない。脳卒中患者を抜き打ち的に狙った迫害、としか言いようがない。

 相次いだ制度の改悪によって、脳卒中の治療に熱心だった病院の収入は減り、重症の患者は初めから受け入れない傾向が生じた。そしてついには、最初に述べた患者の選別までが起こったのだ。

 これが 「文明国」 と称する日本の現状である。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 と定めた憲法25条は、脳卒中患者には当てはまらないとでもいうのだろうか。

 リハビリをすれば社会復帰できたのに、寝たきりになった患者の人権はどうなるのか。最後の命綱を断ち切られて、命を落とした人に涙を注がないのか。この日本で、難民ではなく医療を奪われた棄民が発生したのだ。

 リハビリ医療の度重なる制度改悪は、最弱者である患者の最後の希望を打ち砕き、医師や療法士のやる気をなえさせ、病院を疲弊させた。

 医療は崩壊ではなく、破壊されたのだ。

 最弱者を狙い撃ちにするような非人間的な制度は、即刻撤廃するべきである。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)多田名誉教授は、下記のような現在の医療行政の失政および医療制度改悪について鋭く指摘されています。

 (a) 医療費亡国論、小泉竹中構造改革、膨大な財政赤字 (官僚・与党議員等が何
  ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政
  再建至上主義 (財政再建原理主義) 等による 「医療費抑制・医師不足による医
  療崩壊・医療破壊 (特に、勤務医・病院)」


 (b) 「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点」 より、「財政再建の視
  点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生
  労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視
  点・市町村の視点」 等の方を重視してきた厚生労働省

 (c) 平均在院日数の呪縛

 (d) 2006年の診療報酬改定で導入された 「リハビリテーション算定日数制限」
  よび厚生労働省の見せかけの緩和策

 (e) 医療保険において、リハビリテーションを継続することにより 「状態の改善」
  が得られる場合しか算定を認めない厚生労働省
   (*) 「状態の維持」 および 「状態の低下傾向の可能な限りの抑制」 も重要であ
   り、このことは、症例によっては、「状態の改善」 と同等あるいはそれ以
   上に難しいタスクです。したがって、介護保険リハビリテーションでは
   困難 (平成21年度介護報酬改定で導入される短時間通所リハビリテーショ
   ンでも困難) であり、医療保険での集中的かつ濃厚なリハビリテーション
   が必要な場合が少なくありません。

 (f) 2008年10月に導入された 「障害者病棟からの脳卒中患者・認知症患者の排除」

 (g) 量的・質的に不充分な回復期リハビリテーション病棟、発症・手術・損傷か
  ら同病棟入院までの期間の制限 [2ヵ月以内 (一部、1ヵ月以内)] 、2008年10
  月から導入された 「患者選別」 を強要する同病棟への成果主義 [在宅復帰率等
  のアウトカム評価 (通常の成果主義は、プロセス評価が主)]

 (h) 医療療養病床の理不尽な医療区分の問題・不充分な診療報酬の問題

 (i) 量的・質的に不充分かつ経営的に不安定な介護保険施設

 (j) 不充分な在宅ケア体制

 (k) 要介護度の軽度化、介護給付費の抑制、老老介護・介護殺人・介護自殺・孤
  独死等の介護保険の構造的問題 (含、本来の理念 「介護の社会化」 の空疎化)

(2)我々リハビリテーション関係者も、多田名誉教授の忸怩たる思いと腹の底からの叫び・主張・提言を、真摯に受け止め、自らの力不足・努力不足・認識不足・行政へのアピール不足・厚生労働省の分断作戦によるリハビリテーション関連団体の分断・分裂等を深く反省しなければならないと思います。

(3)リハビリテーション (特に、診療報酬・介護報酬) において、下記のように、立場が違うと、それぞれの思惑が大分異なります。

 (a) リハビリテーション関連団体
  (1) 整形外科関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本
    運動器リハビリテーション学会)、
  (2) 日本呼吸器学会・日本呼吸ケアリハビリテーション学会
  (3) 日本心臓リハビリテーション学会
  (4) リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会・日本
    リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業
    療法士協会、日本言語聴覚士協会)

 (b) 各リハビリテーション・ステージ (急性期、回復期、維持期)

 (c) 各診療科 (整形外科、内科、小児科、脳神経外科・神経内科、呼吸器内科・呼
  吸器外科、循環器内科・心臓血管外科、リハビリテーション科、等)

 (d) 各職種 (医師、PT、OT、ST、あん摩マッサージ指圧師、看護師、准看護
  師、柔道整復師)

 (e) 医療機関 (大学病院等特定機能病院、大病院、中小病院、診療所。総合病院、
  専門病院、等)

 (f) 医療保険 [医療機関、(施術所、治療院、鍼灸院、鍼灸マッサージ院、整骨院、
  接骨院)]、介護保険 (介護保険施設・居宅サービス事業所)、障害者自立支援法

 (g) 民間医療機関、公的医療機関

(4)上記(3)の立場の違い・思惑の違いにつけ込んで、厚生労働省は分断作戦を敢行し、勝利を収めてきました。そしてそれが、多田名誉教授が嘆かれている診療報酬改悪・介護報酬改悪・医療制度改悪に繋がってきました。

 したがって、我々リハビリテーション関係者は、リハビリテーションの理念の原点に戻り、上記(3)の様々な立場を超えて、足並みを揃え、「患者さん・障害のある方」 の視点に立った行動をとり、以て、我々の使命・責務を果たす必要があると思います。
 また、リハビリテーション効果の更なるエビデンスを示していく責任もあると考えられます。

(5)以上、多田名誉教授がお書きになった文章 (脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」) について論じました。

 多田名誉教授が指摘された様々な問題点を包含するリハビリテーションの現状を打破するためには、我々リハビリテーション関係者のみならず、厚生労働省とも足並みを揃える必要があり、行政・政治・マスメディア等を巻き込んだ包括的なアプローチが肝要と考えられます。

 そしてそれが、「医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 ならぬ 「医療棄民 (特に、脳卒中、認知症)・救急棄民・リハビリ棄民・介護棄民・障害者棄民」 の出現防止に繋がると考えられます。




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要介護認定 反発で基準修正へ (厚生労働省)

 NHKニュース (要介護認定 反発で基準修正へ) (2009/3/17) によると、次の通りです。

 介護保険制度で介護が必要な度合いを判定する 「要介護認定」 について、厚生労働省は、来月から調査方法を見直すことにしていますが、利用者などから強い反発が相次ぎ、導入を半月後に控えて判定基準の一部を修正する方針を固めました。

 要介護認定は、お年寄りの心身や生活の状態を市区町村の担当者が調査し、介護の必要な度合いを7段階で判定するもので、判定結果によって介護保険で受けられるサービスの上限額が決まります。現在は判定基準があいまいな部分は担当者の判断に委ねられ、市区町村によって結果が異なるため、厚生労働省は、来月から調査方法を見直すことを決め、先月、新しい判定基準を示しました。

 しかしこの内容について、利用者の団体などから 「多くの人が実態より軽く判定されるおそれがある」 と強い反発が相次ぎました。
 
 このため厚生労働省は、調査方法を再度見直し、判定基準の一部を修正する方針を固めました。

 例えば 「移動」 という項目の場合、寝たきりの人は、そもそも移動の機会がないとして 「介助なし」 となっていましたが、修正後は全面的に介助が必要な 「全介助」 と判定することになります。
 また、認知症の人の買い物についても、1人で代金を支払うことができるとして 「介助なし」 となっていましたが 「一部介助」 に修正します。

 厚生労働省は、今月中に再修正した判定基準を全国の市区町村に通知し、今後も必要に応じて見直すことにしています。

 厚生労働省は、上記のように、これまでの方針を変更しました。

 但し、問題は、コンピューターの一次判定ソフトの中身は、ブラックボックスになっており、上記の変更が表面上行われても、実質上、「要介護度の軽度化」 は変わっていないかも知れません。

 したがって、充分な検証作業 (第3者の検証が肝要)・今後の推移の注視が必要と思われます。

新要介護認定制度問題については、前回の当ブログ記事 [「新要介護認定 公開の場で検証へ 早ければ7月にも (厚生労働省)」] をご参照下さい。




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新要介護認定 公開の場で検証へ 早ければ7月にも (厚生労働省)

 現在、国民サイドから非難の的になっている 「新しい要介護認定制度」 について、厚生労働省が、異例にも早期の検証を行うことを表明しました。その関連記事を下記に紹介します。

(資料) 新要介護認定 公開の場で検証へ 早ければ7月にも (厚生労働省) (Japan
   Medicine 2009/3/13)


①厚生労働省は、今年4月から施行する新しい要介護認定制度の検証を公開の場で行う方針を固めた。

 厚労省老健局老人保健課の鈴木康裕課長は3月10日、記者団に対し 「利用者の不安につながらないためにも、新制度について開かれた場で検証することが必要」 と述べ、4月以降の認定結果を踏まえ、早ければ7月に検証を始める見通しを示した。

 鈴木課長はまた 「新制度について説明が十分でなかった点がある」 と話し、3月中にも新制度の留意事項を通知する予定とした。

②要介護認定制度の見直しは、(1) 介護の手間に関する最新データを反映、(2) 調査員らによる認定結果のばらつきの是正、(3) 認定方法の効率化、が柱。

 認定調査項目を現行の82項目から74項目に減らしたほか、認定調査員や介護認定審査会委員向けのテキストを作成し、認定調査員の判断基準として示している 「認定調査項目の定義」 を見直した。

●認定調査の項目判定見直し 「軽度化ではない」

③認定調査項目の定義の見直しでは、実際に介助が行われていない場合は 「介助なし」 を選択し、補足情報を特記事項に記載するように変更。

 従来 「全介助」 とされていた寝たきりの人が、「移動や移乗の必要がない」 ことを理由に 「介助なし」 に判定されるケースなどが予想され、利用者側から 「要介護度認定の軽度化につながる」 と懸念する声が上がっている。

④これに対し、鈴木課長は 「介助がない場合は、これまで調査員の想像で項目を選択しており、推量や主観が入っていた。新制度では観察した結果を選択して、見たままの客観的な情報を特記事項に記載することにした」 と述べ、判定のぶれを解消することを目的とした。

 その上で 「審査会で特記事項を踏まえることで、より適切な2次判定につながる。この最終判定が大きな意味を持つ」 と話した。

⑤厚労省が行った新制度の検証事業で、1次判定では現行制度より軽度に判定される割合が高いとの結果が出たことに関しては 「2次判定では認定調査の特記事項を踏まえて軽度判定は少なくなっている」 と説明。

⑥新制度で 「要介護5」 の割合が現行制度より約2割減少している点についても 「モデル事業は本人から同意を得られた場合のみを対象としているが、一部の要介護5の人から調査への同意を得られなかった」 と述べ、重度者の一部が対象外だったことが影響していると分析した。

⑦新制度の見直しについては 「新しい1次判定ソフトも1月に配布しており、今から元に戻したりすると市町村や利用者はさらに混乱する」 とし、すぐに見直す可能性は低いとした。

 その上で、「公開の場できちんと検証を行い、そこで不具合が分かれば迅速な対応をする」 と話した。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)2009年4月1日に導入される 「新要介護認定制度」 (資料-②) は、資料-③のような理不尽・不可思議・常識外れな点が多数見られます。詳細は、下記のブログ記事・ニュース記事を参照。

● 「masaの介護福祉情報裏板」 ブログ記事
 ◎新認定調査ルールも軽度誘導へ。(前編)
 ◎新認定調査ルールも軽度誘導へ。(中編)
 ◎新認定調査ルールも軽度誘導へ。(後編)

●CBニュース
 ◎認定調査の留意点-09年度要介護認定の改定概要 (1)
 ◎身体機能・起居動作-09年度要介護認定の改定概要 (2)
 ◎生活機能-09年度要介護認定の改定概要 (3)
 ◎精神・行動障害、社会への適応など-09年度要介護認定の改定概要 (4)
 ◎新たな要介護認定は 「軽度に判定」-全日本民医連
 ◎新たな要介護認定は 「常識外れ」-認知症の人と家族の会

●当ブログ記事
 ◎平成21年4月の要介護認定システム改正に関する政府・厚労省見解

(2)上記の新要介護認定制度に対する多くの批判に対して、資料-④の通り、厚労省の鈴木老人保健課長は 「介助がない場合は、これまで調査員の想像で項目を選択しており、推量や主観が入っていた。新制度では観察した結果を選択して、見たままの客観的な情報を特記事項に記載することにした」 と述べ、判定のぶれを解消することを目的としたと反論しています。

 「見たままの客観的な情報を特記事項に記載」 することは妥当です。
 しかしながら、「観察した結果を選択する際の、選択方式が非常識・理不尽」 [例:寝たきりなど重度の状態で、「移乗」 や 「移動」 の機会が全くない場合、現行では 「全介助」 と判断されているが、新基準では 「自立 (介助なし)」 と判断される。「食事摂取」 が中心静脈栄養のみの場合も、現行の 「全介助」 から 「自立 (介助なし)」 に変更される] であることが大問題です。

(3)資料-⑤に関しては、平成19年度に厚労省が行った 「変更についての検証」 は、86件という極めて少ない症例数で解析しており、全くエビデンスがないと言わざるを得ません。
 また、資料-⑥についても、全くの詭弁と思われます。

(4)上記(1)の様々な批判は、「新要介護認定制度は、要介護度の軽度化をもたらす。この制度を導入した厚生労働省の目的は、要介護度の軽度化による介護給付費の抑制 (介護保険料の引き上げの抑制、市町村負担の抑制) である」 という意見に集約されます。

(5)上述のように、認定調査による1次判定が当てにならない可能性が高い以上、資料-④の 「審査会で特記事項を踏まえることで、より適切な2次判定につながる」 という点が重要であり、「masaの介護福祉情報裏板ブログ」 の記事 (新認定調査・特記事項の書き方) において、次のように述べられています。

●適切な二次判定のためには 「調査員の特記事項または主治医意見書に、介護の手間を一次判定の基準時間に上乗せできる根拠が記載されていること」 が不可欠である。
 主治医意見書の現状を考えると、特に、調査員の特記事項の記載が重要である。

(6)新要介護認定制度により、要介護度が下がると支給限度額が下がるため、利用できる介護サービスが制限されます。また、非該当になると、介護サービス自体が利用できなくなります
 そうなると、利用者の介護や生活に多大な影響を及ぼします。

 したがって、下記の記事のように、新たな判定ソフトの信頼性などについて国民に説明し、納得が得られるまで、一旦、凍結することが求められています。

●CBニュース
 ◎新たな要介護認定制度、一時凍結を-「介護1000万人の輪」 が要望書
 ◎ 「新認定システム」 は実施の凍結を-全日本民医連

(7)一方、資料-⑦の通り、厚労省側は、新制度の見直しについては 「新しい1次判定ソフトも1月に配布しており、今から元に戻したりすると市町村や利用者はさらに混乱する」 とし、すぐに見直す可能性は低いとしています。
 また、資料-①の通り、「4月以降の認定結果を踏まえ、早ければ7月に公開の場できちんと検証を行い、そこで不具合が分かれば迅速な対応をする」 と話しています。

 しかしながら、新要介護認定制度を強行する方がより混乱すると考えられます。
 早ければ7月に公開の場できちんと検証せざるを得ない代物であれば、一旦、凍結して、制度の再検討をした方がベターと思われます。
 
(8)以上、新要介護認定制度の検証問題・凍結問題について論じました。

 要介護認定をめぐっては、以前から判定基準が明確でないことや、認知症の人の判定が低くなりやすいとして、不平・不満が多く、また、病状や障害の状態は変わらないのに、認定更新のたびに判定が軽くなり、必要なサービスを使えなくなる高齢者も少なくありませんでした。

 今回の新要介護認定制度により、上記の問題が改善されると思っていましたが、上述のように、かえって改悪となりそうです。

 厚生労働省には、「要介護度の軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の引き上げの抑制・市町村負担の抑制」 という考えではなく、「高齢者・介護サービス利用者」 の視点を重視した介護報酬改定・要介護認定制度改正を行うという英断を下して頂きたいと思います。(本当は、英断ではなく、本来の責務なのですが・・・)。




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平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設) の影響度調査

 介護療養型医療施設に関する2009年度介護報酬改定の影響予想と影響度調査 (シミュレーション) についての雑誌記事・ニュース記事を紹介します。

(資料1) 速報! 09年度介護報酬改定 特定施設、小規模多機能の中重度ケアに手
    厚い評価 [日経ヘルスケア (2009年3月号)]


●療養病床は大半が減収の見通し

①2012年3月末で廃止される介護療養型医療施設は、大半の施設で減収になる可能性が高い。特定診療費の整理や統合で、実質的に報酬が引き下げられるからだ。

②基本報酬の施設サービス費は一律12単位アップするが、算定施設の多い管理栄養士配置加算 (1日12単位) が包括されるため、事実上、据え置きとなる。

③大きく変わるのは、特定診療費だ。リハビリに関連する多くの項目が引き下げられる。

④特に目を引くのが、「理学療法 (Ⅰ)」 や 「作業療法」 (それぞれ1回180単位) の大幅なダウン。ともに57単位引き下げられ、123単位になる。人員配置基準が、医療保険の 「脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅲ)」 (100点、1回20分当たり) や 「運動器リハビリテーション料 (Ⅱ)」 (80点、同) と同等であるため、整合性を取るというのがその理由だ。

⑤しかも、これまで算定頻度の高かった 「リハビリテーションマネジメント」 (1日25単位) が、これら理学療法などに包括。結果として、理学療法 (Ⅰ) と作業療法は、実質98単位と、現行の半分近くまで引き下げられることになる。

⑥このほか、「日常生活活動訓練 (ADL) 加算」 (1回30単位) や、理学療法の 「リハビリ体制強化加算」 (1回35単位) が廃止される。リハビリマネジメントの包括分を考えると、日常的に算定できるリハビリ関連のプラス項目は、新設の 「集団コミュニケーション療法」 (1回50単位) くらいだ。

⑦療養病床に限って言えば、リハビリに積極的に取り組んできた施設が次回改定で大きなダメージを受けそうだ。医療法人永生会・永生病院副院長の春日井久氏は、「理学療法 (Ⅰ) や作業療法の引き下げの影響は極めて大きい。これまで患者1人に1.5人のスタッフを配置して、週に2、3回リハビリを実施してきた。報酬がこれだけ下がると人件費を賄えなくなるので、理学療法などのリハビリはやめるしかない」 と話す。

⑧一方で、「短期集中リハビリテーション」 は1日60単位から240単位へ大幅アップとなり、「認知症短期集中リハビリテーション」 (1日240単位) が新設される。老健施設と同様に、在宅復帰の促進が狙いだ。

⑨ただし、長期療養の入院が中心の介護療養病床で、短期間で在宅に復帰できる患者はそれほど多くはない。日本慢性期医療協会が昨年末に実施した調査では、2008年10月の1ヵ月のうち、短期集中リハビリを算定できた患者は各病院平均で7%程度。在宅復帰のリハビリに積極的な永生病院でも、「算定できる患者は1割に満たない。理学療法などの減収分はとても穴埋めできない」 (春日井氏) のが現実だ。

⑩減収のダメージは、新設の 「サービス提供体制強化加算」 (1日12単位または6単位) などの算定で、カバーしていくしかないだろう。

⑪介護療養病床を有する施設は、2012年3月末の廃止に向けて転換先を具体的に検討する時期を迎えている。改定後の収支の変化を見極めた上で、介護療養型老人保健施設や有料老人ホ-ムなどへ移行した場合の収支シミュレーションを行い、転換先候補を絞り込んでおく必要があるだろう。


(資料2) 近病連事務長会:09年度介護報酬改定の影響度調査 薄いプラス改定効
    果 (Japan Medicine 2009/3/13)


①近畿病院団体連合会事務長会が3月6日、奈良市で開かれ、最近の医療問題について意見交換を行った。
 この中で、改定率が全体でプラス3.0%となった2009年度介護報酬改定の影響度予想が報告され、プラス改定の効果が薄いことが問題となった。
 このため、懸案となっている介護職員の待遇改善は困難とする意見も見られた。

②京都私立病院協会と京都療養病床協会がこのほど行った介護報酬改定の影響度調査 (対象43施設中21施設が回答) によると、2008年12月請求分を新単位に置き換えた場合、全体で、マイナス0.74%、新設される介護報酬を含めて置き換えても、マイナス0.13%で、プラス改定の効果が見られなかった。

 主な減収要因としては、「重度療養管理の廃止」、「理学療法の報酬引き下げ」、「リハビリテーションマネジメントの理学療法などへの包括化」、「作業療法の報酬引き下げ」 などが挙げられた。

●職員の待遇改善も困難

③具体的な意見では、「重度療養管理の廃止が大きく報酬にひびく」・「施設には厳しい改定で、施設職員の待遇改善にはならない」・「実質、基本的な部分はマイナス改定で、多くの加算を取らないと、プラスへは持っていけない」 などが見られた。

④また、介護療養型老人保健施設に転換した場合は、回答した16施設すべてが減収となり、全体で12.4%減と予想された。

 今後の方向性については、9施設が2011年度末まで介護療養型医療施設のまま継続、11施設が未定などと回答し、大半の介護施設が今後の運営方針を明確化できない状態にあることが分かった。

⑤こうした影響度予想から、そのほかの府県からも、「介護療養型医療施設は減収で割に合わない」・「職員の給与アップは困難」 などの意見が示された。

●京都府は療養病床の助成事業を実施へ

⑥特に京都府の場合、
 (1) 全国で唯一、医療療養病床より、介護療養病床の方が多い。
 (2) 医療療養病床では医療区分1の患者割合が全国一高い。
 (3) 介護療養病床は医療区分ではなく、要介護度に着目して入院させてい
  ると推測されるため、医療療養病床よりもさらに医療区分1の患者割合
  が高い。
という特殊性を抱えている。

⑦このため、国の療養病床削減は既定の方針だが、京都府では2009年度予算で医療療養病床を減らさない施設に対する助成事業として、「療養病床あんしん確保緊急対策事業」 (予算額約5,000万円) を実施する予定だ。

 同事業は、医療療養病床の維持を図る施設や、介護療養病床から医療療養病床への転換を図る施設を助成するもの。

 京都私立病院協会によると、山田啓二知事は療養病床削減に伴う 「介護難民」 の発生を危惧しており、今回の助成事業によって医療療養病床を支援していく姿勢を見せているという。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料1-①~⑥にて、介護療養型医療施設は、下記のような包括化およびリハビリテーション関連の特定療養費の引き下げ等の影響で、大半の施設で減収になる可能性が高いと予想しています。

 (a) 管理栄養士配置加算 (1日12単位) の包括化

 (b) 「理学療法 (Ⅰ) や作業療法 (それぞれ1回180単位→123単位)」 の大幅なダウ
  ン [リハビリテーションマネジメント (1日25単位) の包括化の影響を含める
  と、実質98単位と、現行の半分近くまで引き下げ]

 (c) 日常生活活動訓練 (ADL) 加算 (1回30単位) の廃止

(2)一方、資料1-⑥・⑧・⑩の通り、リハビリテーションのプラス要因としては、次の項目が挙げられます。

 (a) 言語聴覚療法の引き上げ:1回180単位→203単位と、23単位のアップ

 (b) 摂食機能療法の引き上げ:1日185単位→208単位と、23単位のアップ

 (c) 新設の 「集団コミュニケーション療法」 (1回50単位) (入院患者1人につき
  1日3回に限り算定)

 (d) 短期集中リハビリテーションの引き上げ:1日60単位から240単位へ大幅
  アップ (入院日から3ヵ月以内。但し、理学療法、作業療法、言語聴覚療法
  又は摂食機能療法を算定する場合は、算定しない)。

 (e) 新設の 「認知症短期集中リハビリテーション」 (1日240単位) (入院日から
  3ヵ月以内。1週に3日を限度)

 (f) 新設の 「サービス提供体制強化加算」 (1日12単位または6単位)

(3)資料1-⑦~⑨にて、リハビリに積極的に取り組んできた介護療養型医療施設が次回改定で大きなダメージを受けると予想しています。

 永生病院 (東京都八王子市) の副院長も、「理学療法 (Ⅰ) や作業療法の引き下げの影響は極めて大きい。これまで患者1人に1.5人のスタッフを配置して、週に2、3回リハビリを実施してきた。報酬がこれだけ下がると人件費を賄えなくなるので、理学療法などのリハビリはやめるしかない」・「長期療養の入院が中心の介護療養病床では、短期集中リハビリ・認知症短期集中リハビリを算定できる患者はごく少数で、理学療法などの減収分はとても穴埋めできないのが現実だ」 と述べています。

 短期集中リハビリ・認知症短期集中リハビリは、老健施設と同様に、在宅復帰の促進が狙いですが、長期療養の入院 (特に、重度障害者) が中心の介護療養病床の実態とそぐわず、厚生労働省の論理矛盾が感じられます。
 また、長期療養の入院患者といえども、リハビリテーションが不充分であれば、障害像悪化・生活機能低下→要介護度悪化となり、介護保険財政を圧迫するため、これも厚生労働省の論理矛盾と思われます。

 リハビリテーションのプラス要因として、「言語聴覚療法 (ST) の引き上げ」・「摂食機能療法の引き上げ」・「集団コミュニケーション療法の新設」 が挙げられ、失語症・構音障害によるコミュニケーション障害および摂食嚥下障害に対するアプローチを、厚生労働省は介護療養病床において期待・重視しているようですが、「ST不足の問題」 かつ 「摂食嚥下障害にはPT・OTも重要な役割をもっているという認識が乏しい」 という問題が指摘されます。

(4)資料2-①~③の通り、近畿病院団体連合会事務長会にて発表された、京都私立病院協会と京都療養病床協会が行った平成21年度介護報酬改定の介護療養型医療施設に対する影響度調査 (シミュレーション) (対象43施設中21施設が回答) によると、全体で、マイナス0.74%、新設される介護報酬を含めて置き換えても、マイナス0.13%という結果でした。

 主な減収要因としては、「重度療養管理の廃止」、「理学療法の報酬引き下げ」、「リハビリテーションマネジメントの理学療法等への包括化」、「作業療法の報酬引き下げ」 などが挙げられ、懸案となっている介護職員 (特に、施設職員) の待遇改善は困難とする意見が出ました。
 また、「実質、基本的な部分はマイナス改定で、多くの加算を取らないと、プラスへは持っていけない」 という意見も出ました。

(5)資料2-④・⑤によると、介護療養型老人保健施設に転換した場合は、回答した施設すべてが減収となり、全体で12.4%減と予想されました。

 今後の方向性については、9施設が2011年度末まで介護療養型医療施設のまま継続、11施設が未定などと回答し、大半の介護施設が今後の運営方針を明確化できない状態にあることが分かりました。

 こうした影響度予想から、その他の府県からも、「介護療養型医療施設は減収で割に合わない」・「職員の給与アップは困難」 などの意見が出ました。

(6)資料2-⑥・⑦によると、国の療養病床削減は既定の方針だが、京都府では2009年度予算で医療療養病床を減らさない施設に対する助成事業として、「療養病床あんしん確保緊急対策事業」 (予算額約5,000万円)、即ち、医療療養病床の維持を図る施設や、介護療養病床から医療療養病床への転換を図る施設を助成する予定とのことです。

(7)上述の介護療養病床の介護報酬改定シミュレーションを見る限り、厚生労働省は、2012年3月末の介護療養型医療施設の廃止を見据えて、介護報酬改定での意図的な 「減収による政策的誘導」 を行っていると考えられます。

 当該病床の転換先として、厚生労働省は、介護療養型老人保健施設、有料老人ホーム、(医療療養病床) 等を想定していますが、上記(5)の通り、「介護療養型老人保健施設に転換した場合は、減収」 という結果が出ています。

 また、現在、介護療養病床には、要介護度が高く、且つ医療必要度が高い方が多いため、介護療養型老人保健施設や有料老人ホーム等では、現実的には、充分に対処できないと考えられます。

 一方、上記(6)のように、介護療養病床から医療療養病床への転換に関しては、「要介護度が高く、且つ医療必要度が高い方」 のためには朗報ですが、医療マンパワーの問題・医療療養病床の今後の診療報酬の行方等が大きなネックとなり得ます。

(8)資料1-⑪の通り、介護療養病床を有する施設は、2012年3月末の廃止に向けて転換先を具体的に検討する時期を迎えています。
 改定後の収支の変化を見極めた上で、介護療養型老人保健施設や有料老人ホ-ムなどへ移行した場合の収支シミュレーションを行い、転換先候補を絞り込んでおく必要があります。

 しかしながら、「どの転換先も様々な問題があり躊躇せざるを得ない」・「次期総選挙による政権交代あるいは与党の再検討により、2012年3月末の介護療養型医療施設の廃止が、中止または先送りの可能性が、完全には否定できない」 等、未だ未だ紆余曲折がありそうです。

(9)以上、介護療養型医療施設に関する2009年度介護報酬改定の影響予想と影響度調査 (シミュレーション) について論じました。

 厚生労働省が度々強調する在宅復帰・在宅ケアに関して、日本福祉大学の二木立教授が、「重度障害者の在宅ケアは施設ケア費用よりも高い」 というエビデンス (「重度障害者の在宅ケア費用は施設ケア費用よりも高いことに言及した拙著一覧」 参照) を出されていますので、厚生労働省には、この件に関する再考を切望します。

 また、次期介護報酬改定と同時に施行される 「新・要介護認定制度」 に対して、「要介護度が軽度に判定される」・「介護給付費を抑制するための改正」 等の不満・不安が噴出しており、国民の理解が得られるまでは、凍結すべきと考えられます。

 以前のブログ記事で何回も強調していますが、厚生労働省には、「国民の安心・安全・納得・満足」 を第1優先に考えて、国民本位の介護報酬改定・要介護認定制度改正を、誠実に立案・履行し、介護難民の出現防止に全力を傾注して頂きたいと思います。
 そして、それが、ひいては、医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・障害者難民の出現防止に繋がっていくと考えられます。

【関連記事】
 ◎平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設:リハビリテーション)
 ◎平成21年度介護報酬改定 (介護療養型医療施設のリハビリ:追加情報)
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)




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西松建設献金事件 (民主党小沢代表秘書逮捕) は検察の 「国策捜査」 ?

 今もマスコミの格好の 「餌食」 になっている西松建設献金事件 (民主党小沢代表公設第一秘書逮捕) について、一般国民の間でも、検察の 「国策捜査」 疑惑が囁かれています。

 本ブログ記事では、上記に関するニュース記事・ブログ記事を紹介します。

(資料1) JANJAN (市民の市民による市民のためのメディア) (2009/03/04)

うわあ、あからさまな国策捜査!?としか考えられない。(海形マサシ)

 筆者は、別に小沢一郎氏が身ぎれいな人だと信じているわけでもない。

 元自民の重鎮だったぐらいだし、なにかとこういうことに手をつけていても不思議ではない。もっとも、彼だけではないはず。

 だけど、このタイミング、あまりにもよすぎる。するのなら、もっと前にもしてもいいはず。逮捕状を出すのは、検察の意向で決められるんだから。

 まあ、支持率が落ちに落ちて議席が激減すると聞けば、何でもありなんだろう。

 しかし、これではっきりした。

 検察は全く信用ならない。政府の犬でしかない。

 そんなわけで、死刑廃止賛成。それから、裁判員制も、もっと市民参加がしやすいのであれば、賛成。市民の関与を司法に入れるべき。

 こんなに腐っているとは。

 陰謀といえば、やはり 「第7艦隊だけでいい」 発言が大きかったかな。宗主国を怒らせると、エージェントが猛威を奮う。

 おお、こわ、日本は恐怖政治に陥るぞ。


(資料2) JANJAN (市民の市民による市民のためのメディア) (2009/03/11)

今こそ検察の独立性を問おう(海形マサシ)

 民主党小沢代表秘書ら会計責任者の逮捕以来、検察の国策捜査陰謀論が繰り広げられている。

 確かに不審な点が多い。タイミングにしろ、起訴された場合の罪状にしろ、政権交代可能な総選挙を前にして野党党首の社会的信用を貶める逮捕劇が、こうも派手に繰り広げられているのには意図を感じざる得ない。

 これには、官邸説、米国CIA説、官僚説の他、検察自身が政権交代を恐れて起こしたなど噂が飛び交う。

 しかしなぜ、こんなに検察の捜査に疑惑が向けられるのか。それはこれまで積み上げられてきた検察庁に対しての不信が溜まりに溜まってのことだろう。少しでも、日本の司法について学習した人なら、日本では三権分立が成り立っていないことがよく分かるはずだ。

 裁判所は、実をいうとお飾りに過ぎない面がある。日本では逮捕され、起訴されると99%の確立で有罪になる。実質上、検察が裁判を引き受けているようなもの。起訴後の法廷はセレモニーに過ぎない。むしろ、検察の方が、裁判所より立場が上というのが、明治以来からの伝統だ。

 検察官からの立場でいうと、日本では逮捕だ、起訴だということだけで、有罪とみなされる世間体があり、起訴のハードルがとても高いのだという。だから、よほど有罪とみなされない限り、検察は起訴しないため、結果、高い有罪率になるのだと。

 だが、困ったことに、そういう起訴か不起訴の決定が、検察官の一存で決まってしまうのだ。困ったことに、その検察官が、国策捜査などで違反行為を行っても、誰もそれを阻止できない。裁判官であれば、とりあえず弾劾裁判などがある。国会議員は選挙で落選を受け失職させられる。

 検察への監視や圧力といえば、せいぜいメディアや市民団体による告発ぐらいか。もっとも日本ではそれが弱い。

 ならば、具体的に検察の行為を監視する、間違った行為があれば裁くシステムや法律をつくってみてはどうか。もちろん、検察の中立性はきちんと保てるようにしなければならない。

 裏金疑惑で内部告発をしようとして微罪で逮捕された三井環元検事は、弁護士団による調査及び弾劾方式を提唱していた。(ビデオニュース・ドット・コムの番組出演にて)。諸外国の例をいえば、アメリカでは検事総長は選挙で選ばれるという。悪名高い共謀罪などがアメリカにはあるが、そういう監視システムが存在するので日本とは違う。

 また、より具体的に司法妨害行為を禁ずる法律を作成する必要もあると思う。政治家などが政治力で自身に不利な検察の起訴を阻止したり、または、利益を得るため政敵を起訴をしたりする行為が明確になった場合の罰則を定めるのである。もちろん、その違反行為を認定する独立機関の設置もきちんと定める。

 小沢代表秘書の件が国策捜査であるにしろ、ないにしろ、検察不信は、今後膨らみ続けるだろう。一般市民の捜査における協力が得にくくなる事態になっていく。検察自身が自らの手足を縛ることになる。

 民主党が政権交代をするのなら、是非とも、今回の騒動で受けた不快な体験を糧に、検察及び司法の独立性を高める改革を実行して欲しい。


(資料3) 「きっこのブログ」 (2009/3/13)

「民主党側だけを事情聴取する検察に疑問の声」 (世田谷通信)
 
 西松建設の違法献金事件を巡り、民主党の小沢一郎代表側への年間2,500万円の献金のシステムを作ったのが、取り調べ中の大久保隆規容疑者 (47) の前任秘書で陸山会の会計責任者であった高橋嘉信氏 (55) であり、大久保容疑者は高橋嘉信氏から引き継いだだけだという可能性が高いことが分かった。

 高橋嘉信氏は小沢代表の秘書を20年間つとめ 「小沢の影に高橋あり」 とまで言われ、人気漫画 「票田のトラクター」 の主人公のモデルにもなった人物である。しかし高橋嘉信氏は小沢代表とたもとを分かち、現在は自民党の岩手第4区の支部長をつとめている。

 東京地検特捜部は、これまでの捜査から高橋嘉信氏が西松建設のダミーの政治団体を使って献金する枠組みを考案したと把握しているが、小沢代表の元秘書で民主党から出馬予定の石川知裕衆院議員を事情聴取したのにもかかわらず、自民党から出馬予定の高橋嘉信氏は事情聴取しない方針のようだ。

 また西松建設からの違法献金だけでなく裏金疑惑まで浮上している自民党の二階俊博経済産業相についても、東京地検特捜部は二階氏の会計責任者らを事情聴取する予定はないようだ。こうした東京地検特捜部の不可思議な捜査方法に、国民の間からは 「やはり自民党が仕組んだ国策捜査なのでは」 という声が高まっている。


(資料4) 産経ニュース (2009/3/14)

「西松事件は国策捜査」 と鈴木宗男氏

 「国策捜査だという思いでいっぱいだ。私自身が国策捜査を受けたからその感を深くする」。新党大地の鈴木宗男代表は3月14日午後、札幌市で講演し、西松建設の巨額献金事件で東京地検特捜部が小沢一郎民主党代表の公設第一秘書を逮捕したことに関し、検察批判を繰り広げた。

 鈴木氏は 「検察は狙ったら何でもできる。世論誘導し、悪いやつというイメージを植え付けてくる」 と強調。小沢氏の元秘書の石川知裕衆院議員に対する事情聴取についても 「検察側は前もって (報道機関に) リークした」 と指摘した。

 逮捕された秘書の前任者が、次期衆院選に自民党公認で出馬を予定していることにも言及し 「おかしい。今回の事件はどろどろしたものを感じる」 と批判した。


 当ブログ管理人は、これまで、検察は、捜査対象が誰であろうと、法と証拠に基づき、政治的独立性・中立性のもと、厳正中立・公明正大な捜査をしてきたと信じていました。

 しかしながら、今回の捜査においては、法律や検察捜査にあまり詳しくない当ブログ管理人でさえ、下記のような素朴な疑問を持っています。

(1)政権交代の可能性が高い総選挙を前にして (絶妙のタイミング?)、何故、野党第一党代表 (次期総理候補) の社会的信用を貶める逮捕劇が成されたのか? 何らかの意図あるいは第三者の意向 (官邸説、米国CIA説、官僚説の他、検察自身が政権交代を恐れて起こした等の噂) が働いたのか?

(2)政治資金規正法という形式犯 (書類の提出を忘れていたなど、いわゆる 「うっかりミス」 で触法することとなった犯罪。犯罪とはいえ、悪質の度合いは低いとされる) で、強制捜査・逮捕は異例ではないのか? 他に何か重い犯罪を犯しているのか?

(3)捜査関係者しか知り得ないような情報が、何故、マスコミで報道されるのか? 検察側がリークしているのか? リークであれば、公務員の守秘義務違反ではないのか?

(4)東京地検特捜部が、「職務権限のない」 野党代表サイドの捜査ばかり行い、全く同じ構図 (政治資金規正法違反) の献金を受けている 「職務権限のある」 自民党議員 (二階経済産業相、尾身元財務相、加藤元幹事長、藤井元運輸相、森元首相、藤野元参院議員、山口首相補佐官、加納国土交通副大臣、川崎元厚生労働相、山本元総務副大臣、林前国家公安委員長、古賀元幹事長、渡辺元国土交通副大臣) サイドの捜査が、何故、遅々として進まないのか?

(5)官僚トップの漆間官房副長官 (元警察庁長官) の 「自民党側は立件できない」 発言は、やはり、検察の国策捜査の傍証?

(6)西松建設のダミーの政治団体を使って献金する枠組みを考案した高橋嘉信元小沢代表秘書 (現在、自民党の岩手第4区の支部長:次期総選挙出馬予定) が事情聴取をされず、一方、石川知裕民主党衆院議員 (小沢代表の元秘書) [北海道第11区で出馬予定:酩酊記者会見で名を馳せた自民党中川元財務金融相と一騎打ちの予定] を参考人として事情聴取をしたのは何故? 石川議員に対する選挙妨害? 高橋氏や中川氏に対する選挙支援?
 また、石川議員の参考人事情聴取がマスコミ報道されたのは何故? (検察のリーク?)

 一般国民の間からも、今回の東京地検特捜部の捜査に対して、「やはり自民党あるいは官僚が仕組んだ国策捜査なのでは」 あるいは 「何か胡散臭い・奇妙・納得できない」 という声が高まっています。

 前回のブログ記事 [「医療関係者・組織に対する国民の信頼感 (日本医療政策機構)」] で述べたように、世論調査にて、一般国民における政治不信、行政不信・官僚不信、マスコミ不信が指摘されています。

 しかしながら、このままでは、一般国民において、上記の政治、行政・官僚、マスコミに対する不信のみならず、法治国家として由々しき事態の 「検察不信」 が生じてしまいます。

 したがって、あらゆる職種で重要な責務である 「透明性と説明責任」 を、検察サイドにも充分果たして頂きたいと思います。

 また、東京地検特捜部には、捜査対象が誰であろうと、法と証拠に基づき、政治的独立性・中立性のもと、一般国民の納得が充分得られるような 「厳正中立・公明正大」 な捜査をお願いしたいと思います。(釈迦に説法ですが・・・)。




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医療関係者・組織に対する国民の信頼感 (日本医療政策機構)

 Online Med ニュース (2009/3/11) に、「医療関係者・組織に対する国民の信頼感についての世論調査」 に関する記事が掲載されていますので紹介します。

(資料1) 国民が信頼する医療関係者、薬剤師がトップ 製薬企業も半数近くが信
    頼、医師会44%にとどまる
(資料3のデータ参照)。

①医療関係者・組織に対する信頼感を聞いた成人男女を対象とした世論調査の結果、薬剤師が90%の信頼を獲得、看護師と医師の89%をわずかに上回る結果となった。
 日本医療政策機構が2009年1月に全国の20歳以上の男女1,650人を対象に調査員が訪問して調査、1,016人から回答を得ている。

②薬剤師は、「信頼できる」 が18%で、看護師と医師の15%を上回った。
 「まあ信頼できる」 は薬剤師が72%で、医師と看護師はそれぞれ74%だった。
 この2つの合計が薬剤師90%、医師と看護師は89%となった。

③これに次ぐのは、「病院・診療所」 83%、患者団体68%、「専門家・有識者」 56%、健康保険組合52%で、ここまでが国民の50%以上から信頼を得ている。
 しかし、「信頼できる」 は、「病院・診療所」 と患者団体がともに8%、「専門家・有識者」 は6%、健康保険組合は4%と、薬剤師、看護師、医師の2分の1以下に落ち込む。

④そのあとに続くのは、「製薬・医療機器企業」 47%、地方自治体44%、日本医師会44%、マスメディア40%となり、日本医師会やマスメディアの低さが注目される。
 さらに、厚生労働省21%、「政党・国会議員」 16%となり、ともに信頼感の乏しさが際立っている。
 「信頼できない」・「あまり信頼できない」 が、厚生労働省78%、「政党・国会議員」 84%という数字になる。

⑤ 「信頼できない」 の評価は、薬剤師、看護師、医師、「病院・診療所」 が1%程度と少なく、それ以下も団体や企業、マスメディアまでは10%程度にとどまっている。
 しかし、厚生労働省になると、「信頼できない」 が26%にまで拡大、「政党・国会議員」 では37%に達する。

⑥調査結果について日本医療政策機構は、こうした信頼度調査では一般的に、組織・団体よりも個人が高い信頼を得る傾向があり、また、身近に存在するひとや組織の方がより高い信頼を得る傾向があるとし、この結果の解釈には注意が必要としている。
 しかし、国民が政府や政治に対して大きな不信感を抱いている一方で、医療従事者に対しては高い信頼を寄せていることから、今後の医療改革の中での医療従事者の役割を考える上では示唆に富む結果になったとしている。


 一方、上記調査に関する日本医療政策機構のプレスリリース 「日本の医療に関する2009年世論調査 (概要第二版)」 (2009/2/25) は下記の通りです。

(資料2) 政治・行政に強い不信-「信頼できない」 厚労省78%、最低は政党・国会
    議員84%
(資料3のデータ参照)。

①年金・医療・介護などの社会保障は、基本的に信頼にもとづく相互扶助の理念に支えられている。このような背景から、国民がもつ医療関係者や組織に対する 「信頼感」 について、初の調査を行った。
 上位には、「薬剤師」・「看護師」・「医師」 と医療従事者がいずれも約90%で並び、国民から極めて高い信頼を得ていることが明らかとなった。
 続いて、「病院・診療所」 (83%)、「患者団体」 (68%) が上位に並んだ。

②一方、最下位は 「政党・国会議員」 で国民の84%が 「信頼できない」・「あまり信頼できない」 と答えた。
 厚生労働省も国民の78%が信頼できないと回答した。

③自由記述欄のコメントでも、政府や政治に対する厳しいコメントが多数寄せられた。マスメディアに対しても59%が信頼できないと答えた。

④なお、一般的にこの種の信頼度調査では、組織・団体よりも個人が高い信頼を得る傾向があること、また身近に存在するひとや組織の方がより高い信頼を得る傾向があることから、この結果の解釈には注意が必要であるものの、国民が政府や政治に対して極めて大きな不信感を持っていることが浮き彫りとなった。
 一方で、国民は医療従事者に高い信頼を寄せており、今後の医療改革における医療従事者の役割を考える上で示唆に富む結果となった。

(資料3) 医療関係者・組織に対する国民の信頼感 (2009年1月、有効回答数1,016
    人)
 【特定非営利活動法人・日本医療政策機構 「日本の医療に関する2009年世論調査」】

          信頼できる  まあ信頼できる   あまり信頼できない  信頼できない
①薬剤師       18%    72%      9%      1%
②看護師       15%    74%      9%      1%
③医師        15%    74%      10%      1%
④病院・診療所    8%    75%      15%      1%
⑤患者団体      8%    60%      26%      4%
⑥専門家・有識者   6%    50%      38%      5%
⑦健康保険組合    4%    48%      36%      10%
⑧製薬・医療機器企業 3%    44%      42%      11%
⑨地方自治体     1%    43%      43%      12%
⑩日本医師会     3%    41%      44%      10%
⑪マスメディア    3%    37%      48%      11%
⑫厚生労働省     1%    20%      52%      26%
⑬政党・国会議員   1%    15%      47%      37%

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)日本医療政策機構が行った医療関係者・組織に対する国民の信頼感についての世論調査の結果、資料1-①・②および資料2-①の通り、薬剤師・看護師・医師が、「信頼できる」・「まあ信頼できる」 合わせて、約90%と、国民の信頼感の高さが示されました。

 以前からの 「医療ミス・医療過誤・医療訴訟」 に関するマスメディアの大々的な報道による 「医療不信」・「医師不信」 は、ある程度は沈静化し、逆に、最近のマスメデイアの 「医療崩壊・医療破壊」・「医師 (特に勤務医) の過重負担・疲弊」 報道等にて、医師に対する信頼感は、ある程度回復したのではないかと推察されます。

 しかしながら、「救急患者たらい回し・受け入れ拒否 (実際は、救急患者の情報のたらい回し、救急患者の受け入れ不能・受け入れ困難) に関するマスコミ報道」、「医師と患者との情報の非対称性」、「医師の不充分なインフォームド・コンセント、医師の不充分なコミュニケーション・スキル、不充分な説明責任の履行」、「パターナリズム (父権的権威主義) から脱皮できない医師 (現在は、パートナーシップ・チーム医療が重要)」、「勤務医の立ち去り型サボタージュ (過重負担・疲弊の結果ですが・・・)」 等がマイナス要因に成りうると考えられます。

(2)資料1-③および資料2-①によると、薬剤師・看護師・医師に次ぐのは、「病院・診療所」・「患者団体」・「専門家・有識者」・「健康保険組合」 です。ここまでが、国民の50%以上 (「信頼できる」+「まあ信頼できる」) から信頼を得ています。

 しかしながら、「信頼できる」 は、「病院・診療所」 と 「患者団体」 がともに8%、「専門家・有識者」 は6%、「健康保険組合」 は4%と、薬剤師・看護師・医師の2分の1以下に落ち込んでいます。

 「専門家・有識者」 については、一部の専門家・有識者と称される人が、厚生労働省の 「御用学者」 と見なされ、かつ、これまでのあまり評判の良くない施策の共犯者として、胡散臭さが感じられるからではないかと推察されます。

 一方、「健康保険組合」 は、診療報酬改定時の支払い側委員として、(企業の社会保険料の抑制と組合からの拠出金抑制のため)、厚生労働省と結託して、診療報酬の抑制を図ってきたと思われているからと推察されます。

(3)資料1-④・⑤および資料2-②・③によると、上記(1)・(2)に続くのは、「製薬・医療機器企業」・「地方自治体」・「日本医師会」・「マスメディア」 であり、「日本医師会」 や 「マスメディア」 の低さが注目されます。

 一方、「信頼できない」+「あまり信頼できない」 の割合において、「厚生労働省」 78%、「政党・国会議員」 84%であり、信頼感の乏しさが際立っています。

 「信頼できない」 の評価は、薬剤師・看護師・医師・「病院・診療所」 が1%程度と少なく、それ以下も団体や企業、マスメディアまでは10%程度にとどまっていますが、厚生労働省は26%、「政党・国会議員」 は37%に達しています。

 自由記述欄のコメントでも、政府や政治に対する厳しいコメントが多数寄せられ、また、マスメディアに対しても59%が信頼できないと答えています。

(4)一般国民の視点では、「製薬・医療機器企業」 は、薬価・医療材料費・医療機器代の高額および高い利益 (特に、外国との格差・差益) にて儲かりすぎという烙印が押されていることや薬害問題等が関与していると思われます。

 また、「地方自治体」 は、お役所仕事、公務員の厚遇、自治体病院の閉鎖・民間への譲渡等が影響しているかも知れません。

 「日本医師会」 は、開業医主体の団体と見なされており、開業医は金持ちというレッテル、過重負担・疲弊している勤務医との対比、これまでの診療報酬体系に対する影響 (診療所厚遇・病院冷遇)、 日本医師連盟と自民党との癒着 (次期総選挙は内部分裂気味ですが・・・) 等が影響していると考えられます。

 「マスメディア」 は、公正中立の立場を謳いながら、国民から見ても、偏向報道 (時の政府・政権与党、マスメディアの許認可権を握っている中央官庁・官僚、大手・大口の広告主からの影響) が否めないことが大きく影響していると考えられます。
 特に、最近の民主党小沢代表バッシングおよび自民党政治家の疑惑報道の少なさを見ると、只でさえ、一般国民の多くが疑っている今回の事件の 「検察の国策捜査」 疑惑が、益々深まりそうです・・・。

(5)国民の 「厚生労働省」 に対する信頼感の低さは、次のようなことが関与していると思われます。

 (a) 官僚特有の無謬性、匿名性、無責任体制、情報の非開示・隠蔽・操作・改変

 (b) 年金問題、後期高齢者医療制度問題、雇用問題、障害者自立支援法問題、生
  活保護問題、社会保障というセーフティネットの機能不全・破壊

 (c) 介護保険制度 (特に、給付費の抑制、要介護認定制度の問題、老老介護・自
  殺・殺人・孤独死)

 (d) 医療費抑制 (財務省も共犯)・医師不足による (1) 医療崩壊・医療破壊、(2) 医
  療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・妊産婦難民・リハビリ難民・介
  護難民・障害者難民、(3) 患者および国民の自己負担問題 (窓口負担・保険料
  負担・消費税増税:国庫負担下げるために・・・)

 (e) 薬害問題 (肝炎、HIV、イレッサ、スモン、サリドマイド、MMR、ヤコ
  ブ病、等)

 (f) 天下り・渡り、天下り用の特殊法人・公益法人への補助金等、汚職事件

(6)国民の信頼感最下位の 「政党・国会議員」 は、次の要因が考えられます。

 (a) 政治とカネの問題・政治不信、汚職事件・疑獄事件 (贈収賄、違法献金)

 (b) 特殊なねじれ国会 (参議院で野党が過半数だが、衆議院で与党が3分の2以
  上を占めており、参議院で否決されても、衆議院で再議決が可能) 下での、
  スピード感のない国民不在の国会運営

 (c) 官僚も含めて税金の無駄使いの放置→国会議員の定数削減・歳費削減

 (d) 政府・政権与党の後手後手の対応。

 (e) 「早期解散・総選挙にて国民の民意を問え」 と言う大多数の国民の怒り・苛
  立ち・憤り

 (f) 「国民の民意を得た強力な内閣で、多くの懸案を速やかに解決してほしい」
  という国民の願望

 (g) 「国民が選んだ政治家が、国民が選ぶことが出来ない官僚・公務員を、うま
  くコントロールして、より良い政治・行政を遂行してほしい」 という国民の
  願望

(7)資料1-⑥および資料2-④の通り、信頼度調査では一般的に、組織・団体よりも個人が高い信頼を得る傾向があり、また、身近に存在するひとや組織の方がより高い信頼を得る傾向があるとし、この結果の解釈には注意が必要としています。

 しかしながら、国民が政府や政治に対して大きな不信感を抱いている一方で、医療従事者に対しては高い信頼を寄せていることから、今後の医療改革の中での医療従事者の役割を考える上では示唆に富む結果になったとしています。

(8)以上、日本医療政策機構が行った 「医療関係者・組織に対する国民の信頼感についての世論調査」 について論じました。

 上記(1)~(6)で述べた各医療関係者・組織における問題点を、各人が是正し、「国民の安心・安全・納得・満足」 のために、与えられた役割を全うすることが、国民の信頼感を得る近道と思われます。

 また、医療崩壊・医療破壊からの医療再建・医療再生には、国会議員と厚生労働省のパワーが大変重要であり、上記結果の汚名返上・名誉挽回のためにも、ご尽力頂きたいと思います。




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健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)

 2009年3月3日に開催された経済財政諮問会議において、舛添厚生労働大臣より、「健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出)」 が提示されました。

 現状の公的医療・介護サービス市場 (385万人、規模41兆円) を、下記の3つのプロジェクト・2つのサブロジェクトにより、社会保障国民会議で示された 「2025年における市場規模拡大50兆円、雇用創出285万人に及ぶサービス創出」 を目指します。

 即ち、2025年に、「670万人、規模90兆円の公的サービス市場」+「新たな産業・市場と雇用の創出」 (健康産業、地域医療等イノベーション、住宅サービス) を達成し、「成長と雇用の創出」・「国民生活の安心・安全の創造」 が得られる見込みと述べています。

①地域医療強化プロジェクト (仮)

 (1) 地域医療機能の強化・再編
  (a) 地域医療ネットワークの構築、機能分化・連携
  (b) 資源の集中投入 (急性期など)
  (c) 在宅医療・在宅介護の充実、など

 (2) 救急等対策の推進
  (a) 救急医療、周産期・小児医療などの体制整備
  (b) 病院耐震化など災害時の診療機能の確保、など

 (3) 医師不足への対応
  (a) 医師養成数の拡大
  (b) 医師派遣の強化
  (c) チーム医療の推進、医師事務作業補助者の設置促進など勤務医の勤務
   環境改善、など

②介護基盤強化プロジェクト (仮)

 (1) 介護機能強化
  (a) 在宅サービスの充実
   ・24時間対応訪問介護・看護サービス拡充
   ・グループホームやケア付き住宅など居住系サービスの整備・拡充、
    など
  (b) 施設サービスの充実
   ・重度化対応、看取り機能、個室化・ユニット化等の施設機能の強化
    及びサテライト化
   ・在宅復帰支援、など
  (c) 介護サービス基盤整備、医療との連携、など

 (2) 介護人材不足への対応
  (*) 介護報酬改定等を通じた処遇改善、など

③医療・介護人材育成サブプロジェクト (仮)

 (1) 医療人材の確保
  (a) 医師と医療関係者との協働 (チーム医療など)
  (b) 医療機関の雇用管理の促進
  (c) 看護師資格の取得促進、離職中の看護職員の再就職促進、など

 (2) 介護人材の確保
  (a) キャリアアップ、スキルアップに向けた仕組みづくり
  (b) 修学資金貸付、離職者訓練等による就労、能力開発等の支援、など

④新技術イノベーションプロジェクト (仮)

 (1) 創薬・治験イノベーション
  (a) バイオベンチャー企業等による医薬品・医療機器開発のための治験
   の実施支援
  (b) 希少疾病対象等の新薬、新医療機器の研究開発促進
  (c) 審査体制、安全対策の強化、など

 (2) 生活支援機器 (介護ロボットなど) 開発・実用化
  (*) 生活支援ロボット、福祉用具の研究開発・実用化支援、認証・性能
   評価体制の整備

 (3)IT技術の活用
  (a) 社会保障カード (仮称) の検討
  (b) 地域の診療情報連携の推進

 (4) 認知症、難病、がん治療等の研究支援、など

⑤地域再生・活性化サブプロジェクト (仮)

 (1) 高齢者の住まいの安心確保
  (a) 住宅施策や地域施策との連携強化
  (b) バリアフリー化推進、など

 (2) 生活支援サービス市場の創出
  (a) 要介護高齢者を対象とした生活支援サービス
  (b) 元気高齢者を対象とした健康増進サービス、など

◎少子化対策プロジェクト (仮)

 (1) 地域で子育てを支えるサービスの拡充
  (a) 保育サービス等の整備
  (b) 全ての家庭に対する子育て支援の充実

 (2) 保育士等の人材育成

 (3) 子育て支援サービスを一元的に提供する新たな制度体系の構築、など

●上記をパッケージで推進し、安定財源を確保しつつ、医療、介護、子育て支援等の機能強化を図り、国民の健康長寿を支えるサービスを確立。同時に、新たな産業・雇用の創出につなげる。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)今回の経済財政諮問会議における 「健康長寿、即ち、医療・介護を中心とした社会保障は、成長産業である」 という話に、唖然としてしまいました。

 20数年前からの厚生労働省の 「医療費亡国論」、財務省の 「財政再建至上主義 (財政再建原理主義)」、および 「小泉竹中構造改革 (経済財政諮問会議も大いに関与)」 が引き起こした 「医療費抑制・医師不足 (特に勤務医不足)」 による 「医師 (特に勤務医) の過重労働と疲弊および立ち去り型サボタージュ (→残された医師の過重労働と疲弊が増悪→悪循環)、医療崩壊 (特に病院崩壊、救急医療崩壊) および医療破壊、医療難民 (特に脳卒中、認知症)、救急難民、妊産婦難民、リハビリ難民、介護難民、等々」 の現状 (惨状) を何と心得ているのでしょうか?

 「医療費はコストである」・「社会福祉はコストである」 と主張していた輩達が、「医療・介護等の社会保障は成長産業である」 と正反対のことを臆面もなく言うのは、(小泉元首相ではないですが)、「怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただあきれてしまいます」。

(2)以前の当ブログ記事 [「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)」] にて紹介しましたが、上記の医療費亡国論がようやく終焉を迎え、「医療立国論」 の時代がやっと訪れたようです。

 2007年、大村昭人氏 (帝京大学名誉教授・麻酔科) は、「医療立国論 崩壊する医療制度に歯止めをかける!」 を刊行され、「医療費の削減・市場原理主義の導入では医療改革は成功しない」・「医療費亡国論から医療立国論へ」・「医療は、経済活性化の要である。即ち、1兆円医療費を使えば、1兆円以上の経済波及効果がある。医療費は消費されて消えてしまうものでなく、医療に直接または間接的に関係する方々の雇用 (雇用創出効果) などを通して、医療費は国の経済発展の原動力となる」 等を主張され、広い支持を集めました。

 また、同氏は、第2弾 「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ!」 を刊行され、「医療政策に関わる省庁の再編統合なくして医療制度改革は実現しない」 という考えのもと、下記のような4省 (厚生労働省、文部科学省、総務省、経済産業省) にまたがる案件に対する 「縦割りの医療行政」 を再編・統合して、「医療庁」 を創設し、「医療再生」 を図る必要があると力説されています。

(a) 医師養成制度において、卒前教育および大学院は文部科学省、卒後は厚生労
 働省が所管する。

(b) 救急医療において、救急搬送は消防庁 (総務省)、救急医療本体は厚生労働省
 が所管する。

(c) 自治体病院については、総務省と厚生労働省とが関与する。

(d) 製薬企業・医療機器産業については厚生労働省と経済産業省とが関与する。

(3)舛添プランでは、上記の①地域医療強化プロジェクト (仮)、②介護基盤強化プロジェクト (仮)、③医療・介護人材育成サブプロジェクト (仮)、④新技術イノベーションプロジェクト (仮)、⑤地域再生・活性化サブプロジェクト (仮) により、現状の公的医療・介護サービス市場 (385万人、規模41兆円) を、2025年には、「670万人、規模90兆円の公的サービス市場」+「新たな産業・市場と雇用の創出」 (健康産業、地域医療等イノベーション、住宅サービス) を達成させ、「成長と雇用の創出」・「国民生活の安心・安全の創造」 が得られる見込みと述べています。

(4)問題は、上記(3)の実効性です。

 先ずは、上記のようなプロジェクト等には多くの府省庁が絡んでくるため、上記(2)の趣旨に則り、厚生労働省、文部科学省、総務省、経済産業省、その他の複数の府省庁にまたがる案件に対する 「縦割りの行政」 を再編・統合して、「医療庁」、「医療・介護庁」、あるいは 「社会保障庁」 を創設し、「医療再生」・「介護再生」・「社会保障再生」 を図る必要があると考えられます。

 また、「医薬品や医療機器を輸出産業に育てる」・「メディカル・ツーリズム (アジア諸国で盛んになっている、「観光」 と 「医療サービス」 をセットにしたパッケージツアー。一流ホテル並みの施設とサービスに加え、高度な医療技術も低価格で提供するもの) の導入」 等、発想の転換・視点の転換も重要と思われます。

(5)最大の問題は財源論で、社会保障国民会議では、消費税増税を念頭に置いています。

 しかしながら、以前の当ブログ記事で何回も述べていますが (下記の関連記事参照)、「消費税増税」 を行う前に、「充分な景気回復、税制の抜本的改革、膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、道路特定財源の完全なる一般財源化、年金問題の早期完全解決」 等を達成または実行の約束をしないと、国民の納得を得られません。

(6)以上、厚生労働省の健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) について論じました。

 「医療立国論」、「医療・介護立国論」、あるいは 「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づき、「医療再生・介護再生・社会保障再生」 を図り、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、経済成長を図るという好循環が実現することを切望します。

【関連記事】
 ◎医療政策サミット2009 (日本医療政策機構)
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)
 ◎医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)
 ◎医療・介護の機能強化 (2012年度診療・介護報酬同時改定で体制構築)
 ◎「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種




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「脳卒中対策基本法」 (仮称) 制定を目指す (日本脳卒中協会)

 CBニュース (2009/3/10) に脳卒中対策基本法 (仮称) に関する記事 (「脳卒中対策基本法」 制定を-日本脳卒中協会) が掲載されていますので紹介します。
 
● 「脳卒中対策基本法」 制定を-日本脳卒中協会

①日本脳卒中協会の山口武典理事長は3月8日、横浜市内で開かれた参加型イベント 「NO梗塞アカデミー」 (主催:同協会、サノフィ・アベンティス日本法人) で、脳卒中を予防したり、後遺症を減らしたりするための 「脳卒中対策基本法」 (仮称) の制定を呼び掛けた。

 山口理事長はあいさつで、「がん対策基本法はあるのに、脳卒中に関する法律はない。厚生労働省管轄の病院と総務省管轄の救急隊が連携を取り合って、スムースな救助活動をするために、一刻も早い法整備が必要」 と指摘。その上で、「要綱案はできているので、国会が正常に動くようになったら、議員立法での制定を目指したい」 と意欲を示した。

②同協会は現状の問題点として、

 (a) 脳卒中に関する知識は、医療者と市民の活動に頼るしかない。

 (b) (発症した場合に) どこの病院に行けばよいか、判断がつきにくい。

 (c) 119番で救急隊員を呼んでも、脳卒中かどうか判断できない。

 (d) 救急隊を呼んでも、(病院との連携がうまくいっていないため) 専門病院に
  運んでもらえる保証がない。

 (e) 受診が遅れると、治る可能性が低くなってしまう。

などを指摘。

 また、山口理事長によると、「3年前に国内でも使えるようになった血栓溶解薬 (t-PA) は効果が大きいが、発症から3時間以内に投与しないと、副作用の恐れがある」という。

③同協会は基本法の制定によって、政府、地方自治体、医療保険者、医療従事者らが協力して予防事業などを進められるようになるとしている。

 具体的には、

 (a) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 を国民に徹底周知。

 (b) 119番すれば、24時間全国どこでも、専門病院に搬送してもらえる仕組み
  を整備。

 (c) 急性期から維持期 (慢性期) まで途切れることなく最新の医療、リハビリ、
  療養支援を受ける仕組みを、全国的に整備。

 (d) 脳卒中の後遺症と共に生きる患者と家族の、生活の質の向上と社会参加
  を支援。

などを目指していく。

④山口理事長は、会場に集まった脳梗塞患者とその家族らに、「国を挙げて脳卒中の予防と後遺症のリハビリに取り組むためにも、一刻も早い法整備が必要」 と呼び掛けた。

⑤ t-PA治療

 2005 年10月から医療保険が適用された。t-PA治療によって、障害が残らない患者は、1.5倍になるといわれている。しかし、同治療は発症3時間以内に行うことが望ましいとされている。

 病院到着後、準備に1時間近くかかるため、発症2時間以内には同治療を実施できる医療機関に到着している必要があり、現状で同治療を受けているのは脳梗塞患者の約2%にとどまっている。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記②・⑤の通り、日本の脳卒中急性期診療の問題点の一つとして、「患者・家族・地域住民等の脳卒中発症サインの理解不足」・「救急隊と、血栓溶解療法 (発症から3時間以内の t-PA治療)・血管内治療を含めた超急性期の脳卒中治療が行える医療機関との、連携体制の不備」 等による当該病院受診遅延とそれに伴う 「血栓溶解療法・血管内治療等の超急性期脳卒中治療の断念」 が生じ、後遺症の発現に繋がります。
 また、地域によっては、血栓溶解療法・血管内治療を含めた超急性期の脳卒中治療が行える医療機関の不足・欠如が大きな問題となっています。

(2)上記①~④の通り、「脳卒中対策基本法」 (仮称) が制定されると、「厚生労働省管轄の病院と総務省管轄の救急隊が連携を取り合って、スムースな救助活動ができるようになる」・「政府、地方自治体、医療保険者、医療従事者らが協力して予防事業などを進められる」 等の利点があり、一刻も早い法整備が必要と指摘されています。

(3)また、上記の通り、同基本法の制定によって、下記のような具体的な成果が期待されています。

 (a) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 を国民に徹底周知。

 (b) 119番すれば、24時間全国どこでも、専門病院に搬送してもらえる仕組みを
  整備。

 (c) 超急性期・急性期~回復期 (亜急性期)~維持期 (慢性期) まで途切れること
  なく、最新の医療、リハビリテーション、療養支援を受ける仕組みを、全国
  的に整備。

 (d) 脳卒中の後遺症と共に生きる患者と家族の、「生活の質 (QOL) の向上」 と
  「社会参加」 を支援。

(4)2007年4月1日施行に施行された 「がん対策基本法」 は次の通りです。

【がん対策基本法】

●概要

 日本人の死因で最も多いがんの対策のための国、地方公共団体等の責務を明確にし、基本的施策、対策の推進に関する計画と厚生労働省にがん対策推進協議会を置くことを定めた法律である。

●基本的施策

 1.がんの予防及び早期発見の推進
   ◎がんの予防の推進
   ◎がん検診の質の向上等

 2.がん医療の均てん化の促進等
   ◎専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成
   ◎医療機関の整備等
   ◎がん患者の療養生活の質の維持向上

 3.研究の推進等

 「基本法」 とは、国の制度・政策に関する理念、基本方針が示されているとともに、その方針に沿った措置を講ずべきことを定めている法律です。その基本方針を受けて、その目的・内容等に適合するように行政諸施策が定められ、個別法にて遂行されます。また、基本法は 「親法」 として優越的な地位をもち、他の法律や行政を指導・誘導する役割があります。

 上記のように、がん対策基本法により、がんの対策に対する国、地方公共団体等の責務が明確化されるため、基本的施策 (「がんの予防及び早期発見の推進」・「がん医療の均てん化の促進等」・「研究の推進等」) の実施が推進されます。

 したがって、脳卒中対策基本法が制定されれば、例えば、「予防や脳卒中の見分け方、起こった時の対処などを行政が公に知らせることができる」・「救急隊が、現場で、脳卒中かどうかを判断し、専門病院に直接運ぶ仕組みができる」・「各自治体が、全国に、必要な仕組みを整備する」 等のメリットが生じます。
 特に、医療現場においては、「脳卒中医療の均てん化の推進」 が期待されます。

(5)日本脳卒中協会のホームページに、「脳卒中対策の法制化に向けた取り組み」 について、次のように詳しく説明されています。

●脳卒中対策 (脳卒中を予防し後遺症を減らす) についての法律が必要です。

 現在、法律による解決が必要と思われる課題が二つあります。

 一つは、一般市民の脳卒中の予防や発症時の対応についての啓発活動を全国的に継続的に行うには、行政の力なしには限界があるということです。

 もう一つは、脳梗塞の画期的な治療法である t-PA療法を普及するには救急搬送から t-PA治療を実施できる医療機関の整備まで、省庁を超えた制度的な対応が必要だということです。

 脳卒中予防のための知識、症状、発症時の対応方法を、公的な活動によって広く一般市民に普及させるには、法律が必要です。

 t-PA治療を普及させるには、脳卒中が疑われた場合には、t-PA治療をいつでも直ちに実施できる医療機関に直接搬送できるようにしなければなりません。

 そのためには、脳卒中救急搬送計画の策定、救急隊員の教育、受け入れ側の整備などが必要です。

 したがって、救急搬送を管轄する総務省消防庁と、医療機関を管轄する厚生労働省との、省庁を超えた調整が不可欠です。これは、法的な根拠なしにはなかなか実現できません。

 これらの問題を解決し、脳卒中対策を一層充実させるために、日本脳卒中協会は、脳卒中対策の法制化、すなわち脳卒中対策基本法 (仮称) の制定が必要であると考えています。

●脳卒中対策基本法 (仮称) ができると

(a)脳卒中の発症を防ぐために

 (*) 脳卒中を予防するための事業を、政府、地方自治体、医療保険者、医療
  従事者等が協力して進めることができるようになります。

(b)全国どこでも、いつでも、脳卒中の専門的治療を受けられるように

 (1) 「脳卒中を発症したら直ちに受診」 が国民に広まります。

 (2) 脳卒中が疑われたら、119番を呼べば、 24時間全国どこでも、専門病院
  に搬送してもらえる仕組みが整備できます。

 (3) 超急性期・急性期~回復期 (亜急性期)~維持期 (慢性期) まで継ぎ目なく、
  最新の医療、リハビリ、療養支援を受ける仕組みが、全国的に整備され
  ます。

 (4) 脳卒中後遺症とともに生きる患者と家族の、「生活の質 (QOL) の向上」
  と 「社会参加」 が支援されるようになります。

(c)研究成果が速やかに脳卒中に応用されて

 (1) 脳卒中の発症、救急搬送、受診、治療成果等の情報が集まり、予防対策
  や脳卒中医療の改善に活用できるようになります。

 (2) 救急隊員が脳卒中を現場で判断し直ちに搬送するための仕組みや教育・
  研修が整えられます。

 (3) 必要な地域には、遠隔医療が整備されます。

 (4) 急性期を含む脳卒中リハビリが全国的に普及します。

(6)脳梗塞の啓発啓蒙ホームページとして、 「NO!梗塞.net」 があります。下記の内容が含まれており、一般の方々に推奨されます。

(a) 脳卒中とは?、脳梗塞の種類・診断方法・治療方法・リハビリ・再発予防

(b) 市民公開講座の紹介

(c) 脳梗塞Q&A

(d) 脳梗塞を早く見つけるためのポイント

(e) いざという時、あなたはどうする!? (発作時の対処法)

(f) あなたの脳卒中危険度チェック! (セルフチェック)

(g) アニメでみる発症から退院まで (脳卒中急性期の治療と診断)

(h) 脳梗塞コラム

(7)以上、「脳卒中対策基本法」 (仮称) について論じました。

 以前の当ブログ記事にて何回も強調していますが、実際の脳卒中医療において、(a) 不充分な急性期治療・(b) 不充分な早期リハビリテーション・(c) 「医原性」 の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群)・(d) 不充分な回復期リハビリテーションあるいは回復期リハビリテーションの欠如のため、結果的に障害の回復が不充分なまま、あるいは余計な障害まで作られた上で、介護保険・福祉に受け継がれることが未だ少なくなく、全県的な脳卒中医療、リハビリテーション・ネットワークの構築の必要性が喚起されてます。

 「脳卒中対策基本法」 (仮称) の制定により、脳卒中の対策に対する国、地方公共団体等の責務が明確化され、各府省庁および各局の施策が 「縦割り」 から 「横の密な連携・コラボレーション」 に変わり、そして、「脳卒中の予防及び早期発見の推進」・「脳卒中医療の均てん化の促進等」・「研究の推進等」 が期待されます。

 そうなれば、超急性期・急性期~回復期~維持期の各ステージの脳卒中医療体制・リハビリテーション体制が確立し、且つ、充実した脳卒中医療連携体制および地域リハビリテーション連携ネットワークの構築が実現し、実際の脳卒中医療において、『濃厚な急性期治療ならびに充分な早期リハビリテーションが実施されることにより、脳の損傷が最小限に抑えられ、且つ 「医原性」 の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群) の出現も防止でき、そして、その後、充分な回復期リハビリテーションが行われることにより、「可能な限りの障害の回復が得られ、余計な障害も作られることなく」、介護保険・福祉に円滑に受け継がれる』という理想的な流れが得られると思います。

 また、医療難民 (特に、脳卒中難民、認知症難民)・リハビリ難民・救急難民・介護難民・障害者難民等の防止も期待できます。

【関連記事】
 ◎脳卒中急性期医療体制の構築 (東京都脳卒中急性期医療機関 2009)
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)
 ◎脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (TIA:一過性脳虚血発作)
 ◎地域リハビリテーション (CBR:community based rehabilitation)




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管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業 (厚生労働省)

 2009年3月5日に開催された全国医政関係主管課長会議において提示された 「管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業」 の実施要綱・交付要綱案に関する記事が、Japan Medicine (2009/3/9) に掲載されていますので紹介します。

●厚労省 「管制塔病院」 に3,000万円交付へ

①厚生労働省は5日に開いた全国医政関係主管課長会議で、2009年度予算案に計上した各種補助事業の実施要綱・交付要綱案を示した。

②救急受け入れ困難事例解消に向けた 「管制塔機能を担う医療機関」 への支援に関して、管制塔病院に1施設当たり3,000万円を交付するとともに、管制塔病院のマンパワーを確保するため要請に応じて医師を派遣する支援病院・診療所に対しても1人1回当たり1万3,000円を補助する。

●応援医師には1回1万3,000円

③実施要綱案 (下記の資料1・2参照) によると、管制塔病院は原則として2次医療圏単位で設定。相当数の病床を持ち、支援病院・診療所と連携して休日・夜間などの救急患者受け入れ体制を確保している2次医療機関と位置付けている。

④支援病院は、管制塔病院からの紹介を受けたり転送されたりした患者を受け入れるための空床を確保する。空床確保に関しては、1日1床当たり2万円を補助する。ただし、地域で1日8床を限度とする。

⑤また、支援病院・診療所は管制塔病院の要請に応じて医師を応援派遣し、比較的軽度の患者の治療に当たる。管制塔病院への患者の集中が見込まれるため、地域内の空床やマンパワーの有効活用を図る狙いだ。補助率はいずれも、国、都道府県、事業主が各3分の1。

⑥厚労省は09年度予算案で、管制塔機能を担う医療機関に関する事業費として51億円を計上している。医政局の三浦公嗣指導課長は、「管制塔病院は地域の中核となってより多くの救急患者を受け入れてもらう。ただ、これがあれば解決する問題ではない。支援病院・診療所との密な連携を推進してほしい」 と強調した。


(資料1) 救急医療対策事業実施要綱

第1.小児救急電話相談事業
第2.初期救急医療体制 (休日夜間急患センター、小児初期救急センター)
第3.小児救急地域医師研修事業
第4.入院を要する (第二次) 救急医療体制
   ◎病院群輪番制病院
   ◎共同利用型病院
   ◎小児救急医療支援事業
   ◎小児救急医療拠点病院運営事業
   ◎管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業
   ◎ヘリコプター等添乗医師等確保事業
第5.救急医療専門領域医師研修事業
第6.救命救急センター
第7.高度救命救急センター
第8.ドクターヘリ導入促進事業 (夜間搬送モデル事業を含む)
第9.救急救命士病院実習受入促進事業
第10.救急勤務医支援事業
第11.非医療従事者に対する自動体外式除細動器 (AED) 普及啓発事業
第12.救急医療情報センター (広域災害・救急医療情報センター)
第13.救急患者受入コーディネーター事業
第14.中毒情報センター情報基盤整備事業
第15.救急医療支援センター運営事業
第16.救急医療ト レーニングセンター運営事業

(資料2) 管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業

1.目的

 都道府県が地域の実情に応じて管制塔機能を担う医療機関 (以下、「管制塔病院」 という) 及び支援医療機関を設定し、症状に応じた適切な医療を提供できる医療機関・診療科へ患者を転送・紹介する体制を整備することにより、救急搬送患者が円滑に受け入れられる救急医療体制を構築することを目的とする。

2.補助対象

 ア.地域設定

  ◎地域設定は、原則として二次医療圏単位とする。ただし、二次医療圏
   単位によりがたい地域については都道府県知事が設定する地域で厚生
   労働大臣が適当と認めたものとする。

 イ.医療機関

 (ア)管制塔病院

  ◎都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営
   する病院で相当数の病床を有し、支援医療機関、支援診療所と連携し
   て常時休日夜間における救急患者受入体制を確保している第二次救急
   医療機関等とする。

 (イ)支援医療機関

  ◎管制塔病院と連携し、管制塔病院からの転送・紹介患者を受け入れる
   ために必要な空床を確保し、必要に応じて管制塔病院への医師の応援
   派遣等を行う医療機関とする。

 (ウ)支援診療所

  ◎管制塔病院と連携し、必要に応じて管制塔病院への医師の応援派遣等
   を行う診療所とする。

3.運営方針

 ア.管制塔病院

  ◎管制塔病院は、適切な受け入れ医療機関を紹介することも含め救急搬
   送患者を確実に受け入れ、重症度、緊急度等に基づく診療の優先順位
   に応じて診療を行う等必要な対応を行うものとする。また、都道府県
   と協力し、地域において救急搬送患者が円滑に受け入れられる救急医
   療体制を構築するにあたって中心的役割を担うものとする。

 イ.支援医療機関

  ◎支援医療機関は、原則として、必要な空床を確保し、管制塔病院から
   の転送・紹介患者を受け入れるものとする。また、支援医療機関は、
   管制塔病院からの要請により、必要に応じて管制塔病院に医師の応援
   派遣等を行うものとする。

 ウ.支援診療所

  ◎支援診療所は、管制塔病院からの要請により、必要に応じて管制塔病
   院に医師の応援派遣等を行うものとする。

4.整備基準

 ア.管制塔病院

  (ア)救急患者を確実に受け入れ、直ちに症状に応じた適切な医療を提
     供できる医療機関・診療科に転送・紹介するため、支援医療機関
     と連携し、地域で受け入れ可能な空床を確保するための調整機能
     を有するものとする。

  (イ)病院の診療体制は、休日夜間に症状等に応じた適切な医療を提供
     できる医療機関・診療科へ患者を転送・紹介する業務等に対応で
     きる医師等医療従事者を確保するものとする。また、必要に応じ、
     医師の負担軽減のための診療補助者 (診療記録管理者、医師事務
     作業補助者等) を確保するものとする。

 イ.支援医療機関

  ◎管制塔病院と連携し、地域で必要となる受け入れ可能な空床を確保す
   るものとする。また、管制塔病院からの要請に応じるため、派遣のた
   めに必要な医師を確保するものとする。

 ウ.支援診療所

  ◎管制塔病院からの要請に応じるため、派遣のために必要な医師を確保
   するものとする。

5.施設及び設備

 ●管制塔病院

  (ア)施設:必要に応じ、適切な場所にヘリポートを設けるものとする。

  (イ)設備:必要に応じ、診療体制の充実のための医療機器の整備や環
        境の整備を行うことができるものとする。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)資料2-1によると、管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業の目的は、都道府県が地域の実情に応じて管制塔機能を担う医療機関 (管制塔病院) および支援医療機関を設定し、症状に応じた適切な医療を提供できる医療機関・診療科へ患者を転送・紹介する体制を整備することにより、救急搬送患者が円滑に受け入れられる救急医療体制を構築することとされています。

(2)上記②・③および資料2-2~4によると、救急受け入れ不能・受け入れ困難事例の解消の対策として設けられる 「管制塔病院」 の概要は、下記の通りです。

 (a) 都道府県または都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営する
  病院で相当数の病床を有し、支援医療機関、支援診療所と連携して常時休日
  夜間における救急患者受入体制を確保
している第二次救急医療機関等。

 (b) 適切な受け入れ医療機関を紹介することも含め救急搬送患者を確実に受け入
  れ
重症度、緊急度等に基づく診療の優先順位に応じて診療を行う等必要な
  対応を行う。また、都道府県と協力し、地域において救急搬送患者が円滑に
  受け入れられる救急医療体制を構築するにあたって中心的役割を担う。

 (c) 救急患者を確実に受け入れ、直ちに症状に応じた適切な医療を提供できる医
  療機関・診療科に転送・紹介するため、支援医療機関と連携し、地域で受け
  入れ可能な空床を確保するための調整機能を有する。

 (d) 病院の診療体制は、休日夜間に症状等に応じた適切な医療を提供できる医療
  機関・診療科へ患者を転送・紹介する業務等に対応できる医師等医療従事者
  を確保する。また、必要に応じ、医師の負担軽減のための診療補助者 (診療記
  録管理者、医師事務作業補助者等) を確保する。

 (e)管制塔病院には、1施設当たり3,074万4千円が交付され、また、管制塔病院
  のマンパワーを確保するため要請に応じて、支援医療機関・支援診療所から
  応援医師が派遣されます。

(3)「管制塔病院」 の問題点としては、次のようなことが挙げられます。

 (a) 「相当数の病床」 の定義が、200床以上、300床以上、400床以上等、どのよう
  な規模になるかが問題です。200床以下の中小病院でも、救急医療に多大な
  貢献をしている中小病院 (特に、「専門特化型」 中小病院、脳卒中・心臓病等
  の中小専門病院
等) が存在しますので、一定の配慮が必要と思われます。

 (b) 支援医療機関・支援診療所と連携するにしても、管制塔病院が24時間・365
  日の救急患者受入体制かつ管制塔機能体制
を確保するには、北米型ER体制
  および総合診療部・総合内科体制の構築、ならびに、マンパワーの確保 (特に
  交代制勤務が可能なレベルの医師の確保) が必要ですが、1施設当たり交付さ
  れる3,074万4千円という金額は、「現時点で既に管制塔病院レベルの病院」 に
  とっては、天の恵みと思われますが、「現時点で未だ管制塔病院レベルに達し
  ていない病院で、新規に管制塔病院を目指す病院」
の多くにとっては、充分な
  インセンティブとは言えないと考えられます。

 (c) 後でも述べますが、「管制塔病院のマンパワーを確保するため要請に応じて、
  支援医療機関・支援診療所から応援医師が派遣される」・「救急患者を確実に
  受け入れ、直ちに症状に応じた適切な医療を提供できる医療機関・診療科に
  転送・紹介するため、支援医療機関と連携し、地域で受け入れ可能な空床を
  確保する」 ことを具現化するのは、支援医療機関・支援診療所の医師不足・
  医師負担
等を考えると難しいのではないかと推察されます。

(4)上記④・⑤および資料2-2~4によると、「支援医療機関」 の概要は、下記の通りです。

 (a) 管制塔病院と連携し、管制塔病院からの転送・紹介患者を受け入れるため
  に必要な空床を確保し、必要に応じて管制塔病院への医師の応援派遣等を行
  う医療機関。

 (b) 原則として、必要な空床を確保し、管制塔病院からの転送・紹介患者を受
  け入れる。また、支援医療機関は、管制塔病院からの要請により、必要に応
  じて管制塔病院に医師の応援派遣等を行う。

 (c) 管制塔病院と連携し、地域で必要となる受け入れ可能な空床を確保する。
  また、管制塔病院からの要請に応じるため、派遣のために必要な医師を確保
  する。

 (d) 支援医療機関は、空床確保経費として、1日1床当たり 20,519円の補助を
  受ける。但し、地域で1日8床を限度とする。また、医師派遣経費として、
  13,570円の補助を受ける。応援医師は比較的軽度の患者の治療に当たる

(5)「支援医療機関」 の問題点としては、次のようなことが挙げられます。

 (a) 支援医療機関の経営上の指標として、平均在院日数と病床稼働率が挙げら
  れます。特に、収入 (売上げ) には、高い病床稼働率が要求されます。医療
  機関によって大分異なりますが、「入院単価」「空床確保経費 (1日1床当
  たり 20,519円。1日8床が限度)」
との兼ね合い (充分なインセンティブと
  は言えない) によっては、支援医療機関における必要な空床確保が難しいの
  ではないかと推察されます。

 (b) 支援医療機関からの応援医師の派遣に関しては、慢性的な医師不足の問題
  医師派遣経費 (13,570円) との兼ね合い等により、これも難しいのではない
  かと推察されます。

(6)上記⑤・資料2-2~4によると 「支援診療所」 の概要は下記の通りです。

 (a) 管制塔病院と連携し、必要に応じて管制塔病院への医師の応援派遣等を行
  う診療所。

 (b) 支援診療所は、管制塔病院からの要請により、必要に応じて管制塔病院に
  医師の応援派遣等を行う。

 (c) 管制塔病院からの要請に応じるため、派遣のために必要な医師を確保する。

 (d) 支援診療所は、医師派遣経費として、13,570円の補助を受ける。応援医師
  は比較的軽度の患者の治療に当たる。

(7)「支援診療所」 の問題点としては、次のようなことが挙げられます。

 (*) 支援診療所からの応援医師の派遣に関しては、診療所医師の負担・日常診
  療への影響
医師派遣経費 (13,570円) との兼ね合い (充分なインセンティブ
  とは言えない) 等により、これも難しいのではないかと推察されます。

(8)上記⑤・⑥の通り、管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業において、補助率は、いずれも、国、都道府県、事業主が各3分の1です。また、厚生労働省は2009年度予算案で、本事業費として51億円を計上しています。

 国の公共事業で地元自治体が一定費用の負担を義務づけられている国直轄事業負担金制度に関して勃発した大阪府の橋下知事と国土交通省との 「バトル」 でも問題になった、多くの都道府県の逼迫した財政状況、小泉竹中構造改革による度重なる診療報酬引き下げ等に伴う多くの医療機関の窮迫した経営状況等を考えると、本事業の実施が危ぶまれると考えられ、補助率の負担割合の再考・事業費の増額が望まれます。

(9)以上、厚生労働省の管制塔機能を担う救急医療機関等運営事業について論じました。

 上記⑥の通り、厚生労働省医政局の三浦公嗣指導課長は 「管制塔病院は地域の中核となってより多くの救急患者を受け入れてもらう。ただ、これがあれば解決する問題ではない。支援病院・診療所との密な連携を推進してほしい」 と強調しています。

 しかしながら、上述のように、慢性的な医師不足、医師の過重負担・疲弊、看護師・コメディカル不足、医療費抑制に伴う医療機関の窮迫した経営、補助率の負担割合、管制塔病院の選定要件、充分なインセンティブとは言えない補助金の額等の様々な問題が山積しています。

 本事業が、「机上の理論 (空論)・砂上の楼閣・都道府県への丸投げ・全国一律の硬直化した基準」 にならないよう、厚生労働省には、更なる細やかな検討・工夫・配慮が望まれます。

 また、「医療費抑制・医師不足」 等に伴い生じた 「医療崩壊・医療破壊」 に対する抜本的な対策が望まれます。




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公共事業受注企業からの政治献金の全面禁止 (民主党マニフェスト)

 西松建設による 「違法」 献金事件で窮地に追い込まれている民主党の小沢一郎代表は、現在、その違法性を強く否定しています。

 また、小沢代表は、3月4日の記者会見で、「もし、これが西松建設そのものからの企業献金だという認識に立っているとすれば、政党支部は企業献金を受けることが許されておりますので、政党支部でそれを受領すれば何の問題も起きなかったわけで、私どもの資金管理団体の担当者は、それは政治団体からの寄付という認識のもとであったから、政治資金管理団体として受領したということであったと報告を受けておりますし、また、私はそれはしごく当たり前のことだろうと思っています」 と述べています。

 事件の事実関係は、新聞報道による情報 (新聞社独自の取材の他、検察からのリーク情報も有り?) だけであり、検察 (東京地検特捜部) の公式会見がないため、未だ不透明・不確実な点が多いと思われます。


 2003年の自由党と民主党との正式合併により、民主党の代表代行 (当時) に就任して以来、小沢代表は、民主党所属議員として今日まで至っています。
 したがって、小沢代表は、民主党の方針やマニフェストを遵守する義務があると考えられます。

 以前の民主党マニフェスト (下記参照) には、「公共事業受注企業からの政治献金の全面禁止」 が謳われています。

●公共事業受注企業からの政治献金を全面禁止します。

 ◎民主党マニフェスト2003 (管直人代表) (33ページ)
 ◎民主党マニフェスト2004 (岡田克也代表) (25ページ)
 ◎民主党マニフェスト2005 (岡田克也代表) (33ページ)

 一方、小沢代表の民主党マニフェスト2007 (下記参照) には、上記の文言がありません。

●民主党マニフェスト2007 (小沢一郎代表) (29ページ)

8.事務所費の透明化をはじめ政治改革を推進

 資金管理団体のみならず、すべての政治団体の支出のうち1万円を超える事務所費・政治活動費等の支出について、 ①領収書の徴収・保存、政治資金収支報告書への領収書の添付と支出明細の記載などを義務付けるとともに、②政治団体が領収書等を保存する期間を現行の3年から5年に拡大します。民主党は、迂回献金の禁止、政治家によるあっせん・口利きといった不正の根絶など政治腐敗を一掃するための法案も提出しています。

 上記のマニフェストの差異が何を意味しているのかは定かではないですが、今回の献金事件が2003~2006年の献金に対する立件であるため、小沢代表は、民主党マニフェスト2003~2005を遵守すべきであったと思われます。


 当ブログでも何回か下記のように述べてきました。

 当ブログ管理人は、以前は自民党支持者でしたが、現在は、自民党支持者でもなく、民主党支持者でもなく、「政権交代論者」 です。どの党であれ、長期政権は、様々な 「しがらみ」 のため、結局は、腐敗します。

 したがって、日本の場合、自民党と民主党とで政権交代を繰り返すことにより、健全な議会制民主主義を我が国に定着させて頂きたいと思っています。

 そして、「国民が選んだ政治家」 が、「国民が選ぶことが出来ない官僚・公務員」 を、うまくコントロールして、より良い政治・行政を遂行して頂きたいと思います。

 今回の西松建設の 「違法」 献金事件は、小沢代表のみならず複数の自民党議員 (特に二階経済産業大臣) も絡んでいるため、国民の政治に対する不信感は益々高まっています。

 当ブログ管理人は、小沢代表が今後どういう風に身を処すのかを注目しています。民主党代表を 「辞任する・しない」 に係わらず、国民に対して、充分、説明責任・結果責任を果たして頂きたいと思います。
 そして、上記の当ブログ管理人の 「儚い?願望」 が叶うように、これからも尽力して頂きたいと思います。

 また、東京地検特捜部には、捜査対象が与野党議員に係わらず、法と証拠に基づき、政治的独立性・中立性のもと、厳正中立・公明正大な捜査を期待しています。




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医療・介護の機能強化 (2012年度診療・介護報酬同時改定で体制構築)

 2012年度診療報酬・介護報酬同時改定における医療・介護の機能強化に関して、 厚生労働省保険局医療課の企画官が、医業経営セミナーで講演していますので紹介します (Japan Medicine 2009/3/4)。

●医療・介護の機能強化 2012年改定で体制構築

①厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は2009年2月28日、北海道札幌市内で開催された日本医業経営コンサルタント協会の医業経営セミナーで講演し、社会保障国民会議の報告書にある医療・介護の機能評価については、「2012年の診療・介護報酬改定で大きな体制構築を行うことになる」 との見通しを示した。

②宇都宮氏は、昨年11月に出された社会保障国民会議の報告書に示された医療・介護の機能評価のシミュレーションについて、12年の診療報酬・介護報酬の同時改定で 「どこまで支援するか」 が課題になっているが、「内容が決まらなければ (12年の改定で) 支援のしようがない」 と指摘。
 例年は秋口から開催される社会保障審議会・医療部会が今年は時期を早めて2月26日に開催したのは 「早く開催して計画・プランを作り上げたい」 という意図だと説明した。

③その上で、「医療のプラン、介護のプランを検討して固めた上で、12年の同時改定で大きな体制構築を行うことになる」 との見通しを示した。

④また、宇都宮氏は、「社会保障費や医療費について、どの政党も削減をとなえられる状況ではないだろう」 との認識を示し、また同報告書の内容が 「高齢化社会を迎えるにあたって必要な体制をどう構築するかのシミュレーションである」 と指摘して、次期衆議院選挙の結果によって 「(取扱いが) 大きく左右されることはないだろう」 との見方を示した。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①~③の通り、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は、「社会保障国民会議最終報告書 (2008/11/4) の 『医療・介護の機能評価のシミュレーション』 に基づいて、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定で大きな体制構築を行うことになる」 との見通しを示しています。

(2)最終報告書を、当ブログ管理人なりに解釈すると、医療・介護において、「財源」 「サービス提供体制」 の2つに集約されると思われます。

(3)医療・介護の財源として、公費負担 (税負担)・保険料負担 (医療保険・介護保険)・自己負担 (現在、1~3割負担) の3つが挙げられますが、最終報告書では、消費税アップを強調しています。

 但し、『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター (通巻53号)』 (2009/1/1) の 「インタビュー:医療立て直しの道筋は? 医療費抑制政策の転換へ 焦点は保険料の引き上げ」 において、日本福祉大学の二木教授は、上記の3つのうち、保険料の引き上げを主張しており、「サラリーマンの健康保険料 (事業主拠出分を含む) は国際的な水準と比べて低いために、引き上げ余地は大きい。国民健康保険も、高額所得者の保険料引き上げが必要だ」 と述べています。

 一方、以前の当ブログ記事 [『医療政策サミット2009 (日本医療政策機構)』・『「平成23年度からの消費税増税」 麻生政権の新たな火種』] で述べていますが、時の政府が、国民に消費税増税をお願いする時には、充分な景気回復税制の抜本的改革膨大な税金の無駄使いの抜本的是正 (伏魔殿化した特別会計、官僚の天下り・渡りの根絶、天下り用の無駄な公益法人や補助金の根絶、国会議員の定数削減・歳費の削減、国家公務員人件費の削減、無駄な公共事業の根絶等)、道路特定財源の完全なる一般財源化年金問題の早期完全解決等の達成または実行の約束を、明確化・数値化して、国民の納得を得る努力をすべきです。

(4)一方、医療・介護サービス提供体制については、最終報告書にて、厚生労働省は下記のような 「B2シナリオ」 を強調しています。

●B2シナリオ (選択と集中による改革:大胆な改革シナリオ) (2025年)

 1.急性期病床:病床数67万床 (重点化)
         入院患者数47万人
         平均在院日数10日 (短縮)
         人員数100%増 (増員)

 2.亜急性期・回復期等病床:病床数44万床
               入院患者数40万人
               平均在院日数60日 (短縮)
               人員数 (コメディカルを中心に30%増員)

 3.長期療養 (医療療養) 病床:病床数23.4万床
                入院患者数23万人
                平均在院日数154日

 4.介護施設:入所者数149万人 (特養78万人、老健72万人)

 5.居住系施設:入所者数68万人 (特定施設33万人、グループホーム35万人)

 6.在宅介護:利用者数429万人

 しかしながら、「機能分化と連携、選択と集中、集約化・重点化・拠点化」 により、医療に関する人材・財源を急性期病床に集中投入するのは、基本的には妥当なのですが、そのために、急性期後を受け持つ 「亜急性期・回復期等病床、長期療養 (医療療養) 病床、介護施設、在宅医療」 に対する人員・財源が不足し、不充分な医療サービス体制となれば、急性期病床を後方支援できず、結果的に、救急・急性期医療が崩壊する可能性があります。そして、医療難民・救急難民・脳卒中難民・認知症難民・リハビリ難民・介護難民等が増大すると考えられます。

 したがって、上記の問題を防止するためには、バランスのとれた医療・介護サービス提供体制・連携体制を、綿密なプランのもと、地域事情に合わせて (全国一律ではなく) 構築することが肝要と考えられます。

(5)以上、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官の 「医療・介護の機能強化 (2012年診療報酬・介護報酬同時改定で体制構築)」 に関する講演について論じました。

 上記④の通り、同企画官が、「社会保障費や医療費について、どの政党も削減をとなえられる状況ではないだろう」 との認識を示し、また社会保障国民会議最終報告書の内容が 「高齢化社会を迎えるにあたって必要な体制をどう構築するかのシミュレーションである」 と指摘して、次期衆議院選挙の結果によって 「(取扱いが) 大きく左右されることはないだろう」 との見方を示しています。

 しかしながら、政権交代によっては、同報告書 (特に、医療・介護シミュレーション) の取扱いが相当左右されるのではないかと推察されます。
 但し、現在、西松建設の違法献金問題 [民主党の小沢代表ならびに複数の自民党議員 (特に二階経済産業大臣)] にて、政治が混乱に陥っており、解散・総選挙も含めて、不透明な状況です。
 可及的速やかに、上記混乱状態から脱出し、早期に解散・総選挙を施行して、国民の信任を得た強力な内閣にて、景気回復・社会保障等の多くの懸案を解決して頂きたいと思います。




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2009年度の新規DPC対象病院は570病院 (約130病院が移行せず)

 Japan Medicine (2009/3/4) に、平成19年度DPC準備病院の 「平成21年度DPC対象病院への移行状況」 に関する記事が掲載されていますので紹介します。

●09年度の新規DPC対象は570病院 130病院が移行せず

①2007年度からDPC準備病院となった約700病院のうち、570病院が09年度からDPC対象病院へ移行する見通しとなった。移行しない病院は約 130病院で、多くが自主的に準備病院にとどまる選択をしたとみられる。

 DPC対象病院に移行しない理由について厚生労働省保険局医療課は、中医協・診療報酬基本問題小委員会やDPC評価分科会などで検討を進めている調整係数廃止後の新係数の成り行きを見守る病院が多いためではないかとみている。

②医療課によると、09年度の新規DPC対象病院に対しては3月上旬までに調整係数を内示する。対象病院への移行は4月実施と7月実施の2回に分けて行う。
 DPC病院としての告示は、4月実施の病院は3月下旬をめどに、7月実施は6月中旬~下旬頃を予定している。

● 「より良い急性期医療へ貢献」 がDPCの趣旨

③厚労省は2月27日、09年度の新規DPC対象病院に対する説明会を都内で開き、DPC導入までのスケジュールや請求に関する注意点などを説明した。

④医療課の宇都宮啓企画官は、「DPC病院にならなければ生き残れない、DPCはもうかるとの声を聞くが、それは大きな勘違い。対象病院になるのは、標準化や効率化を進めて最終的には医療の質の向上につなげ、より良い急性期の入院医療に貢献するためという認識を持ってほしい」 と呼び掛けた。

⑤また、「データが不正確ではDPC全体の係数や点数に影響を与えてしまう。正確なデータを期限までに出してもらうことが大事。出せない病院は中医協に呼んで事情を聞くこともあり得る」 と述べ、正確なデータを提出することでDPC制度全体に貢献するとの意識も必要とした。

⑥中医協の基本問題小委員会やDPC評価分科会で議論が進む新しい機能評価係数については、「現行の調整係数で担保されている部分をそのまま機能係数にすることはない。何らかの機能を有して地域医療に貢献してもらう必要がある。調整係数が残っているうちに何とか滑り込めたという考えのないようにしてほしい」 と強調した。

⑦療養病棟も併せ持つケアミックス型の病院に向けては、「急性期の病棟と療養病棟の役割分担をきちんとしてほしい」 と要請した。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①の通り、2007年度からDPC準備病院となった約700病院のうち、570病院が2009年度からDPC対象病院へ移行する見通しとなり、現行のDPC対象病院718病院と合わせて、2009年度は、DPC対象病院が全国で、1,288病院となる予定です。

 一方、移行しない病院は約 130病院で、多くが自主的にDPC準備病院にとどまる選択をしたとみられます。
 そして、その理由として、厚生労働省保険局医療課は、中医協・診療報酬基本問題小委員会やDPC評価分科会などで検討を進めている調整係数廃止後の新係数の成り行きを見守る病院が多いためではないかとみています。

(2)DPC 「新機能評価係数」 に関しては、2009年3月5日のDPC評価分科会において、次のような議論が行われています。

 (a) DPC 「新機能評価係数」 の候補は次の通り。
   [以前の当ブログ記事 (「DPC 「新機能評価係数」 候補の選定)」 参照]
  1.「医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等の評価について」:10項目
  2.「社会的に求められている機能・役割の評価について」:8項目
  3.「地域医療への貢献の評価について」:8項目
  4.「その他」:11項目
  5.「ヒアリング医療機関からの要望」:24項目 (重複有り)

 (b) 今後は、(1) 新たな 「機能評価係数」 に関する基本的考え方との合致、(2) 現
  行の 「DPCの影響評価に関する調査」 の活用、(3) 現行の機能評価係数や出
  来高部分と評価が重複する可能性がある項目の整理、等を考慮しながら、新
  たな 「機能評価係数」 として評価するべき項目の絞り込みが行われ、そして、
  絞り込まれた項目について、具体的な検討が進める。

 (c) 調整係数の廃止と新機能評価係数の導入は段階的に行うこととされているこ
  とから、次回診療報酬改定で採用にならなかった項目でも、次々回の改定で
  取り上げることもあり得る。
   今回は、上記項目の中から先ず、2010年度改定の候補として、既にデータ
  があるものや、しっかりしたデータの裏付けができるような項目を優先的に
  議論
する。
   現状で、データのない項目については、次回改定での評価は難しいが、次
  々回の評価はあり得るとされた。「副傷病」・「術後合併症」 については、報告
  様式を変更し記載欄を設けてデータを収集することが提案された。

 (d) 分科会では、特に、DPCの係数として評価すると、出来高払い方式の加算
  などと 「重複評価」 になってしまう項目
が議論になった。その他、評価手法
  におけるメリット・デメリット (含、リスク調整、二重評価、変なインセンテ
  ィブ、モラルハザード等)、大学病院 (研究や教育) や地方病院 (地域格差) の立
  場の違い等により、意見を集約できないものも多かった。
   議論の詳細は、『後発医薬品使用状況のDPC評価、結果の公開で 新機
  能係数評価候補の絞り込み議論 分科会 (Online Med:2009/3/5)
』 および
   『病院の機能、「二重評価してもいい」 (CBニュース:2009/3/5)』 を参照。

(3)上記④の通り、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は、「DPC病院にならなければ生き残れない、DPCはもうかるとの声を聞くが、それは大きな勘違い。対象病院になるのは、標準化や効率化を進めて最終的には医療の質の向上につなげ、より良い急性期の入院医療に貢献するためという認識を持ってほしい」 と述べています。

 しかしながら、『DPC対象病院は、標準化や効率化を進めて、最終的には医療の質の向上につなげ、より良い急性期の入院医療に貢献するもの』 との発言は、「DPC対象病院以外の病院は、急性期病院をあきらめて、亜急性期以降に移行しなさい」 と言っているようなものです。上記⑥の発言も、同じような意味と思われます。

 また、厚生労働省の常套手段として、ある医療提供体制が普及するまでは、診療報酬上で優遇し、普及した時点で梯子を外します。DPC対象病院も同じ運命をたどると考えられます。そして、それを受け入れられない (それに耐えられない) と、急性期病院として生き残れない (勝ち残れない) と考えられます。

(4)上記⑤の通り、同企画官は、「データが不正確ではDPC全体の係数や点数に影響を与えてしまう。正確なデータを期限までに出してもらうことが大事。出せない病院は中医協に呼んで事情を聞くこともあり得る」 と述べ、正確なデータを提出することでDPC制度全体に貢献するとの意識が必要と強調しました。

 この件に関しては、DPC 「新機能評価係数」 の候補に、「DPC病院として正確なデータを提出していることの評価」 が含まれています。
 また、DPCの点数、入院期間Ⅰ・Ⅱ・特定入院期間等は、基本的に全DPC対象病院のデータの平均値が用いられますので、不正確なデータがある一定程度以上に増えると、前述の各数値に悪影響を与え、DPC診療報酬体系が崩壊します。
 したがって、各DPC対象病院が正確なデータを提出することが、DPC制度の根幹です。

(5)上記⑦の通り、同企画官は、療養病棟も併せ持つケアミックス型の病院に向けては、「急性期の病棟と療養病棟の役割分担をきちんとしてほしい」 と要請しています。

 この件に関しては、多くの 「中小病院」 および 「ケアミックス型病院」 が関係します。
 以前の当ブログ記事 (「DPC新機能評価係数と中小病院 (厚労省保険局医療課企画官の見解)」) でも述べていますが、以前、同企画官は、今後、DPC対象病院として中小病院が多く参入してくる現状にあることや、機能評価係数は必ずしも大病院向けだけのものではないとの基本的考え方を説明。その上で、「係数には大病院向けの係数、中小病院向けの係数があるが、中小病院向けの係数を設定したことで大病院がマイナス評価を受けることはない」 とし、機能評価係数の基本的考え方に沿って検討することを明言し、幅広い視点での議論を求める発言をしています。

 また、ケアミックス型病院についても、当初、「患者を一般病床と療養病床等とでキャッチボールするのではないか」・「後方病床があるケアミックス型病院とそれがない一般急性期病院とでは、平均在院日数等で不公平が生じるのではないか」 等の懸念がありましたが、厚生労働省の調査により、(a) DPC対象病院とDPC準備病院の両方において、ケアミックス型病院のDPC算定病床の割合が少なくても、平均在院日数・救急搬送件数・肺炎等による緊急入院割合・再入院率などにおいて、ケアミックス型病院とDPCのみの病院との間に明らかな差がみられない、(b) 「DPC算定病床の割合が小さい病院では、一部の疾患で、手術などを行う患者の割合が少ない傾向にあるものの、それらは診断群分類が別なものとなることから、大病院で実施される手術などを伴う症例の点数設定には影響しない」 として、医療資源の投入の少なさから、DPC点数が低めに設定されることになるのではないかとする大規模病院側からの懸念も問題はない、ということが判明し、最終的に、ケアミックス型病院をDPC対象病院に加えることが了承されました。

 しかしながら、「中小病院 (特に、民間中小病院)」 および 「急性期一般病床の占める割合が少ないケアミックス型病院」 については、基本的には、高度急性期医療およびDPCを断念して、亜急性期以降の医療を担ってもらいたいという厚生労働省の思惑、即ち、上記病院の役割として、次のような 「亜急性期病院、慢性期病院、ケアミックス型病院、介護保険施設」 が想定されていると推察されます。
 (1) 軽度 (~中等度) の救急・急性期医療 (特に、認知症の合併症がある高齢者
  の骨折等・入院を繰り返す高齢者・慢性疾患の急性増悪等の救急・急性期
  患者)
 (2) 「急性期後」 の亜急性期医療 (亜急性期入院医療管理料を算定する病床、回
  復期リハビリテーション病棟)
 (3) 慢性期医療 [療養病床 (医療療養病床、介護療養型医療施設)]
 (4) 特殊疾患病棟、障害者病棟 (障害者施設等入院基本料を算定する一般病棟)
 (5) 在宅医療
 (6) 場合によっては、介護療養型老人保健施設への移行

 したがって、急性期の病棟と療養病棟の役割分担をきちんとできない病院は、上記の (1)~(6) の病院・施設へ、厚生労働省が誘導すると考えられます。

 但し、「専門特化型」 急性期中小病院、あるいは、「専門特化型」 の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院は、場合によっては、大病院等よりも、質の高い効率的なDPC対象病院であることが少なくないということで、このような病院にインセンティブを与えるような 「新機能評価係数」 の設定が望まれます。(スケールメリット不足を補填する評価、高い専門性・充実したチーム医療への評価等)。

 それ以外は、基本的には、DPCに馴染まず、医療マンパワー不足もあることから、将来的には亜急性期以降への移行を促される可能性が高いと考えられます。

 また、地方の中小自治体病院に多い、「準総合病院型」 急性期中小病院および 「準総合病院型」 の急性期一般病棟を持つケアミックス型中小病院については、総務省・公立病院改革ガイドライン (平成19年12月) を厳格に適用すると、廃止・民営化の道をたどると考えられます。
 しかし、その病院が、地域唯一の病院であり、不採算医療 (政策的医療や救急医療等) を担っているということで、充分な公的支援があれば、(DPC適用の可否は別として)、存続できると考えられます。

(6)以上、平成19年度DPC準備病院の 「平成21年度DPC対象病院への移行状況」 について論じました。

 平成21年度DPC対象病院に移行しない約130のDPC準備病院には、おそらく多くの中小病院・ケアミックス型病院が含まれていると推察されます。

 特に、中小病院については、「地方」・「ケアミックス」・「公立・民間 (公私格差要因も含めて)」 の多因子が複雑に絡み、DPCとの整合性を図ることが非常に難しい面があると思われます。

 しかしながら、上記(5)で述べたように、DPC対象病院として相応しいと考えられる中小病院・ケアミックス型病院については、上記(2)で記したDPC 「新機能評価係数」 の候補において、当該病院に相応しい項目を、入念に精査・抽出し、正式項目化を行って頂きたいと思います。




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日常生活機能評価 (急性期病院と回復期リハ病棟とでデータに格差)

 平成21年2月14日~15日、「全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 第13回研究大会 in 大阪」 が開催されました。Japan Medicine (2009/2/27) に、15日のシンポジウム 「地域連携診療計画の検証と展望」 での日常生活機能評価に関する興味深い記事が掲載されていますので紹介します。

●日常生活機能評価点数 (急性期と回復期でデータに格差)
  【地域連携パスの課題が浮き彫りに】

①全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会研究大会 (大会長=宮井一郎・森之宮病院院長代理) が14、15の両日、大阪市で開かれた。
 その中で地域連携パスの運用上の問題については、急性期病院退院時と回復期リハ病院入院時の日常生活機能評価指標 (看護必要度B項目) に対する評価点数の違いなどが顕在化している実態が明らかになった。
 また、地域連携診療計画管理料の算定ができない病院も散見されている。

●日常生活機能評価点数の扱いに課題

②今回の研究大会では、地域連携パスで脳卒中の算定が可能になったことから、回復期リハビリテーション病院が地域連携診療計画退院時指導料の算定が可能になった。
 特に、地域連携診療計画管理料を算定する立場の急性期病院からの転院時、地域連携診療計画退院時指導料を算定する回復期リハ病院からの退院時において、日常生活機能評価を行い、その結果を地域連携診療計画書に記入することになっている。

③しかし、医療現場で、日常生活機能評価指標 (看護必要度B項目) の数値が、急性期病院の転院時と、連携先の回復期リハ病院の入院時で評価点数が異なる現象が起きている。これは、同研究大会で複数の学会関係者から指摘された問題の一つだ。

④具体的に熊本機能病院の渡邊進氏 (総合リハビリセンター部長) は、シンポジウムの中で、脳卒中地域連携パスにおける急性期病院退院時、回復期リハ病院入院時の日常生活機能評価点数について検証。
 昨年4月1日~9月30日に、同院回復期リハ病棟入院患者で脳卒中地域連携パスを持参の91人の患者を対象に見たところ、急性期データと回復期リハ病棟入院データが同じだったのは21例 (23.1%) にとどまった。

⑤急性期データより回復期リハ病棟入院のデータが高いのが46件 (50.5%) で多く、反対に急性期データよりも回復期リハ病棟入院時のデータが低いのは24件 (26.4%) だった。

⑥日常生活機能評価点数が急性期病院より回復期リハ病棟の方が高い場合、両者で9点も異なった患者が1人いたほか、2点の差が13人、1点の差が10人などとなっていた。
 全体的に日常生活機能評価点数の評価については、研修が行われているはずで、9点差は考えられないとの見方もでている。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)平成20年度診療報酬改定における回復期リハビリテーション病棟に対する成果主義の導入に伴い、重症度の指標として採用された 「日常生活機能評価」 (看護必要度のB項目) に関しては、次のような問題点が指摘されています。

 (a) 「回復期リハビリ病棟の成果主義導入」 に伴って導入された指標 (「在宅復帰
  率6割以上」・「重症患者1割5分以上」・「日常生活機能評価10点以上」「回
  復期リハビリ病棟のアウトカム指標としての日常生活機能評価表の使用」
) に
  は真のエビデンスはありません。上記の数値等は、「データ解析対象患者の
  各種特徴・特性・属性の偏りが少なくなく、かつサンプル数の少ないデータ
  による統計結果」 によって導出されたものだからです。[以前の当ブログ記事
  の 「回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
  参照]。

 (b) 以前の当ブログ記事の 「平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医
  学会の総括)
」 において、 「想定外の改定内容として、回復期リハビリテーショ
  ン病棟の成果評価指標に、リハビリテーション医療で通常用いている FIM
  や Barthel index ではなく、看護必要度から派生した日常生活機能評価が導入
  された」 ことを挙げています。
   即ち、回復期リハビリテーション病棟の成果評価指標としては、 「日常生活
  機能評価」 (看護必要度B項目) は全く不適切であり、エビデンスも乏しい 「代
  物 (しろもの)」 です。
   しかしながら、厚生労働省は、「日常生活機能評価」 を、地域医療連携・地
  域包括ケアにおける急性期~回復期~維持期の連続した指標として考えてお
  り
、撤回は困難が予想されます。(リハビリテーション医療で通常用いている
  FIM や Barthel index はリハビリテーション・ナース以外の看護師にとって
  は難しいという問題もあります)。

 (c) 「リハ医の独白」 ブログの記事 「回復期リハビリテーション病棟在宅等復帰率
  に関係する因子
」 において、「日常生活機能評価は、ADL指標である機能的
  自立度評価法 (Functional Independence Measure:FIM) ・Barthel Index (BI)
  と互換性がなく、リハビリテーション分野とは異質の評価である
ことが明らか
  になっている。臨床指標の十分な吟味なく、成果主義が導入されたことに対し
  批判が出されている」 と述べられています。

 (d) 週刊医学界新聞 (第2805号:2008年11月10日) の記事 「2008年の医療制度改革
  を語る
」 で、石川誠氏は次のような指摘をしています。
 
● (回復期リハ病棟に対する成果主義の検証作業の) 一つは質の評価として出てきた 「日常生活機能評価」 です。リハ領域ではBIやFIMを使っていますが、「これらはどう違うのか」 という議論が起こったため、協議会で 「日常生活機能評価」 とFIMの関係を検証しました。
 その結果、両者の間には互換性があるとは言い難いことがわかりました。「日常生活機能評価」 は看護必要度 (必要看護人員の算定ツール) なのです。ですから協議会では、BI、FIMとはそもそも視点の異なる評価であると考え、両方を調べるように主張しています。

● 「日常生活機能評価」 を使うことになったのは、厚労省の意図的な戦略だと思います。これまで 「重症度・看護必要度」 は特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料で使われていましたが、7対1看護に導入され、急性期病院では看護必要度のチェックが必須事項となりました。このなかのB項目が 「日常生活機能評価」 として回復期リハ病棟に導入されたのです。

●また介護保険の分野では、平成20年9月に開始した介護認定のモデル事業で新たな要介護度の認定調査項目となる動きがあり、そこに看護必要度の項目が入ります。つまり、急性期の 「重症度・看護必要度」、回復期リハ病棟の 「日常生活機能評価」、介護保険の 「要介護度」 がつながるのです。国は、急性期から長期・慢性期まで継続的に手のかかり具合を測りたかったのだと思います。

 (e) 「リハ医の独白」 ブログの記事 (「介護の社会化」と逆行する認定調査がこの
  4月から始まる
) において、「看護必要度は、あくまでも看護師の効率的な配
  置を検討するために作られたツールである。その看護必要度をADL指標と
  同じように扱うという過ちを犯したため、回復期リハビリテーション病棟は
  混乱に陥っている。厚顔無恥というべきか、介護分野にまで看護必要度が導
  入されようとしている」 と批判しています。

(2)上記①・②の通り、平成20年度診療報酬改定で、脳卒中と大腿骨頸部骨折において、地域連携パス (地域連携診療計画) に則って連携医療を行うことにより、急性期病院 (計画管理病院) は、「地域連携診療計画管理料」 を算定でき、また、回復期リハビリテーション病棟等 [転院後又は退院後の治療を担う複数の連携医療機関 (特別の関係でも可)] は、「地域連携診療計画退院時指導料」 を算定できるようになりました。
 但し、脳卒中を対象疾患とする場合にあっては、医療法第30条の4の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている病院又は有床診療所であることが要件です。
 また、地域連携診療計画に、退院基準、転院基準及び退院時日常生活機能評価を明記することが必要です。即ち、地域連携パスにおいて、計画管理病院退院時 (転院時) ならびに連携医療機関退院時における日常生活機能評価の点数を記載する必要があります。

(3)上記③~⑥において問題視されているのは、急性期病院退院時 (転院時) の日常生活機能評価点数と、回復期リハビリテーション病院 「入院時 (急性期病院からの転院時)」 の日常生活機能評価点数との間に乖離が見られるということです。
 本来、両者の点数は一致するはずです。ところが、一致したのは約23%に留まり、最大9点の差が見られました。

(4)上記(3)の理由として、次のようなことが挙げられます。

 (a) 「日常生活機能評価」 自体の問題・限界 [特に、看護必要度 (入院患者に提供さ
  れるべき看護の必要量) を、ADL評価として患者の重症度評価のように扱う
  ことは明らかに誤用 (次元の異なるものへの誤った適用)]。

 (b)一般病棟用の重症度・看護必要度に係る評価票のA得点 (モニタリング及び処
  置等)・B得点 (患者の状況等) において、看護師の専門性・教育背景として、
  A得点に比して、B得点 (=日常生活機能評価) は評価が比較的難しい
と推察
  されます。
   障害学・ADL評価の専門家であるリハビリテーション・スタッフでさえ、
  患者さんの病態・障害像によってはADL評価が難しい場合があり、いわん
  や看護師は尚更と思われます。

 (c) 急性期病院における日常生活機能評価が、看護師単独で行われる場合と、
  看護師がリハビリテーション・スタッフの助言を受けながら行われる場合と
  では、点数が異なる可能性が高いと考えられます。
   また、「している日常生活機能 (ADL)」 的に評価した場合の点数と、「で
  きる日常生活機能 (ADL)」 的に評価した場合の点数とでは、点数が異なる
  可能性が高いと考えられます。

(5)以上、「日常生活機能評価点数における急性期と回復期でのデータ格差」 問題について論じました。
 回復期リハビリテーション病棟における成果主義で、「日常生活機能評価」 を利用 (特に、重症度の評価指標として利用) することは、かえって回復期リハビリテーションを歪めるものであり、中医協での検証のもと、可及的速やかに改善して頂きたいと思います。




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無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)

 以前の当ブログ記事 (リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務) に対する下記の質問がありましたので、回答かたがた、本ブログで説明したいと思います。

(質問) 2009/1/22 記載の疾患別リハビリテーション専任医の責務について、ご質問させてください。現在、私はリハ専任医の診察はどの程度の頻度で実施することになっているのかを調べています。上記、1/22 には 「医師は全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に必ず診察を行い~ 注釈2」 とありますが、これの出所はどこでしょうか? 疑義解釈を調べてみましたが、リハ専任医の診察頻度に関する記述が見当たりません。もし、よろしければ具体的にご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

(当ブログ管理人の回答)

(1)「医師は、全ての患者に対し、毎回リハビリテーション前に、必ず診察を行い、診療録に病理学的所見などの評価項目を記載すること」「無診察によるリハビリテーション実施は認められない」 という項目の出典は、「整形外科外来におけるリハビリテーションの理念と取り組みについて」 (梶浦一郎) [越智隆弘・梶浦一郎・編:(整形外科 外来シリーズ 7) 「リハビリテーション外来」、メジカルビュー社1998] です。
 この項目は、実際に 「社会保険事務局 (現在の地方厚生局各県事務所)」 による 「個別指導」 等で指摘された事項を示したものです。

(2)上記(1)は、保険診療の禁止事項の一つである 「無診察治療等の禁止」 (下記参照) が基本にあり、それが、「無診察によるリハビリテーションの禁止」・「毎回のリハビリテーション前診察の義務」 に繋がります。

(3)無診察治療等の禁止 (療担規則第12条) (註1参照)

 医師が自ら診察を行わずに治療、投薬 (処方箋の交付)、診断書の作成等を行うことについては、保険診療の必要性について医師の判断が的確に行われているとはいえず、保険診療としては認められるものではない。

 なお、無診察治療については、保険診療上不適切であるのみならず、医師法違反 [「医師は、自ら診察しないで治療をしてはならない」 (第20条)] (註2参照) に当たるものであり、また、倫理的にも医療安全の観点からも極めて不適切な行為であることは言うまでもない。

●無診察治療の例
 ①定期的に通院する慢性疾患の患者に対し、診察を行わず処方箋のみ交付。
 ②通院リハビリテーション目的で訪れた患者が、理学療法士等によるリハビリテ
  ーションを行ったのみで、医師の診察の事実がないのに再診料等を請求。

 ③診療録に、診察に関する記載が全くなかったり、「薬のみ (medication)」 等の記
  載しかない (無診察治療の疑い)。

(註1) 保険医療機関及び保険医療養担当規則 (療担規則)
   ◎昭和32年4月30日 厚生省令第15号
   ●最終改正:平成20年9月30日 厚生労働省令第150号

第2章 保険医の診療方針等

(診療の一般的方針)
第12条 保険医の診療は、一般に医師又は歯科医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行われなければならない

(註2) 医師法 (昭和23年7月30日 法律201号)
   ●改正:平成19年6月27日 法律96号 (施行:平成19年12月26日)

第4章 業務

第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

(4)上記(1)のタスクは、医師であればOK、即ち、疾患別リハビリテーション専任医師だけでなく、非専任医師でも可能ですが、基本的には通常、専任医師のタスクと見なされます。

(5)リハビリテーション前診察の内容は、医師自ら (または、医療クラークが代行入力し、医師が確認署名) が、診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載しなければなりません。
 但し、記載する診察内容は、単にバイタルサインのみの記入では不充分です。

 リハビリテーション専任医師の責務として、①リハビリテーション診察時の全身状態・健康状態・体調・バイタルサイン等 (「当該日にリハビリテーションを受けることができる状態である」 という根拠・データ)、②リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・生活機能 (移動歩行能力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による客観的効果判定]、③上記②の効果判定の結果、「現状として、リハビリテーション継続が必要である」 ということ を、毎回、簡潔に記載する必要があります。

 そして、長期漫然とした効果のないリハビリテーションを防止するために、「疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は、定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成 (リハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書:多専門職種によるチームアプローチによる詳細なリハビリテーション実施計画の作成) する必要があり、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること」 が、保険診療上、定められています。

 また、リハビリテーション専任医師は、専任、即ち、「リハビリテーション医療業務に50%以上の関わり」 が必要であり、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましいとされています。リハビリテーション専任医師としての担当時間帯において、他の業務との兼任も可能ですが、リハビリテーション室にて患者さんの急変・事故等が生じた場合、すぐに駆けつけることが出来るように、「手術に入ったり、途中で中止できない検査や処置をする」 ことは控える必要があります。

(6)上述の議論は、外来患者および外来リハビリテーション患者は全て該当します。

 一方、入院患者については、1年365日、毎朝、医師が診察しており、無診察の投薬・検査・処置・リハビリテーション等は無いという大前提があるため、入院患者のリハビリテーション前診察については、ほとんど指導対象となりませんでした。

 しかしながら、個別指導で、医師による入院カルテの記載漏れ・記載不備が、以前から、大きな問題になっており、今後、入院患者の無診察治療等についても、個別指導等の指導が厳しくなるかもしれません。(場合によっては、入院基本料の自主返還も有り?)。

 仮に、その場合は、入院リハビリテーション患者は、(本来は施行すべきものなのですが)、全員、リハビリテーション前診察かつ診療録への記載 [上記(5)参照] を施行することになり、特に、リハビリテーション専任医師体制に不備のある病院等での医療現場は混乱すると思われます。(1年365日リハビリテーション体制の場合、日直医または当番医が大変になると思います。但し、逆に、1年365日リハビリテーション体制を敷いている病院等のリハビリテーション専任医師体制は完璧かも知れませんが・・・)。

(7)以上、以前の当ブログ記事 [『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』] で論じたように、リハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があります。




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脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (TIA:一過性脳虚血発作)

 前回の当ブログ記事 [「脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)」] の続編です。
 週刊医学界新聞 (第2820号:2009年3月2日) の記事 (【座談会】 脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望) におけるTIA (一過性脳虚血発作) の部分を抜粋して紹介します。

【TIAの早期診断・治療が脳卒中を防ぐ】

● 「よくなってよかったですね」 で帰してはいけない


① (内山・東京女子医科大学神経内科教授)
 欧米では、TIA (一過性脳虚血発作) はメディカル・エマージェンシーであり、早期の評価と治療を要することが、ここ4~5年強調されています。それに比して、日本ではその認識が遅れており、症候学として、あるいは診断基準の論争だけにとどまっていた傾向があると思います。

 実際、脳卒中発症後にt-PA療法を行っても、全体としての効果は3か月後の転帰良好例が30%増えるだけです。一方、ハイリスクのTIA患者を早期に診断・治療すれば、脳卒中そのものを起こさなくても済むわけですから、結果的に医療経済効果ははるかに高くなります。実際に海外では、TIAを早期に治療すれば脳卒中のリスクは半減するというデータも出ています。そういった意味でも、今後日本におけるTIAの認識を変えていかねばなりません。

② (平野・熊本大学医学部附属病院神経内科副科長)
 先ほど長尾先生から心臓の話が出ましたが、「TIAは脳にとっての不安定狭心症」 だと言うことができます。不安定狭心症を放っておいたら心筋梗塞になるのと同様に、TIAを放っておいたら脳卒中になる。メディカル・エマージェンシーだという認識をしっかり持ち、必ず血管系のサーベイをして、すぐに的確な対策を立てることが大切です。よく九州医療センターの岡田靖先生の言葉を借りて 「TIAは脳卒中予防五段階のがけっぷちです」 と言うのですが、いちばん危ない病態だと認識してほしいということを、患者さんにも開業の先生方にも、機会があるごとにお話ししています。

③ (内山) 他科の医師や研修医にも啓発が必要です。例えば、週末の救急外来を受診した当日発症のTIA患者さんに、当番にあたった医師が 「よくなってよかったですね。また来週の月曜日に来てください」 と言って帰す。これは絶対にいけません。それで帰宅後に脳卒中を起こした患者さんも実際にいます。このことは口を酸っぱくして言っているのですが、まだまだ認識が不十分だということは、痛いほど感じています。

●TIAを正確に診断する

④ (長尾・東京都保健医療公社・荏原病院神経内科医長)
 私が現場で感じているのは、他科の医師のTIA診断に関する誤解が非常に大きいことです。TIAでないものをTIAと言い、 TIAをTIAと言わない傾向が非常に強い。例えば、失神や意識消失発作に対してTIAと診断する医師は多いですよね。でも、実際は重篤な不整脈が隠れていたりするなど、心臓疾患の可能性も含めて考えなければならない。「それを簡単にTIAと言っていいのか」 というのは、常々疑問に思っています。また、救急の現場ではいわゆる局所神経症状が出ている 「がけっぷちのTIA」 の整理も不十分だと感じています。

 私は 「TIAは脳卒中の予行演習」 と言っていますが、本当のがけっぷちのTIAをきちんと拾い上げ、本番になる前に適切な対処をすることが必要です。つい先日も 「手がしびれる」 と整形外科を受診し、診断がつかずに手こずった患者さんがいました。最終的にその方はTIAだったのですが、もちろんご本人にもTIAの認識はありませんでした。t-PAと同様に、発症から来院までにもう少し啓発が必要ではないかと現場では感じています。

⑤ (内山) その通りです。2005年度から、JPPPという動脈硬化性疾患に対するアスピリンの一次予防に関する厚労科研費研究で、松本昌泰先生・峰松一夫先生と一緒にTIAと診断された患者さんのイベント評価を行っているのですが、TIAと診断された10人のうち7~8人が、実際はTIAの診断基準を満たしていません。JPPPは一般のクリニックの先生を中心に行われているスタディですが、やはりもう少しTIAの正確な診断を啓発する必要があると思います。

 アメリカではNational Stroke Associationで 「TIAは48時間以内に評価を終わらせ、治療を始めなければならない」 というガイドラインを出しましたが、ヨーロッパはさらに一歩進んで、24時間以内でなければいけないと主張しています。たしかに、ついさっき起こったTIAと1年前に起こったTIAとでは危険度がまったく違うという認識も、一般医にはほとんど理解されていない面があると思います。

●TIAは 「重い脳卒中の予備軍」

⑥ (豊田・国立循環器病センター内科脳血管部門医長)
 TIAというと皆、「脳卒中の軽いもの」 という言い方をしますよね。実際、神経内科医や脳外科医を含めてかなり多くの人が 「アテローム血栓症や心原性脳塞栓症は重い病気で、それより軽いラクナ梗塞、さらに軽いTIAがある」 という誤った認識を持っていると思います。TIAというのは基本的にはアテローム血栓症か心原性脳塞栓症の機序による一過性の脳梗塞ですから、決して 「脳卒中の軽いもの」 ではなくむしろ 「重いものの予備軍」 なのです。ですから、症状が安定しているラクナ梗塞の患者を緊急入院させる感覚を持っている医師だったら、それ以上の真剣さでTIAの患者さんに入院を勧めるべきだと思います。

⑦ (内山) おっしゃるとおりです。いくつかの前向きコホート研究では completed stroke よりもTIAのほうが発症後3か月以内の脳卒中のリスクは高いと出ています。

⑧ (豊田) それがなかなか入院に結びつかない原因の1つは、患者さんがTIAの危険性を理解していないことにあります。診察の段階では症状は消えていることが多いので、入院と言われても納得しにくいでしょうし、医師も主に病歴でしか判断できないため、自信を持って 「これは入院が必要な病気だ」 と言いづらいのでしょう。しかし、TIAを疑わせる患者さんにはなるべくそのときに、ABCDスコアや、脳卒中専門病院であれば頸部エコー、MRI/MRA等を行い、その場で 「がけっぷち」 のTIAか否かの診断ができるシステムをつくることが大事です。


(1)上記①・②・④~⑧より、TIAに関する重要ポイントは次の通りです。

 (a) TIAの早期診断・治療が脳卒中を防ぐ。

 (b) TIAは、メディカル・エマージェンシーである。

 (c) ハイリスクのTIA患者を早期に診断・治療すれば、脳卒中そのものを起こ
  さなくても済むわけであるから、結果的に医療経済効果ははるかに高くなる。
  (海外のデータ:TIAを早期に治療すれば脳卒中のリスクは半減する)。

 (d) TIAは、脳にとっての不安定狭心症である。 (不安定狭心症を放っておい
  たら、心筋梗塞になるのと同様に、TIAを放っておいたら脳卒中になる)。

 (e) TIAは、脳卒中予防五段階の崖っぷちである。

 (f) TIAを正確に診断すること。

 (g) TIAは、脳卒中の予行演習である。

 (h) TIAは、48時間以内 (あるいは24時間以内) に評価を終わらせ、治療を始
  めなければならない。

 (i) TIAは、脳卒中の重いものの予備軍である。

 (j) completed stroke よりも、TIAの方が、発症後3か月以内の脳卒中のリス
  クは高い。

 (k) TIAを疑わせる患者さんには、なるべくその時に、ABCDスコア (下記
  のを参照) や、脳卒中専門病院であれば頸部エコー、MRI/MRA等を
  行い、その場で 「がけっぷち」 のTIAか否かの診断ができるシステムをつ
  くること。

(註)ABCDスコア
 (1) TIAが如何に脳梗塞になるかのリスクを調べるためのスコア。
 (2) Oxfordshire Community Stroke Projectが提案した簡易スコア。
 (3) スコア表
   A:Age (年齢) 60歳未満:0点、60歳以上:1点
   B:Blood pressure (血圧) SBP 140、DBP 90以下:0点
                SBP 140、DBP 90以上:1点
   C:Character (臨床的特徴) 片側性脱力:2点
                 脱力ない構音障害:1点
                 その他の症状:0点
   D:Duration (持続時間) 10分未満:0点、10~59分:1点、
               60分以上:2点
 (4) 5点以上は、相当、脳卒中リスクが高いので要注意。

(2)上記③・④・⑥より、TIA 「べからず集」 は次の通りです。

 (a) TIA患者さんに、「良くなって、よかったですね」 と言って安易に帰すべ
  からず。

 (b) TIAでないものを、安易にTIAと言うべからず。(例:失神や意識消失
  発作に対してTIAと診断する医師は多い。実際は重篤な不整脈が隠れてい
  たりするなど、心臓疾患の可能性も含めて考えなければならない)。

 (c) TIAを見落とすべからず。(救急の現場ではいわゆる局所神経症状が出て
  いる 「がけっぷちのTIA」 を絶対見落とさない。「手のしびれ」 もTIAの
  可能性あり)。

 (d) TIAを、「脳卒中の軽いもの」 と安易に言うべからず。

 (e) 「アテローム血栓症や心原性脳塞栓症は重い病気で、それより軽いラクナ梗
  塞、さらに軽いTIAがある」 と安易に思うべからず。

(3)上述の通り、TIAは、メディカル・エマージェンシーであり、早期診断・早期治療が脳卒中を防ぎます。

 しかしながら、日本では、その認識が未だ充分には浸透していないため、患者さん・家族・ハイリスクの方・地域住民のみならず、研修医・開業医・他科医等への充分な啓発・啓蒙が必要と考えられます。




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脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション)

 週刊医学界新聞 (第2820号:2009年3月2日) に、脳卒中急性期医療についての興味深い記事 (【座談会】 脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望) が掲載されていますので、リハビリテーションに関する部分を抜粋して紹介します。

●リハビリ開始は1日でも早く

① (内山真一郎・東京女子医科大学教授)
 もう一つの課題は、急性期~回復期~慢性期にわたるシームレスな医療の実現です。今年から脳卒中専門看護師・専門理学療法士の認定が新たにスタートすることも鑑みると、他職種、他診療形態との連携がいっそう重要になってくると考えます。

② (平野照之・熊本大学医学部附属病院神経内科副科長)
 熊本では、30年以上前にわれわれの一世代前の先輩方が、神経内科におけるリハビリの重要性を強く認識され、国内の先進的な施設で勉強して県内に多くのリハビリ病院をつくられました。同じころから脳外科の先生方が救急の素地をつくっておられましたので、そこにわれわれ神経内科のグループが参加し、脳外科と協力して脳卒中急性期診療を行う、という形が自然と生まれてきました。

 私が卒業した時期、ちょうど先輩の橋本洋一郎先生が国循から戻られた1987年ごろは、救急で入院すると2~3か月してやっとリハビリの転院を考えようかという時代でした。ですから、リハビリ病院の先生から 「あんたたちは、脳卒中の患者さんをスルメにして送ってくるから困る。それをイカに戻すには、ずいぶん時間がかかる」 と言われました (笑)。とにかく、早く送ってほしいと。実際、長期間安静にされた患者さんよりも、ともかくリハビリを早く始めた患者さんのほうが圧倒的に回復がいいということが年を経るごとにわかってきたのです。いまは救急の病態をなるべく早く落ち着けて、早期にリハビリが始められることを急性期のゴールにしていますし、入院したその日から、関節可動域訓練や体位交換といった他動的なリハビリを始めるようにしています。15年以上前から 「電話1本1週間」 をキャッチフレーズに、急性期と回復期で連携を取りながら進んできました。

③ (内山) 長尾先生のところでは、リハビリや後方病院の確保についてはどうされていますか。

④ (長尾毅彦・東京都保健医療公社荏原病院神経内科医長)
 東京の泣き所はリハビリ病院の少なさで、全国でいちばん苦労している地域ではないかと思います。現在、回復期リハの病院は関東地域でも増えつつあり、10年前と比べると状況はかなり改善しています。それでも入院期間は熊本より1週間から10日ほど長くなってしまうのが実情です。

 そこでカギとなるのが、急性期のリハビリです。回復期のリハビリを受けるまでの2~3週間がブランクになると、それこそスルメになってしまいます。それを防ぐためには、発症直後から回復期に負けないレベルでしっかりと急性期リハビリを行い、その上で回復期リハビリ病院への転院を待機する。私は、それが comprehensive stroke center の大きな役割の1つだと考えています。特に、東京のようになかなか転院先が決まらない地域であれば、より急性期のリハビリを重要視して、患者さんの早期回復を狙うべきです。とはいえ、実際に急性期リハビリの体制が整った脳卒中基幹病院は多くないので、今後、リハビリをペアにした脳卒中センターという概念をもう少し強調すべきではないかと考えています。

 当院でも、たかだか2~3日リハビリの開始を前倒ししただけで、すべての回転がスムーズになり、患者さんの状態もよくなるというデータがわずか1年で出てきました。「ああ、こんなに違うんだな」 と実感しましたね。急性期リハビリ脳卒中ケアユニット加算にも入っていることでもあり、そのあたりの認識を、脳卒中の専門医も持つべきだと思います。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)上記①の通り、脳卒中医療において、急性期~回復期~慢性期にわたるシームレスな医療の実現が重要です。
 リハビリテーションにおいても、(健康増進リハビリテーション~生活機能低下予防リハビリテーション~) 超急性期・急性期リハビリテーション~回復期リハビリテーション~維持期リハビリテーションの、シームレスなリハビリテーション・システム (地域リハビリテーション連携システム) の構築が必要であり、特に、脳卒中の急性期リハビリテーション・回復期リハビリテーションが肝要と思われます。

(2)何故ならば、以前の当ブログ記事 [「地域リハビリテーション (CBR:community based rehabilitation)」、「脳卒中急性期医療体制の構築 (東京都脳卒中急性期医療機関 2009)」] で述べているように、実際の脳卒中医療において、(a) 不充分な急性期治療・(b) 不充分な早期リハビリテーション・(c) 「医原性」 の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群)・(d) 不充分な回復期リハビリテーションあるいは回復期リハビリテーションの欠如のため、結果的に障害の回復が不充分なまま、あるいは余計な障害まで作られた上で、介護保険・福祉に受け継がれることが未だ少なくなく、全県的な脳卒中医療、リハビリテーション・ネットワークの構築の必要性が喚起されているからです。

 上記 (a) には 「患者・家族等の脳卒中発症サインの理解不足による病院受診遅延」 とそれに伴う 「血栓溶解療法 (t-PA) の断念」、「脳卒中専門医・脳神経外科医・神経内科医の不足」、「救急・急性期病院における 24時間・365日・発症3時間以内のt-PA 治療体制の不備・未整備」、(b)・(c) には 「急性期病院サイドのリハビリテーション・廃用症候群等についての理解不足」、(d) には 「急性期病院サイドのリハビリテーションについての理解不足 (急性期病院から、リハビリテーションを充分には提供しないまま、回復期リハビリテーション病棟も経由させずに、そのまま自宅等・療養病床・老人保健施設等に退院・転院させる医療機関が未だ存在します)」 および 「回復期リハビリテーション病棟の数的不足、質の問題、および発症から入院までの月数制限」 等の関与が挙げられます。

(3)実際、上記②の通り、地域によっては、あるいは急性期病院によっては、「脳卒中の患者さんをスルメにして、回復期リハビリテーション病棟、療養病床、介護老人保健施設、あるいは在宅等に送る・送ってしまう」 ことが未だ少なくありません。
 即ち、「医原性の廃用症候群」 (例:関節拘縮、廃用性筋力低下・筋萎縮、誤嚥性肺炎、心肺機能低下・起立性低血圧、深部静脈血栓症・肺塞栓リスク、骨粗鬆症・骨折リスク、褥創、認知症・抑鬱、尿路感染症・尿路結石・尿失禁・便秘、等々) が生じて 「スルメ」 状態になった患者さんを、「イカ」 に戻すのに相当な時間を要するため、本格的な集中的な回復期リハビリテーションを施行するのがかなり遅延、もしくは施行困難となります。(あるいは、「スルメ」 状態にて在宅等に追い出されます)。

 したがって、患者さんのためには、上記②・④の通り、救急の病態をなるべく早く落ち着けて、早期にリハビリが始められることを急性期のゴールにし、入院したその日または遅くとも翌日から、ベッドサイド・リハビリテーション (関節可動域訓練・体位変換・呼吸排痰訓練・深部静脈血栓症予防・精神心理的サポート等の他動的なリハビリテーションが中心) を始める必要があります。そして、厳格なリスク管理 (「リハビリテーション医療におけるリスク管理」 参照) のもと、早期離床 (『脳卒中リハビリテーションにおける 「早期離床」 』参照) に繋げていきます。
 
 そして、上記②の通り、熊本方式でお馴染みの 「電話1本1週間」 をキャッチフレーズにした急性期病院と回復期リハビリテーション病院とのスムーズな連携が肝要です。
 一方、上記④の通り、回復期リハビリテーション病棟の少ない地域では、転院のための待機時期が比較的長くなるため、特に、充実した急性期・回復期前期リハビリテーション体制が必要と考えられます。

(4)上記④で推奨されている脳卒中センター・脳卒中ケアユニットの件については、診療報酬上の 「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」+「超急性期脳卒中加算」 [「脳卒中急性期医療体制の構築 (東京都脳卒中急性期医療機関 2009)」 参照] の算定要件・施設基準を満たすものが、いわゆる 「脳卒中センター」 あるいは日本で言う 「ストローク・ケア・ユニット (SCU)」 で、各専門の医療スタッフが集まり組織づくりをし、チームで脳卒中の発症予防、早期発見および急性期 (発症時) 治療から超急性期~急性期リハビリテーションまでの一貫した総合的な治療を提供します。

 構成メンバーとして、「24 時間体制の、脳卒中専門医 (あるいは脳卒中の経験が深い神経内科医・脳神経外科医、脳血管内治療医)、脳卒中専門ナース等の看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師」・「放射線科専門医、循環器専門医、呼吸器専門医等の協力」、「リハビリテーション科専門医の関与」、「特に急性期脳卒中リハビリテーションの経験が深い理学療法士 (PT)・作業療法士 (OT)・言語聴覚士 (ST)、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー (MSW)」 が挙げられます。
 また、高度医療機器 (CT、MRI、脳血管造影、SPECT、超音波検査等) は24時間フル稼働体制です。

 上記のような脳卒中センターが、全国の各二次医療圏に設置され、円滑に運用されれば、脳卒中急性期医療体制は、地域格差も解消され、飛躍的に進化すると思います。

 但し、急性期後の回復期・維持期の医療体制および脳卒中医療連携体制も同時に確立させないと片手落ちになり、それが、医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民等を生み出します

(5)地域リハビリテーション [「地域リハビリテーション (CBR:community based rehabilitation)」 参照] に関しては、リハビリテーション従事者以外の関係機関・関係者の一部に誤解があるようですが、地域リハビリテーションは、単に介護保険下の維持的リハビリテーション (訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション)・介護予防のみを指すのではありません。

 真の地域リハビリテーションとは、地域 (二次医療圏) における包括的なリハビリテーションシステム (CBR:community-based rehabilitation) です。
 したがって、「健康増進リハビリテーション~生活機能低下予防リハビリテーション~超急性期・急性期リハビリテーション~回復期 (集中的) リハビリテーション~維持期 (断続的) リハビリテーションまでのシームレスなリハビリテーションが、二次医療圏において円滑に進むようなシステム」 を構築する必要があります。

 また、地域リハビリテーション (CBR) の確立のためには、「緊密な病診連携・病病連携・病介 (病施設) 連携による地域医療連携・地域リハビリテーション連携システムの構築」、「医療保険と介護保険の円滑な流れ・連携」、ならびに、「リハビリテーション・マインドの啓発・啓蒙」 が重要と考えられます。

 実際、地域リハビリテーション活動にて、維持期リハビリテーション・介護予防等をいくら頑張っても、急性期・回復期リハビリテーションが不充分であれば、障害が重度化 (当初軽度障害→結局中等度障害、当初中等度障害→結局重度障害) して、どうにもなりません。片手落ちあるいはお手上げ状態になります。

 したがって、地域リハビリテーション活動として、「脳卒中や骨折等で入院した高齢者等が、発症後早期に適切なリハビリテーションが受けられるように、急性期リハビリテーションの重要性について、医療機関等に働きかける」・「医療機関に回復期リハビリテーション病棟の開設・増床を働きかける」 必要があります。

 但し、上記の働きかけが一番困難なタスクであり (当ブログ管理人も困っていますが・・・)、各医療機関のポリシー、財務事情、リハビリテーション・マンパワー等も絡みます。
 地域リハビリテーション支援事業のマンパワー・予算が潤沢であれば、「当該医療機関へのリハビリテーション・マンパワーの派遣」、「充分なリハビリテーション機能を持つストロークユニット (脳卒中専門病棟)・回復期リハビリテーション病棟の開設の促進」、あるいは 「熊本方式等の地域リハビリテーションシステム構築」 等が出来るのですが・・・。(それだけのことをする価値は充分あるのですが・・・)。

(6)以上、脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (リハビリテーション) に関する考察等を述べました。

 上述の通り、超急性期・急性期~回復期~維持期の各ステージの脳卒中医療体制・リハビリテーション体制が確立し、且つ、充実した脳卒中医療連携体制および地域リハビリテーション連携ネットワークの構築が実現すれば、実際の脳卒中医療において、『濃厚な急性期治療ならびに充分な早期リハビリテーションが実施されることにより、脳の損傷が最小限に抑えられ、且つ 「医原性」の二次的合併症・障害 (廃用症候群・過用症候群・誤用症候群) の出現も防止でき、そして、その後、充分な回復期リハビリテーションが行われることにより、「可能な限りの障害の回復が得られ、余計な障害も作られることなく」、介護保険・福祉に円滑に受け継がれる』という理想的な流れが得られると思います。

 但し、地域リハビリテーション活動には、医療制度・診療報酬問題 (疾患別リハビリテーション体系・単価の減額、リハビリテーション算定日数制限、回復期リハビリテーション病棟の成果主義、障害者施設等入院基本料からの脳卒中・認知症患者の除外、後期高齢者医療制度等) ・介護報酬問題 (要介護認定の厳格化、介護給付費の抑制、支給限度額等)・障害者自立支援法 (応能負担→一律1割の応益負担、年収制限の厳格化、障害区分認定問題) 等も大きく影響します。

 したがって、医療難民・リハビリ難民・救急難民・脳卒中難民・認知症難民・介護難民・障害者難民等を防止するためにも、厚生労働省の医療・介護・福祉政策の策定・施行に対して、エビデンスを掲げて、良い意味での影響力を行使するのも、地域リハビリテーション活動の一つと思われます。

 また、地域リハビリテーション支援事業の実効性をより高めるためには、当該事業の実施に、厚生労働省の老健局・保険局・医政局・健康局・障害保健福祉部の横の連携・コラボレーションが肝要と思われます。

【関連記事】 (本文中に引用した関連記事は除く)
 ◎障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化
 ◎回復期リハビリ病棟への成果主義の導入 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎リハビリ算定日数制限 (厚労省保険局医療課の見解)
 ◎地域包括ケアの実現に向けて (講演:厚生労働省・宮島老健局長)
 ◎平成20年度リハビリ診療報酬改定 (日本リハビリ医学会の総括)
 ◎ 「リハビリテーション医療のあり方」 日病協の提言
 ◎6万床時代を迎える回復期リハビリ病棟 (回リ協・会長講演) ①
 ◎6万床時代を迎える回復期リハビリ病棟 (回リ協・会長講演) ②




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政治家の言葉 (オバマ米大統領と麻生首相)

 NHK解説委員室ブログ (2009/2/19) に興味深い記事 (視点・論点 「オバマと麻生・政治家の言葉」) が掲載されていますので紹介します。

●視点・論点 「オバマと麻生・政治家の言葉」 (立命館大学大学院教授 東 照二)

①アメリカでは、先月 (2009年1月)、オバマ新大統領が就任しました。就任演説を聞いて深く感銘を受けた方も多かったのではないでしょうか。
 考えてみますと、オバマ大統領は、日本の政治家ではありません。それなのに、なぜ私たちはこれほど惹きつけられたのでしょうか。
 この答えのヒントは、皮肉にも、演説翌日の麻生首相のコメントにあるような気がしてなりません。
 麻生首相は、マスコミから、感想を求められて、自分とオバマ大統領は、二つの点で、似ていると述べています。
 一つは、経済危機に対する考え方が同じである、もう一つは、国民の 「潜在力」 を引き出す手法も同じである、というわけです。
 しかしながら、どうもこれは麻生首相の「勘違い」ではないでしょうか。

②まず、経済危機についてですが、確かに、これはアメリカ、そして世界が直面する最も大きな問題の一つであることは言うまでもありません。
 しかし、オバマ大統領の演説は、経済危機を一つのケースとして、それを超えた、もっと、国民、人間としての誇り、責任、義務、自信、希望といったものについて熱く語った演説だということです。
 個別的な経済政策を述べた演説ではなく、もっと根源的で、哲学的な方向性、可能性、未来像、ビジョンを述べた演説だったわけです。
 そして、まさに、この部分に私たちは、国境、言語を越えて、強く感銘を受けたといえるでしょう。

③さらに、もう一つのポイント、国民の 「潜在力」 を引き出す手法が同じであるという麻生首相のコメントですが、実は、これ、むしろ逆、水と油ほどに、まったく違うものです。
 それは、手短に言いますと、オバマ大統領は、聞き手を巻き込み、共感、仲間意識を盛り上げる 「聞き手中心」 の言葉であるのに対し、麻生首相は自分、「話し手中心」 の言葉であるということです。
 この違いを端的にあらわしているのが、オバマ大統領の”Yes We Can”に象徴される 「私たち」 であり、麻生首相の 「私が決断します」 に象徴される 「私」 です。
 このグラフ (註:ここでは省略) は、オバマ大統領の就任演説、そして麻生首相の就任直後の所信表明演説をもとにして、二人の 「私」、「私たち」 の相対的な使用頻度を調べたものです。
 ごらんの通り、二人の差は、明らかです。オバマ大統領の 「we (私たち)」、麻生首相の 「私」 、それは、包括と排除の構図といってもいいでしょう。

文例1.オバマ大統領 (”We” 「私たち」)

 ◎This is the journey we continue today. (これは、私たちが今日も続ける旅な
  のです)。
 ◎All this we can do. (これらすべて、私たちは、できるのです)。
 ◎All this we will do. (これらすべて、私たちは、するのです)。

⑤オバマ大統領の言葉は、聞き手との仲間意識を象徴する 「私たち」 が演説のなかで何度も繰り返されることによって、強調、増幅され、あたかも水が乾いた地面にしみ込んでいくかのように、聞き手の中に深く入り込み、話し手と聞き手が一体になっていくわけです。

文例2.麻生首相 (「私」)

 ◎私は、自由民主党と公明党の連立政権の基盤に立ち、責任と実行力ある政
  治を行うことを、国民の皆様にお誓いします。
 ◎私は、ここに頭を垂れ、国民のご理解、ご協力を請い願うものです。
 ◎私が決断します。

⑦これに対し、麻生首相の言葉は、話し手個人を強調する 「私」 のオンパレードだといってもいいでしょう。「私」 がお誓いをし、「私」 が請い願い、「私」 が決断する、というわけです。
 そこでは、「私」 がリードする人であり、聞き手は受身的に 「私」 に協力する人、という関係になり、話し手と聞き手の間の距離は開いたままです。
 つまるところ、麻生首相と比較してみると、オバマ大統領はつねに聞き手を巻き込み、聞き手と一体になる。そして、それは、仲間意識、あるいは共感を盛り上げる 「聞き手中心」 の言葉だといえるでしょう。
 さらに、オバマ大統領の演説の特筆すべき点は、経済対策という政策的課題ではなく、アメリカ国民としての誇り、責任、価値観、歴史観といった哲学的なメッセージをわかりやすい言葉で述べたのだということです。

⑧これは、とても重要なポイントだと思います。というのも、往々にして、私たちは、細かい情報や政策中心の語りである 「リポート・トーク」 より、もっと心理的、情緒的で、共感中心の 「ラポート・トーク」 に強く感銘を受け、惹かれていくからです。
 そもそも、考えてみても、無味乾燥な細かい数字や政策の数々に、ぐいぐい惹かれて、深い感動を覚える人、というのは、まずいないのではないでしょうか。
 それよりも、共通の価値観、自信、希望が、ブレることなく、力強く、かつ真剣に、心の底から語られるときに、われわれは深く感銘し、惹かれていくのだといえるでしょう。
 情報中心のリポート・トークではなく、誠実で真剣な、共感中心のラポート・トークにこそ、私たちは心を揺り動かされるわけです。
 このグラフ (註:ここでは省略) は、二人の演説で、それぞれリポート・トークとラポート・トークの頻度を調べてみたものです。
 まるで絵に描いたように、好対照の二人だといえるでしょう。オバマ大統領はラポート・トーク麻生首相はリポート・トークだということがわかります。

文例3.オバマ大統領 (ラポート・トーク)

 ◎ On this day, we gather because we have chosen hope over fear, unity of
   purpose over conflict and discord. (今日この日に、私たちは恐れではなく
   希望を、摩擦や軋轢ではなく目標の共有を選んだからこそ、ここにこう
   やって集まっているのです)。

オバマ大統領の、「今日、この日、私たちは、恐れではなく希望を、摩擦や軋轢ではなく目標の共有を選んだからこそ、ここに集まっているのです」、という呼びかけは、聞き手に勇気、自信、希望を呼び起こし、仲間意識を盛り上げるラポート・トークだといえます。
 一方、麻生首相の演説は、圧倒的に、政策、情報中心のリポート・トークとなっています。

文例4.麻生首相 (リポート・トーク)

 ◎最低賃金の引上げと、労働者派遣制度の見直しも進めます。
 ◎「新経済成長戦略」 を強力に推し進めます。
 ◎50パーセントの自給率を目指します。

⑫これらは、各省庁から寄せ集められたバラバラの政策を、ただ単に羅列したリストのようでもあり、聞き手をぐんぐんひきつけ、一体感を作り上げ、深い感銘を与えるといったような言葉ではありません。演説全体をつらぬく、大きなテーマ、底を脈打ち、私たちに響いてくるような発展性、物語性というものがありません
 もっとも、麻生首相の演説にも、情緒的なラポート・トーク、らしきもの、がないわけではありません。

文例5.麻生首相 (「私」 の“ラポート・トーク”)

 ◎私は、悲観しません。
 ◎私は、日本と日本人の底力に、一点の疑問も抱いたことがありません。
 ◎私は、決して逃げません。

⑭これらは、日本人の 「底力」 を信じ、難局を乗り切っていこうという楽観主義、強い自信、信念の表れです。
 ところが、すべて 「私は」 という言葉で始まるように、話し手個人の決意表明を述べただけで、それが演説のなかで聞き手を巻き込みながら、有機的な広がりを持ち、発展していくものではありません。聞き手との 「つながり」 がなければ、それはラポート・トークとしては成功しないわけです。

⑮ここまで考えてきますと、言葉とは、その人がだれなのか、またどこへ行こうとしているのかを映す鏡のようなものです。
 オバマ大統領は、「新しい責任の時代」 (a new era of responsibility) という言葉で、国民共通の未来像を定義し、変革、行動を促し、アメリカ人としての誇り、希望を鼓舞し、祝福したのだといえます。
 そしてそれを可能にしたものはズバリ、聞き手を巻き込み、仲間意識を盛り上げる、誠実で真摯なラポート・トークにあったのだといえるでしょう。
 オバマ大統領の言葉は、一言で言うと、自分が光り輝くのではなく、相手を光り輝かせる言葉だったのであり、それがもとで、私たち聴衆が、自ら光り輝く体験をした、そして、だからこそオバマ大統領も光り輝いてみえた、これがことの真相だったのではないでしょうか。


 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)オバマ大統領の演説を聴くと、いつも深い感銘を受けます。一方、麻生首相の演説を聴いても、全く感銘を受けないばかりか、違和感・嫌悪感さえ抱くことがあります。
 それは、上記③で述べられている 「We」 と 「私」 との違いだけでは説明できないのではないかと思っていました。
 上記②で述べられている 「オバマ演説の奥の深さ」 (経済危機を一つのケースとして、それを超えた、もっと、国民、人間としての誇り、責任、義務、自信、希望といったものについて熱く語った演説。個別的な経済政策を述べた演説ではなく、もっと根源的で、哲学的な方向性、可能性、未来像、ビジョンを述べた演説) を読んで、疑問が氷解しました。
 一方、「麻生首相の演説の奥の浅さ・空疎さ」 が際立ちます。

(2)上記④では、オバマ大統領は、聞き手を巻き込み、共感、仲間意識を盛り上げる 「聞き手中心」 の言葉であるのに対し、麻生首相は自分、「話し手中心」 の言葉であると述べられています。
 この違いを端的にあらわしているのが、オバマ大統領の”Yes We Can”に象徴される 「私たち」 であり、麻生首相の 「私が決断します」 に象徴される 「私」 です。
 したがって、上記⑤の通り、オバマ大統領の言葉は、聞き手との仲間意識を象徴する 「私たち」 が演説のなかで何度も繰り返されることによって、強調、増幅され、あたかも水が乾いた地面にしみ込んでいくかのように、聞き手の中に深く入り込み、話し手と聞き手が一体になっていきます。

(3)これに対して、上記⑦の通り、麻生首相の言葉は、話し手個人を強調する 「私」 のオンパレードであり、「私」 がお誓いをし、「私」 が請い願い、「私」 が決断する、という、ある意味では上から目線・不遜・謙虚さが無い演説と思われます。
 したがって、麻生首相の場合、「私」 がリードする人であり、聞き手は受身的に 「私」 に協力する人、という関係になり、話し手と聞き手の間の距離は開いたままとなります。
 麻生首相は、「私」 を多用して、自分の強いリーダーシップをアピールしたいのでしょうが、逆に、空回りしていると思われます。

(4)上記⑧は、別の視点からの考察であり、細かい情報や政策中心の語りである 「リポート・トーク」 と異なり、オバマ大統領の演説は、より心理的、情緒的で、共感中心の 「ラポート・トーク」 であり、聴衆は強く感銘を受け、惹かれていくと述べています。
 やはり、共通の価値観、自信、希望が、ブレることなく、力強く、かつ真剣に、心の底から語られるときに、われわれは深く感銘し、惹かれていくと思います。即ち、情報中心のリポート・トークではなく、誠実で真剣な、共感中心のラポート・トークにこそ、私たちは心を揺り動かされると言えます。
 上記⑩の、オバマ大統領の、「今日、この日、私たちは、恐れではなく希望を、摩擦や軋轢ではなく目標の共有を選んだからこそ、ここに集まっているのです」、という呼びかけは、聞き手に勇気、自信、希望を呼び起こし、仲間意識を盛り上げる典型的なラポート・トークだと言えます。
 一方、麻生首相の演説は、圧倒的に、政策、情報中心のリポート・トークとなっています。それも、上記⑫で述べられているように、各省庁から寄せ集められたバラバラの政策を、ただ単に羅列したリストのようなリポート・トークであり、聴衆をぐんぐんひきつけ、一体感を作り上げ、深い感銘を与えるといったような言葉ではなく、演説全体をつらぬく、大きなテーマ、底を脈打ち、私たちに響いてくるような発展性、物語性というものが全くありません。

(5)上記⑮で次のように総括されています。

 (a) 言葉とは、その人が誰なのか、またどこへ行こうとしているのかを映す鏡
  ようなものである。
 (b) オバマ大統領は、「新しい責任の時代」 (a new era of responsibility) という言葉
  で、国民共通の未来像を定義し、変革、行動を促し、アメリカ人としての誇り、
  希望を鼓舞し、祝福したのだといえます。そしてそれを可能にしたものはズバ
  リ、聞き手を巻き込み、仲間意識を盛り上げる、誠実で真摯なラポート・トー
  ク
にあったのだといえるでしょう。
 (c) オバマ大統領の言葉は、一言で言うと、自分が光り輝くのではなく、相手を
  光り輝かせる言葉
だったのであり、それがもとで、私たち聴衆が、自ら光り輝
  く体験
をした、そして、だからこそオバマ大統領も光り輝いてみえた、これが
  ことの真相だったのではないでしょうか。

(6)上記(1)~(5)のファクターが、オバマ大統領の高い支持率 (68%)麻生首相の非常に低い内閣支持率 (11%) に如実に表れていると考えられます。

(7)以上、NHKの視点・論点 「オバマと麻生・政治家の言葉」 について論じました。

 医療においても、上記の議論は応用できると思います。

 即ち、以前のパターナリズム (父権的権威主義) の医療では、医師・患者関係は、上下関係であり、コミュニケーションも、一方的な医師からのもの (「私」 やリポート・トーク) でした。

 しかし、最近の医療では、 医師・患者関係は、同等の関係であり、パートナーシップ、協働、患者・家族も含めたチーム医療が必要です。そして、コミュニケーションも、双方向性、「We」、ラポート・トークが肝要です。




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