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脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄氏)

 朝日新聞 (2009/3/2) の 「私の視点」 に、免疫学の世界的権威であり、また、脳梗塞による重度後遺症の御身で、卓越した情報発信力・揺るぎない信念にて厚生労働省の 「リハビリテーション算定日数制限問題」 等の理不尽な政策を糾弾してこられた多田富雄・東京大名誉教授の鬼気迫る文章が掲載されています。

●脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」 (多田富雄・東京大名誉教授)

 後遺症で身動きもままならないのに、入院中の病院から出ていってくれといわれた患者。転院を迫られても引き受けるところが見つからない重症者。帰るに帰れない事情を背負ったまひ患者。リハビリを打ち切られて極度に機能が落ちた重度の障害をもつ者。

 声を上げることができない脳卒中の患者が、行政から見放されている。「医療の効率化」 の名の下に重症者が選別され、国から見捨てられた棄民と化している。

 ウソだと思う人もいるだろうが、日本リハビリテーション医学会の最近のアンケートで、回復期リハビリ病棟の専門医の約2割が 「患者を実際に選別している」 と認め、約半数の医師が 「その可能性がある」 と答えているのだ。選別しなければ病院の経営が成り立たないような制度が相次いで施行されたためである。私の周囲でも、悲惨な患者の例を頻々と耳にするようになったのである。

 私は2001年に重症の脳梗塞になり、いまだに言葉を発することも、歩くこともできない。しかしリハビリ訓練を続けたおかげで。かろうじて社会復帰をしている。

 しかし、リハビリをめぐる状況は、この3年で急速に悪化している。

 発端は2006年の診療報酬改定である。政府は、超高齢化社会に対応して社会保障費を増やすどころか削減し、脳卒中のため障害を負った患者のリハビリ医療を、発症から起算して最高180日に制限した。これを機に、脳卒中患者の苦しみは、日を追って絶望的なものになった。

 日数制限の撤廃を求める署名は48万人に達したが、厚生労働省はそれを握りつぶし、翌07年の異例の再改定では、心筋梗塞などごく一部を日数制限から外して、緩和したように見せかけただけだった。

 逆に、日数を超えてリハビリを続ければ、病院には低い診療報酬しか支払われないようになり、慢性期の脳卒中患者のリハビリ継続はますます難しくなった。ことに救急車では込み込まれた重症の患者は、発症日から60日以後は回復リハビリ病棟に移ることもできなくなり、リハビリを始めることさえできない。初めから回復のチャンスが奪われてしまったのである。

 さらに、2008年10月からは治療結果による病院の”懲罰制”まで導入された。回復期リハビリ病棟に入院後180日以内に自宅やそれに準ずる施設に退院した患者が6割を超えないと、病院に支払われる報酬が大幅に減額される。病院はノルマを達成するために、治療途中の患者を自宅に帰さなければならない。そのためリハビリの期間は短くなり、治療半ばで中止させられる例も多い。中には点滴の管をつけたまま、自宅に退院させられる患者まで現れた。退院しても 「老老介護」 では、通院治療もままならない。

 そのうえ、慢性期のリハビリは介護保険のデイケアでやれといって、退院後の機能回復の機会を奪った。リハビリは患者の個別性に応じて行う専門的な医療であり、介護施設のデイケアなどでは対処できるものではないのだ。

 改善が目に見えないからといってリハビリを続けなければ致命的な機能低下が起こることを無視した日数制限の結果、寝たきりになった人が幾人いることか。残った機能の維持こそ命を救い社会復帰させる医療なのに。

 リハビリは単なる機能回復の訓練ではなく、社会復帰を含めた人間の尊厳を回復する医療なのである。患者や医師、リハビリ施設の職員たちから苦悩の声があがっても、厚労省は言を左右に、医師や病院の責任にして自分たちの非を認めない。脳卒中患者を抜き打ち的に狙った迫害、としか言いようがない。

 相次いだ制度の改悪によって、脳卒中の治療に熱心だった病院の収入は減り、重症の患者は初めから受け入れない傾向が生じた。そしてついには、最初に述べた患者の選別までが起こったのだ。

 これが 「文明国」 と称する日本の現状である。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 と定めた憲法25条は、脳卒中患者には当てはまらないとでもいうのだろうか。

 リハビリをすれば社会復帰できたのに、寝たきりになった患者の人権はどうなるのか。最後の命綱を断ち切られて、命を落とした人に涙を注がないのか。この日本で、難民ではなく医療を奪われた棄民が発生したのだ。

 リハビリ医療の度重なる制度改悪は、最弱者である患者の最後の希望を打ち砕き、医師や療法士のやる気をなえさせ、病院を疲弊させた。

 医療は崩壊ではなく、破壊されたのだ。

 最弱者を狙い撃ちにするような非人間的な制度は、即刻撤廃するべきである。

 上記に関する当ブログ管理人の考察・結論は、下記の通りです。

(1)多田名誉教授は、下記のような現在の医療行政の失政および医療制度改悪について鋭く指摘されています。

 (a) 医療費亡国論、小泉竹中構造改革、膨大な財政赤字 (官僚・与党議員等が何
  ら責任を取ろうとしない。反省・謝罪の弁も全くない!) に伴う財務省の財政
  再建至上主義 (財政再建原理主義) 等による 「医療費抑制・医師不足による医
  療崩壊・医療破壊 (特に、勤務医・病院)」


 (b) 「患者・高齢者・介護サービス利用者・障害者の視点」 より、「財政再建の視
  点」・「社会保障費削減の視点」・「医療費削減の視点」・「財務省の視点」・「厚生
  労働省の視点 (省益・局益)」・「診療報酬支払い側の視点」・「介護保険料の視
  点・市町村の視点」 等の方を重視してきた厚生労働省

 (c) 平均在院日数の呪縛

 (d) 2006年の診療報酬改定で導入された 「リハビリテーション算定日数制限」
  よび厚生労働省の見せかけの緩和策

 (e) 医療保険において、リハビリテーションを継続することにより 「状態の改善」
  が得られる場合しか算定を認めない厚生労働省
   (*) 「状態の維持」 および 「状態の低下傾向の可能な限りの抑制」 も重要であ
   り、このことは、症例によっては、「状態の改善」 と同等あるいはそれ以
   上に難しいタスクです。したがって、介護保険リハビリテーションでは
   困難 (平成21年度介護報酬改定で導入される短時間通所リハビリテーショ
   ンでも困難) であり、医療保険での集中的かつ濃厚なリハビリテーション
   が必要な場合が少なくありません。

 (f) 2008年10月に導入された 「障害者病棟からの脳卒中患者・認知症患者の排除」

 (g) 量的・質的に不充分な回復期リハビリテーション病棟、発症・手術・損傷か
  ら同病棟入院までの期間の制限 [2ヵ月以内 (一部、1ヵ月以内)] 、2008年10
  月から導入された 「患者選別」 を強要する同病棟への成果主義 [在宅復帰率等
  のアウトカム評価 (通常の成果主義は、プロセス評価が主)]

 (h) 医療療養病床の理不尽な医療区分の問題・不充分な診療報酬の問題

 (i) 量的・質的に不充分かつ経営的に不安定な介護保険施設

 (j) 不充分な在宅ケア体制

 (k) 要介護度の軽度化、介護給付費の抑制、老老介護・介護殺人・介護自殺・孤
  独死等の介護保険の構造的問題 (含、本来の理念 「介護の社会化」 の空疎化)

(2)我々リハビリテーション関係者も、多田名誉教授の忸怩たる思いと腹の底からの叫び・主張・提言を、真摯に受け止め、自らの力不足・努力不足・認識不足・行政へのアピール不足・厚生労働省の分断作戦によるリハビリテーション関連団体の分断・分裂等を深く反省しなければならないと思います。

(3)リハビリテーション (特に、診療報酬・介護報酬) において、下記のように、立場が違うと、それぞれの思惑が大分異なります。

 (a) リハビリテーション関連団体
  (1) 整形外科関連3団体 (日本整形外科学会・日本臨床整形外科学会・日本
    運動器リハビリテーション学会)、
  (2) 日本呼吸器学会・日本呼吸ケアリハビリテーション学会
  (3) 日本心臓リハビリテーション学会
  (4) リハビリテーション関連5団体 (日本リハビリテーション医学会・日本
    リハビリテーション病院・施設協会、日本理学療法士協会、日本作業
    療法士協会、日本言語聴覚士協会)

 (b) 各リハビリテーション・ステージ (急性期、回復期、維持期)

 (c) 各診療科 (整形外科、内科、小児科、脳神経外科・神経内科、呼吸器内科・呼
  吸器外科、循環器内科・心臓血管外科、リハビリテーション科、等)

 (d) 各職種 (医師、PT、OT、ST、あん摩マッサージ指圧師、看護師、准看護
  師、柔道整復師)

 (e) 医療機関 (大学病院等特定機能病院、大病院、中小病院、診療所。総合病院、
  専門病院、等)

 (f) 医療保険 [医療機関、(施術所、治療院、鍼灸院、鍼灸マッサージ院、整骨院、
  接骨院)]、介護保険 (介護保険施設・居宅サービス事業所)、障害者自立支援法

 (g) 民間医療機関、公的医療機関

(4)上記(3)の立場の違い・思惑の違いにつけ込んで、厚生労働省は分断作戦を敢行し、勝利を収めてきました。そしてそれが、多田名誉教授が嘆かれている診療報酬改悪・介護報酬改悪・医療制度改悪に繋がってきました。

 したがって、我々リハビリテーション関係者は、リハビリテーションの理念の原点に戻り、上記(3)の様々な立場を超えて、足並みを揃え、「患者さん・障害のある方」 の視点に立った行動をとり、以て、我々の使命・責務を果たす必要があると思います。
 また、リハビリテーション効果の更なるエビデンスを示していく責任もあると考えられます。

(5)以上、多田名誉教授がお書きになった文章 (脳卒中患者 リハビリ医療を奪われた 「棄民」) について論じました。

 多田名誉教授が指摘された様々な問題点を包含するリハビリテーションの現状を打破するためには、我々リハビリテーション関係者のみならず、厚生労働省とも足並みを揃える必要があり、行政・政治・マスメディア等を巻き込んだ包括的なアプローチが肝要と考えられます。

 そしてそれが、「医療難民 (特に、脳卒中、認知症)・救急難民・リハビリ難民・介護難民・障害者難民」 ならぬ 「医療棄民 (特に、脳卒中、認知症)・救急棄民・リハビリ棄民・介護棄民・障害者棄民」 の出現防止に繋がると考えられます。
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