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  2. 2009年06月

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医の倫理で悪質度判断を (「捜査機関への通知」 で厚労省研究班)

 Japan Medicine (2009/6/26) に、医療安全調査委員会 (仮称) から捜査機関への通知範囲などを検討してきた厚労省研究班の中間報告会に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●医の倫理で悪質度判断を
  「捜査機関への通知」 で厚労省研究班


 厚生労働省が検討を進めている 「医療安全調査委員会 (仮称)」 について、医療機関から調査委への届け出や、調査委から捜査機関への通知範囲などを検討した厚労省研究班 (研究代表者=木村哲・東京逓信病院長) は21日、都内で中間報告会を開いた。
 分担研究者の山口徹・虎の門病院長は、捜査機関への通知範囲について、「医療者の倫理に照らし、悪質度の高さで判断するのが妥当と考えた」 と説明した。

 報告書では、厚労省の大綱案で捜査機関への通知範囲としている 「標準的医療から逸脱した医療」 について 「医の倫理に反する故意に近い悪質な医療行為」 とし、その内容として、
  ①医学的根拠のない医療
  ②著しく無謀な医療
  ③著しい怠慢
の3点を提示。
 悪意ではない通常の過失や、不注意など誤った医療行為については行政処分で対処するとした。

(1)以前の当ブログ記事 [捜査機関への通知、判断基準を明示 (死因究明で厚労省研究班)] でも述べていますが、厚生労働省が早期導入を目指している 「医療安全調査委員会 (仮称)」 に対する反対意見の主なものに、
  ①調査委から捜査機関への通知対象として示している 『標準的な医療から
   著しく逸脱した医療』 の具体的な判断基準
  ②医療機関から調査委への届け出の判断基準
についての疑義が挙げられます。

 今回の厚労省研究班の中間報告により、上記判断基準の曖昧性・不明確性は、相当程度解消されたとはいえ、『捜査機関への通知範囲』 としている標準的医療から逸脱した医療 (医の倫理に反する故意に近い悪質な医療行為) と、『行政処分』 の対象 (悪意ではない通常の過失や、不注意など誤った医療行為) との間の線引きにおいて、実際上の適用時に混乱が生じる可能性が予想され、今なお医療現場および医療スタッフにおける不安は完全には払拭できていないと考えられます。

(2)「医師不足 (特に勤務医不足) ならびに医療の高度化により、ただでさえ、過重労働にて疲弊し、また、コンビニ受診・モンスターペイシェントに辟易している勤務医に、さらに医療事故・医療過誤・医療訴訟に対する不安を助長させる」 という問題、および、その問題に連動して生じる 「危ない症例・重症な症例は避ける萎縮医療が進展する、あるいは、この調査委を通した処分を受けて、医療崩壊・医療破壊が益々泥沼化する」 という問題があるため、医療スタッフおよび患者・家族の双方の安心・安全・納得・満足のためにも、調査委の設置までに更なる充分な議論が必要と考えられます。




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2010年度診療報酬改定・DPC新機能評価係数候補 (2009/6/24現在)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/24) の記事 (新係数の候補、「導入妥当」 に4項目-基本問題小委) および Japan Medicine (2009/6/26) の記事 (中医協:DPC新係数を絞り込み/「正確なデータ提出」 など4項目ほぼ当確、複雑性指標は 「重複評価」 の指摘も) によると、2009年6月24日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 診療報酬基本問題小委員会 (委員長:遠藤久夫・学習院大教授) における議論の結果、2010年度診療報酬改定・DPC 「新機能評価係数」 候補は、下記の10項目に絞り込まれました。

 その内、青色の4項目がほぼ当確、残りの6項目の中で、赤色の2項目が有力 (遠藤委員長の強い支持) となりました。

 診療報酬全体の改定率なども見極める必要があるため、2010年度に導入するDPC新機能評価係数が確定するのは、年末になる見通しとのことですが、「DPC対象病院」 ならびに 「2010年度にDPC対象病院に昇格する予定のDPC準備病院」 のためにも、できるだけ早急の確定が望まれます。

●DPC 「新機能評価係数」 候補 (2009/6/24現在)

1.DPCデータを用いて分析が可能であるもの

 ①DPC病院として正確なデータを提出していることの評価 (正確なデータ
  提出のためのコスト、部位不明・詳細不明コードの発生頻度、 様式1の
  非必須項目の入力割合、等)


 ②効率化に対する評価 (効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価、等)

 ③複雑性指数による評価

 ④診断群分類のカバー率による評価

 ⑤救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状
  況による評価


 ⑥患者の年齢構成による評価

2.DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少なく
 速やかにデータを把握することが可能なもの

 ⑦診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価

 ⑧医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評価

 ⑨医師、看護師、薬剤師等の人員配置 (チーム医療) による評価

 ⑩医療の質に係るデータを公開していることの評価




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脳卒中対策基本法制定で申し入れ (日本脳卒中協会)

 Japan Medicine (2009/6/26) に、「脳卒中対策基本法」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●日本脳卒中協会など 脳卒中対策基本法制定で申し入れ
  総務省と厚労省による 「基本計画」 の策定を


 日本脳卒中協会は24日、脳卒中対策基本法制定のための要綱案を取りまとめ、厚生労働省に申し入れた。
 要綱案は、総務省と厚労省による 「脳卒中対策推進基本計画」 の共同策定を求め、各都道府県にもそれぞれの地域実態を反映させた基本計画の策定を義務付ける考えを明記。
 脳卒中について、急性期から回復期、維持期まで継ぎ目のない医療を提供するための基本理念を打ち出した。

 脳梗塞、脳出血に代表される 「脳卒中」 の死亡者は年間約12万人。
 発症者数が増加傾向にあることに加え、疾患別入院期間が最も長い実態があるなど、大きな社会問題となっている。
 超急性期脳梗塞の画期的治療法として 「t-PA」 が2005年に保険適用されたが、同協会によれば t-PA治療を受けた患者は脳梗塞患者全体の2%にとどまっているのが現状だ。

● 「脳卒中対策推進協議会」 の設置を国、都道府県に義務付け

 要綱案では、脳卒中に関する予防、救急搬送、脳卒中医療、リハビリ、介護・社会福祉にわたる対策を総合的、計画的に進めるための 「脳卒中対策推進基本計画」 が必要と明記。
 基本計画を遂行するには、救急搬送体制を担当する総務省と、医療提供体制を担う厚労省による 「省庁を超えた連携が不可欠」 とし、基本計画の共同策定、閣議決定を義務付けることを要望した。

 都道府県レベルでも地域実態を踏まえた計画策定を求め、国と都道府県それぞれによる 「脳卒中対策推進協議会」 の設置を定めた。
 計画には、具体的な政策と目標、達成時期を明確に盛り込み、インターネットで公表する。
 5年ごとに計画の進捗状況について検証する考えも示した。

●実態把握の重要性にも言及

 要綱案は、国や自治体、医療保険者に求められる脳卒中対策に関する考え方も明記した。
 予防対策では、食生活や喫煙、飲酒といった生活習慣と脳卒中発症の関連性や、脳卒中に関する疾病情報の普及啓発を徹底するよう求めている。

 超急性期では、発症直後の救急搬送、救急医療、遠隔医療に関する体制整備や、必要な人材に対する研修等を要請する考えを盛り込んだ。
 回復期や維持期でも、脳卒中に関する技能、ノウハウを持った専門職の育成を掲げ、施設や事業者の整備に取り組むべきとしている。

 また、それぞれの地域での 「脳卒中の発症状況」・「救急搬送状況」・「救急・急性期、回復期、維持期に至る治療状況や転帰」 などの実態把握に努める必要性にも言及。
 こうした実態分析について、将来の脳卒中対策に反映させる重要性も強調した。
 t-PA静注療法の普及に向けた対策としては、救急隊員の教育をはじめ、t-PA静注療法実施施設の把握、現場での救急隊員による搬送先選定、遠隔医療の実践などを挙げた。

●日本脳卒中協会・山口武典理事長 脳卒中は障害や要介護の最大原因

 脳卒中は、患者さんご本人やご家族の生活を大きく変えてしまう障害や要介護になる最大の原因です。
 また、医療費・介護費の観点でも、がん以上に社会的な負荷がかかります。
 脳卒中対策には、医療のみならず、救急搬送やリハビリテーション、患者さんの生活の質の向上と社会参加の支援が含まれていなければならず、これらが全国どこでも受けられなければなりません。
 このため、脳卒中に特化した法律が必要なのです。
 このたび、関連学術団体、職能団体からもご意見を伺い、脳卒中対策基本法要綱案をまとめることができましたので、今後、立法化に向けた活動を進めていきたいと思っています。

●日本脳卒中協会・中山博文専務理事 法整備で包括的な脳卒中対策を

 脳卒中対策基本法が制定されると、行政として、国を挙げ、自治体を挙げて、包括的な脳卒中対策が進みます。
 たとえば、予防や脳卒中の見分け方、起こった時の対処などの情報を、行政が責務として広報に努め、それによって、「脳卒中を発症したら直ちに受診」、119番を呼べば、 24時間全国どこでも、最新の治療を行う専門病院に搬送される仕組みを整備できます。

 国民病ともいえる脳卒中について、最新の医療・リハビリがひとりでも多くの患者さんに適用されるようになるために、是非、立法化を推進させていきたいと思っています。

(1)日本における死亡率の第3位・寝たきり原因の第1位・要介護原因の第1位である 「脳卒中」 は、今なお、
  ①プレホスピタルケア (病院前救護)
  ②t-PA治療をはじめとした超急性期・急性期治療および再発・増悪予防
   のための慢性期治療
  ③脳卒中 「地域連携パス」 による地域医療連携システム
  ④超急性期・急性期~回復期の濃厚かつ集中的なリハビリテーション体制、
   および急性期~回復期~維持期のシームレスな地域リハビリテーション
   システム
等の不備が指摘されています。
 さらに、「脳卒中の症状・緊急時対応等に関する地域住民の理解不足・周知徹底不足」 も指摘されています。

(2)また、リハビリテーションにおいても、
  ①疾患別リハビリテーション体系の導入
  ②リハビリテーション算定日数上限 (標準的算定日数) の導入
  ③回復期リハビリテーション病棟への成果主義の導入
  ④介護保険リハビリテーション制限問題 (リハビリテーションマネジメント
   加算月8回問題)
等による 「患者選別・患者切り捨て」・「リハビリ難民 (リハビリ棄民)」・「介護難民 (介護棄民)」 等の問題が山積しています。

(3)したがって、「脳卒中対策基本法」 の早急の制定による抜本的かつ包括的な脳卒中対策が望まれます。




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運動器リハと脳血管リハとの格差是正を要望 (日本臨床整形外科学会)

 Japan Medicine (2009/6/24) に、運動器リハビリテーションに関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

●日本臨床整形外科学会/次期改定で運動器リハの点数体系
 を要望 脳血管疾患等リハとの格差是正が課題


 日本臨床整形外科学会は、次期診療報酬改定に向け現行の疾患別リハビリテーション体系を維持した上で、運動器リハビリテーションについては施設基準を見直し、脳血管系疾患等リハビリテーションとの点数格差の是正を図り、医療現場の歪みを解消することを求めていく方針を固めた。

 現行の脳血管疾患等リハは、PT、OTの人員配置によって235点、190点、100点の3段階設定で、算定日数上限は180日になっている。
 これに対して、運動器リハ料は、170点と80点の2段階で、算定上限は150日。
 同学会では、運動器リハ点数と脳血管系リハの点数格差があることで、運動器リハ施設におけるPT、OTの雇用が難しい状況になっていることが課題として挙げられた。

 実際に、2007年度社会保険診療行為別調査からリハビリテーションのレセプト件数は、運動器リハが脳血管疾患リハの2.5倍となっているのに対して、リハビリテーション総収入では脳血管疾患リハの方が1.9倍高くなっている。
 運動器リハは、リハ回数が多いが、それが実収入に反映されていない薄利多売の実態がある。
 このため現行の点数体系では、運動器リハ施設の雇用環境の改善が図れないとしている。

 改善提案について同学会では、運動器リハについても脳血管系疾患リハと同様にPT、OT合計4人以上、運動器リハの経験を有する医師の配置などを施設基準とした240点を新設し、点数を3段階に組み直すことを要望する。
 このほか、65歳以上の運動器不安定症を有する患者に対する運動機能指導管理料の新設なども盛り込む予定だ。

 藤野圭司理事長は、「PT、OTは毎年1万3,000人ずつ増える計画だが、現行の点数体系では、運動器リハ施設では、経営的にも受け皿になれない厳しい状況にあることを理解してもらいたい」 と指摘した。

 特に、同理事長は、「2,200億円の社会保障費の抑制が骨太の方針09に盛り込むようなことがあってはならない。日本医師会は全力をあげて阻止するよう働き掛けるべきだ」 と述べ、実質的に形骸化された形になったとしても、骨太09に記載することは阻止すべきだと語った。

(1)2006年度改定において、運動器リハビリテーション関連3団体および呼吸器リハビリテーション関連団体が各々の思惑・戦略により (あるいは、良かれと思って?) 行ったロビー活動が功を奏して (且つ厚生労働省の思惑にも合致して) 導入された 「疾患別リハビリテーション体系」 は、結果的に下記のような多くの問題を引き起こしました。

 ①リハビリテーションの理念である 「障害のある方に対する全人的アプローチ」
  の象徴であった 「総合リハビリテーション施設」 の形骸化、ならびに、セラ
  ピストの専門性をないがしろにした 「理学療法料」・「作業療法料」・「言語聴
  覚療法料」 の削除。

 ②疾患別リハビリテーション体系の導入に伴う大きな代償
  (a) 厚生労働省にねじ込まれたリハビリテーション算定日数制限とそれに
   伴って生じた多くの 「リハビリ難民・介護難民」
  (b) 算定日数制限除外患者における算定日数上限超え時の疾患別リハビリ
   テーション継続に必要な毎月の膨大な書類作成 (事務的作業の負担増
   大→その割にはレセプト審査で理不尽な減額査定)。
  (c) 結果的に生じた疾患別リハビリテーション診療報酬点数の減額。

 ③各疾患別リハビリテーションの 「厚生労働省が明示している対象疾患」 以
  外の疾患において、疾患別リハビリテーションの選択が困難な症例 (ある
  いはレセプト審査で却下または減額査定される症例:都道府県あるいは
  国保・社保で格差あり) が少なからず存在する。

 ④複数の疾患および重複障害を有する患者 (特に高齢者) は、疾患別リハビリ
  テーションに馴染まず、充分なリハビリテーションが享受できない。

(2)運動器リハビリテーション料と脳血管疾患等リハビリテーション料との点数格差の原因として、次のようなことが挙げられます。

 ①医療機関によっては、運動器リハビリテーションにおいて少なからず指摘
  されている (脳血管疾患等リハビリテーションにおいても、医療機関によっ
  ては、指摘を受けていますが) 「セラピストおまかせリハビリテーション」
  即ち、医師およびリハビリテーション専任医師の関与が少ないリハビリテ
  ーション
という現実。(時に、「無診察リハビリテーション」 の実態)。

 ②施設基準におけるリハビリテーション専任医師の数の差異 【運動器リハビ
  リテーション料 (Ⅰ)
は、運動器リハビリテーションの経験を有する専任の
  常勤医師が1名以上勤務、一方、脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
  は、専任の常勤医師が2名以上勤務していること [ただし、そのうち1名
  は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験
  又は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会、講習会の受
  講歴 (又は講師歴) を有すること]】。

 ③施設基準におけるセラピストの数の差異 【運動器リハビリテーション料
  (Ⅰ)
は、専従の常勤理学療法士 (PT) が2名以上勤務、又は、専従の常勤
  作業療法士 (OT) が2名以上勤務、又は、専従の常勤PT及び専従のOT
  が合せて2名以上勤務していること、一方、脳血管疾患等リハビリテーシ
  ョン料 (Ⅰ)
は、専従の常勤PT5名以上勤務&専従の常勤OTが3名以上
  勤務 [言語聴覚療法を行う場合は、専従の常勤言語聴覚士 (ST) が1名以
  上勤務]】。

 ④運動器リハビリテーション料 (Ⅰ) の施設基準における有資格者による代替
  者の問題
(当分の間、適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了し
  た看護師、准看護師、あん摩マッサージ指圧師又は柔道整復師が、専従の
  常勤職員として勤務している場合であって、運動器リハビリテーションの
  経験を有する医師の監督下に当該療法を実施する体制が確保されている場
  合に限り、理学療法士が勤務しているものとして届け出ることができる)。

 ⑤一部の医療機関にて、「処置 (介達牽引および消炎鎮痛等処置) と区別がつ
  かないような運動器リハビリテーション」
が行われている。また、定期的
  なリハビリテーション治療効果判定がなされていない (長期漫然としたリ
  ハビリテーション)


 ⑥一部の医療機関において、運動器リハビリテーションの算定日数上限が来
  るたびに、リセットを繰り返している。(例:変形性頸椎症→右肩関節周囲
  炎→左肩関節周囲炎→変形性腰椎症→右変形性膝関節症→左変形性膝関節
  症→腰部脊柱管狭窄症→左変形性股関節症→・・・・・・)。

  ●上記リセット問題に対して発出された厚労省疑義解釈。

(問)「膝の変形性関節症」 での運動器リハビリテーションが終了した日以降、「脊椎疾患」 や 「隣接関節疾患」 などで、新たな運動器リハビリテーション料を算定できるのか。

(答)脊椎疾患等の傷病が新たに発症したものであれば算定できる。なお、脊椎疾患等の慢性的な疾患については、膝変形性関節症に対するリハビリテーションを実施中に既に発症していた可能性が高いことから、発症日を十分に確認する必要がある。

 ⑦疾患別リハビリテーション料の施設基準の要件 [(a) リハビリテーションに
  関する記録 (医師の指示、実施時間、訓練内容、担当者等) は患者ごとに一
  元的に保管され、常に医療従事者により閲覧が可能であること。(b) 定期的
  に担当の多職種が参加するカンファレンスが開催されていること] が遵守さ
  れていない一部の医療機関。

 ⑧ 「運動器不安定症」 は、慢性期的、廃用症候群的、介護保険的、あるいは介
  護予防的な 「疾患名 (?)」 であり、医療保険・診療報酬には馴染まず、使用
  すべきではないと考えられている。(レセプト減額査定も少なくない)。

(3)上記(2)の種々の課題が解決されない限り、運動器リハビリテーション料と脳血管疾患等リハビリテーション料との点数格差は解消されないと思われます。

(4)以前の当ブログ記事 [運動器リハの日数制限を180日に (日本臨床整形外科学会が要望)] で述べたように、これまでのリハビリテーション診療報酬改定において、したたかな厚生労働省は、

 ①運動器リハビリテーション関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外
  科学会・日本運動器リハビリテーション学会)

 ②呼吸器リハビリテーション関連学会 (日本呼吸器学会・日本呼吸ケア・リハ
  ビリテーション学会)

 ③リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会、日本リハ
  ビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協
  会、日本言語聴覚士協会)

 ④日本心臓リハビリテーション学会

の思惑・戦略の違いにつけ込み (分断作戦)、結果的に、「リハビリテーション算定日数制限」 を付与しやすい疾患別リハビリテーション料を導入し、リハビリテーション医療を混乱に陥れました。

 したがって、次期平成22年度診療報酬改定に向けて、リハビリテーション医療の正常化ならびに患者さん・障害のある方の安心・安全・納得・満足のために、また、「リハビリ難民・介護難民」 の解消および防止のためにも、(各疾患別リハビリテーション関連学会が単独で厚生労働省と交渉するのではなく)、上記の4つの疾患別リハビリテーション関連団体が 「合同で (スクラムを組んで)」 厚生労働省と交渉すべきと考えられます。




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おちょくり? 本気 (マジ)? 東国原・宮崎県知事

 宮崎日日新聞ホームページ (2009/6/23) に、東国原・宮崎県知事のトンデモ発言の記事が掲載されていますので、下記に示します。

「自身を総裁候補に」 古賀氏出馬要請で知事

 自民党の古賀誠選対委員長は23日、県庁に東国原知事を訪ね、次期衆院選で自民党からの出馬を要請した。
 知事は自身を次期総裁候補にすることなどを立候補の条件に挙げたため、結論は出なかった。
 知事は自民党側の対応を受けて、出馬するかどうかを決断する方針。

 会見は知事室で約20分にわたり行われた。
 古賀氏は知事に 「知事の誠実な情熱と、今の自民党にない新しいエネルギーが率直に言ってほしい」 と述べ、出馬を要請した。
 選挙区に関しては具体的に示さなかった。

 出馬要請に対し、知事は、
  ①全国知事会がまとめた地方分権の提言を自民党のマニフェスト (政権公
   約) にすべて盛り込む。
  ②本県が提案している国の来年度予算の編成方針も実現する。
  ③自身を次期総裁候補とする。
ことなどを条件をとして提示。

 古賀氏は 「一応お聞きしました」 と答えるにとどめた。

 上記の知事のトンデモ発言は、「おちょくり?」 なのか 「本気 (マジ)?」 なのか定かではありませんが、自民党・政局・次期総選挙に強力なインパクトを与えたことは否めません。

 上記の東国原知事お得意のパフォーマンス!?により、自民党に 「活が入ったか?」 あるいは 「トドメをさされたか?」。

 日本の将来を大きく大きく左右する解散総選挙は、もう目前です。

 総選挙の結果、現在の 「自公政権」 が維持されるのか、政権交代後の 「民主党を中心とした連立政権」 なのか、はたまた、「大連立政権」 (あるいは 「中連立政権」) なのか・・・。

 少子超高齢時代を迎え、崩壊した (破壊された) 「医療・介護・福祉・年金・雇用」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生を、明確にマニフェストに掲げ、且つ、実際に実現してくれる政権の誕生を、ひたすら待ち焦がれております (やっぱり無理かな・・・。でも、どげんかせんといかん・・・)。




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国内の大規模感染拡大は確実 (新型インフルエンザ)

 前回の当ブログ記事 [新型インフルエンザ (秋冬の大流行に備え、肺炎球菌ワクチン接種を)] に引き続き、新型インフルエンザに関する Japan Medicine (2009/6/22) の記事を紹介します。

●東北大・押谷氏/新型インフル 「国内の大規模感染拡大は確
 実」 ハイリスク患者で死者の可能性も


①東北大大学院医学系研究科微生物学分野の押谷仁氏は13日、東京都内で開かれた第49回日本呼吸器学会学術講演会で 「インフルエンザA (H1N1) による新型インフルエンザの各国の状況と日本の課題」 と題して緊急報告し、「国内でも半年以内に大規模な感染拡大が確実に起こる」 と言明した。
 また喘息患者や妊婦への感染は、重症化する恐れがあるとの見方を紹介。
 感染の広がりとともに、リスク要因を抱えた患者が一定の割合で死亡する可能性が高いことも指摘した。

●入院患者の8割に喘息などのリスク保有

②押谷氏は米ニューヨーク市の最新データから、今回のインフルエンザの特徴を説明した。
 6月12日時点の入院患者数は567人で、6月2日と比べて 226人増加。
 死者は9人増えて16人となった。
 ICUでのケアを必要としているのは入院患者全体の21%で、mechanical ventilation (人工呼吸器) が必要な患者も10%に達していた。

③特に25~64歳のグループを見ると、入院患者は219人で10日前のデータから100人増加。
 それに伴い死者も10人にまで膨らんだ。
 0~4歳、65歳以上の層でも入院患者が大幅に増えたことなどから、押谷氏は 「重症化するのは必ずしも若い層ばかりでない」 と解説した。

④また入院患者の80%が喘息、妊娠、2歳以下、糖尿病などのリスク要因を保有しており、全死亡例のうち12例が65歳以下であったとするデータを報告。
 肥満を伴う患者が、ハイリスク群に入る可能性のあることも示唆した。

⑤押谷氏はさらに、WHO関係者からの情報を基に重症化例のほとんどがウイルス性肺炎であると推測。
 重症化の理由に関しては、ニューヨークで扱われた全剖検例の気道がウイルスで満たされていたことなどを踏まえ、「ウイルス増殖のコントロールを全くできていないというのが基本にある」 と述べた。

●抗インフル薬:重症化例での効果に疑問

⑥押谷氏は国内における新型インフルエンザについて、「明らかに感染拡大が続いており、それがいま段々と明らかになってきている」 との見方を示した。
 その根拠として疫学リンクのない例 (感染源が特定されていない例) が多数確認されていることを挙げ、「感染源が分からない人が出たということは当然、コミュニティーで感染が広がっているという兆候であると見るべき」 と強調した。

⑦こうした状況を踏まえ、国内でもコミュニティーで妊婦などにも感染が拡大すれば、一定の割合で重症化する患者が出現し、死亡例も出てくる状況は避けられないとの見解を提示。
 「こういうことが日本でもこれから起きてくる可能性が高い」 と述べた。

⑧また、国の行動計画で想定されている新型インフルエンザへの罹患率は人口の25% (約3,200万人) で、仮に致死率が0.4%にまで上がると12万人を超える死者が出るとの推計を紹介した。
 通常の季節性インフルエンザと同程度の致死率 (0.1~0.2%) であっても、死者の多くを子どもや50代までの成人が占める状況になりうることから、「社会的なインパクトが全く違う形で出てくる」 と見通した。

⑨重症化例に対する抗インフルエンザ薬治療に関しては、「ウイルス性肺炎を起こしてウイルスの増殖が全く抑えられないような症例にタミフル、リレンザを使っても効くとは思えないところがある」 と発言。
 早期からウイルス増殖をコントロールする対策が今後の課題になるとした。

●10月にも国内第2波か

⑩このほか重症化例を受け入れる国内医療体制に懸念を表明。
 「ICUが全くない地域もあるという今の医療体制の中で、こういう患者が多発した場合はどうするのか」 と訴えた。
 押谷氏によると、新型インフルエンザへの対策が世界で最も進んでいるとされるニューヨークでさえも、罹患率5%の段階で医療機関にかなりの混乱が生じているという。

⑪押谷氏は、WHOによる警戒レベル 「フェーズ6」 の宣言を、「世界中にインフルエンザウイルスが大規模に広がって非常に大きな被害が起こる可能性があるということ」 と説明。
 季節性インフルエンザとは異なる新型であると世界に強く警告するために、WHOが宣言を決断したとの認識を示した。

⑫WHOが現在のパンデミックを 「モデレート」 と表現したことに関しては、新型インフルエンザによる致死率が、季節性インフルエンザ時の0.1%程度からスペインインフルエンザ時の2%の間に該当すると判断しているためだと解説した。

⑬世界的に感染が拡大している状況については、「いまわれわれが見ているのは本当にごく初期のパンデミックで、本格的なインフルエンザシーズンは地球上のどこも体験していない」 とし、これから冬を迎える南半球を注視する姿勢を見せた。

⑭特にオーストラリアでは急速に感染が広まっているとの認識を示し、このまま一気にパンデミックに突入すれば東南アジアにも拡大し得るとの見方を披露。
 「そうなると日本は全く感染者の流入を止められない」 とし、場合によっては国内流行の「第2波」 を10~11月に迎える可能性も十分に考えられるとした。

(1)前回の当ブログ記事 [新型インフルエンザ (秋冬の大流行に備え、肺炎球菌ワクチン接種を)] で紹介しました 「菅谷氏 (神奈川県警友会けいゆう病院小児科部長) 見解」 と今回の 「押谷氏 (東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授) 見解」 (上記②) の一致点は、「重症化症例に対する人工呼吸器の必要性」 です。

 現在の日本の医療体制では、人工呼吸器の絶対数が不足していると考えられ、また、上記②・⑩の通り、必要な集中治療室 (ICU) の数も不充分と考えられます。

 新型インフルエンザの今年の秋冬における大流行に向けて、人工呼吸器およびICUの早急な整備が望まれます。

(2)「菅谷氏見解」 では、新型インフルエンザの死亡原因のほとんどは、細菌性肺炎とされています。一方、「押谷氏見解」 では、上記⑤の通り、WHO関係者からの情報を基に重症化例のほとんどがウイルス性肺炎であると推測しており、「ウイルス増殖のコントロールを全くできていないというのが基本にある」 と述べています。

 さらに、「押谷氏見解」 では、上記⑨の通り、重症化例に対する抗インフルエンザ薬治療に関しては、「ウイルス性肺炎を起こしてウイルスの増殖が全く抑えられないような症例にタミフル、リレンザを使っても効くとは思えないところがあり、早期からウイルス増殖をコントロールする対策が今後の課題になる」 と述べられています。

 スペイン風邪や鳥インフルエンザによる死亡原因として、サイトカイン・ストーム説 [サイトカインの過剰産生:サイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されるが、それが過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす (アレルギー反応と似ている)。これらの疾患では免疫系の活発な反応がサイトカインの過剰産生につながるため、若くて健康な人がかえって罹患しやすいと考えられる] も唱えられており、新型インフルエンザの死亡原因の早急な特定・解明が重要と考えられます。

(3)両者の見解より、現時点では、「肺炎球菌ワクチン」 (特に、高齢者) ならびに 「新型インフルエンザワクチン」 の両方の接種が必要と考えられます。

 しかしながら、共同通信 (2009/6/19) の下記の記事を読むと、不安に駆られます。
 政府・厚生労働省の早急かつ周到な新型インフルエンザ対策が望まれます。

ワクチン製造7月中旬から 新型インフルで、厚労省
 
 厚生労働省は19日、新型インフルエンザワクチンの製造を7月中旬から始めると発表した。
 政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会 (尾身茂委員長) から 「季節性インフルエンザワクチンの製造を中止し、新型に切り替えるのが適当」 との答申を受け、正式決定した。

 厚労省によると、新型ワクチンの原料となる種ウイルスが季節性のウイルスと同程度に増殖するとすれば、12月末までに約2,500万人分を製造可能。
 早ければ10月から接種できるようになる。
 7月中旬の切り替えまでに季節性のワクチンも昨年の約8割に当たる約4千万人分を確保できるという。

 厚労省は今後、新型用のワクチンをどのような人に優先的に接種するかの順位を検討する。




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新型インフルエンザ (秋冬の大流行に備え、肺炎球菌ワクチン接種を)

 WHO (世界保健機関) が6月11日に 「世界的大流行 (パンデミック)」 を意味する最高度のフェーズ6を宣言した新型インフルエンザ (2009インフルエンザ) は、今年の秋冬の大流行が予想されています。

 現在、新型インフルエンザは、弱毒性で、感染力も季節型インフルエンザより少し強い程度とされています。

 しかしながら、これから冬を迎えるオーストラリア、南米、オセアニア等にて、大流行し、且つ、突然変異または遺伝子交雑が生じて、強毒性・強い感染性の新型インフルエンザに変貌する可能性があります。

 文藝春秋2009年7月号に掲載されているインタビュー記事 「新型インフルエンザ50問50答 秋冬の大流行に備えよ」 にて、菅谷憲夫・神奈川県警友会けいゆう病院小児科部長が、新型インフルエンザについて、非常にわかりやすく解説されています。

 その中で、同部長が、新型インフルエンザでの死亡を避けるために、肺炎球菌ワクチンの接種の重要性を喚起されていますので、下記に示します。

 新型、季節型問わず、インフルエンザで死亡する原因のほとんどが細菌性肺炎であることから、特に、肺炎球菌ワクチンの接種が重要であり、高齢者 (特に、種々の合併症・併存疾患を抱える方々) とその家族へのワクチン接種についての啓発・啓蒙が肝要と考えられます。
 医療スタッフ・リハビリテーションスタッフ・介護スタッフ等からの積極的な啓発・啓蒙が望まれます。

●新型インフルエンザ50問50答 秋冬の大流行に備えよ

【肺炎球菌ワクチンを打て】

(問31)今後の対策で重要な点は。

(答)
 新型インフルエンザで死ぬ原因はほとんどが肺炎、しかも細菌性肺炎です。
 スペインかぜやアジアかぜ、香港かぜで死んだ人も90%以上は細菌性肺炎だったことが最近明らかになりました。
 毎年のインフルエンザでも高齢者が死んでますが、ほとんどは細菌性肺炎。
 だから、これからすべきことは細菌性肺炎への備えです。

(問32)インフルエンザになると気道が炎症を起こして、細菌を増殖しやすくさせる?

(答)
 その通りです。
 気道がひどくやられて、もともといる細菌が肺炎を起こす。
 重症の細菌性肺炎で死亡するんですね。
 なかでも肺炎球菌による死亡はかなり出ると思います。
 ところが、日本は肺炎球菌ワクチンの接種がものすごく低い。
 肺炎球菌ワクチンは、65歳以上の高齢者に打つことになっているんですが、接種率は5%程度。
 欧米ではインフルエンザワクチンと同程度、60~70%の接種率があります。

(問33)なぜ日本は低いんですか。

(答)
 一つは、知らない人が多いからだと思います。
 インフルエンザで死亡する原因は細菌性肺炎だというメッセージはすごく大事で、日本感染症学会が5月に緊急アピールを出しました。

(問34)肺炎球菌ワクチンはいつ受けたらいいですか。

(答)
 第1波 (註:今秋あるいは来年の1、2月)、第2波の流行の前。
 今こそ高齢者は受けるべきです。

(問35)効果の持続時間は。

(答)
 5年間ですから、新型インフルに備えるには今が好機です。
 問題は、接種回数を日本は1回しか認めていないこと。
 2回目は腫れやすいからといいますが、欧米は2回認めています。
 硬直化した制度が問題ですね。
 加えて、重症の細菌性肺炎で呼吸不全にもなるので、人工呼吸器が必要です。
 水際対策とかマスクとかいってますが、それより人工呼吸器の準備が全然足りない。
 病床が足りたとしても呼吸器がなくては。
 高齢者の場合、肺炎に対する備えは非常に重要ですよ。

(問36)肺炎球菌とインフルエンザのワクチンは一緒に接種してよい?

(答)
 1週間あければ問題ありません。
 H5N1 (註:鳥インフルエンザ) に対するプレパンデミックワクチンを打つよりは、肺炎球菌ワクチンを打った方がいいというのが私の意見です。




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「訪問リハビリステーション」 の制度化を (全国訪問リハ振興会)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/17) に、訪問リハビリステーションに関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

「訪問リハビリステーション」 の制度化を-全国振興会

 訪問リハビリテーションへのニーズが広がる中、今年4月に発足した 「全国訪問リハビリテーション振興会」 (伊藤隆夫代表) は、管理者やスタッフへの研修を通じたサービスの質の向上や、「訪問リハビリステーション」 の制度化を目指している。

 同振興会は、「日本理学療法士協会」・「日本作業療法士協会」・「日本言語聴覚士協会」 の3協会と、訪問リハビリにかかわる 「全国訪問リハビリテーション研究会」・「全国在宅リハビリテーションを考える会」 の2団体が共同で設立した。

 代表に就任した理学療法士の伊藤氏は、訪問リハビリの現状について 「サービスの提供は年々増えているが、絶対数がまだまだ少ない」 と指摘。
 これまで訪問リハビリに特化した研修を行う組織がなく、各団体がそれぞれ独自に研修を実施してきたという。

 昨年から訪問リハビリについて共通の組織を設立する話し合いが行われ、今年4月に振興会を発足させた。
 振興会には 「研修」 をはじめ、「訪問リハビリの実態調査・研究」・「訪問リハビリステーション制度化準備」 の3つのワーキンググループが設けられた。

 研修は、セラピストの質の確保と、スタッフをまとめる管理者の育成などを目的としており、伊藤代表は 「今はとにかくサービスの質を上げていきたい」 とした上で、さらに2012年度の診療・介護報酬の同時改定に向け、セラピストが単独で運営可能な 「訪問リハビリステーション」 の制度化にもつなげたいという。

 訪問リハビリは、訪問看護ステーションと病院や診療所などの医療機関からサービスを提供できるが、現行では、作業療法士 (OT)、理学療法士 (PT)、言語聴覚士 (ST) が単独で事業所を運営できないため、セラピストが訪問看護ステーションを設立し、そこから 「訪問看護7 (訪問看護ステーションからのセラピストが行う訪問リハビリテーションの介護保険における略称)」 を実施しているケースが多い。

 セラピストの3協会は 「訪問リハビリステーション」 の制度化を提言してきたが、これは今年度の介護報酬改定では見送られた。

 伊藤代表は 「この1、2年で実績をつくり、エビデンスに基づいた資料などを提出していきたい」 とし、厚生労働省などにも訪問リハビリの実態や効果を訴えていく考えだ。

(1)訪問リハビリステーションに関する日本リハビリ病院・施設協会の考え方が、下記の通り、キャリアブレインのCBニュース (2008/10/14) の記事にて、紹介されています。

訪問リハステーションの新設目指す―リハ病院・施設協会

 日本リハビリテーション病院・施設協会が10月11日、東京都内で開いた 「2008年度第1回リハビリテーション研修会」 で、浜村明徳会長が 「介護報酬改定の動向」 をテーマに講演、介護保険制度での訪問リハステーションの新設などを訴えた。

 浜村氏は、この20年間のリハビリテーションの変化について、「住民の身近にリハの提供施設が増え、回復期リハ病棟の数が約1,000病棟、約4万5,000床になるなど、必要な患者へのリハの提供量が格段に増えた」 と評価した。

 一方、今後の課題として、急性期・回復期・慢性期に対する総合的で一貫したリハの提供や、在宅における維持期リハの提供体制の整備などを挙げた。

 中でも、在宅における訪問リハの重要性を強調。
 訪問リハ専従者の養成や訪問リハの運用システムの整備、訪問リハ提供拠点の整備によって、「退院、退所直後、あるいは生活機能の低下時に、適切かつ迅速に提供される訪問リハの普及を図る」 との構想を示した。

 訪問リハの提供拠点の整備について、浜村氏は、単独型の訪問リハステーションの創設に意欲を見せ、「日本リハビリテーション病院・施設協会としては、独立した訪問リハのステーションがあってもいいのではないかと考えている」 と述べた。

 訪問リハステーションの実現に向けた行動計画については、「現在は周囲の理解も、われわれ自身の (訪問リハステーションの運営に向けた) 体制も十分でない。2009年の介護報酬の改定で提案するのは難しい」・「2012年の診療報酬、介護報酬同時改定での、訪問リハステーションの制度創設を目指す」 と語り、2009年の介護報酬改定では、まず 「訪問リハ拡充を図る」 との方針を述べた。

 同協会は、9月18日に開かれた第53回社会保障審議会介護給付費分科会に対して提出した要望書で、訪問リハの拡充について、
  ①病院・診療所・老健・訪問看護ステーションなど訪問リハ提供拠点
   の拡充
  ②在宅主治医と訪問サービス側の連携方法の確立
  ③訪問サービスを提供するPTやOT、STの養成機関の整備と教育
   研修体制の充実
などを訴えている。

(2)2009年度介護報酬改定以前において、「訪問看護7の50%規制」 (訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされることは適切ではない) の発出により、訪問看護ステーションからの 「訪問看護7」 が減少し、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加しました。

 しかしながら、地域によっては、訪問看護ステーションは存在するが、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーション提供体制がほとんどないため、訪問リハビリテーションサービスを受けられないという地域格差の問題が生じたため、下記の通り、2009年度改定にて、同規制の事実上の撤廃の運びとなりました。

 また、同時に、下記の通り、訪問看護ステーションの管理者要件の緩和 (管理者に、条件付きで、PT・OT・STを認める) が行われました。

●介護保険最新情報 Vol. 69 (平成21年3月23日) 「平成21年4月介護報酬改定関係Q&A (Vol.1) について」

【訪問看護】 (リハビリテーション関連)

(問37)訪問看護事業所の管理者として保健師及び看護師以外の者をあてることができる場合とは、具体的にどのような場合か。

(答)地域の事情等により、主に理学療法士等により訪問看護が行われ、管理者としてふさわしい保健師、看護師が確保できない等のやむを得ない理由がある場合には、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた理学療法士等をあてることが考えられる。

(問38)理学療法士等の訪問については、訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされてもよいのか。

(答)リハビリテーションのニーズを有する利用者に対し、病院、老人保健施設等が地域に存在しないこと等により訪問リハビリテーションを適切に提供できず、その代替えとしての訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問が過半を占めることもあることから、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定もあると考える。

 したがって、上記の訪問看護ステーションの管理者要件の緩和に伴い、PT・OT・STが訪問看護ステーションの管理者に就任しマネジメントを行うことにより、近い将来 [2012年度 (平成24年度) 診療報酬・介護報酬同時改定時] の訪問リハビリステーションの創設に向けた予行演習および実績づくりの環境が整ったと考えられます。

(3)しかしながら、少し気がかりなのは、訪問リハビリステーションに関するこれまでの経過です。

 厚生労働省が、訪問リハビリステーションの創設に比較的消極的なのは、日本看護協会の影響もあるとは思いますが、「訪問看護7の50%規制後、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加したのだから、わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という言い分でした。

 しかし、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションにおける地域格差、かつ、訪問看護7に関する当時の予想 (「セラピスト訪問の50%規制」→「訪問看護7自体の完全廃止」) の方向性では、やはり訪問リハビリステーションは必要であるとの空気になりました。

 ところが、今回の改定により、訪問看護7の 「50%規制」 が事実上撤廃となり、訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーションが増加し、かつ、訪問看護ステーションの管理者にPT・OT・STが成れるとなると、ある意味では 「わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という議論になるのではないかと危惧しております。(当ブログ管理人の考え過ぎ・考え違いとは思いますが・・・)。

 ともあれ、現実的に、急性期~回復期~維持期のシームレスな地域リハビリテーション連携システムの構築と充実のためには、在宅生活支援リハビリテーションの要として、訪問リハビリステーションの必要性は非常に高く、その制度化に向けて、関係学会・協会の強力な連携・提言および実績づくり・エビデンス構築が望まれます。

(4)一方、現在の介護保険制度の構造的な問題として、介護サービス利用者の 「原則1割自己負担」・「支給限度額」 の問題が、各介護サービス (特に、看護およびリハビリテーションの医療系サービス) の利用に対して、悪影響を及ぼしています。

 ケースバイケースですが、訪問リハビリテーションの利用が真に必要なのに、上記問題にてやむなく、ケアプランに組み込めない方も少なくないのではないかと推察されます。(1割の自己負担分を払える方、あるいは支給限度額を超えた分の全額自己負担分を払える方は、いいのですが・・・)。

 したがって、「原則1割自己負担」・「支給限度額」 という根本的な問題の抜本的な解決が肝要と考えられます。
 少なくとも、看護およびリハビリテーションの医療系サービスについては、「支給限度額から外す」・「自己負担分は (あるいは、全額)、医療保険から支給する」 等の対策が必要と思われます (施行は困難とは思いますが・・・)。

 診療報酬・介護報酬における 「患者またはサービス利用者の自己負担の問題 (負のスパイラル問題)」 に関しては、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (訪問リハビリテーション改定における陥穽)」) にて詳述していますので、ご参照下さい。




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「TIA (一過性脳虚血発作) 後の脳卒中」 (半数は24時間以内に発症)

 Japan Medicine (2009/6/10) に、TIA (一過性脳虚血発作) に関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

●TIA後の脳卒中 半数は24時間以内に発症 (ニューヨーク5日・ロイター)

 一過性脳虚血発作 (TIA) 後7日以内に認められる脳卒中の約半数は、最初の24時間以内に起きる-こんな新しい研究結果が示されている。
 この研究結果は、TIA後24時間以内の患者監視を推奨しているガイドラインの正当性を裏付けている。
 研究結果は 「Neurology」 (6月2日号) に、Peter M. Rothwell 氏 (英、Oxford University) らから報告されている。

 今回の結果は、地域住民を対象にした研究 「Oxford Vascular Study」 (英オックスフォード州の脳卒中患者、TIA患者が対象) のデータを解析して得られた。

 初回のTIAまたは脳卒中を発症した1,247人のうち、35人が24時間以内に同じ動脈部位で脳卒中を再発した。
 これら患者のうち25人は、脳卒中再発までに、最初のイベントから回復していた。
 16人は、脳卒中再発までに緊急の医療が必要だったが、抗血小板療法を受けた患者はいなかった。

 初回のTIAを発症した488人のうち、25人がTIA後24時間以内に脳卒中を発症した。
 これら25人は、初回TIA後7日以内に脳卒中を発症した48人の52%を占め、30日以内に発症した59人の42%を占めた。

 初回TIAを発症した患者で、TIA6時間後の脳卒中リスクは1.2%だった。
 12時間後は2.1%、24時間後は5.1%だった。

 また、評価手段として一般的に使われるABCD2スコアは早期の脳卒中再発を予測するのに有用だった。

(参考) ABCD2スコア [Lancet 2007 Jan 27; 369 (9558):283~292]

 A:Age (60歳以上=1点)
 B:BP (TIA後最初に測定された血圧:収縮期血圧140mmHg以上
   または拡張期血圧90mmHg以上=1点)
 C:Clinical features (臨床症状:片麻痺=2点、構音障害のみ=1点、
   その他=0点)
 D:Duration (TIA症状の持続時間:60分以上 =2点、10~59分=
   1点、10分未満=0点)
 D:DM (糖尿病あり=1点)

 7点満点で、
 ◎6~7点:2日間で脳梗塞になる高リスク (8.1%)
 ◎4~5点:2日間で脳梗塞になる中等度リスク (4.1%)
 ◎0~3点:2日間で脳梗塞になる低リスク (1.0%)

 「これは、軽度脳卒中発症後24時間以内に起きる脳卒中再発のリスクを検討した最初の、厳密な地域住民対象研究である。非常に軽度の脳卒中初発後であっても、その直後に重度脳卒中を発症するリスクは非常に高い。このことが今回研究で示されている」 と、発表資料のなかで Rothwell 氏は述べている。

(1)以前の当ブログ記事 [脳卒中急性期医療をめぐる課題と展望 (TIA:一過性脳虚血発作)] にて、下記の 『TIAに関する重要ポイント』 ならびに 『TIA 「べからず集」』 を述べています。
 
●TIAに関する重要ポイント

 (a) TIAの早期診断・治療が脳卒中を防ぐ。

 (b) TIAは、メディカル・エマージェンシーである。

 (c) ハイリスクのTIA患者を早期に診断・治療すれば、脳卒中そのものを起
  こさなくても済むわけであるから結果的に医療経済効果は遙かに高くなる。
   (海外のデータ:TIAを早期に治療すれば脳卒中のリスクは半減する)。

 (d) TIAは、脳にとっての不安定狭心症である (不安定狭心症を放っておい
  たら心筋梗塞になるのと同様に、TIAを放っておいたら脳卒中になる)。

 (e) TIAは、脳卒中予防五段階の崖っぷちである。

 (f) TIAを正確に診断すること。

 (g) TIAは、脳卒中の予行演習である。

 (h) TIAは、48時間以内 (あるいは24時間以内) に評価を終わらせ、治療を
  始めなければならない。

 (i) TIAは、脳卒中の重いものの予備軍である。

 (j) completed stroke よりも、TIAの方が、発症後3か月以内の脳卒中のリ
  スクは高い。

 (k) TIAを疑わせる患者さんには、なるべくその時に、ABCDスコア (下
  記の註を参照) や、脳卒中専門病院であれば頸部エコー、MRI/MRA
  等を行い、その場で 「がけっぷち」 のTIAか否かの診断ができるシステ
  ムをつくること。

(註)ABCDスコア
 (1) TIAが如何に脳梗塞になるかのリスクを調べるためのスコア。
 (2) Oxfordshire Community Stroke Projectが提案した簡易スコア。
 (3) スコア表
   A:Age (年齢) 60歳未満:0点、60歳以上:1点
   B:Blood pressure (血圧) SBP 140、DBP 90以下:0点
                SBP 140、DBP 90以上:1点
   C:Character (臨床的特徴) 片側性脱力:2点
                 脱力ない構音障害:1点
                 その他の症状:0点
   D:Duration (持続時間) 10分未満:0点、10~59分:1点、
               60分以上:2点
 (4) 5点以上は、相当、脳卒中リスクが高いので要注意。

●TIA 「べからず集」

 (a) TIA患者さんに、「良くなって、よかったですね」 と言って安易に帰すべ
  からず。

 (b) TIAでないものを、安易にTIAと言うべからず。(例:失神や意識消失
  発作に対してTIAと診断する医師は多い。実際は重篤な不整脈が隠れてい
  たりするなど、心臓疾患の可能性も含めて考えなければならない)。

 (c) TIAを見落とすべからず。(救急の現場ではいわゆる局所神経症状が出て
  いる 「がけっぷちのTIA」 を絶対見落とさない。「手のしびれ」 もTIAの
  可能性あり)。

 (d) TIAを、「脳卒中の軽いもの」 と安易に言うべからず。

 (e) 「アテローム血栓症や心原性脳塞栓症は重い病気で、それより軽いラクナ梗
  塞、さらに軽いTIAがある」 と安易に思うべからず。

(2)上述の通り、TIAは、メディカル・エマージェンシーであり、早期診断・早期治療が脳卒中を防ぎます。

 しかしながら、日本では、その認識が未だ充分には浸透していないため、患者さん・家族・ハイリスクの方・地域住民のみならず、研修医・開業医・他科医等への充分な啓発・啓蒙が必要と考えられます。




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厚生労働省の分割論 (2週間で白紙撤回:ブレブレの麻生首相)

 毎日新聞のホームページ (2009/6/5) に政治部記者の興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

記者の目:また発言二転三転 麻生さん=吉田啓志
 
 麻生太郎首相は、自ら言った厚生労働省の分割論を、事実上2週間で撤回した。
 政策をめぐって首相が発言を二転三転させるのは今に始まったことではない。
 それでも一度示した分割案を、形勢が悪くなるや 「こだわらない」 と否定したのには驚いた。
 結局こうしたぶれは、首相の志向に基軸がないから起こるのだろう。
 日本丸の船長がかじを切る方向を迷っていたら、国民を漂流させてしまう。
 麻生氏には 「首相としてこうしたい」 という理念が感じられない。
 もし 「首相でいること」 が目的なら、早晩国民から見放されるだろう。

 厚労省の分割騒ぎは、5月15日の政府の安心社会実現会議が発端だ。
 委員の渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が分割私案を説明し、賛同した麻生首相が 「医療、介護、年金、福祉が社会保障省。雇用、児童、少子化などは国民生活省」 との対案を披露したことに始まる。
 首相は同19日の経済財政諮問会議で、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相に具体案作りを指示し、一気に政官界に緊張が走った。

 ただ、あまりの拙速ぶりに、政府・与党内に支持は広がらなかった。
 人員増を伴わない分割に当の舛添要一厚労相が異を唱え、文部科学省の幼稚園所管部門と、厚労省の保育所を受け持つ部門を国民生活省に統合する構想には、族議員が一斉に反発した。

 5月28日の衆院本会議後、文教族のドン、森喜朗元首相は河村建夫官房長官の肩を捕まえ、「(幼保) 一元化という言葉で始末をつけようとすると、(文教・厚労族) 両方おさまらなくなる」 と脅し文句をささやいた。
 伝え聞いた首相は揺らぎ、同日夕には自らの分割案について 「全然こだわりませんよ。自由な論議をした途端、既成事実のような話をするのはやめた方がいい」 と記者団に述べた。

 首相の発言を振り返ると、安心社会実現会議では 「国民生活に力を入れる省を作ってはどうか。単に厚労省を2分割するのではなく、内閣府を含め国民の安心を所管する省を検討してもよい」 と述べている。
 他の会議や会見での語り口からも、確かに厚労省だけを狙い撃ちする意図はなかったように思われる。

 それでも、省の名まで挙げて一度口にした 「社会保障省と国民生活省」 という案に対し、「こだわっていない」 と言ったのはどういうことか。
 これでは厚労省分割を含めた自らの省庁再編方針について、「旗色が悪くなったから否定した」 と受け止められても仕方ない。
 「こだわらないなら最初から口にすべきでない」 (民主党・森ゆうこ参院議員) のである。

 首相のぶれは、就任直後から続いている。
 民主党の鳩山由紀夫代表からは 「ぶれ続けている点でぶれていない」 とまで言われる始末だ。
 事実言いえて妙で、当初首相が 「低所得者対策」 と言っていた定額給付金は、後に 「景気対策」 へと変わった。
 11年度に消費税を上げる決意を示したかと思いきや、土壇場で先送り。
 小泉純一郎内閣の閣僚として受け入れたはずの郵政民営化については、「賛成じゃなかった」 と口走り、与野党から総すかんを食った。

 一連の言動に共通しているのは、いったん決断したように語ったことでも、与党内で反発を受けた途端、あっさりと撤回してしまったことだ。
 ぶれるのはともかく、「では、一体何がしたいのか」 という点がさっぱり伝わってこず、すべてが 「政権維持のため」 としか映らない。

 厚労省分割騒動もそうだ。
 政府は年金制度を安定化させる最善策に 「少子化克服」 を掲げ、年金と人口政策を同じ省で手がけることの重要性を強調してきた。
 どう制度を変えようが、支え手を無視して年金を安定させることはできないからだ。
 ところが麻生案では年金と少子化は別の省が担当する。
 是非はともかく、これまでの方針との整合性が感じられず、変える理由の説明もないままだった。

 年金と雇用政策は不可分というのも政府の主張なのに、これも麻生案では担当省が分かれていた。
 65歳定年が普及しない中で、退職から65歳の年金受給開始までの空白期をどう埋めていくのかが重要課題に浮上している。
 別の省になるメリットの方が大きいのか。
 検証も一切行われていないのに、そう関心のなかった話に飛びつくから、「選挙目当て」 とか 「増税の地ならし」 と批判されるのだ。

 「何かしたくて首相になるんじゃない。首相になることが目的の人だ」。
 自民党幹部はかつて麻生氏をこう語った。
 しかし麻生氏も、政権維持のためなら何でもしてきた自民党という土壌が生み出した政治家の一人に過ぎない。
 党内にはまたぞろ 「選挙の顔」 を替えようとする動きもあるが、そろそろ自民党自体が賞味期限切れを迎えていることを自覚すべきではないか。

(1)高度成長時代の 「富の分配」 の時代から、低成長時代の 「負担の分配」 の時代に変わり、賞味期限が切れ、政権担当能力にも大きな疑問が持たれている自民党。

 戦後、一貫して、「財界・大企業・金融機関・官僚・お金持ち・アメリカ・外資」 等の既得権益グループの言うがままに政策を行ってきた自民党にとって、高度成長時代の 「富の分配」 の時代には、既得権益グループ以外の一般国民にも富が分配され、1億総中流階級社会が維持され、自民党も栄華を極めてきました。

 しかしながら、低成長時代の 「負担の分配」 の時代に変わり、既得権益グループだけが負担を免れ、且つ富が益々流れ、それ以外の一般国民には負担だけが押しつけられるようになると、自民党の没落が始まり、今や末期症状を呈しています。

(2)一方、民主党はどうかといえば、多くの国民が、その寄り合い所帯の実態を鑑みるに、民主党の政権担当能力に少なからぬ不安を抱いていると思われます。

 その不安が、各マスメディアの世論調査において、次期政権として自民党・民主党の大連立を願う国民が少なくないという結果に表れていると思われます。

(3)目前に迫った次期総選挙の結果、現在の 「自公政権」 が維持されるのか、政権交代後の 「民主党を中心とした連立政権」 なのか、はたまた、「大連立政権」 (あるいは 「中連立政権」) なのか・・・。

 少子超高齢時代を迎え、どういう政権になろうとも、崩壊した (破壊された) 「医療・介護・福祉・年金・雇用」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生だけは成就して頂きたいと切に願っております。




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介護職の口腔内吸引・経管栄養でモデル事業 (厚労省・特養検討会)

 前回の当ブログ記事 [特養における 「医行為のモデル事業」 を了承 (厚労省検討会)] の続編です。

 Japan Medicine (2009/6/15) に、「特養における医行為のモデル事業」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

●介護職の口腔内吸引・経管栄養でモデル事業 (厚労省・特養検討会)

 厚生労働省は、介護職員が口腔内吸引と経管栄養を実施するモデル事業を行う方針を決め、10日の 「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」 (座長=樋口範雄・東京大大学院法学政治学研究科教授) に提示した。
 介護職員による医行為の 「解禁」 を視野に、ガイドラインづくりと施設内研修の在り方を検討する。
 厚労省はモデル事業を年内に行い、来年度には特養全体での実施を目指す考えだ。

 厚労省が示した 「たたき台」 によると、モデル事業は、
  ①看護職員と介護職員が連携してケアを行う場合の研修内容とケア実施ガ
   イドラインの検討
  ②施設内研修のための指導者養成研修の実施
  ③施設内研修・連携ケアのモデル実施
  ④モデル実施に関する調査・検証
などが柱。
 事前に有識者による検討委員会を設置し、モデル事業での業務指針を策定し、対象施設への研修を実施するとしている。

 介護職員が実施できる範囲は、口腔内吸引は、
  ①必要な物品準備など実施準備
  ②対象者への吸引の説明と環境整備、口腔内観察、吸引の実施
  ③対象者の状態観察、ケア責任者 (看護職員) への報告
  ④吸引びんの排液を捨てるなど片づけ
  ⑤評価記録。
 一方、経管栄養 (経鼻経管栄養と胃ろうによる栄養管理) では、実施ケアのうち 「流動物の確認やチューブの接続と注入、注入直後の状態観察など」 は実施できないが、
  ①注入中の状態を定期的に観察。
  ②注入終了後、30~50mLの白湯などを注入し頭部を挙上した状態を保つ。
ことはできるとした。
 これらはいずれも 「医行為」 の範囲で、現行法では介護職員は実施できない。
 モデル事業では、看護職員がいない場合でも、情報共有や連絡相談体制がとれていれば、介護職員が単独で行えるようにする方針だ。

 厚労省老健局計画課の菱田一課長は 「介護職員の痰の吸引などを認める場合、どのような法的構成が考えられるか、法的論点について検討してもらいたい」 と話した。

 同日は日本介護福祉士会が行った 「特養での介護福祉士らの吸引、経管栄養の実施状況」 に関する調査結果の報告もあった。
 調査は5月30日~6月8日に実施し、1,102人から回答を得た。
 口腔内吸引は 「午後5時半~午前8時半まで」 では7割以上が 「介護職も対応している」 と回答。
 鼻腔内吸引は 「午前6時~午前8時半」 では43.0%が介護職も対応していた。
 胃ろうも各時間帯で介護職も対応しており、「午前6時~午前8時半」 の58.1%が最も多かった。
 吸引を実際に行っている人の中で 「不安を感じる」 とした割合は83.8%に上った。

(1)今回の特養での喀痰吸引のモデル事業は、相対的にリスクの高い 「経鼻的喀痰吸引・咽頭より奥の喀痰吸引・気管切開部からの喀痰吸引」 を除いた、「口腔内吸引」 に限定されました。

 しかしながら、上記記事の通り、特養での介護福祉士は、「吸引」 に 「不安を感じている」 割合が8割を超えています。
 但し、この調査結果 (特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関するアンケート調査・結果概要報告書) における 「吸引」 は、「喀痰吸引」 と明記されておらず、「経鼻的喀痰吸引・咽頭より奥の喀痰吸引・気管切開部からの喀痰吸引」 と 「口腔内吸引」 との区別もされていないようですので、今回のモデル事業で行われる 「口腔内吸引」 に対する不安度は不明確と思われます。

 また、不安を感じる理由について、医療行為であり、違法であるにもかかわらず、業務上行わざるを得ないという 「制度上の不安」 と、喀痰吸引そのものに対する 「技術的な不安」 が多いことが、以前より指摘されています。

(2)一方、介護職員に対して、一部の医療行為をエンパワーメント (「権限」 と 「責任」 の委譲) する側の看護職員の意識として、キャリアブレインのCBニュース (2009/6/15) に下記の記事が掲載されています。

看護職の9割が介護職の喀痰吸引に賛成―全老施協調査

 口腔内の喀痰吸引を介護職員の職務範囲に含めることに、看護職員の9割が賛成していることが、全国老人福祉施設協議会 (中田清会長) などが公表した調査報告書で分かった。

 調査は 「特別養護老人ホーム入所者への医療対応と職務連携のあり方に関する調査研究事業」 の一環。
 昨年10月に全国の特別養護老人ホーム500施設を対象に実施し、介護職員1,184人、看護職員761人から回答を得た。

 それによると、現在違法行為とされている介護職員による口腔内の喀痰吸引を、介護職員の職務範囲とすることに賛成の看護職員の割合は90.7%で、反対は 5.1%だった。
 介護職員自身の賛成は77.6%、反対は19.6%で、介護職員よりも看護職員の方が前向きに考えていることが明らかになった。
 賛成の理由については、看護職員では 「リスクが少ないから」 が37.5%、介護職員では 「対象入所者が多いから」 が34.4%でそれぞれ最多となった。
 同会の福間勉事務局長は、「看護職の業務にしなくていい、切り離していい、という現場の感覚に基づくのではないか」 としている。

 一方、咽頭より奥の喀痰吸引については、看護職員の賛成が37.5%、反対が55.6%、介護職員の賛成が38.1%、反対が58.3%と、共に反対が賛成を上回り、口腔内の喀痰吸引に比べ、介護職員の職務範囲にすることには慎重な姿勢が見られた。

 介護職員が胃ろうの管理をすることについては、看護職員の賛成は67.0%で、反対は27.6%。
 一方、介護職員の賛成は43.2%、反対は52.3%だった。
 賛成する理由として、「リスクが少ない」 と考えている看護職員は24.7%、介護職員は16.0%だった。

 経鼻経管栄養の管理については、看護職員の賛成が40.7%、反対が52.4%で、介護職員の賛成が34.9%、反対が59.9%となり、いずれも反対が過半数を占めた。

 上記記事の通り、特養の看護職員の意識として、介護職員による 「口腔内の喀痰吸引」 は肯定的ですが、「咽頭より奥の喀痰吸引」 は否定的のようです。

(3)前回の当ブログ記事でも述べましたが、「特養における医行為のモデル事業」 が順調に進み、喀痰吸引をはじめとした各種の医行為・医療行為のエンパワーメント (「権限」 と 「責任」 の委譲) ならびにスキルミクス (真の多専門職種協働) が進展することが望まれます。

 また、リハビリテーションの分野においても、セラピスト [特に、呼吸理学療法を行っている理学療法士 (PT) あるいは嚥下訓練 (特に直接訓練) を行っている言語聴覚士 (ST)] による喀痰吸引の解禁が望まれます。

 但し、医療行為のエンパワーメントの際には、介護職員およびコメディカルへの充分な教育・研修および様々な環境調整等、慎重なアプローチが必要と考えられます。




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特養における 「医行為のモデル事業」 を了承 (厚労省検討会)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/11) に、「特養における医行為のモデル事業」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

特養 「医行為」 でモデル事業を了承―厚労省検討会
 
 厚生労働省は6月10日、「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」 (座長=樋口範雄・東大大学院法学政治学研究科教授) の第2回会合を開き、特養の介護職員による口腔内の吸引や経管栄養の実施について 「モデル事業」 を行うことが最終的に了承された。
 しかし、現行法では介護職員によるこうした医行為は禁止されており、モデル事業で喀痰吸引や経管栄養を行う介護職員は 「違法行為」 を行うことになる可能性があるため、一部の委員が 「違法なのにモデル事業をやるのは問題」 と反発し、議論は紛糾した。

参考資料 「第1回検討会における委員の方の主な御意見」
 
【医療的ケアに関する御意見】

◎喀痰吸引は簡単だと思われているが、高齢者の吸引は窒息する危険が常に伴っているし、簡単なものではない。

◎吸引は器具を気道の中まで入れて行うもので、危険度の高い行為という認識である。
 どういう状態像の方に、どのような器具を使って吸引を行っているか知る必要がある。

【施設の在り方に関する御意見】

◎頻繁に吸引が必要な人が特養に入っていていいのか。
 看護職員の配置が手厚い施設に入るべきではないのか。

◎療養病床を廃止するのではなく、医療提供体制がしっかりしている施設を増やして、(吸引が必要な人は) そういうところに入ってもらうべきである。

◎看護職員を基準より多めに配置している。
 また勤務時間をずらしたりして可能な限り対応している。
 今の実態 (体制) でできることを検討していただきたい。

◎加配しても24時間365日を看護職員で埋めるのは難しい。
 その中で、生活を楽にするための行為としてやむを得ず行っている。
 是非役割の整理をして欲しい。

【看護職員と介護職員の連携に関する御意見】

◎介護職員は緊急時は (医療的ケアについて) 対応できるが、でも恐いのでどうしたらいいのかわからないし、こういうことを要求されても困るのではないか。

◎研修が重要。
 夜勤に研修を受けた介護職員を配置する必要があるだろう。
 きちんとした研修をして、利用者も安心感を覚えるようにしないといけない。

◎看護職員と介護職員の連携を進めることで、介護職員の重要性が高まると同時に看護職員の重要性がさらに高まることになる。

【医行為の範囲に関する御意見】

◎吸引には幅があるかもしれないが、法解釈上はすべて医行為である。

◎医行為にはグラデーションがある。
 どこまで危険性があるのか、どんな要件のもとで (介護職員が) 行うのか、それとも医行為の解釈を変えて行うのか、検討すべき時代に来ているのではないか。

◎在宅のALS患者や養護学校の議論の際に、医行為の範囲を議論すべきという意見が出され、先送りされた形になっているが、一度きちんと議論する必要があるのではないか。

【今後の方向性についての御意見】

◎吸引について、訪問介護員による実施が在宅ならOKにも関わらず、施設の実態については違法状態になっていると思っている。
 それを放置するのは一番危ない。
 何らかの形でルール作りをしないといけない。

◎現実的な問題がある中で、どうしていくのかということを議論しないといけない。
 どういうトレーニングが介護職に必要なのか、ナースコントロールなどどのような条件が必要か等議論しないといけない。

 会合ではまず厚労省側が、特養の中で行われている医療的なケアの中でも、実施数や所要時間、危険性などを考慮して、「口腔内の吸引、それから胃ろうや経管栄養について優先的に検討してはどうか」 と述べた。
 その上で、「看護職員と介護職員の連携によるケアの実施に係る事務局たたき台」 と題した資料を提示。
 吸引 (口腔内) と経管栄養 (経鼻経管栄養および胃ろうによる栄養管理) を介護職員が行うことを、条件付きで認めることを提案した。
 さらに、「資料の内容について賛同が得られれば、それについて具体的にモデル事業を今後実施していってはどうかと考えている」 と述べた。
 モデル事業では、介護職員が医行為を行うに先立って受けるべき研修の内容や、実際のケアの方法について検討したいとした。
 また厚労省側は、「盲・聾・養護学校における教員によるたんの吸引等の実施に関する法的整理」 と題する資料を示し、過去の判例などを考慮すると、一定の条件の下であれば、無資格者が痰の吸引などを実施しても 「違法性が阻却されるものと整理している」 とした。

 これに対し、三上裕司委員 (日本医師会常任理事) が反論。
 有資格者以外が行う医行為では、ALS患者に対して家族が行う吸引や、家庭内で本人や家族が行う 「家庭透析」 などがあるが、これらは 「家庭内で行うから認められている」 のであり、「なりわいとして行うのとは分けて考えるべき」 と指摘した。
 また、口腔内の吸引や経管栄養の準備は 「介護職の方にやっていただかないと回らない実態がある。考え方としては、医行為の範囲を見直すという形で、これを医行為から外すのが一番分かりやすいのではないか」 と述べた。
 その上で、法律の解釈通知を出すことで、口腔内の清掃や爪切りが医行為から外されたことを挙げ、モデル事業に先立ち、口腔内清掃に口腔内吸引を含めるなどの通知を出すべきとの見解を示した。
 さらに、「一定の研修を受ければ医行為ができるようにするのは、賛成しかねる。医師や看護師の資格試験の価値の問題にもなる」 と指摘した。

 これに対し樋口座長は、この検討会が 「連携」 のための検討会であり、「この連携は利用者のためのものだ」 と指摘。
 「法的な垣根をつくることで連携ができなくなるのは問題」 と述べ、理解を求めた。
 木村光江委員 (首都大学東京法科大学院専攻長) も、「最近、特養に訪問したが、特養は 『生活の場』 だと感じた。ここに入れないことは生存権にかかわる」 と指摘。
 教育を受ける権利を保障するために、養護学校で教員が生徒に対し痰の吸引などを行うことが認められていることを挙げ、「目的の正当性が教育よりも劣るとは言えないのではないか」 と述べた。
 しかし三上委員は、医療や介護こそ最も生存権にかかわるものだと強調した上で、「医療や介護をする所で無資格者が医行為をやっていいとは思えない」 と反論した。

 検討会に出席していたほかの介護関係者らからも、現場でのニーズなどを指摘してモデル事業の実施を後押しする意見が相次いだが、溝は埋まらなかった。
 樋口座長はモデル事業について、「今ある状態を単に追認するのではなく、検証するもの」 と述べ、「まずこういうモデル事業をさせてほしい」 と述べた。
 しかし三上委員はあらためて、「違法なのに」 モデル事業を行い、「なし崩し的」 に無資格者が医行為を行えるようになることが非常に問題だと懸念。
 「安心してモデル事業をできるようにする状況をつくることがこの検討会の目的だと思う」 と述べ、医行為の範囲の変更を優先すべきだとの考えを強調した。
 また、介護職員は介護技術にたけたスタッフではあるが、医療的には 「無資格者と同じ」 と述べた。

 結局、議論では折り合いが付かず、樋口座長は三上委員に対し、医行為の範囲の問題は厚労省に課された 「宿題」 とし、「どういう形でどう行動するか決めてほしい」 と発言。
 その上で、今回のモデル事業については 「了解してくれないか」 と述べた。
 これに対し三上委員は、「医行為であろうがなかろうが、モデル事業という形で連携して協働するということは大切なことなので、やって構わないと思うが、やはり前提をはっきりしていただきたい」 と発言。
 その上で、検討会に出席していた宮島俊彦老健局長に対し、「できそうか、できなさそうなのか」 と尋ねた。
 宮島局長は、医行為の範囲については医政局が所管していると前置きした上で、「警察が実際に動く時は、いっぺん厚労省に照会が来る」 と述べ、モデル事業で医行為を行った介護職員が罪に問われることは現実的にはないとの見方を示した。
 また、医行為には危険度の高いものから低いものまで 「濃淡がある中で、あらかじめここは医行為から外しましょう、ここは医行為に残しましょうということを決めなくても、とりあえずこのモデル事業の中で、じゃあ実際にはどういうふうな形で現場が動くのかということを確認してから、またあらためてそこのところの整理をさせていただくということで、今の段階としては、ご了解いただけないか」 とした。
 最終的には、介護職員による吸引と経管栄養についてモデル事業を行うことが了承された。

 厚労省は今後、モデル事業実施の指針や介護職員の研修のための教材などについて有識者を交えて決める予定で、モデル事業について 「今年度中に実施したい」 としている。

 医政局の担当者はキャリアブレインの取材に対し、医行為の定義を変える予定は現段階ではないとしている。
 ただし、「モデル事業はいろいろ制限を設けて行うもの」 であり、有資格者以外が医行為を行っても違法性が阻却されることもあるため、モデル事業は 「違法行為ではない」 としている。
 ただ、モデル事業で事故が起こった場合、どのような対応をするかは 「まだ分からない」 という。
 また、モデル事業実施に際しての条件などはまだ決まっていない。

(1)上記の記事によると、紆余曲折の末、特養における 「医行為のモデル事業」 が了承されたようです。

 しかしながら、各専門職種 (特に、看護師・准看護師) の思惑・縄張り争い・排他性等が絡み、今後のモデル事業の行く末は安泰ではなさそうです。

(2)リハビリテーションの分野でも、以前より、セラピストによる喀痰吸引の解禁が待望されています。

 特に、呼吸理学療法を行っている理学療法士 (PT) あるいは嚥下訓練 (特に直接訓練) を行っている言語聴覚士 (ST) にとっては、関心が高いと思われます。

(3)「特養における医行為のモデル事業」 が順調に進み、喀痰吸引をはじめとした各種の医行為・医療行為のエンパワーメント (「権限」 と 「責任」 の委譲) ならびにスキルミクス (真の多専門職種協働) が進展することが望まれます。




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DPC新機能評価係数 「現場が理解しやすい指標で」 (厚労省企画官)

 Japan Medicine (2009/6/10) に、P4P研究会における厚生労働省保険局医療課・宇都宮啓企画官のDPC新機能評価係数に関する講演の記事が掲載されていますので、下記に示します。

●新機能評価係数、現場が理解しやすい指標で 
 (副傷病への対応は慎重に検討)


 厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は6日、東京都内で開かれたP4P研究会で講演し、DPCの新機能評価係数の検討状況について解説、「最初 (の改定) の新機能評価係数は、皆さんが理解しやすい指標から導入していくことになるのではないか」 との基本的認識を示した。
 さらに、フロアからの 「DPC対象病院になると副傷病の選択が増えるのではないか」 との疑義に対して宇都宮企画官は、「副傷病については、係数化することでアップコーディングにつながることがないようDPC評価分科会では、係数化の是非も含めてデータを踏まえた議論をしてもらいたいと考えている」 と語った。

●診療GLの扱いは2側面を考慮

 この副傷病の評価については、DPC評価分科会でコストがかかる疾病治療に対しては、副傷病を評価すべきとの要望が出されていたと説明。
 ただ、医療現場では、副傷病の記載漏れも多く、請求漏れになっている側面もある。

 さらに、診療ガイドラインを病院の評価指標とする考え方についての質問に対して宇都宮企画官は、「2つの側面がある。1つは、診療ガイドラインを扱っていることを係数に入れた場合、病院として診療ガイドラインを用いて患者に説明するなどの方向にインセンティブが働き、標準化への一定の効果が期待できるのではないか」 としたほか、「もう1つの側面としては、特定機能病院などの大規模病院だけでなく、中小規模病院でもガイドラインを利用して急性期医療をきちんと提供していれば評価されることができるのではないか」 と語った。

 また、同企画官は、診療ガイドラインの順守率という考えは否定されているとも語り、どんなガイドラインを評価対象にしていくかは、今後の検討課題とした。

 また、DPC評価分科会委員でもある山口直人・東京女子医科大教授も、診療ガイドラインの問題に言及した。

 同氏は、「必ずしもガイドラインに準拠した治療が最善とは限らないものの、同一患者に対する提供者間のバリエーションを許容範囲に押さえ、エビデンスで品質が保証された治療を提供するためにはガイドラインが重要。必要に応じてガイドラインを参照できるように院内で整備されていることはDPC病院としてふさわしい」 との考えを示した。

 一方、講演の中で宇都宮企画官は、DPCの新たな機能評価係数の検討の中で、各評価項目のシミュレーションから、特定機能病院ばかりが必ずしも高い係数になるということではないと説明した。

 07年度データでの各評価指標のシミュレーションでは、複雑性指数等では特定機能病院が高い数値になるが、救急車搬送の入院患者数および救急車搬送の入院患者割合等では、特定機能病院の係数が低かった。
 また、救急車搬送の入院患者数と入院患者割合を見ると、入院患者数の指標では病床規模が増えるに従い、評価係数が上昇するが、入院患者割合を指標にすると、病床規模が増えるのに伴い評価係数が減少するなど、項目の設定次第で評価指標の結果が逆転している。

 同企画官は、「あくまでイメージを示しただけだが、今後、08年度 (平成20年度) のデータも使いさらに詳しい分析を進めていきたい」 と述べた。

(1)以前の当ブログ記事 [DPCの新機能評価係数、議論進展せず (中医協DPC評価分科会)] でも述べたように、平成22年度診療報酬改定に向けて、DPCの 「調整係数の段階的廃止ならびに新機能評価係数の段階的導入」 に関する論議は、今のところ、遅々として進展していない印象です。

(2)しかしながら、6月8日のDPC評価分科会において、厚生労働省は、DPC新機能評価係数の候補として挙がっている項目の評価指標ごとのデータを、「病床規模/特定機能病院」 (「200床未満」・「200~400床未満」・「400床以上」・「特定機能病院」) や 「DPC算定病床の割合」 (「100%」・「80%以上100%未満」・「60%以上80%未満」・「60%未満」) のほか、病院のタイプ (「総合病院」・「専門病院」・「がん専門病院」) ごとに集計した結果を提示しています。

 その結果を考察すると、ロハス・メディカルの記事 『「400床以上の病院」 は合格圏内―中医協・DPC評価分科会09年度第4回』 においても指摘されていますが、次のようなことが浮かび上がってきます。
 
 ①DPC対象病院において、調整係数廃止・新機能評価係数の導入にあたり、
  「特定機能病院」・「400床以上の病院」・「専門病院」 は有利であることが予想
  されます。

 ②一方、上記①以外の病院 [400床未満の病院 (特に200床未満の病院) および
  ケアミックス病院] は、DPC対象病院 (特に、「高度な急性期入院医療を担
  う」 という意味でのDPC対象病院) としての生き残りが困難であることが
  予想されます。

 ③上記②の病院のDPC対象病院としての生き残り策としては、「救急医療」
  をはじめとした現在の 「DPC新機能評価係数」 候補の中から最終的に採用
  される指標とその重み付け指数の値、ならびにそのDPC新機能評価係数
  に即時に対応できる病院の体制およびビジョンと戦略にかかっていると考
  えられます。

(3)拙速な決定は避けなければなりませんが、DPC病院 (DPC対象病院・DPC準備病院) の立場からすると、可及的速やかに 「新機能評価係数」 を決定して頂き、平成22年4月1日に向けて、周到な準備をしたいところです。




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社会保障へのニーズに 「細心の注意」 (与謝野担当相)

 経済財政諮問会議 (2009/6/9) 後の与謝野担当相・記者会見の記事が、キャリアブレインのCBニュース (2009/6/9) に掲載されていますので、下記に示します。

社会保障へのニーズに 「細心の注意」-与謝野担当相

 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は6月9日の経済財政諮問会議後の記者会見で、社会保障費の自然増分2,200億円の抑制を続けていくとしながらも、「新たな社会保障に対するニーズが生まれているところには、細心の注意を払いながら予算編成をしていくべき」 との考えを示した。

 与謝野担当相はこの日の諮問会議で、財政健全化目標の在り方を議論し、有識者議員からの提案で大筋の合意ができたとした。
 また、「基本方針2009」 と中期プログラムの一部改正に向けた議論を行い、次回はそれぞれの懸案について示したいとしている。

 麻生太郎首相は、「基本方針2009」 が安心と活力を両立させる国づくりの基本設計図になるとし、各省庁や与党の要望を盛り込む傾向が強まっていたが、考え方を明確にし、シンプルなものにしたいと述べた。

 会見で与謝野担当相は、社会保障費の自然増分2,200億円の抑制について、来年度予算でも続ける考えを示した上で、実際に必要なものについては、しゃくし定規に考えないとし、「社会保障に対する新たなニーズが生まれているところについては、細心の注意を払いながら予算編成をしていくべき」 と述べた。

 諮問会議ではまた、新たな財政健全化目標について、国内総生産 (GDP) に対する国・地方の債務残高の比率を2020年代初めに引き下げるとしたほか、国・地方のプライマリー・バランスの黒字化を今後10年以内に達成するとした。

(1)素朴な疑問として、社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用) に関して、何ら 「不安・将来不安・危機感・危機意識・目的意識」 がないと思われる 「有識者 (財界人、お金持ち、御用学者)、政治家、官僚 (特に高級官僚)」 に、「社会保障に対するニーズ」 がわかるのでしょうか?

(2)「社会保障に対するニーズ」 がわからない・わかろうとしない・興味がない方々 (あるいは 「社会保障にかけるお金は無駄」 と思っていらっしゃる 「お偉い」 方々) によりこれまで立案・実施されてきた政策の結果が、現在の悲惨な状況 [社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用) 崩壊・破壊] を生み出してきたのでは・・・。

(3)社会保障 (医療・介護・福祉・年金・雇用) に関する諸政策は、「社会保障の理念および現状 (惨状)」・「社会保障へのニーズ」 を真に把握されている方々に、立案・実施を委ねたいと切に思っております。




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DPCの新機能評価係数、議論進展せず (中医協DPC評価分科会)

 中央社会保険医療協議会 (中医協) のDPC評価分科会 (2009/6/8) に関する記事が、キャリアブレイン (CBニュース:2009/6/8) 「DPCの新係数、議論進展せず―中医協分科会」 と Online Med ニュース (2009/6/8) 「DPC病院 病棟薬剤師数が多いほど平均在院日数が短い、特定機能病院の結果」 に掲載されていますので、下記に示します。

●DPCの新係数、議論進展せず―中医協分科会

 中央社会保険医療協議会 (中医協) のDPC評価分科会は6月8日、現在の調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数をめぐり議論し、厚生労働省側が 「救急・小児救急医療の実施状況」 など新係数の候補として挙がっている項目の評価指標ごとに、実際のデータの集計結果を提示した。
 集計結果は、例えば救急搬送された入院患者の数を評価指標に用いると、病床規模の大きい病院や総合病院などへの評価がより大きくなるのに対し、患者の割合を用いる場合には、病床規模による評価の差が小さくなることを示唆する内容となっている。
 意見交換では、新係数への移行に伴い激変緩和を求める意見が上がり、議論は進展しなかった。

 分科会が評価指標のデータを用いて議論するのは、5月15日に続いて今回が2回目。
 今後は、急性期医療や地域医療への取り組み、医療の質に対する評価などの考え方のほか、出来高との二重評価の取り扱いなどの観点から、項目や指標の候補を絞り込みたい考え。

 厚労省が提示したのは、「救急・小児救急医療の実施状況」 や 「正確なデータの提出」・「効率性指数」など、新係数の候補として挙がっている項目の評価指標ごとのデータ。
 例えば 「救急・小児救急医療の実施状況」 の評価指標としては、救急車で搬送された入院患者の数や、全DPC対象患者に対する割合を 「病床規模/特定機能病院」 (「200床未満」・「200-400床未満」・「400床以上」・「特定機能病院」) や 「DPC算定病床の割合」 (「100%」・「80%以上100%未満」・「60%以上80%未満」・「60%未満」) のほか、病院のタイプ (「総合病院」・「専門病院」・「がん専門病院」) ごとに集計した。

 それによると、救急搬送された入院患者数を評価指標に用いた場合には、病床規模とDPC算定病床の割合に比例し、病院のタイプ別では 「総合病院」、「専門病院」、「がん専門病院」 の順に多かった。
 これに対し、DPC対象患者に占める救急搬送の割合では、病床規模による違いはほとんどなく、DPC算定病床の割合が 「60%以上80%未満」 の病院が、「100%」 と 「80%以上100%未満」 を上回った。
 「60%未満」 は、「100%」・「80%以上100%未満」 と横並びだった。
 病院のタイプ別では、「総合病院」 と 「専門病院」 の差が短縮した。

 また、時間外患者の受け入れ数は、「200床未満」、「200~400床未満」、「400床以上」 の順に数値が大きくなり、「特定機能病院」 は 「200~400床未満」 並みだった。
 これに対して時間外患者の割合を用いると、「200床未満」・「200~400床未満」・「400床以上」 が横並びで、「特定機能病院」 が最低だった。

 意見交換で木下勝之委員 (成城木下病院理事長) は、「調整係数は高いが、新機能評価係数にしてみたら大幅に下がることもあり得る」 とし、「皆が救われる評価」 を求めた。
 これに対し厚労省保険局医療課の宇都宮啓企画官は、新係数ではそれぞれの機能に応じて病院を評価する考えを強調。
 激変緩和には調整係数の段階廃止で手当てする方針を示した。

●DPC病院 病棟薬剤師数が多いほど平均在院日数が短い 特定機能病院の結果

 中医協・診療報酬基本問題小委員会の下部組織である診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 (分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長) は6月11日、調整係数廃止後の新たな機能評価係数について、効率性指数、複雑性指数、診断群分類カバー率などの議論を進めた。
 また、薬剤師の病棟業務の評価に関連してDPC病院を対象とした薬剤師病棟業務の実態調査の結果が報告され、病棟薬剤師数が多いほど平均在院日数が短い傾向があるとの結果が示された。

 調査は日本病院薬剤師会が行ったもので、薬剤師の主な病棟業務には、
(1)医療スタッフへの医薬品情報提供 (医師、看護師、他の医療スタッフへの情報提供。患者の状況に応じた医薬品の選定、投与方法などの提案、医薬品服用歴の確認、などによる医師の処方設計への支援)
(2)病棟カンファレンスや回診同行による患者情報の提供 (回診同行により主治医の治療方針や医師、看護師からの患者情報を得る。服薬指導や薬学的管理による患者情報を他の医療スタッフに提供)
(3)病棟の医薬品管理 (毒薬、劇薬、麻薬などの管理。病棟の医薬品在庫と有効期限の確認、救急カート配備薬の選定、塩化カリウムやリドカインなど用注医薬の注意喚起)
(4)服薬指導
(5)副作用モニタリング
(6)薬物血中濃度測定 (抗菌薬や免疫抑制剤など)
(7)チーム医療 (緩和ケア、感染対策、栄養サポートチーム、褥瘡)
の7項目があるとした。

 このうち、(4)服薬指導と(5)副作用モニタリングについては 「薬剤管理指導料」 で、また、(6)薬物血中濃度測定は 「特定薬剤治療管理料」 で、(7)チーム医療は緩和ケア診療加算などで、それぞれ点数評価されている。
 一方、(1)医療スタッフへの医薬品情報提供、(2)病棟カンファレンスや回診同行による患者情報の提供、(3)病棟の医薬品管理、については点数上の評価がないとしている。

 調査の結果は、
 ①DPC対象病院でのDPC対象患者100人当たり薬剤師数は全施設の中央値
  が5.31人。
 ②診療報酬上評価されている薬剤師数を除いた病棟薬剤師数のDPC対象患者
  100人当たり中央値は0.32人。
 ③「薬剤管理指導」 に従事する人員も含めた病棟薬剤師数はDPC対象患者100
  人当たり中央値で1.26人。
 ④平成15年度DPC対象病院 (特定機能病院) ではDPC対象患者100人当たり
  病棟薬剤師数が大きい施設の方が平均在院日数が短い傾向がみられる。
などとなった。

 平成22年度診療報酬改定に向けて、DPCの 「調整係数の段階的廃止ならびに新機能評価係数の段階的導入」 に関する論議は、今のところ、遅々として進展していない印象です。

 拙速は避けなければなりませんが、DPC病院 (DPC対象病院・DPC準備病院) の立場からすると、可及的速やかに 「新機能評価係数」 を決定して頂き、平成22年4月1日に向けて、周到な準備をしたいところです。

 中医協の診療報酬基本問題小委員会とDPC評価分科会での充分な論議かつ迅速な決定が望まれます。(しかしながら、現実は、大病院・中小病院、特定機能病院・高度急性期総合病院・一般急性期病院・専門病院・ケアミックス病院等の各医療機関の思惑の違いで相当難航しそうですが・・・)。




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レセプト (診療報酬明細書) の 「返戻」 と 「査定 (減額査定)」

(1)以前の当ブログ記事 (『「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」』) において、一部のリハビリテーションスタッフの 「監査」 という言葉の誤用 (「個別指導」 との混同) を指摘しました。

 一方、一部のリハビリテーションスタッフにおいて、「レセプトの返戻」 という言葉の誤用 [「レセプトの査定 (減額査定)」 との混同] がみられますので、今回、簡単に解説します。

●レセプト (診療報酬明細書) の 「返戻」 と 「査定 (減額査定)」

 医療機関は、毎月初めに前月の医療費を、まとめて審査支払機関 [「社会保険診療報酬支払基金 (通称、支払基金)」 や 「国民健康保険団体連合会 (通称、国保連)」] に請求します。
 この際、診療内容を記載した診療報酬明細書 (レセプト) を提出します。

 審査支払機関による審査の段階で、レセプトの内容に不備が見つかった場合は、医療機関に差し戻される事があります。
 これを 「返戻」 といいます。
 「返戻」 の理由としては、 保険証の記号・番号の不備、点数、診療内容と病名の不一致などです。
 レセプトが返戻された場合は内容を見直して、注記・修正した上で再提出しなければなりません。
 返戻されたレセプトは診療報酬の支払が最低1ヶ月は遅れてしまうため、返戻を減らす事が医療機関の経営にとって重要です。

 一方、「査定 (減額査定)」 は、請求額から減額されたり減点される事です。
 「査定 (減額査定)」 の理由として、「適応外、過剰、重複、不適当又は不必要」 というような理由が挙げられます。
 減点されてしまうと医療機関の収益にも影響を与える事になります。
 また医療機関として減点に納得がいかない場合は、 医師と相談の上で6ヶ月以内であれば再審査請求をする事が可能です。

(2)上記の通り、レセプトの 「返戻」 は、いわば 「執行猶予」、「査定 (減額査定)」 は、いわば 「罰金刑の執行」 であり、全くの別物です。

 したがって、コミュニケーションの場において、「レセプトの返戻」 という文言と、「レセプトの査定 (減額査定)」 という文言とは、厳密に使い分けする必要があります (さもなければ、会話が混乱し、話が通じなくなります)。

(3)リハビリテーション料のレセプト審査において、「理不尽な・非常識な・理解不能な」 減額査定が多く見られます。

 この要因として、
  ①他の診療報酬 (例:検査、投薬、注射、手術) と異なり、リハビリテーショ
   ン料は、「適応外、過剰、不適当又は不必要」 の審査基準が曖昧
  ② 「おまかせリハビリ」 が多く、医師の関与が少ないと認識されていること
   が多い。
  ③検査・投薬・注射・手術等は、材料費と人件費がかかっているが、リハ
   ビリテーション料は人件費のみである
と認識されていることが多い。
等が挙げられます。

 また、レセプト審査委員による格差 (リハビリテーションに対する理解不足も一因)、都道府県による格差、「社保」 と 「国保」 との格差も問題視されています。

 この件に関する詳細な考察・対策等は、非常に長いブログ記事となるため、また、別の機会に論じたいと思います。

(4)以上、リハビリテーション料のレセプト審査に関するコミュニケーションの場において、「返戻」 と 「査定 (減額査定)」 とは、「厳密に使い分ける・明確に表現する」 ことの重要性・必要性を述べました。

 また、医療機関あるいはリハビリテーションに対する 「指導・監査」 に関するコミュニケーションの場における 「個別指導」 と 「監査」 との文言の峻別も重要と考えられます。




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厚労省・地域包括ケア研究会報告書 (リハビリテーションサービス)

 Online Med ニュース (2009/5/24) にて、「厚労省・地域包括ケア研究会の報告書に関する記事」 が掲載されていますので、下記に示します。

●訪問診療を量的に確保するための計画を作成すべき、退院後のケアを切れ目な
 く (厚労省・地域包括ケア研究会)


 訪問診療を量的に確保するため実施状況を把握して計画を作成すべき。
 在宅医療推進のため有床診療所を在宅復帰支援の中核として活用することを検討すべき。
 在宅主治医と訪問看護師以外に多様な専門職種が参加して医療を提供すべき。
 脳卒中などによる入院患者の退院後に切れ目なく介護サービスが提供されるよう退院前カンファランスに介護職種が参加することが望ましい。

 厚生労働省の地域包括ケア研究会 (座長:田中滋・慶應大学大学院教授) が3年後の介護報酬改定に向けた 「論点整理」 としてまとめた報告書で提言している。

 報告書は、地域で医療・介護・福祉を一体的に提供する 「地域包括ケア」 の実現に向けた検討を進めるための論点を示したものとし、3年後の介護報酬改定に向け、それらの取組を進めるよう求めている。
 また、65歳以上人口が3,600万人 (全人口の30%) を超え、団塊の世代が75歳以上に達する2025年の状況を目標とした論点整理であり、社会保障国民会議により介護費用の爆発的増加が試算されている中で、効率的・効果的な制度設計を目指していかなければならないとの考え方も示している。

 地域包括ケアを支えるサービスのあり方の中で 「訪問診療等」 をあげ、第1に既存の訪問診療の実施状況を把握して、今後の量の確保のために計画を作成すべきとした。
 また、有床診療所を在宅医療の中核として活用すること、在宅医療に医師、看護師以外の専門職種を参加させることも位置付けている。

 さらに、2025年に向けた対策として、在宅医療の活用で生活を継続できる人の要件や基準として、医療ニーズの一次判定レベルについての標準的システムを開発、アセスメントを行うことで、入院の必要性を含めた医療ニーズの把握を地域レベルで行い共有すべきとの考えを示した。

 脳卒中患者の退院後のケアのあり方については、地域包括ケアに関するケアマネジメントの観点で問題意識を示した。
 脳卒中患者の場合、急激に健康状態が悪化して要介護状態になるため、医療 (病院) と介護 (ケアマネジャー) との連携が十分でない場合には、退院してから要介護認定やケアプランの作成が行われるため、ケアの実施までに空白が生じる例が少なくないと指摘、入院期間中にケアプランが作成されるよう退院時カンファレンスに介護職が参加することが望ましいとした。

 上記報告書の第2章 「地域包括ケアシステムを支えるサービス」・第2項 「ケアサービス」 に、リハビリテーションサービスに関して、下記のように述べられています。

●リハビリテーションサービス

1.リハビリテーションとともに、他の居宅サービスを併せて利用する必要がある場合、他の居宅サービスが優先され、結果的にリハビリテーションの利用が制限されているケースが多いのではないか。

2.要介護度とリハビリテーションの必要性が必ずしも一致しない場合であっても、リハビリテーションが適切に利用されるような仕組みについて検討すべきではないか。

3.リハビリ機能を重視した在宅療養支援診療所を新たに評価することについて、どう考えるべきか。

4.地域包括支援センターにリハビリテーションの専門職を配置することや、地域リハビリテーション広域支援センターと地域包括支援センターが強い連携がとれる体制にすること等についてどう考えるか。

5.医療保険・介護保険といった保険別の枠組みでリハビリを提供しているが、利用者の状況や状態に応じて、両者の連携を図っていくべきではないか。

 上記報告書は、2012年 (平成24年) 診療報酬・介護報酬同時改定の際に反映されると考えられます。

 しかしながら、「2009年度介護報酬改定 (改悪)・要介護認定制度改正 (改悪)」・「区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)」 という介護保険制度の構造的問題 (そのため、介護保険において、看護・リハビリテーションの医療系サービスの提供量が不充分という問題も生じている) 等により、今や、「介護崩壊 (介護破壊)」・「介護難民」・「介護殺人・介護心中・介護自殺」 等々、問題山積です。

 したがって、2012年 (平成24年) 診療報酬・介護報酬同時改定を待たずに、早急の 「介護の再建・再生」 のための対策が望まれます。




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麻生政権で骨抜きの公務員改革 (政治評論家・屋山太郎氏)

 産経ニュース・ホームページ (2009/6/5) に、公務員改革に関する興味深い記事が掲載されていますので、下記に示します。

【正論】 政治評論家・屋山太郎 現政権で骨抜きの公務員改革

【就任8カ月見るものなし】

 この8カ月の麻生太郎首相の政治を見ていると、首相の資質、見識を疑うようなことばかりだ。
 小沢一郎氏の 『西松事件』 をきっかけに、政党支持率は逆転して自民党が民主党を上回ることになった。
 麻生首相はひと息ついた趣だったが、この間 「次の衆院比例代表はどちらに投票するか」 の設問では、常に民主が自民を10ポイントも上回っていた。
 このことは国民の政治改革願望がずっと続いていたことを物語る。
 しかし小沢氏の金権体質は許せないとの感情が勝って自民党支持を押し上げた。
 小沢氏が辞任し、鳩山由紀夫氏が新代表に選出されたとたん、政党支持率は逆転した。

 小沢氏は代表代行として依然として選挙を仕切る役割を担っているのに、国民の支持は民主党に戻ってきた。
 国民は小沢氏の不始末は司直の問題であって政治の本質ではないと見抜いているのだ。
 麻生氏も含めて自民党は 「カネと政治」 の問題を衝 (つ) くだけで態勢挽回 (ばんかい) が図れるとでも思っているのか。
 実に情けない政党だ。

 麻生内閣が8カ月やるならその間に歴史に残る大改革をやる時間はあった。
 安倍内閣に始まる公務員制度改革だ。
 この改革を出発点に渡辺喜美前行革担当相がまとめた公務員制度改革基本法は昨年の国会で自民、民主両党の合意の下で成立した。
 麻生内閣はそれを仕上げる使命があったのだ。

【二転三転した人事局長職】

 国民の公務員に対する不満は極めて強い。
 最大の行政犯罪といわれる年金記録問題。
 3,000人に及ぶC型肝炎患者の発生。
 農水省の事故米処理のインチキ。
 どれをとっても日本の官僚内閣制の耐用年数が尽きたと思わせるものばかりだ。
 現行制度の結果、天下り法人は4,600、天下り官僚は2万8,000人も存在する。

 最近も公用車運転業務を談合で天下り法人に入札させていたとして、公正取引委員会が国土交通省に改善要求を出し、法人10社に30億円の課徴金を科した。
 この種の事件はここ二、三十年枚挙にいとまがない。
 官僚の肩叩 (たた) きシステムを廃止しない限り、未来永劫 (えいごう) 続くのだ。

 このため 「基本法」 は、
  ①キャリア制度をやめ、肩叩きもやめて定年まで勤められるようにする。
   そのためには年功序列の賃金制度を改める。
  ②各省の幹部人事を内閣人事局に一元化して、省益至上主義を排除する。
と決めた。

 明治26年に高等文官試験が導入されて以来、116年ぶりの大改革だ。
 官僚は大反発したが、法案は衆院480人中450人の賛成で成立したのである。
 国会は国権の最高機関 (憲法41条) であり、これに行政府の官僚が反対することは許されない。

 ところが、賃金体系の権限を内閣人事局に移すことについて谷公士人事院総裁は反対し、首相が招集した会議をボイコットした。
 さらに基本法では 「内閣人事局長は官房副長官級のポストを新設する」 とあるのに漆間巌官房副長官は麻生首相に 「ポストの新設は行革に反する」 と進言し、自らが兼務する方針を打ち出させた。
 官房副長官は各省の政策を調整する大きな権限を持つ。
 この上に各省の幹部人事を左右する権限を持たせれば、確実に総理大臣を上回る権限を持つことになる。

 甘利明行革担当相はさすがにまずいと思ったのだろう。
 「新設の国家戦略スタッフ (約30人) の一人に内閣人事局長を兼務させる」 との妥協案を示した。
 ところが今度は宮崎礼壹法制局長官が 「スタッフがラインの局長職を兼務することはできない」 と妥協案をつぶし、漆間官房副長官の兼務に持って行ったのである。
 スタッフとラインの兼務などは防衛省では堂々と行われている。
 こうして安倍、福田2代にわたって仕上げてきた基本法は完全に骨抜きにされた。

【「無責任体制」 も糺されず】

 麻生首相はこの官僚制度の改革を 「官僚バッシング」 と断定しているが、勤務評定や昇給、降格なしに、どうすれば組織が活性化し、無責任体制が糺 (ただ) されるのか。

 一方で首相は厚生労働省を二分割する案に一旦は乗った。
 官僚は次官ポストが一つふえて喜ぶ。
 とすればなぜ内閣人事局長ポストの新設にあれほど反対したのか。
 2代にわたって進めてきたのは官僚制度 (システム) の改革であって、首相が議論しようとしたのは器の話に過ぎない。
 首相は議論のすり替えをやろうとしたのだ。

 政府は2009年度予算に15.4兆円の補正をつけてきた。
 このうち各省や独立行政法人の 「施設整備費」 を見ると、当初予算6,500億円に対して、何と2兆9,000億円も積み増している。
 この施設整備費というのは官僚の大好きなハコモノだ。
 職業能力開発協会に7,000億円の基金を設けたが、この協会は傘下団体とともに会計検査院から 「コンパニオン代など3,500万円の不正支出があった」 と指摘された団体だ。

 鳩山民主党代表は、①脱官僚、②地域主権、を打ち出している。
 統治機構を変えるべき時期に、麻生首相の感度は恐ろしく鈍い。

(1)少子超高齢時代を迎え、また、崩壊した (破壊された) 「医療・介護・福祉・年金・雇用」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生のために、「一般国民の多くが、近い将来の消費税増税を覚悟している」 と推察されます。

(2)しかしながら、政治家 (特に国会議員) および官僚・公務員に対する政治改革 (国会議員定数削減等)・行政改革 (真の公務員制度改革) が不充分であれば、国民は納得しないと考えられます。

(3)来る総選挙においては、「国民による政権選択」 の判断材料として、上記問題に関するマニフェストを、自民党・民主党ともに明示して、正々堂々と闘って頂きたいと思います。

 選挙の結果、「自公連立政権の続投」 あるいは 「民主党の政権交代」、はたまた、「大連立?・中連立??」、いずれに決まろうとも、「今後の様々な難局に対して、政府与党と国民とが一体となって頑張って対処しよう!」 という雰囲気が醸成されることが強く望まれます。




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財政審 「春の建議」 (医療改革に関する提言)

 前回の当ブログ記事の続報です。
 読売新聞ホームページとキャリアブレインに掲載されている 『財政制度等審議会 (財政審) の 「春の建議」 における医療改革』 に関する記事を下記に示します。

医師の適正配置を提言・・・医療改革で財政審が意見書 (読売新聞:2009/6/3)

 財政制度等審議会 (財務相の諮問機関) は3日、2010年度予算に向けた建議 (意見書) を与謝野財務相に提出し、そのなかで、地域や診療科間による医師の不足や偏在について、医師の適正配置などを柱とした医療改革の必要性を提言した。

 我が国では原則、医師は診療科や勤務地を自由に選べる。
 このため、激務とされる産科や外科などの診療科や、地域医療などで、深刻な医師不足を招く背景となっている。

 建議では、ドイツが保険医の開業に際し診療科や地域ごとの定員枠を設けているなどの例を挙げ、日本以外の主要国では制度や事実上の規制があるとして、このような取り組みを参考に 「我が国においても、早急な対策を講ずることが必要である」 とした。

 医師の適正配置については、「医師の職業選択の自由を制約するといった議論もある」 としながらも、国民医療費のほとんどが公費負担であり、「医師の養成には多額の税金が投入されており、医師が地域や診療科を選ぶこと等について、完全に自由であることは必然ではない」 として、規制的手法の必要性を訴えた。

 また建議では、病院勤務医の負担軽減に確実につながるよう、病院に対する診療報酬を手厚くするような診療報酬配分の見直しや、看護師ら医療従事者間の役割分担の見直しを掲げた。

診療報酬改定プロセスの見直しを-財政審 (キャリアブレイン:2009/6/3)
 
 財務相の諮問機関である財政制度等審議会 (財政審、西室泰三会長) は6月3日、診療報酬の改定プロセスや配分などの見直しを求めた 「2010年度予算編成の基本的考え方について」 (春の建議) をまとめ、与謝野馨財務・金融・経済財政相に提出した。
 医師不足解消に向け、「経済財政改革の基本方針2008」 や昨年11月にまとめた建議も踏まえ、医療政策における本質的な課題に対し、早急に取り組む必要があると指摘している。

 春の建議では、特定の地域や診療科などの医師不足、救急医療での患者の”たらい回し”など、医療提供体制をめぐるさまざまな問題が起こる要因として、
  ①医師の偏在
  ②病院勤務医の厳しい勤務環境およびそれを背景とした医師の病院離
   れ (開業医志向)
を挙げた上で、「医師が真に必要とされる部門に適正かつ効率的に配置できていない」 と指摘。
 医師の偏在是正に向けた方策として、医療費配分の見直しを示した。

 具体的には、「現在の診療報酬には、医師の経験や専門性が全く反映されていない」 として、「医師の能力などに応じた配分が可能となるような見直しを行うこと」 が必要だと指摘。
 診療報酬の点数の改定率を内閣が決め、具体的な診療報酬は中央社会保険医療協議会 (中医協) で決定する現在のプロセスを改める必要があるとした。

 また建議では、中医協の機能が医療費の適正な配分には重要だとしながらも、中医協以外の場でも医療費の配分について幅広く議論し、「それが中医協の議論・決定にも適切に反映される必要がある」 とした。
 さらに、「委員の構成も含め、中医協の在り方そのものの見直しも検討する必要がある」 とも指摘した。

 このほか、医師が行っている業務や事務の役割分担の見直しを進め、勤務医の就労環境の改善を図ることや、地域の医療機関の役割分担・機能分化も推進すべきとした。

 建議は医療費負担の見直しにも言及。
 将来世代へツケを回さず、医療保険制度を持続可能なものとするために、自己負担や民間保険によるものなど 「私的医療支出」 を増やす選択肢も視野に入れる必要があるとした。
 その上で、
  ①混合診療の解禁を含む、患者による選択の自由度を高める方策の拡大
  ②少額の医療費の患者負担の在り方を検討する、いわゆる保険免責制の
   導入
など、「以前から財政審で指摘されてきたさまざまな課題が論点となるだろう」 との見方を示した。

(1)財政審の 「春の建議」 の詳細 (特に医療費負担、医療費配分の考え方) を見てみると、やはり、これまでのしがらみに囚われた旧態依然とした発想 (財界・お金持ちの方々の発想で、我々一般庶民の感覚とは懸け離れた発想) と思われます。

(2)前回の当ブログ記事と同じ結論で恐縮ですが、やはり、現在の社会の閉塞状況を打破するためにも、政府・与党・官僚・有識者 (財界・大企業の経営者、御用学者) の方々には、発想の大転換をして頂き、「診療報酬・介護報酬等、必要な社会保障費は全額確保する」 という大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。

(3)また、これも前回の当ブログ記事と同じ結論で恐縮ですが、やはり、崩壊した (あるいは、破壊された) 「医療・介護・福祉・雇用・年金」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生を優先させ、それに伴う雇用創出効果・経済波及効果による内需拡大にて、現在の世界的大不況に立ち向かい、日本の景気回復を早期に図るという 「ビジョンと戦略」 を、為政者には持って頂きたいと思います。
 そして、既にこれまでに失敗・失政に終わっている 「旧態依然とした発想およびビジョンと戦略」 はきっぱりと捨て去って頂きたいと思います。




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財政審建議 「診療報酬も抑制を」 (民間賃金低下を考慮)

 毎日新聞ホームページに、財政制度等審議会の建議における診療報酬改定に関する記事 (2009/6/3) が掲載されていますので下記に示します。

財政審建議:「診療報酬も抑制を」 民間賃金低下を考慮
 
 財政制度等審議会 (財務相の諮問機関) が10年度予算編成に向け、3日に与謝野馨財務・金融・経済財政担当相に提出する建議 (意見書) の全容が2日分かった。
 10年度に改定予定の診療報酬について、「民間賃金や物価動向を十分に踏まえ検討する必要がある」 と、景気悪化による賃金や物価の低下を反映させ、報酬も抑制すべきだとの提言を盛り込んだ。

 診療報酬は、医療機関などが診療などへの対価として受け取る報酬。
 医師の技術料などの 「本体部分」 と薬価に分けられ、2年に1度改定される。
 前回の08年度の改定では、本体部分を0.38%増と8年ぶりにプラスとした一方で、薬価は1.2%引き下げたため、診療報酬全体では0.82%減と4回連続のマイナスとなった。

 日本医師会などは、「医師不足などの医療危機は医療費の削減が原因」 と、診療報酬の引き上げを求めている。
 これに対し建議は、「医師が真に必要とされる部門に適正に配置できていないことが大きな要因」 と指摘し、地域や診療科ごとに開業医の定員を設けることなどにより、医師の偏在を是正することが医師不足の解消につながると訴えている。

(1)前回の当ブログ記事でも強調しましたが、現在の社会の閉塞状況を打破するためにも、政府・与党・官僚・有識者 (財界・大企業の経営者、御用学者) の方々には、発想の大転換をして頂き、「診療報酬・介護報酬等、必要な社会保障費は確保する」 という大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。

(2)崩壊した (あるいは、破壊された) 「医療・介護・福祉・雇用・年金」 の 「社会保障・セーフティネット」 の再建・再生を優先させ、それに伴う雇用創出効果・経済波及効果による内需拡大にて、現在の世界的大不況に立ち向かい、日本の景気回復を早期に図るという 「ビジョンと戦略」 を、為政者には 持って頂きたいと思います。
 また、既にこれまでに失敗・失政に終わっている 「旧態依然とした発想およびビジョンと戦略」 は捨て去って頂きたいと思います。




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「わが国の医療政策の方向」 (厚生労働事務次官・講演)

 Japan Medicine (2009/5/27) に、日本病院会総会において江利川厚生労働事務次官が行った講演 「わが国の医療政策の方向」 に関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

【わが国の医療政策の方向】

●少子化問題克服が安定的制度設計につながる

 厚生労働省の江利川毅事務次官は、「わが国の医療政策の方向」 をテーマに、最近の医療施策の動向について言及し、少子化問題が克服できないと安定的な制度設計ができないと指摘した。
 特に、医療費の現状は、高齢者の医療費が若人の約5倍だが、諸外国では同じ数値が約3倍にとどまるとし、高齢者の医療費の削減は避けられない施策であることを示唆した。

 講演後の質疑応答では、フロアから医師の負担軽減策として入院時医学管理加算や、入院基本料7対1など、打たれる施策がちぐはぐとの意見が出された。
 これに対して、江利川事務次官は、「政策の連携が重要」 とし、それを意識した人事異動を夏に行いたいとの考えを示した。

 さらに、医師不足等や医療技術の高度化に伴い、医師、看護師等の役割分担の見直しが求められる中で、NP (ナースプラクティショナー) などの医療職の検討に関する質問が出された。
 同事務次官は、歩みは遅いが検討を進めている状況ではないかと回答した。

(1)相も変わらず、「高齢者の医療費の削減は避けられない」 との御託宣です。
 事ここに至っては、発想の大転換をして頂き、「必要な高齢者の医療費は確保する」 という大前提で、他の分野の 「税金の無駄使い」 を大胆にカットして頂き、その結果、「削減するものが最早ない」 ということを一般国民が充分納得した上で、最後の最後で消費税増税論議に入って頂きたいと思います。

(2)フロアからの質疑応答時の 「打たれる施策がちぐはぐ」 との意見に関しては、2年ごとの診療報酬改定の総責任者である厚生労働省保険局医療課長が変わるたびに、診療報酬体系の精神・思想および方向性が相当変わる、あるいはブレる印象があります。
 政府が最終決定する診療報酬改定率に翻弄されるからかも知れませんが・・・。

(3)上記のNPをはじめとした 「医師から看護師等のコメディカルへのエンパワーメント (権限と責任の委譲)」・「スキルミクス (真の多専門職種協働)」 については、「医師 (特に勤務医) の負担軽減」・「チーム医療」 において大変重要な課題です。

 法律上の諸問題ならびに各専門職種における様々な利害関係等がネックとなり、遅々として進展しない印象を受けますが、「医療崩壊・医療破壊」 のこれ以上の増悪を防ぐためにも、拙速は避けつつ、一歩一歩前進して頂きたいと思います。

【関連記事】
 ◎ 「医師不足対策の誤りを指摘」 (日野原重明・聖路加国際病院理事長)
 ◎PA (非医師高度臨床師) ・NP (ナース・プラクティショナー)
 ◎医療職種の役割分担 「検討の場、設置を」 (医道審議会)
 ◎ 「医行為のコメディカルへの権限委譲」 厚労省見解




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