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障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化

 メディウェル・ログ (施設基準の地方ルール?) に、障害者病棟に関する衝撃的な記事が掲載されています。即ち、障害者施設等入院基本料の算定要件において、厚生労働省により、厳格な解釈がなされているそうです。要約すると下記の通りです。

●障害者施設等入院基本料の算定要件
 重度の肢体不自由児 (者) (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、脊髄損傷等の重度障害者 (脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く)、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等を概ね7割以上入院させている一般病棟であること。
 なお、重度の意識障害者とは、次に掲げるものをいうものであり、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。
  (イ) 意識障害レベルがJCS (Japan Coma Scale) でⅡ-3 (又は30) 以上又は
   GCS (Glasgow Coma Scale) で8点以下の状態が2週以上持続している患者。
  (ロ) 無動症の患者 (閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)。

(解釈1) 「概ね7割」 は、「実際の入院患者数の7割」 ではなく、「病床数の7割」 で
   ある。
 施設基準に、特に 「入院患者数」 と明記されていない際には、「病床数」 と解釈する。そもそも障害者施設等入院基本料を算定している病棟は、該当患者を100%入院させることを前提としている。
 
(解釈2) 病床数に対しての該当患者7割規定に関しても、他病棟を有している病院
   には適応されない。

 例えば、一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有している病院などでは、もし非該当患者が存在するのであれば、一般病床に入院させれば良い。仮に障害者施設等入院基本料を算定している病棟しかない場合には、他の病棟に回しようがないので 「特別に」 非該当患者を3割まで認めるという解釈である。
 一般病床と障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有するある病院が、上記の回答を得ており、実際に該当患者100%の運営を行っており、これを維持するために、同院では該当患者集めのため地域連携室の人員を増やし充実させたという事例がある。


 厚生労働省は、上記のような障害者施設等入院基本料・算定要件の解釈の厳格化を行うことにより、「医療機関の機能分化と連携、および集約化・重点化・拠点化」 の名の下に、(比較的診療報酬の高い) 障害者病棟の削減・集約化・純化を狙っていると思われます。実際に、障害者病棟の維持には、該当患者の確保のみならず、医療スタッフ (特に看護要員) の確保も必要であり、解釈の厳格化により、ハードルが相当高くなると思われます。

 また、脳卒中・認知症患者にとっても、この解釈の厳格化は、悲惨な現状 (「医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える」 ブログの記事 「診療報酬改正でスケープゴートに、再入院もままならない脳卒中後遺症患者の苦難」 参照) を、より悪化させます。
 「平成20年10月の障害者病棟対象患者からの脳卒中・認知症患者の除外」 により、当該患者は、医療療養病床、介護療養病床等の介護保険施設、在宅等へ転院・入所・退院、あるいは一部、医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) 化していると推測されます。
 当初は一部の脳卒中・認知症患者は、障害者病棟の3割部分に入院していたと思われますが、上記解釈により、それも不可能となり、益々、多くの医療難民 (脳卒中難民・認知症難民) が続発すると考えられます。

 但し、上記のような解釈の厳格化に関して、都道府県によって未だ温度差があるかもしれませんが、詳細は不明です。

 財務省の財政再建・医療費削減の圧力に、厚生労働省が屈し、これまで様々な医療制度改悪が導入されてきました。厚生労働省は、日頃は、「患者さんの視点を一番大事にします」 と言っておきながら、肝心な時には、「財政再建の視点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生労働省の視点 (省益・局益)」 等で医療政策を立案・実行してきました、この自己矛盾を打破し、国民本位の医療政策策定を切望します。
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