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「訪問リハビリステーション」 の制度化を (全国訪問リハ振興会)

 キャリアブレインのCBニュース (2009/6/17) に、訪問リハビリステーションに関する記事が掲載されていますので、下記に示します。

「訪問リハビリステーション」 の制度化を-全国振興会

 訪問リハビリテーションへのニーズが広がる中、今年4月に発足した 「全国訪問リハビリテーション振興会」 (伊藤隆夫代表) は、管理者やスタッフへの研修を通じたサービスの質の向上や、「訪問リハビリステーション」 の制度化を目指している。

 同振興会は、「日本理学療法士協会」・「日本作業療法士協会」・「日本言語聴覚士協会」 の3協会と、訪問リハビリにかかわる 「全国訪問リハビリテーション研究会」・「全国在宅リハビリテーションを考える会」 の2団体が共同で設立した。

 代表に就任した理学療法士の伊藤氏は、訪問リハビリの現状について 「サービスの提供は年々増えているが、絶対数がまだまだ少ない」 と指摘。
 これまで訪問リハビリに特化した研修を行う組織がなく、各団体がそれぞれ独自に研修を実施してきたという。

 昨年から訪問リハビリについて共通の組織を設立する話し合いが行われ、今年4月に振興会を発足させた。
 振興会には 「研修」 をはじめ、「訪問リハビリの実態調査・研究」・「訪問リハビリステーション制度化準備」 の3つのワーキンググループが設けられた。

 研修は、セラピストの質の確保と、スタッフをまとめる管理者の育成などを目的としており、伊藤代表は 「今はとにかくサービスの質を上げていきたい」 とした上で、さらに2012年度の診療・介護報酬の同時改定に向け、セラピストが単独で運営可能な 「訪問リハビリステーション」 の制度化にもつなげたいという。

 訪問リハビリは、訪問看護ステーションと病院や診療所などの医療機関からサービスを提供できるが、現行では、作業療法士 (OT)、理学療法士 (PT)、言語聴覚士 (ST) が単独で事業所を運営できないため、セラピストが訪問看護ステーションを設立し、そこから 「訪問看護7 (訪問看護ステーションからのセラピストが行う訪問リハビリテーションの介護保険における略称)」 を実施しているケースが多い。

 セラピストの3協会は 「訪問リハビリステーション」 の制度化を提言してきたが、これは今年度の介護報酬改定では見送られた。

 伊藤代表は 「この1、2年で実績をつくり、エビデンスに基づいた資料などを提出していきたい」 とし、厚生労働省などにも訪問リハビリの実態や効果を訴えていく考えだ。

(1)訪問リハビリステーションに関する日本リハビリ病院・施設協会の考え方が、下記の通り、キャリアブレインのCBニュース (2008/10/14) の記事にて、紹介されています。

訪問リハステーションの新設目指す―リハ病院・施設協会

 日本リハビリテーション病院・施設協会が10月11日、東京都内で開いた 「2008年度第1回リハビリテーション研修会」 で、浜村明徳会長が 「介護報酬改定の動向」 をテーマに講演、介護保険制度での訪問リハステーションの新設などを訴えた。

 浜村氏は、この20年間のリハビリテーションの変化について、「住民の身近にリハの提供施設が増え、回復期リハ病棟の数が約1,000病棟、約4万5,000床になるなど、必要な患者へのリハの提供量が格段に増えた」 と評価した。

 一方、今後の課題として、急性期・回復期・慢性期に対する総合的で一貫したリハの提供や、在宅における維持期リハの提供体制の整備などを挙げた。

 中でも、在宅における訪問リハの重要性を強調。
 訪問リハ専従者の養成や訪問リハの運用システムの整備、訪問リハ提供拠点の整備によって、「退院、退所直後、あるいは生活機能の低下時に、適切かつ迅速に提供される訪問リハの普及を図る」 との構想を示した。

 訪問リハの提供拠点の整備について、浜村氏は、単独型の訪問リハステーションの創設に意欲を見せ、「日本リハビリテーション病院・施設協会としては、独立した訪問リハのステーションがあってもいいのではないかと考えている」 と述べた。

 訪問リハステーションの実現に向けた行動計画については、「現在は周囲の理解も、われわれ自身の (訪問リハステーションの運営に向けた) 体制も十分でない。2009年の介護報酬の改定で提案するのは難しい」・「2012年の診療報酬、介護報酬同時改定での、訪問リハステーションの制度創設を目指す」 と語り、2009年の介護報酬改定では、まず 「訪問リハ拡充を図る」 との方針を述べた。

 同協会は、9月18日に開かれた第53回社会保障審議会介護給付費分科会に対して提出した要望書で、訪問リハの拡充について、
  ①病院・診療所・老健・訪問看護ステーションなど訪問リハ提供拠点
   の拡充
  ②在宅主治医と訪問サービス側の連携方法の確立
  ③訪問サービスを提供するPTやOT、STの養成機関の整備と教育
   研修体制の充実
などを訴えている。

(2)2009年度介護報酬改定以前において、「訪問看護7の50%規制」 (訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされることは適切ではない) の発出により、訪問看護ステーションからの 「訪問看護7」 が減少し、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加しました。

 しかしながら、地域によっては、訪問看護ステーションは存在するが、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーション提供体制がほとんどないため、訪問リハビリテーションサービスを受けられないという地域格差の問題が生じたため、下記の通り、2009年度改定にて、同規制の事実上の撤廃の運びとなりました。

 また、同時に、下記の通り、訪問看護ステーションの管理者要件の緩和 (管理者に、条件付きで、PT・OT・STを認める) が行われました。

●介護保険最新情報 Vol. 69 (平成21年3月23日) 「平成21年4月介護報酬改定関係Q&A (Vol.1) について」

【訪問看護】 (リハビリテーション関連)

(問37)訪問看護事業所の管理者として保健師及び看護師以外の者をあてることができる場合とは、具体的にどのような場合か。

(答)地域の事情等により、主に理学療法士等により訪問看護が行われ、管理者としてふさわしい保健師、看護師が確保できない等のやむを得ない理由がある場合には、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた理学療法士等をあてることが考えられる。

(問38)理学療法士等の訪問については、訪問看護計画において、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされてもよいのか。

(答)リハビリテーションのニーズを有する利用者に対し、病院、老人保健施設等が地域に存在しないこと等により訪問リハビリテーションを適切に提供できず、その代替えとしての訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問が過半を占めることもあることから、理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定もあると考える。

 したがって、上記の訪問看護ステーションの管理者要件の緩和に伴い、PT・OT・STが訪問看護ステーションの管理者に就任しマネジメントを行うことにより、近い将来 [2012年度 (平成24年度) 診療報酬・介護報酬同時改定時] の訪問リハビリステーションの創設に向けた予行演習および実績づくりの環境が整ったと考えられます。

(3)しかしながら、少し気がかりなのは、訪問リハビリステーションに関するこれまでの経過です。

 厚生労働省が、訪問リハビリステーションの創設に比較的消極的なのは、日本看護協会の影響もあるとは思いますが、「訪問看護7の50%規制後、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションが増加したのだから、わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という言い分でした。

 しかし、病院・診療所・老人保健施設からの訪問リハビリテーションにおける地域格差、かつ、訪問看護7に関する当時の予想 (「セラピスト訪問の50%規制」→「訪問看護7自体の完全廃止」) の方向性では、やはり訪問リハビリステーションは必要であるとの空気になりました。

 ところが、今回の改定により、訪問看護7の 「50%規制」 が事実上撤廃となり、訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーションが増加し、かつ、訪問看護ステーションの管理者にPT・OT・STが成れるとなると、ある意味では 「わざわざ訪問リハビリステーションを創設しなくてもいいのではないか」 という議論になるのではないかと危惧しております。(当ブログ管理人の考え過ぎ・考え違いとは思いますが・・・)。

 ともあれ、現実的に、急性期~回復期~維持期のシームレスな地域リハビリテーション連携システムの構築と充実のためには、在宅生活支援リハビリテーションの要として、訪問リハビリステーションの必要性は非常に高く、その制度化に向けて、関係学会・協会の強力な連携・提言および実績づくり・エビデンス構築が望まれます。

(4)一方、現在の介護保険制度の構造的な問題として、介護サービス利用者の 「原則1割自己負担」・「支給限度額」 の問題が、各介護サービス (特に、看護およびリハビリテーションの医療系サービス) の利用に対して、悪影響を及ぼしています。

 ケースバイケースですが、訪問リハビリテーションの利用が真に必要なのに、上記問題にてやむなく、ケアプランに組み込めない方も少なくないのではないかと推察されます。(1割の自己負担分を払える方、あるいは支給限度額を超えた分の全額自己負担分を払える方は、いいのですが・・・)。

 したがって、「原則1割自己負担」・「支給限度額」 という根本的な問題の抜本的な解決が肝要と考えられます。
 少なくとも、看護およびリハビリテーションの医療系サービスについては、「支給限度額から外す」・「自己負担分は (あるいは、全額)、医療保険から支給する」 等の対策が必要と思われます (施行は困難とは思いますが・・・)。

 診療報酬・介護報酬における 「患者またはサービス利用者の自己負担の問題 (負のスパイラル問題)」 に関しては、以前の当ブログ記事 (「平成21年度介護報酬改定 (訪問リハビリテーション改定における陥穽)」) にて詳述していますので、ご参照下さい。




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レセプト (診療報酬明細書) の 「返戻」 と 「査定 (減額査定)」

(1)以前の当ブログ記事 (『「保険医療機関等の指導・監査」 と 「保健所による立入検査」』) において、一部のリハビリテーションスタッフの 「監査」 という言葉の誤用 (「個別指導」 との混同) を指摘しました。

 一方、一部のリハビリテーションスタッフにおいて、「レセプトの返戻」 という言葉の誤用 [「レセプトの査定 (減額査定)」 との混同] がみられますので、今回、簡単に解説します。

●レセプト (診療報酬明細書) の 「返戻」 と 「査定 (減額査定)」

 医療機関は、毎月初めに前月の医療費を、まとめて審査支払機関 [「社会保険診療報酬支払基金 (通称、支払基金)」 や 「国民健康保険団体連合会 (通称、国保連)」] に請求します。
 この際、診療内容を記載した診療報酬明細書 (レセプト) を提出します。

 審査支払機関による審査の段階で、レセプトの内容に不備が見つかった場合は、医療機関に差し戻される事があります。
 これを 「返戻」 といいます。
 「返戻」 の理由としては、 保険証の記号・番号の不備、点数、診療内容と病名の不一致などです。
 レセプトが返戻された場合は内容を見直して、注記・修正した上で再提出しなければなりません。
 返戻されたレセプトは診療報酬の支払が最低1ヶ月は遅れてしまうため、返戻を減らす事が医療機関の経営にとって重要です。

 一方、「査定 (減額査定)」 は、請求額から減額されたり減点される事です。
 「査定 (減額査定)」 の理由として、「適応外、過剰、重複、不適当又は不必要」 というような理由が挙げられます。
 減点されてしまうと医療機関の収益にも影響を与える事になります。
 また医療機関として減点に納得がいかない場合は、 医師と相談の上で6ヶ月以内であれば再審査請求をする事が可能です。

(2)上記の通り、レセプトの 「返戻」 は、いわば 「執行猶予」、「査定 (減額査定)」 は、いわば 「罰金刑の執行」 であり、全くの別物です。

 したがって、コミュニケーションの場において、「レセプトの返戻」 という文言と、「レセプトの査定 (減額査定)」 という文言とは、厳密に使い分けする必要があります (さもなければ、会話が混乱し、話が通じなくなります)。

(3)リハビリテーション料のレセプト審査において、「理不尽な・非常識な・理解不能な」 減額査定が多く見られます。

 この要因として、
  ①他の診療報酬 (例:検査、投薬、注射、手術) と異なり、リハビリテーショ
   ン料は、「適応外、過剰、不適当又は不必要」 の審査基準が曖昧
  ② 「おまかせリハビリ」 が多く、医師の関与が少ないと認識されていること
   が多い。
  ③検査・投薬・注射・手術等は、材料費と人件費がかかっているが、リハ
   ビリテーション料は人件費のみである
と認識されていることが多い。
等が挙げられます。

 また、レセプト審査委員による格差 (リハビリテーションに対する理解不足も一因)、都道府県による格差、「社保」 と 「国保」 との格差も問題視されています。

 この件に関する詳細な考察・対策等は、非常に長いブログ記事となるため、また、別の機会に論じたいと思います。

(4)以上、リハビリテーション料のレセプト審査に関するコミュニケーションの場において、「返戻」 と 「査定 (減額査定)」 とは、「厳密に使い分ける・明確に表現する」 ことの重要性・必要性を述べました。

 また、医療機関あるいはリハビリテーションに対する 「指導・監査」 に関するコミュニケーションの場における 「個別指導」 と 「監査」 との文言の峻別も重要と考えられます。




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厚労省・地域包括ケア研究会報告書 (リハビリテーションサービス)

 Online Med ニュース (2009/5/24) にて、「厚労省・地域包括ケア研究会の報告書に関する記事」 が掲載されていますので、下記に示します。

●訪問診療を量的に確保するための計画を作成すべき、退院後のケアを切れ目な
 く (厚労省・地域包括ケア研究会)


 訪問診療を量的に確保するため実施状況を把握して計画を作成すべき。
 在宅医療推進のため有床診療所を在宅復帰支援の中核として活用することを検討すべき。
 在宅主治医と訪問看護師以外に多様な専門職種が参加して医療を提供すべき。
 脳卒中などによる入院患者の退院後に切れ目なく介護サービスが提供されるよう退院前カンファランスに介護職種が参加することが望ましい。

 厚生労働省の地域包括ケア研究会 (座長:田中滋・慶應大学大学院教授) が3年後の介護報酬改定に向けた 「論点整理」 としてまとめた報告書で提言している。

 報告書は、地域で医療・介護・福祉を一体的に提供する 「地域包括ケア」 の実現に向けた検討を進めるための論点を示したものとし、3年後の介護報酬改定に向け、それらの取組を進めるよう求めている。
 また、65歳以上人口が3,600万人 (全人口の30%) を超え、団塊の世代が75歳以上に達する2025年の状況を目標とした論点整理であり、社会保障国民会議により介護費用の爆発的増加が試算されている中で、効率的・効果的な制度設計を目指していかなければならないとの考え方も示している。

 地域包括ケアを支えるサービスのあり方の中で 「訪問診療等」 をあげ、第1に既存の訪問診療の実施状況を把握して、今後の量の確保のために計画を作成すべきとした。
 また、有床診療所を在宅医療の中核として活用すること、在宅医療に医師、看護師以外の専門職種を参加させることも位置付けている。

 さらに、2025年に向けた対策として、在宅医療の活用で生活を継続できる人の要件や基準として、医療ニーズの一次判定レベルについての標準的システムを開発、アセスメントを行うことで、入院の必要性を含めた医療ニーズの把握を地域レベルで行い共有すべきとの考えを示した。

 脳卒中患者の退院後のケアのあり方については、地域包括ケアに関するケアマネジメントの観点で問題意識を示した。
 脳卒中患者の場合、急激に健康状態が悪化して要介護状態になるため、医療 (病院) と介護 (ケアマネジャー) との連携が十分でない場合には、退院してから要介護認定やケアプランの作成が行われるため、ケアの実施までに空白が生じる例が少なくないと指摘、入院期間中にケアプランが作成されるよう退院時カンファレンスに介護職が参加することが望ましいとした。

 上記報告書の第2章 「地域包括ケアシステムを支えるサービス」・第2項 「ケアサービス」 に、リハビリテーションサービスに関して、下記のように述べられています。

●リハビリテーションサービス

1.リハビリテーションとともに、他の居宅サービスを併せて利用する必要がある場合、他の居宅サービスが優先され、結果的にリハビリテーションの利用が制限されているケースが多いのではないか。

2.要介護度とリハビリテーションの必要性が必ずしも一致しない場合であっても、リハビリテーションが適切に利用されるような仕組みについて検討すべきではないか。

3.リハビリ機能を重視した在宅療養支援診療所を新たに評価することについて、どう考えるべきか。

4.地域包括支援センターにリハビリテーションの専門職を配置することや、地域リハビリテーション広域支援センターと地域包括支援センターが強い連携がとれる体制にすること等についてどう考えるか。

5.医療保険・介護保険といった保険別の枠組みでリハビリを提供しているが、利用者の状況や状態に応じて、両者の連携を図っていくべきではないか。

 上記報告書は、2012年 (平成24年) 診療報酬・介護報酬同時改定の際に反映されると考えられます。

 しかしながら、「2009年度介護報酬改定 (改悪)・要介護認定制度改正 (改悪)」・「区分支給限度額・応益負担 (原則1割自己負担)」 という介護保険制度の構造的問題 (そのため、介護保険において、看護・リハビリテーションの医療系サービスの提供量が不充分という問題も生じている) 等により、今や、「介護崩壊 (介護破壊)」・「介護難民」・「介護殺人・介護心中・介護自殺」 等々、問題山積です。

 したがって、2012年 (平成24年) 診療報酬・介護報酬同時改定を待たずに、早急の 「介護の再建・再生」 のための対策が望まれます。




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医療およびリハビリテーションにおける 「不確実性・限界・リスク」

(1)近年の医療崩壊 (特に、病院崩壊) の大きな要因として、これまでの医療費抑制政策ならびに医師不足 (特に、勤務医不足) に伴う医師 (特に、勤務医) の過重負担・疲弊による 「立ち去り型サボタージュ」 が挙げられます。

(2)勤務医にとって、勤務医不足・医療の高度化に伴う過重負担・疲弊も大問題ですが、その他にも、「コンビニ受診」・「モンスターペイシェント」・「医療事故・過誤・訴訟に対する不安および訴訟リスク」 も最近問題視されています。

(3)後者の諸問題は、患者・家族、マスメディア、一般国民等の 「医療における不確実性」 に対する理解不足が大きく影響していると思われます。

(4)「岡空小児科医院」 ホームページに、下記のような 「医療の不確実性」 についてのQ&Aが掲載されています。
 
Q.最近、「医療の不確実性」 という言葉を耳にしますが、どういうことなのですか?

A.とても良い質問を頂きました。
 医療は数学ではなく、アートであるともいわれますが、いくら医学が進歩しても、100%確実な診断や治療、経過予想はあり得ないということです。
 人体はわからないことが多く、現代医学も正しいとは限らないのです。
 また、患者さんの個人差も大きいので、結果がどうなるかは正確に予測できない。
 医師による見解の差もある。
 しかも死亡まで含めた様々なリスクがある。
 正解が一つに決まらない中で、最善の道を探るには、医療を受けないことを含めた複数の選択肢から患者さん自身が選ぶしかないのです。
 「医療の不確実性」 を患者さん、医療者ともに認識し、十分な説明と同意の元に患者さんに治療方針を選択していただくこと (インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイス) が大切になってきます。

(5)上記(4)と同様に、リハビリテーション医療にも、「不確実性」・「限界」・「リスク」 が存在するため、患者および障害のある方に、上記3要素の充分な理解も含めて、「インフォームド (充分な説明を受け、充分理解した上での)・コンセント (同意)」・「インフォームド・チョイス (自己選択)、インフォームド・デシジョン (自己決定)」・「インフォームド・コオペレーション (協力)」 を得るべきと考えられます。

 その上で、「患者および障害のある方」 と 「リハビリテーションスタッフ」 との良好なパートナーシップのもと、円滑なリハビリテーション医療が遂行されることが望まれます。

(6)また、医療およびリハビリテーション医療における 「不確実性」・「限界」・「リスク」 の周知徹底および充分な理解を得るためにも、(既に実施されている医療機関もあると思いますが)、院内掲示 (下記の掲示例を参照) を、院内およびリハビリテーション室に掲げることがベターと考えられます。

●当院をご利用される患者様へ

1,医療には 「不確実性」 があります。

2.医療には 「限界」 があります。

3.医療には 「リスク (危険性)」 が伴います。

●当院でリハビリテーションをご利用される患者様へ

1,リハビリテーションには 「不確実性」 があります。

2.リハビリテーションには 「限界」 があります。

3.リハビリテーションには 「リスク (危険性)」 が伴います。




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小児および高齢者における食品による窒息の要因分析

 厚生労働省ホームページに 「食品による窒息事故に関する研究結果等について」 に関する事項が掲載されていますので、その研究結果の一部の概要を下記に示します。

● 「食品による窒息の要因分析」 調査について
    (平成20年度厚生労働科学特別研究事業)

1.主任研究者:向井美恵 (昭和大学歯学部口腔衛生学教授)

2.研究内容

●窒息事故事例の分析 (小児及び高齢者)

(1)救命救急センターなど433施設を対象に、平成20年6月1日から8ヶ月間の窒息症例 (0歳から15歳の小児) を収集。185施設から回答 (回答率:43%)。

(2)介護老人福祉施設 (特養) に入居している高齢者437名を対象に、平成18年6月から2年半の窒息症例を収集。

●窒息リスクの高い食品 (ご飯、パン) 等の分析

(1)ご飯の固まりや水分を含んだパンが、喉に詰まりやすいものと仮説し、それらの物性を分析。
 なお、餅の物性の分析については、昨年度実施済み。

(2)また、社会的に関心が高いこんにゃく入りゼリーについては、旧来品と現在流通しているものの物性を比較。

●食品の窒息に関する意識調査

(*)15歳以下の子どもをもつ1,015名の母親を対象に、Web調査。

●ヒト側の窒息要因分析

(*)中咽頭の成長変化や形態的特徴 (小児)、加齢による咽頭形態の変化 (高齢者) 等の解剖学的特徴が窒息のリスクへ与える影響を分析。
 あわせて、中咽頭から下咽頭までの動きと食塊 (餅、パン) の咽頭流入の関係を生理学的に分析。

3.結果・考察

(1)小児窒息について、回答のあった救命救急センター185施設での、調査期間中の事例は12例であった。
 そのうち、家族により応急処置 (背部叩打法) が行われていたのは半数のみであり、その教育と普及が重要。
 症例12例の内訳は、アメ (5例)、ピーナッツ・豆類 (3例)、リンゴ、冷凍ゼリー、ラムネ、いくら (各1例) であった。
 12例にうち11例は1歳~4歳。
 死亡が確認できたのは1例。

(2)高齢者窒息では、「認知機能の低下」、「食の自立」、「(特に義歯装着時の) 臼歯部咬合の喪失」 がリスク因子であった。
 窒息事故の約半数は施設で対応しており、施設職員への適切な対処方法の徹底が必要。
 調査期間中の症例の内訳は、野菜・果物、肉、魚類、ご飯、パン、餅、菓子類の順で多かった。
 11.7%で窒息の既往があった。

(3)ごはんやパンを咀嚼しないでのどに詰め込むことは、窒息のリスクであることが示された。
 ごはんの塊の比重が大きくなるほど、硬さ、凝集性、付着性はいずれも増加した。
 唾液と混じったパンの塊の比重が大きくなるほど、硬さ、付着性は増加した。

(4)現在流通しているこんにゃく入りゼリーは、旧来品に比べて、かたさ、破断応力の点で、一般のゼリーの特性に近づいていた。
 一方で、一般のゼリーとは異なる食品特性をもつものであることから、特に、小児や高齢者へこんにゃく入りゼリーを提供する際には、一般のゼリーとは異なるものであることを再度注意喚起する必要があることが示された。

(5)食品の窒息事故は、救急事例にならないまでも日常的に起こっている一方で、そのリスクについて、半数近くの母親は認識しておらず、注意を払っていなかった。
 ただし、自分の子どもが窒息を経験すると、注意を払うようになる母親は多かった。
 リスクに対する認識を高めるとともに、子どもの嚥下、咀嚼能力の発達段階とそれに応じた食品の選択と与え方に関する知識の普及が必要。

(6)子どもの窒息が起こりやすい中咽頭の形態的特徴があること、高齢者のリスク要因は機能低下だけでなく中咽頭の形態的変化もその一つであることが明らかになった。
 また、咀嚼中に、食塊が咽頭に流入することが窒息の一因であると推察された。
 唾液とよく混和する (咀嚼する) こと、一口量を適切にすること (押し込み食べをしないこと) が重要。

(7)窒息事故の防止には、ヒト側の要因と食品側の要因について多面的な対応が必要。

 「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故」 の多発に伴い、小児および高齢者における食品による窒息が注目を浴びました。

 上記研究結果の通り、乳幼児、高齢者などでは、解剖学的・生理学的に、食べ物による窒息がおきやすく、特に、高齢者の場合、加齢・基礎疾患・合併症・併存疾患・障害像・認知機能・義歯の整合性・服用薬等の様々な要因の影響をかなり受けるため、窒息および誤嚥性肺炎のリスクが高いという問題を抱えています。

 また、多くの一般の方が 「それほど危険性はないだろう」 と誤解している 「食事介助」 は、窒息および誤嚥性肺炎の観点から考えると、介助者に 「高いスキルとリスク管理能力」 が要求されると考えられます。

 以上、小児および高齢者における 「食品による窒息および誤嚥性肺炎」 に関して、児童福祉施設、老人福祉施設、介護保険施設、関係団体等に充分な情報提供が成され、食品による窒息事故および誤嚥性肺炎の予防の啓発が成されるとともに、食事提供の際の注意喚起等、事故発生の防止を徹底するよう、関係者に周知徹底されることが望まれます。

 また、「食品による窒息および誤嚥性肺炎」 に対する認識があまり高くない医療機関も要注意です。
 食事介助時のスキルの向上およびリスク管理能力の向上、NST (栄養サポートチーム)・ICT (感染制御チーム)、摂食機能療法 (口腔ケア・摂食嚥下訓練)、段階的な嚥下食の配食システム等の多専門職種による包括的なチームアプローチが肝要と考えられます。




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