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  2. 2009年05月

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首相が 「罪を犯す意思がない行為でも逮捕される」 と公言する国

 国会での党首討論 (2009/5/27) における麻生首相の発言に対して、郷原信郎氏 (元東京地検特捜部検事) が下記のような文書を出されています。

●首相が 「罪を犯す意思がない行為でも逮捕される」 と公言す
 る国
 (名城大学教授・弁護士 郷原信郎)

 5月27日の党首討論の中で、麻生首相の口から、耳を疑うような言葉が発せられた。

 「本人が正しいと思ったことであっても、少なくともは間違った場合は逮捕される」。

 鳩山民主党代表が、企業団体献金の廃止の問題に言及したのに対して、麻生首相は、小沢前代表の秘書の事件とそれに関する説明責任の問題を持ち出した。
 そして、鳩山代表が、「小沢前代表は第三者委員会の場で説明責任を果たした」 と述べた上で、企業団体献金を廃止すべきとする理由について、「正しいことをやっていた、全部オープンにしていた。でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を絶たなければいけない」 と述べたことに対して、麻生首相は、次のように発言した。

<麻生>
 いろいろご意見があるようですけども、まず最初に、先ほどのお話をうかがって、一つだけどうしても気になったことがありますんで、ここだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか

<鳩山>
 本人としては、政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと。
 これは本人が昨日、保釈をされました。
 そのときの弁であります。

<麻生>
 基本的にご本人の話であって、正しいと思ってやったけれども、法を違反していたという話はよくある話ですから。
 少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。
 それは国策捜査ということには当たらないのではないかと私どもは基本的にそう思っております。

 麻生首相は、政治資金の処理に関して、本人は正しいと思っていても間違っていた場合、つまり、「正当だと思って行った処理が結果的に虚偽だったことが判明した場合」 には逮捕される、と述べた。
 今回の小沢氏の秘書の事件に関して 「本人が正しいと思ったこと」 というのは、「政治資金収支報告書の記載が正しいと思っていた」 ということであり、要するに 「虚偽だとは認識していなかった」 ということである。
 その場合でも、間違った記載をした場合は逮捕されると言い放ったのだ。

 一国の総理が、国会の党首討論の場で、「罪を犯す意思がない行為」 でも、結果的に間違った記載をしたら逮捕されると堂々と公言したというのは、信じられないことだ。

 刑法38条1項に 「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」 と規定され、犯意が存在することが刑事処罰の大原則であることは、刑法の基本中の基本である。
 検察庁を含む行政組織全体のトップである麻生首相が、その基本原則に反する発言をしたのだ。

 西松建設関連の政治団体から小沢氏の資金管理団体 「陸山会」 に対して行われた寄附が政治資金収支報告書の虚偽記入に当たるとされて秘書が逮捕・起訴された事件については、そもそも、寄附者を政治団体と記載したことが虚偽記入に該当するのかどうかに重大な疑問がある。
 つまり、資金の拠出者の記載を求めていない現行の政治資金規正法の下では、実質的な資金の拠出者が西松建設であっても、寄附者として記載すべきは、自らの名義で寄附という行為を行った政治団体ではないか、という点、つまり収支報告書の記載が客観的に虚偽と言えるかどうかが問題となる。
 そして、仮に、客観的に虚偽だと認められた場合でも、逮捕された会計責任者の側が、収支報告書作成の段階で虚偽だと認識していなければ犯罪は成立しない。

 そして、重要なことは、小沢氏側にだけに犯罪が成立し、同じ政治団体から寄附を受け取っていた自民党議員側には成立しないとすれば、その理由は、「客観的には虚偽であるが、虚偽だとの認識、つまり犯意がない」 ということしかあり得ない。
 鳩山代表が、小沢氏の側だけが逮捕され、自民党議員側は何もおとがめなしだということを問題にし、その際、漆間官房副長官の 「自民党議員には捜査は及ばない」 という発言を取り上げているが、この漆間氏の発言を正当化する余地があるとすれば、その唯一の理屈は 「自民党議員側は犯意が立証できない」 ということのはずだ。

 ところが、そこで、鳩山代表に対する反論として麻生首相が持ち出したのが、「犯意がなくても逮捕される」 という話なのである。
 これは、自民党議員に捜査が及ばないことを正当化する理屈をすべてぶち壊す発言でもある。
 この考え方に基づいて、検察が捜査をするとすれば、西松建設の関連団体から政治献金を受けていた自民党議員側もすべて逮捕しなければいけないことになる。
 ところが、ここで、麻生首相は 「国策捜査」 という言葉を自ら持ち出しているが、虚偽の認識がなくても収支報告書の記載が誤っていただけで逮捕できるというのであれば、自民党議員側に捜査が及ばない理屈をすべてぶち壊しているに等しい。

 このような討論が、国会の党首討論の場で、真面目な顔で行われているという現実には到底ついていけない。
 こういうことは、麻生首相がお好きな、マンガかギャグの世界でしかありえないはずだ。
 しかし、現実に国会で首相がそういう発言をしたのであり、しかも、信じられないことに、党首討論について報じる新聞に、この 「犯意がなくても客観的に誤っていたら逮捕される」 という麻生発言を問題にする論調は見あたらない。
 法治国家においては絶対に容認できない国会の場での首相の発言が、何事もなかったように見過ごされているのである。

 これは、単なる 「間違い」 とか 「無知」 というレベルで片付けられることではない。
 犯意がなくても逮捕できる、首相が公言し、それが許容される。
 戦前の治安維持法の世界を思わせるような恐ろしいことがこの国に起きている、という現実に、我々は向き合わなければならない。

(1)刑法に関してド素人である当ブログ管理人でも、郷原氏の論理は明快に理解できます。
 麻生首相は、党首討論時の上記発言を撤回し、国民に謝罪すべきと思われます。

(2)公人たる政治家の責務として、「透明性・説明責任・結果責任」 が挙げられます。

 小沢氏 (前民主党代表) には、西松建設献金事件に関して、公設第1秘書の裁判に支障のない範囲で、更なる説明責任を果たして頂きたいと思います。

 特に、「特定の準ゼネコン業者から長年にわたって多額の献金を受けていた理由ならびにそのお金を何に使ったのか」 を我々一般国民に分かるように懇切丁寧に説明して頂きたいと思います。
 小沢氏ご本人は充分に説明尽くしたと思われているとしても、多くの一般国民は未だ納得していないと思われます。(マスメディアの偏向報道のせいかも知れませんが・・・)。

(3)一方、同じ構図で西松建設から献金を受け取りながら、司直の手が入っていない 「二階経済産業大臣をはじめとする多くの自民党国会議員」 にも、一般庶民の感覚からすると、説明責任があると思われます。

 当該自民党国会議員ならびに自民党総裁でもある麻生首相には、政治家の責務として、我々一般国民が理解できるように、懇切丁寧に説明して頂きたいと思います。

(4)我々一般国民は、「800兆円を超える膨大な国の財政赤字、膨大な税金の無駄使い」・「独立行政法人・特殊法人・公益法人等への天下り問題、各種公益法人での税金の無駄使い (含、随意契約・業務丸投げ)」・「政治とカネの問題」・「世界的な大不況・日本の景気回復の行方」・「年金・雇用・医療・介護・福祉等の社会保障・セーフティネットの崩壊」 等々、不安と怒りで満ちあふれています。

 来る総選挙においては、「国民による政権選択」 の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明示して、正々堂々と闘って頂きたいと思います。

 選挙の結果、「自公連立政権の続投」 あるいは 「民主党の政権交代」、はたまた、大連立?・中連立??、いずれに決まっても、清新な気持ちで、政府と国民が一体となって、今後の様々な難局に立ち向かう体制の構築が望まれます。




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中期プログラム工程表 (医療・介護:2011年度迄に実施する重要事項)

 平成21年第14回経済財政諮問会議 (2009/5/29) において、安心実現集中審議 (その4-とりまとめ) が行われ、有識者議員より、資料 「安心と活力が両立する社会の実現に向けて」 が提出されました。
 
 その資料の別紙4 「中期プログラムの工程表で示された諸課題のうち2011年度までに実施する重要事項」 の中の 「医療・介護」 の部分を下記に示します。

●医療・介護

(医療)

・地域医療再生のため、5年間程度の基金を都道府県に設置し、地域全体での
 連携の下、計画にしたがって、以下の事業を地域の実情に応じて実施して、
 地域医療再生・強化を図る。(2009年度補正予算案)
  - 医療機能連携のための施設・IT基盤の整備
  - 大学病院等と連携した医師派遣機能の強化
  - 医師事務作業補助者の配置、等

・2013年度からの都道府県医療計画の改定に向け、急性期医療の新たな指針を
 作成する。

・2010年度に見込まれる診療報酬改定において、「選択と集中」 の考え方に基づ
 き、救急、産科等の体制強化などの方策を検討する。

・看護師等の専門性を更に高めるとともに、医師と看護師等との役割分担が可
 能な行為を一層明示・普及し、チーム医療・役割分担を積極的に推進する。

・医療新技術に対応するための革新的医薬品等の開発支援を行う。(2009年度補
 正予算案)
  - がん、小児等の未承認薬等の開発支援、審査の迅速化を図る。
  - 新型インフルエンザ対策のため、全国民分のワクチン開発・生産期間
   を大幅に短縮する体制 (現在1年半~2年→約半年) を整備する。

・後発医薬品の使用促進等を行う。

・「規制改革推進のための3か年計画」 (平成21年3月31日閣議決定) を踏まえ、
 平成23年度当初までのレセプトの原則完全オンライン化を進める。

(介護)

・デイサービスセンター等を併設した公的賃貸住宅の整備などを進める。

・特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、小規模
 多機能型居宅介護事業所等の緊急整備を進める。(2009年度補正予算案)

・2009年度のプラス3.0%の介護報酬改定による介護従事者の処遇改善を図る。

・介護職員の処遇改善に取組む事業者に対し助成を行う。(2009年度補正予算案)

・介護経験のない離職者等に対する職業訓練、潜在的有資格者の再就職支援、
 現に働く介護人材の資格取得等のキャリアアップ支援などを行う。(2009年度
 補正予算案)

・2009年度の介護報酬改定の事後検証も踏まえ、介護報酬の在り方について、
 望ましい地域包括ケアシステムの構築という観点からの検討を進める。

(医療と介護の連携)

・医療と介護が連携したサービスを提供するための診療報酬と介護報酬の同時
 改定 (2012年度見込) に向けた検討を進める。

(1)上記の方向性に沿った2010年度診療報酬改定および2012年度診療報酬・介護報酬改定が行われることが予想されます。

(2)しかしながら、以前の当ブログ記事 (『「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 へ』) で述べたように、現在の 「医療崩壊・介護崩壊」 を再建するためには、「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 が肝要と考えられます。

 また、「介護サービス利用者が、区分支給限度額・原則1割自己負担の制約にて、医療系のサービス (看護・リハビリテーション) の利用が不充分」 という現状を鑑みると、少なくとも、現在の介護サービスの中の 「看護」 および 「リハビリテーション」 は医療保険で賄うべきと思われます。

(3)また、前回の当ブログ記事 [『「医療とコミュニティ」・「老後と介護」 の安心 (安心社会実現会議)』] でも強調しましたが、「医療崩壊・介護崩壊・福祉崩壊・年金崩壊・雇用崩壊」 という 「社会保障・セーフティネットの崩壊」、および 「医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 という問題の早期解決のため、可及的速やかな対策が望まれます。

 そして、次期総選挙においては、「国民による政権選択」 の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明示して頂きたいと思います。




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「医療とコミュニティ」・「老後と介護」 の安心 (安心社会実現会議)

 首相官邸ホームページに第4回安心社会実現会議 (2009/5/28) に提出された資料が掲載されています。

 その中で、 「意見集約 (素案)」 の第2章 「人生を通じた切れ目ない安心保障」 に、
  Ⅰ.雇用をめぐる安心
  Ⅱ.安心して子どもを産み育てる環境
  Ⅲ.学びと教育に関する安心
  Ⅳ.医療とコミュニティの安心
  Ⅴ.老後と介護の安心
の5つの項目が挙げられています。
 上記の内、ⅣとⅤの内容について、下記に示します。

●医療とコミュニティの安心

 日本では、医療費がGDP比で8.1% (2005年、OECD平均9%) と相対的に抑制されてきたにもかかわらず、人口一人あたりの医師診療件数はOECD平均の倍以上であり、諸外国に比べて医療サービスを受けやすい環境が実現されてきた。
 ところが、急性期病院を中心に医師不足が深刻化し、地方では病院の経営破綻が拡がり、この安心が急速に揺らいでいる。

 医療救命救急センターにおける医師、看護師の配置などをできるだけ早急にすすめなければならない。
 併せて二次医療圏において、病院のコンソーシアム (共同運営体制) を組織しつつ医療機関の機能分担と集約をすすめ、地域の医療ニーズに応えていくべきである。
 二次医療圏において、とくに産科、小児救急に対応する救急医療体制を確保する。
 レセプトの段階的なオンライン請求への切り替え、データに基づいた医療の推進など相対的に遅れている医療IT化への対応もすすめられなければならない。

 また、国民の命と基本的人権 (患者の自己決定権・最善の医療を受ける権利) を実現するため、そのことを明確に規定する基本法の制定を推進しなければならない。

●老後と介護の安心

 介護保険や年金の改革など、老後の安心を確立する努力が重ねられ成果もあがったが、制度には綻びも見られる。
 老後の生活の見通しがつき、個人だけで備えずにすめば、内需を拡大し、資金を社会全体に環流させていくことにつながる。
 介護保険と年金制度それ自体の改革をさらにすすめると同時に、高齢者の生活インフラである 「住まい」 の確保ともむすびつけて、老後の安心を高めていくことが求められる。
 介護施設や病院といった日常生活から切り離された形ではなく、コミュニティにおける医療・介護連携の推進やそれに連動した独居高齢者に対する 「住まい」 の保障によって、地域の中で安心した老後生活が確保されるようにすることが重要である。
 この問題は、人口が急速に減少しつつある地域の集積による 「まちづくり」 にもつながるものである。

 安心社会実現会議の次回の会合は6月の第3週に開かれる予定で、取りまとめが行われる見通しです。

 「医療崩壊・介護崩壊・福祉崩壊・年金崩壊・雇用崩壊」 という 「社会保障・セーフティネットの崩壊」、および 「医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 という問題の早期解決のため、可及的速やかな対策が望まれます。

 また、次期総選挙においては、国民による政権選択の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明記して頂きたいと思います。




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中医協 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 が2年ぶりに再開

 キャリアブレインのCBニュース (2009/5/27) に、中医協 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 再開に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

慢性期包括調査分科会が2年ぶりに再開
 
 中央社会保険医療協議会 (中医協) の 「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」 (分科会長=池上直巳・慶大医学部教授) は5月27日、約1年11か月ぶりに再開し、来年度の診療報酬改定に向けた議論をスタートさせた。
 今後は、療養病棟入院基本料の算定医療機関を対象に厚生労働省が昨年度に実施した人件費などに関する調査結果を踏まえて分科会としての意見を取りまとめ、中医協の診療報酬基本問題小委員会に報告する。

 厚労省による調査結果は、次回以降の分科会に報告する。
 健康保険組合連合会や日本慢性期医療協会なども近く調査結果を取りまとめる見通しで、これらも含めて分科会としての意見を取りまとめる。
 来年度の診療報酬改定をめぐる議論は秋口から本格化するため、今後、急ピッチで調整を進める。

 昨年度に行われた前回改定では、医療の質を評価する観点から、医療療養病床の治療やケア内容を入院時から継続的に記録することが新たに義務付けられた。
 今後は、安定した指標を作るためのデータベース構築を検討することになっており、厚労省の調査ではこれらに必要な情報も示したい考え。

 前回の会合から2年近くが経過し、この間に慢性期医療を取り巻く状況が大きく変化したため、27日には、分科会による調査の範囲自体を再検討すべきだとの意見が相次いだ。
 そのため、中医協の診療報酬基本問題小委員会に、同分科会の守備範囲を付託し直すよう依頼することになった。

 高木安雄委員 (慶大教授) は、一般病床の長期入院患者や介護保険施設の入所者など、慢性期医療のマーケット全体を含めて調査すべきだとの認識を示した。

 厚生労働省の 「医療費適正化計画」 に伴う 「療養病床の再編成」 政策により、介護療養病床 (介護療養型医療施設) の廃止 (2012年3月末) および医療療養病床の削減 (介護保険施設への移行等) が現在、進行中です。

 しかしながら、最近、少し風向きが変わり、社会保障国民会議等による 「社会保障機能の強化」 への方向転換、および 「医療難民・救急難民・リハビリ難民・介護難民」 問題の表面化等により、「療養病床の再編成」 も不透明な状況になってきたようです。

 慢性期入院医療の包括評価調査分科会において充分な議論をして頂くと同時に、可及的速やかに結論を出して頂き、医療機関・介護保険施設および医療従事者・介護サービス提供者の不安解消をお願いしたいと思います。
 また、「短期的および中長期的な将来像」 の可及的速やかな提示により、国民の 「安全・安心・納得・満足」 を図って頂きたいと切に望みます。




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21世紀のトップリーダー (政治家) に求められるもの

 小泉純一郎元首相の元総理秘書官・飯島勲氏が、著書 「代議士秘書 笑っちゃうけどホントの話」 (講談社文庫) の中で、トップリーダー像に関して、下記のように述べています。
 
 変革の時代、多くの人々にとっては混乱と不安の方が大きい、そんななかで方向を指し示せる人物の第一の資質は何だろうか。

 それは国民から信頼されることではないか。
 国民におもねったり、その場しのぎのきれいごとをいうだけでは、やがて信頼を失い、ひいては蔑まれることになる。
 国民は思いの外したたかで賢いのである。
 時代の流れを体現すると人々に信じさせ、明確なビジョンを持ってどこに進めばいいのかを明確に語れる者、変化をおそれず、厳しいことでも必要なことは国民に求められる、ある時には恐れられる者こそが真に国民の信頼を勝ち得るのだと思う。
 そんな人物のために私は働いてきたと自負している。

 ふたつめは、決断すべき時に決断し、同時に自らの決断に責任を持つ矜持があること。
 これは今の政治家がもっとも不得意とするところだろうが、結局のところリーダーの本質的な仕事はそれに尽きる。
 要は人 (組織) を動かすということだから。

 これを間違いなく確実に実行するためには、必要な情報を入手し、整理し、状況を的確に把握してリーダーの決断を支える優秀なブレーン・スタッフ組織が不可欠である。
 自身のために尽力する専門性を持った人材集団を擁すること、阿諛追従とは無縁の機動的かつ率直な人材集団を持つこと、これが今の政治家には決定的に不足していると思う。

 政治は究極的には欲望の調整による権力の争奪である。
 それを理解しつつ欲望に溺れず、志を持ち続けられる者にしか政治はしてほしくない。

 解散総選挙を目前に控え、次のトップリーダーは、麻生首相か?、鳩山民主党代表か?、はたまた、第3、第4の候補が出現するのか・・・。

 いずれにせよ、トップリーダーの強力なリーダーシップ・透明性・説明責任・結果責任のもと、破綻寸前の我が国を良い方向に導いて頂きたいと思います。

 一方、同様なことが、医療・介護・福祉の世界においても言えると思われます。
 疲弊しきった医療・介護・福祉を再建するために、真のトップリーダーのもとで、ブレーン・スタッフ組織の一員として、存分に自分の能力を発揮できたら・・・と夢想する今日この頃です (苦笑)。




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「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 へ

 平成21年5月21日の経済財政諮問会議において、舛添厚生労働大臣が、『社会保障の機能強化に向けた今後の取組~「社会保障の機能強化の工程表」 を中心に~』 という資料を提出していますので、「2015年に向けての取組の方向性」 の部分を下記に示します。

●社会保障の機能強化に向けた今後の取組
 ~「社会保障の機能強化の工程表」 を中心に~


2015年に向けての取組の方向性 (医療・介護)

【医療】

○急性期医療の充実強化、地域連携の強化

 ・病床を機能分化し、急性期病床に医療資源を集中投入する。

 ・急性期後の医療や在宅医療を充実するとともに地域連携を強化し、早期
  退院・在宅での療養継続・社会復帰の実現を目指す。

○医師と看護師等との役割分担の推進

 ・看護師等の専門性を高めながら、チーム医療・役割分担を推進し、患者
  本位の医療を目指す。

○新技術、効率化等への対応

【介護】

○地域包括ケアの実現、介護サービス基盤の強化

 ・グループホーム等居住系サービスの拡充や、24時間対応の強化等在宅介
  護の強化・充実を進める。

 ・高齢者が安心して暮らせる住宅の整備

○介護従事者の確保・定着支援等

 ・介護職員の処遇改善と確保、キャリアパスの構築を図る。

 ・医療・介護を通じた専門職種間の連携体制を構築する。

~医療と介護の連携~

○医療と介護が連携したサービスを提供するための診療報酬・介護報酬の見
 直し、など

 上記のように、「お題目」 は立派なのですが、「実現可能性は???」 であり、また、「方向性」 も一見良さそうなのですが、医療の現場で、多くの 「医療難民」・「リハビリ難民」・「救急難民」・「介護難民」・「お産難民」・「障害者難民」 を目の当たりにしていると、疑問符が百個くらい頭上を廻っています。

 当ブログでも、今までに、医療・介護・福祉の多くの課題を取り上げてきました。(詳細は過去のブログ記事参照)。

 2012年 (平成24年) 度の診療報酬・介護報酬同時改定を控えて、現在、当ブログ管理人が、特に望んでいることは、「医療と介護の連携」 ではなく、「医療と介護の融合」 です。

 少なくとも、現在の介護サービスの中の 「看護」 および 「リハビリテーション」 は、(「区分支給限度額」・「原則1割自己負担」 の制約にて利用が不充分という現実もあり)、医療保険で賄うべきと思っています。




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平成20年度DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価

 中央社会保険医療協議会 (中医協) のDPC評価分科会 (西岡清分科会長) が実施した 「平成20年度DPC導入の影響評価」 に関する調査結果および評価が、5月20日の中医協診療報酬基本問題小委員会に報告されました。
 同報告の結論を下記に示します。
 
平成20年度 「DPC導入の影響評価に関する調査結果およ
 び評価」 最終報告概要


【まとめ】

 全ての病院類型において、平成19年度までと同様に、平均在院日数は減少傾向であったが、その要因は、患者構成の変化によるものではなく、診断群分類毎の平均在院日数の減少によるものであった。

 一方、緊急入院及び他院からの紹介の患者数は、横ばいから増加傾向であった。

 これらのことから、重症度の高い患者を避けるような患者選別の傾向は見られておらず、診療内容に悪影響は認められないものと考えられる。

 ただし、救急車による搬送の率・患者数については、一部の類型の病院では、平成20年度はやや減少しており、今後も注視していくことが必要である。

 また、退院時転帰の状況においては、治癒及び軽快を合計した割合が横ばいであり、急性期としてある程度病態が安定した時点までの入院医療を反映しているものと考えられる。

 以上のことから、DPCにより、質の確保はされつつ医療の効率化が進んでいるものと考えられる。

 また、これまで増加傾向であった再入院率については、平成20年度も引き続き増加傾向がみられた。
 平成20年度改定において、同一疾患での3日以内の再入院 (病棟間の転棟に伴う再転棟も含む) については、1入院として扱うように算定ルールを見直したところであり、この影響について、今後も注視していくことが必要である。

 上記の 「まとめ」 において、「重症度の高い患者を避けるような患者選別の傾向は見られておらず、診療内容に悪影響は認められない」・「DPCにより、質の確保はされつつ医療の効率化が進んでいるものと考えられる」 と述べられています。

 しかしながら、医療の現場感覚からすると、明らかに 「患者選別」・「患者切り捨て」・「医療難民・リハビリ難民・救急難民・介護難民」 が生じており、「医療の質の確保」・「患者さんの安心・安全・QOL (生命・生活・人生の質) の向上」 は不充分のまま、「医療の効率化」 だけが進んでしまったような印象です。

 中医協や社会保障審議会等において、診療報酬、DPC、回復期リハビリテーション病棟の成果主義、介護報酬、要介護認定等、様々な検証が行われていますが、「真の検証となっているか?」 の検証が必要と考えられます。




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医療およびリハビリテーションにおける 「不確実性・限界・リスク」

(1)近年の医療崩壊 (特に、病院崩壊) の大きな要因として、これまでの医療費抑制政策ならびに医師不足 (特に、勤務医不足) に伴う医師 (特に、勤務医) の過重負担・疲弊による 「立ち去り型サボタージュ」 が挙げられます。

(2)勤務医にとって、勤務医不足・医療の高度化に伴う過重負担・疲弊も大問題ですが、その他にも、「コンビニ受診」・「モンスターペイシェント」・「医療事故・過誤・訴訟に対する不安および訴訟リスク」 も最近問題視されています。

(3)後者の諸問題は、患者・家族、マスメディア、一般国民等の 「医療における不確実性」 に対する理解不足が大きく影響していると思われます。

(4)「岡空小児科医院」 ホームページに、下記のような 「医療の不確実性」 についてのQ&Aが掲載されています。
 
Q.最近、「医療の不確実性」 という言葉を耳にしますが、どういうことなのですか?

A.とても良い質問を頂きました。
 医療は数学ではなく、アートであるともいわれますが、いくら医学が進歩しても、100%確実な診断や治療、経過予想はあり得ないということです。
 人体はわからないことが多く、現代医学も正しいとは限らないのです。
 また、患者さんの個人差も大きいので、結果がどうなるかは正確に予測できない。
 医師による見解の差もある。
 しかも死亡まで含めた様々なリスクがある。
 正解が一つに決まらない中で、最善の道を探るには、医療を受けないことを含めた複数の選択肢から患者さん自身が選ぶしかないのです。
 「医療の不確実性」 を患者さん、医療者ともに認識し、十分な説明と同意の元に患者さんに治療方針を選択していただくこと (インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイス) が大切になってきます。

(5)上記(4)と同様に、リハビリテーション医療にも、「不確実性」・「限界」・「リスク」 が存在するため、患者および障害のある方に、上記3要素の充分な理解も含めて、「インフォームド (充分な説明を受け、充分理解した上での)・コンセント (同意)」・「インフォームド・チョイス (自己選択)、インフォームド・デシジョン (自己決定)」・「インフォームド・コオペレーション (協力)」 を得るべきと考えられます。

 その上で、「患者および障害のある方」 と 「リハビリテーションスタッフ」 との良好なパートナーシップのもと、円滑なリハビリテーション医療が遂行されることが望まれます。

(6)また、医療およびリハビリテーション医療における 「不確実性」・「限界」・「リスク」 の周知徹底および充分な理解を得るためにも、(既に実施されている医療機関もあると思いますが)、院内掲示 (下記の掲示例を参照) を、院内およびリハビリテーション室に掲げることがベターと考えられます。

●当院をご利用される患者様へ

1,医療には 「不確実性」 があります。

2.医療には 「限界」 があります。

3.医療には 「リスク (危険性)」 が伴います。

●当院でリハビリテーションをご利用される患者様へ

1,リハビリテーションには 「不確実性」 があります。

2.リハビリテーションには 「限界」 があります。

3.リハビリテーションには 「リスク (危険性)」 が伴います。




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「医師不足対策の誤りを指摘」 (日野原重明・聖路加国際病院理事長)

 首相官邸ホームページに 『経済危機克服のための「有識者会合」』 における各有識者の提案が掲載されています。
 その中で、社会保障部門 (2009/3/21) における日野原重明・聖路加国際病院理事長の提案内容を下記に示します。

 97歳の現役医師、且つ、学会・講演会で全国を飛び回られている日野原重明先生のバイタリティ・ヒューマニティには頭が下がります。
 その日野原先生が、2009年に政府が決定した医師不足対策をバッサリと切り捨て、また、医師から看護師等のコメディカルへのエンパワーメント (権限と責任の委譲)・真のスキルミクス (多専門職種協働)、メディカルスクールの導入、はたまた、自衛隊隊員増員による雇用対策等、斬新な私案を主張されています。

 これからも、日本の社会保障、ひいては日本の将来のために、更なるご尽力をお願いしたいと思います。

●医師不足への対策の誤りを指摘する。

(1)医師不足への対応として医学生入学定員を693名増員 (総数8,486名) させることを2009年に決定した政府の対策は将来悪化する医師不足への解決法とならない。

 医師不足の中での一番の問題は麻酔科医・産科医・小児科医の不足であるが、本年度から医学生入学定員を増しても、卒後1~2年の研修終了医師が独立して医療が行えるのは今から7~8年後であり、その時点で若手医師が自ら専門科目を選ぶ時は、条件の不利な麻酔科、産科、小児科を選択する見込みは依然少ない。
 医療過誤の賠償支払いの危険性の高い産科医、外科医、麻酔科、そして、今の健康保険支払い下での収入の少ない小児科医を選択する医師も少ないと予想される。

 産科医の多くは女医であり、病院の産科で女医と共に働く男性産科医は女性の妊娠、育児、家事により職場を休む期間は男性産科医には勤務時間過多の不利を招く。

 麻酔科医は麻酔前後の2日間のみしか患者・医師の関係が維持されないので、臨床医としての生き甲斐を感じさせる患者との関わり合いは一時的のもので終わる。

 以上のことから、今回の厚生労働省と文部科学省案での医学生入学定員増は、毎年の卒後医師を12%増加させるに止まり、10年先の医師必要数をすぐに補うことはできない。

(2)医師不足への私案

 医師として登録された者は、医療を生涯行える特権があるが、看護師 (保・助・看) は、「傷病もしくはじょく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とするものをいう」 との昭和23年の昔に制定された法律が引きずられて今日に至っている。

 現在、日本には6年制医学部が80校あるに対して、4年制看護大学は167校あり、その中で2年の修士課程を持つ大学は109校もある。

 私はこの109看護大学がその修士課程で患者の持つ疾病の診断とある程度の治療をも医師の諒解の下に行える体制に導くことが保健師、助産師、看護師にも適用できる法規に改正されれば、上述の医師不足を補うことが可能と思う。

 米国・カナダでは、40年も前からナース麻酔師 (Nurse anesthesist) が麻酔専門医師 (Anestheologist) の監督の下に独立して麻酔術が行える体制にあり、外科手術の80%はナース麻酔師により独立して行われている現状である。

 同様に米国・カナダでは訪問看護師 (visiting nurse practitioner) は病院外で在宅診療 (診断、薬物処方、医療処置) が行えるようになっている。

 専門助産師も診療の他、小手術や薬物処方ができ、また小児科学をマスターした小児科看護プラクティショナーは哺乳、育児、はしかその他のcommon diseaseなどのプライマリー・ケア実地診療が行えるようになっている。

 米国やカナダでは看護師を修士レベルで教育した上で、上述の業務が行えるように許可されているので、このことは日本でも可能であると思い、この修士コースを聖路加看護大学大学院修士課程で4月から発足の準備中である。

●4年制大学 (一般教養または文理科いずれかの4年制大学卒業者を入学させて
 の4年制大学院医学校) 発足の準備


 日本では医師は高等学校卒業直後の入学試験で医学部に入学できた者で、6年の課程修了者は医師国家試験に合格すれば、医師として医療に従事可能である。
 しかし高校卒の時点での学生は将来医師を志す動機が弱く、社会人として人間の命に直結する学習を始めるには人間的に未熟である。
 然し筆答試験を主とした入学試験に合格すれば医学生として教育されることになる。
 この人間として未熟である時期に医学部に入学した医学生らには将来医師として働くことの使命感が少なく、学習に真剣さがなく、出席がとられない授業には欠席や遅刻が多い。
 この点では米国やカナダでの医学生の勤勉ぶりには遙かに劣っている。
 米国やカナダの医学教育は真の教育法を心得た専門家の援助を受け、基礎医学、臨床医学、栄養学、臨床疫学、生命倫理の学習が行われ、4年の課程の中でも、医学研究の方法論が実践的に学習されており、臨床医学を修得した者が、後に基礎医学の専門に進む者も少なくない。

 日本の医学部の教授の専門性別の数の配分には今日でも明治時代の旧帝大の名残りが残っている。
 一方、米国やカナダの医学生の年々の急速な学力の伸びには驚くべきものがある。

 そこで私は米国、カナダ式の大学院レベルの4年制の医学校 (法科大学院に準じる) を東京都石原慎太郎知事とも相談して企画し、伝統ある聖路加国際病院を母胎として米国のメーヨー・クリニックやクリーブランド・クリニックが優れた総合病院を土台として医学校を発足させた例に学び、内閣府に教育特区を申請し、在来の日本の旧制の医学部での実績と教育的効果を競う特権が与えられる大学院医学校が開校できることを切望し、目下その準備中である。

 日本の従来の医学教育は世界的に見てひどく見劣りがしている。過去1世紀余の間にノーベル生理学医学賞は2008年までに196人に授与されているが、日本人の受賞者数は僅か1人 (しかも理学士の利根川進氏のみ) で、世界の国別のノーベル医学・生理学賞受賞者の数が1名というのは、世界で17位である。
 日本では過去100年あまりの間に約100万人の医学生が医学部を卒業したが、今までに1人の医学部卒業生も受賞していない事実は大問題である。

●最後に一言

 自衛隊員 (現在約24万人) を2倍に増員し、国内外での自然災害や難民の救済を日夜いつでも出動できる体制を作り、政府の直轄公共事業に参与させる。
 そのことを今日の失業対策の一方法とする。
 大学や専門学校の卒後の男子で25~50歳の者で職を探しているものは自衛隊に入隊して訓練を行い、そのことにより彼らは生活の保障を与える。
 そのための給料の支給費は、自衛隊の軍備の予算を削って支払う。米軍に貸与した国内米軍基地の縮小により削られた政府の予算は、自衛隊員の人件費に回す。
 10年後には米軍基地を引き上げるように米国側に交渉し、その5年後の、今から15年後には空母艦隊をも日本の近海から引き上げる交渉をオバマ米国大統領に日本政府は申し出て、日本を武装ない国家として日本憲法九条の実を挙げる。
 また、日本人には18歳にて選挙権を与え、若者の自己責任心を助長させ、日本を平和を志向する武装なき文化国家のモデルの1号とする。
 そのためには今のうちから小学生に命を愛する心の授業を戦争を経験した老人が行う 「新老人の会運動」 (会長・日野原重明) の使命を果たすことを期したい。




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小児および高齢者における食品による窒息の要因分析

 厚生労働省ホームページに 「食品による窒息事故に関する研究結果等について」 に関する事項が掲載されていますので、その研究結果の一部の概要を下記に示します。

● 「食品による窒息の要因分析」 調査について
    (平成20年度厚生労働科学特別研究事業)

1.主任研究者:向井美恵 (昭和大学歯学部口腔衛生学教授)

2.研究内容

●窒息事故事例の分析 (小児及び高齢者)

(1)救命救急センターなど433施設を対象に、平成20年6月1日から8ヶ月間の窒息症例 (0歳から15歳の小児) を収集。185施設から回答 (回答率:43%)。

(2)介護老人福祉施設 (特養) に入居している高齢者437名を対象に、平成18年6月から2年半の窒息症例を収集。

●窒息リスクの高い食品 (ご飯、パン) 等の分析

(1)ご飯の固まりや水分を含んだパンが、喉に詰まりやすいものと仮説し、それらの物性を分析。
 なお、餅の物性の分析については、昨年度実施済み。

(2)また、社会的に関心が高いこんにゃく入りゼリーについては、旧来品と現在流通しているものの物性を比較。

●食品の窒息に関する意識調査

(*)15歳以下の子どもをもつ1,015名の母親を対象に、Web調査。

●ヒト側の窒息要因分析

(*)中咽頭の成長変化や形態的特徴 (小児)、加齢による咽頭形態の変化 (高齢者) 等の解剖学的特徴が窒息のリスクへ与える影響を分析。
 あわせて、中咽頭から下咽頭までの動きと食塊 (餅、パン) の咽頭流入の関係を生理学的に分析。

3.結果・考察

(1)小児窒息について、回答のあった救命救急センター185施設での、調査期間中の事例は12例であった。
 そのうち、家族により応急処置 (背部叩打法) が行われていたのは半数のみであり、その教育と普及が重要。
 症例12例の内訳は、アメ (5例)、ピーナッツ・豆類 (3例)、リンゴ、冷凍ゼリー、ラムネ、いくら (各1例) であった。
 12例にうち11例は1歳~4歳。
 死亡が確認できたのは1例。

(2)高齢者窒息では、「認知機能の低下」、「食の自立」、「(特に義歯装着時の) 臼歯部咬合の喪失」 がリスク因子であった。
 窒息事故の約半数は施設で対応しており、施設職員への適切な対処方法の徹底が必要。
 調査期間中の症例の内訳は、野菜・果物、肉、魚類、ご飯、パン、餅、菓子類の順で多かった。
 11.7%で窒息の既往があった。

(3)ごはんやパンを咀嚼しないでのどに詰め込むことは、窒息のリスクであることが示された。
 ごはんの塊の比重が大きくなるほど、硬さ、凝集性、付着性はいずれも増加した。
 唾液と混じったパンの塊の比重が大きくなるほど、硬さ、付着性は増加した。

(4)現在流通しているこんにゃく入りゼリーは、旧来品に比べて、かたさ、破断応力の点で、一般のゼリーの特性に近づいていた。
 一方で、一般のゼリーとは異なる食品特性をもつものであることから、特に、小児や高齢者へこんにゃく入りゼリーを提供する際には、一般のゼリーとは異なるものであることを再度注意喚起する必要があることが示された。

(5)食品の窒息事故は、救急事例にならないまでも日常的に起こっている一方で、そのリスクについて、半数近くの母親は認識しておらず、注意を払っていなかった。
 ただし、自分の子どもが窒息を経験すると、注意を払うようになる母親は多かった。
 リスクに対する認識を高めるとともに、子どもの嚥下、咀嚼能力の発達段階とそれに応じた食品の選択と与え方に関する知識の普及が必要。

(6)子どもの窒息が起こりやすい中咽頭の形態的特徴があること、高齢者のリスク要因は機能低下だけでなく中咽頭の形態的変化もその一つであることが明らかになった。
 また、咀嚼中に、食塊が咽頭に流入することが窒息の一因であると推察された。
 唾液とよく混和する (咀嚼する) こと、一口量を適切にすること (押し込み食べをしないこと) が重要。

(7)窒息事故の防止には、ヒト側の要因と食品側の要因について多面的な対応が必要。

 「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故」 の多発に伴い、小児および高齢者における食品による窒息が注目を浴びました。

 上記研究結果の通り、乳幼児、高齢者などでは、解剖学的・生理学的に、食べ物による窒息がおきやすく、特に、高齢者の場合、加齢・基礎疾患・合併症・併存疾患・障害像・認知機能・義歯の整合性・服用薬等の様々な要因の影響をかなり受けるため、窒息および誤嚥性肺炎のリスクが高いという問題を抱えています。

 また、多くの一般の方が 「それほど危険性はないだろう」 と誤解している 「食事介助」 は、窒息および誤嚥性肺炎の観点から考えると、介助者に 「高いスキルとリスク管理能力」 が要求されると考えられます。

 以上、小児および高齢者における 「食品による窒息および誤嚥性肺炎」 に関して、児童福祉施設、老人福祉施設、介護保険施設、関係団体等に充分な情報提供が成され、食品による窒息事故および誤嚥性肺炎の予防の啓発が成されるとともに、食事提供の際の注意喚起等、事故発生の防止を徹底するよう、関係者に周知徹底されることが望まれます。

 また、「食品による窒息および誤嚥性肺炎」 に対する認識があまり高くない医療機関も要注意です。
 食事介助時のスキルの向上およびリスク管理能力の向上、NST (栄養サポートチーム)・ICT (感染制御チーム)、摂食機能療法 (口腔ケア・摂食嚥下訓練)、段階的な嚥下食の配食システム等の多専門職種による包括的なチームアプローチが肝要と考えられます。




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安心社会実現会議 (厚生労働省の分割や省の新設も検討を)

 毎日新聞 のホームページ (2009/5/15) に興味深い記事 「安心社会実現会議:厚労省の分割や省の新設も検討を」 が掲載されていますので、下記に示します。

●安心社会実現会議:厚労省の分割や省の新設も検討を

 中長期の国家戦略を議論する政府の有識者会議 「安心社会実現会議」 (座長・成田豊電通最高顧問) が15日、首相官邸で開かれた。
 麻生太郎首相は厚生労働省を分割し、医療、年金などを担当する 「社会保障省」 と、雇用、少子化などを所管する 「国民生活省」 の創設を検討する考えを示した。

 会合で、委員の渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が、厚労省を 「雇用・年金省」 と 「医療・介護省 (庁)」 に分割するよう提言。
 これに対して、首相は 「国民生活に力を入れるための省を一つ作ったらどうか。基本的にそう思っていた」 と応じた。

 さらに、首相は 「単に厚労省を二つに分割するのではなく、国民の安心を所管する省を強化する発想で考えてはどうか。私の考えでは国民生活省、社会保障省といろいろ表現はあるが、医療・介護・年金福祉が社会保障 (省)。雇用・児童・家庭部門・少子化、男女共同参画など内閣府でやっているようなものが国民生活省」 と語った。

 会議では、目指すべき国家像として、「小さい政府」 から 「機能する政府」 への転換による 「新たな公の創造」 や安心と活力の両立を目指す 「成長と安心」 など8項目も提示。
 6月中旬にも提言をまとめ、同下旬に策定する政府の経済財政運営の基本方針 「骨太の方針09」 に反映させる。

 また、同会議に提出された資料1 「これまでの議論を踏まえた論点の整理 (案)」 の3ページ目の 『Ⅱ.目指すべき 「国家像」・「社会の姿」 について』 を下記に示します。

●目指すべき 「国家像」・「社会の姿」 について

 現代は社会経済の大転換期。
 国民と国家がともに手を携え、社会の不安定化・分裂を回避し、「安心と活力」 の好循環を通じた、新しい時代にふさわしい 「新しい日本型安心社会」 を構築することが必要ではないか。

1.「成長と安心」
 ◎安心と成長の同時実現、安心と活力の両立
 ◎世界への貢献-共生を通じた自らの発展・成長

2.「信頼」
 ◎安心の基礎となる政府と国民との信頼関係、国民相互の信頼関係=「社会的
  信頼関係」の回復、「社会契約」としての安心社会の実現

3.「切れ目のない安心」
 ◎全世代・全生涯を通じた 「切れ目のない安心」 の実現、特に現役世代 (人生
  前半期) の安心-雇用を軸とした安心保障-の実現
 ◎ 「リスクをカバーするセーフティネット」 から 「人への投資を重視した能力
  発揮・自己実現の支援」 へ

4.「公正な社会」
 ◎社会の一体性の維持・社会的公正の実現、格差の固定化・世襲化の防止、
  「努力が報いられる社会・一生チャレンジできる社会-複線の人生設計を可
  能にする社会-」の実現、社会参加・社会貢献の積極的評価

5.「次世代の支援」
 ◎少子化対策・次世代育成支援対策の抜本的強化、未来への安心 (社会全体の
  持続可能性) を高める取り組みの強化

6.「新たな 「公」 の創造」
 ◎ 「公」 の役割の再構築・再定義、分権化と多元化、多様な主体による新たな
  「公」 の創造、小さい政府から機能する政府へ
 ◎国民の社会参加の効果的な保障と役割・責任の分担

7.「地域・家族の支援」
 ◎地域 (コミュニティ) や家族の変容・多様化に対応した支援策の再構築、「住
  まい」 や 「まちづくり」 をも含めた支援

8.「国民へのメッセージ」
 ◎中福祉・中負担の大きな設計図・見取り図と具体的政策の優先順位の提示、
  ライフステージに沿った具体的な 「安心」 の提示
 ◎安心社会実現に向けての国 (政府)、自治体、企業、地域、家族、個人それ
  ぞれの参加、責任と役割の分担

 上記の 『厚生労働省の分割や省の新設』・『目指すべき 「国家像」・「社会の姿」』 に関しては、国民にとって、大筋異論はないものと思われます。

 問題は、上記を本当に実現できるかどうかだと考えられます。

 上記を実現できる政権は、今の 「自公政権」 なのか、政権交代後の 「民主党を中心とした連立政権」 なのか、はたまた、「大連立政権」 (あるいは 「中連立政権」) なのか・・・。

 次期総選挙は、国民およびその子孫にとって、将来を大きく左右する大事な選挙と思われ、積極的な投票行動および政治参加が肝要と思われます。




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2009介護報酬改定と2012改定に向けた課題 (老健局老人保健課長)

 日経ヘルスケア2009年4月号 「特集.徹底分析09年介護報酬改定」 に、厚生労働省老健局老人保健課長・鈴木康裕氏に対する、「2009年介護報酬改定について及び次回2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けた課題」 に関するインタビュー記事が掲載されていますので、下記に示します。

● 「処遇改善狙い加算中心の改定に」・「次回改定ではアウトカム評価の導入も」

<質問>
 今改定は基本報酬の一律引き上げではなく、加算の新設や見直しで評価したが、その理由は。


<鈴木課長>
①限られた財源を分配するに当たっては、一律に報酬を引き上げる 「平積み」 方式と、加算によってメリハリをつける 「傾斜配分」 の二つのやり方がある。
 今回の処遇改善を軸とした改定では、後者が適切だと考えた。

 例えば、人員基準よりもスタッフを手厚く配置したり、有資格者を多く雇用している事業所は、そうでないところよりも人件費が高くなっている。
 これを一律配分の平積み方式で評価すると、不公平な面が出てくる。
 業界団体からの要望もあり、今回は加算による傾斜配分を中心に評価することにした。
 また、加算の新設で、有資格者の雇用促進や、介護従事者の定着を図り、ケアの質を上げていきたいという狙いもあった。

<質問>
 人件費が高い都市部での処遇改善を図るため、地域区分の報酬単価の見直しが行われた。
 だが、グループホームや通所介護、特定施設では、逆に都市部の報酬単価がダウンした。


<鈴木課長>
②介護事業経営実態調査の結果を見ると、大半のサービスでは、前回調査と比べて収支差率が悪化していた。
 その中で、グループホームなどのサービスは収支差率が高く出ていた。
 異論もあるとは思うが、人件費の割合を正確に計算して反映した結果だ。

 今改定では、様々な加算を新設したり、見直しも行っている。
 報酬単価が若干引き下げになったとはいえ、加算を算定すれば、単純にマイナスになるとは考えにくい。

<質問>
 施設系サービスや通所系サービスの一部に、認知症ケアを推進する加算が数多く設けられた。
 グループホームとの役割分担は。


<鈴木課長>
③認知症高齢者は今後間違いなく増加し、その症状も多様化してくると考えている。
 リハビリが必要な人もいれば、身寄りがなく、特養に入るしかない人もいるだろう。
 こうした様々なケースに対応するには、グループホームが果たす役割に加えて、各施設や通所サービスの特徴を生かして、役割分担しながら進める必要があると考えた。

<質問>
 次回改定に向けた課題は。


<鈴木課長>
④今改定は、診療報酬との同時改定ではなく、制度改正も伴っていない。
 このため、診療報酬との整合性を取ったり、新たなサービスを創設したりすることは難しかった。
 次回2012年度改定では、これらの積み残した課題を検討していく必要があるだろう。

⑤今改定では、ケアの質の評価に当たり、有資格者や常勤職員、勤続年数の長い職員の割合を基準としたが、介護給付費分科会の議論の中では、これらが指標として完全ではないとの指摘を受けている。
 次回改定以降、プロセスやアウトカムなどの評価をどう組み込んでいくかも大きな課題だ。

⑥また、今改定の3.0%引き上げ分が、きちんと介護従事者の処遇改善に反映されているかどうかを検証する必要がある。
 これは単に給与のアップにとどまらず、例えば夜勤回数の減少など労働条件の改善や、職員の定着率の向上なども含めた話だ。

⑦今後は、将来にわたり、介護保険制度を安定的に持続させていくための議論も必要になるだろう。
 介護保険サービスの総量は、毎年4~5%の伸びを示している。
 これに伴い、被保険者が支払う保険料も右肩上がりで伸びており、このままだと保険料を払えない人が出てくる可能性もある。
 そうなると、介護保険制度自体が崩壊しかねない。

⑧長期的には、介護保険は重度者を主な対象にして、軽度者は財源を手当てした上で、地域の高齢者福祉で対応するなどの議論もあり得る。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)今回 (平成21年度) の介護報酬改定においては、「介護給付費の抑制→介護保険料の視点・保険者 (市町村) の視点を重視」 に基づいて厚生労働省が導入したと考えられる下記の事項が批判を浴びています。

 ⓐ新要介護認定制度の導入 (→要介護度の軽度化)

 ⓑリハビリテーションマネジメント加算・「月8回」 問題によるリハビリテー
  ション制限


(2)一方、見落としがちな大問題は、「区分限度支給額の据え置き」 および 「利用者の原則1割自己負担」 と考えられます。

 上記2つの大問題によって、今回の介護報酬の引き上げに伴い、「支給限度額超え」・「1割自己負担額増大」 にて、介護サービス利用者がサービスを利用できなくなるという事態が生じています。

 また、サービス提供者側も、「元々有資格者のマンパワーが豊富な事業所あるいは有資格者を積極的に雇用しようとしている事業所が、様々な加算を取得し、介護報酬を引き上げて、当該事業所の介護従事者の定着を図り、ケアの質を上げて行こう」 とすると、逆に、サービス利用者側において、「支給限度額を超える」・「1割自己負担額増大」 という支障を来たすため、事業者側が加算の取得を断念するという矛盾も実際に生じています。

(3)したがって、介護報酬引き上げの際には、「支給限度額も引き上げる」・「利用者の自己負担額を据え置く、あるいは1割自己負担を廃止する」 という施策を同時に行うべきと考えられます。

 診療報酬の場合も、患者さんにおいて、上記問題と同様な 「1~3割窓口自己負担」 問題を抱えており、やはり、窓口自己負担は廃止すべきと思われます。(但し、モラルハザード防止策は必要ですが・・・)。

(4)上記⑤において、鈴木課長は、2012年度診療報酬・介護報酬同時改定にて、介護保険にプロセスやアウトカムなどの評価を組み込む考えを示しています。

 しかしながら、2008年度に導入された回復期リハビリテーション病棟における成果主義、即ち、 「アウトカム評価」 で、実際に、患者選別・患者切捨てが生じています。

 したがって、介護保険においても、同様に、アウトカム評価に伴う 「サービス利用者の選別・切捨て」 が予想されるため、あくまで、「プロセス評価」・「ストラクチャー評価」 に限定すべきと考えられます。

(5)さらに、問題は、上記⑧で鈴木課長が述べているように、「介護保険のサービス対象者を重度者に限定」、即ち、介護保険からの軽度~中等度の要介護者の切り捨てです。

 同課長は、「軽度者は財源を手当てした上で、地域の高齢者福祉で対応する」 と述べていますが、これまでの厚生労働省の政策立案実行の歴史を考えると、あまり信用できないと思われます。

(6)以上、厚生労働省老健局老人保健課長・鈴木康裕氏に対する、「2009年介護報酬改定について及び次回2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けた課題」 に関するインタビュー記事について論じました。

 2012年度診療報酬・介護報酬同時改定は、日本の医療・介護を抜本的に変える大改定が予想されます。

 厚生労働省への要望として、これまでの診療報酬改定および介護報酬改定の結果的な失敗・失政を踏まえ、且つ、(「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」・「健康保険料の視点・診療報酬支払側 (保険者:国、全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合、国民健康保険、後期高齢者医療広域連合) の視点」・「介護保険料の視点・介護報酬支払側 (保険者:市町村) の視点」 ではなく)「国民の安全・安心・納得・満足」 のための 「国民の視点・国民本位」 の2012年度 (平成24年度) 診療報酬・介護報酬の同時改定が望まれます。




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「ドイツの医師開業規制制度」 (財務省が財政構造改革部会でアピール)

 Online Med ニュース (2009/5/12) 「ドイツに医師開業規制制度、開業医1人当たり住民数で定数設定2010年からは点数単価の増減も」 によると、「医師の大都市偏在の状況」 をまとめた財務省は5月11日の財政構造改革部会にその補足説明資料を提出、ドイツでは保険医需要計画に基づき、地域単位で診療科ごとに保険医の定員を定め、定員を10%以上上回る地域または診療科では新規開業は不可とする保険医の開業規制が行われていることを紹介しました。

 さらに、保険点数単価について、2010年からは保険医の過剰地域では減額し、過少地域では増額する措置が取られることになるとしています。

 詳細は下記の通りです。

ドイツにおける医師配置の規制について

①公的医療保険における保険医 (開業医) の配置規制

 (1) ドイツにおいては従来より、各州の保険医協会と保険者団体が協力して
  策定する保険医需要計画に基づく、保険医 (開業医) の開業規制が存在。

 (2) 保険医需要計画では、各地域における人口密度等に応じて区分した10の
  地域区分 (需要サイド) と、14の診療科 (供給サイド) ごとに、保険医とし
  て開業できる医師の定員を定めており、この定員を10%以上上回る地域・
  診療科では、原則として新規開業は不可。
   (各地域・各診療科の定員は、開業医1人当たりの住民数をもとに機械
   的に設定)。

  (注1) 10の地域区分
     ◎全国を地域開発計画上の10区分 (大規模人口稠密地域・4段階、
      人口稠密化地域・3段階、人口密度の低い周辺地域・2段階、
      ルール地方) に分類。(ドイツ全土が約400の地域に分類される)。

  (注2) 14の診療科
     ◎麻酔科、眼科、外科、内科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科、小児
      科、神経科、整形外科、精神科、放射線科、泌尿器科、家庭医。

②2007年の医療保険制度改正における新たな医師数のコントロール方策

 (*) 保険医の過剰地域及び過少地域には、通常の1点当たり単価から減額又
  は増額された単価が適用されるシステムが導入される (2010年より施行
  予定)。




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「無診察リハビリ」 に対する 「個別指導」 (「自主返還」 Q&A)

 以前の当ブログ記事 (「無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)」) に関する下記の質問がありましたので、回答かたがた、本ブログで説明したいと思います。

<質問>

 「個別指導」 (当ブログ管理人・註) において、外来リハビリテーション患者の 「無診察リハビリテーション (医師の再診なしで、リハビリテーションを施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、「再診料」 のみの返還ですか? それとも、「再診料」・「リハビリテーション料」 両方とも返還ですか?


 (当ブログ管理人・註)
  ① 「監査」 という言葉は安易に使用しないこと!。
  ②上記①の理由は、以前の当ブログ記事 (『「保険医療機関等の指導・監査」
   と 「保健所による立入検査」
』) を参照。


<当ブログ管理人の回答>

(1)「医科点数表の解釈 平成20年4月版」 (社会保険研究所) (所謂、「青本」) における 「基本診療料と特掲診療料との関係」 に関する記載は下記の通りです。

●基本診療料と特掲診療料との関係 (「青本」 p.18)

 基本診療料として一括して支払うことが適当でない特殊な診療行為の費用は、第2章特掲診療料に定められているが、特掲診療料が設定されている診療行為及びそれらに準ずる特殊な診療行為を行った場合は、それぞれ特掲診療料を基本診療料のほかに算定できるものである。
 従って、1人の患者に対する診療報酬は、基本診療料と特掲診療料を合算した額となる。

●特掲診療料の性格と内容 (「青本」 p.152)

 (1) 特掲診療料は、特殊な診療行為についての費用であるが、基本診療料が基
  本的な医療行為及び通常初診時、再診時又は入院時に行われる基本的な診
  療行為に対する費用であるのに対し、基本診療料として、一括支払うこと
  が妥当でない特別の医療行為に対して個別的な評価をなし、個々に点数を
  設定し、それらの診療行為を行った場合は、個々にそれらの費用を算定す
  ることとしているのである。

 (2) 特掲診療料に掲げられている診療行為を行った場合は、特に規定されてい
  る場合を除き、基本診療料と特掲診療料とをあわせて算定する。

(2)したがって、特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料とともに算定するものである。つまり基本診療料の算定のない特掲診療料の算定は無い」 ということです。

(3)上記(2)を再診料とリハビリテーション料との関係で説明したのが、下記の文言 (上記質問に対する当ブログ管理人の回答) です。

●特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料 (リハビリテーション料) に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料 (再診料) とともに算定するものである。つまり基本診療料 (再診料) の算定のない特掲診療料 (リハビリテーション料) の算定は無い」 ということです。

 即ち、厚生労働省地方厚生局各県事務所および都道府県が施行する保険医療機関に対する 「個別指導」 において、外来リハビリテーション患者の 「無診察リハビリテーション (医師の再診なしで、リハビリテーションを施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、基本的に、「再診料」 と 「リハビリテーション料」 との両方の返還となります。

(4)同様に、上記(3)を再診料と消炎鎮痛等処置との関係で説明したのが、下記の文言です。

●特掲診療料の算定の原則は、「特掲診療料 (消炎鎮痛等処置) に規定してある医療行為を行った場合は、それぞれの区分により基本診療料 (再診料) とともに算定するものである。つまり基本診療料 (再診料) の算定のない特掲診療料 (消炎鎮痛等処置) の算定は無い」 ということです。

 即ち、「個別指導」 において、外来患者の 「無診察による消炎鎮痛等処置 (医師の再診なしで、消炎鎮痛等処置を施行)」 を指摘され、診療報酬の 「自主返還」 対象となった場合、基本的に、「再診料」 と 「消炎鎮痛等処置」 との両方の返還となります。

(5)以前の当ブログ記事 (「無診察によるリハビリの禁止 (毎回のリハビリ前診察の義務)」) でも述べましたが、リハビリテーション前診察の内容は、医師自ら (または、医療クラークが代行入力し、医師が確認署名) が、診療録 (Drカルテの2号用紙) に記載しなければなりません。
 但し、記載する診察内容は、単にバイタルサインのみの記入では不充分です。

リハビリテーション専任医師の責務として、

  ①リハビリテーション診察時の全身状態・健康状態・体調・バイタルサイン
   等 (「当該日にリハビリテーションを受けることができる状態である」とい
   う根拠・データ)

  ②リハビリテーション治療効果判定 [患者の障害像・生活機能 (移動歩行能
   力・ADL能力・コミュニケーション能力等) による客観的効果判定]

  ③上記②の効果判定の結果、「現状として、リハビリテーション継続が必要
   である」 という文言

を、毎回、簡潔に記載する必要があります。

●また、長期漫然とした効果のないリハビリテーションを防止するために、

 「疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は、定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、リハビリテーション実施計画を作成 (リハビリテーション実施計画書またはリハビリテーション総合実施計画書:多専門職種によるチームアプローチによる詳細なリハビリテーション実施計画の作成) する必要があり、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録 (Drカルテの2号用紙) にその要点を記載すること」

が、保険診療上、定められています。

 また、リハビリテーション専任医師は、専任、即ち、「リハビリテーション医療業務に50%以上の関わり」 が必要であり、リハビリテーション部門に常駐していることが望ましいとされています。
 リハビリテーション専任医師としての担当時間帯において、他の業務との兼任も可能ですが、リハビリテーション室にて患者さんの急変・事故等が生じた場合、すぐに駆けつけることが出来るように、「手術に入ったり、途中で中止できない検査や処置をする」 ことは控える必要があります。

(6)上述の議論は、外来患者および外来リハビリテーション患者は全て該当します。

 一方、入院患者については、1年365日、毎朝、医師が診察しており、無診察の投薬・検査・処置・リハビリテーション等は無いという大前提があるため、入院患者のリハビリテーション前診察については、ほとんど指導対象となりませんでした。

 しかしながら、「個別指導」 で、医師による入院カルテの記載漏れ・記載不備が、以前から、大きな問題になっており、今後、入院患者の無診察治療等についても、個別指導等の指導が厳しくなるかもしれません。
 場合によっては、入院基本料 (基本診療料) の自主返還も有り? [→連動して、自動的に。リハビリテーション料 (特掲診療料) も返還?]。

 仮に、その場合は、入院リハビリテーション患者は、(本来は施行すべきものなのですが)、全員、リハビリテーション前診察かつ診療録への記載 [上記(5)参照] を施行することになり、特に、リハビリテーション専任医師体制に不備のある病院等での医療現場は混乱すると思われます。
 1年365日リハビリテーション体制の場合、日直医または当番医が大変になると思います。
 但し、逆に、1年365日リハビリテーション体制を敷いている病院等のリハビリテーション専任医師体制は完璧かも知れませんが・・・。

(7)以上、以前の当ブログ記事 [『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、「疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準」、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』] で論じたように、リハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があります。




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サルでもわかる 「民主党小沢代表が辞めてはいけない」 理由

 週刊朝日 (2009/5/15) の特集 「続・検察の劣化」 における高野孟氏 (ジャーナリスト) 『あえて言う 「いま小沢が辞めたら民主主義の敗北だ」』 の記事に、『サルでもわかる 「小沢が辞めてはいけない」 理由 (編集部)』 が掲載されていますので下記に示します。

●サルでもわかる 「小沢が辞めてはいけない」 理由 (編集部)

1.検察の法解釈が間違っている。

 すでに多くの識者が指摘しているように、小沢代表の公設秘書は政治資金規正法の趣旨にのっとった形で政治資金の処理をしていたにもかかわらず、検察は突如、何の説明もなく法の解釈を変えて強制捜査に踏み切った。
 純粋な法律論で言えば秘書は無罪になる可能性が高い。

2.小沢代表の主張の正しさが証明された。

 秘書の逮捕直後から、事件は小沢代表を容疑者とした贈収賄などの大疑獄事件に発展するかのような報道が続いた。
 小沢代表は当初から 「そのような事実があれば、どのような処罰も受け入れる。しかし、私はない」 と主張していた。
 日本最強の捜査機関が全国から応援検事を集めて徹底的に調べたが、結局 「そのような事実」 は出てこなかった。

3.民主主義の根幹にかかわる問題だから

 世間には 「小沢 vs 検察」 の闘いに民主党を巻き込むべきでないとの意見があるが、これは 「小沢 vs 検察」 ではなく、「民主主義を守る」 か 「検察の恣意的捜査を許す」 かの闘いである。

(1)当ブログ管理人は、『「検察」 ならびに 「マスメディア」 の使命は、「時の権力」 の不正や横暴を暴き、「時の権力」 の暴走を許さないことである』 と、今まで思っていました。

 今回の西松事件における検察およびマスメディアの言動を見聞きして、その思いや願いは気泡と化しました。

(2)巷間では、相も変わらず、マスメディアを中心とした 「小沢辞めろ」 コールが鳴りやみません。

 一方、インターネット社会 (特に、平成海援隊 Discussion BBS政治議論室) では、これが真逆で、

 (a) 検察はおかしい、検察不信、検察の横暴、検察は所詮行政機関、検察官僚
  の生き残り戦略 (政権交代阻止)、検察は政府与党の犬。

 (b) マスメディアは政府与党の広報誌・広報新聞・広報テレビに成り下がった、
  マスメディアは所詮営利企業 (広告主の意のまま)、マスメディアは所詮 「政
  官業癒着」 の一部 (既得権益権者)、マスメデイアは放送法や放送免許の許認
  可権の関係で官僚に逆らえない。

という痛烈な検察・マスメディア批判とともに 「小沢頑張れ」 論が渦巻いています。

(3)いずれにせよ、次期総選挙においては、国民一人ひとりが、棄権することなく、貴重な一票を投じて、自分の主張を政治に反映すべきと思われます。

 そして、選挙の結果、自公政権が存続しようが、政権交代が生じようが、我々国民が 「おまかせ政治」 に陥らないように、積極的に政治に参加し、かつ責任を果たしていかないと、この国の民主主義は 「名ばかりの民主主義」 のままと考えられます。




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「厚生労働省改革の工程表」 改定版 (医療・介護の連携)

 平成21年4月28日、厚生労働省は、「厚生労働省改革の工程表」 の改定版を公表しました。
 この中で、「医療・介護の連携」 に関する事項を下記に示します。

●医療・介護の連携

【改革の項目】


 ①一貫した医療・介護サービスの提供体制の構築とその的確な推進を図る
  組織体制

 ②医政局、保険局、老健局が統一された方針の下に整合的に政策推進でき
  る組織面での確保

 ③既存の審議官の任務の見直し、企画官などのスタッフの活用

 ④医療職種に着目し編成された現在の組織をサービスの向上に正面から取
  り組む体制に見直し

【対策】

 1.①~③に関する対策

  a.医政局、保険局、老健局の局長を中心とした連絡調整の場を設置。

  b.これら3局が統一された方針の下で進めるべき具体的な政策テーマ
    について検討。

  c.3局での連携の方法や当該審議官の任務や企画官などのスタッフの
    活用を含めた組織体制の在り方について検討。

 2.④に関する対策

  *.医療職種の所管課について、所掌事務や組織編成について検討。

 「国益・国民益よりも省益優先」・「省益よりも局益優先」 といわれる縦割り行政の権化の中央省庁の官僚である 「厚生労働省のキャリア官僚」 に、上記②の 「医政局、保険局、老健局が統一された方針の下に整合的に政策推進できる組織面での確保」 ができるかどうかは甚だ疑問です。

 しかしながら、特に若手・中堅キャリア官僚の頑張りで、以前の当ブログ記事 [「健康長寿・新経済成長戦略 (新たな成長市場の創出) (厚生労働省)」・「医療立国論Ⅱ 厚生労働省解体-医療庁を設置せよ! (大村昭人氏著)」] で提唱した 「医療庁」・「医療・介護庁」・「社会保障庁」 のような 「国民益を最優先に考える組織」 の設置が望まれます。(但し、社会保険庁の二の舞になると非常に困りますが・・・)。




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捜査機関への通知、判断基準を明示 (死因究明で厚労省研究班)

 Japan Medicine (2009/5/1) に、医療安全調査委員会 (仮称) から捜査機関への通知対象として示している 「標準的な医療から著しく逸脱した医療」 の具体的な判断基準を盛り込んだ報告書に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●捜査機関への通知、判断基準を明示 (死因究明で厚労省研究班)

 厚生労働省が検討を進めている 「医療安全調査委員会 (仮称)」 (調査委) をめぐる議論で、調査委から捜査機関への通知対象として示している 「標準的な医療から著しく逸脱した医療」 の具体的な判断基準を盛り込んだ報告書を、厚生労働省研究班 (研究代表者:木村哲・東京逓信病院長) がまとめた。
 判断基準は 「故意に近い悪質な医療行為に起因する死亡、または死産の疑いがある場合」 とし、
  ①医学的根拠のない医療
  ②著しく無謀な医療
  ③著しい怠慢
がそれに当たると解説、それぞれの具体例を示している。
 近く研究班ホームページに掲載する予定だ。

「医学的根拠のない医療」 については、根拠がなく独断で効果的と考えた医療行為をして、患者が死亡した場合とした。
 具体例として、腹痛を訴えて救急外来に来院した患者に対し、虫垂炎を疑わせる所見がないにもかかわらず虫垂炎手術を行い、術中に誤って消化管損傷を起こして死亡させた事例などを挙げている。

「著しく無謀な医療」 としては、
 (1) 危険性が少なく有効なほかの選択肢があることを知った上で、危険性が
  高い医療行為を行った場合
 (2) その医療技術をまったく習得していないにもかかわらず独断で医療行為
  を行った場合
を挙げた。

「著しい怠慢」 は致命的になる可能性が高いことに気付きながら何もしなかった場合とした。

 ただ、通知の対象になり得る医療行為があっても、緊急的な措置が必要だった場合や離島などの環境も考慮し、捜査機関への通知対象にならないこともあり得るとしている。

 報告書は、2008年度の厚労科学研究 「診療行為に関連した死亡の調査分析に従事する者の育成及び資質向上のための手法に関する研究」 の分担研究班 (グループリーダー:山口徹・虎の門病院長) がまとめた。
 捜査機関への通知は、医療者の倫理に照らし、「故意に近い悪質度の高さ」 を判断することが適切とし、「特定個人の責任に帰されるべきか」 の観点から通知範囲を検討していた。

●医療機関から調査委への届け出も明確化

 一方、医療機関から調査委への届け出については、第3次試案で判断基準として示されていた 「死亡を予期できたかどうか」 を、「一定の確率で発生する合併症として医学的・合理的に判断できるか」 との表現に明確化すべきとした。

 また、「誤った医療を行ったことが明らかか」 については、「判断に医学的専門性を必要としない、誤った医療を行ったことが明らかか」 とするよう提案した。

 厚生労働省が早期導入を目指している 「医療安全調査委員会 (仮称)」 に対する反対意見の主なものに、「調査委から捜査機関への通知対象として示している 『標準的な医療から著しく逸脱した医療』 の具体的な判断基準」 および 「医療機関から調査委への届け出の判断基準」 についての疑義が挙げられます。

 今回の研究班報告書により、上記判断基準の曖昧性・不明確性はある程度払拭されたと考えられます。

 しかしながら、「ただでさえ、過重労働にて疲弊し、また、コンビニ受診・モンスターペイシェントに辟易している勤務医に、さらに医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安を助長させる」 という問題、および、その問題に連動して生じる 「危ない症例、重症な症例は避ける萎縮医療が進展する、あるいは、この調査委を通した処分を受けて、医療崩壊が益々泥沼化する」 という問題があるため、調査委の設置までに充分な議論・摺り合わせが必要と考えられます。




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新要介護認定 「要介護度の軽度化」 (一次判定で50%以上が引き下げ)

 以前の当ブログ記事 [「新要介護認定 公開の場で検証へ 早ければ7月にも (厚生労働省)」] で述べたように、「新要介護認定に伴う要介護度の軽度化」 に対する不安・不満・批判・凍結要求が、巷間で渦巻いています。
 
 厚生労働省は、旧要介護認定の見直しの検証過程における 「モデル事業」・「研究事業」 で、新要介護認定の導入により、

  ①一次判定において、「20%」・「26%」 の要介護度の軽度化

  ②二次判定において、「20%」・「11%」 の要介護度の軽度化

が見られたことを報告しています。

 一方、週刊ダイヤモンド (2009/5/2・9合併特大号) の特集 「脱出!介護地獄」 において、下記のような衝撃的な記事が掲載されています。

●ある自治体の一次判定では半分が引き下げ

 一部の自治体では新方式による聞き取り調査が進められ、すでに一次判定の結果が出ている。

 ある自治体の介護保険の担当課長はその結果に驚いた。
 一次判定で50%以上の人が、以前の要介護度より軽くなったからだ。
 しかも、要介護2から要支援2へと2ランクも落ちた例が目立った。

 今後は、認定調査会が結論 (二次判定) を下すが、特記事項の材料が少ない場合は、一次判定の結果を変更してランクを上げるのは難しく、担当課長は頭を抱えている。

 特別養護老人ホーム (特養) や介護老人保健施設 (老健) などの施設には、要介護1以上の人しか入れない。
 仮に要支援に格下げとなれば、退去せざるをえなくなる。

 施設といえば、重度者のイメージが強いが、都内の認定審査会のメンバーは 「現実には、家族のいない軽度者も入所している」 と説明する。
 そこを追い出されれば、生活そのものが立ち行かない。
 要介護認定は、施設、在宅ともに暮らし方そのものを変えるインパクトを持っている。

 さすがにこのままではまずいと思ったのか、厚生労働省は4月13日、本人が希望すれば新しい要介護認定の結果が下っても、一定の期間は以前の要介護度のままサービスを受けられるという 『経過措置』 を発表した。

 だが、全ての人に適用されるかどうかは 「まだわからない」 (老人保健課) というのが現状だ。

(1)新要介護認定により、要介護度が下がると区分支給限度額が下がるため、利用できる介護サービスが制限されます。また、非該当になると、介護サービス自体が利用できなくなります。

 上述の通り、「要介護」 から 「要支援」 に軽度変更された場合、施設に入所できなくなり、訪問介護の利用も制限されます。

 さらに、「要介護2」 以上から 「要介護1」 以下に変わると、電動ベッドなど福祉用具が原則として利用できなくなります。

 そうなると、利用者の介護や生活に多大な影響を及ぼし、また、介護難民が益々増大すると考えられます。

 したがって、新要介護認定および新一次判定ソフトの信頼性などについて、国民に説明し納得が得られるまで、一旦、凍結することが望まれます。

(2)上述のように、認定調査による一次判定が当てにならない可能性が高い以上、現実的な対応としては、要介護認定の適切な二次判定において重視される 「調査員の特記事項または主治医意見書に、介護の手間を一次判定の基準時間に上乗せできる根拠が記載されていること」 の遂行が肝要と考えられます。

 但し、主治医意見書の現状を考えると、特に、調査員の特記事項の記載が重要と考えられます。

(3)厚生労働省に対する要望としては、「要介護度の軽度化→介護給付費の抑制→介護保険料の引き上げの抑制・市町村負担の抑制」 という考えではなく、「高齢者・介護サービス利用者」 の視点を重視した介護報酬改定・要介護認定制度改正を行うという英断を下して頂きたいと思います。(本当は、英断ではなく、本来の責務なのですが・・・)。




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H21介護報酬改定・広島県版Q&A (通所リハビリ:H21/5/1現在)

 平成21年5月1日現在の、平成21年度介護報酬改定・広島県版Q&A (通所リハビリテーション) は下記の通りです。

●平成21年度介護報酬改定・広島県版Q&A (通所リハビリ)
  [介護情報ひろしま (平成21年5月1日現在)]

【通所リハビリテーション】

<質問1>
 通所リハビリテーション (1時間以上2時間未満) において、看護師等がサービス提供する場合、算定要件に 「定期的に適切な研修を修了している・・・」 とあるが、この研修は事業所の定期的な研修と考えてよいか。


<回答1>
 「研修」 とは、運動器リハビリテーションに関する理論、評価法等に関する基本的内容を含む研修会であって、関係学会等により開催されているものを示す。
 具体的には、
  ①日本運動器リハビリテーション学会の行う運動器リハビリテーション
   セラピスト研修
  ②全国病院理学療法協会の行う運動療法機能訓練技能講習会
が該当するものである。

<質問2>
 通所リハビリテーション (1時間以上2時間未満) において、午前と午後に別々の単位を設定している事業所で、1人の利用者が午前に1回、午後に1回の計1日に2回サービスを受ける場合、算定は可能か?


<回答2>
 算定可能。

<質問3>
 介護報酬請求 (規模の算定) に関して、3月中旬に実施した 「集団指導研修会」 での配布資料 「介護給付費単位数等改定概要 (国保連合会)」 の4ページに、「通所リハビリテーション」 の規模の設定及び評価の見直し」 の項目で、『小規模診療所の場合→大規模型通所リハビリテーション費 (Ⅰ) に変更』、『介護老人保健施設の場合→大規模型通所リハビリテーション費 (Ⅱ) に変更』 と記載されているが、具体的な規模算定はどうなるのか。


<回答3>
 事業所規模は、前年の平均利用延人員により区分され、具体的な区分は次の3種類。
 ★通常規模型:平均利用延人員750人以下/月
 ★大規模型 (Ⅰ):平均利用延人員750人超900人以下/月
 ★大規模型 (Ⅱ):平均利用延人員900人超/月

<質問4>
 リハビリテーションマネジメント加算は、2ヶ所以上の通所リハビリテーションを利用している場合において、他の事業所と併せて利用回数が月8回以上を満たした場合は算定できるのか。


<回答4>
 事業所ごとに算定要件を満たす必要があり、別の事業所と合わせて8回の要件を満たす場合は、算定できない。

<質問5>
 リハビリテーションマネジメント加算は、本人の体調不良等も含めた諸事情により月8回以上を満たさない場合の算定はどうか。


<回答5>
 利用者側の理由により月8回を下回った場合は、算定することは可能。
 但し、日にちを変更するなど月8回以上実施できるよう努められたい。

<質問6>
 リハビリテーションマネジメント加算は、月8回を下回る場合について、利用を開始した月にあっては算定可とあるが終了月について算定はできないのか。
 短期集中リハビリテーション実施加算、個別リハビリテーション実施加算は利用を終了する日の属する月にあっては加算できるとあるが、リハビリテーションマネジメント加算は算定できないと解釈してよいか。


<回答6>
 リハビリテーションマネジメント加算は、終了の月で月8回以上の算定要件を満たさない場合は、算定不可。

<質問7>
 リハビリテーションマネジメント加算に関して、「リハビリテーションマネジメント加算は、1月に8回以上通所している場合に、1月に1回算定するものとすること」 とあるが、下記のような場合は算定可能か。
 ①居宅からの提供表では、8回以上の予定が立てられてあるが、利用者の
  都合 (体調不良などで欠席など) により、8回未満となったとき。
 ②1週間に2回の利用ではあるが、祝日、休日などにより1月の予定が8
  回未満になった場合。
 ③①・②の場合で、リハビリテーションマネジメント加算が算定できない
  ときは、その月の短期集中リハビリテーション実施加算および個別リハ
  ビリテーション実施加算の取り扱いはどうか。


<回答7>
 ①算定可能。
 ②算定不可。
 ③個別リハビリテーション実施加算については、厚生労働省Q&A Vol.2
  (問27) のとおり (下記参照)。短期集中リハビリテーション実施加算は、
  通所リハビリテーションの終了月以外についてはリハビリテーションマ
  ネジメント加算を算定していることが当該加算の算定要件である。

<厚生労働省Q&A Vol.2 (問27)>
 平成21年4月9日発出Q&A問4について、「リハビリテーションの提供に関わる医師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、看護職員又は介護職員等が協働して作成する通所リハビリテーション実施計画において、概ね週1回程度の通所であっても効果的なリハビリテーションの提供が可能であると判断された場合については、月8回以下の利用であっても、個別リハビリテーション実施加算の算定が可能である」 とあるが、高次脳機能障害や先天性又は進行性の神経・筋疾患の利用者以外であっても、月1回の利用で個別リハビリテーション実施加算が算定できるということでよいか。


<答>
 平成21年4月9日発出Q&A問4の主旨は、身体所見や各種検査結果等から、多職種協働で作成された通所リハビリテーション実施計画において、週1回程度の通所であっても効果的なリハビリテーションの提供が可能であると判断された場合については、週1回程度の利用があった場合に、個別リハビリテーション実施加算の算定が可能である。

<質問8>
 リハビリテーションマネジメント加算は、月8回以上通所リハビリテーションを行っている場合に算定となっているが、利用時間ではなく、1月間 (8回以上)、通所リハビリテーションを利用した場合に算定可能か。

<回答8>
 月8回以上通所リハビリを行った場合に算定できる。
 この場合、個別リハビリを行っている必要がある。
 8回とも個別リハビリを行っている必要はない。

<質問9>
 リハビリテーションマネジメント加算に関して、高次脳機能障害、先天性又は進行性の神経・筋疾患を有する者について、1月に8回以下の通所であっても効果的なリハビリテーションの提供が可能であると判断された場合について、リハビリテーションマネジメント加算は算定できないか。


<回答9>
 算定不可。

<質問10>
 リハビリテーションマネジメント加算は、「1ヶ月に8回以上通所している場合に」 とあるが、A事業所に4回、B事業所に4回通所した場合、両方又はどちらかの事業所で算定することは可能か。

<回答10>
 1つの事業所に1ヶ月に8回以上通所した場合であり、質問のケースは算定できない。

<質問11>
 リハビリテーションマネジメント加算に関して、ある利用者が、1ヶ月にA事業所に8回、B事業所に8回の計16回通所した場合、両事業所とも加算を算定できるか。


<回答11>
 利用者の疾患の状況等によっては、2事業所に通所する必要がある場合も考えられる。
 よって、2事業所の各々が算定する場合もある。

<質問12>
 リハビリテーションマネジメント加算に関して、週1回のみ通所する利用者に対し、リハビリテーションマネジメントを実施する必要があるか。

<回答12>
 リハビリテーションマネジメント加算の有無に関わらず、リハビリテーションマネジメントは、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われる。
 また、個別リハビリテーションは、原則として利用者全員に対して実施するべきものであることから、リハビリテーションマネジメントも原則として利用者全員に対して実施すべきである。

<質問13>
 リハビリテーションマネジメント加算に関して、「3時間以上4時間未満」 のサービスを1日に午前と午後の2回提供している場合、利用者がその両方を利用されている場合、それぞれを1回と数えて、月4日の利用でリハビリテーションマネージメント加算の算定が可能か (月8回以上という要件を満たすか)。

<回答13>
 不可。
 同日に行った午前と午後のサービスをそれぞれ1回とカウントし、1日で2回とカウントすることはできない。

<質問14>
 個別リハビリテーション実施加算に関して、週1回の通所 (月4回) では、リハビリテーションマネジメント加算は算定できず、個別リハビリテーション実施加算も算定できない。
 個別リハビリテーション実施加算については、「高次機能障害 (失語症を含む)」、「先天性又は進行性の神経・筋疾患 (医科診療報酬点数表における難病疾患リハビリテーション料に規定する疾患)」 については、1月に8回以下の通所であっても効果的なリハビリテーションの提供が可能と判断されれば算定は可能。
 この場合、利用者の希望により個別リハビリテーションを行い、利用者からその料金を100%自己負担により徴収してよいか。


<回答14>
 徴収できない。

<質問15>
 個別リハビリテーション実施加算に関して、算定は13回限度とされているが、必要性があって複数の事業所で、通所リハビリテーションを行った場合はどうか。

<回答15>
 それぞれの事業所で、13回限度に算定できる。

<質問16>
 短期集中リハビリテーション実施加算に関して、実施時間について、短期集中リハビリテーション実施加算 (1ヶ月以内) が40分以上、(3ヶ月以内) が20分以上とあるが、通所リハビリテーション実施加算に基づいて必要と判断された時間で可能と判断してよいか。
 所定の時間以下でも算定できるか。


<回答16>
 要件の時間を満たしていない場合は算定できない。

<質問17>
 認知症短期集中リハビリテーション実施加算に関して、これまで継続して利用している利用者に対しても、4月から3ヶ月は算定できるのか。


<回答17>
 できない。
 「退院 (所) 日又は通所開始日から起算して3月以内」 である場合について算定できる。

【注釈】
 このQ&Aは、平成21年2月19日開催の全国会議において厚生労働省から示された基準・解釈等の案や口頭説明、電話照会による回答、その他の情報を県でまとめたものです。
 この内容は、今後訂正される可能性があります。
 また、厚生労働省からは後日、正式に解釈通知及びQ&Aが通知される予定です。




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失敗しない高専賃選び (確認すべき8つのポイント)

 CBニュース (2009/03/17) に、日本介護経営学会のシンポジウムにおける厚生労働省・宮島俊彦老健局長の講演 「介護報酬と介護経営」 に関する記事が掲載されています。

 講演において、同局長は、居住系施設に関して、下記のように述べています。

 日本では有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅 (高専賃) など居住系施設が少ないと指摘。

 今後も特養や老健は一定数を整備する必要があるが、圧倒的に足りないのが 「高齢者の集合住宅」 とし、国土交通省との間で、集合住宅の1階部分にデイサービスや訪問看護ステーションを置き、2階から上をバリアフリーの住宅にするといった計画を進めているとした。

 都会での高齢化が急速に進む中、「居住系施設を整備し、訪問診療、訪問看護、訪問介護が外からサービスを入れる形にならざるを得ない」 と説明した。

 上記に関連して、週刊ダイヤモンド (2009/5/2・9合併特大号) の特集 「脱出!介護地獄」 において、「失敗しない高専賃選び」 に関する記事が掲載されていますので、紹介します。

●こんな高専賃は選ぶな!!

その1,入居金が高額。償却や保全措置の情報を開示しない。

その2.介護度によって入居を拒んだり介護度が上がった場合の対応が不明確。

その3.共益費やサービスの細目、総額費用を明示しない。

その4.最低限の要件であるバリアフリーと緊急通報施設しかない。

その5.24時間対応する介護に慣れた管理人がいない。

その6.介護サービスを運営母体の系列からしか選べない。

その7.連携病院が近隣にない。あっても24時間対応でないなど不充分。

その8.居室面積が25平方メートル (共同型は18平方メートル) 未満。

 上記のように、高専賃選びには、正確な情報に基づく賢い選択が肝要ですが、結局は、「先立つもの」 がなければ、どうにもなりません。

 老後の安全・安心が充分に担保されてない今、「約1,500兆円もの個人金融資産」 は活用されることなく、ほとんど眠ったままであり、内需拡大による景気回復もままならず、「不況の負のスパイラル」 からの脱却は難しいと考えられます。

 したがって、「社会保障 (医療・介護・年金・雇用・福祉) 立国論」 に基づく 「社会保障再生」 により、雇用創出効果・経済波及効果を高め、かつ強固なセーフティネットを構築し、「国民の安心・安全・納得・満足」 による内需拡大も含めて、「経済成長を図る」・「法人税・所得税等の税収増を図る (消費税の増税率をできるだけ抑制する)」 という好循環の実現が望まれます。




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