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リハビリテーション診療報酬は 「包括払い制度」 へ???

 「民主党政策集 INDEX 2009 医療政策<詳細版>」 (2009/7/31) における 「国民皆保険制度の維持発展」 の章の 「包括払い制度の推進」 の項を下記に示します。

●包括払い制度の推進

 国内どこに住んでいても、医学的根拠に基づく医療 (EBM) が受けられるよう、急性期病院において、より一層の包括払い制度 (特定の疾患に定額の報酬が支払われる制度) の導入を推進します。
 同時にクリティカルパス (註) を可能な限り導入し、療養病床においては食費・居住費を含めた包括払い制度を導入します。
 超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます。
 なお、後期高齢者医療制度でも外来医療費を定額にできる 「包括払い」 のような制度が導入されていますが、仕組みはまったく異なります。
 75歳以上の高齢者のかかりつけ担当医が、慢性疾患を抱えがちな高齢者について、定期的に診療計画書を作成し、生活全般にかかわる指導・診察を行えば後期高齢者診療料が算定できるというものです。
 これは医療現場の理解を得られておらず、後期高齢者に限って医師へのフリーアクセスが制限され、必要な検査ができなくなる恐れがあることなどから民主党は反対しています。

 (註) クリティカルパス
   ◎医療の内容を標準化し、質の高い医療を提供することを目的として、
    疾患ごとに入院から退院までの経過や検査の予定などをスケジュール
    表のようにまとめたもの。

(1)上記の文中に、「超急性期・回復期・維持期リハビリテーションについては、その重要性を考慮し、当面は出来高払い制度としますが、スタッフの充実度および成果を検証し、将来的には包括払い制度に組込みます」 という文言がありますが、少なくとも、「急性期」 は包括払い制度からは除外されていると考えられます。

(2)全く同じ文言が、昨年の 「民主党 INDEX 2008」 の 「厚生」 の章にも記載されています。

(3)リハビリテーション診療報酬における 「包括化 (包括払い制度の導入)」 に関しては、当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬の 「包括化」 導入の可能性』および 『急性期・亜急性期のリハビリ料の出来高払いの既定事実化 (二木教授)』) において、既に詳細に考察していますので、ご参照下さい。

(4)現時点での当ブログ管理人の予想は、下記の通りです。

 ①次期2010年度 (平成22年度) 診療報酬改定における 「超急性期 (~急性期) の
  リハビリテーション料」 の 「包括化ならびにセラピスト以外の代替有資格者
  (看護職員) の算定可能化」
の導入の可能性は 「完全には否定できない」 と考
  えられます (下記の参考資料を参照)。(特に、DPCにて在院日数の短縮が
  より強く求められており、且つ配置セラピストが不足している 「DPC対象
  病院である高度急性期総合病院および急性期総合病院」 に対する対策)。

(参考資料)

 「医療経営Phase3 (フェイズ・スリー)」 (平成19年12月号) の中の記事 (霞が関ズームアップ「平成20年度診療報酬改定の評価項目が浮上」) において、下記の 「急性期リハビリテーション料の新設」 に関する予測記事が掲載されましたが、結局、平成20年度診療報酬改定での導入は見送らました。

【急性期リハビリテーション料の新設】
 リハビリテーションは発症初期から開始することが重要であり、平成18年度診療報酬改定でも急性期・回復期のリハビリを評価している。
 急性期・回復期のリハビリは、発症直後から関節可動域訓練などを開始することが重要視されているが、急性期は臥床したままで、リハビリの専門病院に転院した後、または回復期リハビリ病棟に転棟した後に、リハビリを開始する事例も多い。
 この場合、リハビリを開始する時点で既に回復が困難なレベルにまで拘縮が進んでいるため、回復期リハビリが充分な効果を発揮できない事例があることも、厚労省は把握している。
 これらをもとに同省では、発症直後から何らかのリハビリを開始することを評価した点数を設定することを検討している。
 具体的には、「1日につき150点の急性期リハビリテーション加算を新設する」 意向だ。
 算定条件としては、
  (1) リハビリを必要と認める患者に対して発症直後から2週間までの間に
   医師の指示の下、看護師 (准看護師を含む)、または理学療法士が関節
   可動域訓練などを実施した場合に、入院基本料に加算できる。
  (2) 対象者を疾患別リハビリの対象患者に限定する。
  (3) 疾患別リハビリ料とは併算不可とする。
などが考えられている。
 財政負担は、年間16億円程度と試算されている。

 ②但し、基本的には、日本福祉大学の二木教授が仰るとおり、「急性期・亜急
  性期医療 (回復期リハビリテーション病棟も含む) のリハビリテーション料
  は、今後も出来高払いであり続ける」・「急性期・亜急性期のリハビリテー
  ション料は包括払いの対象に含めないとの方針は、既定事実化あるいは既
  得権化した」
と思われます。

 ③また、厚生労働省DPC研究班・主任研究者の松田教授 (産業医科大学) も、
  「DPCについては傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハ
  ビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥
  当」
との見方を示しています。

(5)しかしながら、DPC対象病院に限らず、急性期・亜急性期のリハビリテーション料において、「ドクターフィー (医師技術料) あるいはドクターフィー的要素 (コメディカル技術料)」 と 「ホスピタルフィー」 の考え方が、導入される可能性も否めません。

 急性期・亜急性期のリハビリテーション料の出来高制度を守るためにも、以前の当ブログ記事 (『リハビリテーション診療報酬における 「医師の技術料」 (政府見解)』、『疾患別リハビリテーションにおける専任医師の人員基準』、『リハビリ医療における 「医師および疾患別リハビリ専任医師」 の責務』) で論じたように、リハビリテーション医療における医師および疾患別リハビリテーション専任医師の関与度 (特に、リハビリテーション適応判定および適切な指示、定期的なリハビリテーション治療効果判定、原疾患・合併症・併存疾患の医学的コントロールならびにリハビリテーション・リスク管理等の責務) をより高め、且つ、セラピストのスキルアップおよび多専門職種による徹底したチーム・アプローチによる、リハビリテーション治療効果の更なる向上を図る必要があると考えられます。

 そして、リハビリテーション医療の効率化と質の管理リハビリテーション治療効果および成果 [アウトカム評価は、患者・家族要因、環境要因、社会的要因等に左右されるため、「プロセス評価」 および人員基準等の一部のストラクチャー評価がベター] のエビデンスを示していく必要があると考えられます。
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